JP4662082B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4662082B2
JP4662082B2 JP2008003514A JP2008003514A JP4662082B2 JP 4662082 B2 JP4662082 B2 JP 4662082B2 JP 2008003514 A JP2008003514 A JP 2008003514A JP 2008003514 A JP2008003514 A JP 2008003514A JP 4662082 B2 JP4662082 B2 JP 4662082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image
sheet
fixing
unit
rotation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008003514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009168848A (ja
Inventor
正澄 伊藤
聡 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Business Technologies Inc
Original Assignee
Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Business Technologies Inc filed Critical Konica Minolta Business Technologies Inc
Priority to JP2008003514A priority Critical patent/JP4662082B2/ja
Publication of JP2009168848A publication Critical patent/JP2009168848A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4662082B2 publication Critical patent/JP4662082B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、シート上の画像を定着部において熱定着する画像形成装置に関し、特に定着部の消費電力の低減を図る技術に関する。
プリンタや複写機などの画像形成装置は、搬送されるシート上に形成されたトナーなどの未定着の画像を定着部の加熱手段を用いてシートに熱定着させる方式のものが主流になっている。このような画像形成装置では、従来から特に加熱手段の消費電力をできるだけ抑えて節電を図ることが行われている。
節電を図る技術として、特許文献1には、いわゆる電磁誘導加熱方式の定着部を備える画像形成装置において、用紙の搬送方向後端が定着部を通過すると加熱手段への電力量を低減させて定着部の温度を下げ、次の用紙の搬送方向先端が定着部に到達する前までに元の温度に復帰させるように制御する技術が開示されている。
特開2003−347031号公報
しかしながら、上記特許文献1の技術では、用紙毎に見ると、1枚の用紙の先端から後端までの全域に渡って定着に必要な温度が維持されるように加熱手段による温調制御が実行される。例えば、用紙の後端寄りの一箇所だけに小さな画像が形成されるような場合では、その一箇所を除く領域、すなわち定着すべき画像が存在しない領域であっても加熱手段による加熱が行われることになり、無駄な電力が消費されるという問題がある。
また、上記の技術は、定着部の定着ローラを直ぐに昇温可能な構成を前提にしたものである。そのため、例えば筒状の定着ローラの内空間にハロゲンヒータを挿通させた状態で配置する定着部など昇温にある程度の時間を要する構成であれば、用紙後端が定着部を通過してから次の用紙が到達する間での間(紙間)に定着部の温度を下げると、昇温が間に合わなくなり適正な定着を行えない場合が生じてしまい、上記の技術を採用することができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、定着部のさらなる消費電力の低減を図ることが可能な画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、セットされたシートをその通紙方向を縦と横のいずれかに切り換えて搬送路に繰り出すことが可能な給送部を有し、1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させると共に、シートの通紙方向に応じて、形成すべき画像を回転または非回転させ、搬送される各シートに当該画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、一のジョブの実行に際し、縦と横の通紙方向のうち、各シート上に形成されるべき画像の搬送方向長さを合計した値が短くなる方の通紙方向を当該ジョブに対して選択する選択手段と、前記給送部を制御して、前記選択手段により選択された通紙方向のシートを繰り出させる第1制御手段と、搬送される各シート上に形成された画像の、前記通紙方向によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する第2制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記第2制御手段は、シート毎に、当該シート上の画像領域が定着部の定着位置を通過する間に定着位置における温度が熱定着に必要な温度になり、通過しない間には前記温度よりも低くなるように供給電力を制御することを特徴とする。
さらに、シート上に形成される画像領域を検出する検出手段を備え、前記選択手段は、前記検出手段の検出結果から、シートの通紙方向を縦にする場合と横にする場合について、各シート上の画像領域の搬送方向長さを求め、求めた値を合計する算出手段を有することを特徴とする。
また、前記選択手段は、縦の通紙方向と横の通紙方向において合計値が同じである場合には、横の通紙方向を選択することを特徴とする。
さらに、前記ヒータは、電磁誘導加熱方式によるものであることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、給送部から1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させ、搬送される各シートに画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、形成すべき画像を回転させる回転手段と、一のジョブの実行に際し、画像を180°の角度で回転させる場合と非回転の場合のうち、最初に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向先端が定着部の定着位置に到達してから、最後に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでに要する時間が短くなる方を当該ジョブに対して選択する選択手段と、前記選択手段により回転させる場合が選択されると、画像に回転処理を施した後、各シートへの画像形成を実行し、非回転の場合が選択されると、画像への回転処理を禁止して画像形成を実行する画像形成手段と、最初と最後に繰り出された各シート上に形成された画像の、前記回転の有無によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記制御手段は、最初に繰り出されたシート上の形成画像の搬送方向先端が定着位置を通過してから、最後に繰り出されたシート上の形成画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでの間に、定着位置の温度が熱定着に必要な温度になり、それ以外の間には前記温度よりも低くなるように供給電力を制御することを特徴とする。
さらに、最初と最後に繰り出されるシート上に形成される画像領域を検出する検出手段を備え、前記選択手段は、前記検出手段の検出結果に基づき、画像を回転させる場合と回転させない場合について、最初に繰り出されるシート上の画像領域の搬送方向先端から、最後に繰り出されるシート上の画像領域の搬送方向後端までの搬送路上における距離を算出する算出手段を有し、前記算出手段により算出された距離が短い方を選択することを特徴とする。
また、給送部から1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させ、搬送される各シートに画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、形成すべき画像を回転させる回転手段と、一のジョブの実行に際し、画像を回転させる場合と非回転の場合のうち、最初に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向先端が定着部の定着位置に到達してから、最後に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでに要する時間が短くなる方を当該ジョブに対して選択する選択手段と、前記選択手段により回転させる場合が選択されると、画像に回転処理を施した後、各シートへの画像形成を実行し、非回転の場合が選択されると、画像への回転処理を禁止して画像形成を実行する画像形成手段と、最初と最後に繰り出された各シート上に形成された画像の、前記回転の有無によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する制御手段と、を備え、前記画像の回転角には、0°(非回転)、90°、180°、270°が含まれ、前記給送部は、セットされたシートをその通紙方向を縦と横のいずれかに切り換えて搬送路に繰り出すことが可能であり、前記選択手段は、シートの通紙方向の縦と横それぞれについて、前記複数の回転角のうち、当該通紙方向と形成されるべき画像の天地の向きによって決まる1または2つの回転角が対応するように、各通紙方向と各回転角とを組み合わせた場合に、その複数の組み合わせのうち、前記時間が最も短くなる組を選択し、前記画像形成手段は、前記選択された組の通紙方向のシートを前記給紙部から繰り出させると共に、当該選択された組の回転角に応じて画像を回転させ、前記制御手段は、前記選択された組の通紙方向と回転角によって決まるシート上における画像の形成位置に応じて前記供給電力の制御を行うことを特徴とする。
さらに、前記ヒータは、ハロゲンヒータであることを特徴とする。
上記のように一のジョブの実行に際し、縦と横の通紙方向のうち、各シート上に形成されるべき画像の搬送方向長さを合計した値が短くなる方の通紙方向を当該ジョブに対して選択し、選択された通紙方向のシートを繰り出させ、繰り出されて搬送路を搬送される各シート上に形成された画像の、前記通紙方向によって決まるシート上の形成位置に応じてヒータへの供給電力を制御するようにすれば、各シート上の画像の形成位置からシート上において画像の存在しない領域が定着位置を通過する間にヒータへの供給電力を抑制することが可能になり、シートの通紙方向を何も考慮せずにシート間(紙間)に定着部の温度を下げるだけの構成に比べて、定着に要するヒータへの消費電力を低減できる。
また、一のジョブの実行に際し、画像を回転させる場合と非回転の場合のうち、最初に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向先端が定着部の定着位置に到達してから、最後に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでに要する時間が短くなる方を当該ジョブに対して選択し、回転させる場合が選択されると画像に回転処理を施した後、各シートへの画像形成を実行し、非回転の場合が選択されると画像への回転処理を禁止して画像形成を実行して、最初と最後に繰り出された各シート上に形成された画像の、前記回転の有無によって決まるシート上の形成位置に応じてヒータへの供給電力を制御するようにしている。これにより、シート間に定着部の温度を下げることができないような装置構成の場合に、最初のシート上における画像の先端が定着位置を通過してから、最後のシート上における画像の後端が定着位置を通過するまでの間にだけ定着部の温度を定着に必要な温度に維持することが可能になり、シートの通紙方向を何も考慮せずに最初のシートが定着位置に到達する前から最後のシートが定着位置を通過するまでの間、定着に必要な温度に維持する構成に比べて、定着に要するヒータへの消費電力を低減できる。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を、タンデム型カラーデジタルプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した場合の例について説明する。
<実施の形態1>
1.プリンタの全体構成
図1は、プリンタ1の全体構成を示す図である。
同図に示すように、プリンタ1は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、給送部20と、定着部30と、制御部40を備え、ネットワーク(例えばLAN)に接続されて、外部の端末装置(不図示)からの印刷(プリント)ジョブの実行指示を受け付けると、その指示に基づいてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)色からなるカラーの画像形成を実行する。
画像プロセス部10は、Y〜K色のそれぞれに対応する作像部2Y、2M、2C、2Kと、中間転写ベルト11などを備えている。
作像部2Yは、感光体ドラム3と、その周囲に配設された帯電器4、露光部5、現像器6、一次転写ローラ7、感光体ドラム3を清掃するためのクリーナなどを備えており、感光体ドラム3上にY色のトナー像を作像する。他の作像部2M〜2Kについても、基本的に作像部2Yと同じ構成であり、対応する色のトナー像を作像する。同図では、符号を省略している。
中間転写ベルト11は、無端状のベルトであり、駆動ローラ12、従動ローラ13、テンションローラ14に張架されて矢印A方向に循環駆動される。
給送部20は、給紙カセット21、22と、繰り出しローラ23、24と、搬送ローラ対25と、タイミングローラ対26と、二次転写位置17において中間転写ベルト11を挟んで駆動ローラ12と対向する二次転写ローラ27などを備える。
給紙カセット21には、シートS、例えばA4サイズのシートが横向き(シートの長辺がシート搬送方向と直交する向き:図3の実線で示す姿勢で搬送される向き)にセットされている。給紙カセット22には、給紙カセット21のシートSと同サイズのシートが縦向き(シートの短辺がシート搬送方向と直交する向き:図3の二点鎖線で示す姿勢で搬送される向き)にセットされている。ジョブの実行に際し、給紙カセット21、22のうち、用いるべき給紙カセットを選択することができる。この選択は、後述の通紙方向選択処理において行われる。なお、給紙カセット21に縦向き、給紙カセット22に横向きのシートSがセットされる構成であっても良い。
繰り出しローラ23は、給紙カセット21にセットされた横向きのシートSを搬送路29に1枚ずつ繰り出し、繰り出しローラ24は、給紙カセット22にセットされた縦向きのシートSを搬送路29に1枚ずつ繰り出す。搬送ローラ対25は、搬送路29に繰り出されたシートSをタイミングローラ対26に搬送する。タイミングローラ対26は、搬送されるシートSを二次転写位置17に送り出すタイミングをとる。以下、シートSが横向きで搬送されることを横通紙、縦向きで搬送されることを縦通紙という場合がある。
定着部30は、電磁誘導加熱方式によるものであり、金属スリーブ31と加圧ローラ32などを備える。定着部30の構成の詳細については後述する。
制御部40は、外部の端末装置からの画像信号をY〜K色用のデジタル信号に変換し、作像部2Y〜2Kの露光部5のレーザダイオードを駆動させるための駆動信号を生成する。生成された駆動信号により、作像部2Y〜2K毎に、露光部5のレーザダイオードが駆動されてレーザ光が出射され、感光体ドラム3が露光走査される。
この露光走査を受ける前に、作像部2Y〜2K毎に、感光体ドラム3が帯電器4により一様に帯電されており、レーザ光の露光により、感光体ドラム3上に、形成すべき画像の静電潜像が作像され、作像された静電潜像が現像器6によりトナーで現像される。
各色のトナー像は、一次転写ローラ7と感光体ドラム3間に生じる電界による静電力の作用を受けて中間転写ベルト11上に一次転写される。この際、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト11上の同じ位置に重ね合わせて転写されるようにタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト11上に重ね合わされた各色トナー像は、中間転写ベルト11の循環駆動により二次転写位置17に移動する。
上記作像動作のタイミングに合わせて、給送部20においてタイミングローラ対26を介して、横または縦向きのシートSが給送されて来ており、そのシートSは、循環駆動される中間転写ベルト11と二次転写ローラ27の間に挟まれて搬送され、二次転写ローラ27と駆動ローラ12間に生じる電界による静電力の作用を受けて、中間転写ベルト11上のトナー像が一括してシートSに二次転写される。
二次転写位置17を通過したシートSは、定着部30に搬送され、定着部30を通過する際にトナー像がシートSに定着された後、排出ローラ51により機外に排出されて、収容トレイ52に収容される。上記では1枚のシートSに画像を形成する動作を説明したが、複数枚の場合には、上記と同様の動作が各シートについて繰り返し実行される。
2.定着部の構成
図2は、定着部30の構成を示す図であり、図3は、定着部30を図2の矢印B方向から見たときの概略斜視図であり、一部の部材が省略されている。
両図に示すように、定着部30は、金属スリーブ31と、加圧ローラ32と、コイルアセンブリ33と、ホルダ34と、サーミスタ35と、分離爪36と、サーモスタット37などを備えている。
金属スリーブ31は、可撓性を有する薄肉の細長い円筒状の金属導体であり、例えばニッケル、鉄、ステンレス鋼SUS430などの導電性磁性体から形成される導電層を有している。金属スリーブ31の外周面には、フッ素樹脂のコーティングによる耐熱性の離型層が形成されている。金属スリーブ31の軸方向長さLp(図3)は、シートSの長辺よりもやや長くなっており、シートSが横と縦のいずれの向きで通紙されても誘導コイル333への通電により、シートS上のトナー像を熱定着できるようになっている。
ホルダ34は、細長い円筒状であり、例えば非磁性材料である耐熱および電気絶縁性エンジニアリング・プラスチックなどからなり、金属スリーブ31の内側に挿通されており、長さ方向両端部が側板(不図示)に支持されている。金属スリーブ31は、ホルダ34の外周面に摺動接触し、ホルダ34の周りを周方向に回転自在になっている。
加圧ローラ32は、軸芯321と、軸芯321の周囲に形成された表面離型性耐熱ゴム層であるシリコンゴム層322とから構成されており、同図の矢印c方向に回転自在に支持されると共に、金属スリーブ31を介してホルダ34に圧接される。この圧接により、金属スリーブ31と加圧ローラ32間に定着ニップ39が確保される。加圧ローラ32は、駆動源(不図示)からの回転駆動力を受けて、矢印c方向に回転する。加圧ローラ32の回転に伴って金属スリーブ31が矢印a方向に従動回転する。
加熱手段としてのコイルアセンブリ33は、ホルダ34の内部に配置されており、図示しない高周波電源部による交流電流の通電(供給)を受けて、高周波磁界を発生させ、金属スリーブ31に誘導電流(渦電流)を誘起させてジュール発熱させる。
コイルアセンブリ33は、磁性材からなるコア331と、コア331を挿入するための通孔が形成されたボビン332と、ボビン332の周囲に銅線を巻き回して形成され金属スリーブ31に誘導電流を誘起させて加熱する誘導コイル333を有する。コア331としては、例えばフェライト、パーマロイなどを用いることができる。ボビン332は、コア331と誘導コイル333とを絶縁する絶縁部として機能する。
コイルアセンブリ33の長手方向寸法(全長)は、金属スリーブ31の軸方向寸法Lpと実質的に同じになっており、ホルダ34内に外部の露呈しないように収納されている。
サーミスタ35は、金属スリーブ31を介して誘導コイル333に向かい合うように、金属スリーブ31の表面に圧接されており、金属スリーブ31の表面温度を検出して、その検出信号を制御部40に送る。
分離爪36は、金属スリーブ31の表面に当接し、回転する金属スリーブ31の表面に密着したまま搬送されるシートSの搬送方向(矢印b)先端を金属スリーブ31から強制的に剥離させることにより、金属スリーブ31への巻き付きを防止する。
サーモスタット37は、金属スリーブ31の表面に接触しており、予め設定された温度になると接点を開放して誘導コイル333への通電を遮断し、金属スリーブ31の温度が異常高温になるのを防止する安全機構として機能する。
このような構成において、未定着のトナー像(画像)の形成されたシートSが定着ニップ39に搬送されて来ると、定着ニップ39を通過する間に、シートS上の画像に、加熱された金属スリーブ31の熱と加圧ローラ32による圧力が加えられることによって、当該画像がシートSに定着される。定着ニップ39は、画像のシートSへの定着が実際に行われる位置に相当するので、以下、定着ニップを定着位置ということにする。
3.制御部の構成
図4は、制御部40の構成を示す図である。
同図に示すように、制御部40は、主な構成要素として、通信インターフェース(I/F)部101、画像メモリ102、画像処理部103、画像領域検出部104、通紙方向選択部105、画像回転部106、LD駆動部107、定着加熱制御部108、全体制御部109、タイマー110およびエリアテーブル111を備えている。
通信I/F部101は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースであり、外部の端末装置からのプリントジョブのデータを受信すると、画像メモリ102に一旦格納させる。ここでは、1つのジョブとして、N(複数)ページの原稿の画像をN枚のシートSに形成する(1枚のシートSに1ページ分の原稿の画像を形成する)ジョブがユーザにより指示された場合の例を説明する。
画像処理部103は、ジョブの実行に際し、画像メモリ102に格納されているプリントジョブのデータを読み出して、読み出したデータに含まれている画像データにページ単位でシェーディングなどの公知の補正処理を施すと共に、Y、M、C、Kの再現色の画像データに変換し、変換後の画像データをページ毎に画像領域検出部104に送る。
画像領域検出部104は、画像処理部103からの画像データに基づいて、ページ毎に1ページ内における画像領域を検出する。この検出方法を、図5を用いて説明する。
図5は、1枚のA4サイズのシートS上に定着されるべき画像を正立の状態で見たときの図であり、シートの中央からやや左上寄りの位置に1つの画像が存在する例を示している。同図に示すように、1ページの全域を横方向に6等分し、縦方向に9等分して、等分した各部分にエリア番号1〜6、11〜19を付与する。
そして、分割されたエリア毎に、当該エリア内の各画素の値、例えば階調値の合計を算出する。ここでは、階調が例えば256階調であり、階調値が高くなると画像濃度が濃くなるように階調と濃度の関係が設定されている構成例とする。
同図のエリアデータ1がエリア1〜6の階調値の合計を示すヒストグラムに相当し、エリアデータ2がエリア11〜19の階調値の合計を示すヒストグラムに相当する。同図の例では、エリア2〜4、12〜16の位置に画像が存在するので、ヒストグラムをとると、エリア2〜4、12〜16の階調値の度数が大きく(棒の高さが高く)なり、画像が存在しない他のエリアについては度数がほとんどないことになる。
次に、エリア毎に、そのエリアの階調値を合計した値をエリアテーブル111の該当するエリア番号の格納領域に格納する。その後、エリア1〜6については、エリア毎に、階調値の合計(濃度値)を閾値Kと比較し、閾値Kを超えていれば定着すべき画像が存在するエリアと判断し、閾値K以下であれば定着すべき画像がないエリアと判断する。
一方、エリア11〜19については、エリア毎に、階調値の合計(濃度値)を閾値Lと比較し、閾値Lを超えていれば定着すべき画像が存在するエリアと判断し、閾値L以下であれば定着すべき画像がないエリアと判断する。図5の例では、エリア2〜4、12〜16だけが定着すべき画像が存在するエリアと判断される。
画像が存在するエリアを判断すると、予め決められた各エリアの、1枚のシートS上(1ページ内)における座標位置を参照することにより、画像が存在するエリア(これが検出された画像領域になる。)のシートS上における座標位置と画像領域の横方向長さA、縦方向長さCを検出する。座標位置としては、例えば画像領域(矩形)の4個の各頂点の座標を検出することができる。なお、閾値K、Lは、適切な画像領域検出を実行できるように予め実験などから適正な値が設定されて、ROM(不図示)などに格納される。
図4に戻り、通紙方向選択部105は、画像領域検出部104による各ページの画像領域の検出結果に基づいて、ジョブの実行に際し、用いるべきシートSの通紙方向を横と縦のうちからいずれかを選択する。この選択方法を、図6を用いて説明する。
図6(a)は、1〜N(ここではN=3とする)ページの原稿の画像(A4)を正立の状態で見たときの図であり、各ページの画像領域の横方向と縦方向長さをそれぞれA1、C1、A2、C2、A3、C3で示している。この長さA1〜C3は、画像領域検出部104の検出結果(画像領域の座標位置)に基づいて求めることができる。
図6(b)は、画像を正立の状態でシートSを横通紙して各ページの画像を各シートS上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。同図において、各ページの画像領域の搬送方向長さA1〜A3を合計した長さを総画像長Lsとすると、Ls=A1+A2+A3で表すことができる。
図6(c)は、画像を所定角度、ここでは時計回りに270°回転させた状態でシートSを縦通紙して各ページの画像を各シートS上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。縦通紙の場合に画像を回転させることにより、縦方向と横方向のいずれのシートを用いても同じ印刷物が得られるようになっている。同図の場合の総画像長をLtとすると、Lt=C1+C2+C3で表すことができる。
画像長Ls、Ltを算出すると、LsとLtの大小関係を求め、例えばLs≦Ltの場合には横の通紙方向を選択する。逆に、Ls>Ltの場合には縦の通紙方向を選択する。すなわち、画像長が短くなる方の通紙方向を選択する。なぜなら、総画像長が短いということは、搬送される各シートSの画像が定着位置39を通過するのに要する時間も短くなるので(シートSの搬送速度Vが同じ場合)、後述のように誘導コイル333への通電時間を短くすることにより節電を図れるからである。
図6において、例えばA1=30〔mm〕、C1=140〔mm〕、A2=190〔mm〕、C2=250〔mm〕、A3=190〔mm〕、C3=40〔mm〕とすると、Ls=410〔mm〕、Lt=430〔mm〕になる。従って、横の通紙方向が選択されることになる。
図7(a)は、図6とは別の画像の例を示す図であり、図7(b)は、横通紙とした場合、図7(c)は、縦通紙とした場合のそれぞれについて各ページの画像を各シートS上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。
図7(a)において、例えばC2だけを図6の例とは異なる値の100〔mm〕とし、他のA1〜C3等を同じ値とすると、Ls=410〔mm〕、Lt=280〔mm〕になる。従って、図7の例では、縦通紙を選択することになる。なお、Ls=Ltの場合に、横通紙を選択するのは、本実施の形態では、横通紙の場合の画像を基準に正立画像としているため、横通紙では画像回転が不要になって回転処理を行う必要がなく処理を簡素化できるからである。通紙方向選択部105は、選択結果を画像回転部106に送る。
図4に戻って、画像回転部106は、通紙方向選択部105の選択結果により、横通紙が選択された場合には、画像回転を不要として、画像処理部103から各ページの画像データを受信して、そのままLD駆動部107に送る。一方、縦通紙が選択された場合には、各ページの画像データに回転処理、ここでは時計回りに270°の回転処理を施して、回転処理後の画像データをLD駆動部107に送る。
LD駆動部107は、受信した画像データに基づいて作像部2Y〜2Kの露光部5に配されるレーザダイオードの駆動信号を生成し、生成した駆動信号を各色用の露光部5に送り、レーザダイオードを駆動させる。
定着加熱制御部108は、シート毎に当該シートS上に形成された画像の、選択された通紙方向によって決まるシート上の形成位置に応じて誘導コイル333の通電を制御する。具体的には、各シートS上の形成画像が定着位置39を通過する間に定着に必要な温度(目標温度。例えば180℃)になるように誘導コイル333への電力供給量を制御し、画像が存在しない領域(非画像領域)が通過する間については電力供給を停止する。
より具体的には、1枚目のシートSを例に説明すると、まず(ア)画像領域検出部104により検出されたシートS上における画像領域の座標位置を参照する。
(イ)通紙方向選択部105により選択された方向でシートSを通紙する場合の、シートS上におけるシート先端から画像領域先端までの搬送方向長さD1(図6)と、画像領域後端からシート後端までの搬送方向長さE1(図6)を算出する。
(ウ)シート先端がシート検出センサ28(図1)により検出されてから、シートS上の画像領域先端が定着位置39に到達するまでに要すると想定される到達予定時間t1と、画像領域後端が定着位置39を通過するまでに要すると想定される通過予定時間t2を算出する。この算出は、次の式(1)、(2)を用いて行われる。
t1=(Lf+D1)/V・・・・・(1)
t2=t1+(P−E1)/V・・・(2)
ここで、Lfは、図8の模式図において、搬送路29上におけるシート検出センサ28の検出位置から定着位置39までの距離、Vは、シート搬送速度(ここでは一定値とする)である。Pは、シートSの搬送方向長さである。なお、Pは、横通紙の場合にはPx(A4の場合は、210〔mm〕)、縦通紙の場合にはPy(A4の場合は、297〔mm〕)になる。
(エ)算出された時間t1から所定時間taを差し引いた時間T1を求めて記憶する。ここで、所定時間taとは、誘導コイル333への電力供給を開始してから定着位置39の温度が目標温度まで昇温するのに要する時間であり、予め実験などから求められ、そのデータはROMなどに格納される。
(オ)同様に、算出された時間t2から所定時間tbを差し引いた時間T2を求めて記憶する。ここで、所定時間tbとは、誘導コイル333への電力供給を停止してから定着位置39の温度が目標温度から下がり始めるまでにかかる時間である。このようにしているのは、電磁誘導加熱方式により金属スリーブ31の温度は、磁束密度等の関係から金属スリーブ31の周方向にある程度の幅をもって高温が維持されており、その高温の部分が定着位置39を通過するまでの間は、略目標温度を維持できるからである。電力供給停止から金属スリーブ31の回転により高温の部分が定着位置39を通過するまでの時間が所定時間tbとして予め実験などから求められ、そのデータがROMなどに格納される。
(カ)1枚目のシートSが繰り出され、その先端がシート検出センサ28により検出されると、タイマー110を起動させる。タイマー110のカウント値が時間T1に達すると、誘導コイル333への電力供給を開始する。画像領域の先端が定着位置39に到達する時点で、定着位置39の温度が目標温度に達していることになる。
(キ)1枚目のシートSの搬送中であり、そのシートS上の画像領域が定着位置39を通過している間には、定着位置39の温度が目標温度に維持されるように、サーミスタ35からの検出信号に基づいて誘導コイル333への供給電力量を制御する温調制御を行う。この温調制御自体は、公知であるので、ここでは説明を省略する。
(ク)タイマー110のカウント値が時間T2に達すると、誘導コイル333への電力供給を停止する。1枚目のシートSの画像領域後端が定着位置39を通過した時点から定着位置39の温度が目標温度から下がり始めることになる。これにより、1枚目のシートSについて適正な定着が実行される。
上記(ア)〜(ク)の各動作を2枚目のシート以降についても繰り返し実行する。その際、(イ)と(ウ)の長さD1、E1は、例えば2枚目のシートSについては、長さD2、E2(図6)に代わり、3枚目のシートSについては、D3、E3(図6)に代わる。
上記では、非画像領域が通過する間に電力供給を停止するとしたが、これに限られない。例えば、非画像領域が通過する間にだけ、目標温度よりも低い温度(例えば数十℃程度)を別の目標温度として設定し、その別の目標温度が維持されるように制御するとしても良い。金属スリーブ31の加熱による温度の立ち上がり特性等を考慮して非画像領域に対する制御方法が決められる。
図4に戻り、全体制御部109は、CPU、ROM、RAMなどを有し、ROMから必要なプログラムを読み出し、画像プロセス部10、給送部20、定着部30等の動作をタイミングを取りながら統一的に制御して、受信したプリントジョブのデータに基づくプリント動作を円滑に実行させる。その際、上記通紙方向選択部105において選択された通紙方向のシートSを給送させる。例えば、選択された通紙方向が横の場合には給紙カセット21からN枚、上記例では3枚のシートSを1枚ずつ繰り出させ、縦の場合には給紙カセット22から1枚ずつ繰り出させる。
なお、全体制御部109には、給紙カセットとシートのセット方向とを対応付けた情報が記憶されており、その情報を参照することにより、どの給紙カセットにどの向きのシートがセットされているかを知ることができる。当該情報は、例えば給紙カセット毎にシートの向きが固定されている構成であれば予め記憶しておくとしても良いし、ユーザ等が可変可能な構成であれば、向きを検出するセンサ等を設けておき、シートの向きが変更されると情報を更新する構成をとるとしても良い。
4.制御部によるジョブの制御処理
図9は、ジョブの実行制御の処理内容を示すフローチャートである。当該処理は、ジョブの実行要求が受け付けられた後、ジョブの開始時期に達すると、不図示のメインルーチンに呼び出されることにより開始される。
同図に示すように、まず画像領域検出処理を実行する(ステップS1)。この画像領域検出処理は、主に画像領域検出部104により実行される。
図10は、画像領域検出処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
変数nの値を「1」に設定する(ステップS11)。ここで、変数nは、ページ数(シートの枚数)を示す。
そして、nページ、ここでは1ページの画像を展開する(ステップS12)。この画像の展開とは、1ページ分の画像データを読み出して、内部のRAMなどのメモリ(不図示)に格納させる処理である。
そして、画像領域となるエリアを検出する(ステップS13)。具体的には、メモリ内に展開された1ページ目の画像を、図5で示すように各エリア1〜6、11〜19に分割する。各エリアの階調値を合計した値をエリアテーブル111に格納し、エリア1〜6についてはエリア毎に階調合計値を閾値Kと比較し、エリア11〜19についてはエリア毎に階調合計値を閾値Lと比較する。各エリアのうち、閾値を超えているエリアを画像領域に相当するエリアと検出する。
画像領域であると検出されたエリアのシートS上における座標位置と横方向長さA(図5)、縦方向長さCを求めて一時的に記憶する(ステップS14)。
nが当該ジョブの最後のページであるか否かを判断する(ステップS15)。ここで、最後ではないことを判断すると(ステップS15で「NO」)、現在のnの値に「1」をインクリメントして(ステップS16)、ステップS12に戻る。
次に、2ページ目について、上記ステップS12〜S15の処理を実行する。ステップ15において、nが最後のNページであることが判断されるまで、ステップS12〜S15の処理が繰り返し実行される。nが最後と判断すると(ステップS15で「YES」)、リターンする。これにより、1〜Nページについて、座標位置と長さA、Cの値が求められることになる。
図9に戻り、次にステップS2において通紙方向選択処理を実行する。この通紙方向選択処理は、主に通紙方向選択部105により実行される。
図11は、通紙方向選択処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、検出された1〜Nページの画像領域の横方向長さAと縦方向長さCのデータを読み出す(ステップS21)。
そして、総画像長Lsを算出する(ステップS22)。ここで、総画像長Ls=A1+A2+・・+Anである。横方向長さA1、A2等は、図6、図7で示されるA1、A2等の相当する。図6の例では、総画像長Ls=410〔mm〕になる。
続いて、総画像長Ltを算出する(ステップS23)。総画像長Lt=C1+C2+・・+Cnである。縦方向長さC1、C2等は、図6、図7で示されるC1、C2等の相当する。図6の例では、総画像長Lt=430〔mm〕になる。
総画像長Ls≦Ltであれば(ステップS24で「YES」)、横の通紙方向を選択して(ステップS25)、リターンする。一方、Ls≦Ltでない、すなわちLs>Ltであれば(ステップS24で「NO」)、縦の通紙方向を選択して(ステップS26)、リターンする。
図9に戻り、ステップS3では、変数nを「1」に設定する。ステップS4では、画像プロセス部10と給送部20等に指示して、ステップS2で選択された通紙方向のシートSを1枚繰り出させると共に、第nページ、ここでは第1ページに対する画像形成を実行させる。この意味で、制御部40は、ステップ4の処理を実行する際に、選択された通紙方向のシートを給送部20から繰り出させる第1制御手段として機能するものといえる。
そして、定着加熱制御処理を実行する(ステップS5)。この定着加熱制御処理は、主に定着加熱制御部108により実行される。
図12は、定着加熱制御処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、1枚(ページ)目の画像領域のシートS上における座標位置を読み出して、シート先端から画像領域先端までの長さD1(図6)と、画像領域後端からシート後端までの長さE1(図6)を算出する(ステップS51)。この処理は、上記(ア)と(イ)で説明した動作に相当する。
算出値D1、E1に基づき、画像領域先端の定着位置39への到達予定時間t1と、画像領域後端の定着位置39の通過予定時間t2を算出する(ステップS52)。この算出は、上記(ウ)の式(1)と(2)を用いて行われる。
時間t1から所定値taを差し引いた時間T1と時間t2から所定値tbを差し引いた時間T2を算出する(ステップS53)。この処理は、上記(エ)と(オ)の動作に相当する。算出した時間T1とT2のデータを一時的に記憶する(ステップS54)。
1枚目のシートSの先端がシート検出センサ28により検出されると、タイマー110を起動させ(ステップS55)、タイマー110のカウント値が時間T1に達すると、誘導コイル333への電力供給を開始し(ステップS56)、温調制御を行う(ステップS57)。この処理は、上記(カ)と(キ)の動作に相当する。
タイマー110のカウント値が時間T2に達すると、誘導コイル333への電力供給を停止して(ステップS58)(温調制御の中止)、リターンする。これにより、1枚目のシートS上に形成された画像の定着が終了したことになる。なお、タイマー110は、カウント値がT2に達するとリセットされる。この意味で、制御部40は、定着加熱制御処理を実行する際に、搬送されるシート上に形成された画像の、通紙方向によって決まるシート上の形成位置に応じてヒータへの供給電力を制御する第2制御手段として機能するものといえる。
なお、上記では1枚のシートS上に1つの画像領域が存在している場合の例を説明したが、例えば複数の画像領域が搬送方向に離れた位置に存在するような場合でも同様に各画像領域が定着位置39を通過する間に温調制御がなされ、非画像領域が通過する間には電力供給が停止される。例えば、画像領域それぞれについて、上記1つの画像領域による通電制御と同様の制御をシート先端側のものから順次実行することにより実現できる。
図9に戻り、ステップS6では、n=N(最後)のページであるか否かを判断する。ここで、最後ではないことを判断すると(ステップS6で「NO」)、現在のnの値に「1」をインクリメントして(ステップS7)、ステップS4に戻る。ステップS4〜S5において、2ページ目について、1ページ目と同じ方向のシートSを繰り出すと共に画像形成の動作を実行させつつ、定着部30の加熱制御を実行させる。
ステップ6において、nが最後のNページであることが判断されるまで、ステップS4〜S5の処理が繰り返し実行される。nが最後と判断すると(ステップS6で「YES」)、リターンする。これにより、当該ジョブが終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、複数枚のシートSに画像を形成するジョブにおいて、横と縦の通紙方向のうち、各シートS上の形成画像の搬送方向長さを合計した値が短い方の通紙方向を選択し、選択した通紙方向のシートSを1枚ずつ繰り出して画像を形成すると共に、シート毎に当該シートS上における形成画像の存在しない領域が定着位置39を通過する間には誘導コイル333への電力供給を停止する制御を行っている。
これにより、シートの通紙方向を何も考慮せずに紙間に定着部の温度を下げるだけの構成に比べて、シート毎に、そのシートS上の画像の存在しない領域が定着位置39を通過する間に誘導コイル333への電力供給が停止される分だけ、定着に要する消費電力を低減できる。
<実施の形態2>
上記実施の形態では、電磁誘導加熱方式の定着部を用いた構成例を説明したが、本実施の形態では、ハロゲンヒータによる加熱方式の定着部を用いており、この加熱方式の違いに応じて通紙方向選択処理と定着加熱制御処理の内容が変更されている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図13は、本実施の形態に係る定着部200の構成を示す図である。
同図に示すように、定着部200は、筒状の定着ローラ201、加熱手段としてのハロゲンヒータ202などを備える。定着ローラ201とハロゲンヒータ202は、第1の実施の形態における金属スリーブ31とコイルアセンブリ33に代わるものである。
定着ローラ201の内空間にハロゲンヒータ202が挿通される構成であり、ハロゲンヒータ202からの熱が空間を通じて定着ローラ201に伝わるので、電磁誘導加熱方式に比べて、定着ローラ201の昇温にある程度の時間がかかる構成になっている。
図14は、本実施の形態の通紙方向選択処理による通紙方向の選択方法を説明するための図である。図14(a)は、1〜N(ここではN=3とする)ページの原稿の画像(A4)を正立の状態で見たときの図である。
同図において、1ページの画像を正面視し、その画像の天地が上下の方向になるように上下左右の方向を規定すると、長さa1は、原稿(シート)の左端から画像領域の右端までの距離に相当する。長さb1は、画像領域の左端から原稿の右端までの距離、長さc1は、原稿の上端から画像領域の下端までの距離、長さd1は、画像領域の上端から原稿の下端までの距離に相当する。Pxは、1ページ(1枚のシート)の横方向長さを示しており、Pyは、縦方向長さを示している。長さa1〜d1は、シート(A4)の大きさと画像領域の座標位置に基づいて算出することができる。他のページについても同様である。
図14(b)は、画像を正立の状態でシートSを横通紙して各ページの画像を各シート上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。同図において、隣り合うシート間の距離Leは、いわゆる用紙間隔といわれるものであり、画像形成時には、間隔Leをもって各シートSが搬送されることを示している。ここでは、通紙方向が横でも縦でも用紙間隔が同じとしている。なお、横と縦で異なる場合には、それぞれの値が別のLeの値として設定される。
1枚目のシートSの画像領域先端からN(最後)枚目、同図の例では3枚目のシートSの画像領域後端までの長さをLwとすると、Lw=b1+Le+Px+Le+a3で表すことができる。このLwは、定着位置39の温度が目標温度に維持される区間の長さを示している。これを目標温度維持区間長という。
上記のように本実施の形態では、定着ローラ201を昇温させるのにある程度の時間を要するので、実施の形態1のようにシート毎にシートS上の非画像領域が定着位置39を通過する間に電力供給を停止させる制御をとると、画像領域が定着位置39に到達する時点で昇温が間に合わなくなるおそれが生じる。そこで、本実施の形態では、1枚目の画像領域先端から最後のシートSの画像領域後端までの区間を目標温度維持区間として、その間を通して温調制御を行うようにしている。
図14(c)は、画像を180°回転させた状態で(これを、横通紙で画像が倒立の状態という。)、シートSを横通紙して各ページの画像を各シート上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。ここで、画像を倒立とは、正立と同じ通紙方向で通紙する場合に、印刷物が同じになるように画像を必要な角度、ここでは180°回転させることをいう。同図の場合の目標温度維持区間長をLxとすると、Lx=a1+Le+Px+Le+b3で表すことができる。
図14(d)は、画像を270°回転させた状態で(これを、縦通紙で画像が正立の状態という。)、シートSを縦通紙して各ページの画像を各シート上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。同図の目標温度維持区間長をLyとすると、Ly=d1+Le+Py+Le+c3で表すことができる。
図14(e)は、画像を90°回転させた状態で(これを、縦通紙で画像が倒立の状態という。)、でシートSを縦通紙して各ページの画像を各シート上に形成するとした場合の画像形成後の様子を模式的に示す図である。同図の目標温度維持区間長をLzとすると、Lz=c1+Le+Py+Le+d3で表すことができる。
目標温度維持区間長Lw〜Lzを算出すると、その中で最も値の小さいものを選択する。目標温度維持区間長が短いということは、目標温度を維持するのに要する時間が短くなることを意味するので、ハロゲンヒータ202の通電時間を短くして節電を図れるからである。
図14において、例えばa1=120〔mm〕、b1=140〔mm〕、c1=280〔mm〕、d1=100〔mm〕、a2=200〔mm〕、b2=200〔mm〕、c2=220〔mm〕、d2=280〔mm〕、a3=200〔mm〕、b3=200〔mm〕、c3=50〔mm〕、d3=280〔mm〕であり、Px=210〔mm〕、Py=297〔mm〕、Leを例えば0とおくと、Lw=550〔mm〕、Lx=530〔mm〕、Ly=447〔mm〕、Lz=857〔mm〕になる。この場合、最も小さいLyが選択され、Lyに対応する縦通紙:正立画像が選択される。
図15(a)は、図14とは別の画像の例を示す図であり、図14とはc3だけが異なる値の270〔mm〕になっており、他のa1〜d3等は同じ値である。図15(a)の例では、Lw=550〔mm〕、Lx=530〔mm〕、Ly=667〔mm〕、Lz=857〔mm〕になる。この場合、最も小さいLxが選択され、図15(b)に示すように、Lxに対応する横通紙:倒立画像が選択されることになる。
図16は、本実施の形態に係る通紙方向/画像回転選択処理の内容を示すフローチャートである。本実施の形態では、上記のようにシートSの通紙方向(横/縦)だけでなく、通紙方向と画像の天地の向き(正立/倒立)によって決まる複数(上記では2つ)の回転角とが対応付けられて、4通りの組み合わせが設定されているので、その組の選択を当該処理において実行するようにしている。
図16に示すように、検出された1〜Nページの画像領域の座標位置から当該ジョブにおける目標温度維持区間Lw〜Lzを算出する(ステップS201)。算出された各値の最小値を判断する(ステップS202〜S204)。ここで、最小値がLwと判断すると(ステップS202で「YES」)、横通紙:正立画像(すなわち画像回転なし(禁止):すなわち0°)を選択し(ステップS205)、リターンする。
最小値がLxと判断すると(ステップS203で「YES」)、横通紙:倒立画像(すなわち画像を180°回転)を選択し(ステップS206)、リターンする。
最小値がLyと判断すると(ステップS204で「YES」)、縦通紙:正立画像(すなわち画像を270°回転)を選択し(ステップS207)、リターンする。
最小値がLzと判断すると(ステップS204で「NO」)、縦通紙:倒立画像(すなわち画像を90°回転)を選択し(ステップS208)、リターンする。当該選択処理において選択された画像の回転角の情報は、画像回転部106に送られる。
画像回転部106は、画像形成時に、受信した回転角の情報に応じて、ページ毎にその画像を回転または非回転させる処理を施した後、処理後のデータをLD駆動部107に送る。以降、全体制御部109により、画像プロセス部10、給送部20などの制御が行われて画像形成が実行される。この意味で、全体制御部109、画像回転部106、画像プロセス部10、給送部20などは、選択された通紙方向のシートSを繰り出すと共に選択された回転角に応じて画像を回転処理して、または回転処理を禁止させて、当該シート上に画像形成を行う画像形成手段として機能するものといえる。
図17は、本実施の形態に係る定着加熱制御処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、まずn=1、すなわち1枚目のシートSに対する画像形成であるか否かを判断する(ステップS211)。ここで、1枚目であることを判断すると(ステップS211で「YES」)、第1ページの画像領域のシートS上における座標位置を読み出して、シート先端から画像領域先端までの長さα(図14)を算出する(ステップS212)。長さαは、図14(b)〜(e)に示すように通紙方向と画像回転角によって変わるので、通紙方向と画像回転角に応じて求める。例えば、図14(b)の横通紙:正立画像であれば、長さα=Px−b1になる。
算出値αに基づき、画像領域先端の定着位置39への到達予定時間t1を算出し(ステップS213)、時間t1から所定値taを差し引いた時間T1を算出する(ステップS214)。この算出は、前記ステップS52、S53の処理と同じ方法で行われるが、所定時間ta(ハロゲンヒータ202への電力供給を開始してから定着位置39の温度が目標温度に昇温するまでに要する時間)については、実施の形態1よりは長くなるはずである。所定値taの大きさと形成画像のシートS上における位置との関係から、シート検出センサ28の位置を実施の形態1と同じにすると、T1の値(T1=t1−ta)が負になるおそれがあるような場合には、シート検出センサ28が搬送路29上においてより上流側の位置に配されるように工夫される。
算出された時間T1のデータを記憶する(ステップS215)。そして、1枚目のシートSの先端がシート検出センサ28により検出されると、タイマー110を起動させ(ステップS216)、そのカウント値が時間T1に達すると、ハロゲンヒータ202への電力供給を開始し(ステップS217)、温調制御を行って(ステップS218)、リターンする。これらの処理は、前記ステップS54〜S57の処理と基本的に同じである。なお、タイマー110は、カウント値がT1に達するとリセットされる。
ステップ211において、1枚目でないと判断すると、ステップS219に移る。ステップS219では、nが最後のページであるか否かを判断する。最後ではないことを判断すると(ステップS219で「NO」)、そのままリターンする。これにより、温調制御の開始から最後のページと判断されるまでの間、すなわち1枚目の画像領域先端が定着位置39を通過してから、2枚目、3枚目・・を介して最後のN枚目のシートSに至るまでの間、温調制御が継続されることになる。
nが最後のNと判断すると(ステップS219で「YES」)、Nページ目の画像領域のシートS上における座標位置を読み出して、画像領域後端からシート後端までの長さβ(図14)を算出する(ステップS220)。長さβは、上記αと同様に、通紙方向と画像回転角によって変わるので通紙方向と画像回転角に応じて求められる。例えば、図14(b)の横通紙:正立画像であれば、長さβ=Px−a3になる。
算出値βに基づき、画像領域後端の定着位置39の通過予定時間t2を算出する(ステップS221)。この算出は、前記ステップS52の処理と同じ方法で行われる。
時間t2から所定値tbを差し引いた時間T2を算出し(ステップS222)、算出した時間T2のデータを記憶する(ステップS223)。これらの処理は、前記ステップS53、S54の処理と同じである。
そして、N枚目(最後)のシートSの先端がシート検出センサ28により検出されると、タイマー110を起動させ(ステップS224)、そのカウント値が時間T2に達すると、ハロゲンヒータ202への電力供給を停止し(ステップS225)、リターンする。これらの処理は、前記ステップS55、S58の処理と基本的に同じである。これにより、最後のシートSの画像領域後端が定着位置39を通過するまでは目標温度が維持されることになる。なお、タイマー110は、カウント値がT2に達するとリセットされる。
以上説明したように本実施の形態では、横通紙:正立、横通紙:倒立、縦通紙:正立、縦通紙:倒立の4通りのうち、1つのジョブにおいて1枚目のシートS上の画像領域先端が定着位置39を通過してから、最後のシートS上の画像領域後端が定着位置39を通過するまでの時間が最も短いものを選択するとしている。定着ローラの昇温にある程度の時間を要する構成、すなわち昇温速度(応答)が遅い構成の場合には、従来、1枚目のシート先端から最後のシート後端までの間を通して温調制御が行われるが、このような制御に比べてハロゲンヒータへの通電時間を短くでき、もって消費電力の低減を図れる。
なお、上記の4通りに限定されることはない。例えば、横通紙:正立(図14(b))と、横通紙:倒立(図14(c))のうちから1つの組を選択する構成をとるとしても良い。このような構成をとれば、横通紙だけで良くなるので縦通紙用の給紙カセットを備える必要がなくなる。同様に、例えば縦通紙:正立(図14(d))と縦通紙:倒立(図14(e))のうちから1つを選択する構成をとることもできる。
また、選択対象となる組は2以上であれば良く、装置構成によっては、例えば通紙方向それぞれについて、通紙方向と形成されるべき画像の天地の向きによって決まる1の回転角とが対応するように、各通紙方向と回転角とを組み合わせるとしても良い。
具体的には、例えば(ア)横通紙:正立(回転角0°)の組(図14(b))と、縦通紙:正立(回転角270°)の組(図14(d))のうちから、1つを選択する構成をとることも可能である。また、(イ)横通紙:正立(回転角0°)の組と、縦通紙:倒立(回転角90°)の組(図14(e))のうちから、1つを選択する構成をとることも可能である。さらに、(ウ)横通紙:倒立(回転角180°)の組(図14(c))と、縦通紙:倒立(回転角90°)の組(図14(e))のうちから、1つを選択する構成をとることも可能であろう。
なお、本発明は、画像形成装置に限られず、上記のジョブの実行方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態1では、シート上の画像領域が定着位置39を通過する間にだけ目標温度になるように誘導コイル333への通電を制御するとしたが、これに限られることはない。例えば、画像領域であると検出された領域を、搬送方向に所定範囲だけ拡張して(図8の破線で示す部分F)、その拡張後の領域(検出された領域+領域F)をシート上の画像領域、すなわち目標温度を維持するための領域とすることもできる。この場合、拡張範囲をあまり大きくし過ぎると誘導コイル333への通電時間が増えて消費電力が多くなるので、例えば画像領域先端側の拡張範囲としては、目標温度への昇温に要する時間のばらつきなどを考慮して、形成画像が定着位置39に到達する直前には、ある程度の余裕をもって目標温度への昇温を終えているような範囲、より具体的には数ミリ〜十数ミリ程度の範囲が設定されることが好ましい。
また、画像領域後端側の拡張領域については、例えば形成画像が定着位置39を通過した直後に電力供給が停止されるような範囲、より具体的には数ミリ程度の範囲に設定することが考えられる。先端側と後端側のいずれか一方だけを拡張するとしても良い。また、例えば先端側の拡張範囲が定着位置39を通過する間に徐々に誘導コイル333の供給電力量を上げる制御を行うとしても良い。上記のことは、実施の形態2についても同様である。
(2)上記実施の形態では、画像領域検出部104が各エリア内の画素の濃度値に基づいて画像領域を検出するとしたが、画像領域を検出できれば良く、検出方法が上記のものに限られないことはいうまでもない。例えば、1ページ単位でエリア毎にレーザ光の駆動信号から露光する画素の数をカウントし、そのカウント値(露光量)をドットカウントしてエリアテーブル111に記憶する。そして、エリア毎にドットカウント値を閾値と比較することにより画像領域を検出する方法など公知の方法をとることができる。
なお、厳密にいうと、画素の濃度値や露光量=現像されるトナー量(現像量)=シート上に転写されるトナー量(転写量)となるわけではないが、実際にシートS上に転写された後のトナー量を検出して、その検出結果から画像領域を特定することは困難である。従って、濃度値や露光量などから現像効率を考慮して変換した値を現像量とし、現像量から転写効率を考慮して変換した値を転写量とする、すなわち露光量、現像量、転写量の関係を考慮に入れて、上記閾値K、Lの値を決めるようにしている。
(3)上記実施の形態1では、電磁誘導加熱方式の定着部を用いた構成例を、実施の形態2では、ハロゲンヒータによる加熱方式の定着部を用いた構成例をそれぞれ説明したが、加熱方式がこれらに限られることはない。実施の形態1は、定着部の温度を短時間で昇温可能な構成に適用することが好ましく、実施の形態2は、昇温に時間を要するために紙間に定着部の温度を下げることができないような構成に適用することが好ましい。
また、電磁誘導加熱方式の定着部として、誘導コイル333が金属スリーブ31の内側に配された構成例を説明したが、これに限られないことはいうまでもない。例えば、誘導コイルが金属スリーブの外側であり金属スリーブの外周面近傍の位置に配置される構成にも適用できる。
(4)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラーデジタルプリンタに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、シート上に形成されたトナー像などの未定着の画像を熱定着する画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。また、A4サイズのシートを用いる例を説明したが、他のサイズであっても同様に適用できることはいうまでもない。他のサイズのシートを使用する場合、上記のPx、Pyの値は、当該シートのサイズに応じた値に代えられる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明に係る画像形成装置は、定着部のヒータによる消費電力の低減を向上させる技術として有用である。
実施の形態1に係るプリンタの全体構成を示す図である。 プリンタに備えられる定着部の構成を示す図である。 定着部を図2の矢印B方向から見たときの概略斜視図である。 プリンタに備えられる制御部の構成を示す図である。 制御部の画像領域検出部による画像領域の検出方法を説明するための模式図である。 制御部の通紙方向選択部によるシートの通紙方向(横と縦)の選択方法を説明するための図である。 シートの通紙方向(横と縦)の選択方法を説明するための別の図である。 シート検出センサによる検出位置と定着部の定着位置と搬送中のシート上における画像領域との位置関係を模式的に示す図である。 ジョブの実行制御の処理内容を示すフローチャートである。 画像領域検出処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 通紙方向選択処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 定着加熱制御処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る定着部の構成を示す図である。 実施の形態2に係る通紙方向選択処理による通紙方向の選択方法を説明するための図である。 通紙方向選択処理による通紙方向の選択方法を説明するための別の図である。 実施の形態2に係る通紙方向/画像回転選択処理の内容を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る定着加熱制御処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 プリンタ
10 画像プロセス部
21、22 給紙カセット
23、24 繰り出しローラ
29 搬送路
30、200 定着部
39 定着位置
40 制御部
105 通紙方向選択部
106 画像回転部
108 定着加熱制御部
202 ハロゲンヒータ
333 誘導コイル
Ls、Lt 総画像長(各シート上の形成画像の搬送方向長さを合計した値)
Lw、Lx、Ly、Lz 目標温度維持区間長
S シート

Claims (10)

  1. セットされたシートをその通紙方向を縦と横のいずれかに切り換えて搬送路に繰り出すことが可能な給送部を有し、1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させると共に、シートの通紙方向に応じて、形成すべき画像を回転または非回転させ、搬送される各シートに当該画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、
    一のジョブの実行に際し、縦と横の通紙方向のうち、各シート上に形成されるべき画像の搬送方向長さを合計した値が短くなる方の通紙方向を当該ジョブに対して選択する選択手段と、
    前記給送部を制御して、前記選択手段により選択された通紙方向のシートを繰り出させる第1制御手段と、
    搬送される各シート上に形成された画像の、前記通紙方向によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する第2制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2制御手段は、
    シート毎に、当該シート上の画像領域が定着部の定着位置を通過する間に定着位置における温度が熱定着に必要な温度になり、通過しない間には前記温度よりも低くなるように供給電力を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. シート上に形成される画像領域を検出する検出手段を備え、
    前記選択手段は、
    前記検出手段の検出結果から、シートの通紙方向を縦にする場合と横にする場合について、各シート上の画像領域の搬送方向長さを求め、求めた値を合計する算出手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記選択手段は、
    縦の通紙方向と横の通紙方向において合計値が同じである場合には、横の通紙方向を選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記ヒータは、電磁誘導加熱方式によるものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 給送部から1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させ、搬送される各シートに画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、
    形成すべき画像を回転させる回転手段と、
    一のジョブの実行に際し、画像を180°の角度で回転させる場合と非回転の場合のうち、最初に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向先端が定着部の定着位置に到達してから、最後に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでに要する時間が短くなる方を当該ジョブに対して選択する選択手段と、
    前記選択手段により回転させる場合が選択されると、画像に回転処理を施した後、各シートへの画像形成を実行し、非回転の場合が選択されると、画像への回転処理を禁止して画像形成を実行する画像形成手段と、
    最初と最後に繰り出された各シート上に形成された画像の、前記回転の有無によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、
    最初に繰り出されたシート上の形成画像の搬送方向先端が定着位置を通過してから、最後に繰り出されたシート上の形成画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでの間に、定着位置の温度が熱定着に必要な温度になり、それ以外の間には前記温度よりも低くなるように供給電力を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 最初と最後に繰り出されるシート上に形成される画像領域を検出する検出手段を備え、
    前記選択手段は、
    前記検出手段の検出結果に基づき、画像を回転させる場合と回転させない場合について、最初に繰り出されるシート上の画像領域の搬送方向先端から、最後に繰り出されるシート上の画像領域の搬送方向後端までの搬送路上における距離を算出する算出手段を有し、
    前記算出手段により算出された距離が短い方を選択することを特徴とする請求項6または7に記載の画像形成装置。
  9. 給送部から1枚ずつ繰り出されたシートを搬送させ、搬送される各シートに画像を形成し、画像形成後の各シートをヒータを有する定着部を通過させて画像を熱定着するジョブを実行する画像形成装置であって、
    形成すべき画像を回転させる回転手段と、
    一のジョブの実行に際し、画像を回転させる場合と非回転の場合のうち、最初に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向先端が定着部の定着位置に到達してから、最後に繰り出されるシート上に形成されるべき画像の搬送方向後端が定着位置を通過するまでに要する時間が短くなる方を当該ジョブに対して選択する選択手段と、
    前記選択手段により回転させる場合が選択されると、画像に回転処理を施した後、各シートへの画像形成を実行し、非回転の場合が選択されると、画像への回転処理を禁止して画像形成を実行する画像形成手段と、
    最初と最後に繰り出された各シート上に形成された画像の、前記回転の有無によって決まるシート上の形成位置に応じて前記ヒータへの供給電力を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記画像の回転角には、0°(非回転)、90°、180°、270°が含まれ、
    前記給送部は、
    セットされたシートをその通紙方向を縦と横のいずれかに切り換えて搬送路に繰り出すことが可能であり、
    前記選択手段は、
    シートの通紙方向の縦と横それぞれについて、前記複数の回転角のうち、当該通紙方向と形成されるべき画像の天地の向きによって決まる1または2つの回転角が対応するように、各通紙方向と各回転角とを組み合わせた場合に、その複数の組み合わせのうち、前記時間が最も短くなる組を選択し、
    前記画像形成手段は、
    前記選択された組の通紙方向のシートを前記給紙部から繰り出させると共に、当該選択された組の回転角に応じて画像を回転させ、
    前記制御手段は、
    前記選択された組の通紙方向と回転角によって決まるシート上における画像の形成位置に応じて前記供給電力の制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  10. 前記ヒータは、ハロゲンヒータであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
JP2008003514A 2008-01-10 2008-01-10 画像形成装置 Active JP4662082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003514A JP4662082B2 (ja) 2008-01-10 2008-01-10 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003514A JP4662082B2 (ja) 2008-01-10 2008-01-10 画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009168848A JP2009168848A (ja) 2009-07-30
JP4662082B2 true JP4662082B2 (ja) 2011-03-30

Family

ID=40970131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008003514A Active JP4662082B2 (ja) 2008-01-10 2008-01-10 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4662082B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012063398A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP5822592B2 (ja) * 2011-08-04 2015-11-24 キヤノン株式会社 画像形成装置
JP2013148616A (ja) * 2012-01-17 2013-08-01 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、画像形成装置及びプログラム
JP6070253B2 (ja) * 2013-02-21 2017-02-01 株式会社リコー 定着制御装置、画像形成装置及び定着制御方法
JP6111840B2 (ja) * 2013-05-13 2017-04-12 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置
JP6044459B2 (ja) * 2013-06-03 2016-12-14 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置およびプログラム
JP6409461B2 (ja) * 2014-09-30 2018-10-24 コニカミノルタ株式会社 情報処理装置、画像形成装置、情報処理装置及び画像形成装置の制御方法、情報処理装置及び画像処理装置のプログラム
JP6805616B2 (ja) * 2016-08-08 2020-12-23 株式会社リコー 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09297438A (ja) * 1996-05-02 1997-11-18 Ricoh Co Ltd デジタル複写機
JPH1083130A (ja) * 1996-09-09 1998-03-31 Toshiba Corp 画像形成装置及びヒートローラの温度制御方法
JPH11224177A (ja) * 1998-02-05 1999-08-17 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置
JP2003050479A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成用トナー
JP2003307964A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Canon Inc 画像形成装置
JP2005062681A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Murata Mach Ltd 画像形成装置
JP2005297213A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2005351937A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Kyocera Mita Corp 熱定着制御装置および同装置を備えた画像形成装置
JP2005351936A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Kyocera Mita Corp 熱定着制御装置および制御プログラム
JP2006154047A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2006209009A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、画像形成装置
JP2007072159A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Canon Inc 画像形成装置
JP2007193241A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Canon Finetech Inc 画像形成装置
JP2007316410A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09297438A (ja) * 1996-05-02 1997-11-18 Ricoh Co Ltd デジタル複写機
JPH1083130A (ja) * 1996-09-09 1998-03-31 Toshiba Corp 画像形成装置及びヒートローラの温度制御方法
JPH11224177A (ja) * 1998-02-05 1999-08-17 Fuji Xerox Co Ltd 画像処理装置
JP2003050479A (ja) * 2001-08-06 2003-02-21 Canon Inc 画像形成方法及び画像形成用トナー
JP2003307964A (ja) * 2002-04-15 2003-10-31 Canon Inc 画像形成装置
JP2005062681A (ja) * 2003-08-19 2005-03-10 Murata Mach Ltd 画像形成装置
JP2005297213A (ja) * 2004-04-06 2005-10-27 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2005351937A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Kyocera Mita Corp 熱定着制御装置および同装置を備えた画像形成装置
JP2005351936A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Kyocera Mita Corp 熱定着制御装置および制御プログラム
JP2006154047A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Oki Data Corp 画像形成装置
JP2006209009A (ja) * 2005-01-31 2006-08-10 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置、画像形成装置
JP2007072159A (ja) * 2005-09-07 2007-03-22 Canon Inc 画像形成装置
JP2007193241A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Canon Finetech Inc 画像形成装置
JP2007316410A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009168848A (ja) 2009-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4662082B2 (ja) 画像形成装置
JP5648263B2 (ja) 画像形成装置
JP4208815B2 (ja) 像加熱装置
JP4706725B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5494636B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2007316627A (ja) 画像形成装置の定着装置及びその定着方法
US8150306B2 (en) Fixing device for image forming apparatus
US20120275809A1 (en) Fixing unit and image forming apparatus
JP5008120B2 (ja) 画像形成装置
JP5849565B2 (ja) 定着装置、画像形成装置および定着制御方法
JP5440303B2 (ja) 定着装置、それを用いた画像形成装置、定着装置の制御方法、及び定着装置の制御プログラム
US9342002B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
US10838331B1 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP5098830B2 (ja) 定着装置およびこれを備える画像形成装置
JP6051781B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2006119426A (ja) 画像形成装置
JP2009063738A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5137245B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4520172B2 (ja) 画像形成装置
JP6862151B2 (ja) 画像形成装置
US20240210858A1 (en) Image forming apparatus
JP6929706B2 (ja) 画像形成装置
JP2010002510A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2008129582A (ja) 定着装置及び定着装置の制御方法
JP2005221921A (ja) 定着装置及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100826

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101208

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101221

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4662082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140114

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350