JP4051547B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、エンジンという)の排ガス中に含まれる有害成分を浄化する排気後処理装置を備えた内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
この種の排気浄化装置としては、例えばディーゼルエンジンから排出されるパティキュレートを浄化するために、エンジンの排気系の上流側に酸化触媒を設け、下流側にディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を設けたものを挙げることができる。当該排気浄化装置では、排ガス中のパティキュレートをDPFに捕集する一方、排ガス温度が比較的高い運転状態のときに、酸化触媒の作用により排ガス中のNOからNO2を生成し、このNO2を酸化剤として利用してDPF5に捕集されたパティキュレートを焼却除去している(連続再生)。又、この連続再生作用が得られない運転状態が継続されて、パティキュレート堆積量が許容量を越えたときには、例えばポスト噴射により膨張行程或いは排気行程で追加燃料を噴射し、追加燃料中のHCを燃焼させてDPF上のパティキュレートを強制的に焼却除去している(強制再生)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記強制再生時のパティキュレートの燃焼作用は、HCを酸化触媒で燃焼させることで効率的にDPFを昇温することで得られる。しかしながら、このときの酸化触媒の昇温状況は、触媒上のHC吸着量に応じて大きく変動することが確認されている。
【0004】
即ち、酸化触媒上のHC吸着量が少ないときには、図5に破線で示すように強制再生の開始と共に触媒温度Tが緩やかに上昇して正常な昇温が行われるのに対し、HC吸着量が多いときには多量のHCが急速に燃焼することから、実線で示すように触媒温度Tが急上昇し、耐熱温度を越えて触媒を破損させてしまう虞があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、HCの供給により排気後処理装置を昇温する際に、排気後処理装置に吸着されているHCの急燃焼による過昇温を防止し、もって、排気後処理装置の破損を未然に防止することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気系に設けられた排気後処理装置と、排気後処理装置の上流側の排気系にHCを供給するHC供給手段と、排気後処理装置の昇温が要求されたとき、排気後処理装置に基準量のHCを供給すべくHC供給手段を制御する制御手段と、制御手段の制御中において、排気後処理装置に吸着されているHC総吸着量を推定又は演算し、推定又は演算されたHC総吸着量が排気後処理装置に過昇温の虞がない最大のHC量として設定された許容値を越えるとき、HC供給手段のHC供給に適用される基準量を低減するか或いはHC供給を中止する補正手段とを備えたものである。
【0007】
従って、排気後処理装置の昇温が要求されたときには、HC供給手段から排気後処理装置の上流側の排気系にHCが供給されて、HCの燃焼により排気後処理装置の昇温が行われる。これと並行して、補正手段により排気後処理装置に吸着されているHC総吸着量が推定又は演算され、そのHC総吸着量が排気後処理装置に過昇温の虞がない最大のHC量として設定された許容値を越えるときには、排気後処理装置に供給されるHCの基準量が低減されるか或いはHC供給が中止される。その結果、多量のHCが急燃焼したときの排気後処理装置の過昇温が防止されると共に、無駄なポスト噴射による燃費悪化が回避される。
【0008】
請求項1の発明の好ましい態様として、排気後処理装置を、排ガス中のパティキュレートを捕集するフィルタと、フィルタの上流側に配置された、或いはフィルタ上に担持された酸化機能を有する触媒とから構成することができる。
このように構成した場合の排気後処理装置は、排ガス中のパティキュレートを捕集する機能を奏し、フィルタ上のパティキュレート堆積量が所定値を越えると、HC供給手段によりHCが供給されて、HCの燃焼によりフィルタが昇温されてパティキュレートの焼却除去が行われると共に、触媒の昇温に伴って排ガス中のNOから生成されたNO2が酸化剤としてパティキュレートの燃焼を促進する。そして、HC供給手段から供給されたHCの一部は触媒上に吸着されるが、触媒上に吸着されているHC総吸着量に応じてHC供給量が補正されることで、HCの急燃焼による触媒の過昇温が防止される。
【0009】
又、請求項1の発明の別の好ましい態様として、上記排気後処理装置は、三元触媒、又は排ガス中のNOxを浄化するNOx触媒の何れか一つから構成することができる。
排気後処理装置を三元触媒として構成した場合には、例えば早期活性化のためのHC供給を要し、NOx触媒として構成した場合には、例えば硫黄被毒したときのSOx放出のためのHC供給を要するが、このような場合に、HC総吸着量に基づくHC供給量の補正により、三元触媒やNOx触媒の過昇温が防止される。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1において、補正手段が、所定期間内に排気後処理装置に吸着されたHC吸着量と、所定期間内に排気後処理装置から浄化されたHC浄化量との偏差を求め、偏差の積算値からHC総吸着量を推定又は演算するものである。
従って、所定期間内に排気後処理装置に吸着されたHC吸着量と、所定期間内に排気後処理装置から浄化されたHC浄化量との偏差が求められ、この偏差は、所定期間内に排気後処理装置に吸着又は浄化されたHCの量と見なすことができ、この偏差を積算することで、排気後処理装置に吸着されているHC総吸着量を推定又は演算可能となる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2において、補正手段が、所定期間内のHC吸着量を、排気後処理装置の温度、HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、及び前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量から求めるものである。
従って、排気後処理装置へのHCの吸着は、温度、周囲のHC濃度、HC吸着に関する排気後処理装置の余力の影響を受けることから、排気後処理装置の温度、HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量に基づき、所定期間内に排気後処理装置に吸着されたHC吸着量を正確に求めることが可能となる。
【0012】
請求項3の発明の好ましい態様として、上記補正手段は、HC濃度をHC供給手段により供給されるHC供給量に基づいて求めることができる。つまり、HC濃度はHC供給量に相関するため、HC供給量に基づいて正確なHC濃度を求めることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項2において、補正手段が、所定期間内のHC浄化量を、排気後処理装置の温度に基づく浄化反応速度、及び前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量から求めるものである。
【0013】
排気後処理装置上でHCが浄化されるときの反応速度は温度の影響を受けることから、排気後処理装置の温度に基づいて正確な浄化反応速度を求めることができ、この浄化反応速度と前回の排気後処理装置のHC総吸着量とに基づき、所定期間内に排気後処理装置から浄化されたHC浄化量を正確に求めることが可能となる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項2において、補正手段が、所定期間内のHC吸着量を、排気後処理装置の温度、HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、及び前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量から求める一方、所定期間内のHC浄化量を、排気後処理装置の温度に基づく浄化反応速度、及び前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量から求め、所定期間内のHC吸着量と所定期間内のHC浄化量との偏差の積算値から、HC総吸着量を推定又は演算するものである。
【0015】
従って、排気後処理装置へのHCの吸着は、温度、周囲のHC濃度、HC吸着に関する排気後処理装置の余力の影響を受けることから、排気後処理装置の温度、HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、及び前回推定又は演算した排気後処理装置のHC総吸着量に基づき、所定期間内のHC吸着量が正確に求められ、一方、HCの酸化反応は温度の影響を受けることから、排気後処理装置の温度から求めた浄化反応速度、及び前回の排気後処理装置のHC総吸着量に基づき、所定期間内のHC浄化量が正確に求められ、これらのHC吸着量とHC浄化量との偏差を積算することで、排気後処理装置のHC総吸着量を正確に推定又は演算可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をコモンレール式ディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、図中のディーゼルエンジン1は、例えば直列4気筒エンジンとして構成され、その各気筒には燃料噴射ノズル2(HC供給手段)が設けられている。各燃料噴射ノズル2は燃料管路3を介して共通のコモンレール4に接続され、コモンレール4は燃料供給装置5に接続されている。
【0018】
又、エンジン1の排気通路7には、上流側に酸化触媒8が設けられると共に下流側にDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)9が設けられ、本実施形態では、これらの酸化触媒8及びDPF9により排気後処理装置が構成されている。
例えば酸化触媒8は、ハニカム型のセラミック担体上にプラチナ(Pt)等の貴金属からなる触媒層を担持して構成されている。又、DPF9は、例えば特開平11−101122号公報に記載されているように、ハニカム型のセラミック担体からなり、その多数の排ガス通路の上流側と下流側の開口部を交互に閉鎖することにより、図中に矢印で示すように、通路を形成している多孔質の壁を経て排ガスを流通させるように構成されている。尚、DPF9の上流側に酸化触媒8を設ける代わりに、DPF9自体に酸化触媒層を担持してもよい。
【0019】
一方、車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニット)11が設置されている。ECU11の入力側には、アクセル操作量APSを検出するアクセルセンサ12、エンジン回転速度Neを検出する回転速度センサ13、酸化触媒の温度(触媒温度)Tを検出する温度センサ14等の各種センサ類が接続され、出力側には前記燃料噴射ノズル2や燃料供給装置5等の各種デバイス類が接続されている。
【0020】
そして、ECU11はアクセル操作量APSやエンジン回転速度Ne等の検出情報に基づいて、燃料噴射量や噴射時期等を設定し、それらの値に基づいて燃料噴射ノズル2や燃料供給装置5を制御する。
一方、エンジン1からの排ガスは、排気通路7に案内されて酸化触媒8を経てDPF9に至り、DPF9の通路の壁を流通する際に含有するパティキュレートが捕捉された後、大気中に排出される。パティキュレートの捕集によりDPF9上のパティキュレート堆積量は次第に増加するが、堆積したパティキュレートは、エンジン1が所定の運転状態(例えば、排ガス温度が比較的高い運転状態)のときに、酸化触媒8の酸化作用により排ガス中のNOから生成されたNO2 を酸化剤として利用して、連続的に酸化・焼却除去される。
【0021】
又、連続再生作用が得られない運転状態が継続されると、DPF9でのパティキュレート堆積量が次第に増加して許容量を越えてしまうため、このような状況を想定して、ECU11はパティキュレートを強制的に焼却除去する強制再生を実施している。パティキュレート堆積量は、DPF9の前後差圧(つまり、DPF9の圧損)及び排気流量と相関することから、これらの関係を規定したマップに基づいて推定したパティキュレート堆積量が所定値を越えたときに、強制再生を開始している。本実施形態では強制再生としてポスト噴射を利用しており、主噴射後の膨張行程や排気行程でポスト噴射を実施して、追加燃料の燃焼により直接的にDPF9を昇温することで、酸化触媒8上でのパティキュレートの焼却除去を図る(制御手段)。
【0022】
一方、この強制再生時のポスト噴射は、酸化触媒8の過昇温抑制を目的としてECU11により適宜制御されている。そこで、以下にECU11による過昇温の抑制制御ついて詳述するが、この過昇温抑制制御は、酸化触媒8に吸着されているHCの量(後述するHC総吸着量HCadsorb)に基づいて行われるため、まず、HC総吸着量HCadsorbの算出処理について説明する。
【0023】
図2は酸化触媒8のHC総吸着量HCadsorbを算出する手順を示すブロック図であり、HC総吸着量HCadsorbは、このブロック図に従って所定時間Δt(後述する過昇温抑制ルーチンの制御インターバル)毎にECU11により算出される。
まず、図中のマップ(a)〜(c)に基づいて、酸化触媒8に吸着される時間当たりのHCの量としてHC吸着速度fが算出される。酸化触媒8へのHCの吸着は、温度、周囲のHC濃度、HC吸着に関する酸化触媒8の余力(最大HC吸着量に対する吸着割合)の影響を受けることから、触媒温度T、ポスト噴射により酸化触媒8上に供給されるHCの濃度HCpost、前回算出時の酸化触媒8のHC総吸着量HC’adsorbに基づいてHC吸着速度fが設定される[f(T,HCpost,HC’adsorb)]。即ち、HC吸着速度fは、マップaに示すように触媒温度Tの増加に伴って減少し、マップbに示すようにHC濃度HCpostの増加に伴って増加し、HC総吸着量HC’adsorbの減少に伴って増加するように設定される。
【0024】
尚、HC濃度HCpostは、ポスト噴射量や排ガス流量のみならず、主噴射に対するポスト噴射の燃焼割合によっても変化することから、種々のパラメータから論理的に算出することは困難である。そこで、例えば排ガス流量毎に、各ポスト噴射状態に対するHC濃度HCpostの関係を予めマップとして設定しておき、上記HC濃度HCpostの算出に利用することが考えられる。
【0025】
一方、マップ(d)に基づいて酸化触媒8上でHCが浄化されるときの反応速度kが算出される。HCの酸化反応は温度の影響を受けることから、浄化反応速度kは触媒温度Tに基づき、マップdに示すように触媒温度Tの増加に伴って急激に増加するように設定される。
次いで、次式(1)に従って今回のHC総吸着量HCadsorbが算出される。
【0026】
HCadsorb=HC’adsorb+(f−kHC’adsorb)Δt………(1)
つまり、浄化反応速度kに前回のHC総吸着量HC’adsorbを乗算した値は、酸化触媒8から浄化される時間当たりのHCの量を意味し、この乗算値を上記HC吸着速度fから減算して所定時間Δtを乗算すると、所定時間Δtに酸化触媒8に吸着(負の場合は浄化)されたHCの量が求められる。よって、求めたHC量を前回のHC総吸着量HC’adsorbに加算すると、今回のHC総吸着量HCadsorbが求められるのである(補正手段)。
【0027】
一方、マップ(e)に基づいて、DPF9の強制再生時に酸化触媒8を過昇温させる虞がない最大のHC量として許容量HCmaxが算出される。上記のようにポスト噴射の追加燃料は燃焼により昇温に貢献するが、追加燃料の一部は未燃HCとして酸化触媒8上に吸着される。図3の特性図に示すように、触媒温度Tが低いほど酸化触媒8へのHC吸着量は急増し、それに伴って酸化触媒8上でHCが急燃焼する虞が高まることになる。そこで、マップ(e)の特性は、図3に示したHCの吸着特性を考慮した上で、実質的に図3の値に対して数10%程度に設定される。但し、図3の特性に対して一律でなく、マッチングにより最適値を選択する必要がある。
【0028】
その後、上記HC総吸着量HCadsorbと許容量HCmaxとを比較する。HC総吸着量HCadsorbが許容量HCmax未満のときには、矢印Aで示すように、強制再生制御側で実施される次回のポスト噴射量等(上記ポスト噴射状態)から求めたHC濃度HCpostを入力して、所定時間Δt後の次回のHC総吸着量HCadsorbの算出に適用する。
【0029】
又、HC総吸着量HCadsorbが許容量HCmaxを越えているときには、後述するポスト噴射の中止に対応するようにHC濃度HCpostを0に設定して、次回のHC総吸着量HCadsorbの算出に適用する。
以上のようにして算出されたHC総吸着量HCadsorbに基づき、ECU11により酸化触媒8の過昇温抑制が行われる。この処理は図4に示す過昇温抑制ルーチンに基づいて実施され、ECU11は強制再生制御と並行して当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
【0030】
まず、ステップS2で上記HC総吸着量HCadsorbの算出に必要な触媒温度TやHC濃度HCpost等の情報を読み込み、続くステップS4で上記算出手順に従って今回のHC総吸着量HCadsorbを求める。次いで、ステップS6でHC総吸着量HCadsorbが上記許容量HCmaxを越えているか否かを判定し、NOのときにはステップS8でポスト噴射禁止フラグFpostをクリアした後、ルーチンを終了する。又、上記ステップS6でNOの判定を下したときには、ステップS10でポスト噴射禁止フラグFpostをセットした後、ルーチンを終了する。
【0031】
強制再生制御側では、ポスト噴射禁止フラグFpostの設定に応じてポスト噴射の実行状態が切換えられ、ポスト噴射禁止フラグFpostがクリアされているときのみ、ポスト噴射を実行する。よって、HC総吸着量HCadsorbが許容量HCmax未満であり、図5に破線で示すように酸化触媒8上で多量のHCが急燃焼する虞がないときには、ポスト噴射禁止フラグFpostのクリアに基づいて強制再生制御で通常通りポスト噴射が継続され、供給された追加燃料の燃焼により酸化触媒及びDPFの昇温が行われる。
【0032】
一方、HC総吸着量HCadsorbが許容量HCmaxを越えており、図5に実線で示すようにHCの急燃焼が起こり得ると推測されるときには、ポスト噴射禁止フラグFpostのセットに基づいて強制再生制御でポスト噴射が中止される(補正手段)。その結果、酸化触媒8上への追加燃料の供給が中断されてHCの吸着が抑制されるため、結果としてHCの急燃焼による酸化触媒8の過昇温を防止でき、過昇温による酸化触媒8の破損を未然に防止することができる。しかも、無駄なポスト噴射が防止されるため、これによる燃費悪化を未然に回避できるという別の利点も得られる。
【0033】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化し、DPF9の強制再生時に、ポスト噴射の追加燃料により酸化触媒8上でHCが急燃焼するのを防止したが、排気後処理装置の昇温を目的としてHCを供給し、このときにHCの急燃焼が生じる虞があるものであれば、内燃機関や排気後処理装置の種別はこれに限ることはない。
【0034】
従って、例えば吸蔵型リーンNOx触媒を備えたガソリンエンジンの排気浄化装置に具体化し、硫黄被毒した吸蔵型リーンNOx触媒からSOx(硫黄酸化物)を放出するときに、追加燃料によるNOx触媒上でのHCの急燃焼を防止するために、上記実施形態と同様にNOx触媒上のHC総吸着量HCadsorbに基づいて追加燃料の供給を制御してもよい。又、例えば三元触媒を早期活性化するために追加燃料を供給する場合にも利用でき、HC総吸着量HCadsorbに基づく追加燃料の制御により、三元触媒上でのHCの急燃焼を防止できる。
【0035】
又、上記実施形態では、HC総吸着量HCadsorbが許容量HCmaxを越えると、ポスト噴射を中止したが、例えばHC総吸着量HCadsorbと許容量HCmaxとの偏差に応じて、ポスト噴射量をきめ細かく制御するようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、強制再生時にポスト噴射によりHCを供給したが、HC供給の手段はこれに限ることはなく、例えば排気通路7に設けた燃料噴射ノズルにより未燃燃料を供給するようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1〜4の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、HCの供給により排気後処理装置を昇温する際に、排気後処理装置のHC総吸着量が許容値を越えるときには、排気後処理装置に供給されるHCの基準量を低減するか或いはHC供給を中止するため、排気後処理装置に吸着されているHCの急燃焼による過昇温を防止して、排気後処理装置の破損を未然に防止でき、しかも、無駄なポスト噴射による燃費悪化を回避することができる。
【0037】
請求項5の発明の内燃機関の排気浄化装置によれば、請求項2に加えて、排気後処理装置のHC総吸着量を一層正確に推定又は演算でき、HCの急燃焼による排気後処理装置の過昇温をより確実に防止することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のディーゼルエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。
【図2】酸化触媒のHC総吸着量HCadsorbを算出する手順を示すブロック図である。
【図3】触媒温度Tに対するHCの吸着特性を示す図である。
【図4】ECUが実行する過昇温抑制ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】HC吸着量に対する強制再生時の昇温状況を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
2 燃料噴射ノズル(HC供給手段)
7 排気通路
11 ECU(制御手段、補正手段)

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気系に設けられた排気後処理装置と、
    上記排気後処理装置の上流側の排気系にHCを供給するHC供給手段と、
    上記排気後処理装置の昇温が要求されたとき、上記排気後処理装置に基準量のHCを供給すべく上記HC供給手段を制御する制御手段と、
    上記制御手段の制御中において、上記排気後処理装置に吸着されているHC総吸着量を推定又は演算し、推定又は演算されたHC総吸着量が上記排気後処理装置に過昇温の虞がない最大のHC量として設定された許容値を越えるとき、上記HC供給手段のHC供給に適用される基準量を低減するか或いはHC供給を中止する補正手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記補正手段は、所定期間内に上記排気後処理装置に吸着されたHC吸着量と、所定期間内に上記排気後処理装置から浄化されたHC浄化量との偏差を求め、該偏差の積算値から上記HC総吸着量を推定又は演算することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記補正手段は、上記所定期間内のHC吸着量を、上記排気後処理装置の温度、上記HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、及び前回推定又は演算した上記排気後処理装置のHC総吸着量から求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記補正手段は、上記所定期間内のHC浄化量を、上記排気後処理装置の温度に基づく浄化反応速度、及び前回推定又は演算した上記排気後処理装置のHC総吸着量から求めることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記補正手段は、上記所定期間内のHC吸着量を、上記排気後処理装置の温度、上記HC供給手段によるHC供給時のHC濃度、及び前回推定又は演算した上記排気後処理装置のHC総吸着量から求める一方、上記所定期間内のHC浄化量を、上記排気後処理装置の温度に基づく浄化反応速度、及び前回推定又は演算した上記排気後処理装置のHC総吸着量から求め、該所定期間内のHC吸着量と所定期間内のHC浄化量との偏差の積算値から、上記HC総吸着量を推定又は演算することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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