JP4661016B2 - 可変容量過給機付内燃機関の制御装置 - Google Patents

可変容量過給機付内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量過給機付内燃機関の制御装置に係り、特に、排気ガスの流量に対する過給能力を容量に応じて変化させる可変容量過給機付内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば実開平5−38330号公報に開示されるように、可変容量過給機を備える内燃機関が知られている。従来の可変容量過給機は、タービンのガス流入口の有効径を可変とする可変ノズルを備えている。この可変ノズルが絞られると、過給機の容量が小さくなり(ガス流入口の有効径が小さくなり)、タービン内での排気ガスの流速が速まることから、少量の排気ガスでタービンを高速回転させることが可能となる。一方、可変ノズルが開かれると、その逆の現象が生じ、タービンは、大きな排気損失を生じさせることなく多量の排気ガスを流通させ得る状態となる。
【0003】
可変容量過給機を備える内燃機関では、通常、機関回転数に応じて可変ノズルの開度が制御される。より具体的には、機関回転数が低く、排気ガスの流量が少ない領域では、その状態で十分な過給能力を確保すべく可変ノズルが絞られる。そして、機関回転数が高く、多量の排気ガスが発生する領域では、大きな排気圧力が生ずるのを避け、また、過給機の回転速度が不当に高くなるのを避けるべく、可変ノズルは開かれる。このような制御が行われることにより、可変容量過給機を備える内燃機関では、広い回転領域において、優れた出力特性を得ることができる。
【0004】
ところで、内燃機関に対しては、吸入空気量が少量しか発生していない状況下で加速が求められることがある。例えば、惰性走行の後にアクセルペダルが大きく踏み込まれた場合、或いは、シフトチェンジの過程でアクセルペダルの解放と踏み込みが連続的に行われた場合などは、上記の加速要求が生ずる典型的な場面である。
【0005】
ディーゼル機関においてこのような加速が要求されると、一時的に、吸入空気量が少ないまま燃料噴射量だけが多量となる状態が生ずる。この場合、燃料の燃焼性が悪化し、スモークの増量、すなわち、パティキュレートマス(PM:Particulate Mass)の増加という好ましくない現象が生ずる。
【0006】
そこで、上記従来の内燃機関は、惰性走行を検知した場合、およびクラッチ伝達トルクの消滅を検知した場合に、可変ノズルを絞って可変容量過給機の容量を減少させることとしている。この場合、惰性走行に次いでアクセルペダルが踏み込まれた際に、或いは、シフトチェンジの過程でアクセルペダルが踏み込まれた際に、速やかにタービン回転数を上昇させて吸入空気量を増量させることができるため、空気の量と燃料の量とのバランスを保つことができ、スモークの発生を抑制することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の内燃機関では、スモークの抑制のみを目的として可変ノズルの開度が制御されている。より具体的には、従来の内燃機関において、可変ノズルの開度は、内燃機関の燃費を考慮することなく制御されている。
【0008】
内燃機関の排気圧力は、可変ノズルの開度が絞られるほど高くなる。つまり、内燃機関の排気損失は、可変ノズルの開度が絞られるほど大きくなる。従って、内燃機関の燃費は、可変ノズルの開度が小さくされるに連れて悪化し易くなる。このため、上述した従来の可変ノズルの制御手法によれば、アクセルペダルの急激な踏み増しに対してスモーク発生量は抑制できるものの、その反面、内燃機関の燃費が悪化し易いという問題が生ずる。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の燃費特性を悪化させることなく可変容量過給機の容量を適正に制御することのできる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記の目的を達成するため、
排気ガスの流量に対する過給能力を可変ノズル開度に応じて変化させる可変容量過給機と、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGRシステムとを備える内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の定常運転時における前記可変ノズル開度の目標を設定する定常時目標開度設定手段と、
内燃機関の過渡運転時における前記可変ノズル開度の目標を設定する過渡時目標開度設定手段と、
前記目標が達成されるように前記可変容量過給機の可変ノズル開度を制御する開度制御手段と、を備え、
前記定常時目標開度設定手段は、効率から見た開き制限、PM排出最大値制限、及び定常NOx排出量制限のうち最も小さい開度を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を定常運転時における目標開度とし、
前記過渡時目標開度設定手段は、燃料消費最大値制限及び過給機最大回転数制限のうち大きい方の開度を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を過渡運転時における目標開度し、
前記効率から見た制限は、その開度を超えて可変ノズル開度を増やすと前記可変容量過給機の総合効率が低下する可変ノズル開度であり、
前記PM排出最大値制限は、パティキュレートマス排出量を許容値以下とする可変ノズル開度の上限値であり、
前記定常NOx排出量制限は、要求量以上のEGR量を発生させる可変ノズル開度の上限値であり、
前記燃料消費最大値制限は、燃料消費量を許容値以下とする可変ノズル開度の下限値であり、
前記過給機最大回転数は、過給機回転数を許容上限値以下とする可変ノズル開度の下限値であることを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置であって、
前記定常時目標開度設定手段は、
パティキュレートマス及びNOx排出量を許容範囲内に収め得る最も大きな可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第1開度算出手段と、
前記可変容量過給機の総合効率を最大にする可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第2開度算出手段と、
前記第1開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、前記第2開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち小さい方を、定常運転時における目標開度とする定常時目標開度選択手段と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置であって、
前記過渡時目標開度設定手段は、
料消を許容範囲内に収め得る最も小さな可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第3開度算出手段と、
過給機回転数を許容上限値とするための容量を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第4開度算出手段と、
前記第3開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、前記第4開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち大きい方を、過渡運転時における目標開度とする過渡時目標開度選択手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の定常運転時における目標過給圧基本値を設定する定常時目標過給圧設定手段と、
内燃機関の過渡運転時における目標過給圧基本値を設定する過渡時目標過給圧設定手段と、
内燃機関の過給圧が前記目標過給圧基本値と一致するように、前記可変容量過給機の可変ノズル開度を制御する第2開度制御手段と、を備え、
前記定常時目標過給圧設定手段は、効率から見た過給圧制限、PM排出最大値過給圧制限、及び定常NOx排出量過給圧制限のうち最も高い圧力を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を定常運転時における目標過給圧基本値とし、
前記過渡時目標過給圧設定手段は、燃料消費最大値過給圧制限及び過給機最大回転数過給圧制限のうち低い方の圧力を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を過渡運転時における目標過給圧基本値とすることを特徴とする。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置であって、
前記定常時目標過給圧設定手段は、
パティキュレートマス及びNOx排出量を許容範囲内に収め得る最も低い過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第1過給圧算出手段と、
前記可変容量過給機の総合効率を最大にする過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第2過給圧算出手段と、
前記第1過給圧算出手段により算出された過給圧と、前記第2過給圧算出手段により算出された過給圧のうち高い方を、定常運転時における目標過給圧基本値とする定常時目標過給圧選択手段と、
を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4または5記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置であって、
前記過渡時目標過給圧設定手段は、
料消を許容範囲内に収め得る最も高い過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第3過給圧算出手段と、
過給機回転数を許容上限値とするための過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第4過給圧算出手段と、
前記第3過給圧算出手段により算出された過給圧と、前記第4過給圧算出手段により算出された過給圧のうち低い方を、過渡運転時における目標過給圧基本値とする過渡時目標過給圧選択手段と、
を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項記載の可変容量過給機付内燃機関であって、
内燃機関が所定期間内に過渡運転に移行することを表す過渡移行現象を検出する過渡移行現象検知手段と、
前記過渡移行現象が検出された後、内燃機関が現実に過渡運転に移行するまでの間は、内燃機関が過渡運転中であるものと見なす過渡運転みなし手段と、
を備えることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の可変容量過給機付内燃機関の制御装置の構成を説明するための図である。図1において、内燃機関10は、吸気通路12および排気通路14を備えている。吸気通路12の途中には、可変容量過給機16のコンプレッサ18が設けられている。また、排気通路14の途中には、可変容量過給機16のタービン20が設けられている。
【0022】
可変容量過給機16のタービン20は、内燃機関10の排気ガスを動力源として回転する。コンプレッサ18は、タービン20と共に回転しながら、吸気通路12を流れる空気を内燃機関10に過給する。このため、内燃機関10は、自然吸気の場合に比して多量の空気を吸入し、高い出力を発生することができる。
【0023】
タービン20のガス流入口には、タービン20の容量を変化させるための容量可変機構22が配置されている。
図2は、容量可変機構22の構造を図1に示すII矢視で表した概念図である。
容量可変機構22は、図2に示すように、タービン20のガス流入口24の有効径を変化させるための可変ノズル(VN: Variable Nozzle)26を備えている。VN26は、図示しないアクチュエータに駆動されることにより、ガス流入口24の有効径を狭める方向に、或いはその径を広げる方向に動作することができる。
【0024】
VN26が、ガス流入口24の有効径を狭める方向(図中、C方向)に動作すると、排気ガスの流量が同じであっても、タービン20の内部における排気ガスの流速を早めることができる。以下、この動作の方向を、VN26を「閉じる」方向と表現する。一方、VN26が、ガス流入口24の有効径を広げる方向に動作すると、排気ガスの流量が同じであっても、タービン20の内部における排気ガスの流速は遅くなる。以下、この動作の方向を、VN26を「開く」方向と表現する。
【0025】
タービン20は、排気ガスの流速が早いほど高速で回転する。また、コンプレッサ18は、タービン20が高速で回転するほど高い能力で空気を過給する。従って、可変容量過給機16によれば、可変ノズル26の開度を制御することで、単位流量当たりの排気ガスに対する過給能力を変化させることができる。
【0026】
図1に示す構成において、内燃機関10には、図示しないEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムが搭載されている。EGRシステムは、排気ガスの一部を吸気系に還流させることにより、NOxの排出量を低減させる既知のシステムである。
【0027】
また、図1に示す構成において、容量可変機構22には、ECU(Electronic Control Unit)30が接続されている。ECU30には、機関回転数NEを検出する回転数センサ32、車速SPDを検出する車速センサ34、アクセルペダルの開度Acclを検出するアクセル開度センサ36、トランスミッションの状態を検出するシフト位置センサ38、およびコンプレッサ18により生成された過給圧を検出する吸気圧センサ40などの各種電子機器が接続されている。ECU30は、それらの電子機器から供給される情報に基づいて、容量可変機構22の可変ノズル26を適当な開度に制御する装置である。
【0028】
次に、図3を参照して、VN26の開度(以下、「VN開度」と称す)と、各種の物理量との関係を説明する。尚、図3(A)〜図3(E)に示す関係は、内燃機関の運転状態を特定した場合の関係であり、それらの関係は、内燃機関の運転状態に応じて、より具体的には、機関回転数NEや、燃料噴射量Q(ディーゼル機関の場合)などに応じて変化する。
【0029】
図3(A)は、VN開度と可変容量過給機16の回転数との関係を示す。この図に示す通り、過給機16の回転数は、VN26が閉じられるほど高くなる。本実施形態において、過給機16の回転数には、過給機16を保護するため、所定の上限値が設定されている。従って、VN開度は、過給機16の回転数がその上限値を越えない値に制限する必要がある。図3(A)中に符号▲4▼を付して示すVN開度は、上記の要求から設定されたVN開度の制限値である。以下、その制限値▲4▼を「過給機最大回転数制限▲4▼」と称す。
【0030】
図3(C)は、VN開度とPM(パティキュレートマス)との関係を示す。この図に示す通り、PMは、VN開度が大きくなるに連れて、つまり、過給機16の回転数が低下して過給圧が低下するに連れて多量となる。本実施形態では、PMに関して、排出の許容される最大値が定められている。従って、VN開度は、PMがその許容値以下となるように設定する必要がある。図3(C)中に符号▲2▼を付して示すVN開度は、上記の要求から設定されたVN開度の制限値である。以下、その制限値▲2▼を「PM排出最大値制限▲2▼」と称す。
【0031】
図3(D)は、VN開度と過給機16の総合効率ηtotとの関係を示す。図3(D)中に符号▲1▼を付して示すVN開度は、過給機16の総合効率ηtotが最高となるVN開度である。尚、過給機16の総合効率ηtotは、次式により表される物理量である。
[総合効率]=[タービン効率]×[シャフト機械効率]×[コンプレッサ効率]
【0032】
VN開度が、図3(D)に示す開度▲1▼を越える領域(open側の領域)では、その開度が増すに連れて過給機16の総合効率ηtotは低下する。また、その領域では、図3(C)に示すように、VN開度が増えるに連れて排気エミッションが悪化する。このように、開度▲1▼より大きなVN開度は、使用する実益に欠ける開度である。このため、本実施形態において、VN開度は、開度▲1▼を越えない開度に設定することとしている。以下、その開度▲1▼を「効率からみた開き制限▲1▼」と称す。
【0033】
図3(B)は、VN開度と燃料消費率との関係を示す。過給機16の総合効率ηtot(図3(D)参照)が最高となる状態は、排気エネルギが最も有効に利用される状態である。つまり、その状態は、内燃機関10の燃料消費率が最も小さくなる(燃費が最高となる)状態である。このため、図3(B)に示すように、内燃機関の燃料消費率は、VN開度が、効率からみた開き制限値▲1▼である場合に最高となり、VN開度がその値▲1▼から外れるに従って悪化する。
【0034】
本実施形態では、燃料消費率について、許容される最大の値が設定されている。従って、VN開度は、燃料消費率がその最大の許容値より大きくならないように設定する必要がある。図3(B)中に符号▲3▼を付して示すVN開度は、上記の要求から設定されたVN開度の閉じ側の制限値である。以下、その制限値▲3▼を「燃料消費最大値制限▲3▼」と称す。
【0035】
尚、VN開度については、燃料消費率を最大の許容値以下とするための制限値が、開き側にも存在する。しかし、開き側の制限値は、効率からみた開き制限▲1▼、或いはPM排出最大値制限▲2▼より常に大きな値であり、VN開度を決定するにあたって考慮する必要のない値である。このため、以下、この制限値については言及しないものとする。
【0036】
図3(E)は、VN開度とNOxの排出量との関係を示す。本実施形態の内燃機関10は、上記の如く、EGRシステムを用いてNOxの排出量低減を図っている。可変容量過給機16を搭載した内燃機関10においては、VN開度が開くほど排気圧力が低下してEGR量が確保し難くなる。定常運転中に内燃機関10から排出されるNOxの量は、EGR量が十分に確保できるほど少量となる。このため、定常時のNOx排出量は、図3(E)に示す通り、VN開度が開くほど多量となる。
【0037】
本実施形態では、EGRシステムによるNOx低減の実効を得るため、VN開度の上限値を制限して、内燃機関10の定常運転中に、常に一定量以上のEGR量を確保することとしている。図3(E)中に符号▲5▼を付して示すVN開度は、上記の要求から設定されたVN開度の制限値である。以下、その制限値▲5▼を「定常NOx排出量制限▲5▼」と称す。
【0038】
以上説明した通り、本実施形態では、VN開度に関して、図3に示す5つの制限▲1▼〜▲5▼が設けられている。このため、ECU30は、それら5つの制限▲1▼〜▲5▼のそれぞれを内燃機関の運転状態に基づいて特定し、その全てが満たされるようにVN開度を決定する必要がある。
【0039】
ところで、図3を参照して説明した5つの制限▲1▼〜▲5▼のうち、効率からみた開き制限▲1▼、PM排出最大値制限▲2▼、および定常NOx排出量制限▲5▼は、何れもVN開度の開き側の開度を規制する制限値である。従って、VN開度の開き側の限界値は、制限▲1▼、制限▲2▼、および制限▲5▼のうち最も開度の小さな制限により決定される。一方、残る2つの制限、すなわち、燃料消費最大値制限▲3▼、および過給機最大回転数制限▲4▼は、何れもVN開度の閉じ側の開度を規制する制限値である。従って、VN開度の閉じ側の限界値は、制限▲3▼および制限▲4▼のうち開き側の制限により決定される。
【0040】
上述した制限▲1▼〜▲5▼で規制される範囲内では、VN開度が大きくなるほど(制限▲1▼に近づくほど)内燃機関の燃料消費率は改善される。一方、その範囲内では、VN開度が小さくなるほど(制限▲2▼から遠ざかるほど)PM特性が良好となる。このため、VN開度を、制限▲1▼、▲2▼、▲5▼により決せられる開き側の限界値に設定すれば、過給機16の応答性やPM特性の面では不利であるが、燃費特性の面で有利な状態を実現することができる。また、VN開度を、制限▲3▼または▲4▼により決せられる閉じ側の限界値に設定すれば、燃費の面では不利であるが、過給機16の応答性やPM特性の面で有利な状態を実現することができる。
【0041】
内燃機関10の定常運転時は、排出されるPMも少なく、また、過給機16に対して優れた応答性も要求されない。このような状況下では、優れた燃費特性を実現するうえで有利な状態が実現されることが望ましい。一方、内燃機関10の過渡運転時(加速時)には、PM排出量が増加し、また、迅速なトルク増加が求められることから、過給機16の応答性やPM特性に有利な状態が実現されることが望ましい。
【0042】
そこで、本実施形態において、ECU30は、内燃機関10の定常運転時には、上述した制限▲1▼、制限▲2▼、又は制限▲5▼により決定される開き側の限界値を目標VN開度基本値とし、他方、内燃機関10の過渡運転時には、上述した制限▲3▼または▲4▼により決定される閉じ側の限界値を目標VN開度基本値とする。そして、ECU30は、VN開度が上記の目標VN開度基本値に一致するように容量可変機構22の状態を制御する。
【0043】
ところで、本実施形態の制御装置は、VN開度を上記の目標VN開度基本値に一致させるために、容量可変機構22の大まかな制御を行ったうえで、過給圧が目標過給圧基本値と一致するように、VN開度の微調整を行うこととしている。この目標過給圧基本値は、上述した目標VN開度基本値と同様の手法で求められる。
【0044】
すなわち、本実施形態において、ECU30には、VN開度に対する4つの制限▲1▼〜▲5▼のそれぞれに対応して、以下の4つの制限▲1▼’〜▲5▼’が過給圧に対する制限として、内燃機関の運転状態との関係で記憶されている。
▲1▼’:「効率からみた過給圧制限」
▲2▼’:「PM排出最大値制限」
▲3▼’:「燃料消費最大値制限」
▲4▼’:「過給機最大回転数制限」
▲5▼’:「定常NOx排出量制限」
【0045】
効率からみた過給圧制限▲1▼’、PM排出最大値制限▲2▼’、および定常NOx排出量制限▲5▼’は、過給圧の下限を規制する制限値であり、燃費優先の状態を実現するうえで好適な過給圧である。一方、燃料消費最大値制限▲3▼’、および過給機最大回転数制限▲4▼’は、過給圧の上限を規制する制限値であり、過給機16の応答性やPM特性を優先する場合に好適な過給圧である。このため、ECU30は、内燃機関10の定常運転時には、上述した制限▲1▼’、制限▲2▼’および制限▲5▼’のうち最も高いものを目標過給圧基本値とし、一方、内燃機関10の過渡運転時には、上述した制限▲3▼’および制限▲4▼’のうち低い方を目標過給圧基本値とする。
【0046】
ECU30は、目標VN開度基本値に基づいてVN開度を大まかに制御した後、上記の如く決定された目標過給圧基本値に基づいてVN開度を微調整する。その結果、本実施形態の制御装置によれば、加速応答性やPM特性が優れていると共に、燃費に関しても優れた特性を有する内燃機関10を実現することができる。
【0047】
図4は、上記の機能を実現するため、ECU30が実行するルーチンのフローチャートを示す。
図4に示すルーチンでは、先ず、内燃機関10の運転状態パラメータ、すなわち、内燃機関10が定常運転中であるか、過渡運転中であるか、更には、過渡運転への移行が予測される運転状態にあるかなどを判別するためのパラメータが読み込まれる(ステップ100)。
【0048】
上記ステップ100では、具体的には、機関回転数NE、燃料噴射量Q(ディーゼル機関の場合)、車速情報VSPD、シフトアップフラグFshiftupなどの情報が読み込まれる。これらの情報の他、車両にナビゲーションシステムが搭載されている場合には、そのシステムより、通過予定の道路の起伏情報などを、運転状態パラメータとして読み込むこととしてもよい。
【0049】
図4に示すルーチンでは、次に、定常運転時における制御要求を満たす目標VN開度Dstおよび目標過給圧Pbstがそれぞれ算出される(ステップ102)。
本ステップ102では、具体的には、先ず、VN開度についての「効率からみた開き制限▲1▼」、「PM排出最大値制限▲2▼」および「定常NOx排出量制限▲5▼」、並びに過給圧についての「効率からみた過給圧制限▲1▼’」、「PM排出最大値制限▲2▼’」および「定常NOx排出量制限▲5▼’」、が算出される(図3参照)。次に、上記の制限▲1▼、制限▲2▼および制限▲5▼のうち最も開度の小さいものが目標VN開度Dstとされ、かつ、上記の制限▲1▼’、制限▲2▼’および制限▲5▼’のうち最も高圧のものが目標過給圧Pbstとされる。上記の処理によれば、過給機16の回転数、PM排出量、NOx排出量および燃料消費率のそれぞれが、予め設定されている許容範囲に属する範囲内で、可変容量過給機16の総合効率ηtotを最も高くすることのできるVN開度および過給圧を、それぞれ目標VN開度Dstおよび目標過給圧Pbstとすることができる。
【0050】
上記ステップ102の処理が終了すると、次に、内燃機関10が過渡運転状態にあるかが判別される(ステップ104)。
内燃機関10が過渡運転状態であるか否かは、例えば、以下に説明するような手法で判断することができる。
【0051】
1)アクセルペダルの踏み込み変化量が所定の判定値を越えている、或いは、所定時間内に連続的にシフトアップがなされている、など運転者の加速操作が検出された場合は過渡運転状態であると判断する。
2)機関回転数NEが一定速度以上で上昇を続けている場合は過渡運転状態であると判断する。
3)内燃機関10に対する負荷トルク(ディーゼル機関の場合は燃料噴射量Q)が、一定速度以上で増加を続けている場合は過渡運転状態であると判断する。
【0052】
上記ステップ104において、内燃機関10が過渡運転状態ではないと判別されると、次に、内燃機関10が、過渡運転状態に移行することが予測されるか否かが判別される(ステップ106)。
過渡運転状態への移行が予測されるか否かは、例えば、以下に説明するような手法で判断することができる。
【0053】
1)変速機のギヤが1速に入っており、かつ、ブレーキペダルの踏み込みが解除された場合など、停止状態からの発進動作が検出された場合には、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
2)アクセルペダルの開度Acclと車速SPDとの関係より、登坂路への進入が検知された場合、すなわち、Accl一定でSPDが低下した場合、或いは、Acclの増加に見合うSPDの増加が生じていない場合などは、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
3)アクセルペダルの開度Acclが一定速度以上で踏み込まれつつある場合など、運転者による加速を意図した操作が検出された場合には、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
4)エアコンディショナーやヘッドライトなどの補機類の動作開始に伴って燃料噴射量増量指令値が発せられた場合など、内燃機関の負荷増加が予測される場合には、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
5)自動変速機の制御システムから、シフト変化信号が発せられた場合など、シフトアップやキックダウンが行われる場合には、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
6)ナビゲーションシステムからの情報により、車両が登坂路に差し掛かることが検知された場合には、過渡運転状態への移行が予測されるものと判断する。
【0054】
上記ステップ106において、内燃機関10が過渡運転状態に移行することが予測されないと判別された場合は、内燃機関10を、定常運転に適した状態とすることが適切である。このため、このような判別がなされた場合は、上記ステップ106の処理に次いで、以下の規則に従って目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseが算出される(ステップ108)。
目標VN開度基本値Dbse=目標VN開度Dst
目標過給圧基本値Pbbse=目標過給圧Pbst
【0055】
本実施形態の制御装置は、上記ステップ106により、目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseが算出されると、以後、現実のVN開度および過給圧がそれらの基本値と一致するように、VN開度の調整を行う。その結果、本実施形態の制御装置によれば、内燃機関10が定常運転中であり、かつ、その状態が継続すると予測される場合に、PM排出量を許容範囲に収めるという制約の下で、最高の燃費特性を実現することができる。
【0056】
図4に示すルーチン中、上記ステップ104において、内燃機関10が過渡運転中であると判別された場合、および上記ステップ106において、過渡運転への移行が予測されると判別された場合は、内燃機関10を、過渡運転に適した状態とすることが適切である。このため、このような判別がなされた場合は、上記ステップ104または106の処理に次いで、目標VN開度補正値Dacclおよび目標過給圧補正値Pbacclが算出される(ステップ110)。
【0057】
更に、上記ステップ110の処理が終了すると、次に、以下の規則に従って、目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseが算出される(ステップ112)。
目標VN開度基本値Dbse=目標VN開度Dst+目標VN開度補正値Daccl
目標過給圧基本値Pbbse=目標過給圧Pbst+目標過給圧補正値Pbaccl
【0058】
上記ステップ112で算出される目標VN開度基本値Dbseは、VN開度についての「燃料消費率最大値制限▲3▼」および「過給機最大回転数制限▲4▼」のうち、大きい方の開度に相当している。一方、上記ステップ112で算出される目標過給圧基本値Pbbseは、過給圧についての「燃料消費率最大値制限▲3▼’」および「過給機最大回転数制限▲4▼’」のうち低い方の開度に相当している。上記の処理によれば、過給機16の回転数、PM排出量、燃料消費率、および過給機16の総合効率ηtotのそれぞれを予め設定されている許容範囲に収めることのできる最も小さなVN開度、および最も高圧の過給圧を、過渡運転時における目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseとすることができる。
【0059】
本実施形態の制御装置は、上記ステップ112において、目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseが算出されると、以後、現実のVN開度および過給圧がそれらの基本値と一致するように、VN開度の調整を行う。その結果、本実施形態の制御装置によれば、内燃機関10が過渡運転中である場合、或いは内燃機関10が過渡運転に移行すると予測される場合に、燃費特性を予め設定した許容範囲に収めながら、可能な限りPM排出量を抑制し、かつ、可能な限り内燃機関10の加速応答性を高めることができる。
【0060】
ところで、上述した実施の形態1においては、可変容量過給機16の目標容量(すなわち、目標VN開度基本値)、および目標過給圧基本値を決めるに当たり、内燃機関10から排出される有害排出物のうち、PMおよびNOxの双方の排出量が考慮されている。つまり、実施の形態1では、PMおよびNOxの排出量の双方が、予め設定した許容範囲内に収まるように、目標VN開度基本値および目標過給圧基本値が決定されている。しかしながら、本発明は、この形態に限定されるものではなく、目標VN開度基本値および目標過給圧基本値は、PM排出量だけに着目して決定することとしてもよい。
【0061】
尚、上述した実施の形態1においては、目標VN開度基本値が前記請求項1記載の「可変ノズル開度の目標」に相当していると共に、ECU30が、上記ステップ102〜108の処理を実行することにより前記請求項1記載の「定常時目標開度設定手段」が、上記ステップ102〜104および110〜112の処理を実行することにより前記請求項1記載の「過渡時目標開度設定手段」が、VN開度が目標VN開度基本値Dbseと一致するように可変容量機構22を制御することにより前記請求項1記載の「開度制御手段」が、それぞれ実現されている。
【0062】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、VN開度についてのPM排出最大値制限(2)および定常NOx排出量制限(5)を求めることにより前記請求項2記載の「第1開度算出手段」が、VN開度についての効率からみた開き制限(1)を求めることにより前記請求項2記載の「第2開度算出手段」が、それらの制限(1)、制限(2)および制限(5)のうち最も開度の小さいものを選択することにより前記請求項2記載の「定常時目標開度選択手段」が、それぞれ実現されている。
【0063】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、VN開度についての燃料消費最大値制限(3)を求めることにより前記請求項3記載の「第3開度算出手段」が、VN開度についての過給機最大回転数制限(4)を求めることにより前記請求項3記載の「第4開度算出手段」が、それらの制限(3)および(4)のうち開度の大きい方を選択することにより前記請求項3記載の「過渡時目標開度選択手段」が、それぞれ実現されている。
【0064】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ102〜108の処理を実行することにより前記請求項4記載の「定常時目標過給圧設定手段」が、上記ステップ102〜104および110〜112の処理を実行することにより前記請求項4記載の「過渡時目標過給圧設定手段」が、過給圧が目標過給圧基本値Pbbseと一致するように可変容量機構22を制御することにより前記請求項4記載の「第2開度制御手段」が、それぞれ実現されている。
【0065】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、過給圧についてのPM排出最大値制限▲2▼’および定常NOx排出量制限▲5▼’を求めることにより前記請求項5記載の「第1過給圧算出手段」が、過給圧についての効率からみた過給圧制限▲1▼’を求めることにより前記請求項5記載の「第2過給圧算出手段」が、それらの制限▲1▼’、制限▲2▼’および制限▲5▼’のうち最も過給圧の高いものを選択することにより前記請求項5記載の「定常時目標過給圧選択手段」が、それぞれ実現されている。
【0066】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、過給圧についての燃料消費最大値制限▲3▼’を求めることにより前記請求項6記載の「第3過給圧算出手段」が、過給圧についての過給機最大回転数制限▲4▼’を求めることにより前記請求項6記載の「第4過給圧算出手段」が、それらの制限▲3▼’および▲4▼’のうち過給圧の低い方を選択することにより前記請求項6記載の「過渡時目標過給圧選択手段」が、それぞれ実現されている。
【0067】
また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ106の処理を実行することにより前記請求項7記載の「過渡移行現象検知手段」が、上記ステップ106に次いで上記ステップ110の処理を実行することにより前記請求項7記載の「過渡運転みなし手段」が、それぞれ実現されている。
【0068】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の制御装置は、実施の形態1の装置において、ECU30に、図4に示すルーチンに代えて図5に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
【0069】
図5に示すルーチンは、目標VN開度補正値Dacclおよび目標過給圧補正値Pbacclを算出するためのステップ110が、ステップ102に次いで実行される点を除き、図4に示すルーチンと同様である。図5に示すルーチンによれば、図4に示すルーチンと全く同様の機能を実現することができる。このため、本実施形態の制御装置によれば、実施の形態1の制御装置と同様に、PM特性、加速応答性およびPM特性の何れもが優れた内燃機関10を実現することができる。
【0070】
尚、上述した実施の形態2においては、図5において、ステップ100,102,110の順で処理が進められているが、その実行順序はこれに限定されるものではなく、それらのステップは、異なる順序で行っても良い。
【0071】
実施の形態3.
次に、図6を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態の制御装置は、実施の形態1の装置において、ECU30に、図4に示すルーチンに代えて図6に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。尚、図6に示すルーチンは、上述したステップ110および112が、以下に説明するステップ120および122に置き換えられている点を除き、図4に示すルーチンと同様である。
【0072】
図4に示すルーチンでは、内燃機関10が過渡状態、或いは過渡状態へ移行する状態である場合、目標VN開度基本値Dbseが、目標VN開度Dstに目標VN開度補正値Dacclを加えることにより算出される。また、この場合、目標過給圧基本値Pbbseは、目標過給圧Pbstに目標過給圧補正値Pbacclを加えることにより算出される(ステップ110,112参照)。
【0073】
これに対して、図6に示すルーチンでは、内燃機関10が過渡状態、或いは過渡状態へ移行する状態にある場合、過渡状態に対応した目標VN開度Daccl’および目標過給圧Pbaccl’が直接算出され(ステップ120)、それらの算出値がそのまま目標VN開度基本値Dbseおよび目標過給圧基本値Pbbseとされる(ステップ122)。
【0074】
図6に示すルーチンによれば、図4に示すルーチンと全く同様の機能を実現することができる。このため、本実施形態の制御装置によれば、実施の形態1の制御装置と同様に、PM特性、加速応答性およびPM特性の何れもが優れた内燃機関10を実現することができる。
【0075】
尚、上述した実施の形態1乃至3においては、内燃機関10が過渡状態にある場合と、過渡状態に移行する状態にある場合とを分けて検出しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、内燃機関10が過渡状態にある場合と、過渡状態に移行する状態にある場合とは、同一のステップでまとめて検出することとしてもよい。
【0076】
また、上述した実施の形態1乃至3では、ステップ104および106において、内燃機関10が過渡状態であるか、或いは過渡状態に移行する状態であるかを判別することとしているが、それらのステップでは、内燃機関10が定常運転状態であるか、或いは定常運転状態を継続させる状態であるかを判別することとしてもよい。
【0077】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
請求項1または4記載の発明によれば、定常運転時には、有害排出物量等の条件を満たす範囲で可変容量過給機の総合効率を最も高くすることができる。また、本発明によれば、有害排出物量等の条件を満たす範囲で過給機の容量を最も少なくすることができる。このため、本発明によれば、燃費特性に優れ、かつ、応答性に優れた内燃機関を実現することができる。
【0078】
請求項2記載の発明によれば、第1開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、第2開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち小さい方を選択することで、請求項1において要求される定常運転時における目標開度を簡単に求めることができる。
【0079】
請求項3記載の発明によれば、第3開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、第4開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち大きい方を選択することで、請求項1において要求される過渡運転時における目標開度を簡単に求めることができる。
【0080】
請求項5記載の発明によれば、第1過給圧算出手段により算出された過給圧と、第2過給圧算出手段により算出された過給圧のうち高い方を選択することで、請求項4において要求される定常運転時における目標過給圧を簡単に求めることができる。
【0081】
請求項6記載の発明によれば、第3過給圧算出手段により算出された過給圧と、第4過給圧算出手段により算出された過給圧のうち低い方を選択することで、請求項4において要求される過渡運転時における目標過給圧を簡単に求めることができる。
【0082】
請求項7記載の発明によれば、内燃機関が現に過渡運転中である場合の他、内燃機関が過渡運転に移行することが検知された場合に、可変容量過給機を過渡運転に対応した状態に制御することができる。このため、本発明によれば、常に優れた燃費特性を示し、かつ、過渡運転に移行した直後から優れた応答性を示す内燃機関を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の制御装置の構成を説明するための図である。
【図2】 図1に示す可変容量過給機が備える容量可変機構の構造を説明するための図である。
【図3】 図2に示す容量可変機構が備える可変ノズルの開度と、各種の物理量との関係を説明するための図である。
【図4】 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態2において実行されるルーチンのフローチャートである。
【図6】 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 吸気通路
14 排気通路
16 可変容量過給機
18 コンプレッサ
20 タービン
22 容量可変機構
26 可変ノズル(VN)
30 ECU(Electronic Control Unit)
Dbse 目標VN開度基本値
Pbbse 目標過給圧基本値

Claims (7)

  1. 排気ガスの流量に対する過給能力を可変ノズル開度に応じて変化させる可変容量過給機と、排気ガスの一部を吸気系に還流させるEGRシステムとを備える内燃機関の制御装置であって、
    内燃機関の定常運転時における前記可変ノズル開度の目標を設定する定常時目標開度設定手段と、
    内燃機関の過渡運転時における前記可変ノズル開度の目標を設定する過渡時目標開度設定手段と、
    前記目標が達成されるように前記可変容量過給機の可変ノズル開度を制御する開度制御手段と、を備え、
    前記定常時目標開度設定手段は、効率から見た開き制限、PM排出最大値制限、及び定常NOx排出量制限のうち最も小さい開度を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を定常運転時における目標開度とし、
    前記過渡時目標開度設定手段は、燃料消費最大値制限及び過給機最大回転数制限のうち大きい方の開度を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を過渡運転時における目標開度し、
    前記効率から見た制限は、その開度を超えて可変ノズル開度を増やすと前記可変容量過給機の総合効率が低下する可変ノズル開度であり、
    前記PM排出最大値制限は、パティキュレートマス排出量を許容値以下とする可変ノズル開度の上限値であり、
    前記定常NOx排出量制限は、要求量以上のEGR量を発生させる可変ノズル開度の上限値であり、
    前記燃料消費最大値制限は、燃料消費量を許容値以下とする可変ノズル開度の下限値であり、
    前記過給機最大回転数は、過給機回転数を許容上限値以下とする可変ノズル開度の下限値であることを特徴とする可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  2. 前記定常時目標開度設定手段は、
    パティキュレートマス及びNOx排出量を許容範囲内に収め得る最も大きな可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第1開度算出手段と、
    前記可変容量過給機の総合効率を最大にする可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第2開度算出手段と、
    前記第1開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、前記第2開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち小さい方を、定常運転時における目標開度とする定常時目標開度選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  3. 前記過渡時目標開度設定手段は、
    料消を許容範囲内に収め得る最も小さな可変ノズル開度を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第3開度算出手段と、
    過給機回転数を許容上限値とするための容量を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第4開度算出手段と、
    前記第3開度算出手段により算出された可変ノズル開度と、前記第4開度算出手段により算出された可変ノズル開度のうち大きい方を、過渡運転時における目標開度とする過渡時目標開度選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の定常運転時における目標過給圧基本値を設定する定常時目標過給圧設定手段と、
    内燃機関の過渡運転時における目標過給圧基本値を設定する過渡時目標過給圧設定手段と、
    内燃機関の過給圧が前記目標過給圧基本値と一致するように、前記可変容量過給機の可変ノズル開度を制御する第2開度制御手段と、を備え、
    前記定常時目標過給圧設定手段は、効率から見た過給圧制限、PM排出最大値過給圧制限、及び定常NOx排出量過給圧制限のうち最も高い圧力を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を定常運転時における目標過給圧基本値とし、
    前記過渡時目標過給圧設定手段は、燃料消費最大値過給圧制限及び過給機最大回転数過給圧制限のうち低い方の圧力を内燃機関の運転状態に応じて算出し、その算出値を過渡運転時における目標過給圧基本値とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  5. 前記定常時目標過給圧設定手段は、
    パティキュレートマス及びNOx排出量を許容範囲内に収め得る最も低い過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第1過給圧算出手段と、
    前記可変容量過給機の総合効率を最大にする過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第2過給圧算出手段と、
    前記第1過給圧算出手段により算出された過給圧と、前記第2過給圧算出手段により算出された過給圧のうち高い方を、定常運転時における目標過給圧基本値とする定常時目標過給圧選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  6. 前記過渡時目標過給圧設定手段は、
    料消を許容範囲内に収め得る最も高い過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第3過給圧算出手段と、
    過給機回転数を許容上限値とするための過給圧を、内燃機関の運転状態に応じて算出する第4過給圧算出手段と、
    前記第3過給圧算出手段により算出された過給圧と、前記第4過給圧算出手段により算出された過給圧のうち低い方を、過渡運転時における目標過給圧基本値とする過渡時目標過給圧選択手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4または5記載の可変容量過給機付内燃機関の制御装置。
  7. 内燃機関が所定期間内に過渡運転に移行することを表す過渡移行現象を検出する過渡移行現象検知手段と、
    前記過渡移行現象が検出された後、内燃機関が現実に過渡運転に移行するまでの間は、内燃機関が過渡運転中であるものと見なす過渡運転みなし手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の可変容量過給機付内燃機関。
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