JP2009191668A - 過給装置及び過給エンジンシステム - Google Patents

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義博 堀田
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実 石野
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Abstract

【課題】低圧段ターボチャージャー及び高圧段ターボチャージャーを備える過給装置において、低圧段ターボチャージャーの容量の増大を招くことなくエンジンを高出力化する。
【解決手段】内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーの多い高速・高負荷領域内にある場合は、低圧段排気制御弁24を半開状態、高圧段排気制御弁44を半開状態、且つ吸気制御弁34を閉状態に制御する。内燃機関10からの排気の一部は、高圧段タービン42をバイパスし且つ低圧段タービン22を通って流れ、内燃機関10からの排気の残りは、高圧段タービン42を通り且つ低圧段タービン22をバイパスして流れる。これによって、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスした吸気と、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧された吸気とが内燃機関10へ導入される。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を加圧する過給装置、及び過給エンジンシステムに関する。
エンジンへの吸気を加圧する過給装置として、ターボチャージャー(ターボ過給機)が用いられている。ターボチャージャーは、エンジンの排気エネルギーを利用してタービンに動力を発生させ、タービンの動力を利用してコンプレッサを駆動することで、エンジンへの吸気を加圧する。
さらに、大容量の低圧段ターボチャージャーと小容量の高圧段ターボチャージャーを直列に設けた直列2段式のターボチャージャーも提案されている。この直列2段式のターボチャージャーでは、低圧段ターボチャージャー及び高圧段ターボチャージャーで2段階に加圧された吸気がエンジンへ導入される。ただし、この直列2段式のターボチャージャーにおいて、エンジンの運転状態が排気エネルギーの多い高速・高負荷運転状態にある場合には、高圧段ターボチャージャーの容量が不足するため、作動ガスの全量を高圧段ターボチャージャーに流すことができなくなる。そこで、高圧段ターボチャージャーについては、タービンをバイパスさせるタービンバイパス流路と、コンプレッサをバイパスさせるコンプレッサバイパス流路とを設け、エンジンの高速・高負荷運転時には、高圧段ターボチャージャーのタービンをバイパスさせて排気を流すことで、低圧段ターボチャージャーで加圧され且つ高圧段ターボチャージャーをバイパスした吸気がエンジンへ導入されるようにしている。
特開2007−154684号公報 特開2001−329849号公報 特開2005−256755号公報 特開2006−57570号公報 Christoph他,"BMW High Precision Fuel Injection in Conjunction With Twin -Turbo Technology:A Combination for Maximum Dynamic and High Fuel Efficiency",SAE Paper 2007-01-1560,Society of Automotive Engineers,2007 Robert C.他,"Series Turbocharging for the Caterpillar(登録商標) Heavy-Duty, On-Highway Truck Engines with ACERT(登録商標) Technology",SAE Paper 2007-01-1561,Society of Automotive Engineers,2007
上記の直列2段式のターボチャージャーにおいては、エンジンの排気エネルギーの多い場合に、小容量の高圧段ターボチャージャーのタービンをバイパスさせて、大容量の低圧段ターボチャージャーのタービンのみに排気を流すようにしている。その場合において、エンジンの最高出力を増大させるためには、低圧段ターボチャージャーの容量を増大させる必要があるが、低圧段ターボチャージャーの容量を増大させると、低圧段ターボチャージャーの応答性が低下する。さらに、高圧段ターボチャージャーのタービンをバイパスさせて排気を流す場合に、大容量の低圧段ターボチャージャーを駆動するための排気エネルギーが不足して、十分な過給圧が得られなくなる。
本発明は、低圧段ターボチャージャー及び高圧段ターボチャージャーを備える過給装置において、低圧段ターボチャージャーの容量の増大を招くことなくエンジンの高出力化を実現することを目的とする。
本発明に係る過給装置及び過給エンジンシステムは、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る過給装置は、エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を加圧する過給装置であって、エンジンへの吸気を加圧する低圧段コンプレッサと、低圧段コンプレッサの出口からの吸気を加圧してエンジンへ供給する高圧段コンプレッサと、エンジンの排気エネルギーを利用して高圧段コンプレッサを駆動する高圧段タービンと、高圧段タービンの出口からの排気エネルギーを利用して低圧段コンプレッサを駆動する低圧段タービンと、エンジンからの排気の少なくとも一部を高圧段タービンをバイパスさせて低圧段タービンの入口へ導入することが可能な高圧段タービンバイパス手段と、高圧段タービンの出口からの排気を低圧段タービンをバイパスさせて低圧段タービンの出口へ導入することが可能な低圧段タービンバイパス手段と、エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段タービンの出口から低圧段タービンの入口への排気の流れを許容し、エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段タービンの入口から高圧段タービンの出口への排気の流れを遮断する排気調整弁と、高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合に、低圧段コンプレッサの入口への吸気の少なくとも一部を低圧段コンプレッサをバイパスさせて高圧段コンプレッサの入口へ導入する低圧段コンプレッサバイパス手段と、エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合に、低圧段コンプレッサの出口からの吸気を高圧段コンプレッサをバイパスさせてエンジンへ導入する高圧段コンプレッサバイパス手段と、低圧段コンプレッサの出口と高圧段コンプレッサの入口との間における吸気の流れを許容する開状態と、当該吸気の流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能な吸気制御弁と、を備え、吸気制御弁が開状態にあり、エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合は、低圧段コンプレッサ及び高圧段コンプレッサで加圧された吸気をエンジンへ導入し、吸気制御弁が閉状態にあり、エンジンからの排気の一部が高圧段タービンをバイパスし且つ高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサで加圧され且つ高圧段コンプレッサをバイパスした吸気と、低圧段コンプレッサをバイパスし且つ高圧段コンプレッサで加圧された吸気とをエンジンへ導入することを要旨とする。
本発明の一態様では、排気調整弁は一方向弁であることが好適である。
本発明の一態様では、低圧段コンプレッサバイパス手段は、低圧段コンプレッサをバイパスさせて低圧段コンプレッサの入口と高圧段コンプレッサの入口とを繋ぐ低圧段コンプレッサバイパス流路と、低圧段コンプレッサバイパス流路における吸気のバイパス流れを調整する低圧段吸気調整弁と、を含み、低圧段吸気調整弁は、高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサの入口から高圧段コンプレッサの入口への吸気のバイパス流れを許容し、高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段コンプレッサの入口から低圧段コンプレッサの入口への吸気のバイパス流れを遮断することが好適である。この態様では、低圧段吸気調整弁は一方向弁であることが好適である。
本発明の一態様では、高圧段コンプレッサバイパス手段は、高圧段コンプレッサをバイパスさせて低圧段コンプレッサの出口と高圧段コンプレッサの出口とを繋ぐ高圧段コンプレッサバイパス流路と、高圧段コンプレッサバイパス流路における吸気のバイパス流れを調整する高圧段吸気調整弁と、を含み、高圧段吸気調整弁は、エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサの出口から高圧段コンプレッサの出口への吸気のバイパス流れを許容し、エンジンからの排気が高圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段コンプレッサの出口から低圧段コンプレッサの出口への吸気のバイパス流れを遮断することが好適である。この態様では、高圧段吸気調整弁は一方向弁であることが好適である。
本発明の一態様では、エンジンからの排気の一部が高圧段タービンをバイパスし且つ高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合におけるエンジンの回転数及びトルクの少なくとも一方が、エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合よりも高くなるように、エンジンからの排気を流すことが好適である。
本発明の一態様では、前記エンジンが、燃料を筒内に噴射する筒内噴射式内燃機関であることが好適である。
また、本発明に係る過給エンジンシステムは、エンジンと、エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を加圧する過給装置と、を備える過給エンジンシステムであって、前記過給装置が、本発明に係る過給装置であることを要旨とする。
本発明によれば、吸気制御弁が閉状態にあり、エンジンからの排気の一部が高圧段タービンをバイパスし且つ高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサで加圧され且つ高圧段コンプレッサをバイパスした吸気と、低圧段コンプレッサをバイパスし且つ高圧段コンプレッサで加圧された吸気とをエンジンへ導入することで、エンジンの排気エネルギーの多いときに、低圧段ターボチャージャーの容量を増大させることなく、エンジンへ供給する吸気量を増大させることができる。その結果、低圧段ターボチャージャーの容量の増大を招くことなくエンジンの高出力化を実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る過給装置12を備える過給エンジンシステムの概略構成を示す図である。本実施形態に係る過給装置12は、内燃機関10の排気エネルギーを利用して内燃機関10への吸気を加圧するものであり、大容量の低圧段ターボチャージャー20と小容量の高圧段ターボチャージャー40とを備える。
内燃機関10は、例えばディーゼルエンジンや直噴ガソリンエンジン等、燃料を筒内に直接噴射する筒内噴射式内燃機関により構成することができる。内燃機関10が筒内噴射式内燃機関である場合は、本実施形態に係る過給装置12で加圧される吸気(新気)は空気である。内燃機関10においては、燃焼後の排気の一部が吸気側へEGRガスとして供給される排気再循環(EGR)が行われる。EGRを行うことで、燃焼の際に生成される窒素酸化物(NOx)の抑制を図ることができる。ただし、内燃機関10への吸気における空気量が低下すると、燃焼の際に煤(スモーク)が発生しやすくなる。本実施形態では、内燃機関10への吸気(空気)を過給装置12により加圧することで、内燃機関10へ供給する空気量を増大させることができ、燃焼の際に生成される煤の抑制を図ることができる。
低圧段ターボチャージャー20は、内燃機関10への吸気を加圧する大容量の低圧段コンプレッサ21と、内燃機関10の排気エネルギーを利用して低圧段コンプレッサ21を回転駆動する大容量の低圧段タービン22と、を備える。低圧段ターボチャージャー20は、大流量で高効率となる特性を有する。高圧段ターボチャージャー40は、低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気を加圧して内燃機関10へ供給する小容量の高圧段コンプレッサ41と、内燃機関10の排気エネルギーを利用して高圧段コンプレッサ41を回転駆動する小容量の高圧段タービン42と、を備える。高圧段ターボチャージャー40は、小流量で高効率となる特性を有する。低圧段コンプレッサ21と高圧段コンプレッサ41は、内燃機関10の吸気通路に直列に設けられている。図1は、高圧段タービン42と低圧段タービン22が内燃機関10の排気通路に直列に設けられた例を示しており、低圧段タービン22は、高圧段タービン42の出口42bからの排気エネルギーを利用して低圧段コンプレッサ21を回転駆動する。
内燃機関10からの排気(高圧段タービン42の入口42aへの排気)の少なくとも一部を高圧段タービン42をバイパスさせて流すために、高圧段タービン42の入口42aと出口42b(低圧段タービン22の入口22a)とを高圧段タービン42をバイパスさせて繋ぐ高圧段タービンバイパス流路43が設けられている。高圧段タービンバイパス流路43には、高圧段タービンバイパス流路43における排気のバイパス流れを制御する高圧段排気制御弁44が設けられている。高圧段排気制御弁44は、高圧段タービンバイパス流路43における排気のバイパス流れを許容する開状態(全開状態)と、高圧段タービンバイパス流路43における排気のバイパス流れを遮断する閉状態(全閉状態)と、に選択的に切り替わることが可能である。さらに、高圧段排気制御弁44を半開状態にして高圧段排気制御弁44の開度を制御することで、高圧段タービンバイパス流路43を流れる排気の流量を制御することも可能である。ここでは、内燃機関10からの排気の全流量を高圧段排気制御弁44を介して流すことができるように高圧段排気制御弁44の容量が設定されている。
そして、低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気(高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気)を高圧段コンプレッサ41をバイパスさせて流すために、高圧段コンプレッサ41の入口41a(低圧段コンプレッサ21の出口21b)と出口41bとを高圧段コンプレッサ41をバイパスさせて繋ぐ高圧段コンプレッサバイパス流路45が設けられている。高圧段コンプレッサバイパス流路45には、高圧段コンプレッサバイパス流路45における吸気のバイパス流れを調整する高圧段吸気調整弁として一方向弁(逆止弁)46が設けられている。ここでの一方向弁46は、低圧段コンプレッサ21の出口21bから高圧段コンプレッサ41の出口41bへの吸気のバイパス流れ(高圧段コンプレッサバイパス流路45の流れ)を許容するとともに、高圧段コンプレッサ41の出口41bから低圧段コンプレッサ21の出口21bへの吸気のバイパス流れ(高圧段コンプレッサバイパス流路45の流れ)を遮断するために設けられている。
さらに、内燃機関10(高圧段タービン42の出口42b)からの排気を低圧段タービン22をバイパスさせて流すために、低圧段タービン22の入口22a(高圧段タービン42の出口42b)と出口22bとを低圧段タービン22をバイパスさせて繋ぐ低圧段タービンバイパス流路23が設けられている。低圧段タービンバイパス流路23には、低圧段タービンバイパス流路23における排気のバイパス流れを制御する低圧段排気制御弁24が設けられている。低圧段排気制御弁24は、低圧段タービンバイパス流路23における排気のバイパス流れを許容する開状態(全開状態)と、低圧段タービンバイパス流路23における排気のバイパス流れを遮断する閉状態(全閉状態)と、に選択的に切り替わることが可能である。さらに、低圧段排気制御弁24を半開状態にして低圧段排気制御弁24の開度を制御することで、低圧段タービンバイパス流路23を流れる排気の流量を制御することも可能である。ここでは、内燃機関10からの排気の全流量を低圧段排気制御弁24を介して流すことができるように低圧段排気制御弁24の容量が設定されている。
そして、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の少なくとも一部を低圧段コンプレッサ21をバイパスさせて流すために、低圧段コンプレッサ21の入口21aと出口21b(高圧段コンプレッサ41の入口41a)とを低圧段コンプレッサ21をバイパスさせて繋ぐ低圧段コンプレッサバイパス流路25が設けられている。低圧段コンプレッサバイパス流路25には、低圧段コンプレッサバイパス流路25における吸気のバイパス流れを調整する低圧段吸気調整弁として一方向弁(逆止弁)26が設けられている。ここでの一方向弁26は、低圧段コンプレッサ21の入口21aから高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気のバイパス流れ(低圧段コンプレッサバイパス流路25の流れ)を許容するとともに、高圧段コンプレッサ41の入口41aから低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気のバイパス流れ(低圧段コンプレッサバイパス流路25の流れ)を遮断するために設けられている。
さらに、高圧段タービン42の出口42bと低圧段タービン22の入口22aとを接続するタービン接続流路33には、タービン接続流路33(高圧段タービン42の出口42bと低圧段タービン22の入口22aとの間)における排気の流れを調整する排気調整弁として一方向弁(逆止弁)36が設けられている。ここでの一方向弁36は、高圧段タービン42の出口42bから低圧段タービン22の入口22aへの排気の流れを許容するとともに、低圧段タービン22の入口22aから高圧段タービン42の出口42bへの排気の流れを遮断するために設けられている。
そして、低圧段コンプレッサ21の出口21bと高圧段コンプレッサ41の入口41aとを接続するコンプレッサ接続流路35には、コンプレッサ接続流路35(低圧段コンプレッサ21の出口21bと高圧段コンプレッサ41の入口41aとの間)における吸気の流れを制御する吸気制御弁34が設けられている。吸気制御弁34は、低圧段コンプレッサ21の出口21bと高圧段コンプレッサ41の入口41aとの間における吸気の流れを許容する開状態と、低圧段コンプレッサ21の出口21bと高圧段コンプレッサ41の入口41aとの間における吸気の流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能である。ここでは、内燃機関10への吸気の全流量を吸気制御弁34を介して流すことができるように吸気制御弁34の容量が設定されている。
電子制御ユニット50は、内燃機関10の運転状態に基づいて、低圧段排気制御弁24の開閉状態、高圧段排気制御弁44の開閉状態、及び吸気制御弁34の開閉状態をそれぞれ制御することで、過給装置12の動作状態を制御する。以下、本実施形態に係る過給装置12の動作について、図2〜7を用いて説明する。
電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが図2に示す特性線Aを超えない領域である低速・低負荷領域内にある場合は、図3,7に示すように、低圧段排気制御弁24を開状態(全開状態)且つ高圧段排気制御弁44を閉状態(全閉状態)に制御する。図3では、吸気制御弁34を開状態に制御しているが、吸気制御弁34を閉状態に制御してもよい。ここでの特性線Aは、図2に示すように、内燃機関10の回転数Neが高くなるにつれてトルクTeが低くなる特性線である。ここでは、特性線A上での内燃機関10の出力が所定の一定値WAとなるように特性線Aを設定することもできる。高圧段排気制御弁44を閉状態に制御することで、図3に示すように、内燃機関10からの排気は、高圧段タービン42をバイパスしないで高圧段タービン42を通って流れる。そして、低圧段排気制御弁24を開状態に制御することで、高圧段タービン42の出口42bからの排気は、低圧段タービンバイパス流路23を通って一方向弁36及び低圧段タービン22をバイパスして流れてから、低圧段タービン22の出口22bへ導入される。
図3に示すように、高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22を通らずに低圧段タービン22をバイパスして流れる場合は、低圧段コンプレッサ21が吸気を加圧することなく、一方向弁26が開いて、低圧段コンプレッサバイパス流路25における低圧段コンプレッサ21の入口21aから高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気の流れが許容される。そのため、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気は、低圧段コンプレッサバイパス流路25を通って低圧段コンプレッサ21及び吸気制御弁34をバイパスしてから、高圧段コンプレッサ41の入口41aへ導入される。そして、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42をバイパスしないで高圧段タービン42を通って流れる場合は、高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気(低圧段コンプレッサバイパス流路25からの吸気)は、高圧段コンプレッサ41をバイパスしないで高圧段コンプレッサ41で加圧されてから、内燃機関10へ導入される。その際には、高圧段コンプレッサ41の出口41bの圧力が低圧段コンプレッサ21の出口21bの圧力よりも高くなるため、一方向弁46が閉じて、高圧段コンプレッサバイパス流路45における高圧段コンプレッサ41の出口41bから低圧段コンプレッサ21の出口21bへの吸気の流れが遮断される。したがって、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42をバイパスせず且つ低圧段タービン22をバイパスして流れる場合は、低圧段ターボチャージャー20が作動しないで高圧段ターボチャージャー40のみが作動し、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧された吸気が内燃機関10へ導入される。以下、この過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードとする。なお、内燃機関10の回転数Neについては、例えば図示しないセンサにより検出することができ、内燃機関10のトルクTe(負荷)については、例えば燃料噴射量から演算することができる。
また、電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが図2に示す特性線Aを超え且つ特性線Bを超えない領域である低中速・低中負荷領域内にある場合は、図4,7に示すように、低圧段排気制御弁24を閉状態(全閉状態)、高圧段排気制御弁44を閉状態(全閉状態)、且つ吸気制御弁34を開状態に制御する。ここでの特性線Bは、図2に示すように、特性線Aよりも高速・高トルク側に設定されており、内燃機関10の回転数Neが高くなるにつれてトルクTeが低くなる特性線である。ここでは、特性線B上での内燃機関10の出力が所定の一定値WB(WB>WA)となるように特性線Bを設定することもできる。高圧段排気制御弁44を閉状態に制御することで、図4に示すように、内燃機関10からの排気は、高圧段タービン42をバイパスしないで高圧段タービン42を通って流れる。そして、低圧段排気制御弁24を閉状態に制御することで、高圧段タービン42の出口42bからの排気は、低圧段タービン22をバイパスしないで低圧段タービン22を通って流れてから、低圧段タービン22の出口22bへ導入される。その際には、一方向弁36が開いて、タービン接続流路33における高圧段タービン42の出口42bから低圧段タービン22の入口22aへの排気の流れが許容される。
図4に示すように、高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスしないで低圧段タービン22を通って流れる場合は、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気は、低圧段コンプレッサ21をバイパスしないで低圧段コンプレッサ21で加圧されてから、高圧段コンプレッサ41の入口41aへ導入される。その際には、高圧段コンプレッサ41の入口41aの圧力が低圧段コンプレッサ21の入口21aの圧力よりも高くなるため、一方向弁26が閉じて、低圧段コンプレッサバイパス流路25における高圧段コンプレッサ41の入口41aから低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の流れが遮断される。そして、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42をバイパスしないで高圧段タービン42を通って流れる場合は、高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気(低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気)は、高圧段コンプレッサ41をバイパスしないで高圧段コンプレッサ41で加圧されてから、内燃機関10へ導入される。その際には、一方向弁46が閉じて、高圧段コンプレッサバイパス流路45における高圧段コンプレッサ41の出口41bから低圧段コンプレッサ21の出口21bへの吸気の流れが遮断される。したがって、吸気制御弁34が開状態にあり、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42及び低圧段タービン22をバイパスしない場合は、低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40の両方が直列に作動し、低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41で二段階に加圧された吸気が内燃機関10へ導入される。以下、この過給装置12の動作モードを直列作動モードとする。なお、図2に示すように、低速・低負荷領域においては、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が低中速・低中負荷領域よりも低くなる。そのため、低圧段排気制御弁24は、高圧段単独作動モード(低圧段タービン22をバイパスして排気が流れる状態)における内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が直列作動モード(低圧段タービン22を通って排気が流れる状態)よりも低くなるように、低圧段タービン22をバイパスさせて排気を流す。
また、電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが図2に示す特性線Bを超え且つ特性線Cを超えない領域である中高速・中高負荷領域内にある場合は、図5,7に示すように、低圧段排気制御弁24を閉状態(全閉状態)且つ高圧段排気制御弁44を開状態(全開状態)に制御する。図5では、吸気制御弁34を開状態に制御しているが、吸気制御弁34を閉状態に制御してもよい。ここでの特性線Cは、図2に示すように、特性線Bよりも高速・高トルク側に設定されており、内燃機関10の回転数Neが高くなるにつれてトルクTeが低くなる特性線である。ここでは、特性線C上での内燃機関10の出力が所定の一定値WC(WC>WB)となるように特性線Cを設定することもできる。高圧段排気制御弁44を開状態に制御することで、図5に示すように、内燃機関10からの排気は、高圧段タービンバイパス流路43を通って高圧段タービン42及び一方向弁36をバイパスして流れてから、低圧段タービン22の入口22aへ導入される。そして、低圧段排気制御弁24を閉状態に制御することで、低圧段タービン22の入口22aへの排気(高圧段タービンバイパス流路43からの排気)は、低圧段タービン22をバイパスしないで低圧段タービン22を通って流れてから、低圧段タービン22の出口22bへ導入される。その際には、一方向弁36が閉じて、タービン接続流路33における低圧段タービン22の入口22aから高圧段タービン42の出口42bへの排気の流れが遮断される。
図5に示すように、低圧段タービン22の入口22aへの排気が低圧段タービン22をバイパスしないで低圧段タービン22を通って流れる場合は、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気は、低圧段コンプレッサ21をバイパスしないで低圧段コンプレッサ21で加圧される。その際には、一方向弁26が閉じて、低圧段コンプレッサバイパス流路25における高圧段コンプレッサ41の入口41aから低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の流れが遮断される。そして、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42を通らずに高圧段タービン42をバイパスして流れる場合は、高圧段コンプレッサ41が吸気を加圧することなく、一方向弁46が開いて、高圧段コンプレッサバイパス流路45における低圧段コンプレッサ21の出口21bから高圧段コンプレッサ41の出口41bへの吸気の流れが許容される。そのため、低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気は、高圧段コンプレッサバイパス流路45を通って吸気制御弁34及び高圧段コンプレッサ41をバイパスしてから、内燃機関10へ導入される。したがって、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42をバイパスし且つ低圧段タービン22をバイパスしないで流れる場合は、高圧段ターボチャージャー40が作動しないで低圧段ターボチャージャー20のみが作動し、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスした吸気が内燃機関10へ導入される。以下、この過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードとする。なお、図2に示すように、中高速・中高負荷領域においては、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が低中速・低中負荷領域よりも高くなる。そのため、高圧段排気制御弁44は、低圧段単独作動モード(高圧段タービン42をバイパスして排気が流れる状態)における内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が直列作動モード(高圧段タービン42を通って排気が流れる状態)よりも高くなるように、高圧段タービン42をバイパスさせて排気を流す。
また、電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが図2に示す特性線Cを超える領域である高速・高負荷領域内にある場合は、図6,7に示すように、低圧段排気制御弁24を半開状態、高圧段排気制御弁44を半開状態、且つ吸気制御弁34を閉状態に制御する。高圧段排気制御弁44を半開状態に制御することで、図6に示すように、内燃機関10からの排気の一部は、高圧段タービンバイパス流路43を通って高圧段タービン42及び一方向弁36をバイパスして流れてから、低圧段タービン22の入口22aへ導入される。そして、低圧段タービン22の入口22aへの排気(高圧段タービンバイパス流路43からの排気)は、低圧段タービン22を通って流れてから、低圧段タービン22の出口22bへ導入される。一方、内燃機関10からの排気の残りは、高圧段タービン42を通って流れる。そして、低圧段排気制御弁24を半開状態に制御することで、高圧段タービン42の出口42bからの排気は、低圧段タービンバイパス流路23を通って一方向弁36及び低圧段タービン22をバイパスして流れてから、低圧段タービン22の出口22bへ導入される。その際には、低圧段タービン22の入口22aの圧力が高圧段タービン42の出口42bの圧力よりも高くなるため、一方向弁36が閉じて、タービン接続流路33における低圧段タービン22の入口22aから高圧段タービン42の出口42bへの排気の流れが遮断される。
図6に示すように、吸気制御弁34が閉状態にあり、内燃機関10からの排気の一部が高圧段タービン42をバイパスしてから低圧段タービン22を通り、且つ高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスする場合は、一方向弁26が開いて、低圧段コンプレッサバイパス流路25における低圧段コンプレッサ21の入口21aから高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気の流れが許容される。そのため、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の一部は、低圧段コンプレッサバイパス流路25を通って低圧段コンプレッサ21及び吸気制御弁34をバイパスしてから、高圧段コンプレッサ41の入口41aへ導入される。そして、高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気(低圧段コンプレッサバイパス流路25からの吸気)は、高圧段コンプレッサ41で加圧されてから、内燃機関10へ導入される。一方、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の残りは、低圧段コンプレッサ21で加圧される。そして、一方向弁46が開いて、高圧段コンプレッサバイパス流路45における低圧段コンプレッサ21の出口21bから高圧段コンプレッサ41の出口41bへの吸気の流れが許容されることで、低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気は、高圧段コンプレッサバイパス流路45を通って吸気制御弁34及び高圧段コンプレッサ41をバイパスしてから、内燃機関10へ導入される。したがって、吸気制御弁34が閉状態にあり、内燃機関10からの排気の一部が高圧段タービン42をバイパスし且つ高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスする場合は、低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40の両方が並列に作動し、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスした吸気と、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧された吸気とが内燃機関10へ導入される。以下、この過給装置12の動作モードを並列作動モードとする。なお、図2に示すように、高速・高負荷領域においては、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が低中速・低中負荷領域及び中高速・中高負荷領域よりも高くなる。そのため、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44は、並列作動モード(内燃機関10からの排気の一部が高圧段タービン42をバイパスし且つ高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスする状態)における内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeの少なくとも一方が直列作動モード(内燃機関10からの排気が高圧段タービン42及び低圧段タービン22をバイパスしない状態)及び低圧段単独作動モードよりも高くなるように、内燃機関10からの排気を流す。
並列作動モードにおいては、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44の開度をそれぞれ制御することで、高圧段タービン42をバイパスし且つ低圧段タービン22を通る排気量と、高圧段タービン42を通り且つ低圧段タービン22をバイパスする排気量との配分を制御することができる。これによって、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスする吸気量と、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧される吸気量との配分を制御することができる。例えば、低圧段排気制御弁24の開度を増大させるとともに高圧段排気制御弁44の開度を減少させることで、高圧段タービン42をバイパスし且つ低圧段タービン22を通る排気量が減少するとともに、高圧段タービン42を通り且つ低圧段タービン22をバイパスする排気量が増大する。これによって、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスする吸気量が減少するとともに、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧される吸気量が増大する。一方、低圧段排気制御弁24の開度を減少させるとともに高圧段排気制御弁44の開度を増大させることで、高圧段タービン42をバイパスし且つ低圧段タービン22を通る排気量が増大するとともに、高圧段タービン42を通り且つ低圧段タービン22をバイパスする排気量が減少する。これによって、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスする吸気量が増大するとともに、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧される吸気量が減少する。
そして、並列作動モードにおいては、低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41の効率がそれぞれ高くなるように、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44の開度をそれぞれ制御することもできる。低圧段コンプレッサ21の効率については、低圧段コンプレッサ21の流量、圧力比、及び回転数の少なくとも2つから算出することが可能である。同様に、高圧段コンプレッサ41の効率についても、高圧段コンプレッサ41の流量、圧力比、及び回転数の少なくとも2つから算出することが可能である。
上記に説明したように、過給装置12の動作モードが直列作動モードにある場合、つまり、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42及び低圧段タービン22をバイパスしない場合は、一方向弁36は、高圧段タービン42の出口42bから低圧段タービン22の入口22aへの排気の流れを許容する。一方、過給装置12の動作モードが低圧段単独作動モードまたは並列作動モードにある場合、つまり、内燃機関10からの排気の少なくとも一部が高圧段タービン42をバイパスする場合は、一方向弁36は、低圧段タービン22の入口22aから高圧段タービン42の出口42bへの排気の流れを遮断する。また、過給装置12の動作モードが高圧段単独作動モードまたは並列作動モードにある場合、つまり、高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスする場合は、一方向弁26は、低圧段コンプレッサ21の入口21aから高圧段コンプレッサ41の入口41aへの吸気の流れを許容し、低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の少なくとも一部が低圧段コンプレッサ21をバイパスして高圧段コンプレッサ41の入口41aへ導入される。一方、過給装置12の動作モードが直列作動モードまたは低圧段単独作動モードにある場合、つまり、高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスしない場合は、一方向弁26は、高圧段コンプレッサ41の入口41aから低圧段コンプレッサ21の入口21aへの吸気の流れを遮断する。また、過給装置12の動作モードが低圧段単独作動モードまたは並列作動モードにある場合、つまり、内燃機関10からの排気の少なくとも一部が高圧段タービン42をバイパスする場合は、一方向弁46は、低圧段コンプレッサ21の出口21bから高圧段コンプレッサ41の出口41bへの吸気の流れを許容し、低圧段コンプレッサ21の出口21bからの吸気が高圧段コンプレッサ41をバイパスして内燃機関10へ導入される。一方、過給装置12の動作モードが高圧段単独作動モードまたは直列作動モードにある場合、つまり、内燃機関10からの排気が高圧段タービン42をバイパスしない場合は、一方向弁46は、高圧段コンプレッサ41の出口41bから低圧段コンプレッサ21の出口21bへの吸気の流れを遮断する。
高圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替えについては、低圧段排気制御弁24を全開状態から全閉状態へ切り替えることで行うことができ、直列作動モードから高圧段単独作動モードへの切り替えについては、低圧段排気制御弁24を全閉状態から全開状態へ切り替えることで行うことができる。低圧段排気制御弁24の切り替え動作の際には、低圧段排気制御弁24の開度を徐々に変化させることも可能である。また、高圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Aと、直列作動モードから高圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Aとの間に、ヒステリシスを設けることもできる。例えば、図8に示すように、直列作動モードから高圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線A2を、高圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線A1よりも低速・低トルク側に設定することができる。これによって、高圧段単独作動モードと直列作動モードとの間の切り替えが短時間で繰り返されるのが防止される。
また、直列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替えについては、高圧段排気制御弁44を全閉状態から全開状態へ切り替えることで行うことができ、低圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替えについては、高圧段排気制御弁44を全開状態から全閉状態へ切り替えることで行うことができる。高圧段排気制御弁44の切り替え動作の際には、高圧段排気制御弁44の開度を徐々に変化させることも可能である。また、直列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Bと、低圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Bとの間に、ヒステリシスを設けることもできる。例えば、図8に示すように、低圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線B2を、直列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線B1よりも低速・低トルク側に設定することができる。これによって、直列作動モードと低圧段単独作動モードとの間の切り替えが短時間で繰り返されるのが防止される。
また、低圧段単独作動モードから並列作動モードへの切り替えについては、低圧段排気制御弁24を全閉状態から半開状態へ、高圧段排気制御弁44を全開状態から半開状態へ、且つ吸気制御弁34を閉状態へ切り替えることで行うことができる。一方、並列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替えについては、低圧段排気制御弁24を半開状態から全閉状態へ、高圧段排気制御弁44を半開状態から全開状態へ切り替えることで行うことができる。低圧段排気制御弁24、高圧段排気制御弁44、及び吸気制御弁34の切り替え動作の際には、各制御弁24,34,44の開度を徐々に変化させることも可能である。また、低圧段単独作動モードから並列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Cと、並列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線Cとの間に、ヒステリシスを設けることもできる。例えば、図8に示すように、並列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる特性線C2を、低圧段単独作動モードから並列作動モードへの切り替え判定に用いる特性線C1よりも低速・低トルク側に設定することができる。これによって、低圧段単独作動モードと並列作動モードとの間の切り替えが短時間で繰り返されるのが防止される。
直列作動モードにおいては、内燃機関10への吸気を低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41で2段階に加圧するため、過給装置12全体の効率は、低圧段ターボチャージャー20の効率と高圧段ターボチャージャー40の効率とを掛け合わせたものとなる。特に小流量領域では、低圧段ターボチャージャー20の効率及び高圧段ターボチャージャー40の効率が低下して、過給装置12全体の効率が低下する。内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーの少ない低速・低負荷領域内にある場合に、過給装置12の動作モードが直列作動モードにあると、大容量の低圧段ターボチャージャー20を駆動するのに十分な排気エネルギーがないにもかかわらず、低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40の両方を駆動することになるため、低圧段ターボチャージャー20の駆動がロスとなる。その結果、内燃機関10への吸気を効率よく加圧することが困難となり、十分な過給圧を得ることが困難となる。
これに対して本実施形態では、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーの少ない低速・低負荷領域内にある場合は、過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードに制御することで、大容量の低圧段ターボチャージャー20(低圧段タービン22)の駆動によるロスが生じるのを抑制して、内燃機関10からの排気エネルギーのすべてを小容量の高圧段ターボチャージャー40(高圧段タービン42)の駆動に使用することができる。そのため、少ない排気エネルギーであっても、高圧段ターボチャージャー40の作動状態を高圧段コンプレッサ41の効率が高くなる作動領域へ速やかに移行させることができる。したがって、過給装置12全体の効率を速やかに高めて内燃機関10への吸気を効率よく加圧することができ、十分な過給圧を速やかに得ることができる。その結果、低速・低負荷領域であっても、燃費の低下を招くことなく内燃機関10の充填効率を高めることができ、煤の抑制等、低エミッション化を図ることができる。
そして、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが低中速・低中負荷領域内にある場合は、過給装置12の動作モードを直列作動モードに制御することで、十分な排気エネルギーで低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40を直列に駆動することができ、低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40の作動状態を低圧段コンプレッサ21の効率及び高圧段コンプレッサ41の効率がそれぞれ高くなる作動領域へ速やかに移行させることができる。その結果、過給装置12全体の効率を高めて内燃機関10への吸気を効率よく加圧することができるとともに、吸気を2段階に加圧して過給圧を高めることができる。
また、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーの多い中高速・中高負荷領域内にある場合は、高圧段ターボチャージャー40の容量が不足するため、作動ガスの全量を高圧段ターボチャージャー40に流すことができなくなる。その場合は、過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードに制御することで、十分な排気エネルギーで大容量の低圧段ターボチャージャー20を駆動することができ、低圧段ターボチャージャー20の作動状態を低圧段コンプレッサ21の効率が高くなる作動領域へ移行させることができる。その結果、過給装置12全体の効率を高めて内燃機関10への吸気を効率よく加圧することができるとともに、十分な過給圧を得ることができる。
また、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーのさらに多い高速・高負荷領域内にある場合に、過給装置12の動作モードが低圧段単独作動モードにあると、内燃機関10の最高出力を増大させるためには、低圧段ターボチャージャー20の容量を増大させる必要がある。しかし、低圧段ターボチャージャー20の容量を増大させると、低圧段ターボチャージャー20の応答性が低下する。さらに、低圧段単独作動モードにおいて、大容量の低圧段ターボチャージャー20を駆動するための排気エネルギーが不足して、十分な過給圧が得られなくなる。さらに、低圧段ターボチャージャー20と高圧段ターボチャージャー40との容量差が増大するため、過給装置12の動作モードの切り替えを速やかに行うことが困難となる。
これに対して本実施形態では、内燃機関10の回転数Ne及びトルクTeが排気エネルギーのさらに多い高速・高負荷領域内にある場合は、過給装置12の動作モードを並列作動モードに制御することで、低圧段コンプレッサ21で加圧され且つ高圧段コンプレッサ41をバイパスした吸気だけでなく、低圧段コンプレッサ21をバイパスし且つ高圧段コンプレッサ41で加圧された吸気も内燃機関10へ供給することができる。そのため、低圧段ターボチャージャー20の容量を増大させることなく、内燃機関10へ供給する吸気量を増大させることができ、内燃機関10の出力を増大させることができる。そして、低圧段ターボチャージャー20の容量を増大させる必要がないため、低圧段ターボチャージャー20の応答性の低下を抑えることができるとともに、低圧段ターボチャージャー20と高圧段ターボチャージャー40との容量差が増大するのを抑えて、過給装置12の動作モードの切り替えを速やかに行うことができる。さらに、十分な排気エネルギーで低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40を並列に駆動することができ、低圧段ターボチャージャー20及び高圧段ターボチャージャー40の作動状態を低圧段コンプレッサ21の効率及び高圧段コンプレッサ41の効率がそれぞれ高くなる作動領域へ速やかに移行させることができる。その結果、過給装置12全体の効率を高めて内燃機関10への吸気を効率よく加圧することができるとともに、十分な過給圧を得ることができる。
したがって、本実施形態によれば、高い効率の得られる過給装置12の作動範囲を広げることができるとともに、広い作動範囲で十分な過給圧を得ることができる。その結果、広い作動範囲で内燃機関10の充填効率を高めることができ、煤の抑制等、低エミッション化を図ることができる。
本実施形態に係る過給装置12の動作を排気量2.2Lのディーゼルエンジンを対象としてシミュレーション(計算)により確認した結果を図9〜12に示す。図9は、高圧段単独作動モードにおける低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41の動作状態(修正流量及び圧力比)を示し、図10は、直列作動モードにおける低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41の動作状態(修正流量及び圧力比)を示し、図11は、低圧段単独作動モードにおける低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41の動作状態(修正流量及び圧力比)を示し、図12は、並列作動モードにおける低圧段コンプレッサ21及び高圧段コンプレッサ41の動作状態(修正流量及び圧力比)を示す。計算の際には、高圧段単独作動モードにおける内燃機関10の回転数を2000rpm、トルク(出力)を126Nm(26kW)、燃料噴射量を30mm3/stとしており、直列作動モードにおける内燃機関10の回転数を2000rpm、トルク(出力)を165Nm(35kW)、燃料噴射量を42mm3/stとしており、低圧段単独作動モードにおける内燃機関10の回転数を3000rpm、トルク(出力)を240Nm(75kW)、燃料噴射量を54mm3/stとしており、並列作動モードにおける内燃機関10の回転数を3800rpm、トルク(出力)を290Nm(116kW)、燃料噴射量を66mm3/stとしている。また、修正流量は、流量×(入口温度/基準温度)0.5/(入口圧力/基準圧力)により表され、計算の際には、基準温度を288.15K、基準圧力を絶対圧で100kPaとしている。本実施形態に係る過給装置12において、図9〜12に示すように高圧段単独作動モードと直列作動モードと低圧段単独作動モードと並列作動モードのそれぞれを実行できること、及び各モード間の切り替えを円滑に行えることがシミュレーションにより確認された。
本実施形態では、電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Neに基づいて過給装置12の動作モードを切り替えることもできる。例えば、電子制御ユニット50は、内燃機関10の回転数Neが設定値Ne1よりも低い低速領域内にある場合に過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10の回転数Neが設定値Ne1以上で且つ設定値Ne2(Ne2>Ne1)よりも低い低中速領域内にある場合に過給装置12の動作モードを直列作動モードに制御し、内燃機関10の回転数Neが設定値Ne2以上で且つ設定値Ne3(Ne3>Ne2)よりも低い中高速領域内にある場合に過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10の回転数Neが設定値Ne3以上の高速領域内にある場合に過給装置12の動作モードを並列作動モードに制御することもできる。この例では、低圧段排気制御弁24は、高圧段単独作動モード(低圧段タービン22をバイパスして排気が流れる状態)における内燃機関10の回転数Neが直列作動モード(低圧段タービン22を通って排気が流れる状態)よりも低くなるように、低圧段タービン22をバイパスさせて排気を流す。そして、高圧段排気制御弁44は、低圧段単独作動モード(高圧段タービン42をバイパスして排気が流れる状態)における内燃機関10の回転数Neが直列作動モード(高圧段タービン42を通って排気が流れる状態)よりも高くなるように、高圧段タービン42をバイパスさせて排気を流す。そして、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44は、並列作動モード(内燃機関10からの排気の一部が高圧段タービン42をバイパスし且つ高圧段タービン42の出口42bからの排気が低圧段タービン22をバイパスする状態)における内燃機関10の回転数Neが直列作動モード(内燃機関10からの排気が高圧段タービン42及び低圧段タービン22をバイパスしない状態)及び低圧段単独作動モードよりも高くなるように、内燃機関10からの排気を流す。
また、本実施形態では、電子制御ユニット50は、内燃機関10の出力Pe(=Te×Ne)に基づいて過給装置12の動作モードを切り替えることもできる。例えば、電子制御ユニット50は、内燃機関10の出力Peが設定値Pe1よりも低い低出力領域内にある場合に過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10の出力Peが設定値Pe1以上で且つ設定値Pe2(Pe2>Pe1)よりも低い低中出力領域内にある場合に過給装置12の動作モードを直列作動モードに制御し、内燃機関10の出力Peが設定値Pe2以上で且つ設定値Pe3(Pe3>Pe2)よりも低い中高出力領域内にある場合に過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10の出力Peが設定値Pe3以上の高速領域内にある場合に過給装置12の動作モードを並列作動モードに制御することもできる。この例では、低圧段排気制御弁24は、高圧段単独作動モードにおける内燃機関10の出力Peが直列作動モードよりも低くなるように、低圧段タービン22をバイパスさせて排気を流す。そして、高圧段排気制御弁44は、低圧段単独作動モードにおける内燃機関10の出力Peが直列作動モードよりも高くなるように、高圧段タービン42をバイパスさせて排気を流す。そして、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44は、並列作動モードにおける内燃機関10の出力Peが直列作動モード及び低圧段単独作動モードよりも高くなるように、内燃機関10からの排気を流す。
また、本実施形態では、電子制御ユニット50は、内燃機関10に供給される吸気量Aeに基づいて過給装置12の動作モードを切り替えることもできる。例えば、電子制御ユニット50は、内燃機関10への吸気量Aeが設定値Ae1よりも少ない場合に過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10への吸気量Aeが設定値Ae1以上で且つ設定値Ae2(Ae2>Ae1)よりも少ない場合に過給装置12の動作モードを直列作動モードに制御し、内燃機関10への吸気量Aeが設定値Ae2以上で且つ設定値Ae3(Ae3>Ae2)よりも少ない場合に過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードに制御し、内燃機関10への吸気量Aeが設定値Ae3以上の場合に過給装置12の動作モードを並列作動モードに制御することもできる。この例では、低圧段排気制御弁24は、高圧段単独作動モードにおける内燃機関10への吸気量Aeが直列作動モードよりも低くなるように、低圧段タービン22をバイパスさせて排気を流す。そして、高圧段排気制御弁44は、低圧段単独作動モードにおける内燃機関10への吸気量Aeが直列作動モードよりも高くなるように、高圧段タービン42をバイパスさせて排気を流す。そして、低圧段排気制御弁24及び高圧段排気制御弁44は、並列作動モードにおける内燃機関10への吸気量Aeが直列作動モード及び低圧段単独作動モードよりも高くなるように、内燃機関10からの排気を流す。なお、内燃機関10に供給される吸気量Aeについては、例えば図示しないセンサにより検出することができる。
上記に説明した例においても、直列作動モードから高圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne1(あるいは設定値Pe1や設定値Ae1)を、高圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne1(あるいは設定値Pe1や設定値Ae1)よりも小さく設定してヒステリシスを設けることもできる。同様に、低圧段単独作動モードから直列作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne2(あるいは設定値Pe2や設定値Ae2)を、直列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne2(あるいは設定値Pe2や設定値Ae2)よりも小さく設定してヒステリシスを設けることもできる。同様に、並列作動モードから低圧段単独作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne3(あるいは設定値Pe3や設定値Ae3)を、低圧段単独作動モードから並列作動モードへの切り替え判定に用いる設定値Ne3(あるいは設定値Pe3や設定値Ae3)よりも小さく設定してヒステリシスを設けることもできる。
また、本実施形態では、低圧段コンプレッサバイパス流路25における吸気のバイパス流れを調整する低圧段吸気調整弁として、一方向弁26の代わりに、低圧段コンプレッサバイパス流路25における吸気のバイパス流れを許容する開状態と、低圧段コンプレッサバイパス流路25における吸気のバイパス流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能な低圧段吸気制御弁を用いることも可能である。その際には、内燃機関10への吸気の全流量を低圧段吸気制御弁を介して流すことができるように低圧段吸気制御弁の容量を設定する。同様に、高圧段コンプレッサバイパス流路45における吸気のバイパス流れを調整する高圧段吸気調整弁として、一方向弁46の代わりに、高圧段コンプレッサバイパス流路45における吸気のバイパス流れを許容する開状態と、高圧段コンプレッサバイパス流路45における吸気のバイパス流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能な高圧段吸気制御弁を用いることも可能である。その際には、内燃機関10への吸気の全流量を高圧段吸気制御弁を介して流すことができるように高圧段吸気制御弁の容量を設定する。同様に、タービン接続流路33における排気の流れを調整する排気調整弁として、一方向弁36の代わりに、タービン接続流路33における排気の流れを許容する開状態と、タービン接続流路33における排気の流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能な排気制御弁を用いることも可能である。その際には、内燃機関10からの排気の全流量をタービン接続流路33の排気制御弁を介して流すことができるように排気制御弁の容量を設定する。電子制御ユニット50は、低圧段排気制御弁24を開状態、高圧段排気制御弁44を閉状態、低圧段吸気制御弁を開状態、且つ高圧段吸気制御弁を閉状態に制御することで、過給装置12の動作モードを高圧段単独作動モードに制御することができる。また、電子制御ユニット50は、低圧段排気制御弁24を閉状態、高圧段排気制御弁44を閉状態、吸気制御弁34を開状態、低圧段吸気制御弁を閉状態、高圧段吸気制御弁を閉状態、且つタービン接続流路33の排気制御弁を開状態に制御することで、過給装置12の動作モードを直列作動モードに制御することができる。また、電子制御ユニット50は、低圧段排気制御弁24を閉状態、高圧段排気制御弁44を開状態、低圧段吸気制御弁を閉状態、且つ高圧段吸気制御弁を開状態に制御することで、過給装置12の動作モードを低圧段単独作動モードに制御することができる。また、電子制御ユニット50は、低圧段排気制御弁24を半開状態、高圧段排気制御弁44を半開状態、吸気制御弁34を閉状態、低圧段吸気制御弁を開状態、高圧段吸気制御弁を開状態、且つタービン接続流路33の排気制御弁を閉状態に制御することで、過給装置12の動作モードを並列作動モードに制御することができる。一方向弁26,36,46を低圧段吸気制御弁、排気制御弁、及び高圧段吸気制御弁にする場合は、高圧段排気制御弁44、高圧段吸気制御弁46、低圧段排気制御弁24、低圧段吸気制御弁26、吸気制御弁34、及び排気制御弁36の中間開度位置を用いて、より連続的に過給装置12の各動作モードを移行させることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態に係る過給装置を備える過給エンジンシステムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作状態を切り替える条件の一例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作状態を切り替える条件の一例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作をシミュレーションにより確認した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作をシミュレーションにより確認した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作をシミュレーションにより確認した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る過給装置の動作をシミュレーションにより確認した結果を示す図である。
符号の説明
10 内燃機関、12 過給装置、20 低圧段ターボチャージャー、21 低圧段コンプレッサ、22 低圧段タービン、23 低圧段タービンバイパス流路、24 低圧段排気制御弁、25 低圧段コンプレッサバイパス流路、26,36,46 一方向弁、33 タービン接続流路、34 吸気制御弁、35 コンプレッサ接続流路、40 高圧段ターボチャージャー、41 高圧段コンプレッサ、42 高圧段タービン、43 高圧段タービンバイパス流路、44 高圧段排気制御弁、45 高圧段コンプレッサバイパス流路、50 電子制御ユニット。

Claims (9)

  1. エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を加圧する過給装置であって、
    エンジンへの吸気を加圧する低圧段コンプレッサと、
    低圧段コンプレッサの出口からの吸気を加圧してエンジンへ供給する高圧段コンプレッサと、
    エンジンの排気エネルギーを利用して高圧段コンプレッサを駆動する高圧段タービンと、
    高圧段タービンの出口からの排気エネルギーを利用して低圧段コンプレッサを駆動する低圧段タービンと、
    エンジンからの排気の少なくとも一部を高圧段タービンをバイパスさせて低圧段タービンの入口へ導入することが可能な高圧段タービンバイパス手段と、
    高圧段タービンの出口からの排気を低圧段タービンをバイパスさせて低圧段タービンの出口へ導入することが可能な低圧段タービンバイパス手段と、
    エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段タービンの出口から低圧段タービンの入口への排気の流れを許容し、エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段タービンの入口から高圧段タービンの出口への排気の流れを遮断する排気調整弁と、
    高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合に、低圧段コンプレッサの入口への吸気の少なくとも一部を低圧段コンプレッサをバイパスさせて高圧段コンプレッサの入口へ導入する低圧段コンプレッサバイパス手段と、
    エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合に、低圧段コンプレッサの出口からの吸気を高圧段コンプレッサをバイパスさせてエンジンへ導入する高圧段コンプレッサバイパス手段と、
    低圧段コンプレッサの出口と高圧段コンプレッサの入口との間における吸気の流れを許容する開状態と、当該吸気の流れを遮断する閉状態と、に選択的に切り替わることが可能な吸気制御弁と、
    を備え、
    吸気制御弁が開状態にあり、エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合は、低圧段コンプレッサ及び高圧段コンプレッサで加圧された吸気をエンジンへ導入し、
    吸気制御弁が閉状態にあり、エンジンからの排気の一部が高圧段タービンをバイパスし且つ高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサで加圧され且つ高圧段コンプレッサをバイパスした吸気と、低圧段コンプレッサをバイパスし且つ高圧段コンプレッサで加圧された吸気とをエンジンへ導入する、過給装置。
  2. 請求項1に記載の過給装置であって、
    排気調整弁は一方向弁である、過給装置。
  3. 請求項1または2に記載の過給装置であって、
    低圧段コンプレッサバイパス手段は、
    低圧段コンプレッサをバイパスさせて低圧段コンプレッサの入口と高圧段コンプレッサの入口とを繋ぐ低圧段コンプレッサバイパス流路と、
    低圧段コンプレッサバイパス流路における吸気のバイパス流れを調整する低圧段吸気調整弁と、
    を含み、
    低圧段吸気調整弁は、
    高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサの入口から高圧段コンプレッサの入口への吸気のバイパス流れを許容し、
    高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段コンプレッサの入口から低圧段コンプレッサの入口への吸気のバイパス流れを遮断する、過給装置。
  4. 請求項3に記載の過給装置であって、
    低圧段吸気調整弁は一方向弁である、過給装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の過給装置であって、
    高圧段コンプレッサバイパス手段は、
    高圧段コンプレッサをバイパスさせて低圧段コンプレッサの出口と高圧段コンプレッサの出口とを繋ぐ高圧段コンプレッサバイパス流路と、
    高圧段コンプレッサバイパス流路における吸気のバイパス流れを調整する高圧段吸気調整弁と、
    を含み、
    高圧段吸気調整弁は、
    エンジンからの排気の少なくとも一部が高圧段タービンをバイパスする場合は、低圧段コンプレッサの出口から高圧段コンプレッサの出口への吸気のバイパス流れを許容し、
    エンジンからの排気が高圧段タービンをバイパスしない場合は、高圧段コンプレッサの出口から低圧段コンプレッサの出口への吸気のバイパス流れを遮断する、過給装置。
  6. 請求項5に記載の過給装置であって、
    高圧段吸気調整弁は一方向弁である、過給装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1に記載の過給装置であって、
    エンジンからの排気の一部が高圧段タービンをバイパスし且つ高圧段タービンの出口からの排気が低圧段タービンをバイパスする場合におけるエンジンの回転数及びトルクの少なくとも一方が、エンジンからの排気が高圧段タービン及び低圧段タービンをバイパスしない場合よりも高くなるように、エンジンからの排気を流す、過給装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載の過給装置であって、
    前記エンジンが、燃料を筒内に噴射する筒内噴射式内燃機関である、過給装置。
  9. エンジンと、
    エンジンの排気エネルギーを利用してエンジンへの吸気を加圧する過給装置と、
    を備える過給エンジンシステムであって、
    前記過給装置が、請求項1〜8のいずれか1に記載の過給装置である、過給エンジンシステム。
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