JP4520172B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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ここで、サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。
具体的に、特許文献1等では、電磁誘導加熱によるベルト定着方式の定着装置に、記録媒体の幅方向のサイズに応じた複数の磁場発生手段を設ける技術が開示されている。そして、定着装置を立ち上げた後に、通紙される記録媒体の幅方向サイズに応じた磁場発生手段を用いることで、定着ローラの非通紙位置における温度上昇を抑止している。
他方、待機状態の定着部材を再び立ち上げるときに、昇温時間が長くなってしまうと、多くのエネルギーが消費されて省エネルギー化が充分に満足されないことに加え、ユーザーの使い勝手が悪くなってしまう。
また、特許文献1等の技術では、記録媒体の幅方向のサイズに応じた複数の磁場発生手段を設けて、定着装置を立ち上げた後に通紙される記録媒体の幅方向サイズに応じた磁場発生手段を用いることで、定着ローラの非通紙位置における温度上昇を抑止している。
また、このような問題は、ベルト定着方式の定着装置以外の、熱ローラ方式の定着装置等であっても、その定着方式の範囲で省エネルギー化とユーザーの操作性向上とを達成するためには共通の問題となる。
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成された画像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙(用紙)等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
その後、感光体ドラム5上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部12〜14には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、2つの誘導加熱部24、25、加圧ローラ28、温度センサ37(サーミスタ)、ガイド板35等で構成される。
なお、第1誘導加熱部24は、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)の長さが、第1誘導加熱部25の幅方向の長さより短くなるように構成されている。これについては、後で詳述する。
また、定着ベルト22の外周には、幅方向に3つの温度センサ37が設置されている。そして、3つの温度センサ37で検知した定着ベルト22上の表面温度(定着温度)に基いて、誘導加熱部24、25による加熱量を調整したり、局部的な温度上昇を検知したりする。詳しくは、後で説明する。
定着ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、加圧ローラ28も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル24a、25aに高周波電流を流すことで磁束を発生させて、加熱ローラ23に渦電流を生じさせる。加熱ローラ23に渦電流が生じると、加熱ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱ローラ23に巻装された定着ベルト22が加熱される。すなわち、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25、加熱ローラ23が、加熱部材として機能する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ28との間に送入される(矢印Y10の搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ28から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ24との間から送出される(矢印Y11の搬送方向の移動である。)。
図3は、定着ベルト22上の幅方向の温度分布と、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25、温度センサ37A〜37C、記録媒体Pの幅との関係を示す概略図である。
これに対して、搬送される記録媒体Pの幅が210mmを超えて300mm以下である場合には、第2誘導加熱部25を用いて、定着ベルト22を加熱する。具体的には、A3T、A4Y、B4T、B5Yの各サイズの記録媒体Pが通紙されるときには、第2誘導加熱部25を用いて定着ベルト22を加熱する。
具体的には、装置本体1の制御部の構成を示す図4を参照して、第1温度センサ37Aの検知結果は制御部のコントローラ40に送信される。そして、コントローラ40によって、第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25への通電量が調整されたり、通電・非通電が調整される。これにより、定着ベルト22の定着温度は、所望の温度(例えば、180℃である。)に維持されて、定着性の良好な画像形成が可能になる。
具体的には、図4を参照して、第1誘導加熱部24が用いられる場合には、第2温度センサ37Bの検知結果がコントローラ40に送信される。また、第2誘導加熱部25が用いられる場合には、第3温度センサ37Cの検知結果がコントローラ40に送信される。そして、それらの検知結果と、第1温度センサ37Aの検知結果との間に、大きな差が生じた場合には、定着ベルト22上に局部的な温度上昇があるものとして、誘導加熱部24、25への通電を停止する。これにより、局部的な温度上昇による定着ベルト22の劣化を未然に防止することができる。
なお、通紙時には第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25に750Wの電力が供給され、立ち上げ時には第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25に1100Wの電力が供給される。
図5において、横軸は定着装置20の立ち上げが開始されてから所望のプリント枚数の画像形成が終了するまでの時間を示し、縦軸はプリント枚数を示す。すなわち、横軸の時間は、定着ベルト22の立ち上げに要する時間と、プリント枚数をCPMで除した搬送時間とを、加算した時間である。また、縦軸のプリント枚数は、画像形成装置のユーザーが操作部を操作して入力する記録媒体Pの枚数である。したがって、ユーザーの入力したプリント枚数だけ、記録媒体Pが搬送され、先に説明した画像形成プロセスを経てそれらに画像が形成される。
実線R1:M=28/60×(t−20)
実線R2:M=38/60×(t−30)
上式において、Mはプリント枚数であり、tは総時間である。
これにより、エネルギー消費と昇温時間との無駄を省いて、エネルギー効率及び作業効率を高くすることができる
まず、待機状態の画像形成装置において、ユーザーにより操作部のプリント開始ボタンが押されると、制御部に向けて通紙信号が送信される(ステップS1)。そして、通紙信号が入力されると駆動部から定着ローラ21に駆動力が伝達されて、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、加圧ローラ28の回転が開始される(ステップS2)。
その結果、定着温度が設定温度に達していないと判別された場合には、そのままステップS4の立ち上げ動作(ウォーミングアップ)が続けられる。
その結果、記録媒体PのサイズがA4サイズではないと判別された場合には、用紙幅が210mmを超えるものとして、第2誘導加熱部25(第2加熱部材)に電力が供給される(ステップS12)。これにより、定着ベルト22は、周回方向に加熱される(立ち上げである。)。また、第2誘導加熱部25によって、定着ベルト22の幅方向に長い加熱範囲(第2の加熱範囲)が加熱される。
その結果、定着温度が設定温度に達していないと判別された場合には、そのままステップS12の立ち上げ動作が続けられる。
その後、ステップS6〜S9を経て、本フローを終了する。
その後、ステップS14〜S16、S9を経て、本フローを終了する。
また、同一サイズの記録媒体Pにおける長手方向及び短手方向のいずれかを搬送方向として選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの総時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向を選択する。これにより、上述の効果に加え、ユーザーの画像形成に対する作業性や出力画像の生産性が高められる。
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着装置を示す断面図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2の定着装置20は、ヒータ54、54を用いて定着ベルト22を加熱している点が、誘導加熱部24、25を用いて定着ベルト22を加熱している前記実施の形態1とは相違する。
また、第1ヒータ54は、定着ベルト22の210mm幅を加熱できるように構成されている。第2ヒータ55は、定着ベルト22の300mm幅を加熱できるように構成されている。すなわち、第1ヒータ54は、前記実施の形態1における第1誘導加熱部24と同等に機能する。第2ヒータ55は、前記実施の形態1における第2誘導加熱部25と同等に機能する。
すなわち、通紙時に加えて、立ち上げ時にも、通紙される記録媒体Pの幅に応じて、第1ヒータ54及び第2ヒータ5のいずれかが選択されて、定着ベルト22の加熱範囲が最適化される。さらに、同一サイズの記録媒体Pにおける縦送り及び横送りのいずれかを選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向が選択される。
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着装置を示す断面図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3の定着装置20は、1つの誘導加熱部57が設置されている点と、加熱ローラ23に磁束切替部58が設置されている点とが、前記実施の形態1とは相違する。
また、加熱ローラ23の内部には、加熱ローラ23上に発生する渦電流の範囲を可変する磁束切替部58が設置されている。磁束切替部58は、210mm幅の半円柱状の導電部と300mm幅の半円柱状の導電部とからなる。そして、磁束切替部58を回転駆動して210mm幅の導電部を誘導加熱部57に近接させることで、210mm幅の渦電流を発生させて感光体ベルト22の第1の加熱範囲を加熱する。また、300mm幅の導電部を誘導加熱部57に近接させることで(図8の状態である。)、300mm幅の渦電流を発生させて感光体ベルト22の第2の加熱範囲を加熱する。
すなわち、通紙時に加えて、立ち上げ時にも、通紙される記録媒体Pの幅に応じて、磁束切替部58の回転方向の姿勢が定められて、定着ベルト22の加熱範囲が最適化される。さらに、同一サイズの記録媒体Pにおける縦送り及び横送りのいずれかを選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向が選択される。
2 原稿読込部、 3 露光部、 4 作像部、 7 転写部、
10 原稿搬送部、 12〜14 給紙部、 20 定着装置、
21 定着ローラ、 22 定着ベルト(定着部材)、
23 加熱ローラ(加熱部材)、 24 第1誘導加熱部(第1加熱部材)、
25 第2誘導加熱部(第2加熱部材)、 28 加圧ローラ、
37、37A〜37C 温度センサ、 40 コントローラ、
54 第1ヒータ(第1加熱部材)、 55 第2ヒータ(第2加熱部材)、
57 誘導加熱部(加熱部材)、 58 磁束切替部。
Claims (5)
- 搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱するとともに、前記定着部材の加熱範囲を可変できる加熱部材と、を有し、
前記加熱部材は、前記定着部材を加熱して立ち上げるときに、該定着部材に搬送される前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の大きさに応じて前記加熱範囲を可変する定着装置を備えた画像形成装置において、
前記記録媒体の長手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数が当該記録媒体の短手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数よりも大きくなるように制御され、
前記記録媒体の長手方向及び短手方向のいずれかを当該記録媒体の前記幅方向として選択的に当該記録媒体を搬送できる場合に、前記定着部材の立ち上げに要する時間と、前記定着される複数の記録媒体の枚数を前記単位時間当たりの搬送枚数で除した搬送時間と、を加算した総時間が短くなるように、前記定着される複数の記録媒体の枚数に応じて前記搬送方向を選択することを特徴とする画像形成装置。 - 前記加熱部材は、前記幅方向の大きさが小さいときには前記幅方向の大きさが大きいときよりも前記加熱範囲を幅方向に短くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記定着される複数の記録媒体の枚数が所定枚数以下のときには、前記記録媒体の短手方向を前記幅方向として前記複数の記録媒体を搬送するように前記搬送方向を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記定着部材の立ち上げに要する時間は、当該定着部材の立ち上げを開始したときの当該定着部材の表面温度に基いて求められることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の画像形成装置。
- 前記定着部材の立ち上げに要する時間は、可変される前記加熱範囲に基いて求められることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の画像形成装置。
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