JP3858779B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気ガスを浄化する排気ガス浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等に搭載される内燃機関においては、排気ガス中に含まれる有害物質(例えば、煤等の排気微粒子、炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等)を除去して排気ガスを浄化すべく、排気ガス通路に目的に応じた排気ガス浄化手段(例えば、酸化触媒、パティキュレートフィルタ、NOx吸蔵剤等)が配置される。
【0003】
そしてこのように用いられる排気ガス浄化手段を使用するに際しては、その性能を十分に発揮するために、もしくは、排気ガス浄化手段自体の再生を行うために排気ガス浄化手段の温度を上昇させる必要がある場合がある。
例えばディーゼル機関に対して、排気ガス浄化手段としてNOx吸蔵剤が担持されたパティキュレートフィルタ(以下「NOx吸蔵剤担持フィルタ」という)が排気ガス通路に配置されている場合には、NOx吸蔵剤担持フィルタに捕集された排気微粒子(PM)を燃焼除去される(PM再生)。また、NOx吸蔵剤が排気ガス中に含まれるSOxを吸蔵し、そのためにNOxの吸蔵能が低下してしまうという硫黄被毒の問題を解消すべく吸蔵したSOxが放出される(硫黄被毒再生)。これらの再生のために、NOx吸蔵剤担持フィルタの温度を上昇させる必要がある。そして、これらの場合、熱劣化もしくは溶損等が生じないようにNOx吸蔵剤担持フィルタの温度を制御することが要求される。
【0004】
このような要求に対し、NOx吸蔵剤担持フィルタの下流に排気ガス温度センサを設け、その測定結果に基づいてNOx吸蔵剤担持フィルタの温度を推定しつつNOx吸蔵剤担持フィルタに適量の還元剤(燃料)を供給してNOx吸蔵剤担持フィルタの温度を上昇させるという昇温制御の方法が公知である。これは、供給した還元剤をNOx吸蔵剤担持フィルタにおいて反応させて昇温しようとするものであり、還元剤の供給量が推定されるNOx吸蔵剤担持フィルタの温度によってフィードバック制御され、NOx吸蔵剤担持フィルタが所望の温度になるように、もしくは過昇温されないように温度制御される。
【0005】
しかしながら、この方法ではNOx吸蔵剤担持フィルタを通過する排気ガス流量が少ない場合には、NOx吸蔵剤担持フィルタが過昇温されてしまう恐れがある。すなわち、この方法のように供給した還元剤をNOx吸蔵剤担持フィルタで反応させて昇温しようとする場合においては、還元剤(通常は燃料である軽油が用いられる)の反応性が比較的低いことからNOx吸蔵剤担持フィルタにおいて大きな温度分布が生じ易い。つまり、還元剤が上流から下流へ移動しながら徐々に反応するため、通常の排気ガス流量の場合には、NOx吸蔵剤担持フィルタの上流側部分よりも下流側部分で温度が高くなる。しかしながら、排気ガス流量が少ない場合にはNOx吸蔵剤担持フィルタの下流側部分に達するまでに還元剤が反応する等の理由で、逆にNOx吸蔵剤担フィルタの上流側部分で温度が上昇する傾向がある。
【0006】
このような場合には、NOx吸蔵剤担持フィルタを通過してくる排気ガスの温度は上昇しておらず、NOx吸蔵剤担持フィルタの下流に設けた排気ガス温度センサでは、NOx吸蔵剤担持フィルタの上流側部分の温度上昇が検出できない。このため、この排気ガス温度センサによる測定結果に基づいてNOx吸蔵剤担持フィルタの温度を上昇させる昇温制御を行うとNOx吸蔵剤担持フィルタの上流側部分が過昇温されてしまい、熱劣化や溶損が生じる恐れがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、排気ガス浄化手段の下流に設けられた温度検出手段によって検出された排気ガス温度に基づいて還元剤を添加することにより排気ガス浄化手段を昇温制御する排気ガス浄化装置において、排気ガス浄化手段が過昇温する危険性を低減した排気ガス浄化装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された排気ガス浄化装置を提供する。
1番目の発明は、内燃機関の排気ガスが通る排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、該排気ガス浄化手段を昇温する昇温制御を実施する昇温制御手段であって、上記排気ガス浄化手段よりも上流において還元剤を添加する還元剤添加手段と、上記排気ガス浄化手段よりも下流において排気ガス温度を検出する温度検出手段とを有し、上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記還元剤添加手段による還元剤の添加を制御することによって上記昇温制御を実施する昇温制御手段と、を具備する排気ガス浄化装置において、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定または検出する流量検出手段を更に有していて、上記昇温制御を開始しようとする時に上記排気ガスの流量が、予め定めた流量であって上記排気ガスの流量が該予め定めた流量以下である場合には上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記昇温制御を実施すると上記排気ガス浄化手段を過昇温してしまう可能性があるという予め定めた流量以下の場合には上記昇温制御を開始しない、排気ガス浄化装置を提供する。
【0009】
排気ガス浄化手段の上流において還元剤を添加して排気ガス浄化手段を昇温しようとする場合、排気ガス浄化手段を流通する排気ガス流量が少ないと排気ガス浄化手段の下流側部分よりも上流側部分において温度が上昇する傾向がある。そしてこのような場合、排気ガス浄化手段の下流における排気ガスの温度はあまり上昇しないため、排気ガス浄化手段の下流における排気ガス温度に基づいて排気ガス浄化手段の昇温制御が行われていると、排気ガス浄化手段の特に上流側部分が過昇温されてしまう恐れがある。
本発明によれば、上記排気ガス流量が上記予め定めた流量以下の場合には上記昇温制御は開始されないので、排気ガス浄化手段が過昇温される危険性が低減される。
【0010】
2番目の発明は1番目の発明において、上記昇温制御実施中に上記排気ガスの流量が予め定めた第1の所定時間継続して上記予め定めた流量以下となった場合には上記昇温制御を中止する。
この発明によれば、昇温制御の開始後においても排気ガス流量の少ない状態が所定時間継続した場合には昇温制御が中止されるので、より確実に排気ガス浄化手段の過昇温が防止される。
【0011】
3番目の発明は、内燃機関の排気ガスが通る排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、該排気ガス浄化手段を昇温する昇温制御を実施する昇温制御手段であって、上記排気ガス浄化手段よりも上流において還元剤を添加する還元剤添加手段と、上記排気ガス浄化手段よりも下流において排気ガス温度を検出する温度検出手段とを有し、上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記還元剤添加手段による還元剤の添加を制御することによって上記昇温制御を実施する昇温制御手段と、を具備する排気ガス浄化装置において、上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定または検出する流量検出手段を更に有していて、上記昇温制御実施中に上記排気ガスの流量が予め定めた第1の所定時間継続して予め定めた流量であって上記排気ガスの流量が該予め定めた流量以下である場合には上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記昇温制御を実施すると上記排気ガス浄化手段を過昇温してしまう可能性があるという予め定めた流量以下となった場合には上記昇温制御を中止する、排気ガス浄化装置を提供する。
この発明によっても排気ガス浄化手段が過昇温される危険性を低減することができる。
【0012】
4番目の発明によれば2番目または3番目の発明において、上記昇温制御を中止した後、上記排気ガスの流量が予め定めた第2の所定時間継続して上記予め定めた流量を超えた場合には上記昇温制御を再開する。
この発明によれば、排気ガス浄化手段の過昇温を防止しつつ可能な限り迅速に昇温を図ることができる。
5番目の発明によれば1番目から4番目の何れかの発明において、上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの温度を推定または検出する手段を更に有し、該手段により推定または検出される流入排気ガス温度に基づいて排気ガス流量に関する上記予め定めた流量が補正される。
【0013】
還元剤が添加される排気ガスの温度によって還元剤の反応性が異なるため、上記排気ガスの温度によって排気ガス浄化手段における温度分布が異なり、排気ガス流量との関係で生じる排気ガス浄化手段の上流側部分と下流側部分との温度差の大きさも異なる。この温度差が小さければ、排気ガス浄化手段の下流における排気ガス温度に基づいて排気ガス浄化手段の昇温制御を行っても排気ガス浄化手段が過昇温されてしまう危険性は低い。
したがって、本発明のようにすることによって、排気ガス流量に関する上記予め定めた流量がより適切に補正され、排気ガス浄化手段の過昇温を生じさせずに上記昇温制御が実施可能か否かについて、より適切且つ詳細な判定が可能となる。
【0014】
6番目の発明によれば1番目から5番目の何れかの発明において、上記排気ガス浄化手段が、酸化触媒、排気ガス中の微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、流通する排気ガスの空燃比が小さくなると吸蔵したNOxを離脱させ、空燃比がリッチとなり還元剤が存在していれば離脱させたNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤のうちの少なくとも一つを含む。
上記排気ガス浄化手段が酸化触媒を含めばHCやCO等を、パティキュレートフィルタを含めば煤等の排気微粒子を、NOx吸蔵剤を含めばNOxを、夫々排気ガス中から除去することが可能となる。
【0015】
7番目の発明によれば1番目から6番目の何れかの発明において、上記流量検出手段は、機関負荷と機関回転数とに基づいて上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定する。
本発明によれば、排気ガス流量センサを具備することなく簡易な方法で排気ガス流量を求めることができる。
【0016】
8番目の発明によれば1番目から7番目の何れかの発明において、上記還元剤添加手段による還元剤の添加は、機関の膨張行程または排気行程中におけるシリンダ内への燃料噴射、機関の排気ポートへの燃料添加、上記排気ガス浄化手段の上流の排気ガス通路内への還元剤添加のうちの少なくとも一つを含む。
本発明によれば、還元剤または燃料の添加により確実に排気ガス浄化手段の昇温を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用することもできる。
【0018】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、更に吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示される実施形態では機関冷却水が冷却装置18内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。
【0019】
一方、排気ポート10は排気マニホルド19および排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口には排気ガス浄化装置100が連結される。排気ガス浄化装置100は後述するようにNOx吸蔵剤46を担持しているパティキュレートフィルタ22(以下、単に「フィルタ」という)を内蔵している。また、フィルタ22の上流には、必要に応じて還元剤を排気経路内に添加する還元剤添加ノズル44が設けられている。更に、フィルタ22の下流にはフィルタ22を通過してきた排気ガスの温度を検出する温度センサ45が設けられている。
【0020】
排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路24を介して互いに連結され、EGR通路24内には電気制御式EGR制御弁25が配置される。また、EGR通路24周りにはEGR通路24内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置26が配置される。図1に示される構成では機関冷却水が冷却装置26内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール27に連結される。このコモンレール27内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ28から燃料が供給され、コモンレール27内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール27にはコモンレール27内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基づいてコモンレール27内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ28の吐出量が制御される。
【0021】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。温度センサ45及び燃料圧センサ29の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁25、還元剤添加ノズル44および燃料ポンプ28に接続される。
【0022】
図2にフィルタ22の拡大断面図を示す。図2を参照すると、フィルタ22は多孔質セラミックから成り、排気ガスは矢印で示されるように図中左から右に向かって流れる。フィルタ22内には、上流側に栓48が施された第1通路50と下流側に栓52が施された第2通路54とが交互に配置されハニカム状をなしている。排気ガスが図中左から右に向かって流れると、排気ガスは第2通路54から多孔質セラミックの隔壁を通過して第1通路50に流入し、下流側に流れる。この時、排気ガス中の排気微粒子は多孔質セラミックによって捕集されて排気ガス中から除去され、排気微粒子の大気への放出が防止される。
【0023】
このように捕集された排気微粒子は、内燃機関の運転状態によって、例えば排気温度が高くなる高負荷運転時等には自然に燃焼するが、通常の運転状態では次第に堆積していく。排気微粒子が堆積するとフィルタ22において生じる排気抵抗(すなわち、圧力損失)が上昇して内燃機関の性能に悪影響を及ぼす要因となる。このため、フィルタ22に堆積した排気微粒子は燃焼して除去すること(PM再生)が必要であり、そのためにはフィルタ22を昇温する必要がある。
【0024】
一方、フィルタ22の第1通路50および第2通路54の隔壁の表面及び内部の細孔内にはNOx吸蔵剤46が担持されている。NOx吸蔵剤46は、例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つと、白金Ptのような貴金属とから成る。NOx吸蔵剤46は流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、流通排気ガスの空燃比が小さくなると吸蔵したNOxを排気ガス中に離脱させ、更に空燃比がリッチとなり排気ガス中にHCやCO等の還元剤が存在する状態であると離脱させたNOxを還元浄化する作用(NOxの吸蔵離脱及び還元浄化作用)を有する。
【0025】
図1に示されるような圧縮着火式内燃機関では、通常時の排気ガス空燃比はリーンでありNOx吸蔵剤46は排気ガス中のNOxの吸蔵を行う。そして、一定期間使用する等してNOx吸蔵剤46の吸蔵効率が低下した時または低下する前に還元剤添加ノズル44からフィルタ22上流側の排気ガス通路に還元剤を供給して、NOx吸蔵剤流通排気ガスの空燃比を小さくすると共に還元剤の存在する状態にしてNOx吸蔵剤46に吸蔵したNOxを離脱させると共に還元浄化するようにしている。なお、このようなNOx吸蔵剤46におけるNOxの吸蔵離脱及び還元浄化作用のメカニズムについては公知であるので説明は省略する。
【0026】
ところで、内燃機関の燃料には硫黄(S)成分が含まれている場合があり、この場合には排気ガス中に硫黄酸化物(SOx)が含まれることとなる。排気ガス中にSOxが存在するとNOx吸蔵剤46はNOxの吸蔵作用を行うのと同様のメカニズムで排気ガス中のSOxの吸蔵を行う。
【0027】
ところが、NOx吸蔵剤46に吸蔵されたSOxは比較的安定であり、一般にNOx吸蔵剤46に蓄積されやすい傾向がある。NOx吸蔵剤46のSOx蓄積量が増大すると、NOx吸蔵剤46のNOx吸蔵容量が減少して排気ガス中のNOxの除去を十分に行うことができなくなるため、NOxの浄化効率が低下するいわゆる硫黄被毒(S被毒)の問題が生じる。特に、燃料として比較的硫黄成分を多く含む軽油を使用するディーゼルエンジンにおいてはこの硫黄被毒の問題が生じやすい。
【0028】
一方、NOx吸蔵剤46に吸蔵されたSOxについても、NOxと同じメカニズムで離脱させることが可能であることが知られている。しかし、SOxは比較的安定した形でNOx吸蔵剤46に吸蔵されるため、通常のNOxの離脱及び還元浄化が行われる温度(例えば250℃程度以上)ではNOx吸蔵剤46に吸蔵されたSOxを離脱させることは困難である。このため、硫黄被毒を解消するためには(すなわち硫黄被毒再生するためには)、NOx吸蔵剤46(すなわちフィルタ22)を通常のNOxの還元浄化等が行われる時より高い温度、すなわち硫黄分放出温度(例えば600℃以上)に昇温する必要があり、それと同時に流入する排気ガスの空燃比を略ストイキまたはリッチにする必要がある。
【0029】
以上のように排気ガス浄化装置100はフィルタ22を有し、排気ガス中の排気微粒子とNOxを同時に除去し得るが、このフィルタ22は必要に応じて再生(PM再生、硫黄被毒再生)する必要があり、そのためにはフィルタ22を昇温する必要がある。
これに対し排気ガス浄化装置100は、上述したようにフィルタ22の上流に還元剤添加ノズル44を有すると共にフィルタ22の下流に温度センサ45を有しており、必要に応じて通常は以下のような昇温制御を行ってフィルタ22を昇温する。
【0030】
すなわち、PM再生または硫黄被毒再生が必要であると判断されると、還元剤添加ノズル44から還元剤の添加が行われ、還元剤の反応熱によってフィルタ22の昇温が図られる。ここでは、還元剤として、貯蔵、補給等の際の煩雑さを避けるため機関1の燃料である軽油が使用されている。そして、この際、温度センサ45によりフィルタ22を通過してくる排気ガスの温度がモニターされてフィルタ22の温度が推定され、フィルタ22が過昇温されないように還元剤添加ノズル44による還元剤の添加が制御される。ここで過昇温とは、フィルタ22が熱劣化もしくは溶損してしまう温度(以下、単に「熱劣化温度」という)にまで昇温されることを意味する。
【0031】
このような昇温制御により、通常は問題なくフィルタ22の昇温が図られるのであるが、一定の場合にはフィルタ22が過昇温されてしまう危険性がある。すなわち、上述した昇温制御のように添加した還元剤(軽油)をフィルタ22において反応させて昇温しようとする場合には、還元剤の反応性が比較的低いことからフィルタ22において大きな温度分布が生じ易い。
【0032】
つまり、還元剤が上流から下流へ移動しながら徐々に反応するため、通常の排気ガス流量の場合には、フィルタ22の上流側部分よりも下流側部分で温度が高くなる。図3(a)は、この場合のフィルタ22の各部分における温度の経時変化について示したものであり、図中、TDは熱劣化温度を示し、TLはフィルタ22を再生するために必要な温度、すなわち昇温制御の目標最低温度を示している。この場合には、フィルタ22の下流側部分の温度が高いため、フィルタ22の下流に設けられた温度センサ45で検出される温度は比較的高く、この温度センサ45で検出される温度に基づいて還元剤添加ノズル44による還元剤の添加を制御してもフィルタ22を過昇温してしまう可能性は低い。
【0033】
しかしながら、排気ガス流量が少ない場合にはフィルタ22の下流側部分に達するまでに還元剤が反応してしまう等の理由で、逆にフィルタ22の上流側部分で温度が上昇する傾向がある。図3(b)は、この場合のフィルタ22の各部分における温度の経時変化について示したものである。この場合には、フィルタ22の下流側部分の温度が低いため、フィルタ22を通過してくる排気ガスの温度は比較的低く、フィルタ22の下流に設けた温度センサ45ではフィルタ22の上流側部分の温度上昇が検出できない。このため、この温度センサ45で検出される温度に基づいて還元剤添加ノズル44による還元剤の添加を制御すると、更に昇温が必要と判断されて過剰な還元剤が添加されフィルタ22を過昇温してしまう可能性がある。
【0034】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、排気ガス浄化装置100においては、以下で説明するような制御を行い、フィルタ22が過昇温される危険性を低減する。
図4は、図1に示した構成で実施し得る制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。なお、この制御ルーチンは電子制御ユニット30により一定時間毎の割り込みによって実行される。
【0035】
この制御ルーチンが実行されると、まず、ステップ101で昇温制御の実施条件が成立したか否かが判定される。上述の説明からも明らかなように、本実施形態における昇温制御は、具体的には、PM再生制御のため、もしくは硫黄被毒再生制御のためのものである。したがって、実際にここで成立したか否かが判定される実施条件はPM再生制御の実施条件あるいは硫黄被毒再生制御の実施条件である。
【0036】
PM再生制御の実施条件であれば、例えばフィルタ22に堆積した微粒子量が一定量以上になること等であるが、この場合、堆積微粒子量を直接求めることは困難であるので例えば機関から排出される微粒子量、すなわち車両走行距離に基づいて堆積微粒子量を推定する。つまり、前回PM再生制御を実施した時点からの走行距離が予め定められた設定値よりも大きくなった時にPM再生制御実施条件が成立したと判定する。
【0037】
あるいは、この実施条件をフィルタ22の上流側と下流側の圧力差を基準として判定するようにしてもよい。すなわち、フィルタ22に排気微粒子が堆積してくるとフィルタ22における圧力損失が大きくなるため上記圧力差が次第に大きくなる。そこで、PM再生制御が必要となる排気微粒子堆積量の時の上記圧力差を事前に実験等で求め、基準圧力差としてROM32に記憶させておけば、圧力差を検出または推定し、上記基準圧力差と比較することによってPM再生制御の実施の要否が判定できる。すなわち、検出又は推定された圧力差が上記基準圧力差以上であれば、PM再生制御実施条件が成立したと判定する。なお、上記圧力差は、差圧センサ(図示なし)を設けて検出することができる。
【0038】
また、硫黄被毒再生制御の実施条件については、例えばNOx吸蔵剤46に吸蔵されたSOx量、すなわち吸蔵SOx量が一定量以上になること等であるが、この場合も上述の堆積微粒子量と同様、吸蔵SOx量を直接求めることは困難であるので例えば機関から排出されるSOx量、すなわち車両走行距離に基づいて吸蔵SOx量を推定する。つまり、前回硫黄被毒再生制御を実施した時点からの走行距離が予め定められた設定値よりも大きくなった時に硫黄被毒再生制御実施条件が成立したと判定する。
【0039】
ステップ101において昇温制御(PM再生制御または硫黄被毒再生制御)の実施条件が成立していないと判定された場合には本制御ルーチンは終了し、成立していると判定された場合にはステップ103に進む。
ステップ103においては、フィルタ22を流通する排気ガスの流量Qが推定または検出される。この排気ガス流量Qは、フィルタ22の流入端近傍に流量センサ(図示なし)を設けて求めるようにしてもよいが、本実施形態では機関運転状態に基づいて推定するようにしている。すなわち、排気ガス流量Qを機関運転状態、例えば機関負荷A/N(吸入空気量A/機関回転数N)及び機関回転数Nの関数として予め求めてマップにしておき、このマップに基づいてその時の機関負荷A/Nと機関回転数Nとから上記昇温制御実施条件が成立した時、すなわち昇温制御を開始しようとする時の排気ガス流量Qを推定する。
【0040】
ステップ103で排気ガス流量Qが求められると、この排気ガス流量Qは続くステップ105において、昇温制御開始可否の判定の基準となる流量CQと比較される。CQの値は実験等により予め設定されるものであり、排気ガス流量Qがこの値CQ以下である場合には、上述したような理由で、フィルタ22の下流に設けられた温度センサ45で検出される温度に基づいて還元剤添加ノズル44による還元剤の添加を制御して昇温制御を行うと、フィルタ22を過昇温してしまう可能性があるという流量である。
【0041】
ステップ105において上記排気ガス流量Qが基準となるCQ以下であると判定された場合は、そのまま昇温制御を行うとフィルタ22を過昇温してしまう可能性のある場合であるので、昇温制御は行われずに制御ルーチンが終了する。これによって、排気ガス流量Qが少ない時に昇温制御が行われフィルタ22が過昇温される危険性が低減される。
一方、上記排気ガス流量QがCQを超えていると判定された場合にはステップ107に進み、昇温制御が開始される。すなわち、上記温度センサ45によって検出される排気ガス温度に基づいて上記還元剤添加ノズル44による還元剤の添加を制御することによってフィルタ22の昇温が図られる。
【0042】
次いで、ステップ109において昇温制御の完了条件が成立したか否かが判定される。上述したように、本実施形態における昇温制御は、具体的には、PM再生制御のため、もしくは硫黄被毒再生制御のためのものであるので、ここで成立したか否かが判定される完了条件はPM再生制御の完了条件あるいは硫黄被毒再生制御の完了条件である。例えば、PM再生制御もしくは硫黄被毒再生制御に必要な温度以上に必要な時間維持された場合等に昇温制御完了条件が成立したと判定される。
【0043】
ステップ109において昇温制御完了条件が成立したと判定された場合には、制御ルーチンは終了し、成立していないと判定された場合にはステップ111に進む。
ステップ111においては昇温制御の中止条件が成立したか否かが判定される。ここで昇温制御の中止条件は、昇温制御実施中においてフィルタ22を流通する排気ガスの流量Qが上記CQ以下となる状態が予め定めた所定時間CP1だけ継続することであり、この条件が成立するとステップ113に進んで昇温制御が中止される。
【0044】
昇温制御の実施中に排気ガス流量が低下した場合にも、フィルタ22の上流側部分が下流側部分よりも昇温され易い状態となる。そしてこの状態が続くと、フィルタ22の下流に設けられた温度センサ45で検出される温度に基づいて還元剤添加ノズル44による還元剤の添加を制御して行う上記昇温制御を継続することによってフィルタ22を過昇温してしまう可能性が生じる。そこで、本制御ルーチンでは、昇温制御開始後、すなわち昇温制御実施中においても所定時間CP1以上継続して排気ガス流量QがCQ以下となった場合には昇温制御を中止するようにして、フィルタ22が過昇温される危険性を低減している。
【0045】
なお、基準となる所定時間CP1には、適切な値が実験等によって予め設定される。すなわち、所定時間CP1を短く設定するとフィルタ22の過昇温を確実に防止できるが、昇温制御が頻繁に中止される場合も考えられ、その場合には実施されるべき再生制御がなかなか完了できないという不都合が生じる。一方、所定時間CP1を長く設定すると、実施されるべき再生制御は速やかに実施され得るが、フィルタ22が過昇温される可能性は高くなる。所定時間CP1は、これらのことを考慮して適切な値に設定される。また、当然のことながら、このような所定時間CP1の設定の際にはCQとの関係も考慮される。CQが高めに設定されていればそれだけ昇温制御中止条件は成立し易くなるからである。
【0046】
ステップ111で昇温制御中止条件が成立していないと判定された場合にはステップ107に戻り昇温制御が継続される。ステップ111で昇温制御中止条件が成立したと判定されてステップ113に進み昇温制御が中止された場合には、続くステップ115において昇温制御の再開条件が成立しているか否かが判定される。
【0047】
ここで昇温制御の再開条件は、昇温制御中止中においてフィルタ22を流通する排気ガスの流量Qが上記CQを超える状態が予め定めた所定時間CP2だけ継続することであり、この条件が成立するとステップ107に進んで昇温制御が再開される。
昇温制御の中止中は、まだ昇温制御の完了条件が成立した場合ではないので、排気ガス流量Qが増加して上記のような昇温制御を実施してもフィルタ22を過昇温してしまう可能性が無くなった場合には昇温制御を再開すべきである。しかし、排気ガス流量Qは瞬間的に増加する場合もあり、このような場合に昇温制御を再開してもすぐに再度中止することとなってしまう。そこで本制御ルーチンでは、ある程度定常的な運転状態となった場合、すなわち昇温制御中止中において所定時間CP2以上継続して排気ガス流量QがCQを超えた場合に昇温制御を再開するようにしている。
【0048】
なお、基準となる所定時間CP2には、適切な値が実験等によって予め設定される。すなわち、所定時間CP2を短く設定するとフィルタ22に対して実施されるべき再生制御の早期完了が果たされるが、昇温制御の中止と再開が頻繁に繰り返される場合も考えられる。一方、所定時間CP2を長く設定すると、昇温制御再開条件の成立が難しくなって昇温制御が再開されず、実施されるべき再生制御がなかなか完了できないという不都合が生じる。所定時間CP2は、これらのことを考慮して適切な値に設定される。また、当然のことながら、所定時間CP2の設定の際にはCQとの関係も考慮される。CQが低めに設定されていればそれだけ昇温制御再開条件は成立し易くなるからである。
【0049】
ステップ115で昇温制御再開条件が成立していないと判定された場合にはステップ113に戻り昇温制御を中止した状態が継続される。ステップ115で昇温制御再開条件が成立したと判定された場合には、上述したようにステップ107に進んで昇温制御が再開され、その後の制御が繰り返される。そして最終的には、昇温制御完了条件が成立して(ステップ109)、制御ルーチンが終了する。
【0050】
以上、説明したように、本排気ガス浄化装置100においては、フィルタ22を流通する排気ガスの流量Qと関連付けて昇温制御を実施するか否か(開始、中止、再開等)を判定することによって、フィルタ22が過昇温される危険性が低減される。
なお、以上の説明においては、昇温制御実施可否の判定の基準となる流量CQを一定の値(流量)であるかのように説明したが、CQをフィルタ22に流入する排気ガス温度TIに応じて補正するようにしてもよい。すなわち、還元剤が添加される排気ガス、すなわち流入排気ガスの温度TIによって還元剤の反応性が異なるため、流入排気ガスの温度TIによってフィルタ22における温度分布が異なり、排気ガス流量Qとの関係で生じるフィルタ22の上流側部分と下流側部分との温度差の大きさも異なる。
【0051】
例えば流入排気ガスの温度TIが低ければ還元剤の反応性が低下するため、フィルタ22の下流側部分の温度がより高くなる傾向となる。したがって、先に図3を参照して行った説明等を考慮すると、排気ガス流量Qが少ない場合において、流入排気ガス温度TIが低い時には流入排気ガス温度TIが高い時に比べてフィルタ22の上流側部分と下流側部分との間に生じる温度差は小さくなる傾向がある。この温度差が小さければ、フィルタ22の下流における排気ガス温度に基づいてフィルタ22の昇温制御を行ってもフィルタ22が過昇温されてしまう危険性は低い。つまり、流入排気ガス温度TIが低い時には、上記CQの値をより小さくすることができる。そして逆に流入排気ガス温度TIが高い時には、上記CQの値をより大きくする必要がある。
【0052】
そして、このように流入排気ガス温度TIに応じてCQを補正するための補正係数を事前に求めてグラフ化もしくはマップ化しておくことにより、流入排気ガス温度TIに応じてCQをより適切に補正することが可能となり、フィルタ22の過昇温を生じさせずに上記昇温制御が実施可能か否かについて、より適切且つ詳細な判定が可能となる。
【0053】
なお、この場合にはフィルタ22へ流入する排気ガスの温度TIを推定または検出する手段が必要となるが、この手段としてフィルタ22の流入端近傍に温度センサ(図示なし)を設けてもよい。あるいは、排気ガス流量Qの場合と同様に、流入排気ガス温度TIを機関運転状態、例えば機関負荷A/N(吸入空気量A/機関回転数N)及び機関回転数Nの関数として予め求めてマップにしておき、このマップに基づいて機関負荷A/Nと機関回転数Nとから推定するようにしてもよい。
【0054】
また、上述の制御の説明においては、図4に示した制御ルーチンのステップ101で昇温制御実施条件が成立したと判定された後、ステップ103でフィルタ22を流通する排気ガスの流量Qが推定または検出され、ステップ105においてこの排気ガス流量QがCQと比較されて昇温制御を開始するか否かが判定されたが、この部分のステップを省略し、ステップ101において昇温制御実施条件が成立したと判定された場合には、すぐにステップ107に進み昇温制御が開始されるようにしてもよい。
【0055】
昇温制御が開始されてもすぐにフィルタ22が過昇温される場合は少なく、また、排気ガス流量が少ない場合にはステップ111において昇温制御中止条件が成立して昇温制御が中止されるので、ステップ103及びステップ105を省略した場合でもフィルタ22の過昇温の危険性は低減できる。これにより、制御をより簡単化することができる。
【0056】
なお、上述した排気ガス浄化装置100においては、還元剤添加手段としてフィルタ22の上流に還元剤添加ノズル44が設けられ、これにより排気ガス通路内へ還元剤(燃料)の添加が行われたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の手段によって還元剤(燃料)の添加が行われてもよい。例えば、燃料噴射弁6により機関の膨張行程または排気行程中にシリンダ内に燃料噴射する、いわゆるポスト噴射によって行うようにしてもよい。あるいは、排気ポート10の部分に燃料添加ノズル(図示無し)を設け、それによって排気ポート10内へ燃料添加するようにしてもよい。
【0057】
また、上述した排気ガス浄化装置100においては、排気ガス浄化手段としてNOx吸蔵剤46が担持されたパティキュレートフィルタ22が用いられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば酸化触媒等、昇温制御を必要とする他の排気ガス浄化手段にも適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、排気ガス浄化手段の下流に設けられた温度検出手段によって検出された排気ガス温度に基づいて還元剤を添加することにより排気ガス浄化手段を昇温制御する排気ガス浄化装置において、排気ガス浄化手段が過昇温する危険性を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の排気ガス浄化装置を筒内噴射型の圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示す図である。
【図2】図2は、NOx吸蔵剤が担持されたパティキュレートフィルタの拡大断面図である。
【図3】図3は、昇温制御を実施した際のNOx吸蔵剤担持パティキュレートフィルタの各部分における温度の経時変化について示したものである。
【図4】図4は、図1で示された構成で実施し得る制御の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…機関本体
5…燃焼室
6…電気制御式燃料噴射弁
22…パティキュレートフィルタ
30…電子制御ユニット
44…還元剤添加ノズル
45…温度センサ
46…NOx吸蔵剤
100…排気ガス浄化装置

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気ガスが通る排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、
    該排気ガス浄化手段を昇温する昇温制御を実施する昇温制御手段であって、上記排気ガス浄化手段よりも上流において還元剤を添加する還元剤添加手段と、上記排気ガス浄化手段よりも下流において排気ガス温度を検出する温度検出手段とを有し、上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記還元剤添加手段による還元剤の添加を制御することによって上記昇温制御を実施する昇温制御手段と、を具備する排気ガス浄化装置において、
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定または検出する流量検出手段を更に有していて、
    上記昇温制御を開始しようとする時に上記排気ガスの流量が、予め定めた流量であって上記排気ガスの流量が該予め定めた流量以下である場合には上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記昇温制御を実施すると上記排気ガス浄化手段を過昇温してしまう可能性があるという予め定めた流量以下の場合には上記昇温制御を開始しない、排気ガス浄化装置。
  2. 上記昇温制御実施中に上記排気ガスの流量が予め定めた第1の所定時間継続して上記予め定めた流量以下となった場合には上記昇温制御を中止する、請求項1に記載の排気ガス浄化装置。
  3. 内燃機関の排気ガスが通る排気ガス通路に配置された排気ガス浄化手段と、
    該排気ガス浄化手段を昇温する昇温制御を実施する昇温制御手段であって、上記排気ガス浄化手段よりも上流において還元剤を添加する還元剤添加手段と、上記排気ガス浄化手段よりも下流において排気ガス温度を検出する温度検出手段とを有し、上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記還元剤添加手段による還元剤の添加を制御することによって上記昇温制御を実施する昇温制御手段と、を具備する排気ガス浄化装置において、
    上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定または検出する流量検出手段を更に有していて、
    上記昇温制御実施中に上記排気ガスの流量が予め定めた第1の所定時間継続して予め定めた流量であって上記排気ガスの流量が該予め定めた流量以下である場合には上記温度検出手段によって検出される排気ガス温度に基づいて上記昇温制御を実施すると上記排気ガス浄化手段を過昇温してしまう可能性があるという予め定めた流量以下となった場合には上記昇温制御を中止する、排気ガス浄化装置。
  4. 上記昇温制御を中止した後、上記排気ガスの流量が予め定めた第2の所定時間継続して上記予め定めた流量を超えた場合には上記昇温制御を再開する、請求項2または3に記載の排気ガス浄化装置。
  5. 上記排気ガス浄化手段に流入する排気ガスの温度を推定または検出する手段を更に有し、該手段により推定または検出される流入排気ガス温度に基づいて排気ガス流量に関する上記予め定めた流量が補正される、請求項1から4の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  6. 上記排気ガス浄化手段が、酸化触媒、排気ガス中の微粒子を捕集するパティキュレートフィルタ、流通する排気ガスの空燃比がリーンの時にはNOxを吸蔵し、流通する排気ガスの空燃比が小さくなると吸蔵したNOxを離脱させ、空燃比がリッチとなり還元剤が存在していれば離脱させたNOxを還元浄化するNOx吸蔵剤のうちの少なくとも一つを含む、請求項1から5の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  7. 上記流量検出手段は、機関負荷と機関回転数とに基づいて上記排気ガス浄化手段を流通する排気ガスの流量を推定する、請求項1から6の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
  8. 上記還元剤添加手段による還元剤の添加は、機関の膨張行程または排気行程中におけるシリンダ内への燃料噴射、機関の排気ポートへの燃料添加、上記排気ガス浄化手段の上流の排気ガス通路内への還元剤添加のうちの少なくとも一つを含む、請求項1から7の何れか一項に記載の排気ガス浄化装置。
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