JP4663389B2 - 廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰からダイオキシンを除去する集じん灰加熱装置に関する。
廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰加熱装置に関しては従来から種々の提案がなされている。
例えば、特開2002−147739号公報では、ガス化溶融炉から発生した灰を含む可燃ガスを燃焼室に送って燃焼させ、燃焼室で底部に落下した灰は灰出しコンベアで排出する方法が提案されている。
しかし、特開2002−147739号公報に記載された方法では、集じん灰中のダイオキシンは、燃焼ガス中に揮散し分解されるので、特別な分解装置は不要であるが、灰出しコンベアの上の灰は燃焼ガスにより表層のみが加熱され一様な加熱が困難であり、かつ、加熱温度のコントロールが困難なので灰の加熱不足や、過熱による溶融が発生する恐れがあった。
また、特開2003−221111号公報には、スクリューコンベヤを電磁誘導加熱することによって飛灰等に含まれるダイオキシンを連続処理によって効率的で均一に揮発分離する装置が提案されている。
しかし、特開2003−221111号公報に記載された装置は誘導加熱による局所的な加熱方式であるため、スクリューコンベヤ内の灰は表層のみが加熱され一様な加熱が困難であり、かつ、加熱温度のコントロールが困難なので灰の加熱不足や、過熱による溶融が発生する恐れがあった。
特開2002−147739号公報 特開2003−221111号公報
本発明は、前述のような従来技術の問題点を解決し、廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰を所定の温度で均一に加熱処理することができる廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置を提供することを課題とする。
本発明は、前述の課題を解決するため鋭意検討の結果なされたものであり、その要旨とするところは特許請求の範囲に記載した通りの下記内容である。
(1)廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰を加熱処理する集じん灰加熱装置であって、 前記集じん灰を加熱する燃焼室に、回転スクレーパーを有する灰出し装置を配設し、前記燃焼室の側壁に、前記回転スクレーパーの回転により外周部に移動した集じん灰を中心側に移動させる側壁突起を有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
)前記回転スクレーパーの直上に、耐火物からなるリング状突起を設けることにより、燃焼ガスからの直接輻射熱を避け、該耐火物からの固体輻射により集じん灰を加熱することを特徴とする()に記載の廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
)前記耐火物の炉内表面を冷却する冷却ガスの吹き込み口を有することを特徴とする(1)または(2)に記載の廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
本発明によれば、廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰を所定の温度で均一に加熱処理することができる廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置を提供することがことができ、具体的には以下のような産業上有用な著しい効果を奏する。
1)集じん灰の燃焼室に回転スクレーパーおよび側壁突起を設けて加熱面積を広くし集じん灰を攪拌することにより均一な温度に効率良く加熱することができる。
2)集じん灰の加熱処理を燃焼室の灰出し部に設けたことにより、加熱源が不要で、かつ、熱処理により揮散したダイオキシンは燃焼室の高温ガスにより分解されるためダイオキシンの分解装置は不要である。
3)加熱方式を耐火物からの固体輻射方式としたことにより、加熱温度が著しく安定し、かつ、加熱体と灰との接触がないため灰の溶融付着の問題がない。
本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図4をいて詳細に説明する。
図1は、燃焼室下部に設けられた本発明の灰加熱装置の縦断面図である。
図2は、図1に示すA−Aの水平断面図である。
図3は、図1に示すB−Bの水平断面図である。
図4は、図1に示す加熱室の詳細図である。
図1乃至図4において、1はバーナ、2は側壁、2´はリング状耐火物、3は断熱耐火物、4は回転スクレーパー、4´はかき羽根、5は回転駆動装置、6は加熱室、7は側壁突起、8は集じん灰供給コンベア、9は冷却ガス吹き込み口、10は排出口、11は温度計、14はコーン部を示す。
従来、廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰の灰出しコンベアとしてスクリューコンベア方式が一般的であり、この方式では加熱面が狭く、かつ、表層のみの加熱となり、一様に加熱ができないという問題点があった。
そこで、本発明においては、加熱面積が広くとれる回転スクレーパー方式とし、外壁の1ケ所から装入された集じん灰はほぼ一周回転する間に加熱され、底部の排出穴10より排出される。
すなわち、本発明は、廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰を加熱処理する集じん灰加熱装置であって、前記集じん灰を加熱する燃焼室6に、回転スクレーパー4を有する灰出し装置を配設することを特徴とする。
回転スクレーパー4には、図2に示すように放射状に多数のかき羽根4´が設けられており、集じん灰は、かき羽根4´に押されて回転方向に移動するとともに回転により外周側にも移動する。外周に移動した集じん灰は、図4に示すように、周囲の外周壁に設けられる側壁突起7により中心側に押し戻される。これを回転中に繰り返すことにより灰の攪拌が行われ一様な加熱が可能となる。
また、加熱手段として温度変動の激しい高温の炉内ガスからの直接輻射でなく炉内ガスにより回転スクレーパー直上に設けたリング状耐火物突起2´を加熱し、この耐火物突起2´からの固体輻射により加熱する方式とすることにより、安定した加熱を実現することができる。
具体的には、図1に示すように、燃焼室6の下部に回転スクレーパー4を設け、これに多数のかき羽根4´を接続している。
燃焼室6の側面の一ヶ所より、集じん灰供給コンベア8から集じん灰を供給し、かき板4´により、灰は周方向に移動し、ほぼ1周回転した後、排出口10より炉外へ排出される。
また、集じん灰は回転により周方向移動だけでなく、外周部への移動も伴うが、外周部に移動した灰は、4図の矢印で示すように側壁突起7により中心側に押し戻される。この動作を1回転中に繰り返すことにより灰の攪拌が行われ一様な加熱が可能となる。
一方、加熱方法に関しては、燃焼バーナー1からの燃焼ガスは約1000〜1100℃程度であり、燃焼室下部側壁2及びリング状耐火物突起2´をガス輻射および伝熱により加熱し、加熱室6を加熱する固体輻射源として作用する。
この場合、2,2´は輻射率が高く、かつ、熱伝導率の高い炭化珪素質の耐火物が好ましい。
また、加熱室6の温度を適正な温度(400〜500℃)に保つため、図3に示すように、燃焼室6の下部に炉内旋回流を形成し、耐火物表面を冷却する冷却ガスを冷却ガス吹き込み口9より流し、この風量を例えば図1に示すTICにより制御して側壁耐火物2、2´の温度を一定にすることで温度計11にて計測する加熱室6の温度を400〜500℃の間の適正な温度に維持することができる。
なお、燃焼室6の底部における集じん灰の層厚および加熱時間は回転駆動装置5の回転数を変化させることにより自由にコントロールすることができる。
燃焼室下部に設けられた本発明の灰加熱装置の縦断面図である。 図1に示すA−Aの水平断面図である。 図1に示すB−Bの水平断面図である。 図1に示す加熱室の詳細図である。
符号の説明
1 バーナ
2 側壁
2´リング状耐火物
3 断熱耐火物
4 回転スクレーパー
4´かき羽根
5 回転駆動装置
6 加熱室
7 側壁突起
8 集じん灰供給コンベア
9 冷却ガス吹き込み口
10 排出口
11 温度計
14 コーン部

Claims (3)

  1. 廃棄物をガス化溶融処理する廃棄物ガス化溶融処理設備における集じん灰を加熱処理する集じん灰加熱装置であって、
    前記集じん灰を加熱する燃焼室に、回転スクレーパーを有する灰出し装置を配設し、前記燃焼室の側壁に、前記回転スクレーパーの回転により外周部に移動した集じん灰を中心側に移動させる側壁突起を有することを特徴とする廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
  2. 前記回転スクレーパーの直上に、耐火物からなるリング状突起を設けることにより、燃焼ガスからの直接輻射熱を避け、該耐火物からの固体輻射により集じん灰を加熱することを特徴とする請求項1に記載の廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
  3. 前記耐火物の炉内表面を冷却する冷却ガスの吹き込み口を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置。
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