JP5849565B2 - 定着装置、画像形成装置および定着制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置および定着制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置、これを備える画像形成装置および定着制御方法に関する。
プリンターなどの画像形成装置に備えられる定着部は、通常、回転する定着ローラーや定着ベルトなどの定着部材に加圧部材を圧接して、両部材間に定着ニップを確保しつつ、定着部材をヒーターで加熱して、トナーなどの未定着画像の形成された用紙が定着ニップを通過する際に、未定着画像を加熱、加圧により用紙に定着させる構成になっている。
ヒーターは、定着部材の回転軸方向(用紙幅方向に相当)に長尺のハロゲンヒーターなどが用いられるが、異なるサイズの用紙が選択的に使用可能な画像形成装置では、最大サイズの用紙幅に応じた長さのヒーターAと、ヒーターAよりも短く、小サイズの用紙幅に対応する長さのヒーターBとが並設され、用紙サイズに応じて一方のヒーターが選択される構成になっているものが多い。
具体的には、プリントの際に用紙がその長手方向を搬送方向に沿う姿勢にして搬送(縦搬送)される構成において、例えば最大サイズがA3サイズ、小サイズがA4サイズである場合、A3サイズの用紙が使用される場合、ヒーターAが選択され、A4サイズの用紙が使用される場合、ヒーターBが選択される。
これに対し、最大サイズと小サイズの中間であるB4サイズの用紙が使用される場合には、ヒーターAとヒーターBを交互に切り替える制御が行われる。中間サイズの用紙に対して、このような制御を行うのは、過昇温の防止と定着性の低下を防止するためである。
すなわち、ヒーターAによる加熱幅は、A3サイズの用紙の短手方向幅(以下、「A3T幅」という。)に相当し、B4サイズの用紙の短手方向幅(以下、「B4T幅」という。)よりも長く、ヒーターBによる加熱幅は、A4サイズの用紙の短手方向幅(以下、「A4T幅」という。)に相当するので、B4T幅よりも短い。
このため、B4サイズの用紙に対してヒーターAを用いると、定着部材には、用紙幅方向にヒーターAによる加熱幅のうち、B4サイズの用紙が通過する中央部(通紙領域)と、中央部を挟む両側でありB4サイズの用紙が通過しない端部(非通紙領域)が存在し、一方でヒーターBを用いると、定着部材には、用紙幅方向にB4サイズの用紙の通紙領域であるのに関わらずヒーターBにより加熱されない非加熱領域が存在することになる。
通紙領域は、B4サイズの用紙が定着ニップを通過する際にその用紙に熱を奪われるが、非通紙領域は、B4サイズの用紙に熱を奪われない。定着部材における通紙領域の温度を定着に必要な温度(定着温度)に維持すべく、通紙領域の温度を第1温度検出センサーで検出して、その検出結果からヒーターAをオン、オフ制御すれば、通紙領域(中央部)の温度を定着温度に維持できるが、非通紙領域の温度は、B4サイズの用紙に熱を奪われないので、通紙領域よりも上昇して定着温度より高くなる。
非通紙領域の温度上昇は、多数枚のシートを連続搬送してプリントするジョブを実行する場合に特に発生し易い。非通紙領域の温度が過昇温域(例えば、定着温度よりも数十℃高い温度)になると、定着部材やその周辺部材に熱によるダメージを与えることになる。
そこで、非通紙領域(端部)の温度を第2温度検出センサーで検出し、その検出結果を用いて非通紙領域の温度が過昇温になる前に、ヒーターAからBに切り替えることにより、非通紙領域の過昇温を防止することができる。
ヒーターBに切り替えると、非通紙領域の温度が下がるが、通紙領域のうち非加熱領域の温度も下がる。非加熱領域の温度が下がりすぎると、B4サイズの用紙のうち、非加熱領域を通過する部分の熱定着に支障がでることから、非加熱領域の温度が下がりすぎる前に、ヒーターBからAに切り替えることにより、定着性の低下を防止することできる。
特開2005−257902号公報
上記のように2つの温度検出センサー(以下、「センサー」と略す。)を用いる場合、それぞれの温度応答特性(定着部材の熱を温度に変換するのに生じる時間的な遅れ)が同じであれば、その遅れも2つのセンサーで同じになるので、2つのセンサーによる検出温度の差分をとれば、検出遅れの影響を受けずに、定着部材の中央部に対する端部の温度を検出でき、中間サイズの用紙に対するヒーターの切替制御を精度良く行うことができる。
ところが、センサーは、ある程度、温度応答特性にばらつきがあり、同じものを選別して用いようとすると、温度応答特性が少し異なるというだけで、そのセンサーを用いることができなくなることから、通常、温度応答特性の異なるものが用いられている。
温度応答特性の異なるセンサーを用いると、どうしても温度の検出遅れの影響を受ける。検出遅れの影響を受けた状態で、中間サイズの用紙に対してヒーターの切替制御を行うと、定着部材の温度変動が大きくなってしまう。
これは、2つのセンサーで温度検出に時間的なずれが生じるので、端部温度が上昇したときも下降したときも、その温度変化に応じた、2つのセンサーによる検出温度の差分が時間的に遅れて現れるようになるからである。
定着部材の温度変動の大きさによっては、ヒーターAからBへの切替が遅れて、定着部材の端部温度が過昇温域に入ったり、ヒーターBからAへの切替が遅れて、定着部材の非加熱領域の温度が中間サイズの用紙に対する定着に支障が生じる温度域まで下がったりすることの繰り返しが多くなってしまう。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、温度応答特性の異なる2つのセンサーなどの温度検出手段を用いつつ、ヒーターの切替遅れによる定着部材の温度変動を抑制可能な定着装置、これを備える画像形成装置、および定着制御方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着装置は、シート上の未定着画像を定着部材の熱によりシートに定着する定着装置であって、前記定着部材における、シートの幅方向に所定の第1領域を加熱する第1加熱手段と、前記定着部材における、シートの幅方向に第1領域よりも狭く、第1領域に重なる第2領域のみを加熱する第2加熱手段と、前記定着部材における第2領域の温度を検出する第1温度検出手段と、前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分の温度を検出する第2温度検出手段と、第1温度検出手段と第2温度検出手段のうち、温度応答特性の良い方の温度検出手段による検出温度を温度応答特性の悪い方の温度検出手段の温度応答特性に対応する温度に補正する補正手段と、前記補正後の温度と、温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度とに基づいて、加熱に用いるべき加熱手段を第1加熱手段と第2加熱手段から選択する選択手段と、選択された加熱手段に電力を供給する電力供給手段と、を備えることを特徴とする。
また、前記温度応答特性の良い方の温度検出手段が第1温度検出手段であり、前記温度応答特性の悪い方の温度検出手段が第2温度検出手段であることを特徴とする。
ここで、前記補正手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に、見かけ上、前記第1温度検出手段の温度応答特性を前記第2温度検出手段の温度応答特性に合わせるための補正係数を適用することにより、前記補正を行うことを特徴とする。
ここで、前記補正手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に前記補正係数を乗算することにより前記補正を行い、前記補正係数は、0よりも大きく1よりも小さい所定の係数aであることを特徴とする。
また、前記補正手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に前記補正係数を乗算することにより前記補正を行い、前記補正係数は、0よりも大きく1よりも小さい所定の係数aから、前記第1温度検出手段による、現在から所定時間遡った時間までの間における検出温度の温度変化量に所定の係数bを乗算した値を差し引いた値であることを特徴とする。
ここで、前記温度変化量は、現在から過去に所定の時間dを遡った第1時点までの間における検出温度の平均を第1平均温度T1、第1時点からさらに過去に時間dを遡った第2時点までの間における検出温度の平均を第2平均温度T2としたとき、第1平均温度T1と第2平均温度T2の差分を項として含む数式、もしくは同等のテーブルにより求められることを特徴とする。
また、前記補正手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に対して、所定の平均化処理を施した上で、前記補正係数を適用することを特徴とする。
ここで、前記所定の平均化処理は、移動平均を含む処理であることを特徴とする。
ここで、前記補正手段は、前記第2温度検出手段による検出温度に対して前記移動平均よりも平均回数が少ない別の平均化処理を施し、前記選択手段は、前記別の平均化処理が施された温度を、前記第2温度検出手段による検出温度として、前記選択を行うことを特徴とする。
また、前記電力供給手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に対して前記移動平均よりも平均回数が少ない平均化処理を施した温度に基づき、選択された加熱手段に対する電力の供給を制御することを特徴とする。
さらに、前記補正手段は、前記第1温度検出手段による検出温度に対して、前記補正係数として所定の移動平均をとるときに適用すべき予め決められた係数を乗算した上で、前記所定の移動平均処理を施すことにより、前記補正を行うことを特徴とする。
また、前記選択手段は、前記温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度から前記補正後の温度を差し引いた値である差分の大きさに基づき前記選択を行うことを特徴とする。
ここで、前記選択手段は、前記差分が第1所定値以上の場合に第2加熱手段を選択し、前記差分が0以上かつ前記第1所定値よりも小さい第2所定値以下の場合に第1加熱手段を選択することを特徴とする。
また、前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分は、シートの幅方向長さが第1領域の長さよりも短く、第2領域の長さよりも長いシートが用いられる場合に、シートの幅方向に当該シートの非通紙領域に属する部分であることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、シート上の未定着画像を定着部材の熱によりシートに定着する定着部を備える画像形成装置であって、前記定着部として上記の定着装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る定着制御方法は、定着部材における、シートの幅方向に所定の第1領域を加熱する第1加熱手段と、シートの幅方向に第1領域よりも狭く、第1領域に重なる第2領域のみを加熱する第2加熱手段を備え、シート上の未定着画像を前記定着部材の熱によりシートに定着する定着装置が実行する定着制御方法であって、前記定着部材における第2領域の温度を第1温度検出手段により検出する第1温度検出ステップと、前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分の温度を前記第1温度検出手段とは温度応答特性が異なる第2温度検出手段により検出する第2温度検出ステップと、第1温度検出手段と第2温度検出手段のうち、温度応答特性の良い方の温度検出手段による検出温度を温度応答特性の悪い方の温度検出手段の温度応答特性に対応する温度に補正する補正ステップと、前記補正後の温度と、温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度とに基づいて、加熱に用いるべき加熱手段を第1加熱手段と第2加熱手段から選択する選択ステップと、選択された加熱手段に電力を供給する電力供給ステップと、を含むステップを実行することを特徴とする。
上記のようにすれば、応答特性の異なる2つの温度検出手段を用いつつ、見かけ上、2つの温度検出手段を同じ温度応答特性のものとして用いることができるので、異なる温度応答特性の温度検出手段による検出遅れの影響を受け難くなり、加熱手段の切替遅れによる定着部材の温度変動を抑制することができる。
例えば、シートの幅方向長さが第1領域の長さよりも短く、第2領域の長さよりも長い中間サイズのシートを用いる場合に、定着部材においてシート幅方向にそのシートが通過する領域を通紙領域、通紙領域よりも外側でありそのシートが通過しない領域を非通紙領域、通紙領域のうち、第2加熱手段により加熱されない領域を非加熱領域としたとき、非通紙領域の温度が第2温度検出手段により検出されることにより非通紙領域の過昇温を防止しつつ、非加熱領域の温度下降を抑制して定着性の低下を防止することが可能になる。
実施の形態に係るプリンターの全体構成を示す概略図である。 定着部に設けられている2つのヒーターによる加熱ローラーの軸方向における加熱領域と、2つの温度検出センサーと、定着ニップを通過する用紙との位置関係を示す模式図である。 2つの温度検出センサーにおける温度応答特性の違いによる検出温度の差異を模式的に示すグラフである。 プリンターに設けられる制御部の構成を示すブロック図である。 制御部に設けられる温調制御部の構成を示すブロック図である。 温調制御処理の内容を示すフローチャートである。 補正処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 (a)は、プリント開始以降における定着ベルトの中央部の温度Taと端部の温度Tbの測定結果を示すグラフであり、(b)は、温度Tbと、温度Taを補正した温度Tzの関係を示すグラフである。 ヒーター選択処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 フラグ設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 ヒーター点灯制御のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 変形例に係る補正方法による補正後の温度Tdと、温度Tbの関係を示すグラフである。 (a)は、変形例に係る移動平均による温度Taveと、温度Tbの関係を示すグラフであり、(b)は、温度Tbと、温度Taveを補正した温度Tzの関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る定着装置、画像形成装置および定着制御方法の実施の形態を、タンデム型カラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例にして説明する。
(1)プリンターの全体構成
図1は、本実施の形態に係るプリンター1の全体構成を示す概略図である。
プリンター1は、公知の電子写真方式により用紙などの記録用のシート上に画像を形成するものであり、作像部10と、中間転写部20と、給送部30と、定着部40および制御部50などを備え、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)から受け付けたプリントジョブに基づき、カラーおよびモノクロのプリントを選択的に実行する。
作像部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の現像色に対応した作像ユニット(IU)10Y〜10Kを有する。
IU10Yは、感光体ドラム11と、その周囲に配された帯電器12、露光部13、現像部14、一次転写ローラー15、クリーナー16などを備えている。
帯電器12は、矢印Aの方向に回転する感光体ドラム11の周面を帯電させる。
露光部13は、帯電された感光体ドラム11をレーザー光により露光走査して、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。
現像部14は、内部にトナーを含む現像剤が収容され、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーで現像し、これにより感光体ドラム11上にY色のトナー像が作像される。
一次転写ローラー15は、感光体ドラム11上のY色のトナー像を中間転写ベルト21上に静電作用により転写させる。クリーナー16は、転写後に感光体ドラム11Y上に残った残留トナーを清掃する。他のIU10M〜10KについてもIU10Yと同様の構成であり、同図では符号の表記を省略している。
中間転写部20は、中間転写ベルト21と、二次転写ローラー22と、クリーナー23と、駆動ローラー24および従動ローラー25を備える。
中間転写ベルト21は、駆動ローラー24と従動ローラー25に張架されており、同図の矢印方向に周回走行される。二次転写ローラー22は、中間転写ベルト21を介して駆動ローラー24に当接されており、その当接位置が二次転写位置29を構成する。クリーナー23は、中間転写ベルト21を介して従動ローラー25に対向配置されている。
給送部30は、給紙カセット31,32と、繰り出しローラー33,34と、搬送ローラー対35と、レジストローラー対36などを備える。
給紙カセット31,32は、用紙Sを収容するものであり、給紙カセットごとに、異なるサイズの用紙Sが収容可能になっている。同図では、給紙カセット31に大サイズ、例えばA3サイズの用紙Sがセットされ、給紙カセット32に中間サイズ、例えばB4サイズの用紙Sがセットされている様子が示されている。なお、本実施の形態では、最大サイズがA3サイズであり、最小サイズがA4サイズになっている。
繰り出しローラー33は、給紙カセット31に収容されている用紙Sを1枚ずつ繰り出して搬送路39に搬送し、繰り出しローラー34は、給紙カセット32に収容されている用紙Sを1枚ずつ繰り出して搬送路39に搬送する。搬送ローラー対35は、繰り出しローラー33,34からの用紙Sをレジストローラー対36に向けて搬送する。レジストローラー対36は、搬送ローラー対35により搬送されて来た用紙Sを、二次転写位置29に搬送するタイミングをとって二次転写位置29に搬送する。
定着部40は、定着ローラー41と、加熱ローラー42と、定着ベルト43と、加圧ローラー44と、ヒーター45a,45bと、温度検出センサー46a、46bなどを備える。
定着ベルト43は、定着ローラー41と加熱ローラー42に張架されており、加圧ローラー44は、図示しないバネなどにより定着ベルト43を介して定着ローラー41に押圧され、定着ベルト43との間に定着ニップを確保する。ヒーター45a,45bは、筒状の加熱ローラー42の内部にその軸方向に沿って挿通されている。
温度検出センサー46a,46bは、定着ベルト43の表面の温度を非接触で検出するセンサーであり、定着ベルト43を介して加熱ローラー42に対向配置され、定着ベルト43の表面から所定の距離だけ離れた位置で、かつ加熱ローラー42の軸方向に沿って所定の間隔をあけて並設されており、検出された温度を示す温度情報を制御部50に送る。
制御部50は、温度検出センサー46a,46bからの温度情報に基づき、ヒーター45a,45bへの電力供給を制御する温調制御を行う。なお、ヒーター45a,45bは、いずれか一方が選択的に使用される。温調制御の詳細については、後述する。
定着ローラー41と、加熱ローラー42と、加圧ローラー44とは、それぞれの軸方向(同図の紙面垂直方向に相当)の両端部が図示しないフレームに軸受部材などを介して回転自在に支持されると共に、加圧ローラー44は、駆動モータ(不図示)からの駆動力により同図の矢印方向に回転駆動される。加圧ローラー44の表面の線速度は、例えば100〔mm/秒〕である。
この加圧ローラー44の回転に伴って、定着ベルト43、定着ローラー41、加熱ローラー42が同図の矢印方向に従動回転し、ヒーター45aまたは45bから発せられる熱が加熱ローラー42、定着ベルト43、定着ローラー41、加圧ローラー44に伝わって、定着ベルト43や加圧ローラ−44などが昇温される。
このような構成において、カラーのプリント(カラーモード)を実行する場合には、IU10Y〜10K毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム11上に作像され、その作像された各トナー像が中間転写ベルト21上に転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写ベルト21の同じ位置に重ね合わせて転写されるように中間転写ベルト21の走行方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
上記の作像動作に合わせて、給送部30のレジストローラー対36により用紙Sが二次転写位置29に向けて搬送されて来ており、その用紙Sが二次転写位置29を通過する際に、中間転写ベルト21の上に形成された各色トナー像が二次転写ローラー22に印加された転写電圧の静電作用により、用紙Sに一括して二次転写される。
各色トナー像が二次転写された後の用紙Sは、定着部40まで搬送される。定着部40に搬送された用紙Sは、定着ベルト43と加圧ローラー44との間に形成された定着ニップを通過する際に加熱、加圧により、その表面のトナー像が用紙Sの表面に融着して定着された後、排紙ローラー37によって排紙トレイ38上に排出される。
上記では、カラーモードを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばブラックのプリント(モノクロモード)を実行する場合には、ブラック色用のIU10Kだけが駆動され、上記と同様の動作によりブラック色に対する帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を経て用紙Sにブラック色の画像形成が実行される。なお、中間転写ベルト21上の、用紙Sに転写しきれなかったトナーは、クリーナー23により除去される。
給送部30には、給紙カセット31、32に収容されている用紙Sのサイズを検出するための用紙サイズ検出センサーSE1、SE2が配置されている。用紙サイズ検出センサーSE1、SE2により検出された用紙サイズを示す情報は、制御部50に送られる。
なお、装置前面の、ユーザが操作し易い位置には、操作部60が配置されている。操作部60には、ユーザからの操作入力を受け付けるためのキー、例えば用紙選択キーなどを備える。ユーザは、用紙選択キーを操作することにより、自己が所望するサイズの用紙とその通紙方向をその用紙Sが収容された給紙カセットを指定することにより選択することができる。操作部60は、受け付けた入力情報を制御部50に送る。
制御部50は、操作部60からの入力情報によりユーザにより選択された用紙Sを判断することができる。プリント実行時には、給送部30を制御して、選択された用紙Sが収容されている給紙カセットから当該用紙Sを搬送路39に繰り出させる。
(2)ヒーターと温度検出センサーの位置関係
図2は、定着部40のヒーター45a,45bによる加熱ローラー42の軸方向における加熱領域と、温度検出センサー46a,46bと、定着ニップを通過する用紙Sとの位置関係を示す模式図であり、同図の左右方向が加熱ローラー42の軸方向を示し、用紙Sの幅方向に相当する。以下、用紙幅方向という。なお、一点鎖線90は、搬送路39上の幅方向中央の位置を示しており、本実施の形態では、この中央の位置に用紙Sの幅方向中央が一致するように用紙Sを搬送する、いわゆるセンター基準の搬送方式になっている。
同図のグラフ48aは、ヒーター45aの用紙幅方向における加熱分布を示し、用紙幅方向にA3T幅(297〔mm〕)に相当する領域がヒーター45aの加熱領域47a(第1領域)になっている。一方、グラフ48bは、ヒーター45bの用紙幅方向における加熱分布を示し、用紙幅方向にA4T幅(210〔mm〕)に相当する領域がヒーター45bの加熱領域47b(第2領域)になっている。加熱領域47bは、用紙幅方向に加熱領域47aよりも狭く、加熱領域47aに重なるような位置関係になる。
温度検出センサー46aは、用紙幅方向に加熱領域47b(47aでもある)内に属する位置に配置され、定着ベルト43における加熱領域47b(中央部)の温度を検出し、温度検出センサー46bは、用紙幅方向に加熱領域47aのうち、加熱領域47bと重ならない部分であり、用紙幅方向にB4T幅(257〔mm〕)の外側である非通紙領域Wβに属する部分に配置され、その部分(端部)の温度を検出する。
ここで、本実施の形態では、ヒーター45a,45bは、ハロゲンランプヒータであり、ヒーター45aは、999〔W〕であり、配光80〔%〕以上の用紙幅方向長さの部分が290〔mm〕であり、ヒーター45bは、790〔W〕であり、配光80〔%〕以上の用紙幅方向長さの部分が180〔mm〕になっている。
温度検出センサー46a,46bは、非接触式のサーミスタであり、温度検出センサー46aは、搬送路幅方向中央(一点鎖線90)から用紙幅方向に70〔mm〕の位置に配され、温度検出センサー46bは、搬送路幅方向中央から用紙幅方向に135〔mm〕の位置に配され、それぞれが定着ベルト43の表面との間隔が1〔mm〕になっている。
定着ローラー41は、外径が30〔mm〕であり、中実の芯金の径が18〔mm〕、芯金の外表面に厚みが4〔mm〕の弾性層と、厚みが2〔mm〕のスポンジ層が積層されてなる。
加熱ローラー42は、アルミニウムからなり、外径が25〔mm〕であり、円筒形の芯金の厚みが0.6〔mm〕、芯金の外表面に厚みが15〔μm〕のPTFEコートが積層されており、軸方向(用紙幅方向)長さが約330〔mm〕になっている。
定着ベルト43は、外径が60〔mm〕であり、厚みが70〔μm〕のポリイミドを基層にその外表面に厚みが200〔μm〕のゴム層と、厚みが30〔μm〕のPFA層とが積層されてなる。
加圧ローラー44は、アルミニウムからなり、外径が35〔mm〕であり、円筒形の芯金の厚みが2〔mm〕、芯金の外表面に厚みが2〔mm〕のゴム層と、厚みが30〔μm〕のPFA層が積層されている。
大サイズであるA3サイズの用紙Sがプリントに用いられる場合には、A3T幅に相当する加熱領域47aを有するヒーター45aが用いられ、小サイズであるA4サイズの用紙Sがプリントに用いられる場合には、A4T幅に相当する加熱領域47bを有するヒーター45bが用いられる。
中間サイズであるB4サイズの用紙Sがプリントに用いられる場合には、ヒーター45aとヒーター45bとが交互に切り替えられる。これは、次の理由による。
すなわち、B4T幅が加熱領域47aよりも狭く、加熱領域47bよりも広くなっている。このため、ヒーター45aだけを用いると、プリント中に通紙領域Wαの温度を定着温度(定着に必要な温度:例えば180〔℃〕)に維持することはできても、通紙領域Wαに対し用紙幅方向に両外側の非通紙領域Wβ,Wβの温度が上昇してしまい、ヒーター45bだけを用いると、通紙領域Wα内であるにも関わらず、加熱領域47bから外れる非加熱領域Wγ,Wγの温度が定着温度よりも下降してしまう。
そこで、B4サイズの用紙Sのプリント中には、ヒーター45aを用いつつ非通紙領域Wβの温度が上がると、ヒーター45aからヒーター45bに切り替え、その後、非加熱領域Wγの温度が下がると、ヒーター45aに戻すという切り替えを行うものである。
このヒーターの切り替えは、温度応答特性の異なる温度検出センサー46a,46bによる温度検出結果に基づき行われる。
図3は、温度検出センサー46a,46bにおける温度応答特性の違いによる検出温度の差異を模式的に示すグラフであり、温度検出センサー46aの方が温度検出センサー46bよりも温度応答特性が良いことを示している。
温度検出センサー46aは、温度応答特性が良く、定着ベルト43(温度検出対象)の温度変化に対して応答が早いために、その変化に追随して定着ベルト43の瞬時の温度変化を検出することができる。このため、温度検出センサー46aは、最大から最小までの全サイズの用紙Sの通紙領域に相当する加熱領域47b内に配され、定着ベルト43の用紙幅方向中央部(以下、「ベルト幅方向中央部」という。)の表面温度を高精度に検出して、定着ベルト43の表面温度をより安定的に定着温度に維持するために用いられる。
一方、温度検出センサー46bは、温度検出センサー46aよりも応答が遅く、ベルト幅方向中央部の検出には不向きであるため、B4サイズの用紙Sを用いる場合に定着ベルト43の非通紙領域Wβ(以下、「ベルト幅方向端部」という。)の表面温度の検出に用いられるが、応答が遅いことからベルト幅方向端部の温度変化に追随することができない場合もあり、温度の検出遅れが生じてしまう。
このため、温度検出センサー46a,46bの検出信号をそのまま利用すると、上記の「発明が解決しようとする課題」の項で説明したように温度の検出遅れの影響によりヒーターの切替遅れが生じて、非通紙領域Wβの温度が上がりすぎたり、非加熱領域Wγの温度が下がりすぎたりするおそれが生じる。
そこで、本実施の形態では、このような温度の検出遅れの影響を受け難くしてヒーター切替を適時に行えるように、温度応答特性の良い方の温度検出センサーの当該特性を悪い方の温度検出センサーの温度応答特性に合うように(見かけ上、2つの温度検出センサーの温度応答特性を悪い方の温度検出センサーに合わせるように)、良い方の温度検出センサーの検出値を悪い方の温度検出センサーで検出したならば得られるであろう温度に補正して、補正した温度と、悪い方の温度検出センサーによる検出温度との温度差に基づき、ヒーター切替を行うようにしている。ヒーター切替制御の詳細については、後述する。
(3)制御部50の構成
図4は、制御部50の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、制御部50は、通信I/F(インターフェース)部51と、CPU52と、ROM53と、RAM54と、画像処理部55と、画像メモリ56および温調制御部57などを備える。
通信I/F部51は、外部の端末装置とLANを接続するためのLANカードやLANボードであり、LANを介して端末装置から送信されてくるプリントジョブのデータを受信して画像処理部55へ送る。
画像処理部55は、プリントジョブのデータをY〜K色用の画像データに変換し、変換した画像データに公知の階調補正などの補正処理を施して画像メモリ56に格納させる。
CPU52は、ROM53から必要なプログラムを読み出して、作像部10、中間転写部20、給送部30、定着部40などを統括的に制御して、画像メモリ56に格納されている画像データに基づくプリント動作を円滑に実行させる。RAM54は、揮発性メモリであり、CPU52におけるプログラム実行時のワークエリアとなる。
温調制御部57は、定着部40のヒーター45a,45bの点灯制御および切替制御を実行する。
(4)温調制御部57の構成
図5は、温調制御部57の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、温調制御部57は、補正部61と、ヒーター選択部62と、ヒーター切替部63と、点灯制御部64と、スイッチング部65などを備える。
補正部61は、平均化処理部71と、温度情報格納部72と、補正係数算出部73と、係数保持部74と、温度補正部75を備える。
温度情報格納部72は、温度検出センサー46aによるベルト幅方向中央部の検出温度Ta0を示す信号と、温度検出センサー46bによるベルト幅方向端部の検出温度Tb0を示す信号とを間隔をおいて受信して、その検出温度の情報を時間順に、センサー毎に分けて温度情報格納部72内の記憶部(不図示)に格納する。温度情報格納部72に格納されている情報を参照することにより、温度検出センサー46a,46bのそれぞれについて、過去の検出温度を読み出すことができる。格納される情報は、過去の所定時間、例えば20秒間などとして、これよりも古くなったものは順次消去される。
平均化処理部71は、第1平均化処理と第2平均化処理を行う。
第1平均化処理は、温度検出センサー46aによる検出温度Ta0と、温度検出センサー46bによる検出温度Tb0に対して、検出信号に含まれるノイズを除去するための平均化処理を施して、その平均化処理後の温度TaとTbを得る処理である。
第1平均化処理は、検出温度Ta0とTb0それぞれについて、温度検出のサンプリング間隔(例えば、0.05秒)が同じであり、1回のサンプリング毎に、例えば現在から過去5回分の温度値が平均される。第1平均化処理により得られた温度Taを示す情報は、温度補正部75に送られ、温度Tbを示す情報は、ヒーター選択部62に送られる。
第2平均化処理は、温度検出センサー46aによる検出温度Ta0に対して、上記と同様にノイズ除去のための平均化処理を行い、その平均化後の温度に、温度検出センサー46aが定着ベルト43に対して非接触であることによる検出温度の応答遅れなどを補正する処理を必要に応じて施して、その補正後の温度Ta1を得る処理である。この温度Ta1は、後述のようにヒーター45a,45bのオン、オフ制御に用いられる。
第2平均化処理は、例えばサンプリング間隔が上記と同じである場合に、1回のサンプリング毎に、例えば現在から過去7回分の温度値が平均される。平均回数は、7回に限られず、ノイズなどに敏感に反応するセンサーであれば、より多くするとしても良い。第2平均化処理により得られた温度Ta1を示す情報は、点灯制御部64に送られる。
なお、第1平均化処理では、温度Ta0とTb0に対する平均回数を同じとしたが、これに限られない。例えば、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aにより検出される温度Ta0の方が、温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bにより検出される温度Tb0よりも平均回数を多くする構成、具体的には温度Ta0を7回、温度Tb0を5回などとすることもできる。さらに、温度Ta0に対する7回のうち、最大値と最小値を除いた残りの5つの温度値で平均をとる方法をとるとしても良い。
また、例えば各平均化処理でサンプリング間隔が異なるような場合には、同じ平均回数でも過去に遡る時間に差をつけることにより平均化の強弱を付けるとしても良い。平均をとる時間、平均回数、サンプリング間隔などが上記の値に限られないことはいうまでもなく、このことは後述の各処理について同様である。
さらに、例えば検出信号にノイズがほとんど含まれないような構成では、ノイズ除去のための平均化処理を行わないとしても良い。また、平均化に代えて、温度に所定の補正係数を乗算する方法をとることもできる。
補正係数算出部73は、補正係数Bを算出する。補正係数Bとは、温度Taを、温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bで検出されたならば得られるであろう温度Tzに補正するための係数である。
補正係数Bの算出は、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aの当該特性を、温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bの当該特性に合わせる補正を行うための係数a,bを用いて行われる。係数a,bは、予め実験などにより求められて、係数保持部74に格納されている。
温度補正部75は、温度Taに補正係数Bを乗算した値を、温度検出センサー46bと同じ温度応答特性により検出されたとしたならば得られるであろう補正後の温度Tzとして算出する。
上記の補正係数Bは、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aの当該特性を見かけ上、悪い方の温度検出センサー46bの温度応答特性に合わせるためのものであり、補正係数Bを用いることにより、同じ温度応答特性の2つのセンサーによる同時刻の、検出遅れの影響をほとんど受けていない2つの温度を得られることになる。
従って、B4サイズの用紙Sをプリント中に、これら2つの温度の差分をとれば、温度検出遅れの影響をほとんど受けずに、定着ベルト43における用紙幅方向の中央部に対する端部の温度を把握することができ、ヒーター切替の遅れを抑制して、非通紙領域Wβの温度が上がりすぎず、非加熱領域Wγの温度が下がりすぎることがないように、定着ベルト43の温度を制御することができるようになる。
ヒーター選択部62は、CPU52からプリント中であることを示すプリント情報を取得すると、さらにプリントに使用される用紙Sのサイズを示す用紙サイズ情報を取得し、取得した用紙サイズがA3サイズであれば、ヒーター45aを選択する旨のヒーター選択信号をヒーター切替部63に送り、用紙サイズがA4サイズであれば、ヒーター45bを選択する旨のヒーター選択信号をヒーター切替部63に送る。
また、取得した用紙サイズがB4サイズであれば、補正部61で補正された温度Tzと、温度Tbとの差分をとり、その差分の大きさに基づいて、ヒーター45aを選択する旨のヒーター選択信号と、ヒーター45bを選択する旨のヒーター選択信号とを交互に切り替えるようにしてヒーター切替部63に送る。
一方、プリント中でない状態を示す非プリント情報を取得すると、ヒーター45aを選択する旨のヒーター選択信号をヒーター切替部63に送る。ここで、プリント中でない状態とは、例えば電源投入時、ジャム解除時、トラブル解除時、節電からの復帰時、外装カバーの開閉時などに定着ベルト43の表面温度をプリント可能温度まで昇温させるウォームアップ中、ウォームアップが終了してプリントの開始を待つ待機状態などを示す。プリント中でない状態では、常時、ヒーター45aが選択される。
ヒーター切替部63は、商用電源80からの電力(交流)の出力先をヒーター45aと45bのいずれかに切り替えるためのスイッチ88を有し、ヒーター選択部62からのヒーター選択信号がヒーター45aを選択する旨の信号であれば、商用電源80からの電力の出力先をヒーター45aに切り替え、ヒーター選択信号がヒーター45bを選択する旨の信号であれば、商用電源80からの電力の出力先をヒーター45bに切り替える。
点灯制御部64は、温度Ta1(ベルト幅方向中央部の表面温度)に基づき、選択されたヒーター45aまたは45bへの電力の供給(オン)と遮断(オフ)を示す制御信号をスイッチング部65に送る。具体的に制御信号は、温度Ta1が定着温度を超えていれば遮断(オフ)を示す信号になり、温度Ta1が定着温度以下であれば供給(オン)を示す信号になる。
スイッチング部65は、商用電源80とヒーター切替部63により切り替えられたヒーターとを接続する回路81を断続するスイッチ89を有し、点灯制御部64からの制御信号が電力の供給を示す信号であれば、スイッチ89を閉じて商用電源80の電力供給を行わせ、電力の遮断を示す信号であれば、スイッチ89を開けて電力供給を停止させる。
プリンター1に電源が投入され、ウォームアップ中になると、上記のようにヒーター選択部62がヒーター45aを選択するので、商用電源80からの電力がヒーター45aに供給される。これにより、加熱ローラー42や定着ベルト43などが用紙幅方向にA3幅Tの全域に亘って昇温される。
ウォームアップ中に温度検出センサー46aによりベルト幅方向中央部の表面温度が定着温度に達したことが検出されると、ウォームアップを終了してプリント可能な状態になる。プリント要求があればプリントが開始され、プリント中の状態に遷移し、プリント要求がなければ待機状態に遷移する。いずれの状態でも、温度Ta1が定着温度に維持されるように、選択されたヒーターへの電力供給と停止とがスイッチング部65のスイッチ89の断続により実行される。
なお、図5では、使用すべきヒーターを切り替えるヒーター切替部63と、ヒーターへの電力供給と停止を制御する点灯制御部64とを別々に構成する例を説明したが、これに限られない。例えば、ヒーター切替部63を設けない構成をとることもできる。
この構成をとる場合、スイッチング部65を、ヒーター45aと商用電源80とを繋ぐ第1回路を開閉するための第1スイッチング部と、ヒーター45bと商用電源80とを繋ぐ第2回路を開閉するための第2スイッチング部に分けて、第1スイッチング部と第2スイッチング部を並列に構成し、点灯制御部64が、ヒーター選択部62からのヒーター選択信号を受け付けると、第1スイッチング部と第2スイッチング部のうち、選択された方のヒーターに対するスイッチング部に対して、温度Ta1に基づき当該ヒーターへの電力供給と遮断を示す制御信号を送ることにより、当該スイッチング部を制御する方法をとることができる。
(5)温調制御部57による温調制御処理
図6は、温調制御処理の内容を示すフローチャートであり、この処理は、プリンター1の全体の動作を制御するメインフローチャート(不図示)のサブルーチンとして、プリント実行中に所定の間隔、例えば0.05秒ごとに繰り返し実行される。
同図に示すように、温度情報格納処理を実行する(ステップS1)。この温度情報格納処理は、温度情報格納部72により実行され、温度検出センサー46a,46bによる検出温度Ta0,Tb0を示す信号を受信して、その検出温度を示す情報を一定間隔ごとにセンサー毎に分けて格納する処理である。一定間隔は、例えば上記の所定の間隔としても良いし、これよりも長い時間、例えば0.5秒などとしても良い。0.5秒とする場合、温調制御処理が繰り返し実行される毎に、0.5秒間隔に相当する回の実行時にだけ検出値がサンプリングされ、サンプリングされた検出値が格納される。
平均化処理を実行する(ステップS2)。平均化処理は、平均化処理部71により第1〜第2平均化処理を行う処理である。
そして、補正処理を実行し(ステップS3)、ヒーター選択処理を実行する(ステップS4)。
図7は、補正処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、この補正処理は、補正部61により実行される。
同図に示すように、ベルト幅方向中央部の温度について第1平均温度T1を算出する(ステップS11)。第1平均温度T1は、現在から過去にd秒、ここでは2秒遡った第1時点までの間、すなわち現在から過去2秒前までの間の平均温度である。温度情報格納部72に格納されている情報を参照して、例えば0.05秒間隔でサンプリングされた場合には、現在のベルト幅方向中央部の温度と過去2秒前までの間の40回分の温度を読み出し、読み出した温度が平均される。
続いて、ベルト幅方向中央部の温度について第2平均温度T2を算出する(ステップS12)。第2平均温度T2は、第1時点(過去にd秒遡った時点)から、さらに過去にd秒遡った第2時点までの間、ここでは過去、2秒前から4秒前までの間の平均温度である。第2平均温度T2の算出は、第1平均温度T1の算出と同様に、温度情報格納部72に格納されている情報を参照することにより行われる。
そして、温度変化量T3を算出する(ステップS13)。
温度変化量T3は、〔(T1−T2)/d〕からなる(式1)で求められ、現在からd秒前までの過去の区間1と、d秒前から2×d秒前までの過去の区間2とを合わせた全体の区間における温度変化の推移を数値で表すものである。例えば、温度が区間1でも区間2でも上昇(下降)していれば、温度変化量T3は絶対値で大きくなるが、区間1が下降(上昇)、区間2が上昇(下降)であれば、温度変化量T3は絶対値で小さくなる。
次に、ステップS14では、係数a,bを係数保持部74から読み出す(ステップS14)。この係数a,bは、上記のように予め求められたものであり、例えばa=0.96、b=0.008である。
そして、補正係数Bを算出する(ステップS15)。補正係数Bは、(a−b×T3)からなる(式2)で求められ、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aの当該特性を悪い方の温度検出センサー46bの温度応答特性に合わせるための補正係数である。
ここで、係数a=0.96は、室温(20〔℃〕程度)から定着温度(180〔℃〕)まで定着ベルト43の表面温度を一定の割合で上昇させた場合に、温度検出センサー46aによる検出値のグラフ(図3の実線に相当)が温度検出センサー46bによる検出値のグラフ(図3の一点鎖線に相当)が略重なるように、時間軸上において一定間隔毎に、温度検出センサー46bによる検出値を温度検出センサー46aによる同時刻の検出値で除した値のそれぞれを平均化するなどにより1つの値を適正化して導き出したものである。
係数b=0.008は、現在から過去2d(=4秒)前までの直前の温度変化が大きかった場合に、係数a=0.96の値をその温度変化に応じた分、大きくまたは小さくするための係数である。このような係数bを設けているのは、次の理由による。
すなわち、温度検出センサー46bは温度検出センサー46aよりも温度検出の時間遅れがあり、通常、単位時間当たりの温度変化量(傾き)が大きくなるほどその変化に追随できず、検出遅れの影響が大きくなり易い。
例えば、直前における温度上昇の変化量が極端に大きくなっていれば、それに追随して温度検出センサー46aによる検出温度が高くなるが、温度検出センサー46bでは追随できないことから検出温度がまだ上がっておらず、その差が大きく広がる。この場合、温度変化量T3の値が正になり、一定の割合で温度上昇させた結果で得られた係数a=0.96よりも大きな検出値の差(正)が生じる。
そこで、その温度変化量に応じた差を補正すべく、その差に応じた値(b×T3)を係数a=0.96から差し引いて、つまり補正係数Bを0.96よりも小さい値にして、温度検出センサー46aによる検出温度を温度検出センサー46bにより検出されるであろう検出温度により近づけることができる。
逆に、例えば直前における温度下降の変化量が極端に大きくなっていれば、それに追随して温度検出センサー46aによる検出温度が低くなるが、温度検出センサー46bでは追随できないことから検出温度が上がったままになり、その差(負の値)が大きく広がる。この場合、温度変化量T3が負になるので、その差に応じた値(b×T3)を係数a=0.96に足し合わせて、つまり補正係数Bを0.96よりも大きな値にして、温度検出センサー46aによる検出温度を温度検出センサー46bにより検出されるであろう検出温度により近づけようとするものである。係数a,bの値は、使用される2つの温度検出センサーの温度応答特性に基づき予め求められる。
なお、直前の温度変化量を求めるという意味では、例えば現在の温度からd秒前の温度を差し引いた値をdで除した値を温度変化量として用いることもできる。この方法では、上記の(式1)のように平均をとっていないので、瞬時のノイズの影響により算出値がばらつき易くなるが、ノイズの影響がほとんどないような場合には、平均をとる処理を省くことができ、その分、処理負担の軽減を図れる。
ステップS16では、温度Taに補正係数Bを乗算した温度Tzを算出する。この温度Tzは、温度検出センサー46aの温度応答特性を温度検出センサー46bと同じ温度応答特性としたならば得られるであろう温度検出センサー46aによる現在の温度に相当する。温度Tzを算出すると、リターンする。
図8(a)は、温度Ta,Tbの測定結果を示すグラフであり、図8(b)は、温度Tzと温度Tbの関係を示すグラフである。
図8(a)では、温度Ta,Tbは、温度検出センサー46a,46bが有する温度応答特性の違いにより、温度Taに対し温度Tbの温度検出が遅れており、ここでは約5〔℃〕程度の温度差が生じている。この温度差が生じたままであれば、ベルト幅方向中央部とベルト幅方向端部の温度差を検出した場合、その温度差が検出遅れの影響により実際の温度差と大きく異なる値になるおそれがあり、B4サイズの用紙Sをプリントに用いる場合、非通紙部Wβの温度が過昇温域に入ってしまったり、非加熱領域Wγの温度が定着温度よりも大きく下回ってしまったりする問題が生じ易い。
これに対して、図8(b)を見ると、補正後の温度Tzのグラフと温度Tbのグラフとがほとんど重なっており、見かけ上、同じ温度応答特性による2つのセンサーにより同時刻に温度検出がなされたようになっていることが判る。
このように補正係数Bを用いることにより、温度応答特性の異なるセンサーを用いる場合でも、温度応答特性の違いによる検出遅れの影響をほとんど受けずに、ベルト幅方向中央部とベルト幅方向端部の温度差を検出して、その温度差に基づきヒーター切替をより適した時期に行うことができるようになる。
図9は、ヒーター選択処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、このヒーター選択処理は、ヒーター選択部62により実行される。
同図に示すように、プリントに使用される用紙サイズが大サイズであるか否かを判断する(ステップS21)。大サイズは、本実施の形態では、A3サイズを示している。この判断は、ユーザにより操作部60から指定された給紙カセットに収容されている用紙Sの、用紙サイズ検出センサーSE1,SE2によるサイズ検出結果に基づき行われる。
用紙サイズが大サイズであることを判断すると(ステップS21で「YES」)、使用すべきヒーターを示すヒーターフラグをロングに設定して(ステップS22)、リターンする。このロングとは、加熱領域47a,47bのうち、用紙幅方向の長い方の加熱領域47aに対応するヒーター45aを示しており、次に説明するショートは、短い方の加熱領域47bに対応するヒーター45bを示している。
このフラグの設定は、例えばRAM54の所定の記憶領域に書き込まれることにより行われ、既にロングまたはショートの情報が書き込まれている場合は、上書き保存される。後述するように、ヒーターフラグに設定されているヒーターが、ヒーター切替部63において、使用されるヒーターとして切り替えられる。
用紙サイズが大サイズではなく、中間サイズであるか否かを判断する(ステップS23)。ここで、中間サイズとは、B4サイズを示している。
中間サイズでもないことを判断すると(ステップS23で「NO」)、小サイズ、ここではA4サイズであるとして、ヒーターフラグをショートに設定して(ステップS25)、リターンする。
中間サイズであることを判断すると(ステップS23で「YES」)、フラグ設定処理を実行して(ステップS24)、リターンする。
図10は、フラグ設定処理のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、ヒーターフラグがロングに設定されているか否かを判断する(ステップS31)。B4サイズの用紙Sに対するプリントでは、そのプリントが開始された時点で最初にヒーターフラグがロングに設定され、以降に本フラグ設定処理において、ロングとショートが交互に切り替え設定されるようになっている。
ロングに設定されていることを判断すると(ステップS31で「YES」)、現在の温度Tbから温度Tzを差し引いた値(差分)が所定値1以上であるか否かを判断する(ステップS32)。
温度Tbは、ベルト幅方向端部(非通紙領域Wβ)の温度を示し、温度Tzは、ベルト幅方向中央部(通紙領域Wα)の温度を示しているので、Tb−Tz≧所定値1ということは、非通紙領域Wβの温度が通紙領域Wαの温度よりも所定値1以上、高いことを意味する。通紙領域Wαの温度は、定着温度(例えば、180〔℃〕)に維持されるので、これを基準に非通紙領域Wβの上限温度(例えば、190〔℃〕)を決めたときのその上限温度と定着温度との差が所定値1とされる。上限温度は、非通紙領域Wβの温度が上がり定着部40の各部に熱によるダメージを与える過昇温域と、定着温度との間の温度に設定される。
Tb−Tz≧所定値1ではない、すなわちTb−Tz<所定値1であれば(ステップS32で「NO」)、そのままリターンする。この場合、ヒーターフラグの設定がロングのままになる。
一方、Tb−Tz≧所定値1であれば(ステップS32で「YES」)、非通紙領域Wβの温度が上限値に達しているとして、ヒーターフラグの設定をロングからショートに切り替えて(ステップS33)、リターンする。ヒーターフラグがショートに切り替えられると、使用されるヒーターがヒーター45aからヒーター45bに切り替えられるので、非通紙領域Wβの温度が下降していくことになる。
ヒーターフラグがロングではなく、ショートに設定されていることを判断すると(ステップS31で「NO」)、現在の温度Tbから温度Tzを差し引いた値(差分)が所定値2以下であるか否かを判断する(ステップS34)。所定値2は、0以上かつ所定値1よりも小さい値であり、例えば所定値1が10〔℃〕、所定値2が5〔℃〕としても良い。
Tb−Tz≦所定値2でなければ(ステップS34で「NO」)、非通紙領域Wβの温度がまだある程度、高い状態なので、継続してヒーター45bを使用すべく、そのままリターンする。
一方、Tb−Tz≦所定値2であれば(ステップS34で「YES」)、ヒーターフラグの設定をショートからロングに切り替えて(ステップS35)、リターンする。
これは、ヒーター45bを使用している場合に、非通紙領域Wβの温度が下がるのに連れて、ヒーター45bの加熱領域47bから外れている非加熱領域Wγの温度も下がるので、非加熱領域Wγの温度が定着温度よりも低くなる前に、使用するヒーターをヒーター45bからヒーター45aに切り替えるものである。
非加熱領域Wγの温度が定着温度よりも下回ることがないように、非通紙領域Wβの温度が定着温度よりも数〔℃〕程度まで下がった時点でヒーター45bからヒーター45aへの切替が行われるように、所定値2の大きさを設定することが望ましい。
このフラグ設定処理により、B4サイズの用紙Sに対するプリント中において、定着ベルト43の非通紙領域Wβの温度が過昇温域まで昇温することを防止して定着部40の各部に熱によるダメージを与えることを防止することができ、かつ非加熱領域Wγの温度が定着温度よりも低くなることを防止して、定着性の劣化を防止することができる。
なお、上記では温度Tbと温度Tzの差分の大きさと所定値との大小関係からヒーターを選択するとしたが、温度の差分に限られず、例えば温度比と所定値との大小関係に基づきヒーターの選択を行う構成をとることもできる。
また、上記ではヒーター選択処理において、用紙サイズが中間サイズのときにだけフラグ設定処理を行うとしたが、これに限られず、例えば大サイズ(A3)のときもフラグ設定処理を行うとしても良い。A3サイズの場合、用紙幅方向の全体が通紙領域になるので、温度TbとTzの差がほとんどなく、このためフラグ設定処理においてヒーターフラグが最初にロングに設定されれば、ステップS32ではいつも「NO」と判断されてロングが継続され、A3サイズの用紙に対してヒーター45aが選択されることになる。
図6に戻って、ステップS5のヒーター切替処理では、現在のヒーターフラグがロングに設定されている場合には、ヒーター切替部63により商用電源80からの電力の供給先がヒーター45aに切り替えられ、ショートに設定されている場合には、ヒーター45bに切り替えられる。これにより、ヒーター選択部62で選択されたヒーターに商用電源80からの電力が供給され、そのヒーターによる定着ベルト43の加熱が行われる。
ステップS6では、ヒーター点灯制御が実行される。
図11は、ヒーター点灯制御のサブルーチンの内容を示すフローチャートであり、この制御は、点灯制御部64により実行される。
同図に示すように、温度Ta1を取得する(ステップS41)。温度Ta1は、上記のように温度検出センサー46aにより検出された温度値Ta0に対して第2平均化処理を施したものである。
取得した温度Ta1が定着温度よりも高いか否かを判断する(ステップS42)。
Ta1>定着温度であれば(ステップS42で「YES」)、ヒーターの消灯を示す制御信号をスイッチング部65に出力して(ステップS43)、リターンする。この場合、スイッチング部65においてスイッチ89が開けられるので、ヒーター選択部62で選択されたヒーターへの商用電源80からの電力供給が遮断されることによりヒーターが消灯して、定着ベルト43の表面温度が低下する。
一方、Ta1≦定着温度であれば(ステップS42で「NO」)、ヒーターの点灯を示す制御信号をスイッチング部65に出力して(ステップS44)、リターンする。この場合、スイッチング部65においてスイッチ89が閉じられるので、ヒーター選択部62で選択されたヒーターへの商用電源80からの電力が供給されることによりヒーターが点灯して、定着ベルト43への加熱が行われ、定着ベルト43の表面温度が上昇する。
以上、説明したように本実施の形態では、B4サイズの用紙Sに対するプリント中に実行されるヒーター切替制御において、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aによる検出温度を、温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bの温度検出特性に対応する温度Tzに補正係数Bにより補正して、補正後の温度Tzと、温度検出センサー46bにより得られる温度Tbの差分に基づき、使用すべきヒーターを選択する構成とした。
従って、温度応答特性の違いによる時間的な検出遅れの影響を受け難くなり、ベルト幅方向中央部に対するベルト幅方向端部の温度差を検出遅れの影響をほとんど受けずに検出することが可能になり、単に温度検出センサー46a,46bによる検出温度の差分をとる構成に比べて、ヒーター切替タイミングを適時に行うことができ、ヒーターの切替遅れによる定着ベルト43の温度変動を抑制することができる。
これにより、非通紙領域Wβの過昇温を防止して定着部40の各部に熱によるダメージを与えることを防止しつつ、非加熱領域Wγの温度低下を防止して、B4サイズの用紙Sの非加熱領域Wγに相当する部分の熱による定着性の劣化を防止することができる。
なお、上記では温調制御部57がプリンター1の制御部50に設けられる構成例を説明したが、これに限られず、例えば温調制御部57が制御部50とは別に設けられる構成であるとしても良い。
本発明は、定着装置およびこれを備える画像形成装置に限られず、定着部40のヒーターを選択して、選択したヒーターに電力を供給する定着制御方法であるとしてもよい。さらに、その方法をコンピュータが実行するプログラムであるとしてもよい。また、本発明に係るプログラムは、例えば磁気テープ、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、DVD−ROM、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R、MO、PDなどの光記録媒体、フラッシュメモリ系記録媒体等、コンピュータ読み取り可能な各種記録媒体に記録することが可能であり、当該記録媒体の形態で生産、譲渡等がなされる場合もあるし、プログラムの形態でインターネットを含む有線、無線の各種ネットワーク、放送、電気通信回線、衛星通信等を介して伝送、供給される場合もある。
(変形例)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、補正係数Bを(式2)としての(a−b×T3)を用いて求めるとしたが、これに限られない。補正係数Bは、温度Taを、温度検出センサー46bと同等の温度応答特性の場合に得られるであろう温度Tzに補正することができる値であれば良く、例えば(式2)の係数bを0として(温度変化量T3を考慮せずに)、補正係数Bを係数aとする構成をとることもできる。
図12は、補正係数Bを係数aと等しいとした場合に温度Taに補正係数B(=a)を乗算して得られた補正後の温度Tdと、温度Tbとの関係を示すグラフである。
同図に示すように、プリント中において温度TdとTbのグラフは、ほとんど重なっているが、部分的、例えば時刻t1を見ると、ある程度の温度差が生じていることが判る。補正係数Bを(式2)から求めた実施形態におけるグラフ(図8(b))の同時刻t1を見ると、図12よりも温度差が少なくなっており、この温度差の大小は、温度変化量T3を考慮するか否かにより生じているものと考えられる。
このことから温度変化量T3を考慮した方が温度検出センサー46a,46bの温度応答特性の差をより縮められることが判るが、例えばこれを考慮しなくてもヒーター切替に支障が生じないような装置構成であれば、温度変化量T3の算出や係数bへの乗算などの処理を省くことにより、制御部50による演算処理の負担を軽減することが可能になる。
なお、上記では、温度Taに補正係数Bを乗算して温度Tzを求めたが、これに限られない。温度Taを温度Tzに補正することができれば良く、補正係数の適用の有無に関わらず、別の式を用いて同じ結果を得るようにすることもできる。
また、上記の式1では、第1平均温度T1と第2平均温度T2の差分を時間dで除した値を温度変化量T3としたが、温度変化量を算出することができれば式1に限られず、第1平均温度T1と第2平均温度T2の差分を項として含む別の数式を用いるとしても良い。また、式を用いる方法に限られず、別の方法、例えば温度TaとTzを対応付けたテーブルなどの情報を式と同等の情報として参照することにより温度Tzを得る方法をとるとしても良い。
(2)さらに、上記実施の形態とは異なる方法で補正後の温度Tzを求めることもできる。図13は、変形例に係る方法で補正後の温度Tzを求めた場合の温度TzとTbの関係を示す図であり、(a)は、温度検出センサー46aによる検出温度Ta0を移動平均して得られた温度Taveと温度Tbの関係を示し、(b)は、温度Tbと、温度Taveに係数a(=0.96)を乗算して得られた温度Tzとの関係を示している。
温度Taveは、例えばサンプリング間隔を0.05秒間隔とした場合、1回のサンプリング毎に、検出温度Ta0にノイズ除去のための平均化処理を施すと共に、現在から過去4秒間におけるノイズ除去後の80個の温度値を平均化して得られた温度である。
一方、温度Tbは、上記同様のノイズ除去のための平均回数が5回の平均化処理を施して得られた温度である。
温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aによる検出温度に対する平均回数(平均時間を長くとることに相当)を温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bによる検出温度に対する平均回数よりも多くとることにより、温度検出センサー46aの見かけ上の温度応答特性を悪くして、温度検出センサー46bの温度応答特性に合わせる方法をとることもできる。
すなわち、温度検出センサー46bは、温度応答特性により瞬時の温度変化を読み取り難く、図13(a)に示すようにグラフに平坦な部分を多く含む温度波形になり易い。このような温度波形に温度検出センサー46aの温度波形を近づけるには、温度検出センサー46aによる検出温度Ta0を、多くの平均回数をとって移動平均して、検出温度Ta0の変動成分を平滑化することが効果的であるからである。
図13(b)に示すように、温度検出センサー46aによる検出温度Ta0を移動平均した温度値Taveに係数a(=0.96:ここでは、aを補正係数Bとする。)を乗算して得られた温度Tzのグラフを見ると、温度Tbのグラフに略重なっており、当該変形例(2)による方法を用いても、実施の形態と同様にヒーター切替を適時に行えることが判る。上記では、係数bを用いていないがこれを用いるとしても良い。
平均をとる時間や平均回数は、上記に限られないが、時間や平均回数が多くなると、演算に要する時間がかかったり処理の負担が増えたりするので、適した時間や回数が予め決められる。また、移動平均は、例えば個々の温度値に重み付けを付ける方法などを用いても良い。
さらに、例えば、係数a,bを用いずに、温度検出センサー46aの検出温度に対して移動平均をとるときの各温度値(ノイズ除去後のもの)に所定の係数をかける方法をとることもできる。
この場合も上記と同様に、温度検出センサー46aに対する平均回数(例えば、80回)を温度検出センサー46bに対する平均回数(例えば、5回)よりも多くとることにより、温度検出センサー46aの見かけ上の温度応答特性を悪くしつつ、温度検出センサー46aと46bの温度応答特性の違いによる時間的な応答遅れがどの程度、現在の検出温度に影響して温度差となって現れるのかを実験などから求めて、その求めた温度差がなくなる方向に温度検出センサー46aによる検出温度が補正されるように、移動平均をとるときの各温度値に適用すべき係数を予め決めることにより、温度検出センサー46aによる検出温度を、温度検出センサー46bで検出されたならば得られるであろう温度に補正することができるようになる。
なお、温度検出センサー46aの温度応答特性を見かけ上、温度検出センサー46bの温度応答特性に合わせることができる方法であれば、上記のそれぞれの方法に限られず、他の方法をとるとしても構わない。
(3)また、図2に示すように熱源であるヒーター45a(第1加熱手段)がA3サイズに対応する加熱領域47aを有し、ヒーター45b(第2加熱手段)がA4サイズに対応する加熱領域47bを有する構成としたが、これに限られない。例えば、加熱領域47aのうち、加熱領域47bと重ならない領域(WβとWγを合わせた領域)を両端部領域と仮定したとき、ヒーター45aに代えて、両端部領域だけを加熱する別の端部ヒーターを設けることもできる。
この場合、ヒーター45bを中央ヒーターとすると、フラグ設定処理においてヒーターフラグにロングが設定されると、ヒーター点灯制御では、中央ヒーターと端部ヒーターが第1加熱手段として点灯対象となり、ショートが設定されると、中央ヒーターだけが第2加熱手段として点灯対象とされる。
さらに、例えば別の加熱方式である電磁誘導加熱方式が採用される場合には、加熱領域47aを加熱するためのメインコイルをベルト幅方向に沿って配置すると共に、上記の両端部領域の温度を下げるための消磁コイルを当該両端部領域に対応する位置に、メインコイルのベルト幅方向両端部に重ねるように配置する構成をとることもできる。
この場合、フラグ設定処理においてヒーターフラグにロングが設定されると、ヒーター点灯制御では、消磁コイルによる消磁作用を動作させずにメインコイルによる加熱制御を行い(第1加熱手段の選択に相当)、ショートが設定されると、メインコイルによる加熱制御に加えて消磁コイルによる消磁作用を動作させる制御(第2加熱手段の選択に相当)が行われる。
(4)上記実施の形態では、温度応答特性の良い方の温度検出センサー46aをベルト幅方向中央部の温度を検出するためのセンサーとして用い、温度検出センサー46aよりも温度応答特性の悪い方の温度検出センサー46bをベルト幅方向端部の温度を検出するためのセンサーとして用いるとしたが、これに限られない。
例えば、温度検出センサー46aをベルト幅方向端部の温度を検出するためのセンサーとして用い、温度検出センサー46bをベルト幅方向中央部の温度を検出するためのセンサーとして用いる構成をとることもできる。例えば、温度応答特性の差があまりない場合に適用できる。
この場合には、例えば温度応答特性の悪い方の温度検出センサーの当該特性を、温度応答特性の良い方の温度検出センサーの当該特性に合わせるための補正係数を用いて、ベルト幅方向中央部の温度と端部の温度をそれぞれ検出する構成としても良い。実施の形態とは、温度応答特性を合わせる側と合わせられる側の関係が逆になるが、この逆になる構成を実施の形態に適用することも可能である。
(5)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型カラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。カラーやモノクロの画像形成に関わらず、シート上の未定着画像を熱定着するための定着部を備える画像形成装置であれば、例えば複写機、FAX、MFP(Multiple Function Peripheral)等に適用できる。
シート上の未定着画像をシートに熱定着する定着部材として、上記実施の形態では定着ベルト43を用いた構成例を説明したが、ベルト状のものに限られず、例えばローラー状のものとしても良い。また、定着部材を用紙幅方向に所定の第1領域を加熱する第1加熱手段(ヒーター45a)と、第1領域よりも狭く、第1領域に重なる第2領域のみを加熱する第2加熱手段(ヒーター45b)としてハロゲンランプヒータを用いる構成例を説明したが、定着部材を加熱することが可能なヒーターであれば、他の種類のヒーターであっても良く、また他の加熱方式、例えば抵抗発熱体に電力を供給する方式や電磁誘導加熱方式などであっても構わない。
また、上記実施の形態では、最大サイズの用紙SをA3、最小サイズの用紙SをA4、中間サイズの用紙SをB4としたが、用紙幅の異なる用紙(シート)を選択的に使用可能な構成であれば、上記のサイズに限られることはない。
なお、中間サイズの用紙Sとして用紙幅の異なる複数の用紙Sが選択的に使用される場合には、使用される用紙Sの用紙幅によって、定着ベルト43における非通紙領域Wβの用紙幅方向の長さが変わるが、どの中間サイズの用紙Sについても非通紙領域Wβとなる部分(加熱領域47a内の最も端部寄りの部分)の温度を検出可能な位置に温度検出センサー46bを配置することにより、非通紙領域Wβの温度を検出することができる。
さらに、定着部材における第2領域の温度と、定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分の温度とを検出する温度検出手段として、非接触式のサーミスタを用いた構成例を説明したが、温度を検出するものであれば、これに限られず、例えばサーモパイルや熱電対などでも良く、また接触式としても構わない。また、温度検出センサー46aによる検出温度に基づきヒーター点灯制御を行うとしたが、これに限られず、例えば別の温度センサー(不図示)を用いる構成をとるとしても良い。
また、用紙Sの幅方向中央が搬送路39の幅方向中央に一致する姿勢で用紙Sを搬送するセンター基準の搬送方式の例を説明したが、これに限られず、例えば搬送路39の幅方向一方端の位置を搬送基準にして用紙Sの一方端がその搬送基準に沿うように用紙Sを搬送する、いわゆる片側基準の搬送方式による場合も適用可能である。
この場合、図2において例えば加熱領域47aの幅方向一方端(左端)を搬送基準とすれば、加熱領域47a,47bは、加熱領域47aに対して、加熱領域47bがその幅方向一方端(左端)が搬送基準に位置するように左側にずれたような位置関係になる。加熱領域47bが用紙幅方向に加熱領域47aよりも狭く、加熱領域47aに重なる領域であること、温度検出センサー46aが加熱領域47bに属する部分(中央部)の温度を検出すること、および温度検出センサー46bがB4サイズの用紙Sにおける非通紙領域Wβに属する部分(端部)の温度を検出することに変わりはない。
さらに、定着ローラー41、加熱ローラー42、定着ベルト43、ヒーター45a,45bなどの各部材の寸法、材料、構成などや、上記の係数a,b、所定値1,2、時間dなどを含む数値が上記のものに限られないことはいうまでもない。また、商用電源80によるAC(交流)電力を供給する構成例を説明したが、これに限られず、例えばヒーターによってはDC(直流)電力を供給する構成としても良い。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしても良い。
本発明は、シート上の未定着画像を定着部材の熱によりシートに定着する定着装置および画像形成装置に広く適用することができる。
1 プリンター
40 定着部
43 定着ベルト
45a,45b ヒーター
46a,46b 温度検出センサー
47a,47b 加熱領域
50 制御部
57 温調制御部
61 補正部
62 ヒーター選択部
63 ヒーター切替部
64 点灯制御部
65 スイッチング部
71 平均化処理部
72 温度情報格納部
73 補正係数算出部
74 係数保持部
75 温度補正部
a,b 係数
B 補正係数
S 用紙
Ta0 温度応答特性の良い方の温度検出センサーによる検出温度
Tb0 温度応答特性の悪い方の温度検出センサーによる検出温度
Ta,Tb 温度Ta0,Tb0に第1平均化処理を施した温度
Ta1 温度Ta0に第2平均化処理を施した温度
Tz 補正後の温度
Wα 通紙領域
Wβ 非通紙領域
Wγ 非加熱領域

Claims (16)

  1. シート上の未定着画像を定着部材の熱によりシートに定着する定着装置であって、
    前記定着部材における、シートの幅方向に所定の第1領域を加熱する第1加熱手段と、
    前記定着部材における、シートの幅方向に第1領域よりも狭く、第1領域に重なる第2領域のみを加熱する第2加熱手段と、
    前記定着部材における第2領域の温度を検出する第1温度検出手段と、
    前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分の温度を検出する第2温度検出手段と、
    第1温度検出手段と第2温度検出手段のうち、温度応答特性の良い方の温度検出手段による検出温度を温度応答特性の悪い方の温度検出手段の温度応答特性に対応する温度に補正する補正手段と、
    前記補正後の温度と、温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度とに基づいて、加熱に用いるべき加熱手段を第1加熱手段と第2加熱手段から選択する選択手段と、
    選択された加熱手段に電力を供給する電力供給手段と、
    を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記温度応答特性の良い方の温度検出手段が第1温度検出手段であり、前記温度応答特性の悪い方の温度検出手段が第2温度検出手段であることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記補正手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に、見かけ上、前記第1温度検出手段の温度応答特性を前記第2温度検出手段の温度応答特性に合わせるための補正係数を適用することにより、前記補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記補正手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に前記補正係数を乗算することにより前記補正を行い、
    前記補正係数は、
    0よりも大きく1よりも小さい所定の係数aであることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記補正手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に前記補正係数を乗算することにより前記補正を行い、
    前記補正係数は、
    0よりも大きく1よりも小さい所定の係数aから、前記第1温度検出手段による、現在から所定時間遡った時間までの間における検出温度の温度変化量に所定の係数bを乗算した値を差し引いた値であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  6. 前記温度変化量は、
    現在から過去に所定の時間dを遡った第1時点までの間における検出温度の平均を第1平均温度T1、第1時点からさらに過去に時間dを遡った第2時点までの間における検出温度の平均を第2平均温度T2としたとき、第1平均温度T1と第2平均温度T2の差分を項として含む数式、もしくは同等のテーブルにより求められることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記補正手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に対して、所定の平均化処理を施した上で、前記補正係数を適用することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記所定の平均化処理は、
    移動平均を含む処理であることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記補正手段は、
    前記第2温度検出手段による検出温度に対して前記移動平均よりも平均回数が少ない別の平均化処理を施し、
    前記選択手段は、
    前記別の平均化処理が施された温度を、前記第2温度検出手段による検出温度として、前記選択を行うことを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記電力供給手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に対して前記移動平均よりも平均回数が少ない平均化処理を施した温度に基づき、選択された加熱手段に対する電力の供給を制御することを特徴とする請求項8または9に記載の定着装置。
  11. 前記補正手段は、
    前記第1温度検出手段による検出温度に対して、前記補正係数として所定の移動平均をとるときに適用すべき予め決められた係数を乗算した上で、前記所定の移動平均処理を施すことにより、前記補正を行うことを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  12. 前記選択手段は、
    前記温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度から前記補正後の温度を差し引いた値である差分の大きさに基づき前記選択を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記選択手段は、
    前記差分が第1所定値以上の場合に第2加熱手段を選択し、前記差分が0以上かつ前記第1所定値よりも小さい第2所定値以下の場合に第1加熱手段を選択することを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分は、
    シートの幅方向長さが第1領域の長さよりも短く、第2領域の長さよりも長いシートが用いられる場合に、シートの幅方向に当該シートの非通紙領域に属する部分であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. シート上の未定着画像を定着部材の熱によりシートに定着する定着部を備える画像形成装置であって、
    前記定着部として、請求項1〜14のいずれか1項に記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  16. 定着部材における、シートの幅方向に所定の第1領域を加熱する第1加熱手段と、シートの幅方向に第1領域よりも狭く、第1領域に重なる第2領域のみを加熱する第2加熱手段を備え、シート上の未定着画像を前記定着部材の熱によりシートに定着する定着装置が実行する定着制御方法であって、
    前記定着部材における第2領域の温度を第1温度検出手段により検出する第1温度検出ステップと、
    前記定着部材における第1領域のうち、第2領域と重ならない部分の温度を前記第1温度検出手段とは温度応答特性が異なる第2温度検出手段により検出する第2温度検出ステップと、
    第1温度検出手段と第2温度検出手段のうち、温度応答特性の良い方の温度検出手段による検出温度を温度応答特性の悪い方の温度検出手段の温度応答特性に対応する温度に補正する補正ステップと、
    前記補正後の温度と、温度応答特性の悪い方の温度検出手段による検出温度とに基づいて、加熱に用いるべき加熱手段を第1加熱手段と第2加熱手段から選択する選択ステップと、
    選択された加熱手段に電力を供給する電力供給ステップと、
    を含むステップを実行することを特徴とする定着制御方法。
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