JP4661452B2 - 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム Download PDF

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Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気ガス中のNOxを浄化するための選択的接触還元型触媒装置を備えた排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システムに関するものである。
ディーゼル内燃機関から排出されるNOxを低減する多くのNOx浄化触媒が開発されており。その中に、SCR触媒と呼ばれる選択的接触還元型触媒を担持した選択的接触還元型触媒装置を備えた排気ガス浄化システムがある。
この排気ガス浄化システムの中に、図1に示すように、選択的接触還元型触媒装置(SCR触媒装置)14をディーゼル内燃機関(エンジン)11の排気通路(排気管)12に配置すると共に、この選択的接触還元型触媒装置14の上流側にディーゼルパティキュレートフィルタ装置(DPF装置)13を、下流側に酸化触媒装置15を配設した排気ガス浄化システム1がある。
この排気ガス浄化システム1では、上流側のDPF装置13により、排気ガス中のPM(粒子状物資)を捕集し、選択的接触還元型触媒装置14により、アンモニア等の還元剤を使用してNOxを還元し、酸化触媒装置15で、選択的接触還元型触媒装置14から流出してくる未使用の還元剤を酸化除去して、排気ガスを浄化している。
そして、尿素選択的接触還元型触媒(尿素SCR触媒)を採用した選択的接触還元型触媒装置14では、還元剤として尿素水を使用するが、この尿素水Sは選択的接触還元型触媒装置14の上流側の排気通路12に取り付けた水溶液供給装置としての尿素水噴射弁21から排気ガス中に供給される。この尿素水は加水分解によりアンモニアを発生する。このアンモニアで、排気ガス中のNOxを、選択的接触還元型触媒の触媒作用により還元する。
この尿素水Sは、尿素水タンク22から水溶液供給量調整手段である尿素水噴射制御装置(コントロールユニット)23により、その供給量の調整と排気通路12内への噴射が行われる。この尿素水噴射制御装置23は、尿素水Sの供給量の算出と調整を行う供給量調整装置(ECU)23Aと、尿素水噴射弁21を制御して尿素水噴射を行う噴射弁制御装置(DCU)23Bとから構成される。
この尿素水噴射制御装置23は、エンジン11の運転制御を行う制御装置(エンジンコントロールユニット:ECU)30からのエンジン運転状況のデータ及び選択的接触還元型触媒装置14の出入口の排気ガス温度などのデータを入力して、これらのデータに基づいて最適な尿素水噴射を行う。
一方、DPF装置13に関しては、排気ガス中のPMのスート成分は、NO2 によると燃焼が容易となるため、DPF装置より上流側に選択的接触還元型触媒装置を配置して上流側でNOxを浄化してしまうと、DPF装置におけるPMの燃焼効率が低下する。このPMの燃焼効率の低下により、PMを強制的に燃焼させるための強制再生制御を行う頻度が増加するので、燃費が悪化する。そのため、DPF装置13は選択的接触還元型触媒装置14の上流側に配置する。
また、DPF装置13の強制再生では、ポスト噴射等のエンジン11のシリンダ内噴射制御によって排気温度を上昇させることが一般的に行われる。このポスト噴射量による燃費の悪化を抑制するためには、DPF装置13の入口排気ガス温度が高いことが要求されるので、この面からも、排気ガスの冷却が少ない上流側にDPF装置13を配置することが好ましい。
また、酸化触媒装置15は、尿素水Sの供給量が選択的接触還元型触媒装置14で消費する量より多くなった場合に、選択的接触還元型触媒装置14から流出してくるアンモニアを酸化して、大気中に放出されるアンモニア量を減少する役割を果たす。
このような排気ガス浄化システムの例としては、NOxの浄化率を向上させると共に、アンモニアスリップをも防止することを目指して、排気系における粒子状物質低減装置(DPF装置)の後段にNOx触媒(SCR触媒)を配置し、粒子状物質低減装置の出口温度に基づいてNO/NO2 の割合を算出し、その値に基づいてNOx触媒に供給する尿素の量を制御するディーゼルエンジン用排ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、この構成の排気ガス浄化システムでは、上流側のDPF装置のPM燃焼除去の再生制御に伴うSCR触媒の熱劣化の問題がある。
つまり、DPF装置に捕集され堆積したPMを燃焼除去するために強制再生制御を行うと、DPF装置でPMが燃焼するため、下流側に高温の排気ガスが流出する。そのため、下流側のSCR触媒装置に高温の排気ガスが流入することになり、SCR触媒が高温になり熱劣化が進行する。この熱劣化は、走行距離が増すに従って進行し、SCR触媒装置のNOx浄化性能が低下してくる。
この熱劣化が進行すると、SCR触媒装置の下流側のNOx排出量が浄化目標のレベルを超えるようになり、NOxが大気中に排出される恐れが生じる。また、それと共に、SCR触媒装置でNOxの還元に使用されなかったアンモニアの流出量が増加し、下流側の酸化触媒装置でこのアンモニアを酸化しきれずに、アンモニアが大気に放出される可能性も生じる。
また、この上流側のDPF装置の強制再生以外の場合でも、高地で吸入空気量が減った場合、吸入空気温度が高くなった場合、インタークーラーの冷却性能が低下した場合、噴射タイミングの遅れ等の燃料噴射系が異常動作した場合、VGS(可変容積型)ターボチャージャのアクチュエータの異常動作により空気量が低下した場合、EGRクーラーの冷却能力等で、選択的接触還元型触媒装置の温度が上昇する。
この選択的接触還元型触媒(NOx触媒)の熱劣化対策として、DPF装置を上流側に備えていないが、NOx触媒を保護する観点から、NOx触媒の触媒温度をモニターして、触媒温度に基づいて尿素水の添加量を設定すると共に、この触媒温度が所定温度(過昇温度)以上のときは、噴射する尿素水を、管壁温度に基づいて排気中の飽和蒸気圧から制限される許容水分添加量以下の範囲で尿素水の添加量を増量補正して、尿素水中の水分の蒸発潜熱により排気温度を低下させることにより、尿素水の凝結を未然に回避しながら、触媒温度が過剰に上昇するのを抑制し、触媒の熱劣化を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照。)。
特開平2002−250220号公報 特開平2003−293736号公報 特開平2003−293740号公報
本発明の目的は、内燃機関の排気通路に、上流側から順に、選択的接触還元型触媒装置(SCR触媒装置)、酸化触媒装置を配置した排気ガス浄化システムにおいて、アンモニアの大気中への放出を実用上十分に抑制しながら、選択的接触還元型触媒の熱劣化を防止できて、NOx浄化性能の低下を最少限に抑えることができる排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システムを提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の排気ガス浄化システムの制御方法は、内燃機関の排気通路に上流側から順にNOxを浄化するための選択的接触還元型触媒装置と酸化触媒装置を配設し、前記選択的接触還元型触媒装置にアンモニア系水溶液を供給する水溶液供給装置を前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に配設すると共に、前記アンモニア系水溶液の供給量を調整する水溶液供給量調整手段を備え、前記選択的接触還元型触媒装置でNOxを還元するためのNOx還元用アンモニア系水溶液に加えて、前記選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスを冷却して前記選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を低下させるための冷却用アンモニア系水溶液を供給する排気ガス浄化システムの制御方法において、前記アンモニア系水溶液の供給量を、前記選択的接触還元型触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第1のアンモニア系水溶液供給量と、前記酸化触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第2のアンモニア系水溶液供給量とに基づいて算出すると共に、前記第1のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出されるNOx排出量と前記選択的接触還元型触媒装置のNOx浄化率とから算出し、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出される排気ガス量と前記酸化触媒装置のアンモニア変換効率とから算出し、更に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する制御の全体時間が所定の時間よりも多くなった時には異常であると判定することを特徴とする。
ここでいうアンモニア系水溶液とは、尿素水、アンモニア、アンモニア水などのアンモニアを発生する水溶液のことをいう。
また、選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を指標する触媒温度指標値とは、選択的接触還元型触媒装置の触媒温度の測定値や触媒温度を推定できる物理量のことを言い、選択的接触還元型触媒装置の触媒床温度や選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度(入口排気ガス温度)や選択的接触還元型触媒装置の前後の排気ガス温度の平均値などを採用することができる。また、エンジン負荷とエンジン回転速度などからマップデータを参照して選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を推定する場合は、推定された触媒温度をこの触媒温度指標値とすることができる。
この構成により、選択的接触還元型触媒装置で消費可能な量と酸化触媒装置で消費可能な量に基づいて、酸化触媒装置の下流側に流出するアンモニア量を考慮して、排気ガス中に供給するアンモニア系水溶液の供給量を決めることができる。従って、選択的接触還元型触媒の熱劣化の進行を防ぐために、選択的接触還元型触媒装置が高温になった時に、アンモニア系水溶液を通常のNOx浄化用の供給量より多く噴射する場合においても、アンモニア系水溶液の供給量を、酸化触媒装置で酸化可能なアンモニア量を考慮して調整するので、アンモニアの大気中への放出量を所定の濃度以下に抑えながら、選択的接触還元型触媒の熱劣化を防止できる。
なお、選択的接触還元型触媒装置へ流入する排気ガス中にアンモニア系水溶液を供給すると、蒸発により潜熱(蒸発熱)を奪うので排気ガスの温度を下げることができ、アンモニア系水溶液の供給量を増加すると、この降温効果が増加し、この降温した排気ガスにより、選択的接触還元型触媒装置を冷却することができる。
上記の排気ガス浄化システムの制御方法において、前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に、排気ガス中の粒子状物質を浄化するためのディーゼルパティキュレートフィルタ装置(DPF装置)を配設し、該ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の強制再生制御時に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する場合には、DPF装置の再生制御の際に、DPF装置に蓄積したPMが燃焼して選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスの温度が高くなるため、大幅に冷却する必要が生じるので、特に効果がある。
上記の排気ガス浄化システムの制御方法において、前記酸化触媒装置の下流側に流出するアンモニア流出量が、所定の限界値以下となる量の範囲内に、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を設定し、更には、前記所定の限界値を10ppmとする。この構成により、大気中に放出された排気ガスのアンモニアの匂いを消すことができる。
また、上記の目的を達成するための本発明の排気ガス浄化システムは、内燃機関の排気通路に上流側から順にNOxを浄化するための選択的接触還元型触媒装置と酸化触媒装置を配設し、前記選択的接触還元型触媒装置にアンモニア系水溶液を供給する水溶液供給装置を前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に配設すると共に、前記アンモニア系水溶液の供給量を調整する水溶液供給量調整手段を備え、前記選択的接触還元型触媒装置でNOxを還元するためのNOx還元用アンモニア系水溶液に加えて、前記選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスを冷却して前記選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を低下させるための冷却用アンモニア系水溶液を供給する排気ガス浄化システムにおいて、前記水溶液供給量調整手段が、前記アンモニア系水溶液の供給量を、前記選択的接触還元型触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第1のアンモニア系水溶液供給量と、前記酸化触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第2のアンモニア系水溶液供給量とに基づいて算出すると共に、前記第1のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出されるNOx排出量と前記選択的接触還元型触媒装置のNOx浄化率とから算出し、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出される排気ガス量と前記酸化触媒装置のアンモニア変換効率とから算出し、更に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する制御の全体時間が所定の時間よりも多くなった時には異常であると判定するように構成する。
上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に、排気ガス中の粒子状物質を浄化するためのディーゼルパティキュレートフィルタ装置(DPF装置)を配設し、該ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の強制再生制御時に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する。また、前記酸化触媒装置の下流側に流出するアンモニア流出量が、所定の限界値以下となる量の範囲内に、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を設定する。更には、前記所定の限界値を10ppmとする。
これらの構成により、上記の排気ガス浄化システムの制御方法を実施できる排気ガス浄化システムを提供でき、上記の排気ガス浄化システムの制御方法と同様な作用効果を奏することができる。
また、上記のDPF装置としては、フィルタのみのDPF装置、フィルタに酸化触媒を担持させた連続再生型DPF装置、フィルタの上流側に酸化触媒を設けた連続再生型DPF装置、フィルタに触媒を担持させると共に該フィルタの上流側に酸化触媒を設けた連続再生型DPF装置のいずれか一つ又はその組合せを採用することができる。
本発明の排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システムによれば、内燃機関の排気通路に上流側から順に、選択的接触還元型触媒装置(SCR触媒装置)、酸化触媒装置を配置した排気ガス浄化システムにおいて、アンモニアの大気中への放出を実用上十分に抑制しながら、選択的接触還元型触媒の熱劣化を防止できる。従って、選択的接触還元型触媒装置のNOx浄化性能の低下を最少限に抑えることができる。
以下、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システムについて、図面を参照しながら説明する。
図1に、この実施の形態の排気ガス浄化システム1の構成を示す。この排気ガス浄化システム1は、ディーゼル内燃機関(エンジン)11の排気通路12に、上流側からディーゼルパティキュレートフィルタ装置(以下、DPF装置)13、選択的接触還元型触媒装置(以下、SCR触媒装置とする)14、酸化触媒装置15を設けて構成される。
この排気ガス浄化システム1では、上流側のDPF装置13により、排気ガス中のPM(パティキュレートマター:粒子状物質)を捕集(トラップ)する。このDPF装置13は、多孔質のセラミックのハニカムのチャンネルの入口と出口を交互に目封じしたモノリスハニカム型ウオールフロータイプのフィルタや、アルミナ等の無機繊維をランダムに積層したフェルト状のフィルタ等で形成される。なお、PMの燃焼を促進するために、このフィルタの部分に白金や酸化セリウム等の触媒を担持させる場合もある。
そして、このDPF装置13に、モノリスハニカム型ウオールフロータイプのフィルタを採用した場合には、多孔質のセラミックの壁で排気ガス中のPMを捕集し、繊維型フィルタタイプを採用した場合には、フィルタの無機繊維でPMを捕集する。
そして、DPF装置13のPMの堆積量を推定するために、DPF装置13の前後に接続された導通管に差圧センサ13aを設ける。
そして、SCR触媒装置14は、コージェライトや酸化アルミニウムや酸化チタン等で形成されるハニカム構造の担持体(触媒構造体)に、チタニア−バナジウム、ゼオライト、酸化クロム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化タングステン等を担持して形成される。
このSCR触媒装置14では、酸素過剰の雰囲気で、排気通路12内に尿素水、アンモニア、アンモニア水などのアンモニア系水溶液(この実施の形態では尿素水)Sを噴射して、アンモニア系水溶液から発生するアンモニアをSCR触媒装置14に供給して、排気ガスG中のNOxに対してアンモニアと選択的に接触及び反応させることにより、NOxを窒素に還元して浄化する。
このSCR触媒装置14の上流側で、DPF装置13の下流側の排気通路12に水溶液供給装置としての尿素水噴射弁21を設け、さらに、SCR触媒装置14の入口側に入口排気ガス温度センサ31と出口側に出口排気ガス温度センサ32を設ける。
この実施の形態では、NOxの還元剤として、安全性の高い尿素水を使用するが、この尿素水Sは尿素水噴射弁21から排気ガス中に供給される。この尿素水S中の尿素は加水分解によりアンモニアに分解する。このアンモニアで、排気ガス中のNOxを、SCR触媒の触媒作用により窒素に還元する。この尿素水Sは、尿素水タンク22から水溶液供給量調整手段である尿素水噴射制御装置(コントロールユニット)23により、その供給量の調整と排気通路12内への噴射が行われる。
酸化触媒装置15は、多孔質のセラミックのハニカム構造等の担持体に、白金(Pt)等の酸化触媒を担持させて形成する。この酸化触媒装置15は、尿素水Sの供給量がSCR触媒装置14で消費される量より多くなった場合に、消費されずにSCR触媒装置14から流出してくるアンモニアを酸化して、大気中に放出されるアンモニアを大幅に減少させる役割を果たす。これにより、大気中へのアンモニアの放出(アンモニアスリップ)を抑制する。この排気ガス浄化システム1で排気ガスGを浄化し、浄化された排気ガスGcを大気中に放出する。
次に、上記の構成の排気ガス浄化システム1の制御について説明する。この排気ガス浄化システム1は、エンジン11の運転制御を行う制御装置(エンジンコントロールユニット:ECU)30と尿素水噴射制御装置23を備えている。
制御装置30には、DPF装置13の再生制御を制御するDPF再生制御手段が設けられており、通常運転制御においては、DPF装置13でPMを捕集するが、この通常運転制御中に、DPF装置13の目詰まり状態を差圧センサ13aで検出したDPF前後差圧で、再生時期であるか否かを監視し、再生時期であると判定すると強制再生制御を行う。
この強制再生制御では、ポスト噴射等のエンジン11のシリンダ内噴射制御によって排気温度を上昇させることが一般的に行われる。この強制再生制御の後は、また、通常の運転に戻る。そして、通常の運転とDPF装置13の強制再生制御を繰り返しながら、車両の運転が行われる。
一方、尿素水噴射制御装置23には、尿素水噴射制御手段が設けられ、尿素水Sの供給量Qtの算出と調整を行う供給量調整装置(水溶液供給量調整手段:ECU)23Aと、尿素水噴射弁21を制御して尿素水噴射を行う噴射弁制御装置(噴射弁制御手段:DCU)23Bとから構成されている。
この尿素水噴射制御装置23は、制御装置30からのエンジン運転状況のデータ、及び、入口排気ガス温度センサ31で検出されるSCR触媒入口排気ガス温度T14a や出口排気ガス温度センサ32で検出されるSCR触媒出口排気ガス温度T14b 等のデータを入力して、これらのデータに基づいて尿素水供給量Qtの算出と尿素水噴射を行う。
この尿素水噴射制御装置23は、SCR触媒装置14の触媒温度Tcを指標する触媒温度指標値(この実施の形態では、SCR触媒入口排気ガス温度)T14a が所定の判定温度Th より大きくなった場合に、SCR触媒装置14でNOxを還元するためのNOx還元用尿素水(NOx還元用アンモニア系水溶液) に加えて、SCR触媒装置14に流入する排気ガスを冷却してSCR触媒装置14の触媒温度Tcを低下させるための冷却用尿素水(冷却用アンモニア系水溶液)を供給するように構成される。
また、供給量調整装置23Aは、尿素水Sの供給量Qtを、SCR触媒装置14で消費可能なアンモニア量に相当する第1の尿素水供給量(第1のアンモニア系水溶液供給量)Q1と、酸化触媒装置15で消費可能なアンモニア量に相当する第2の尿素水供給量(第2のアンモニア系水溶液供給量)Q2とに基づいて算出するように構成される。この実施の形態では、尿素水Sの供給量Qtは第1の尿素水供給量Q1と第2の尿素水供給量Q2の和として算出するが、これらの供給量Q1,Q2を補正した上で和を算出したり、和に対して補正を行って算出してもよい。
この第1の尿素水供給量Q1は、エンジン11から排出されるNOx排出重量WonとSCR触媒装置14のNOx浄化率ηnoxとから算出する。また、第2の尿素水供給量Q2は、エンジン11から排出される排気ガス量Vgと酸化触媒装置15のアンモニア変換効率ηnh3とから算出する。また、酸化触媒装置15の下流側に流出するアンモニアの濃度が、所定の限界値C0以下となる量の範囲内に、第2の尿素水供給量Q2を設定するように構成される。
次に、上記の構成の排気ガス浄化システム1における制御方法について説明する。なお、触媒温度指標値として、この実施の形態では、SCR触媒装置14に流入する排気ガスの温度(SCR触媒入口排気ガス温度)T14a を採用しているが、SCR触媒装置14の前後の排気ガス温度T14a , T14b の平均値を採用したり、SCR触媒装置14の触媒床温度を測定できる場合にはその温度Tcを採用したりすることができる。要は、SCR触媒装置14の触媒温度Tcの測定値や触媒温度Tcを推定できる物理量であればよい。
この制御では、図2に示すような制御フローが、メインのエンジンなどを制御する上級の制御フローから繰り返し呼ばれて、この制御がスタートし、実行されてリターンすると、再び、この上級の制御フローに戻るものとして示してある。
この図2の制御フローがスタートすると、ステップS11で、第1の尿素水供給量Q1を算出する。次のステップS12で、SCR触媒装置14の入口の排気ガス温度(SCR触媒入口排気ガス温度)T14a が、SCR触媒の熱劣化が発生する所定の判定温度Th より大きいか否かの判定を行う。
ステップS12の判定で、SCR触媒入口排気ガス温度T14aが、所定の判定温度Th以下の場合は、SCR触媒装置14が高温にならず、冷却用尿素水の供給は不要であるので、NOx還元制御のステップS15に行く。このステップS15では、冷却用尿素水の供給を中止し、即ち、第2の尿素水供給量Q2を0(ゼロ)として、第1の尿素水供給量Q1(=全体供給量Qt)でNOx還元用尿素水のみを供給する。このNOx還元制御を所定の時間(SCR触媒入口排気ガス温度T14aのチェックのインターバル等に関係する時間)の間行ってNOxを浄化し、リターンする。このステップS15のNOx還元制御は、NOx浄化用の尿素水の供給量Q1で尿素水Sを供給する通常運転の制御と同じ制御である。
ステップS12の判定で、SCR触媒入口排気ガス温度T14a が、所定の判定温度Th より大きい場合は、SCR触媒装置14が高温になって熱劣化する可能性があるので、冷却用尿素水の供給によりSCR触媒装置14を冷却する必要があるとして、ステップS13に進む。
このステップS13では、第2の尿素水供給量Q2を算出し、次のSCR触媒冷却制御のステップS14で、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGを冷却するための冷却用尿素水の供給を、NOx還元用尿素水の供給に加えて行う。このステップS14では、第1の尿素水供給量Q1と第2の尿素水供給量Q2との合計である全体供給量Qtで尿素水Sを供給し、NOxを還元しながら、増加された尿素水の蒸発による排気ガスGの冷却によりSCR触媒装置14を冷却する。
このステップS14のSCR触媒冷却制御では、SCR触媒装置14の触媒温度が過剰に上昇して熱劣化を起こさないように、第1の尿素水供給量Q1に加えて第2の尿素水供給量Q2を供給する。この第1の尿素水供給量Q1の尿素水の蒸発に加えて、第2の尿素水供給量Q2の尿素水が蒸発することにより、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGが冷却される。この第2尿素水供給量Q2の尿素水は、NOxの還元には寄与せずに、この尿素水から発生したアンモニアは、SCR触媒装置14の下流側に流出するので、酸化触媒装置15により、流出したアンモニアを酸化して無害化する。そして、この第2の尿素水供給量Q2は酸化触媒装置15で酸化可能なアンモニア量を考慮して、流出アンモニアの濃度が所定の判定濃度C0以下となるようにステップS13で設定される。
このステップS14でSCR触媒冷却制御を所定の時間(SCR触媒入口排気ガス温度T14a のチェックのインターバル等に関係する時間)の間行ってから、ステップS16に行く。
ステップS16では、SCR触媒装置14の入口のSCR触媒入口排気ガス温度T14a が、SCR触媒の熱劣化が発生する所定の判定温度Th より大きいか否かの判定を行う。 ステップS16の判定で、SCR触媒入口排気ガス温度T14a が、所定の判定温度Th 以下の場合は、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGが冷却されていると判断してそのまま、リターンに行く。
ステップS16の判定で、SCR触媒入口排気ガス温度T14a が、所定の判定温度Th より高い場合は、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGが冷却されていないと判断して、ステップS17に行き、SCR触媒入口排気ガス温度T14a やSCR触媒冷却制御を行った全体の時間等を冷却制御の履歴として記憶する。
そして、ステップS18で、冷却制御の履歴をチェックして、SCR触媒冷却制御の全体時間が所定の時間よりも多くなったり、SCR触媒入口排気ガス温度T14a が所定の第2の判定温度Th2より高かった時間が所定の時間よりも多くなったりした時に、異常であるとして、ステップS19に行き、SCR触媒冷却制御がうまく行かなかったとして、SCR触媒冷却エラーを記憶して、リターンする。また、ステップS18の判定で、まだ異常とは判定されない時は、リターンに行く。
次に、ステップS11の第1の尿素水供給量Q1の算出とステップS13の第2の尿素水供給量Q2の算出について説明する。なお、第1の尿素水供給量Q1と第2の尿素水供給量Q2の和を最終尿素水供給量Qtとするが、この最終尿素水供給量Qtの実際の値は、適応されるエンジンや規制レベル(NOx排出レベル)により異なることになる。
先ず、ステップS11の第1の尿素水供給量Q1の算出について図3の制御フローを参照しながら説明する。
ステップS11では、図3に示すように、ステップS11aで、エンジン11から排出される排気ガス中のNOx濃度Cnoxを算出し、ステップS11bで、重量に関係する排気ガス量Wgを算出する。そして、ステップS11cで、NOx濃度Cnoxと排気ガス量Wgと排気ガス密度ρgとからNOx排出重量Wonを算出し、ステップS11dで、このNOx排出重量Wonから第1の尿素水供給量Q1を算出する。
より、詳細には、ステップS11aでは、NOx濃度Cnoxを、図5に示すようなエンジン負荷Ac(縦軸:%)とエンジン回転速度Ne(横軸:rpm)をベースとしたNOx濃度Cnox(ppm)をマップ化したNOx濃度マップを参照して、エンジン運転状態を示すエンジン負荷Acとエンジン回転速度Neから算出する。なお、エンジン負荷Acの代わりにアクセル開度Accを用いてもよい。
また、ステップS11bで、排気ガス量Wgを、空気流量(吸入空気量)Waと燃料流量Wfの和として算出するが、この空気流量Waを、図6に示すようなブースト圧力Pb(縦軸:mbar)とエンジン回転速度Ne(横軸:rpm)をベースとした空気流量Wa(kg/h)をマップ化した空気流量マップを参照して、ブースト圧力Pbとエンジン回転速度Neから算出する。また、燃料流量Wfを、図7に示すようなエンジン負荷Ac(縦軸:%)とエンジン回転速度Ne(横軸:rpm)をベースとした燃料流量Wf(kg/h)をマップ化した燃料流量マップを参照して、エンジン運転状態を示すエンジン負荷Acとエンジン回転速度Neから算出する。なお、エンジン負荷Acの代わりにアクセル開度Accを用いてもよい。
ステップS11cで、この排気ガス量Wgを排気ガス密度ρgで除し、これにNOx濃度Cnoxを乗じてNOx排出重量Wonを算出する。
ステップS11dでは次のようにして、第1の尿素水供給量Q1を算出する。
SCR触媒装置14の触媒温度TcをSCR触媒入口排気ガス温度T14a とSCR触媒出口排気ガス温度T14b とから推定して、例えば、両者の平均温度T14m (=(T14a +T14b )/2)とする等して算出する。この触媒温度Tcと触媒内に蓄積されたアンモニア量から図8に示すようなNOx浄化率マップを参照して、NOx浄化率ηnox(%)を算出する。このNOx浄化率マップは、触媒温度Tc(縦軸:℃)とSCR触媒装置14内に蓄積されたアンモニア量Wcnh3(縦軸:g)をベースとしたNOx浄化率ηnox(%)をマップ化したものである。
このNOx浄化率ηnoxをNOx排出重量Wonに乗じて、処理可能なNOx重量Wanを算出する。この処理可能なNOx重量Wanに対応する尿素を含む尿素水の量が第1の尿素水供給量Q1となる。この第1の尿素水供給量Q1は、SCR触媒装置14で消費可能な尿素量に相当する。
より具体的には、第1の尿素水供給量Q1は以下のようにして算出する。
尿素1モル(60g)からアンモニア2モル(34g)が発生し、アンモニア1モル(17g)がNOx1モル(46g)と反応する。従って、NOx1モル(46g)に対して尿素0.5モル(30g)が必要となる。ここで、SCR触媒装置14に供給する尿素水SをP(%)(32.5%を用いることが多い)の尿素水溶液とすると、エンジン11から発生したNOxのモル数(=NOx排出重量(Won)/46)に対して、尿素はその半分のモル数(=Q1×(P/100)/30)が必要となる。つまり、Q1=(NOx排出重量(Won)/46)×30×(100/P)となる。この第1の尿素水供給量Q1が排気ガス中のNOxを浄化するのに必要な量である。
次に、ステップS13の第2の尿素水供給量Q2の算出について図4の制御フローを参照しながら説明する。
第2の尿素水供給量Q2の上限値Quは、次のようにして算出される。
ステップS13aでアンモニア浄化率ηnh3(%)を、図9に示す酸化触媒装置16の触媒温度(℃)とアンモニア浄化率ηnh3(%)との関係から算出する。
次のステップS13bで、第2の尿素水供給量Q2の上限値Quの算出を行う。この上限値Qu(kg/h)は、Qu=K×(C0×Vg/P)/(1−ηnh3/100)で算出される。ここで、C0は所定の判定濃度(ppm)、Vgは容積に関する排気ガス量(m3 /h)、Pは尿素水濃度(%)、Kは(3×10-3/22.4)である。なお、この容積に関する排気ガス量Vg(m3 /h)は重量に関する排気ガス量Wg(kg/h)を排気ガス密度ρ(kg/m3 )で除した値である。即ち、Vg=Wg/ρgである。
次のステップS13cでは、第2の尿素水供給量Q2を上限値Qu以下の値に設定する。この第2の尿素水供給量Q2は上限値Qu以下であれば良いが、SCR触媒装置14の冷却効果と尿素水Sの消費量のバランスを考慮して決める。
この第2の尿素水供給量Q2は、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGのSCR触媒入口排気ガス温度T14a と対応させて、あるいは、SCR触媒入口排気ガス温度T14a の変化に応じて決めるのが好ましい。例えば、冷却効果を強くする必要がある時は前回の第2の尿素水供給量Q2よりも所定の供給量の増分ΔQ2分だけ多くし(Q2=Q2+ΔQ2)、冷却効果を維持する場合はそのままとし(Q2=Q2)、冷却効果を弱くする必要がある時は前回の第2の尿素水供給量Q2よりも所定の供給量の増分ΔQ2分だけ少なくする(Q2=Q2−ΔQ2)。なお、所定の供給量の増分ΔQ2分だけ多くして上限値Quを超えた場合は、第2の尿素水供給量Q2を上限値Quとする(Q2=Qu)。
なお、第2の尿素水供給量Q2の上限値Quの算出は、次のような考えから導いている。第2の尿素水供給量Q2c(kg/h)の尿素水から発生するアンモニアのモル数ΔMは、ΔM=Q2c×(32.5/100)×(2/60)×103 となる。このアンモニアの標準状態(0℃、1気圧)のガス量ΔVnh3(m3 /h)はΔM×22.4となる。
このアンモニアのガス量ΔVnh3(m3 /h)に、非アンモニア浄化率(1−ηnh3/100)を乗じて、酸化触媒装置15の下流側へ流出するアンモニアのガス量ΔVsnh3(m3 /h)を算出する。この非アンモニア浄化率は、酸化触媒装置15によるアンモニア浄化率ηnh3(%)を1.0から引き算して算出されるが、このアンモニア浄化率ηnh3(%)は、図9に示す酸化触媒装置16の触媒温度(℃)とアンモニア浄化率ηnh3(%)との関係から算出される。
そして、アンモニアの流出ガス量ΔVsnh3(m3 /h)を、ステップS11bで算出した排気ガス流量Vg(m3 /h)で除して、流出アンモニア濃度Csnh3(ppm)を算出する。Csnh3=ΔVsnh3×(1−ηnh3/100)/Vg×106 =(Q2c/Vg)×(1−ηnh3/100)×(P/100)×(2/60)×22.4×106 となる。
この流出アンモニア濃度Csnh3(ppm)が所定の判定濃度C0(ppm)となる第2の尿素水供給量(kg/h)Q2cを第2の尿素水供給量Q2の上限値Qu(kg/h)とする。この所定の判定濃度C0(ppm)は、アンモニアの匂いが気にならないようなレベル、例えば、10ppm以下とする。
逆算すると、(Qu/Vg)×(1−ηnh3/100)×(P/100)×(2/60)×22.4×106 =C0から、Qu=K×(C0×Vg/P)/(1−ηnh3/100)となる。ここで、K=3×10-3/22.4である。
この図2〜図4の制御フローに従って制御により、SCR(選択的接触還元型)触媒装置14の触媒温度Tcを指標する触媒温度指標値T14a が所定の判定温度Th より大きくなった場合に、SCR触媒装置14でNOxを還元するためのNOx還元用尿素水Q1に加えて、SCR触媒装置14に流入する排気ガスを冷却してSCR触媒装置14の触媒温度Tc を低下させるための冷却用尿素水Q2を供給することができる。
さらに、尿素水の供給量Qtを、SCR触媒装置14で消費可能な尿素量に相当する第1の尿素水供給量Q1と、酸化触媒装置15で消費可能な尿素量に相当する第2の尿素水供給量Q2とに基づいて算出することができる。
そして、第1の尿素水供給量Q1を、エンジン11から排出されるNOx排出量(NOx排出重量)WonとSCR触媒装置14のNOx浄化率ηnoxとから算出し、第2の尿素水供給量Q2を、エンジン11から排出される排気ガス量Vgと酸化触媒装置15のアンモニア変換率ηnh3とから算出することができる。
上記の図2〜図4の制御フローに示す実施の形態では、DPF装置13の強制再生時以外でも、SCR触媒装置14に流入する排気ガスGの温度、即ち、SCR触媒入口排気ガス温度T14a を常時モニターし、何らかの原因で、SCR触媒入口排気ガス温度T14a が所定の判定温度Th より大きくなった場合に、SCR触媒冷却制御を行うようにしている。
しかし、DPF装置13の強制再生時にSCR触媒入口排気ガス温度T14a が高くなり易いので、DPF装置13の強制再生時のみ、SCR触媒冷却制御を行うように構成してもよい。この場合は、DPF装置13の強制再生時のみ図2〜図4の制御フローに入るようし、強制再生時でない場合は、ステップS15のNOx還元制御を行うように構成すればよい。
このDPF装置13の強制再生時の排気ガス昇温制御では、エンジン11のシリンダ内(筒内)噴射においてポスト噴射(後噴射)、又は、マルチ噴射(多段遅延噴射)とポスト噴射を行うと共に排気絞りと吸気絞りを行う。この排気ガス昇温制御において、吸気絞り弁(図示しない)を絞る吸気絞り制御やEGR制御も併用する場合もある。
なお、上記の説明では、排気ガス浄化システム1におけるDPF装置13として、触媒を担持しないフィルタのみのDPF装置を例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、フィルタに酸化触媒を担持させた連続再生型DPF装置、フィルタの上流側に酸化触媒を設けた連続再生型DPF装置、フィルタに触媒を担持させると共に該フィルタの上流側に酸化触媒を設けたDPF装置等の他のタイプのDPFにも適用可能である。
本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システムのシステム構成図である。 本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化システムの制御方法を示す制御フロー図である。 第1の尿素水供給量の算出のフローの一例を示す図である。 第2の尿素水供給量の算出のフローの一例を示す図である。 NOx濃度マップの一例を示す図である。 空気流量マップの一例を示す図である。 燃料流量マップの一例を示す図である。 NOx浄化率マップの一例を示す図である。 アンモニア浄化率と酸化触媒装置の入口排気ガス温度との関係の一例を示す図である。
符号の説明
1 排気ガス浄化システム
11 ディーゼル内燃機関(エンジン)
12 排気通路
13 DPF装置
14 選択的接触還元型触媒装置(SCR触媒装置)
15 酸化触媒装置
21 尿素水噴射弁
30 制御装置(ECU)
31 入口排気ガス温度センサ
32 出口排気ガス温度センサ
Ac エンジン負荷
Acc アクセル開度
C0 所定の判定濃度
Cnox エンジンから排出される排気ガス中のNOx濃度
Csnh3 流出アンモニア濃度
K 定数(=3×10-3/22.4)
Ne エンジン回転速度
P 尿素水濃度
Pb ブースト圧力
Q1 第1の尿素水供給量
Q2 第2の尿素水供給量
Qu 第2の尿素水供給量の上限値
T14a SCR触媒入口排気ガス温度
T14b SCR触媒出口排気ガス温度
Tc 触媒温度
Vg 容積に関する排気ガス量(容積/時間)
Wa 空気流量(吸入空気量)
Wan 処理可能なNOx重量
Wf 燃料流量
Wg 重量に関する排気ガス量(重量/時間)
Won NOx排出重量
Wcnh3 SCR触媒装置内に蓄積されたアンモニア量
ηnox NOx浄化率
ηnh3 アンモニア浄化率
ΔVsnh3 アンモニアの流出ガス量

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に上流側から順にNOxを浄化するための選択的接触還元型触媒装置と酸化触媒装置を配設し、前記選択的接触還元型触媒装置にアンモニア系水溶液を供給する水溶液供給装置を前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に配設すると共に、前記アンモニア系水溶液の供給量を調整する水溶液供給量調整手段を備え、
    前記選択的接触還元型触媒装置でNOxを還元するためのNOx還元用アンモニア系水溶液に加えて、前記選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスを冷却して前記選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を低下させるための冷却用アンモニア系水溶液を供給する排気ガス浄化システムの制御方法において、
    前記アンモニア系水溶液の供給量を、前記選択的接触還元型触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第1のアンモニア系水溶液供給量と、前記酸化触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第2のアンモニア系水溶液供給量とに基づいて算出すると共に、 前記第1のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出されるNOx排出量と前記選択的接触還元型触媒装置のNOx浄化率とから算出し、
    前記第2のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出される排気ガス量と前記酸化触媒装置のアンモニア変換効率とから算出し、
    更に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する制御の全体時間が所定の時間よりも多くなった時には異常であると判定することを特徴とする排気ガス浄化システムの制御方法。
  2. 前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に、排気ガス中の粒子状物質を浄化するためのディーゼルパティキュレートフィルタ装置を配設し、該ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の強制再生制御時に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給することを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システムの制御方法。
  3. 前記酸化触媒装置の下流側に流出するアンモニア流出量が、所定の限界値以下になる量の範囲内に、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を設定することを特徴とする請求項1又は2記載の排気ガス浄化システムの制御方法。
  4. 前記所定の限界値を10ppmとすることを特徴とする請求項3記載の排気ガス浄化システムの制御方法。
  5. 内燃機関の排気通路に上流側から順にNOxを浄化するための選択的接触還元型触媒装置と酸化触媒装置を配設し、前記選択的接触還元型触媒装置にアンモニア系水溶液を供給する水溶液供給装置を前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に配設すると共に、前記アンモニア系水溶液の供給量を調整する水溶液供給量調整手段を備え、
    前記選択的接触還元型触媒装置でNOxを還元するためのNOx還元用アンモニア系水溶液に加えて、前記選択的接触還元型触媒装置に流入する排気ガスを冷却して前記選択的接触還元型触媒装置の触媒温度を低下させるための冷却用アンモニア系水溶液を供給する排気ガス浄化システムにおいて、 前記水溶液供給量調整手段が、前記アンモニア系水溶液の供給量を、前記選択的接触還元型触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第1のアンモニア系水溶液供給量と、前記酸化触媒装置で消費可能なアンモニア量に相当する第2のアンモニア系水溶液供給量とに基づいて算出すると共に、
    前記第1のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出されるNOx排出量と前記選択的接触還元型触媒装置のNOx浄化率とから算出し、
    前記第2のアンモニア系水溶液供給量を、内燃機関から排出される排気ガス量と前記酸化触媒装置のアンモニア変換効率とから算出し、
    更に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給する制御の全体時間が所定の時間よりも多くなった時には異常であると判定することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  6. 前記選択的接触還元型触媒装置の上流側に、排気ガス中の粒子状物質を浄化するためのディーゼルパティキュレートフィルタ装置を配設し、該ディーゼルパティキュレートフィルタ装置の強制再生制御時に、前記冷却用アンモニア系水溶液を供給することを特徴とする請求項5記載の排気ガス浄化システム。
  7. 前記水溶液供給量調整手段が、前記酸化触媒装置の下流側に流出するアンモニア流出量が、所定の限界値以下になる量の範囲内に、前記第2のアンモニア系水溶液供給量を設定することを特徴とする請求項5又は6記載の排気ガス浄化システム。
  8. 前記水溶液供給量調整手段が、前記所定の限界値を10ppmとすることを特徴とする請求項7記載の排気ガス浄化システム。
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