JP4660895B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば高輝度放電灯(HIDランプ)用の放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11に従来の放電灯点灯装置の構成図を示す。この放電灯点灯装置は、大別すると、直流電源回路1と、負荷回路2と、極性反転回路3と、イグナイタ回路4と、制御回路5とを備えている。
【0003】
直流電源回路1は、商用交流電源Vsと、この商用交流電源Vsの交流電圧を直流電圧に整流するダイオードブリッジ回路DBと、インダクタL11、FETQ11およびダイオードD11により成る昇圧チョッパ回路11と、この昇圧チョッパ回路11の出力を検出し、その出力が所定電圧値になるようにFETQ11のオン/オフ制御を行う制御回路12とにより構成されている。
【0004】
負荷回路2は、例えば高輝度放電灯などの放電灯laと、この放電灯laと並列に接続されたコンデンサC1と、これら並列接続の放電灯laおよびコンデンサC1に直列に接続されたインダクタL1とにより構成されている。また、図11の例では、放電灯laを流れるランプ電流(Ila)検出用の抵抗R1が放電灯laの右端側に直列に介設されている。
【0005】
極性反転回路3は、直流電源回路1の出力(出力電圧E)により充電される直列接続のコンデンサ(平滑コンデンサ)Cs1,Cs2と、これらのコンデンサCs1,Cs2と並列に接続される直列接続のFETQ1,Q2とにより構成されている。ただし、コンデンサCs1,Cs2は同容量に設定されている。
【0006】
イグナイタ回路4は、放電灯laに高圧のパルス電圧(Vp)を印加して放電灯laを始動ないし再始動させるためのものであり、放電灯laの左端側に介設されるパルストランスPTなどにより構成されている。
【0007】
制御回路5は、FETQ1,Q2のオン/オフ制御を通じて、放電灯laの非点灯時には所定の矩形波電圧を放電灯laに印加し、その点灯時には適正な矩形波交流電力を放電灯laに供給してこれを安定に点灯させるものである。図11の例では、制御回路5は、放電灯laのランプ電流値を検出するIla検出回路51と、放電灯laのランプ電圧(Vla)値を検出するVla検出回路52と、これらの検出結果から放電灯laに必要な電力(Wla)を演算するWla検出回路53と、このWla検出回路53の出力値に応じてFETQ1,Q2を駆動する駆動回路54とにより構成されている。
【0008】
図12に上記放電灯点灯装置の点灯時における動作波形図を示す。放電灯laの点灯時、制御回路5は、FETQ2をオフにしてFETQ1を数十kHz(周期t1)の高周波でオン/オフする制御を期間T1行い、続いて、FETQ1をオフにしてFETQ2を数十kHz(周期t2)の高周波でオン/オフする制御を期間T2行う。このような制御は期間T1,T2を合算した周期となる低周波(通常数十から百Hz)で繰り返し実行される。これにより、図12の「Vla,Ila」のように、低周波矩形波電圧が放電灯laに印加し、低周波矩形波電流が放電灯laに流れることになる。
【0009】
図13に上記放電灯点灯装置の始動(非点灯)時における動作波形図を示す。
放電灯laの始動(非点灯)時、制御回路5が上記と同様の制御を行っているときに、イグナイタ回路4がT1,T2の各期間に数kVの高圧パルスVpを低周波矩形波電圧(Vdc=E/2)に重畳する。これにより、放電灯laが点灯に至る。
【0010】
なお、特開平5−326179号公報には、矩形波交流出力の極性反転時に、共振型高周波インバータ回路の発信動作を停止させる放電灯点灯装置が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図11の従来の放電灯点灯装置では、放電灯laの始動時に半波放電が起きると、素子に過剰なストレスが加わり、また放電灯laが正常であるにも関わらず、放電を維持することができなくなる場合があった。
【0012】
図14にこの不具合の発生の様子を示す。放電灯laの始動(非点灯)時、高圧パルスVpを放電灯laに印加してこれを始動点灯させるわけであるが、放電灯が始動点灯した直後、ランプ電流Ilaが正常に流れると、図4に示す領域Aの「Vcs1 ,Vcs2 」のように、コンデンサCs1,Cs2の電圧Vcs1 ,Vcs2 は、E/2を中心として均衡が取れた状態になる。
【0013】
このような状態となる正常放電に対し、半波放電が起きて、図14に示す「Ila」のように、正負極性の各々で絶対値が異なる電流が放電灯laに流れる場合がある。この現象は、放電灯laの異常動作ではなく放電現象の未成長のために起こる。このような半波放電が起きると、放電灯laで消費される電力が正負極性で大きく異なるために、コンデンサCs1,Cs2の電荷消費量も正負極性で異なるから、図4に示す領域Bの「Vcs1 ,Vcs2 」のように、電圧Vcs1 ,Vcs2 の均衡がくずれ、一方のコンデンサに大きな電圧が印加することになる。また、この状態が続くと、ついには一方のコンデンサの電圧が電圧Eとなり、電圧Vcs1 ,Vcs2 の和が常に昇圧チョッパ回路11の出力電圧Eとなるので、もう一方のコンデンサの電圧が0Vとなる。この場合、放電灯laは点灯を維持することができない。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、放電灯の始動時に半波放電が起きても、素子(第1および第2コンデンサ)に過剰なストレスが加わることのない放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1記載の発明の放電灯点灯装置は、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯が点灯した直後から所定期間にのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯に対する電圧値または電流値の絶対値が前記矩形波電圧の各極性で異なるときのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、それぞれ前記FETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記コンデンサの電圧が所定の電圧値になると前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記放電灯は高輝度放電灯であることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記負荷回路は、前記放電灯と並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の放電灯およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有し、前記第1および第2スイッチング素子は直列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサは互いに並列に接続されて極性反転回路を構成し、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第1および第2コンデンサの接続点との間には前記負荷回路が接続されることを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の放電灯点灯装置において、前記負荷回路は、前記並列接続の放電灯およびコンデンサと前記インダクタとが直列に接続された回路に対して並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の回路およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有することを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記矩形波電圧印加手段は、直列接続された第3および第4スイッチング素子をさらに含み、直列接続された前記第1および第2スイッチング素子と前記第3および第4スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサとは互いに並列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第3および第4スイッチング素子の接続点との間には前記負荷回路が接続されることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る第1実施形態の放電灯点灯装置の構成図、図2は図1の放電灯点灯装置の動作波形図であり、これらの図を用いて以下に第1実施形態の説明を行う。
【0026】
図1に示す放電灯点灯装置は、直流電源回路1と、負荷回路2と、極性反転回路3と、イグナイタ回路4と、制御回路5とを図11の従来の放電灯点灯装置と同様に備えているほか、その従来の放電灯点灯装置との相違点として補正回路6をさらに備えている。
【0027】
この補正回路6は、放電灯laが点灯した直後から所定期間T3、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正するものである。図1の例では、FETQ6と、このFETQ6を介してコンデンサCs1,Cs2とそれぞれ並列に接続される抵抗R61,R62と、Ila検出回路51の検出結果を利用して、放電灯laが点灯した直後から所定期間T3、FETQ6をオンにする制御回路61とにより構成されている。ただし、抵抗R61,R62は、期間T1,T2時のコンデンサCs1,Cs2の消費電力よりも十分大きな電力を供給できるような抵抗値に設定されている。
【0028】
このように構成される放電灯点灯装置では、制御回路61は、Ila検出回路51を通じて放電灯laに電流が流れたことを検出すると、放電灯laが始動したとの判定を行い、この判定時点から所定期間T3、図2に示す「Q6」のようにFETQ6をオンにする。この動作により、放電灯laの始動時におけるコンデンサCs1,Cs2の電圧Vcs1 ,Vcs2 は、図2に示す「Vcs1 ,Vcs2 」のように、E/2の一定レベルになる。
【0029】
以上、第1実施形態によれば、放電灯laが点灯した直後から所定期間T3、コンデンサCs1,Cs2の各電圧がE/2の一定レベルになるように補正されるので、放電灯laの始動時に半波放電が起きても、素子(コンデンサCs1,Cs2)に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯laを安定に始動させることができる。
【0030】
図3は本発明に係る第2実施形態の放電灯点灯装置の構成図、図4は図3の放電灯点灯装置の動作波形図であり、これらの図を用いて以下に第2実施形態の説明を行う。
【0031】
図3に示す放電灯点灯装置は、直流電源回路1と、負荷回路2と、極性反転回路3と、イグナイタ回路4と、制御回路5とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として補正回路6aを備えている。
【0032】
この補正回路6aは、放電灯laに対する電圧値または電流値(第2実施形態では電流値)の絶対値が低周波矩形波電圧の各極性で異なるときのみ、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正するものである。図3の例では、第1実施形態と同様の抵抗R61,R62と、これら抵抗R61,R62をそれぞれオン時にコンデンサCs1,Cs2と並列に接続するFETQ61,Q62と、Ila検出回路51の検出結果を利用して、放電灯laに対する電流値の絶対値が低周波矩形波電圧の各極性で異なるときのみ、FETQ61,Q62をオンにする制御回路61aとにより構成されている。
【0033】
このように構成される放電灯点灯装置では、制御回路61aは、例えば放電灯laが点灯した直後から所定期間において、放電灯laに対する電流値の絶対値が低周波矩形波電圧の各極性で異なるときのみ、図4に示す「Q61」、「Q62」のようにFETQ61,Q62をオンにする。図4では、期間T1の場合にランプ電流Ilaのレベルが本来のレベルと異なるとき、FETQ61がオンになり、期間T2の場合にランプ電流Ilaのレベルが本来のレベルと異なるとき、FETQ62がオンになっている。この動作により、放電灯laの始動時におけるコンデンサCs1,Cs2の電圧Vcs1 ,Vcs2 は、図4に示す「Vcs1 ,Vcs2 」のように、E/2近辺のレベルに落ち着く。
【0034】
以上、第2実施形態によれば、放電灯laに対する電流値の絶対値が低周波矩形波電圧の各極性で異なるときのみ、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正されるので、放電灯laの始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯laを安定に始動させることができる。
【0035】
図5は本発明に係る第3実施形態の放電灯点灯装置の構成図、図6は図5の放電灯点灯装置の動作波形図であり、これらの図を用いて以下に第3実施形態の説明を行う。
【0036】
図5に示す放電灯点灯装置は、直流電源回路1と、負荷回路2と、極性反転回路3と、イグナイタ回路4と、制御回路5とを第2実施形態と同様に備えているほか、第2実施形態との相違点として補正回路6bを備えている。
【0037】
この補正回路6bは、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定の電圧値(しきい値Y)になると、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正するものである。図5の例では、第2実施形態と同様の抵抗R61,R62およびFETQ61,Q62と、抵抗などにより成りコンデンサCs1,Cs2の電圧を個別に検出する検出回路62と、この検出回路62の検出結果を利用して、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定の電圧値になると、FETQ61,Q62をオンにする制御回路61bとにより構成されている。
【0038】
このように構成される放電灯点灯装置では、制御回路61bは、例えば放電灯laが点灯した直後から所定期間において、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定の電圧値になると、図6に示す「Q61」、「Q62」のようにFETQ61,Q62をオンにする。図6では、期間T1の場合に電圧Vcs1 がしきい値Yになった時点でQ61がオンになり、期間T2の場合に電圧Vcs2 がしきい値Yになった時点でQ62がオンになっている。この動作により、放電灯laの始動時におけるコンデンサCs1,Cs2の電圧の変化は、素子にストレスを与える電圧まで上昇することがなくなる。
【0039】
以上、第3実施形態によれば、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定の電圧値になると、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正されるので、放電灯laの始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯laを安定に始動させることができる。
【0040】
図7は本発明に関連した参考例の放電灯点灯装置の構成図、図8は図7の放電灯点灯装置の動作波形図であり、これらの図を用いて以下に第4実施形態の説明を行う。
【0041】
図7に示す放電灯点灯装置は、直流電源回路1と、負荷回路2と、極性反転回路3と、イグナイタ回路4と、制御回路5とを第1実施形態と同様に備えているほか、第1実施形態との相違点として補正回路6cを備えている。
【0042】
この補正回路6cは、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正するものであり、第1実施形態と同じ抵抗R61と、制御電源61cとにより構成されている。ただし、抵抗R61および制御電源61cの消費電力は、コンデンサCs1,Cs2が供給する電力よりも十分に大きく、かつ抵抗R61で消費される電力と制御電源61cの消費電力とがほぼ等しくなるように設定される。
【0043】
このように構成される放電灯点灯装置では、図8に示す「Ila」のように、放電灯laに正負極性で絶対値の異なる電流Ilaが流れたとしても、コンデンサCs1,Cs2の電圧Vcs1 ,Vcs2 は、抵抗R61と制御電源61cとにより安定な電圧に保たれる。つまり、図8に示す「Vcs1 ,Vcs2 」のように、放電灯laの始動時における電圧Vcs1 ,Vcs2 の変化は安定なものとなる。
【0044】
以上、参考例によれば、コンデンサCs1,Cs2の各電圧が所定値E/2になるように補正されるので、放電灯laの始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯laを安定に始動させることができる。
【0045】
なお、上記各実施形態では、負荷回路2は、放電灯laと、この放電灯laと並列に接続されたコンデンサC1と、これら並列接続の放電灯laおよびコンデンサC1に直列に接続されたインダクタL1とにより構成されているが、図9に示すように、上記並列接続の放電灯laおよびコンデンサC1とインダクタL1とが直列に接続された回路に対して並列に接続されたコンデンサC2と、これら並列接続の回路およびコンデンサC2に直列に接続されたインダクタL2とをさらに用いて負荷回路2aを構成するようにしてもよい。この構成でも、放電灯laの始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯laを安定に始動させることができる。ところで、図9の例では、第4実施形態の補正回路6cが使用されている。
【0046】
また、上記各実施形態では、極性反転回路3は、FETQ1,Q2とコンデンサCs1,Cs2とにより構成されているが、図10に示すように、直列接続されたFETQ3,Q4をさらに用いて極性反転回路3aを構成し、FETQ1,Q2の接続点とFETQ3,Q4の接続点との間に負荷回路2を接続し、そして制御回路5aの駆動回路54aによって、例えば上記各実施形態のQ1、Q2と同様に、Q1−Q4、Q2−Q3を交互に制御するように構成してもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯が点灯した直後から所定期間にのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されているので、第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正されるから、放電灯の始動時の所定期間に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0049】
請求項2記載の発明によれば、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯に対する電圧値または電流値の絶対値が前記矩形波電圧の各極性で異なるときのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されているので、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0050】
請求項3記載の発明によれば、直列接続された第1および第2コンデンサと、前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、放電灯を含む負荷回路と、第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、FETと、それぞれ前記FETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記コンデンサの電圧が所定の電圧値になると前記FETをオンする制御回路とにより構成されているので、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0051】
請求項4記載の発明によれば、請求項1から3のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記放電灯は高輝度放電灯であり、この構成でも、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0052】
請求項5記載の発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記負荷回路は、前記放電灯と並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の放電灯およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有し、前記第1および第2スイッチング素子は直列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサは互いに並列に接続されて極性反転回路を構成し、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第1および第2コンデンサの接続点との間には前記負荷回路が接続されるのであり、この構成でも、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0053】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の放電灯点灯装置において、前記負荷回路は、前記並列接続の放電灯およびコンデンサと前記インダクタとが直列に接続された回路に対して並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の回路およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有するのであり、この構成でも、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【0054】
請求項7記載の発明によれば、請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置において、前記矩形波電圧印加手段は、直列接続された第3および第4スイッチング素子をさらに含み、直列接続された前記第1および第2スイッチング素子と前記第3および第4スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサとは互いに並列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第3および第4スイッチング素子の接続点との間には前記負荷回路が接続されるのであり、この構成でも、放電灯の例えば始動時に半波放電が起きても、素子に過剰なストレスが加わることがなく、放電灯を安定ないしスムーズに始動ないし点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態の放電灯点灯装置の構成図である。
【図2】 図1の放電灯点灯装置の動作波形図である。
【図3】 本発明に係る第2実施形態の放電灯点灯装置の構成図である。
【図4】 図3の放電灯点灯装置の動作波形図である。
【図5】 本発明に係る第3実施形態の放電灯点灯装置の構成図である。
【図6】 図5の放電灯点灯装置の動作波形図である。
【図7】 本発明に関連した参考例の放電灯点灯装置の構成図である。
【図8】 図7の放電灯点灯装置の動作波形図である。
【図9】 負荷回路の別の構成例を示す図である。
【図10】 極性反転回路の構成例を示す図である。
【図11】 従来の放電灯点灯装置の構成図である。
【図12】 図11の放電灯点灯装置の点灯時における動作波形図である。
【図13】 図11の放電灯点灯装置の始動(非点灯)時における動作波形図である。
【図14】 図11の放電灯点灯装置に係る不具合の発生の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源回路
2,2a 負荷回路
3,3a 極性反転回路
4 イグナイタ回路
5 制御回路
6,6a,6b 補正回路
la 放電灯
Q1,Q2 FET
Cs1,Cs2 コンデンサ
Claims (7)
- 直列接続された第1および第2コンデンサと、
前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、
放電灯を含む負荷回路と、
第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、
前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、
前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯が点灯した直後から所定期間にのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 直列接続された第1および第2コンデンサと、
前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、
放電灯を含む負荷回路と、
第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、
前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、
前記補正手段は、FETと、このFETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記放電灯に対する電圧値または電流値の絶対値が前記矩形波電圧の各極性で異なるときのみ前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 直列接続された第1および第2コンデンサと、
前記第1および第2コンデンサを充電する直流電源と、
放電灯を含む負荷回路と、
第1および第2スイッチング素子を含み、前記第1および第2コンデンサからの直流電圧を矩形波電圧に変換して前記負荷回路に印加するものであって、前記矩形波電圧の一方の極性時には前記第1および第2コンデンサの一方の電力を前記負荷回路に供給し、前記矩形波電圧の他方の極性時には前記第1および第2コンデンサの他方の電力を前記負荷回路に供給する矩形波電圧印加手段と、
前記第1および第2コンデンサの各電圧が所定値になるように補正する補正手段とを備え、
前記補正手段は、FETと、それぞれ前記FETを介して前記第1および第2コンデンサの一方ずつに並列に接続された2個の抵抗と、前記コンデンサの電圧が所定の電圧値になると前記FETをオンする制御回路とにより構成されていることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記放電灯は高輝度放電灯であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
- 前記負荷回路は、前記放電灯と並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の放電灯およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有し、前記第1および第2スイッチング素子は直列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサは互いに並列に接続されて極性反転回路を構成し、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第1および第2コンデンサの接続点との間には前記負荷回路が接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
- 前記負荷回路は、前記並列接続の放電灯およびコンデンサと前記インダクタとが直列に接続された回路に対して並列に接続されたコンデンサと、これら並列接続の回路およびコンデンサに直列に接続されたインダクタとをさらに有することを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記矩形波電圧印加手段は、直列接続された第3および第4スイッチング素子をさらに含み、直列接続された前記第1および第2スイッチング素子と前記第3および第4スイッチング素子と前記第1および第2コンデンサとは互いに並列に接続され、前記第1および第2スイッチング素子の接続点と前記第3および第4スイッチング素子の接続点との間には前記負荷回路が接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
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