JP4520172B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、サイズの異なる記録媒体に対してそれぞれ画像形成をおこなうことができる画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機等の画像形成装置において、定着ローラ等の定着部材における局部的な温度上昇を防止すること等を目的として、画像形成をおこなう記録媒体のサイズに応じて定着装置の定着部材の加熱範囲を可変する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、サイズの異なる記録媒体とは、JIS寸法のA列やB列における種々の定形サイズの記録媒体の他に、不定形サイズの記録媒体も含まれる。
このようなサイズの異なる記録媒体を定着装置で定着する場合には、記録媒体の幅方向(搬送方向に直交する方向である。)の大きさ(幅)に応じて、定着部材の幅方向の熱分布も変動してしまう。例えば、幅の小さな記録媒体を通紙して定着する場合には、その記録媒体の幅に対応する定着部材の位置(通紙位置である。)では熱が多く奪われて、その他の位置(非通紙位置である。)に比べて定着温度が低くなる。このような現象は、幅の小さな記録媒体を連続的に通紙するような場合に、特に顕著になる。
したがって、このような現象の直後に、幅の大きな記録媒体を通紙して定着すると、その記録媒体上の幅方向中央(小さな記録媒体の幅に対応する領域である。)にて定着不良が発生することがある。また、このような不具合を防止するために、定着部材の幅方向中央の定着温度を基準として定着部材の幅方向全域の定着温度を制御しようとすると、定着部材の幅方向両端の定着温度が上昇してしまい、記録媒体上の対応する位置にホットオフセットが発生してしまう。
このような問題は、同一サイズの記録媒体であっても、長手方向を搬送方向とした後に、短手方向(長手方向に直交する方向である。)を搬送方向にした場合にも起こりうる。例えば、A4サイズの記録媒体を縦搬送(短手方向が幅方向となる搬送である。)した後に、A4サイズの記録媒体を横搬送(長手方向が幅方向となる搬送である。)するような場合である。
このような問題を解決するために、記録媒体のサイズに応じて定着ローラ(定着部材)の加熱範囲を可変する技術が開示されている。
具体的に、特許文献1等では、電磁誘導加熱によるベルト定着方式の定着装置に、記録媒体の幅方向のサイズに応じた複数の磁場発生手段を設ける技術が開示されている。そして、定着装置を立ち上げた後に、通紙される記録媒体の幅方向サイズに応じた磁場発生手段を用いることで、定着ローラの非通紙位置における温度上昇を抑止している。
特開2001−117401号公報
上述した従来の画像形成装置は、定着装置を立ち上げるときに無駄なエネルギー消費が生じる場合があった。
近年の画像形成装置の定着装置においては、省エネルギー化とユーザーの操作性向上とを両立させることを目的として、画像形成時以外でのエネルギー消費を少なく、立ち上げ時間を短くすることが求められている。
熱ローラ方式や定着ベルト方式等の定着方式に係わらず、定着ローラ等の定着部材の表面温度を所望の定着温度に維持するには、多くのエネルギーが消費される。そのために、画像形成をおこなわない待機時には、定着装置に電力を供給しない場合が多い。このとき、定着部材の定着温度は、待機時の時間が長いほど低下することになる(最終的に室温とほぼ同じ温度で飽和する。)。
他方、待機状態の定着部材を再び立ち上げるときに、昇温時間が長くなってしまうと、多くのエネルギーが消費されて省エネルギー化が充分に満足されないことに加え、ユーザーの使い勝手が悪くなってしまう。
上述の特許文献1等の技術は、電磁誘導加熱によるベルト定着方式の定着装置であるために、熱ローラ方式の定着装置に比べて、立ち上げ時間(ウォームアップ時間)を短くできることが知られている。したがって、ベルト定着方式の定着装置は、熱ローラ方式のものに比べて、省エネルギー化されるとともに、ユーザーの操作性が向上される。
また、特許文献1等の技術では、記録媒体の幅方向のサイズに応じた複数の磁場発生手段を設けて、定着装置を立ち上げた後に通紙される記録媒体の幅方向サイズに応じた磁場発生手段を用いることで、定着ローラの非通紙位置における温度上昇を抑止している。
ところが、従来の定着装置では、立ち上げ後の画像形成の使用形態に係わらず、その立ち上げ時には定着部材の幅方向全域を一様に昇温しているために、エネルギーと昇温時間との浪費があった。すなわち、記録媒体の幅方向サイズに応じた磁場発生手段を備えた定着装置であっても、立ち上げ時には、最大サイズの記録媒体を想定して定着部材の幅方向全域を加熱していた。したがって、立ち上げ後に最大サイズよりも小さなサイズの記録媒体が通紙されるような場合には、定着部材の非通紙位置に対しての加熱に係わるエネルギー消費が無駄になっていた。
このような問題は、取扱う記録媒体の最大サイズから最小サイズまでの大きさが大きい画像形成装置では、特に無視できない問題である。
また、このような問題は、ベルト定着方式の定着装置以外の、熱ローラ方式の定着装置等であっても、その定着方式の範囲で省エネルギー化とユーザーの操作性向上とを達成するためには共通の問題となる。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着装置を立ち上げるときに無駄なエネルギー消費と昇温時間とが生じない、エネルギー効率及び作業効率の高い画像形成装置を提供することにある。
前記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱するとともに、前記定着部材の加熱範囲を可変できる加熱部材と、を有し、前記加熱部材は、前記定着部材を加熱して立ち上げるときに、該定着部材に搬送される前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の大きさに応じて前記加熱範囲を可変する定着装置を備えた画像形成装置において、前記記録媒体の長手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数が当該記録媒体の短手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数よりも大きくなるように制御され、前記記録媒体の長手方向及び短手方向のいずれかを当該記録媒体の前記幅方向として選択的に当該記録媒体を搬送できる場合に、前記定着部材の立ち上げに要する時間と、前記定着される複数の記録媒体の枚数を前記単位時間当たりの搬送枚数で除した搬送時間と、を加算した総時間が短くなるように、前記定着される複数の記録媒体の枚数に応じて前記搬送方向を選択することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、求項1記載の画像形成装置において、前記加熱部材は、前記幅方向の大きさが小さいときには前記幅方向の大きさが大きいときよりも前記加熱範囲を幅方向に短くすることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、前記定着される複数の記録媒体の枚数が所定枚数以下のときには、前記記録媒体の短手方向を前記幅方向として前記複数の記録媒体を搬送するように前記搬送方向を選択することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記定着部材の立ち上げに要する時間は、当該定着部材の立ち上げを開始したときの当該定着部材の表面温度に基いて求められることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の画像形成装置において、前記定着部材の立ち上げに要する時間は、可変される前記加熱範囲に基いて求められることを特徴とする。
なお、本願において、定着部材の「立ち上げ」とは、加熱部材によって定着部材を加熱して、定着部材の表面温度がトナー像を加熱して記録媒体に定着させるのに充分な温度にまで昇温されることをいう。したがって、「立ち上げ」は、定着部材の表面温度が雰囲気温度(室温)と同等である状態からの立ち上げの他に、定着部材の表面温度が雰囲気温度よりも高い温度である状態からの立ち上げをも含む。
本発明は、定着装置の立ち上げ時に、記録媒体の幅方向の大きさに応じて定着部材の加熱範囲を可変しているので、無駄なエネルギー消費と昇温時間とが生じない、エネルギー効率及び作業効率の高い画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1〜図6にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としての複写機の装置本体、2は原稿Dの画像情報を光学的に読み込む原稿読込部、3は原稿読込部2で読み込んだ画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム5上に照射する露光部、4は感光体ドラム5上にトナー像を形成する作像部、7は感光体ドラム5上に形成された画像を記録媒体Pに転写する転写部、10はセットされた原稿Dを原稿読込部2に搬送する原稿搬送部、12〜14は転写紙(用紙)等の記録媒体Pが収納された給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
図1を参照して、画像形成装置における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部10の搬送ローラによって、原稿台から図中の矢印方向に搬送されて、原稿読込部2上を通過する。このとき、原稿読込部2では、上方を通過する原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
そして、原稿読込部2で読み取られた光学的な画像情報は、電気信号に変換された後に、露光部3(書込部)に送信される。そして、露光部3からは、その電気信号の画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、作像部4の感光体ドラム5上に向けて発せられる。
一方、作像部4において、感光体ドラム5は図中の時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム5上に画像情報に対応したトナー像が形成される。
その後、感光体ドラム5上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラにより搬送された記録媒体P上に転写される。
一方、転写部7に搬送される記録媒体Pは、次のように動作する。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部12、13、14のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部12が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部12〜14には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
そして、給紙部12に収納された記録媒体Pの最上方の1枚が、搬送経路Kの位置に向けて搬送される。
その後、記録媒体Pは、搬送経路Kを通過してレジストローラの位置に達する。そして、レジストローラの位置に達した記録媒体Pは、感光体ドラム5上に形成されたトナー像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写部7に向けて搬送される。
そして、転写工程後の記録媒体Pは、転写部7の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達した記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間に送入されて、定着ベルトから受ける熱と加圧ローラから受ける圧力とによってトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、定着ベルトと加圧ローラとの間から送出された後に、画像形成装置本体1から出力画像として排出される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、図2にて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、2つの誘導加熱部24、25、加圧ローラ28、温度センサ37(サーミスタ)、ガイド板35等で構成される。
ここで、定着ローラ21は、その表面に弾性層が形成されていて、不図示の駆動部によって図2の時計方向に回転駆動される。定着部材としての定着ベルト22は、導電性材料からなる加熱ローラ23と、定着ローラ21とに、張架・支持されている。定着ベルト22は、その表面に離型層が形成されていて、トナーTに対する離型性が担保されている。
第1加熱部材としての第1誘導加熱部24は、フェライトコア24bとその内部に設けられたコイル24aとで構成され、定着ベルト22を介して加熱ローラ23に対向するように配設されている。同様に、第2加熱部材としての第2誘導加熱部25は、フェライトコア25bとその内部に設けられたコイル25aとで構成され、定着ベルト22を介して加熱ローラ23に対向するように配設されている。
なお、第1誘導加熱部24は、幅方向(図2の紙面垂直方向である。)の長さが、第1誘導加熱部25の幅方向の長さより短くなるように構成されている。これについては、後で詳述する。
また、加圧ローラ28は、芯金上に弾性層が形成されたものであり、定着ベルト22を介して定着ローラ21に圧接している。そして、定着ベルト22と加圧ローラ28との当接部(ニップ部である。)に、記録媒体Pが搬送される。定着ベルト22と加圧ローラ28との当接部の入口側と出口側には、それぞれ、記録媒体Pの搬送を案内するガイド板35が配設されている。
また、定着ベルト22の外周には、幅方向に3つの温度センサ37が設置されている。そして、3つの温度センサ37で検知した定着ベルト22上の表面温度(定着温度)に基いて、誘導加熱部24、25による加熱量を調整したり、局部的な温度上昇を検知したりする。詳しくは、後で説明する。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
定着ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、加圧ローラ28も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル24a、25aに高周波電流を流すことで磁束を発生させて、加熱ローラ23に渦電流を生じさせる。加熱ローラ23に渦電流が生じると、加熱ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、加熱ローラ23に巻装された定着ベルト22が加熱される。すなわち、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25、加熱ローラ23が、加熱部材として機能する。
その後、加熱部材23〜25によって発熱した定着ベルト22表面は、温度センサ37の位置を通過して、加圧ローラ28との当接部に達する。そして、搬送される記録媒体P上のトナー像Tを加熱して溶融する。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ28との間に送入される(矢印Y10の搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ28から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ24との間から送出される(矢印Y11の搬送方向の移動である。)。
図3にて、第1誘導加熱部24及び第2誘導加熱部25について、詳しく説明する。
図3は、定着ベルト22上の幅方向の温度分布と、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25、温度センサ37A〜37C、記録媒体Pの幅との関係を示す概略図である。
図3(A)において、横軸は定着ベルト22の幅方向の位置を示し、縦軸は定着ベルト22上の定着温度を示す。なお、同図中の一点破線で示す位置(0mmの位置である。)は定着ベルト22の幅方向中央位置であって、横軸に付した数字は中央位置からの距離(mm)を示す。
また、図3(A)において、実線S24は第1誘導加熱部24によって定着ベルト22を加熱したときの幅方向の定着温度分布を示し、実線S25は第2誘導加熱部25によって定着ベルト22を加熱したときの幅方向の定着温度分布を示す。なお、同図中の上方に示した両矢印24、25は、それぞれ、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25の幅方向の長さと定着ベルト22との位置関係とを示す。さらに、片矢印37A〜37Cは、3つの温度センサ37A〜37Cが定着ベルト22に当接する位置を示す。
また、図3(B)は、定着装置20に搬送される種々のサイズの記録媒体Pと、定着ベルト22と、の幅方向の位置関係を示す。同図に示すように、本実施の形態1の画像形成装置は、サイズの異なる記録媒体Pの幅方向の中心が、定着ベルト22の幅方向の中心にほぼ一致するように設定されている(センター振り分けの画像形成装置である。)。なお、図中のP(A4T)は、A4サイズ(210mm×297mm)の記録媒体Pを、短手方向(210mm)を幅方向として搬送するときの状態を示す。また、図中のP(A4Y、A3T)は、A4サイズ(210mm×297mm)の記録媒体Pを長手方向(297mm)を幅方向として搬送するときの状態と、A3サイズ(297mm×420mm)の記録媒体Pを短手方向(297mm)を幅方向として搬送するときの状態と、を示す。
図3(A)及び図3(B)に示すように、本実施の形態1の定着装置20は、定着ベルト22上の幅方向の加熱範囲を可変できるように構成されている。具体的に、第1誘導加熱部24を用いて定着ベルト22を加熱する場合には、実線S24に示すように、定着ベルト22の210mm幅が加熱範囲となって、その加熱範囲における定着温度は充分なものとなる。これに対して、第2誘導加熱部25を用いて定着ベルト22を加熱する場合には、実線S25に示すように、定着ベルト22の300mm幅が加熱範囲となって、その加熱範囲における定着温度は充分なものとなる。
本実施の形態1の画像形成装置では、定形サイズの記録媒体Pとして、A3T、A4Y、A4T、A5Y、A5T、B4T、B5Y、B5Tの各サイズが使用できるように構成されている。すなわち、上述の各サイズの記録媒体Pを、装置本体1の給紙部12〜14にセットして、図1で説明した画像形成をおこなうことができる。なお、サイズ表示に付した記号のYは記録媒体Pの長手方向を幅方向とした状態を示し、Tは記録媒体Pの短手方向を幅方向とした状態を示す。
そして、搬送される記録媒体Pの幅が210mm以下である場合には、第1誘導加熱部24を用いて、定着ベルト22を加熱する。具体的には、A4T、A5Y、A5T、B5Tの各サイズの記録媒体Pが通紙されるときには、第1誘導加熱部24を用いて定着ベルト22を加熱する。
これに対して、搬送される記録媒体Pの幅が210mmを超えて300mm以下である場合には、第2誘導加熱部25を用いて、定着ベルト22を加熱する。具体的には、A3T、A4Y、B4T、B5Yの各サイズの記録媒体Pが通紙されるときには、第2誘導加熱部25を用いて定着ベルト22を加熱する。
また、定着ベルト22の幅方向中央に設置された第1温度センサ37Aは、定着ベルト22の定着温度を調整するためのものである。
具体的には、装置本体1の制御部の構成を示す図4を参照して、第1温度センサ37Aの検知結果は制御部のコントローラ40に送信される。そして、コントローラ40によって、第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25への通電量が調整されたり、通電・非通電が調整される。これにより、定着ベルト22の定着温度は、所望の温度(例えば、180℃である。)に維持されて、定着性の良好な画像形成が可能になる。
また、定着ベルト22の幅方向端部に設置された第2温度センサ37B、第3温度センサ37Cは、それぞれ、第1誘導加熱部24、第2誘導加熱部25を用いたときの定着ベルト22端部の定着温度を検知するためのものである。
具体的には、図4を参照して、第1誘導加熱部24が用いられる場合には、第2温度センサ37Bの検知結果がコントローラ40に送信される。また、第2誘導加熱部25が用いられる場合には、第3温度センサ37Cの検知結果がコントローラ40に送信される。そして、それらの検知結果と、第1温度センサ37Aの検知結果との間に、大きな差が生じた場合には、定着ベルト22上に局部的な温度上昇があるものとして、誘導加熱部24、25への通電を停止する。これにより、局部的な温度上昇による定着ベルト22の劣化を未然に防止することができる。
なお、図4に示すように、制御部のコントローラ40には、温度センサ37A〜37Cからの情報の他に、操作部からの画像形成に係わるプリント枚数(コピー枚数)の情報や、操作部からの画像形成に係わるプリント開始(コピー開始)の情報や、給紙部及び操作部からの画像形成に係わる記録媒体Pのサイズの情報等が、送信される。そして、これらの情報に基いて、定着装置20を立ち上げるとき(定着時)と定着をおこなうとき(通紙時)との、定着ベルト22の加熱範囲が定められる。
ここで、本実施の形態1においては、通紙時(画像形成時)に加えて、立ち上げ時にも、定着装置20の加熱部材として、第1誘導加熱部24及び第2誘導加熱部25のいずれかを選択できるように構成されている。すなわち、立ち上げ後に通紙される記録媒体Pの幅に応じて、定着ベルト22の加熱範囲が可変される。立ち上げ時における、記録媒体Pサイズと選択される誘導加熱部24、25との関係は、通紙時におけるものと同じである。
なお、通紙時には第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25に750Wの電力が供給され、立ち上げ時には第1誘導加熱部24又は第2誘導加熱部25に1100Wの電力が供給される。
また、定着ベルト22の加熱範囲における定着温度を常温から所望の設定温度まで昇温させるのに要する昇温時間(ウォームアップ時間、立ち上げ時間)は、第1誘導加熱部24を用いた場合には約20秒であり、第2誘導加熱部25を用いた場合には約30秒である。これは、第1誘導加熱部24の加熱範囲(210mm幅)が第2誘導加熱部25の加熱範囲(300mm幅)よりも小さいためである。すなわち、同じ電力を供給する場合、加熱範囲の小さい第1誘導加熱部24による昇温時間が、第2誘導加熱部25による昇温時間よりも短くなる。
また、A4Tの記録媒体Pを連続通紙した場合(連続的な画像形成をした場合)、記録媒体Pの単位時間当たりの搬送枚数(CPM)は28枚/分となる。これに対して、A4Yの記録媒体Pを連続通紙した場合、記録媒体PのCPMは38枚/分となる。これは、同一サイズの記録媒体Pの長手方向を搬送方向にする場合の方が、短手方向を搬送方向にする場合に比べて、1枚当りの搬送時間が長くなることによる。
図5は、A4サイズの記録媒体Pを連続通紙した場合の、立ち上げが開始されてから出力画像の搬送排出が終了するまでの総時間と、プリント枚数(搬送枚数)との関係を示したグラフである。
図5において、横軸は定着装置20の立ち上げが開始されてから所望のプリント枚数の画像形成が終了するまでの時間を示し、縦軸はプリント枚数を示す。すなわち、横軸の時間は、定着ベルト22の立ち上げに要する時間と、プリント枚数をCPMで除した搬送時間とを、加算した時間である。また、縦軸のプリント枚数は、画像形成装置のユーザーが操作部を操作して入力する記録媒体Pの枚数である。したがって、ユーザーの入力したプリント枚数だけ、記録媒体Pが搬送され、先に説明した画像形成プロセスを経てそれらに画像が形成される。
また、図5において、実線R1はA4Tの記録媒体Pを連続通紙した場合の時間とプリント枚数との関係を示し、実線R2はA4Yの記録媒体Pを連続通紙した場合の時間とプリント枚数との関係を示す。ここで、実線R1、R2における立ち上げ時間及びCPMは先に説明した値となるので、双方の直線には次式が成立する。
実線R1:M=28/60×(t−20)
実線R2:M=38/60×(t−30)
上式において、Mはプリント枚数であり、tは総時間である。
上式より、双方の実線R1、R2が交差する点(t、M)は、(58、17.7)となる。すなわち、A4サイズに画像形成をおこなう場合であってプリント枚数が17枚以下である場合には、記録媒体Pの短手方向を幅方向として搬送するとき(A4Tの搬送である。)の方が、記録媒体Pの長手方向を幅方向として搬送するとき(A4Yの搬送である。)よりも、立ち上げ時間を含めたプリント終了までの総時間を短くすることができる。これに対して、プリント枚数が18枚以上である場合には、記録媒体Pの長手方向を幅方向として搬送するとき(A4Yの搬送である。)の方が、記録媒体Pの短手方向を幅方向として搬送するとき(A4Tの搬送である。)よりも、立ち上げ時間を含めたプリント終了までの総時間を短くすることができる。
したがって、搬送する記録媒体PとしてA4T及びA4Yのいずれかを選択できるような場合(例えば、最上段の給紙部12にA4Yの記録媒体Pが収納され、2段目の給紙部13にA4Tの記録媒体Pが収納されている場合である。)には、入力されたプリント枚数に応じて、立ち上げ時間を含めたプリント終了までの総時間が短くなるようにA4T及びA4Yのいずれかが選択される。このとき、A4Tが選択された場合には第1誘導加熱部24を用いて定着ベルト22の昇温がおこなわれ、A4Yが選択された場合には第2誘導加熱部25を用いて定着ベルト22の昇温がおこなわれる。
これにより、エネルギー消費と昇温時間との無駄を省いて、エネルギー効率及び作業効率を高くすることができる
次に、図6にて、定着装置20の立ち上げ時の制御フローについて説明する。
まず、待機状態の画像形成装置において、ユーザーにより操作部のプリント開始ボタンが押されると、制御部に向けて通紙信号が送信される(ステップS1)。そして、通紙信号が入力されると駆動部から定着ローラ21に駆動力が伝達されて、定着ローラ21、定着ベルト22、加熱ローラ23、加圧ローラ28の回転が開始される(ステップS2)。
その後、ユーザーが操作部に入力した記録媒体Pにおける幅(用紙幅)が210mm以下であるかが判別される(ステップS3)。具体的には、ユーザーが操作部に入力した記録媒体Pのサイズに一致する記録媒体Pが収納された給紙部12〜14が選択され、その記録媒体Pの給紙部における設置方向(長手方向及び短手方向のいずれを幅方向にしているかである。)に基いてその用紙幅が210mm以下であるかが判別される。
なお、設置方向の異なる同一サイズの記録媒体Pがそれぞれ給紙部12〜14に収納されているような場合、ステップS3における用紙幅の判別は、記録媒体Pの長手方向の大きさを基準におこなわれる。本実施の形態1では、最上段の給紙部12にA4Yの記録媒体Pが収納され、2段目の給紙部13にA4Tの記録媒体Pが収納されているものとする。したがって、ユーザーの入力した記録媒体PのサイズがA4サイズである場合には、その長手方向の長さ(297mm)を基準にしてステップS3にて用紙幅が210mm以下ではないものと判別される。
ステップS3にて記録媒体Pの用紙幅が210mm以下であると判別された場合には、第1誘導加熱部24(第1加熱部材)に電力が供給される(ステップS4)。これにより、図2の矢印方向に走行する定着ベルト22は、周回方向に加熱される(立ち上げである。)。また、第1誘導加熱部24によって、定着ベルト22の幅方向に短い加熱範囲(第1の加熱範囲)が加熱される。
その後、第1温度センサ37Aによって定着ベルト22上の定着温度が検知されて、定着温度が設定温度(定着下限温度)に達しているかが判別される(ステップS5)。
その結果、定着温度が設定温度に達していないと判別された場合には、そのままステップS4の立ち上げ動作(ウォーミングアップ)が続けられる。
これに対して、定着温度が設定温度に達していると判別された場合には、定着装置20の立ち上げ動作を終了して、選択された記録媒体Pの通紙(画像形成)が開始される(ステップS6)。このとき、第1温度センサ37Aによる定着温度の検知結果に基いて、第1誘導加熱部24のオン・オフや通電量が制御される。詳しくは、定着温度が所定の温度範囲に収まるように、定着温度が定着下限温度以下になった場合には第1誘導加熱部24をオン又は通電量を増加して、定着温度が定着上限温度以上になった場合には第1誘導加熱部24をオフ又は通電量を減ずる。
その後、所望の画像形成プロセスの終了にともない記録媒体Pの通紙を終了して(ステップS7)、第1誘導加熱部24への通電を停止する(ステップS8)。さらに、定着ローラ21への駆動伝達も停止して(ステップS9)、本フローを終了する。
一方、ステップS3にて、記録媒体Pの用紙幅が210mm以下ではないと判別された場合には、さらに入力された記録媒体PがA4サイズであるかが判別される(ステップS10)。
その結果、記録媒体PのサイズがA4サイズではないと判別された場合には、用紙幅が210mmを超えるものとして、第2誘導加熱部25(第2加熱部材)に電力が供給される(ステップS12)。これにより、定着ベルト22は、周回方向に加熱される(立ち上げである。)。また、第2誘導加熱部25によって、定着ベルト22の幅方向に長い加熱範囲(第2の加熱範囲)が加熱される。
その後、第1温度センサ37Aによって定着ベルト22上の定着温度が検知されて、定着温度が設定温度に達しているかが判別される(ステップS13)。
その結果、定着温度が設定温度に達していないと判別された場合には、そのままステップS12の立ち上げ動作が続けられる。
これに対して、定着温度が設定温度に達していると判別された場合には、定着装置20の立ち上げ動作を終了して、選択された記録媒体Pの通紙が開始される(ステップS14)。このとき、第1温度センサ37Aによる定着温度の検知結果に基いて、第2誘導加熱部25のオン・オフや通電量が制御される。
その後、所望の画像形成プロセスの終了にともない記録媒体Pの通紙を終了して(ステップS15)、第2誘導加熱部25への給電を終了する(ステップS16)。さらに、定着ローラ21への駆動伝達も停止して(ステップS9)、本フローを終了する。
一方、ステップS10にて、記録媒体PのサイズがA4サイズであると判別された場合には、さらにユーザーが操作部に入力したプリント枚数が17枚以下であるかが判別される(ステップS11)。
その結果、プリント枚数が17枚以下であると判別された場合には、A4Tにて画像形成をおこなった方が立ち上げからプリント終了までの総時間が短くなるものとして、第1誘導加熱部24に電力が供給される(ステップS4)。その後、ステップS5を経て、A4Tの記録媒体Pが収納された給紙部13が選択され、給紙部13からA4Tの記録媒体Pが通紙される(ステップS6)。
その後、ステップS6〜S9を経て、本フローを終了する。
一方、ステップS11にて、プリント枚数が17枚以下ではないと判別された場合には、A4Yにて画像形成をおこなった方が立ち上げからプリント終了までの総時間が短くなるものとして、第2誘導加熱部25に電力が供給される(ステップS12)。その後、ステップS13を経て、A4Yの記録媒体Pが収納された給紙部12が選択され、給紙部12からA4Yの記録媒体Pが通紙される(ステップS14)。
その後、ステップS14〜S16、S9を経て、本フローを終了する。
なお、図6では、設置方向の異なるA4サイズ(A4T、A4Y)の記録媒体Pがそれぞれ給紙部12〜14に収納されているような場合の制御について説明した。これと同様に、設置方向の異なるB5サイズ(B4T、B4Y)の記録媒体Pがそれぞれ給紙部12〜14に収納されているような場合であっても、そのプリント枚数に応じて記録媒体Pの搬送方向を選択する制御をおこなうことができる。
以上説明したように、本実施の形態1においては、定着装置20の立ち上げ時に、記録媒体Pの幅方向の大きさに応じて定着ベルト22の加熱範囲を可変しているので、無駄なエネルギー消費と昇温時間とが生じないことになる。
また、同一サイズの記録媒体Pにおける長手方向及び短手方向のいずれかを搬送方向として選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの総時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向を選択する。これにより、上述の効果に加え、ユーザーの画像形成に対する作業性や出力画像の生産性が高められる。
なお、本実施の形態1では、図5で説明した、定着ベルト22の定着温度を設定温度まで昇温させるのに要する立ち上げ時間(昇温時間)が、常温からの立ち上げを基準に求められている。これに対して、定着ベルト22の立ち上げを開始したときの定着ベルト22の表面温度に基いて、立ち上げ時間を求めることもできる。この場合、装置の待機時間が短くて、定着ベルト22の表面温度が常温まで低下していないような場合であっても、立ち上げ時間が正確に算出される。そして、その立ち上げ時間に基いて、図6のステップS11にて設定されたプリント枚数を変更する。これにより、同一サイズの記録媒体Pにおける縦送り及び横送りを選択して画像形成が可能である場合に、変更したプリント枚数に応じて搬送方向が選択されるので、立ち上げ開始からプリント完了までの時間を確実に短くすることができる。
実施の形態2.
図7にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図7は、実施の形態2における定着装置を示す断面図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態2の定着装置20は、ヒータ54、54を用いて定着ベルト22を加熱している点が、誘導加熱部24、25を用いて定着ベルト22を加熱している前記実施の形態1とは相違する。
図7に示すように、本実施の形態2の定着装置20は、前記実施の形態1の誘導加熱部24、25の替わりに、第1加熱部材としての第1ヒータ54と第2加熱部材としての第2ヒータ55とを備えている。第1ヒータ54及び第2ヒータ55は、加熱ローラ23内に設置されている。
また、第1ヒータ54は、定着ベルト22の210mm幅を加熱できるように構成されている。第2ヒータ55は、定着ベルト22の300mm幅を加熱できるように構成されている。すなわち、第1ヒータ54は、前記実施の形態1における第1誘導加熱部24と同等に機能する。第2ヒータ55は、前記実施の形態1における第2誘導加熱部25と同等に機能する。
以上のように構成された定着装置20は、前記実施の形態1と同様に、制御されることになる。
すなわち、通紙時に加えて、立ち上げ時にも、通紙される記録媒体Pの幅に応じて、第1ヒータ54及び第2ヒータ5のいずれかが選択されて、定着ベルト22の加熱範囲が最適化される。さらに、同一サイズの記録媒体Pにおける縦送り及び横送りのいずれかを選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向が選択される。
以上説明したように、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様に、通紙時に加え立ち上げ時にもエネルギー浪費が抑止され、小サイズで画像形成するときの立ち上げ時間が短縮化され、さらには出力画像の生産性が高められる。
なお、本実施の形態2では、定着ベルト22の第1の加熱範囲を加熱するときには第1ヒータ54のみを用いて、第2の加熱範囲を加熱するときには第2ヒータ55を用いた。本発明の適用はこれに限定されず、例えば、第1ヒータが210mm幅を加熱し、第2ヒータが210mm幅を超える範囲のみを加熱するように構成することもできる。このとき、300mm幅を加熱するときには、第1ヒータ及び第2ヒータを第2加熱部材として用いることになる。このような場合であっても、本実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図8にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図8は、実施の形態3における定着装置を示す断面図であって、前記実施の形態1における図2に相当する図である。本実施の形態3の定着装置20は、1つの誘導加熱部57が設置されている点と、加熱ローラ23に磁束切替部58が設置されている点とが、前記実施の形態1とは相違する。
図8に示すように、本実施の形態3の定着装置20は、前記実施の形態1とは異なり、1つの誘導加熱部57が加熱ローラ23に対向する位置に設置されている。この誘導加熱部57の幅方向の長さは、定着ベルト22や加熱ローラ23の幅方向の長さと、ほぼ同等である。
また、加熱ローラ23の内部には、加熱ローラ23上に発生する渦電流の範囲を可変する磁束切替部58が設置されている。磁束切替部58は、210mm幅の半円柱状の導電部と300mm幅の半円柱状の導電部とからなる。そして、磁束切替部58を回転駆動して210mm幅の導電部を誘導加熱部57に近接させることで、210mm幅の渦電流を発生させて感光体ベルト22の第1の加熱範囲を加熱する。また、300mm幅の導電部を誘導加熱部57に近接させることで(図8の状態である。)、300mm幅の渦電流を発生させて感光体ベルト22の第2の加熱範囲を加熱する。
以上のように構成された定着装置20は、前記実施の形態1と同様に、制御されることになる。
すなわち、通紙時に加えて、立ち上げ時にも、通紙される記録媒体Pの幅に応じて、磁束切替部58の回転方向の姿勢が定められて、定着ベルト22の加熱範囲が最適化される。さらに、同一サイズの記録媒体Pにおける縦送り及び横送りのいずれかを選択して画像形成が可能である場合に、プリントが完了するまでの時間が短くなるように、プリント枚数に応じて搬送方向が選択される。
以上説明したように、本実施の形態3においても、前記各実施の形態と同様に、通紙時に加え立ち上げ時にもエネルギー浪費が抑止され、小サイズで画像形成するときの立ち上げ時間が短縮化され、さらには出力画像の生産性が高められる。
なお、本発明が上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、上記各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は上記各実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
この発明の実施の形態1における画像形成装置を示す全体構成図である。 図1の画像形成装置に設置される定着装置を示す断面図である。 図2の定着装置における定着部材の幅方向の温度分布を示す概略図である。 図2の定着装置を制御する制御部を示すブロック図である。 記録媒体の搬送が終了するまでの時間と搬送枚数との関係を示すグラフである。 図2の定着装置の立ち上げ時の制御を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2における定着装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における定着装置を示す断面図である。
符号の説明
1 画像形成装置本体(装置本体)、
2 原稿読込部、 3 露光部、 4 作像部、 7 転写部、
10 原稿搬送部、 12〜14 給紙部、 20 定着装置、
21 定着ローラ、 22 定着ベルト(定着部材)、
23 加熱ローラ(加熱部材)、 24 第1誘導加熱部(第1加熱部材)、
25 第2誘導加熱部(第2加熱部材)、 28 加圧ローラ、
37、37A〜37C 温度センサ、 40 コントローラ、
54 第1ヒータ(第1加熱部材)、 55 第2ヒータ(第2加熱部材)、
57 誘導加熱部(加熱部材)、 58 磁束切替部。

Claims (5)

  1. 搬送される記録媒体上のトナー像を加熱して当該トナー像を当該記録媒体に定着させる定着部材と、前記定着部材を加熱するとともに、前記定着部材の加熱範囲を可変できる加熱部材と、を有し、
    前記加熱部材は、前記定着部材を加熱して立ち上げるときに、該定着部材に搬送される前記記録媒体の搬送方向に直交する幅方向の大きさに応じて前記加熱範囲を可変する定着装置を備えた画像形成装置において、
    前記記録媒体の長手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数が当該記録媒体の短手方向を前記幅方向として複数の記録媒体を搬送するときの単位時間当たりの搬送枚数よりも大きくなるように制御され、
    前記記録媒体の長手方向及び短手方向のいずれかを当該記録媒体の前記幅方向として選択的に当該記録媒体を搬送できる場合に、前記定着部材の立ち上げに要する時間と、前記定着される複数の記録媒体の枚数を前記単位時間当たりの搬送枚数で除した搬送時間と、を加算した総時間が短くなるように、前記定着される複数の記録媒体の枚数に応じて前記搬送方向を選択することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記加熱部材は、前記幅方向の大きさが小さいときには前記幅方向の大きさが大きいときよりも前記加熱範囲を幅方向に短くすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記定着される複数の記録媒体の枚数が所定枚数以下のときには、前記記録媒体の短手方向を前記幅方向として前記複数の記録媒体を搬送するように前記搬送方向を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記定着部材の立ち上げに要する時間は、当該定着部材の立ち上げを開始したときの当該定着部材の表面温度に基いて求められることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の画像形成装置。
  5. 前記定着部材の立ち上げに要する時間は、可変される前記加熱範囲に基いて求められることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の画像形成装置。
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