JP2003275706A - 燃焼灰の加熱処理装置 - Google Patents

燃焼灰の加熱処理装置

Info

Publication number
JP2003275706A
JP2003275706A JP2002078113A JP2002078113A JP2003275706A JP 2003275706 A JP2003275706 A JP 2003275706A JP 2002078113 A JP2002078113 A JP 2002078113A JP 2002078113 A JP2002078113 A JP 2002078113A JP 2003275706 A JP2003275706 A JP 2003275706A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion ash
heat treatment
air
treatment apparatus
processing chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002078113A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3590619B2 (ja
Inventor
Tomoko Okita
朋子 沖田
Yasuhiko Fujii
泰彦 藤井
Kunio Ikemoto
邦生 池本
Hiroki Kamon
浩樹 加門
Toshiki Matsui
敏樹 松井
Tomoyuki Imai
知之 今井
Hiroshi Inoue
弘 井上
Tatsuaki Baba
達明 馬場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Naikai Plant KK
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Naikai Plant KK
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Naikai Plant KK, Toda Kogyo Corp filed Critical Naikai Plant KK
Priority to JP2002078113A priority Critical patent/JP3590619B2/ja
Publication of JP2003275706A publication Critical patent/JP2003275706A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3590619B2 publication Critical patent/JP3590619B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼灰に含まれる未燃焼成分ならびにダイオ
キシン類などの有機ハロゲン化合物を一層効率的に処理
できる燃焼灰の加熱処理装置を提供する。 【解決手段】 燃焼灰の加熱処理装置は、円筒状の処理
塔(1)、加熱手段(6)、処理塔(6)に空気を供給
する給気手段(7)を有する。処理塔(1)の内部は、
燃焼灰の落下穴(10c)を有する床板(10)により
複数の処理室(1A)に区画され、各処理室(1A)
は、燃焼灰を撹拌する撹拌手段(13)と、落下穴(1
0c)に重畳可能な位置に燃焼灰の通過穴(12c)が
多数形成されたターンテーブル(12)とを備えてい
る。そして、給気手段(7)は、各処理室(1A)毎に
流量制御して空気を供給可能な複数の給気配管(71)
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼灰の加熱処理
装置に関するものであり、詳しくは、燃焼灰に含まれる
ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を一層効率的
に処理できる燃焼灰の加熱処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ごみ焼却施設などから排出される燃焼灰
(主に飛灰、主灰)には、微量ではあるが人体に対して
強い毒性を有する芳香族ハロゲン化合物であるダイオキ
シン類、あるいは、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレンなどの脂肪族有機ハロゲン化合物が含まれてい
る場合がある。そこで、昨今では、上記の様な有機ハロ
ゲン化合物を分解するため、燃焼灰を更に加熱処理する
種々の処理装置が検討されている。
【0003】例えば、特開平7−328583には、燃
焼灰中の未燃焼成分を完全燃焼させ且つ塩素化合物を分
解するための加熱処理装置(「集塵灰の加熱脱塩素化処
理装置」)が開示されている。斯かる加熱処理装置は、
灰を収容する縦長円筒状の装置本体、装置本体の軸線に
沿って配置された撹拌用のスクリュー、装置本体を加熱
する加熱手段、および、装置本体の高さの略中央部に設
けられた加熱空気の導入口を備え、装置本体の上部の入
口から供給された灰を装置本体内で加熱しつつスクリュ
ーによって持ち上げる方向に撹拌すると共に、装置本体
の中央部から空気を供給する様に構成されている。
【0004】上記の加熱処理装置においては、装置本体
の上半部に撹拌流動層を形成することにより、空気と灰
との接触を促進して未燃焼成分を完全燃焼させ、装置本
体の下半部に低酸素濃度で且つ高温雰囲気の移動層を形
成することにより、灰中の塩素化合物を分解せんとする
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼灰中の
未燃焼成分を完全燃焼させるには十分な空気を必要とす
る反面、塩素化合物を分解するには空気の混入を出来る
限り低減する必要がある。しかしながら、上記の様な加
熱処理装置においては、装置本体の上部において未燃焼
成分を完全燃焼させるべく空気の供給量を増大した場合
には、装置本体の下部にまで多くの空気が同伴されるた
め、塩素化合物を十分に分解できず、一方、塩素化合物
を確実に分解すべく空気の供給量を少なくした場合は、
未燃焼成分が完全燃焼することなく排出される虞があ
る。従って、上記の様な構造の加熱処理装置において未
燃焼成分を完全燃焼させ且つ塩素化合物を確実に分解す
るには、空気供給量のより正確な調節と十分な滞留時間
が必要となる。
【0006】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、燃焼灰に含まれる未燃焼成分な
らびにダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物を一層
効率的に処理できる燃焼灰の加熱処理装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、燃焼灰の加熱処理装置において、複数の
処理室に区画された処理塔の構造、各処理室毎に燃焼灰
を撹拌する構造、および、各処理室毎に流量制御して空
気を供給し得る構造を採用することにより、必要十分な
滞留時間を確保し、そして、燃焼灰中の未燃焼成分の燃
焼過程、有機ハロゲン化合物の分解過程にそれぞれ応じ
た適切な量の空気を供給する。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、有機ハロゲン
化合物が含まれる燃焼灰を加熱処理して有機ハロゲン化
合物を分解処理する燃焼灰の加熱処理装置であって、燃
焼灰が上部から供給されて処理済の燃焼灰が下部から排
出される円筒状の処理塔と、当該処理塔の外周に設けら
れた加熱手段と、前記処理塔に空気を供給する給気手段
とを含み、前記処理塔の内部は、燃焼灰の落下穴を有す
る床板により上下に亘って複数の処理室に区画され、前
記各処理室は、これら処理室に供給された燃焼灰を撹拌
する撹拌手段と、前記床板の上面側に回転可能に配置さ
れ且つ前記落下穴に重畳可能な位置に燃焼灰の通過穴が
多数形成されたターンテーブルとを備え、前記給気手段
は、前記各処理室毎に流量制御して空気を供給可能な複
数の給気配管を備えていることを特徴とする燃焼灰の加
熱処理装置に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る燃焼灰の加熱処理装
置の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本
発明に係る燃焼灰の加熱処理装置の主要部の構造を示す
縦断面図である。図2は、処理塔の内部に設けられた処
理室の構造を一部破断して示す斜視図である。以下、実
施形態の説明においては、燃焼灰の加熱処理装置を「加
熱処理装置」と略記する。
【0010】本発明の加熱処理装置は、有機ハロゲン化
合物が含まれる燃焼灰を加熱処理して有機ハロゲン化合
物を分解処理する装置である。燃焼灰は、都市ゴミや産
業廃棄物を処理する焼却施設から排出されるが、本発明
において、燃焼灰としては、主に、電気集じん機、バグ
フィルター、マルチサイクロン等の集じん機で捕集され
た飛灰や、燃焼残渣である主灰が挙げられる。上記の燃
焼灰には、焼却炉煙道中に吹き込まれる塩化水素捕捉剤
としての消石灰、ダイオキシン類吸着剤としての活性
炭、砂粒成分などが含まれていてもよい。燃焼灰中に含
まれる有機ハロゲン化合物としては、芳香族ハロゲン化
合物であるダイオキシン類、すなわち、ジベンゾ−p−
ジオキシン、ジベンゾフランなどの水素を塩素で置換し
た化合物の他、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レンなどの脂肪族有機ハロゲン化合物が挙げられる。
【0011】本発明においては、燃焼灰を加熱処理する
にあたり、上記の有機ハロゲン化合物をより効率的に分
解する観点から、加熱処理する燃焼灰としては、有機ハ
ロゲン化合物分解触媒が予め混合された燃焼灰が好まし
い。有機ハロゲン化合物分解触媒としては、酸化鉄等の
触媒、酸化鉄等及び/又は二酸化チタンをベースとする
触媒が知られている(特公平6−38863、特開平2
−280816、特開平11−188235、特開平1
1−188236の各公報参照)。
【0012】また、有機ハロゲン化合物分解触媒として
は、鉄化合物粒子粉末とアミン化合物の複合触媒が特に
有効である。斯かる複合触媒のうち、リン含有量が0.
02重量%以下、硫黄含有量が0.3重量%以下、ナト
リウム含有量が0.3重量%以下で且つ平均粒径が0.
01〜2.0μmの鉄化合物粒子粉末とアミン化合物と
の複合触媒であって、見掛け密度(ρa)が0.8g/
ml以下であり、かつ、前記鉄化合物粒子粉末を空気中
にて300℃、60分間熱処理して得られた酸化鉄粉末
と上記アミン化合物との複合物50mgをパルス式触媒
反応装置を用いて不活性ガス雰囲気中にて5.0×10
-7molのモノクロロベンゼンと300℃の温度におい
てSV=150000h-1の条件で瞬時に接触させた場
合に、上記モノクロロベンゼンの50%以上を分解でき
る活性を有する複合触媒がより好ましい。
【0013】上記の複合触媒の鉄化合物粒子粉末として
は、ゲータイト、アカゲナイト、レピドクロサイト等の
含水酸化鉄粒子粉末、ヘマタイト、マグヘマイト、マグ
ネタイト等の酸化鉄粒子粉末から選ばれる1種又は2種
以上の粒子粉末が挙げられ、好ましくは、ゲータイト、
ヘマタイト、マグネタイトが使用される。また、上記の
アミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエ
チレンテトラミン等のアルキルアミン、トリエタノール
アミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、
アニリン等の環式アミンなどから選ばれる1種又は2種
以上の化合物が挙げられる。
【0014】上記の様な複合触媒を燃焼灰に添加するこ
とにより、酸化分解がより高められるため、酸素存在下
における加熱処理が一層容易になる。加熱処理する燃焼
灰に対し、有機ハロゲン化合物分解触媒は、サンドミ
ル、ヘンシェルミキサー、コンクリートミキサー及びナ
ウターミキサー等を使用した一般的な乾式混合法、ある
いは、一軸および二軸式のニーダー型混合器を使用し且
つ必要に応じて水を添加する半乾式混合法に従って混合
される。有機ハロゲン化合物分解触媒の添加量は、通常
は燃焼灰100重量部に対して0.1〜100重量部、
好ましくは1.0〜50重量部、更に好ましくは1.0
〜30重量部である。
【0015】本発明の加熱処理装置は、図1に示す様
に、燃焼灰が上部から供給されて処理済の燃焼灰が下部
から排出される円筒状の処理塔(1)と、当該処理塔を
加熱するために処理塔の外周に設けられた加熱手段
(6)と、処理塔(1)に空気を供給する給気手段
(7)とを備えている。
【0016】処理塔(1)は、供給された燃焼灰を加熱
処理する耐熱性および耐腐食性を備えた加熱炉であり、
通常は長軸円筒状に形成される。処理塔(1)の内容積
は、処理量に応じて適宜に設計し得るが、一般的には
0.2〜1m3程度とされる。
【0017】処理塔(1)の天井部には、当該処理塔に
燃焼灰を導入するためのホッパー(2)が設けられてお
り、斯かるホッパー(2)により、焼却施設から排出さ
れて上記の様な触媒が添加された燃焼灰を処理塔(1)
内に連続的に供給する様になされている。また、処理塔
(1)の天井部には、処理塔(1)内で発生した水蒸気
や二酸化炭素などのガスを排出するための排気管(5)
が設けられる。排気管(5)は、排気ガスの温度および
成分濃度を下げるため、中間部に空気を供給可能になさ
れ、そして、希釈された排気ガスを排ガス処理装置(除
害装置)へ送気する様になされている。
【0018】一方、処理塔(1)の底部には、処理済の
燃焼灰を系外に排出するための排出管(3)が設けら
れ、排出管(3)の後段には、スクリューコンベヤ
(4)が配置される。そして、排出管(3)及びスクリ
ューコンベヤ(4)により、処理済の燃焼灰を回収容器
(図示省略)などへ移送する様になされている。なお、
排出管(3)は、処理済の燃焼灰の付着を防止するた
め、ヒーターによって加熱可能に構成されるのが好まし
い。
【0019】処理塔(1)の内部は、燃焼灰の処理の進
行過程に応じて加熱、給気するため、床板(10)によ
り上下に亘って複数の処理室に区画される。具体的に
は、処理塔(1)の内部は、3〜5つの処理室(1A)
に区画される。図に例示した装置では4の処理室(1
A)に区画されている。
【0020】また、図2に示す様に、床板(10)に
は、燃焼灰を逐次下方の領域へ移動させるための落下穴
(10c)が設けられる。各処理室(1A)の床板(1
0)の落下穴(10c)は、未処理の燃焼灰のスルーパ
スを防止するため、平面視した場合に上下で互いに重な
り合うことのない位置、例えば、上下の床板(10)に
おいて位相が180度だけずれた位置に配置される。
【0021】上記の各処理室(1A)は、収容した燃焼
灰を撹拌し、未燃焼成分の燃焼および有機ハロゲン化合
物の分解を促進するため、これら処理室に供給された燃
焼灰を撹拌する撹拌手段(13)と、床板(10)の上
面側に回転可能に配置されたターンテーブル(12)と
を備えている。処理塔(1)には、ギヤードモーターに
より一方向に一定速度で回転する駆動軸(11)が処理
塔(1)の中心線に沿って挿通され、例えば、上記の撹
拌手段(13)は、駆動軸(11)に取り付けられた撹
拌棒によって構成される。
【0022】各処理室(1A)のターンテーブル(1
2)は、駆動軸(11)に取り付けられることにより撹
拌棒(撹拌手段(13))と一体的に回転可能に構成さ
れる。そして、各ターンテーブル(12)には、上記の
床板(10)の落下穴(10c)に重畳可能な位置に燃
焼灰の通過穴(12c)が多数形成されており、撹拌さ
れた燃焼灰は、床板(10)の落下穴(10c)に重畳
した通過穴(12c)を通じて下方の処理室(1A)又
は排出管(3)に移動する様になされている。
【0023】また、ターンテーブル(12)の上面側に
は、下方の処理室(1A)又は排出管(3)へより円滑
に燃焼灰を移動させるため、ターンテーブル(12)の
回転によりターンテーブル上の燃焼灰を相対的に円周方
向に移動させるスクレーパー(14)が配置される。ス
クレーパー(14)は、帯状の板材によって構成され且
つターンテーブル(12)の回転方向に湾曲させた状態
に設置される。スクレーパー(14)の一端は処理塔
(1)の周壁に固定され、他端は振れ止めのために管状
部材を介して駆動軸(11)に摺動自在に装着される。
【0024】上記の加熱手段(6)は、複数の処理室
(1A)に対応して配置された複数のヒーター(61)
によって構成される。通常、ヒーター(61)としては
電気ヒーターが使用される。ヒーター(61)の発熱容
量は、燃焼灰の温度、処理量などに応じて決定される。
また、加熱手段(6)は、各処理室(1A)に設けられ
た複数の温度センサー(62)を備え、各ヒーター(6
1)は、各温度センサー(62)によってそれぞれ制御
される様になされている。これにより、各処理室(1
A)毎に必要な熱量を供給でき、エネルギーコストを低
減できる。
【0025】上記の給気手段(7)は、燃焼灰中の未燃
焼成分を燃焼させるための空気、および、上記の様な複
合触媒を使用した場合の触媒活性を高めるための空気を
供給するために設けられる。本発明においては、各処理
室(1A)に対し、これら処理室における未燃焼成分の
燃焼過程、有機ハロゲン化合物の分解過程に適した量の
空気を供給するため、給気手段(7)は、各処理室(1
A)毎に流量制御して空気を供給可能な複数の給気配管
(71)を備えていることが重要である。
【0026】具体的には、複数の給気配管(71)は、
コンプレッサーの給気タンク(図示省略)から伸長され
た共通の給気配管を各処理室(1A)に向けて分岐した
ものであり、各給気配管(71)は、例えば4つに区画
された処理塔(1)内部の各処理室(1A)に接続され
ている。各給気配管(71)には、流量検出器(72)
と当該流量検出器の信号に基づいて制御される流量調節
弁(73)とが介装されており、そして、各処理室(1
A)には、流量調節弁(73)の制御により、予め設定
された流量で空気が供給可能になされている。
【0027】また、本発明の加熱処理装置においては、
上記の処理室(1A)への空気の供給量が上段から下段
に至るに従い漸次少なくなる様に設定される。すなわ
ち、上段側の処理室(1A)において主に燃焼灰中の未
燃焼成分を燃焼させ、下段側の処理室(1A)において
主に有機ハロゲン化合物を分解するため、上段側の処理
室(1A)ほど多くの量の空気を供給し、下段側の処理
室(1A)ほど少ない量の空気を供給する様になされて
いる。そして、好ましくは、各処理室(1A)に対する
空気の供給量は、体積または重量の比率として以下の比
率を満足する様に設定される。
【0028】
【数2】上段の処理室:中段の処理室:下段の処理室=
100:2〜50:0〜30
【0029】なお、処理塔(1)内部が4〜5つの処理
室(1A)に区画されている場合には、上記の式中、上
段の処理室とは最上段の処理室を指し、下段の処理室と
は最下段の処理室を指す。そして、中段の処理室とは、
4つの処理室(1A)に区画されている場合は上方から
2段目および3段目の処理室(1A)を指し、5つの処
理室(1A)に区画されている場合は上方から2〜4段
目の処理室(1A)を指す。中段の処理室(1A)が複
数ある場合、空気の供給量は、それらの処理室(1A)
間において、上段から下段に至るに従い漸次少なくなる
様に設定されるか、または、一部同等もしくは略同等に
設定される。
【0030】例えば、図示した様に処理塔(1)が4つ
の処理室(1A)に区画されている場合には、空気の供
給量は、最上段の1段目の処理室(1A)を100%と
したとき、2段目の処理室(1A)は20〜50%、3
段目の処理室(1A)は2〜40%、最下段の4段目の
処理室(1A)は1〜30%とされる。通常、最上段の
処理室(1A)に対する空気の供給量は、上記の内容積
の処理塔(1)の場合で50〜200リットル/分程度
である。
【0031】本発明の加熱処理装置において燃焼灰を処
理するには、ホッパー(2)を介し、処理塔(1)へ燃
焼灰を連続的に供給し、処理塔(1)内において燃焼灰
を最上段の処理室(1A)から下方の処理室(1A)へ
順次移動させる。処理室(1A)から下方の処理室(1
A)への燃焼灰の移動は、ターンテーブル(12)の通
過穴(12c)及び床板(10)の落下穴(10c)を
介して自然落下によって行われる。
【0032】処理塔(1)内で燃焼灰が各処理室(1
A)を移動する間、各処理室(1A)においては、燃焼
灰を撹拌手段(13)によって撹拌しつつヒーター(6
1)によって加熱する。各処理室(1A)の温度は、各
ヒーター(61)の制御により、350〜400℃の範
囲に設定される。また、撹拌中、各処理室(1A)には
各給気配管(71)から空気が所定量供給され、燃焼灰
には所要量の空気が混合される。
【0033】上記の撹拌と加熱操作、および、空気の供
給により、最上段の処理室(1A)においては、主に、
燃焼灰中の水分を除去して燃焼灰を乾燥させる。また、
2段目の処理室(1A)においては、主に、未燃焼成分
の燃焼を促進させる。そして、3段目の処理室(1A)
においては、未燃焼成分の燃焼と有機ハロゲン化合物の
分解を促進させ、最下段の処理室(1A)においては、
主に、僅かな酸素雰囲気下で有機ハロゲン化合物の分解
を行う。
【0034】本発明の加熱処理装置においては、各処理
室(1A)毎に流量制御して空気を供給可能な複数の給
気配管(71)を備えており、しかも、各処理室(1
A)への空気の供給量が上段から下段に至るに従い漸次
少なくなる様に設定されているため、燃焼灰中の未燃焼
成分を前半の段階で十分に燃焼させ、有機ハロゲン化合
物を後半の段階で確実に分解できる。
【0035】すなわち、処理によって発生する水蒸気、
燃焼排ガス、分解ガスは、床板(10)の落下穴(10
c)を通じて逐次上方へ移動するため、上段の処理室
(1A)における酸素濃度が低下する傾向にあるが、本
発明の加熱処理装置においては、上記の様に、上段の処
理室(1A)ほど空気の供給量が多く設定されているた
め、上段の処理室(1A)において未燃焼成分を確実に
燃焼させることが出来る。そして、下段の処理室(1
A)には分解反応に必要なだけの量の空気を供給するた
め、有機ハロゲン化合物を確実に分解し、再生成を防止
することが出来る。
【0036】また、揮発成分が含まれた有機ハロゲン化
合物分解触媒を使用した場合には、空気の過剰供給によ
って揮発成分の濃度が低下する虞があるが、本発明の加
熱処理装置においては、各処理室(1A)に対する空気
の流量制御により、過剰な空気の供給を抑制できるた
め、処理室(1A)内の揮発成分の濃度低下を防止で
き、触媒の十分な分解能を発揮させることが出来る。更
に、本発明の加熱処理装置においては、最上段の処理室
(1A)にて十分に燃焼灰を乾燥させるため、下段側の
処理室(1A)に移送した場合にこれら処理室における
燃焼灰の付着を低減でき、一層円滑に連続処理できる。
【0037】上記の様な加熱処理により各処理室(1
A)で発生した水蒸気や燃焼排ガス等は、比重差で上方
に移動するため、排気管(5)を通じて系外に排出する
ことが出来る。そして、有機ハロゲン化合物が分解され
た処理済の燃焼灰は、ターンテーブル(12)の通過穴
(12c)及び床板(10)の落下穴(10c)を介
し、最下段の処理室(1A)から排出管(3)へ自然落
下により排出され、スクリューコンベヤ(4)によって
系外に搬出される。
【0038】上記の様に、本発明の加熱処理装置は、複
数の処理室(1A)に区画された処理塔(1)の構造、
各処理室(1A)毎に燃焼灰を撹拌する構造、および、
各処理室(1A)毎に流量制御して空気を供給し得る構
造により、燃焼灰中の未燃焼成分の燃焼過程、有機ハロ
ゲン化合物の分解過程にそれぞれ応じた適切な量の空気
を燃焼灰に混合でき、より少ない滞留時間で確実に未燃
焼成分を燃焼でき且つ有機ハロゲン化合物を分解でき
る。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る燃焼灰の加熱処理装置によ
れば、複数の処理室に区画された処理塔の構造、各処理
室毎に燃焼灰を撹拌する構造、各処理室毎に流量制御し
て空気を供給し得る構造により、燃焼灰中の未燃焼成分
の燃焼過程、有機ハロゲン化合物の分解過程にそれぞれ
応じた適切な量の空気を燃焼灰に混合でき、一層効率的
かつ確実に未燃焼成分を燃焼でき、有機ハロゲン化合物
を分解できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼灰の加熱処理装置の主要部の
構造を示す縦断面図である。
【図2】処理塔の内部に設けられた処理室の構造を一部
破断して示す斜視図である。
【符号の説明】
1 :処理塔 10 :床板 10c:落下穴 11 :駆動軸 12 :ターンテーブル 12c:通過穴 13 :撹拌手段(撹拌棒) 14 :スクレーパー 1A :処理室 2 :ホッパー 3 :排出管 5 :排気管 6 :加熱手段 61 :ヒーター 62 :温度センサー 7 :給気手段 71 :給気配管 73 :流量調節弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01F 15/06 F23G 7/00 103Z F23G 5/38 F23J 1/00 A 7/00 103 B09B 3/00 303L F23J 1/00 ZAB (72)発明者 藤井 泰彦 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 池本 邦生 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 加門 浩樹 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 松井 敏樹 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 今井 知之 広島県大竹市明治新開1番4 戸田工業株 式会社大竹創造センター内 (72)発明者 井上 弘 岡山県岡山市楢原542 内海プラント株式 会社内 (72)発明者 馬場 達明 岡山県岡山市楢原542 内海プラント株式 会社内 Fターム(参考) 3K061 AA14 AB02 AC03 BA06 DB08 DB14 DB16 EA01 EB14 EB19 GA06 MA02 MA05 NA02 NA07 4D004 AA36 AB06 CA15 CA22 CA24 CA42 CB27 CB32 CB43 CC09 DA01 DA02 DA06 DA20 4G037 AA12 CA11 CA18 EA04 4G078 AA22 AB20 BA05 CA02 DA03 EA03 EA10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ハロゲン化合物が含まれる燃焼灰を
    加熱処理して有機ハロゲン化合物を分解処理する燃焼灰
    の加熱処理装置であって、燃焼灰が上部から供給されて
    処理済の燃焼灰が下部から排出される円筒状の処理塔
    と、当該処理塔の外周に設けられた加熱手段と、前記処
    理塔に空気を供給する給気手段とを含み、前記処理塔の
    内部は、燃焼灰の落下穴を有する床板により上下に亘っ
    て複数の処理室に区画され、前記各処理室は、これら処
    理室に供給された燃焼灰を撹拌する撹拌手段と、前記床
    板の上面側に回転可能に配置され且つ前記落下穴に重畳
    可能な位置に燃焼灰の通過穴が多数形成されたターンテ
    ーブルとを備え、前記給気手段は、前記各処理室毎に流
    量制御して空気を供給可能な複数の給気配管を備えてい
    ることを特徴とする燃焼灰の加熱処理装置。
  2. 【請求項2】 処理塔の内部は3〜5つの処理室に区画
    され、これら処理室への空気の供給量が上段から下段に
    至るに従い漸次少なくなる様に設定されている請求項1
    に記載の燃焼灰の加熱処理装置。
  3. 【請求項3】 加熱手段は、各処理室に設けられた複数
    の温度センサーと、各処理室に対応して配置され且つ前
    記各温度センサーによってそれぞれ制御される複数のヒ
    ーターとを備えている請求項1又は2に記載の燃焼灰の
    加熱処理装置。
  4. 【請求項4】 処理塔には、その中心線に沿って駆動軸
    が挿通され、各処理室の撹拌手段は、駆動軸に取り付け
    られた撹拌棒によって構成され、各処理室のターンテー
    ブルは、駆動軸に取り付けられることにより撹拌棒と一
    体的に回転可能になされている請求項1〜3の何れかに
    記載の燃焼灰の加熱処理装置。
  5. 【請求項5】 ターンテーブルの上面側には、当該ター
    ンテーブルの回転によりターンテーブル上の燃焼灰を相
    対的に円周方向に移動させるスクレーパーが配置されて
    いる請求項1〜4の何れかに記載の燃焼灰の加熱処理装
    置。
  6. 【請求項6】 加熱処理する燃焼灰が、有機ハロゲン化
    合物が含まれ且つ有機ハロゲン化合物分解触媒が混合さ
    れた燃焼灰である請求項1〜5の何れかに記載の燃焼灰
    の加熱処理装置。
JP2002078113A 2002-03-20 2002-03-20 燃焼灰の加熱処理装置 Expired - Fee Related JP3590619B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002078113A JP3590619B2 (ja) 2002-03-20 2002-03-20 燃焼灰の加熱処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002078113A JP3590619B2 (ja) 2002-03-20 2002-03-20 燃焼灰の加熱処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003275706A true JP2003275706A (ja) 2003-09-30
JP3590619B2 JP3590619B2 (ja) 2004-11-17

Family

ID=29205946

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002078113A Expired - Fee Related JP3590619B2 (ja) 2002-03-20 2002-03-20 燃焼灰の加熱処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3590619B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297332A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Nippon Steel Engineering Co Ltd 廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置
KR101255620B1 (ko) * 2010-08-31 2013-04-16 한국전력공사 회전판을 이용한 열분해 폐기물 공급장치 및 방법
CN103394507A (zh) * 2013-08-13 2013-11-20 山西省环境科学研究院 污染土壤预处理设备
KR101415460B1 (ko) 2011-11-29 2014-07-04 선큐컴파니리미티드 연소 장치를 위한 교반 제어 방법 및 교반 제어 장치
WO2018179051A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 株式会社加来野製作所 熱分解装置
KR20190123453A (ko) * 2018-04-24 2019-11-01 주식회사 삼부 믹서드럼용 교반 스크래퍼
CN112023855A (zh) * 2020-08-31 2020-12-04 王鑫 一种带搅拌装置的反应釜
CN113877507A (zh) * 2021-11-10 2022-01-04 江苏先卓食品科技股份有限公司 一种木糖醇生产用水解装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006297332A (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Nippon Steel Engineering Co Ltd 廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置
JP4663389B2 (ja) * 2005-04-25 2011-04-06 新日鉄エンジニアリング株式会社 廃棄物ガス化溶融処理設備の集じん灰加熱装置
KR101255620B1 (ko) * 2010-08-31 2013-04-16 한국전력공사 회전판을 이용한 열분해 폐기물 공급장치 및 방법
KR101415460B1 (ko) 2011-11-29 2014-07-04 선큐컴파니리미티드 연소 장치를 위한 교반 제어 방법 및 교반 제어 장치
CN103394507A (zh) * 2013-08-13 2013-11-20 山西省环境科学研究院 污染土壤预处理设备
WO2018179051A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 株式会社加来野製作所 熱分解装置
KR20190123453A (ko) * 2018-04-24 2019-11-01 주식회사 삼부 믹서드럼용 교반 스크래퍼
KR102120137B1 (ko) * 2018-04-24 2020-06-09 주식회사 삼부 믹서드럼용 교반 스크래퍼
CN112023855A (zh) * 2020-08-31 2020-12-04 王鑫 一种带搅拌装置的反应釜
CN113877507A (zh) * 2021-11-10 2022-01-04 江苏先卓食品科技股份有限公司 一种木糖醇生产用水解装置
CN113877507B (zh) * 2021-11-10 2023-05-26 江苏先卓食品科技股份有限公司 一种木糖醇生产用水解装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3590619B2 (ja) 2004-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4380783B2 (ja) 廃プラスチック・有機物の分解方法、分解装置及び分解システム
KR20110129845A (ko) 다이옥신 처리방법 및 그 처리 설비 구조
JP2003275706A (ja) 燃焼灰の加熱処理装置
WO2003001113A1 (en) An incineration process using high oxygen concentrations
JPH0763588B2 (ja) ハロゲン化合物を含有するプロセス又は排煙ガスの処理方法
WO2006135047A1 (ja) セメント製造設備における有機塩素化合物の低減方法、およびセメント製造設備
US5735224A (en) Thermal dechlorinating apparatus and method for collected ash
JP2008049207A (ja) 汚染物質の加熱処理装置
JP3949415B2 (ja) 廃棄物処理装置及び処理方法
WO2004002639A1 (ja) 粉状廃棄物を加熱処理する装置
JPH10249154A (ja) ダイオキシン類の発生抑制方法
JPH0894047A (ja) ロータリーキルン
JP2001259601A (ja) 有害塩素化合物の無害化処理方法
JP2002166246A (ja) 廃棄物処理装置及び処理方法
JP3735243B2 (ja) 廃棄物ガス化溶融炉からの集じん灰の加熱処理方法および装置
JP2011131127A (ja) 廃棄有機物の低温磁気分解処理装置
JP2006095383A (ja) 汚染物質浄化装置における分解ガス処理方法及び装置
JP2000210637A (ja) 灰処理装置および方法
JP2001347159A (ja) 有機ハロゲン化物のハロゲンおよび有機化合物を無機の物質に変換処理する方法およびそのための装置
JP2003245629A (ja) 捕集飛灰の脱塩素化装置及びその脱塩素化方法
JP2002192110A (ja) 粉状廃棄物処理装置
JP2000233171A (ja) 縦軸回転加熱処理炉を備えた被処理物の処理方法と処理装置
JP2003010824A (ja) 加熱加工処理方法とその処理装置
JP2002192111A (ja) 粉状廃棄物処理装置
JP3346409B2 (ja) 粉状廃棄物処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040806

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090827

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100827

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110827

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120827

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees