JP7250550B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、特に、電子写真プロセス等を利用したカラー画像形成装置に関する。
従来、画像形成装置の定着装置は、電子写真プロセス等の画像形成手段により記録紙上に形成された未定着画像(トナー像)を記録紙上に定着させるものである。画像形成装置では、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式の定着装置やセラミックヒータを熱源とするフィルム加熱方式の定着装置が用いられている。このようなヒータを熱源とする定着装置を有する画像形成装置においては、発熱体の長さよりも短い幅の記録紙(以下、小サイズ紙という)を定着ニップ部に通す(以下、通紙するという)と、次のような現象が発生する場合がある。すなわち、発熱体が発熱している領域かつ記録紙が通紙していない領域(以下、非通紙領域という)において、記録紙が通紙している領域(以下、通紙領域という)に比べて温度が高くなってしまう現象(以下、非通紙部昇温という)が発生する場合がある。非通紙領域において温度が高くなりすぎると、ヒータを支持する部材等、周囲の部材に影響を及ぼす場合がある。そこで、長さの異なる複数の発熱体と、発熱する発熱体を排他的に切り替えることができる切り替えリレーとを備える定着装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成によって、通紙する記録紙の幅に合わせた長さの発熱体を選択的に用いることで非通紙部昇温を防止する。
特開2001-100558号公報
従来の画像形成装置では、定着処理に用いられる発熱体は、記録紙の幅方向のサイズに応じて選択される。このため、発熱体の幅よりも画像サイズが小さいような印刷を行う場合に、通紙領域かつ画像が形成されない非画像領域においても発熱体に電力が供給されている。そのため、発熱体を発熱させる必要のない非画像領域においては、電力を過度に消費している。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも長手方向の長さである幅が短い第2の発熱体と、を少なくとも有するヒータと、前記ヒータにより加熱される第1の回転体と、前記第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体と、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給するための電力供給経路を切り替える切替手段と、前記切替手段を制御する制御手段と、を備え、記録材が前記ニップ部を通過することで、前記ニップ部で記録材に担持された未定着のトナー像を熱により定着する定着装置であって、前記制御手段は、記録材の前記長手方向の長さである幅が前記第2の発熱体の幅よりも長い第1の記録材に担持された、前記長手方向の長さである幅が前記第2の発熱体の幅以下である画像に定着処理を行う場合に、前記ニップ部における前記第2の発熱体に対応する領域外であり、且つ前記第1の記録材が通過する領域の温度に応じて、前記第1の発熱体を用いて定着処理を行うか、又は前記第2の発熱体を用いて定着処理を行うかを選択し、前記第1の記録材に形成される画像の幅が前記第2の発熱体の幅以下であり、かつ、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記長手方向における端部の温度が所定の温度以上である場合に、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材への定着処理を行い、前記第1の記録材に形成される画像の幅が前記第2の発熱体の幅以下であっても、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記端部の温度が前記所定の温度未満である場合には、前記第1の発熱体を用いて前記第1の記録材への定着処理を行い、前記第1の記録材が前記ニップ部を通過する前と後の前記長手方向における前記ニップ部の中央部の温度及び前記端部の温度と、前記第1の記録材が前記ニップ部を通過することによって前記ニップ部の端部において温度が降下する度合いと、に基づいて、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記端部の温度を推測することを特徴とする定着装置。
(2)記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、記録材上の未定着のトナー像を定着する前記(1)に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
実施例1、2のカラー画像形成装置の概略を示す断面図 実施例1、2の定着装置の長手方向の中央部付近の断面模式図、ヒータ及び電力制御部の模式図 実施例1の画像形成装置のブロック図 実施例1の発熱体切り替え制御を示すフローチャート 実施例2の画像形成装置のブロック図 実施例2の発熱体切り替え制御を示すフローチャート 実施例3のヒータ及びヒータ制御回路を示す図 実施例3の発熱体切り替え制御を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施例において、記録紙を定着ニップ部に通すことを、通紙するという。また、発熱体が発熱している領域で、記録紙が通紙していない領域を非通紙領域(又は非通紙部)といい、記録紙が通紙している領域を通紙領域(又は通紙部)という。更に、非通紙領域が通紙領域に比べて温度が高くなってしまう現象を、非通紙部昇温という。
[画像形成装置]
図1は、実施例1のタンデム方式(4ドラム系)のカラー画像形成装置の構成図である。ここで、各符号の英文字aはイエロー(Y)、bはマゼンタ(M)、cはシアン(C)、dはブラック(Bk)の構成及びユニットを示す。なお、以下の説明において、特定のユニットを説明する場合を除いて英文字a,b,c,dを省略する。
以下でカラー画像形成装置の動作について説明する。カラー画像形成装置は、少なくとも1つの給紙部を備えており、実施例1では複数の給紙部であるカセット16m及びカセット16nを備えている。カセット16mとカセット16nは、幅センサ160m、160nと、紙有無センサ102m、102nと、ピックアップローラ17m、17nを有している。幅センサ160m、160nは、積載されている記録材である用紙Pの幅方向(搬送方向に略直交する方向)の長さ(以下、サイズともいう)を検知するセンサである。幅センサ160m、160nの検知結果に基づいて、後述するエンジンコントローラ92は、カセット16m、16nに積載された用紙Pの幅方向のサイズが長さL2(図2(b)参照)より大きいか長さL2以下(幅以下)かを判断することができる。紙有無センサ102m、102nは、カセット16m、16nに積載された用紙Pの有無を検知することができる。ピックアップローラ17m、17nは、カセット16m、16nに積載された用紙Pを給送するためのローラである。
カセット16m、16nに積載された用紙Pは、ピックアップローラ17m、17nによってカセット16m又はカセット16nのどちらか一方から繰り出された後、搬送ローラ対140、150によって搬送される。給送された用紙Pは、搬送ローラ対140、150によりレジストレーションローラ(以下、レジストローラという)18に搬送される。その後、用紙Pは、レジストセンサ111によって用紙Pの先端位置が検知されると搬送が一旦停止される。一方、露光装置11は、反射ミラーやレーザダイオード(発光素子)等を含み、回転駆動される感光体としての感光ドラム1に対し、順次、走査ビーム12を照射する。このとき、感光ドラム1は、帯電ローラ2によって予め帯電されている。各帯電ローラ2からは例えば-1200Vの電圧が出力されており、感光ドラム1表面は例えば-700Vで帯電されている。この帯電電位において走査ビーム12の照射によって静電潜像を形成すると、静電潜像が形成された箇所の電位は例えば-100Vとなる。現像ユニット8の現像ローラ4は例えば-350Vの電圧を出力し、感光ドラム1の静電潜像にトナーを供給し、感光ドラム1上にトナー像を形成する。1次転写ローラ10は、例えば+1000Vの正極性の電圧を出力し、感光ドラム1上のトナー像を、中間転写ベルト13(無端状ベルト)に転写する。ここで、感光ドラム1から中間転写ベルト13へ転写されなかったトナーは、クリーニングユニット3の回収ブレード33によって回収される。
なお、露光装置11及び感光ドラム1を含む、帯電ローラ2、現像ユニット8及び1次転写ローラ10等のトナー像を形成するために直接的に係る部材群のことを画像形成部(画像形成手段)という。また、感光ドラム1の周囲に近接して配置され、感光ドラム1に作用する各部材(帯電ローラ2、現像ローラ4及び1次転写ローラ10)のことを、プロセス手段であるプロセス部材という。プロセス部材には、複数種類の部材を相当させることができる。
中間転写ベルト13は、テンションローラ14、補助ローラ19、2次転写対向ローラ15によって周回駆動され、トナー像を2次転写ローラ25の位置(以下、2次転写位置という)へ搬送する。このとき、用紙Pは、2次転写ローラ25の2次転写位置において、搬送されたトナー像とタイミングが合うよう搬送が再開される。そして、2次転写ローラ25によって中間転写ベルト13から用紙P上(記録材上)にトナー像が転写される。ここで、中間転写ベルト13から用紙Pへ転写されなかったトナーは、クリーニングユニット27のクリーニングブレード277によって回収される。その後、フィルム51及び加圧ローラ53を有する定着手段である定着装置50によって用紙Pに担持されたトナー像が加熱定着された後、用紙Pは装置外へ排出される。
[定着装置]
次に、実施例1における定着装置50の構成について図2を用いて説明する。ここで、長手方向とは、後述する用紙Pの搬送方向と略直交する加圧ローラ53の回転軸方向のことである。また、搬送方向に略直交する方向(長手方向)の用紙Pの長さを幅という。図2(a)は、定着装置50の断面模式図、図2(b)はヒータ54と電力制御部97の模式図である。
図2(a)左側から未定着のトナー像Tnを保持した用紙Pが、定着ニップ部Nにおいて図中左から右に向けて搬送されながら加熱されることにより、トナー像Tnが用紙Pに定着される。実施例1における定着装置50は、円筒状のフィルム51と、フィルム51を保持するニップ形成部材52と、フィルム51と共に定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ53と、用紙Pを加熱するためのヒータ54と、により構成されている。
第1の回転体であるフィルム51は加熱回転体としての定着フィルムである。実施例1では、基層として、例えばポリイミドを用いている。基層の上に、シリコーンゴムからなる弾性層、PFAからなる離型層を用いている。フィルム51の回転によるニップ形成部材52及びヒータ54とフィルム51との間に生じる摩擦力を低減するために、フィルム51の内面には、グリスが塗布されている。
ニップ形成部材52はフィルム51を内側からガイドするとともに、フィルム51を介して加圧ローラ53との間で定着ニップ部Nを形成する役割を果たす。ニップ形成部材52は剛性・耐熱性・断熱性を有する部材であり、液晶ポリマー等により形成されている。フィルム51はこのニップ形成部材52に対して外嵌されている。第2の回転体である加圧ローラ53は加圧回転体としてのローラである。加圧ローラ53は、芯金53a、弾性層53b、離型層53cからなる。加圧ローラ53は、両端を回転可能に保持されており、定着モータ(不図示)によって回転駆動される。また、加圧ローラ53の回転により、フィルム51は従動回転する。加熱部材であるヒータ54は、ニップ形成部材52に保持され、フィルム51の内面と接している。基板54a、発熱体54b1、54b2、保護ガラス層54e、定着温度センサ59については後述する。
[ヒータと電力制御部]
(ヒータ)
ヒータ54について、図2(b)を用いて詳しく説明する。ヒータ54は、基板54a、複数の発熱体である発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1~54d3、保護ガラス層54eからなる。基板54a上に、発熱体54b1、54b2、導体54c、接点54d1~54d3が形成され、その上に発熱体54b1、54b2とフィルム51との絶縁を確保するために保護ガラス層54eが形成されている。第1の発熱体である発熱体54b1と第2の発熱体である発熱体54b2とは、長手方向の長さ(以下、サイズともいう)が異なっている。具体的には、発熱体54b1の長手方向の長さがL1であり、発熱体54b2の長手方向の長さがL2であり、長さL1と長さL2は、L1>L2の関係になっている。発熱体54b1の長さL1は、この画像形成装置によって印刷する(又は、搬送する)ことが可能な用紙Pのうち最大の幅(以下、最大通紙幅という)を有する用紙Pを定着可能な長さになっている。以下、長さL1の用紙PをL1幅の用紙P、長さL2の用紙PをL2幅の用紙Pともいう。発熱体54b1は導体54cを介して接点54d1、54d3に電気的に接続されており、発熱体54b2は導体54cを介して接点54d2、54d3に電気的に接続されている。すなわち、接点54d3は、発熱体54b1、54b2に共通して接続されている接点である。
定着温度センサ59は、基板54aに対して保護ガラス層54eと反対の面に位置し、かつ発熱体54b1、54b2の長手方向における中心位置に設置され、基板54aと接している。定着温度センサ59は例えばサーミスタであり、ヒータ54の温度を検知し、検知結果をエンジンコントローラ92に出力する。エンジンコントローラ92は、定着温度センサ59の検知結果に基づいて、定着処理時の温度を制御する。
(電力制御部)
図2(b)には定着装置50の制御回路である電力制御部97も示している。定着装置50の電力制御部97は、発熱体54b1、54b2(ヒータ54)、交流電源55、双方向サイリスタ(以下、トライアックという)56、切替手段である発熱体切り替え器57からなる。トライアック56は、交流電源55から発熱体54b1、54b2へ電力を供給する際に導通し、交流電源55から発熱体54b1、54b2への電力の供給を遮断する際に非導通となる。トライアック56は、電力のヒータ54への供給を接続又は遮断する接続手段として機能する。エンジンコントローラ92は定着温度センサ59の検知結果である温度情報に基づいて、発熱体54b1、54b2を目標温度(目標となる定着温度)に制御するために必要な電力を算出し、トライアック56を導通又は非導通に制御する。
また、発熱体切り替え器57は、実施例1では例えばC接点リレーである。発熱体切り替え器57は、接点54d1と接点54dとの電気的な経路(電力供給経路)を接続状態(以下、短絡状態ともいう)又は開放状態にする。具体的には、発熱体切り替え器57は、交流電源55に接続された接点57aと、接点54d1に接続された接点57b1と、接点54d2に接続された接点57b2と、を有する。発熱体切り替え器57は、エンジンコントローラ92の制御によって、接点57aと接点57b1とが接続された状態と、接点57aと接点57b2とが接続された状態と、のいずれか一方の状態となる。発熱体切り替え器57の切り替えによって、発熱体54b1、54b2のどちらに電力を供給するかを排他的に選択する。すなわち、発熱体切り替え器57は、ヒータ54を発熱体54b1及び発熱体54b2のいずれか一方に切り替える。発熱体切り替え器57は、発熱体54b1又は発熱体54b2に電力を供給するための電力供給路を切り替える。発熱体切り替え器57はエンジンコントローラ92からの信号を受けて切り替えを行う。C接点リレーである発熱体切り替え器57の接点溶着を防止するため、発熱体切り替え器57の切り替えは、トライアック56が非導通となっている状態(発熱体54b1又は発熱体54b2への電力供給が遮断されている状態)で行われる。以下、発熱体54b1、54b2を発熱体54bと総称することもある。
ここで、発熱体54b1の端部と発熱体54b2の端部との間の領域について、図2(b)中、左側を領域AL、右側を領域AR(発熱体54b2に対応する領域外)と表記する。幅が長さL2以下の用紙Pを通紙する場合、発熱体切り替え器57が発熱体54b2を選択して発熱体54b2を発熱させるようにする。これにより、発熱体54b1を発熱させた場合に非通紙部領域となる領域AL、ARにおいて、発熱体54b2を発熱させた場合には領域AL、ARにおける非通紙部昇温を防止することができる。
[機能ブロック図]
図3は、制御手段であるエンジンコントローラ92に係る機能ブロックと、外部機器400、ビデオコントローラ91、ハードウェア403を示した図である。エンジンコントローラ92における、発熱体選択部421、発熱体制御部422、定着温度検知部423、蓄熱状況判断部434のそれぞれは機能ブロックを示す。また、トライアック56、発熱体切り替え器57、定着温度センサ59のそれぞれはハードウェア403を構成する。トライアック56、発熱体切り替え器57は電力制御部97でもある。以下、それぞれについて具体的に説明する。
ビデオコントローラ91は、ホストコンピュータ等の外部機器400から、印刷に必要な情報を受け取り、エンジンコントローラ92に送信する。ここで、印刷に必要な情報とは、例えば、印刷に使用するカセット16のどの給紙口を使用するかの指定情報、印刷に使用する用紙Pのサイズ情報や紙種情報、印刷するカラーモード情報、印刷対象の画像データ情報等を含む。ビデオコントローラ91は、印刷に使用される用紙Pのサイズ情報として、A4やA5等の定型サイズ、フリーサイズ、ANYサイズ等を指定することができる。ここで、フリーサイズとは、定型サイズには含まれないサイズで長さと幅を自由に設定できるサイズをいい、ANYサイズとは、サイズ情報を指定しないサイズをいう。
定着温度検知部423は、定着温度センサ59から取得した情報に基づいて定着装置50(すなわち定着ニップ部N)の温度を算出する。発熱体制御部422は、定着温度検知部423が算出した温度に基づいて、発熱体54bへ電力を供給する場合はトライアック56をオンし、発熱体54bへ電力を供給しない場合はトライアック56をオフする。蓄熱状況判断部434は、発熱体制御部422によって電力が供給されている発熱体54bと印刷の状況とに基づいて、定着装置50の少なくとも1か所以上の温度を推測する。蓄熱状況判断部434は、例えば、定着装置50、より詳細には定着ニップ部Nの長手方向における端部の温度を推測する。
[実施例1の説明]
実施例1では、用紙Pの幅が広くても用紙Pに転写する(以下、印刷するという)画像の幅(以下、画像幅という)が狭い場合は、画像幅に応じた幅の狭いヒータ54へ切り替える方法について説明する。図4は実施例1の発熱体切り替え制御を示すフローチャートである。ステップ(以下、Sとする)500でエンジンコントローラ92は、ビデオコントローラ91から、次に印刷するページの印刷情報を受信しているか否かを判断する。ここでの印刷情報とは、用紙Pに印刷する画像サイズと用紙Pのサイズとで構成される。なお、用紙Pのサイズは、幅センサ160m、160nの検知結果に基づいた情報であってもよい。
S500でエンジンコントローラ92は、次の印刷情報を受信していると判断した場合、処理をS501に進め、受信していないと判断した場合、処理を終了する。S501でエンジンコントローラ92は、S500で受信した印刷情報を参照し、用紙Pの幅方向の長さである用紙幅Lpが発熱体54b2の長さL2以下(Lp≦L2)か否かを判断する。S501でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL2以下の第2の記録材である(Lp≦L2)と判断した場合、処理をS505に進める。S505でエンジンコントローラ92は、用紙Pの定着に用いる発熱体54bとして用紙Pの幅(Lp≦L2)に応じた発熱体54b2を選択する。S501でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL2より大きい第1の記録材である(Lp>L2)と判断した場合、処理をS503に進める。
S503でエンジンコントローラ92は、S500で受信した印刷情報を参照し、用紙Pに転写される画像、すなわち、用紙P上に定着させる画像の幅方向のサイズである画像幅Liが長さL2以下か否かを判断する。S503でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL2以下である(Li≦L2)と判断した場合、処理をS504に進める。S504でエンジンコントローラ92は、フィルム51、加圧ローラ53、ヒータ54の蓄熱状態に基づいて、用紙Pよりも幅の狭い発熱体54b2を選択した場合に非通紙部の温度が所定の温度であるTD以上となるか否かを判断する。すなわち、エンジンコントローラ92は、非通紙部において、定着装置50にダメージを発生させるような温度(TD)以上となるか否かを判断する。
(定着温度の端部の温度について)
エンジンコントローラ92は、定着装置50の端部の温度を、当該(現在の)印刷よりも前の印刷状況における非通紙部の蓄熱状態に基づいて蓄熱状況判断部434によって推測する。エンジンコントローラ92は、定着装置50の端部の温度が所定の温度以上であると推測した場合には、定着装置50にダメージが発生しないと判断し、処理をS505に進めて、発熱体54b2を選択する。すなわち、実施例1では、用紙幅Lpが長さL2より大きい用紙Pであっても、定着装置50にダメージが発生しないと判断できる場合には、用紙Pの定着処理に発熱体54b2を用いる。
ここで、定着装置50に発生するダメージの一例としては、フィルム51に発生する座屈破壊があげられる。座屈破壊は、定着装置50の端部が冷えていて、定着装置50の中央部が熱い状態で印刷を継続すると、定着装置50の端部と中央部との温度差によって発生するダメージである。このため、エンジンコントローラ92は、定着装置50の端部が温度TD以上であれば定着装置50にダメージが発生しないが、温度TD未満(所定の温度未満)であると定着装置50にダメージが発生するおそれがあると判断する。
定着装置50にダメージが生じる可能性があるか否かの判断は、発熱体54b2を用いて長さL2より大きい幅の用紙Pが定着ニップ部Nを通過した後の、定着ニップ部Nにおける端部の温度TEEで決定される。なお、エンジンコントローラ92は、画像形成時(すなわち、定着処理時)に、発熱体54bを温度TSとなるように制御しているものとする。用紙Pが定着ニップ部Nを通過する前の定着ニップ部Nにおける中央部の温度TSCと定着ニップ部Nにおける端部の温度TSEは、発熱体54b2を選択すると長さL2よりも内側ではエンジンコントローラ92によって温度TSを維持するように制御される。このため、用紙Pが定着ニップ部Nを通過した後の定着ニップ部Nにおける中央部の温度TECは、以下の式(1)により表される。すなわち、定着ニップ部Nの中央部においては、用紙Pの通過前の温度TSCと用紙Pの通過後の温度TECは、ともに温度TSが維持される。
TEC=TSC=TS・・・式(1)
一方、長さL2よりも外側では、エンジンコントローラ92により温度が制御されず、用紙Pに熱を奪われ温度がTEEまで下がる。このため、以降、定着ニップ部N(又は定着装置50)の端部と表現するとき、端部とは、発熱体54b2の長さL2よりも外側の領域を指す。このとき、温度TEEが定着装置50にダメージが生じるおそれのある温度TD未満にならないようにする必要がある。そこで、用紙Pが定着ニップ部Nを通過することによって熱が奪われる、すなわち温度が降下する度合いを考慮した温度の変化量(以下、温度勾配という)TFを用いて、温度TEEを以下の式(2)で表す。すなわち、定着ニップ部Nの端部(両端部)においては、用紙Pによって熱が奪われ、用紙Pの通過前の温度TSEから温度勾配TFの分、温度が降下して、用紙Pの通過後の温度TEEになる。
TEE=TSE-TF・・・式(2)
エンジンコントローラ92は、蓄熱状況判断部434によって、式(2)より定着ニップ部Nにおける端部の温度TEEを推測して、定着装置50にダメージがあるかないかを判断する。このように、エンジンコントローラ92は、発熱体54b2よりも幅の広い用紙Pに対して発熱体54b2を用いて定着処理を行う際に、定着ニップ部Nにおける端部の温度TEEを推測することによって、定着装置50へのダメージの有無を判断する。
実施例1において定着温度センサ59は、ヒータ54の中央部に備えられ、ヒータ54の端部には備えられていない。そのため、定着ニップ部Nにおける端部の温度TEEは用紙Pを印刷する前に実施された印刷情報から実験的に決定した推測温度を使用している。別の実施形態として、ヒータ54の端部に温度センサを備え、エンジンコントローラ92は、温度センサによって検知した温度に基づいて、定着装置50にダメージが生じる可能があるか否かの判断をしてもよい。
図4の説明に戻る。S503でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL2より長い(Li>L2)と判断した場合、処理をS506に進める。S506でエンジンコントローラ92は、用紙Pに定着処理を行う際に用いる発熱体54bとして発熱体54b1を選択し、処理をS507に進める。
S504でエンジンコントローラ92は、定着ニップ部Nの端部の温度TEEが温度TD未満である(TEE<TD)と判断した場合、処理をS506に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、幅の狭い発熱体54b2を選択すると発熱体54b2の外側の領域において何等かのダメージが発生してしまうおそれがあると判断して、S506で発熱体54b1を選択し、処理をS507に進める。
S507でエンジンコントローラ92は、S505又はS506で選択した発熱体54b2又は発熱体54b1、いずれか一方の発熱体54bに切り替える。なお、実施例1の実施タイミングは、現在印刷を行っている用紙Pが定着装置50へ搬送されてくるまでに実施するのが望ましい。また、実施例1の処理は、印刷開始時に実施してもよいし、連続印刷の途中に実施してもよいし、印刷の終了動作中に次の印刷指示が来た場合に実施してもよい。
以上より、用紙Pの幅が広くても印刷する画像幅が狭い場合に定着装置50の温まり具合と印刷する画像サイズとに応じて発熱体54bが選択される。これにより、画像領域ではヒータ54による加熱によってトナー像を定着させ、非画像領域では定着装置50の余熱によって定着装置50にダメージを与えることなく用紙Pを搬送することができる。これにより、未定着のトナー像の定着不良による画像不良の発生を防止しつつ、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
以上、実施例1によれば、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
実施例1では、用紙Pの幅が広くても用紙Pに印刷する画像幅が狭い場合は、定着装置50が温まっている状態であれば、幅が狭い方の発熱体54b2に切り替えて幅が狭い方の発熱体54b2を定着処理に用いる方法について説明した。しかしながら、定着ニップ部Nにおいて用紙Pを挟持搬送させる際の温度の変化量(すなわち温度勾配)は、実際に搬送させる用紙Pの種類によって異なる。例えば、用紙Pが厚紙(例えば坪量が120[g/m]以上の用紙)の場合は、標準的な用紙(例えば坪量が75[g/m]の用紙)に比べて定着装置50から熱を多く吸収する。一方、用紙Pが薄紙(例えば坪量が60[g/m]以下の用紙)の場合は、標準的な用紙に比べて定着装置50から熱を吸収する割合は少ない。すなわち、温度勾配TFは、厚紙では標準的な用紙よりも大きくなり、薄紙では標準的な用紙よりも小さくなる。そのため、用紙Pが定着ニップ部Nを通過することによって熱を奪う際の温度勾配TFは、用紙Pの種類を考慮することが望ましい。
予め、厚紙を想定した温度勾配TFとすると、薄紙を搬送する場合において消費電力を軽減する発熱体54b2を選択するケースが減少してしまう。一方、予め、薄紙を想定した温度勾配TFとすると、厚紙を搬送した場合に実際の温度の変化量が大きくなり、定着ニップ部Nにおける端部の温度TEEが定着装置50にダメージが生じるおそれのある温度TDを下回ってしまったりする可能性がある。そこで実施例2では、用紙Pの種類を考慮することで、用紙Pの種類ごとに温度勾配TFを設定する。そして、上述した式(2)を用いて端部TEEを推測する際の精度を高め、消費電力を軽減する発熱体54bを選択する方法について説明する。
[機能ブロック図の説明]
図5は、エンジンコントローラ92に係る機能ブロックと、外部機器400、ビデオコントローラ91、ハードウェア403を示した図である。エンジンコントローラ92は、実施例1で説明した機能ブロックに加え、温度推測部620、用紙タイプ識別部621を有している。温度推測部620は、定着ニップ部Nにおいて用紙Pを搬送した後の、定着装置50の端部の温度を推測する。また、ハードウェア403は、実施例1のハードウェアに加え、用紙タイプ識別センサ60を有している。図5について実施例1の図3と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。以下、実施例1と異なる個所について具体的に説明する。
記録材の種類を検知する検知手段である用紙タイプ識別センサ60は、例えばレジストローラ18と2次転写ローラ25との間に具備される。用紙タイプ識別センサ60は、カセット16から送り出され搬送されてきた用紙Pの1面目(以下、表面という)側に、例えば発光ダイオード(以下、LEDという)等の光源から光を照射する。用紙タイプ識別センサ60は、用紙Pの表面から反射された光(以下、反射光という)を測定し、次いで用紙Pの2面目(以下、裏面という)側から光を照射して用紙Pの透過光を測定する。用紙タイプ識別センサ60は、測定結果に相当する信号(以下、検知結果ともいう)を出力する。
用紙タイプ識別部621は、用紙タイプ識別センサ60から入力された検知結果に基づいて、用紙Pの種類を普通紙、厚紙、薄紙、グロス紙等、少なくとも2種類以上の用紙の種類の中から識別する。蓄熱状況判断部434は、用紙タイプ識別部621によって識別した用紙Pの種類に基づいて決定される目標温度と用紙Pのサイズ情報とから、定着装置50における蓄熱具合を推測する。温度推測部620は、蓄熱状況判断部434によって判断した定着装置50の端部の温度TEEと用紙タイプ識別部621によって識別した用紙Pの種類に応じて生じる勾配温度TFとから、次の判断を行う。すなわち、温度推測部620は、用紙Pを搬送した後の定着装置50の端部における温度が定着装置50にダメージが生じるおそれのある温度TD以上か否かを判断する。
[実施例2の説明]
実施例2における発熱体切り替え処理の流れについて図6のフローチャートを用いて説明する。なお、実施例1と同じ処理には同じステップ番号を付し、説明を省略する。エンジンコントローラ92は、S501で用紙幅Lpが発熱体54b2の長さL2より大きい(Lp>L2)と判断し、S503で画像幅Liが長さL2以下である(Li≦L2)と判断した場合、処理をS710に進める。S710でエンジンコントローラ92は、フィルム51、加圧ローラ53、ヒータ54の蓄熱状態から発熱体54b2よりも外側の定着装置50の端部の温度TSEを推測する。このとき、エンジンコントローラ92は、用紙タイプ識別部621によって識別された用紙Pのタイプ(種類)に応じた定着装置50の温度勾配TFPから、用紙P搬送後の定着装置50の端部の温度TEEを、以下の式(3)を用いて算出する。
TEE=TSE-TFP・・・式(3)
実施例2では、例えば普通紙、薄紙、厚紙、グロス紙等に応じて温度勾配TFPを紙種ごとに分類するように構成したが、このような分類によらず少なくとも2種類以上の分類であればよい。
S711でエンジンコントローラ92は、S710で算出した定着装置50の端部の温度TEEが温度TD以上であるか否か、すなわち、定着装置50の端部の温度TEEが定着装置50にダメージを与えるおそれがある温度か否かを判断する。S711でエンジンコントローラ92は、定着装置50の端部の温度TEEが温度TD以上である(TEE≧TD)と判断した場合、処理をS505に進め、S505で定着装置50にダメージが発生しないと判断して発熱体54b2を選択する。S711でエンジンコントローラ92は、定着装置50の端部の温度TEEが温度TD未満であると判断した場合、処理をS506に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、定着処理に発熱体54b2を用いると定着装置50にダメージが発生するおそれがあると判断し、S506で発熱体54b1を選択し、処理をS507に進める。
以上より、用紙Pの幅Lpが広くても印刷する画像幅Liが狭い場合に、搬送する用紙Pの種類に応じて印刷する画像サイズに応じた発熱体54bを選択するか否かを切り替える。これにより、未定着のトナー像の定着不良による画像不良の発生を防止しつつ、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
以上、実施例2によれば、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
実施例1、2の画像形成装置は、長手方向の長さが異なる発熱体を2種有する構成について説明した。実施例3では長手方向の長さが異なる発熱体を3種有する構成である。実施例3では、用紙Pの幅が広くても用紙Pに印刷する画像幅が狭い場合は、定着装置50が温まっている状態であれば、幅が広い方の発熱体54m1よりも幅の狭い発熱体に切り替えて、定着処理に用いる方法について説明する。実施例3における画像形成装置は、実施例1の構成と同様であり、異なる部分のみ説明する。
[ヒータ及び電力制御部の説明]
(ヒータ)
ヒータ54について、図7を用いて詳しく説明する。ヒータ54は、基板54a、複数の発熱体である発熱体54m1~54m3、接点54n1~54n4、保護ガラス層54eからなる。基板54a上に、発熱体54m1~54m3、接点54n1~54n4が形成され、その上に発熱体54m1~54m3とフィルム51との絶縁を確保するために保護ガラス層54eが形成されている。第1の発熱体である発熱体54m1と第2の発熱体である発熱体54m2と第3の発熱体である発熱体54m3は、長手方向の長さが異なっている。具体的には、発熱体54m1の長手方向の長さがL1であり、発熱体54m2の長手方向の長さがL2であり、発熱体54m3の長手方向の長さがL3である。長さL1と長さL2と長さL3は、L1>L2>L3の関係になっている。発熱体54m1の長さL1は、この画像形成装置によって印刷する(又は、搬送する)ことが可能な用紙Pのうち最大の幅(以下、最大通紙幅という)を有する用紙Pを定着可能な長さになっている。以下、長さL1の用紙PをL1幅の用紙P、長さL2の用紙PをL2幅の用紙P、長さL3の用紙PをL3幅の用紙Pともいう。発熱体54m1は接点54n1、54n4に電気的に接続されており、発熱体54m2は接点54n2、54n4に電気的に接続されており、発熱体54m3は接点54n2、54n3に電気的に接続されている。すなわち、接点54n2は、発熱体54m2、54m3に共通して接続されている接点であり、接点54n4は、発熱体54m1、発熱体54m2に共通して接続されている接点である。
発熱体54m1は、基板54aの短手方向の一方の端部に配置された一方の発熱体54m1と、他方の端部に配置された他方の発熱体54m1とである。これらの発熱体54mは、短手方向において、一方の発熱体54m1、発熱体54m2、発熱体54m3、他方の発熱体54m1の順に配置されている。
定着温度センサ59は、基板54aに対して保護ガラス層54eと反対の面に位置し、かつ発熱体54m1~54m3の長手方向における中心位置に設置され、基板54aと接している。定着温度センサ59は例えばサーミスタであり、ヒータ54の温度を検知し、検知結果をエンジンコントローラ92に出力する。エンジンコントローラ92は、定着温度センサ59の検知結果に基づいて、定着処理時の温度を制御する。
(電力制御部)
図7には定着装置50の制御回路である電力制御部97も示している。定着装置50の電力制御部97は、発熱体54m1~54m3(ヒータ54)、交流電源55、双方向サイリスタ(以下、トライアックという)56a、56b、切替手段である発熱体切り替え器57からなる。
発熱体切り替え器57は、接点54n2に接続された接点57a、トライアック56b及び接点54n3に接続された接点57b1、交流電源55及び接点54n4に接続された接点57b2を有する。発熱体切り替え器57は、接点57aと接点57b1とが接続された状態であるとき、発熱体54m2に電力が供給可能な状態となり、接点57aと接点57b2とが接続された状態であるとき、発熱体54m3に電力が供給可能な状態となっている。
トライアック56aは、一端を接点54n1と接続され、もう一端を交流電源55およびトライアック56bと接続され、トライアック56aが導通すると、発熱体54m1に電力が供給される。トライアック56bは、一端を交流電源55およびトライアック56aと接続され、もう一端を発熱体切り替え器57の接点57b1および接点54n3と接続されている。トライアック56bが導通すると、発熱体切り替え器の状態に応じて、発熱体54m2か発熱体54m3の一方に電力が供給される。
[実施例3の説明]
図8は実施例3の発熱体切り替え制御を示すフローチャートである。S800でエンジンコントローラ92は、ビデオコントローラ91から、次に印刷するページの印刷情報を受信しているか否かを判断する。ここでの印刷情報とは、用紙Pに印刷する画像サイズと用紙Pのサイズとで構成される。なお、用紙Pのサイズは、幅センサ160m、160nの検知結果に基づいた情報であってもよい。S800でエンジンコントローラ92は、次の印刷情報を受信していると判断した場合、処理をS801に進め、受信していないと判断した場合、処理を終了する。
S801でエンジンコントローラ92は、S800で受信した印刷情報を参照し、用紙Pの幅方向の長さである用紙幅Lpが発熱体54m2の長さL2以下(Lp≦L2)か否かを判断する。S801でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL2以下の第2の記録材である(Lp≦L2)と判断した場合、処理をS810に進める。S801でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL2より大きい第1の記録材である(Lp>L2)と判断した場合、処理をS803に進める。
S810でエンジンコントローラ92は、S800で受信した印刷情報を参照し、用紙Pの幅方向の長さである用紙幅Lpが発熱体54m3の長さL3以下(Lp≦L3)か否かを判断する。S810でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL3以下の第3の記録材である(Lp≦L3)と判断した場合、処理をS813に進める。S810でエンジンコントローラ92は、用紙幅Lpが長さL3より大きい第2の記録材である(L3<Lp)と判断した場合、処理をS811に進める。S813でエンジンコントローラ92は、用紙Pの定着に用いる発熱体54bとして用紙Pの幅(Lp≦L3)に応じた発熱体54b3を選択する。
S803でエンジンコントローラ92は、S800で受信した印刷情報を参照し、用紙Pに転写される画像、すなわち、用紙P上に定着させる画像の幅方向のサイズである画像幅Liが長さL2以下か否かを判断する。S803でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL2以下である(Li≦L2)と判断した場合、処理をS804に進める。S803でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL2より長い(Li>L2)と判断した場合、処理をS806に進める。
S804でエンジンコントローラ92は、フィルム51、加圧ローラ53、ヒータ54の蓄熱状態に基づいて、用紙Pよりも幅の狭い発熱体54b2を選択した場合に非通紙部の温度が所定の温度であるTD1以上となるか否かを判断する。すなわち、エンジンコントローラ92は、非通紙部において、定着装置50にダメージを発生させるような温度(TD1)以上となるか否かを判断する。S804でエンジンコントローラ92は、定着ニップ部Nの端部の温度TEEが温度TD未満である(TEE<TD)と判断した場合、処理をS806に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、幅の狭い発熱体54b2を選択すると発熱体54b2の外側の領域において何等かのダメージが発生してしまうおそれがあると判断して、S806で発熱体54b1を選択し、処理をS807に進める。
S804でエンジンコントローラ92は、定着ニップ部Nの端部の温度TEEが温度TD1未満である(TEE≧TD1)と判断した場合、処理をS811に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、幅の狭い発熱体54b2を選択しても発熱体54b2の外側の領域において何等かのダメージが発生しないと判断する。
S811でエンジンコントローラ92は、S800で受信した印刷情報を参照し、用紙Pに転写される画像、すなわち、用紙P上に定着させる画像の幅方向のサイズである画像幅Liが長さL3以下か否かを判断する。S811でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL3以下である(Li≦L3)と判断した場合、処理をS812に進める。S811でエンジンコントローラ92は、画像幅Liが長さL3より長い(Li>L3)と判断した場合、処理をS805に進める。
S812でエンジンコントローラ92は、フィルム51、加圧ローラ53、ヒータ54の蓄熱状態に基づいて、用紙Pよりも幅の狭い発熱体54b3を選択した場合に非通紙部の温度が所定の温度であるTD2以上となるか否かを判断する。すなわち、エンジンコントローラ92は、非通紙部において、定着装置50にダメージを発生させるような温度(TD2)以上となるか否かを判断する。S812でエンジンコントローラ92は、定着ニップ部Nの端部の温度TEEが温度TD2未満である(TEE<TD2)と判断した場合、処理をS805に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、幅の狭い発熱体54b3を選択すると発熱体54b3の外側の領域において何等かのダメージが発生してしまうおそれがあると判断して、S805で発熱体54b2を選択し、処理をS807に進める。S812でエンジンコントローラ92は、定着ニップ部Nの端部の温度TEEが温度TD2以上である(TEE≧TD2)と判断した場合、処理をS813に進める。この場合、エンジンコントローラ92は、幅の狭い発熱体54b3を選択しても発熱体54b3の外側の領域において何等かのダメージが発生しないと判断する。
S807でエンジンコントローラ92は、S805又はS806又はS813で選択した発熱体54b2、発熱体54b1、又は発熱体54b3に切り替える。なお、実施例3の実施タイミングは、現在印刷を行っている用紙Pが定着装置50へ搬送されてくるまでに実施するのが望ましい。また、実施例3の処理は、印刷開始時に実施してもよいし、連続印刷の途中に実施してもよいし、印刷の終了動作中に次の印刷指示が来た場合に実施してもよい。
(定着温度の端部の温度について)
ここで、定着装置50に発生するダメージの一例としては、実施例1と同様にフィルム51に発生する座屈破壊があげられる。座屈破壊が発生する温度は長手方向の温度分布で変わることがある。そのため発熱体54b2を選択した場合の温度TD1と発熱体54b3を選択した場合の温度TD2は変わることがある。
以上より、用紙Pの幅が広くても印刷する画像幅が狭い場合に定着装置50の温まり具合と印刷する画像サイズとに応じて発熱体54bが選択される。これにより、画像領域ではヒータ54による加熱によってトナー像を定着させ、非画像領域では定着装置50の余熱によって定着装置50にダメージを与えることなく用紙Pを搬送することができる。これにより、未定着のトナー像の定着不良による画像不良の発生を防止しつつ、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
以上、実施例3によれば、画像形成時にヒータへ供給する電力を軽減することができる。
50 定着装置
51 フィルム
53 加圧ローラ
54 ヒータ
54b1、54b2 発熱体
57 発熱体切り替え器
92 エンジンコントローラ

Claims (9)

  1. 第1の発熱体と、前記第1の発熱体よりも長手方向の長さである幅が短い第2の発熱体と、を少なくとも有するヒータと、
    前記ヒータにより加熱される第1の回転体と、
    前記第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体と、
    前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に電力を供給するための電力供給経路を切り替える切替手段と、
    前記切替手段を制御する制御手段と、
    を備え、記録材が前記ニップ部を通過することで、前記ニップ部で記録材に担持された未定着のトナー像を熱により定着する定着装置であって、
    前記制御手段は、
    記録材の前記長手方向の長さである幅が前記第2の発熱体の幅よりも長い第1の記録材に担持された、前記長手方向の長さである幅が前記第2の発熱体の幅以下である画像に定着処理を行う場合に、前記ニップ部における前記第2の発熱体に対応する領域外であり、且つ前記第1の記録材が通過する領域の温度に応じて、前記第1の発熱体を用いて定着処理を行うか、又は前記第2の発熱体を用いて定着処理を行うかを選択し、
    前記第1の記録材に形成される画像の幅が前記第2の発熱体の幅以下であり、かつ、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記長手方向における端部の温度が所定の温度以上である場合に、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材への定着処理を行い、
    前記第1の記録材に形成される画像の幅が前記第2の発熱体の幅以下であっても、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記端部の温度が前記所定の温度未満である場合には、前記第1の発熱体を用いて前記第1の記録材への定着処理を行い、
    前記第1の記録材が前記ニップ部を通過する前と後の前記長手方向における前記ニップ部の中央部の温度及び前記端部の温度と、前記第1の記録材が前記ニップ部を通過することによって前記ニップ部の端部において温度が降下する度合いと、に基づいて、前記第2の発熱体を用いて前記第1の記録材に定着処理を行った後の前記ニップ部の前記端部の温度を推測することを特徴とする定着装置。
  2. 記録材の種類を検知する検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記検知手段により検知した結果に基づいて、前記度合いを設定することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  3. 前記ニップ部の前記端部とは、前記第2の発熱体よりも前記長手方向における外側の領域であることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の定着装置。
  4. 前記制御手段は、記録材の幅が前記第2の発熱体の幅以下である第2の記録材に定着処理を行う場合には、前記第2の発熱体を用いて前記第2の記録材への定着処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記第2の発熱体よりも幅が短い第3の発熱体を備えることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、及び前記第3の発熱体が配置される基板を備え、
    前記第1の発熱体は、前記基板の短手方向の一方の端部に配置された一方の前記第1の発熱体と、他方の端部に配置された他方の前記第1の発熱体とであり、
    前記短手方向において、一方の前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記第3の発熱体、他方の前記第1の発熱体の順に配置されていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  7. 前記第1の回転体はフィルムであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記フィルムの内部空間に配置されており、前記ヒータと前記第2の回転体により前記フィルムを挟持しており、
    記録材上の画像は、前記フィルムと前記第2の回転体との間に形成されたニップ部で前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  9. 記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、
    記録材上の未定着のトナー像を定着する請求項1から請求項のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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