JP3680537B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変容量型ターボ過給機とEGR装置とを組み合わせてなるディーゼルエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タービン入口に可動ノズルベーンを有し、このノズルベーンの開度制御を行うことで過給圧(コンプレッサ吐出圧)を変化させ得る可変容量型ターボ過給機が知られている。これは特開昭61-237831 号公報等にあるように、複数のノズルベーンを連動機構で連結すると共に、この連動機構にアクチュエータ駆動力を入力することで、ノズルベーンの角度を変更し、タービン入口面積を変化させるものである。そしてアクチュエータは、電子制御ユニットであるコントローラからの制御信号に基づき動作される。コントローラには、図3に示す如きノズルベーン開度制御マップ(マップM1)が予めメモリされており、コントローラはエンジン回転数Neとエンジン負荷LとからマップM1に従ってノズルベーン開度S1 〜S4 を決定し、このノズルベーン開度となるような制御信号を出力する。
【0003】
マップM1において、ベーン開度SはS1 ,S2 ,S3 ,S4 の4段階に変化され、全閉(開度ゼロではない)となるS1 から全開となるS4 に至るにつれその開度は順次段階的に増大される。即ち、低速・高負荷となる領域では、燃料噴射量に対し吸気量が相対的に不足しがちであるため、ベーン開度Sを小さく(S=S1 )することでタービン入口での排ガス速度を上げ、タービン回転数を増し、過給圧を高めて吸気量を増大している。また、吸気量が十分な高速領域や燃料噴射量の少ない低負荷領域では、逆にベーン開度Sを大きく(S=S4 )することで排圧を下げ、ポンピングロスを低減している。
【0004】
一方、排ガスの一部を吸気中に環流することで、燃焼温度を下げ、NOxの生成を抑制するEGR装置も周知である。これは排気通路と吸気通路とをバイパス通路としてのEGR通路で結び、このEGR通路をEGR弁により開閉制御するものである。これにおいてもやはりコントローラが、図4に示す如きEGR弁開度制御マップ(マップM2)に従ってEGR弁開度H0 〜H4 を決定し、制御信号を出力している。
【0005】
このマップM2において、EGR弁開度HはH0 ,H1 ,H2 ,H3 ,H4 の5段階に変化され、全閉(開度ゼロ)となるH0 から全開となるH4 に至るにつれその開度は順次段階的に増大される。即ち、高負荷領域となるほど新気の量が必要となるので、弁開度Hを減小することによってEGR量(EGR率)を減らし、新気の量(相対量)を増して、スモークの発生を抑制しつつ、NOxの排出レベルを所定値(例えば規制値)以下に抑制している。
【0006】
また、所定値以上の高速或いは高負荷(例えばL>60(%) )となる領域では、EGR弁を閉鎖即ち開度ゼロとし、EGRを中止している。これによって新気のみの燃焼となり、高出力が得られるようになる。
【0007】
なお、エンジン暖機運転中も、シリンダ内温度が低く燃焼も安定しないため、エンジン運転状態に拘らず一律に弁開度HをH0 に固定し、EGRを中止している。エンジンが暖機中か否かはコントローラがエンジン冷却水温Twの値から判断し、コントローラはエンジン冷却水温Twが所定値(例えば20℃)以下なら暖機中と判断し、EGR装置を非作動として弁開度HをH0 に固定する。所定値を越えていれば暖機終了と判断し、EGR装置を作動状態としてマップM2に従ってEGR制御を実行する。
【0008】
ところで、可変容量型ターボ過給機とEGR装置とを組み合わせた場合は以下のような問題が発生する。即ち、一般的なノズルベーン開度制御マップM1は、EGRを前提としないで作成されるものであり、つまりEGR装置を非作動とした場合において、最適なベーン開度を決定し得るものである。従って、EGR装置が作動状態にある場合には、上記マップM1では最適なベーン開度を得ることができず、これに基づくベーン開度制御を実行しても、スモーク及び燃費の増大を招いてしまう。
【0009】
また、仮にEGRを前提として上記マップM1を作成したとしても、こんどはEGR装置の非作動時に最適なベーン開度を得られず、同様な問題を生じてしまう。
【0010】
これを詳述すると以下のようになる。図6は、一定のエンジン回転数及びエンジン負荷において、ノズルベーン開度を変化させた場合に、過給圧、排圧、燃費、A/F (空燃比)、スモークレベル及びNOxレベルがいかように変化するかを調べたグラフである。図中、点線はEGR弁開度がゼロでEGRが中止されている場合(閉鎖時)、実線はEGR弁が所定開度で開放されEGRが実行されている場合(開放時)をそれぞれ示す。スモークのグラフにおいてレベルdは悪化限界のレベルを示す。またA/F のグラフにおいてレベルaはスモーク悪化限界のA/F レベルを示す。
【0011】
これによれば、燃費のグラフから、閉鎖時にはベーン開度SA が、開放時にはベーン開度SB がそれぞれ最低ピークの燃費を生じさせ、最適なベーン開度であることが分かる。なお一般的特性として、最適ベーン開度SA 又はSB よりベーン開度を大きくとると、過給圧の低下によって空気過剰率も下がり、つまり吸気量が不足し、燃焼が悪化し、スモークが急増し、燃費も悪化する。またベーン開度を小さくとると、過給圧、空気過剰率は上がるのでスモークは所定レベルd以下に抑制されるが、排圧が上昇するので燃費が悪化する。またNOxレベルはベーン開度の変化に対しさほど変化は見られないが、ベーン開度が大きく過給圧が低い方が、燃焼時の熱発生率が低い分、NOxレベルも下がる傾向にある。
【0012】
このように、EGR装置の非作動時と作動時とでは、最適ノズルベーン開度が異なるため、作動時において非作動を前提としたマップに基づきベーン開度制御を行っても、またこの逆を行っても、最適なベーン開度を得られず、上記不具合が生じてしまう。
【0013】
そこで、本出願人は、以前この問題を解決し得る提案を特願平8-328637号において行った。これはEGR装置作動時のノズルベーン開度をEGR装置非作動時の開度より小開度に制御するものである。図6によればSB <SA なので、この結果に基づき上記の如くノズルベーン開度制御を実行することで、EGR装置の作動・非作動に拘らず常に最適なノズルベーン開度を得られ、スモーク及び燃費の悪化防止を図ることができる。
【0014】
つまり、仮にEGR装置非作動時の最適ノズルベーン開度で運転中、EGR装置を作動させ、EGRを実行したとする。すると吸気にEGRガスが混入した分、吸気の新気量割合が減少する。また排気の一部が吸気にバイパスしたことによって、排気のもつエネルギが少なくなり、これによってタービンの仕事量が減り、その分過給圧が下がる。これらの理由によって、新気量が不足気味となり、スモーク増加、燃費悪化等の問題が生じる。
【0015】
そこで、EGR装置作動時ないしEGR弁開放時には、ノズルベーン開度を絞ることで、タービンに供給するガス流速を高め、タービンの仕事量を増やし同等の過給圧を維持できる。そして新気量不足に伴うスモーク増加、燃費悪化等の問題を解消できるのである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この先願には以下の問題が残されている。即ち、EGR装置に何らかの異常が発生し、EGR実行領域にも拘らずEGR弁が開弁しないで、ノズルベーン開度が絞られると、過給圧が過大となり、コンプレッサ下流にある吸気管やインタークーラ等の一次的破損、さらにはエンジン筒内圧の過剰上昇に伴う二次的破損を招くという問題がある。このようなEGR装置の異常としては、EGR弁の固着や配線・配管の外れ等が考えられる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るディーゼルエンジンは、可動ノズルベーンを有した可変容量型ターボ過給機と、EGR弁を有したEGR装置と、EGR装置の異常を検出するための検出手段と、エンジン運転状態に基づいて上記可動ノズルベーン及び上記EGR弁の開度制御を行うためのコントローラであって、上記EGR弁の開放時に上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の閉鎖時の開度より小開度に制御し、且つ、上記検出手段の検出信号に基づき、上記EGR装置を異常と判断したときには、上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の開放時の開度より大開度に制御するコントローラとを備えたものである。
【0018】
これによれば、EGR装置の異常時にはノズルベーン開度を増大するので、過給圧の過剰上昇が妨げられ、一次的、二次的破損を未然に防止することが可能となる。
【0019】
なお、上記コントローラが、上記EGR装置を異常と判断したとき、上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の閉鎖時の開度に制御するのが好ましい。また、上記検出手段が、上記EGR弁の下流側に設けられた温度センサであり、上記コントローラが、上記温度センサによる検出値が予め記憶した設定値未満のとき上記EGR装置を異常と判断するのが好ましい。また、上記設定値がエンジン運転状態に応じて変化するのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0021】
図1は、本発明に係るディーゼルエンジンを示す構成図である。図示するように、ディーゼルエンジン1は、エンジン本体2に可変容量型ターボ過給機3とEGR装置4とを備えて主に構成されている。可変容量型ターボ過給機3は、排気通路5の途中に設けられたタービン6と、吸気通路7の途中に設けられたコンプレッサ8とを有し、特にタービン6の入口において図示しない複数の可動ノズルベーンが設けられ、タービンホイール9への排ガス供給量を適宜変化させられるようになっている。
【0022】
ノズルベーンは図示しない連動機構を介してアクチュエータ10により駆動されるようになっている。アクチュエータ10は、ここではダイヤフラムを利用した負圧アクチュエータが採用されるが、その形式は特に限定されない。アクチュエータ10は負圧配管11aを介して負圧ポンプ11に接続され、供給される負圧値に応じて可動ノズルベーンを開方向に駆動する。この供給負圧の大きさを制御するのが負圧制御弁12で、負圧制御弁12は、電子制御ユニットであるコントローラ13から制御信号を受けて動作される。
【0023】
EGR装置4は、排気通路5及び吸気通路7を結ぶバイパス通路としてのEGR通路14と、EGR通路14の吸気通路7側に設けられたEGR弁15とを有している。このEGR弁15も、アクチュエータとしてのダイヤフラムを備え、負圧によって動作されるが、その形式は限定されない。EGR弁15は、供給される負圧値に応じて弁体を開方向に動作させてEGR通路14を適宜開放する。そしてEGR弁15は、前記同様、負圧配管16を通じて負圧ポンプ17から負圧供給を受けると共に、その負圧値が負圧制御弁18とコントローラ13とによって制御される。
【0024】
ここで、EGR通路14は、タービン6の上流側で排気通路5から排ガスの一部(EGRガス)を取り出し、そのEGRガスを吸気通路7のコンプレッサ8下流側に、矢示方向に送り込むようになっている。そしてEGR通路14において、EGR弁15のEGRガス流れ方向下流側に、EGR装置4の異常を検出するための検出手段、ここでは温度センサ23が設けられている。温度センサ23は、EGR弁15を通過してきたEGRガスの温度を検出し、その温度に見合った出力信号をコントローラ13に送出する。
【0025】
コントローラ13は、各種センサの出力信号に基づきエンジン運転状態を検知するようになっており、代表的には、エンジン回転数センサ19の出力信号に基づきエンジン回転数Neを、アクセル開度センサ20の出力信号に基づきエンジン負荷Lを、冷却水温センサ21の出力信号に基づき冷却水温Twをそれぞれ検知するようになっている。
【0026】
また、コントローラ13には、図3、図4及び図5に示す各マップM1,M2,M3が予め記憶されている。これらマップM1,M2,M3は実機試験等を経て作成されたもので、エンジン回転数Neとエンジン負荷Lとに応じた各最適値が入力されている。前述したように、図3に示すマップM1は、EGR装置4の非作動時或いはEGR弁15の閉鎖時のノズルベーン開度制御マップであり、これにおいてノズルベーン開度Sは、エンジン回転数Neとエンジン負荷Lとの値に応じて、全閉(開度ゼロではない)となるS1 から全開となるS4 まで順次4段階に増大されるようになっている。また図4に示すマップM2は、EGR装置4のEGR弁開度制御マップであり、これにおいてEGR弁15の開度Hは、エンジン回転数Neとエンジン負荷Lとの値に応じて、全閉(開度ゼロ)となるH0 から全開となるH4 まで順次5段階に増大されるようになっている。なお段数はこれらに限定されるものではない。
【0027】
特に図5に示すマップM3は、EGR装置4の作動時或いはEGR弁15の開放時におけるノズルベーン開度制御マップである。これにおいてもマップM1と同様、ノズルベーン開度Sがエンジン回転数Neとエンジン負荷Lとの値に応じ、全閉となるS1 から全開となるS4 まで順次4段階に増大される。ところが、このマップM3では、マップM2の弁開度H1 〜H4 となるEGR領域(図5の破線bで囲まれた領域)において、各ベーン開度S1 〜S4 の境界がマップM1における境界(破線cで示す)より低負荷側に引き下げられ、つまり同一のエンジン回転数Ne及びエンジン負荷Lに対し、ノズルベーン開度SがマップM1の場合より1段階小開度となる領域A(ハッチングで示す)が形成されている。
【0028】
これらマップM1,M2,M3に従い、コントローラ13は、図2に示す制御フローチャートに沿って以下のようにベーン開度制御及びEGR弁開度制御を実行する。
【0029】
先ず、ステップST1では、前記センサ19,20,21の出力信号に基づき、エンジン回転数Ne、エンジン負荷L及び冷却水温Twの各値を入力する。次にステップST2で、冷却水温Twが予め決められた所定値Tより高いか否かを判別する。Tw>Tならエンジンが暖機後であると判断して、EGR装置4が作動状態にあると判断する。Tw≦Tならエンジンが暖機中であると判断して、EGR装置4が作動状態にない、つまり非作動の状態にあると判断する。即ち、このステップST2では、コントローラ13がエンジン冷却水温Twに基づいてEGR装置4の作動・非作動を決定している。なおエンジン冷却水温Twによるのは一例で、EGR装置4の作動条件は他の要素に基づいて定めてもよい。
【0030】
ステップST2でTw>Tであると判断した場合、ステップST3に進んでマップM2によりEGR弁開度Hを決定する。そしてステップST5において、その開度Hに見合った制御信号(デューティ信号)を負圧制御弁18に出力する。これによってEGR弁15の開度が設定開度Hに制御される。
【0031】
一方、ステップST2でTw≦Tと判断した場合、ステップST4に進んでEGR弁開度Hを全閉であるH0 (=0)に決定する。こうなるとステップST5に進んでも、負圧制御弁18には制御信号が出力されず、これによってEGR弁15は完全閉鎖となり、EGR通路14が塞がれてEGRは実行されない。
【0032】
次に、ステップST6に進みH≠H0 か否かを判断する。H≠H0 のときはステップST7に進み、温度センサ23の出力信号に基づきEGRガス温度Teを入力する。次にステップST8で、EGRガス温度Teが予め記憶してある設定値Tj以上か否かを判断する。ここで設定値Tjは、前記マップM1〜M3同様、エンジン運転状態即ちエンジン回転数Neとエンジン負荷Lとに応じたマップの形で与えられ、エンジン運転状態に応じて変化する値となっている。
【0033】
ここでTe≧Tjのときは、EGRガスが適正に流れている状態、つまり現在のエンジン運転状態において、EGR弁15が適正な開度Hに開放され、適正量のEGRガスがEGR弁15を通過し、EGR装置4が正常に作動している状態と判断する。このときはステップST9に進み、エンジン回転数Neとエンジン負荷Lとから、マップM3に従ってノズルベーン開度Sを決定する。そしてステップST11で開度Sに見合った制御信号(デューティ信号)を負圧制御弁12に出力する。これによってノズルベーン開度がマップM3に基づくEGR実行時の最適開度Sに制御される。
【0034】
一方、ステップST6でH=H0 のときは、EGR弁15が閉鎖されEGRが中止されている場合なので、ステップST10でマップM1によりノズルベーン開度Sを決定した後、ステップST11でその開度Sに合わせてノズルベーンを操作する。これによってノズルベーン開度がマップM1に基づくEGR中止時の最適開度Sに制御される。
【0035】
また特に、ステップST8でTe<Tjのときは、H≠H0 でEGR弁15に開放指令を出しているにも拘らず、EGRガスが適正に流れていない状態なので、EGR弁15が目標開度Hに達してないか又は全く開放されてない、つまりEGR装置4が異常な状態であると判断し、ステップST10でマップM1からノズルベーン開度Sを決定する。そしてステップST11でこの開度Sに合わせてノズルベーンを操作する。こうすることで、ノズルベーン開度は、特にマップM3の領域Aにおいて、EGR弁開放時(EGR実行時)の開度より大開度に制御されることとなる。
【0036】
このように、ここではEGR弁15の閉鎖時と開放時とで、異なるマップM1,M3に基づき、ノズルベーン開度制御を実行している。そしてEGR弁15の開放時のノズルベーン開度を、EGR弁15の閉鎖時の開度より小開度に制御することで、具体的には領域Aを形成したマップM3を用いることで、EGR実行時のノズルベーン開度Sを最適化し、スモーク及び燃費の悪化防止を図ることができる。延いては、EGR弁15の閉鎖時においても最適なベーン開度を得られ、結局、EGR弁15の開放・閉鎖或いはEGR装置4の作動・非作動に拘らず常に最適なノズルベーン開度制御が可能となる。勿論、EGRの実行によりNOxの低減効果も発揮される。
【0037】
一方、ここではEGR装置4の異常を判断したとき、マップM1に基づきノズルベーン開度Sを制御している。即ち、特にマップM3の領域Aに相当するエンジン運転状態おいて、ノズルベーン開度Sを、EGR弁開放時の開度より大開度に制御している。こうすることで、EGR装置4の異常時にノズルベーン開度Sが絞られて過給圧が過剰上昇するようなことがなくなり、コンプレッサ下流にある吸気管やインタークーラ(本実施形態では省略)等の一次的破損、さらにはエンジン筒内圧の過剰上昇に伴う二次的破損を未然に防止することができる。
【0038】
ここで、EGR装置4の異常時にマップM1を用いるのはマップの共用化、制御の簡略化のためである。しかしながら、ノズルベーン開度Sを大開度に制御できさえすれば、別のマップを用いたり、マップM3で得られる開度値に所定値を加算したりしてもよい。
【0039】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されず他の様々な実施の形態を採ることも可能である。例えば、検出手段として過給圧センサ、O2 センサ、吸気量センサ又はEGR弁開度センサ等を用い、これらの検出値に基づきEGR装置の異常判断を行うようにしてもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、EGR装置の異常時に過給圧の過剰上昇を未然に防止できるという、優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るディーゼルエンジンを示す構成図である。
【図2】ノズルベーン及びEGR弁の開度制御を行うための制御フローチャートである。
【図3】EGR弁閉鎖時のノズルベーン開度制御マップである。
【図4】EGR弁開度制御マップである。
【図5】EGR弁開放時のノズルベーン開度制御マップである。
【図6】ノズルベーン開度と各特性値との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジン
3 可変容量型ターボ過給機
4 EGR装置
13 コントローラ
15 EGR弁
23 温度センサ
L エンジン負荷
Ne エンジン回転数
S ノズルベーンの開度
Te EGRガス温度(温度センサによる検出値)
Tj 設定値
Claims (4)
- 可動ノズルベーンを有した可変容量型ターボ過給機と、EGR弁を有したEGR装置と、該EGR装置の異常を検出するための検出手段と、エンジン運転状態に基づいて上記可動ノズルベーン及び上記EGR弁の開度制御を行うためのコントローラであって、上記EGR弁の開放時に上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の閉鎖時の開度より小開度に制御し、且つ、上記検出手段の検出信号に基づき、上記EGR装置を異常と判断したときには、上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の開放時の開度より大開度に制御するコントローラとを備えたことを特徴とするディーゼルエンジン。
- 上記コントローラが、上記EGR装置を異常と判断したとき、上記可動ノズルベーンの開度を上記EGR弁の閉鎖時の開度に制御する請求項1記載のディーゼルエンジン。
- 上記検出手段が、上記EGR弁の下流側に設けられた温度センサであり、上記コントローラが、上記温度センサによる検出値が予め記憶した設定値未満のとき上記EGR装置を異常と判断する請求項1又は2記載のディーゼルエンジン。
- 上記設定値がエンジン運転状態に応じて変化する請求項3記載のディーゼルエンジン。
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