JP5139738B2 - 放電灯点灯装置及び車載用照明器具 - Google Patents

放電灯点灯装置及び車載用照明器具 Download PDF

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本発明は、光源としてHIDランプのような放電灯を用いた車両のヘッドライトやフォグライトに対応した放電灯点灯装置及びそれを用いた車載用照明器具に関するものである。
従来、特許文献1(特開2005−101016号公報)には、HIDランプのような放電灯を安定に点灯させる放電灯点灯装置として、図7に示すような回路が提案されている。この点灯装置は、直流電源Eをスイッチング素子Q0のオン・オフ動作により電力変換するDC/DCコンバータ部2と、DC/DCコンバータ部2の出力電圧を矩形波交流電圧に変換して放電灯DLに供給する矩形波インバータ部3と、始動時に放電灯DLに高電圧を印加するイグナイタ部4と、前記DC/DCコンバータ部2のスイッチング素子Q0を制御する制御部5からなる放電灯点灯装置である。前記制御部5は、ランプ電圧検出部51とランプ電流検出部52と、これら検出部51,52の出力を受けて放電灯DLに適正電力を供給するようにスイッチング素子Q0のONデューティを可変とする演算部53を備えている。入力フィルタ部1はローパスフィルタであり、DC/DCコンバータ部2のスイッチング動作による高周波電流が車両用バッテリー等の直流電源Eに漏洩しないようにしている。
特開2005−101016号公報
従来の放電灯点灯装置では、放電灯DLが劣化しているとランプ電流が低下し、ランプの極性反転時に半波放電が発生し、十分な電力が供給出来ずに立ち消えが発生してしまう。そのため、ランプ寿命が短くなり、ランプの交換頻度が増えて、結果的にユーザーにとって不便を招くと共にコスト高となっていた。
正常点灯時のランプ電流ILA及びランプ電圧VLAは図2(a),(b)のような波形となるが、半波点灯時には図2(c),(d)に示すようなランプ電流、ランプ電圧になる。これは、ランプ電流の反転時に休止区間Txが発生し、十分なランプ電流を流すことができなくなり、再点弧電圧Vxが上昇するからである。このような問題の対策としては、極性反転時に共振電圧による再点弧電圧を印加する方法があるが、ランプ電極の状態によっては不十分な対策であった。また、演算部53による演算値を補正する方法があるが、制御的な演算の遅れが発生し、立ち消え防止対策としては不十分であり、また、極性反転時に常に印加電力・電流を補正(増加)させると、ランプ寿命の悪化を招く問題がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、半波放電ではない通常点灯時には過剰な電力の注入を避けると共に、半波放電の状態になると、ランプへの電力供給を素早く増加させることで立ち消えを回避し、ランプの交換頻度を少なくすることにより、ユーザーの負担するコストを低減することが可能な放電灯点灯装置、及び、それを用いた車載用照明器具を提供することを課題とする。
請求項1の発明は、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電源Eをスイッチング素子Q0のオン・オフ動作により電力変換するDC/DCコンバータ部2と、DC/DCコンバータ部2の出力電圧を矩形波交流電圧に変換して放電灯DLに供給する矩形波インバータ部3と、始動時に放電灯DLに高電圧を印加するイグナイタ部4と、前記DC/DCコンバータ部2のスイッチング素子Q0を少なくとも制御する制御部5からなり、前記制御部5は、ランプ電圧またはランプ電流の少なくとも一方を検出するランプ状態検出部51,52と、放電灯DLが立ち消えしない通常点灯時には前記ランプ状態検出部51,52の出力を受けて放電灯DLに適正電力を供給するように前記スイッチング素子Q0のONデューティを可変とする演算部53を備える放電灯点灯装置において、前記制御部5は、ランプ電圧が正常な点灯電圧を超えたことを検出したとき、または、ランプ電流が正常な点灯電流より低下したことを検出したとき、検出信号を出力する立ち消え予測部(VLA判別部57またはILA判別部58)を備え、この立ち消え予測部の出力を受けて、放電灯DLが立ち消えする前に、前記演算部53による演算処理を介さずに、強制的に前記スイッチング素子Q0のONデューティを広げることにより、前記演算部53による演算処理よりも早くDC/DCコンバータ部2の出力電力を増加させることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記スイッチング素子Q0のONデューティを広げる手段として、前記スイッチング素子Q0の最低ON時間の設定を通常点灯時よりも大きい値に切り替えることを特徴とする(図5参照)。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、放電灯DLが立ち消えする前兆を検知するランプ電圧の閾値Vthは通常点灯時のランプ電圧の最大値より高く設定したことを特徴とする(図6参照)。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えることを特徴とする車載用照明器具である。
本発明によれば、ランプ電圧が上昇、または、ランプ電流が低下して、放電灯が半波放電の状態に移行することを検出すると、ランプへの電力供給を素早く行うことで、ランプの立ち消えを回避することができる。また、半波放電の状態にない正常点灯時には過度に電力を供給しないため、ランプ寿命への影響も低減することができる。これにより、放電灯の交換頻度を少なくすることが可能となってユーザーの負担するコストを低減することができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、放電灯が立ち消えに移行する状態を検出した時、素早く2次側に電力を供給することにより立ち消えを防止できる。
請求項3の発明によれば、放電灯が正常な点灯電圧の状態にある時には過度に電力を印加しないため、ランプ寿命の悪化を抑えることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1〜3の放電灯点灯装置の特徴を生かした前照灯やフォグランプを実現できる。
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る車載用放電灯点灯装置の回路図である。この点灯装置は、例えばHIDランプのような放電灯DLと、車載用バッテリ等の直流電源Eと、この直流電源Eに入力フィルタ部1を介して接続され、直流電源電圧を放電灯DLの安定点灯に適したランプ電圧まで昇圧させるDC/DCコンバータ部2と、DC/DCコンバータ部2の出力電圧を矩形波交流電圧に変換して放電灯DLに供給する矩形波インバータ部3と、始動時に放電灯DLを起動させるための高電圧パルスを発生させるイグナイタ部4と、DC/DCコンバータ部2及びインバータ部3を制御する制御部5とで構成されている。
入力フィルタ部1は、直流電源Eに並列接続されたコンデンサC1と、直流電源Eに直列接続されたインダクタL1と、該インダクタL1を介して直流電源Eに並列接続されるコンデンサC2とから構成され、コンデンサC2の両端間にDC/DCコンバータ部2の入力端を接続する。この入力フィルタ部1はローパスフィルタであり、DC/DCコンバータ部2のスイッチング動作による高周波電流が車両用バッテリー等の直流電源Eに漏洩しないようにしている。
DC/DCコンバータ部2は昇圧トランスT1と、昇圧トランスT1の並列接続された2つの1次巻線n11を介して入力フィルタ部1の出力端間に接続されたMOSFETからなるスイッチング素子Q0等から構成されている。昇圧トランスT1は2個の2次巻線n21,n22を備え、一方の2次巻線n21の両端間には、ダイオードD1と平滑用のコンデンサC3との直列回路が接続される。ダイオードD1はスイッチング素子Q0のオン時に昇圧トランスT1からコンデンサC3への充電電流を阻止する極性に接続される。つまり、スイッチング素子Q0のオン時に昇圧トランスT1に電磁エネルギを蓄積し、この電磁エネルギをスイッチング素子Q0のオフ時に昇圧トランスT1から放出しダイオードD1を通してコンデンサC3に充電電流を流す。したがって、コンデンサC3と2次巻線n21との接続点がコンデンサC3の低電位側になり、図示例ではコンデンサC3の高電位側を回路グランドに接続して基準電位としている。この場合、直流電源1の負極とDC/DCコンバータ部2の出力の高電位側とが同電位になり、DC/DCコンバータ部2の出力電圧は基準電位に対して負極性になる。スイッチング素子Q0のオンオフは制御部5によりそのONデューティやスイッチング周波数が制御され、この制御によってDC/DCコンバータ部2の出力電圧(ひいては出力電力)が制御される。DC/DCコンバータ部2の出力電圧は、矩形波インバータ部3に入力される。
矩形波インバータ部3は4個のスイッチング素子Q1〜Q4を備え、2個ずつのスイッチング素子Q1,Q2及びQ3,Q4の直列回路からなる2本のアームを並列接続した形でブリッジ接続されており、各アームにおけるスイッチング素子Q1,Q2及びQ3,Q4の接続点を出力端としている。スイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフの周波数は制御部5によって制御される。スイッチング素子Q1,Q4がオンのときにはスイッチング素子Q2,Q3がオフになり、スイッチング素子Q2,Q3がオンのときにはスイッチング素子Q1,Q4がオフになるように制御される。このスイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフは比較的低周波で行われ、放電灯DLにイグナイタ部4のパルストランスPTの2次巻線を介して矩形波交番電圧を印加する。ただし、放電灯DLの点灯前にはスイッチング素子Q2,Q3をオンにし、スイッチング素子Q1,Q4をオフになるように制御部5により制御され、スイッチング素子Q3、Q4の接続点がスイッチング素子Q1,Q2の接続点に対して負極側になる。
ここでDC/DCコンバータ部2には、コンデンサC4と3個の抵抗R2,R3,R4との直列回路をコンデンサC3と抵抗R1との直列回路に並列接続するとともに、抵抗R4にダイオードD2を並列接続して構成された始動補助回路が設けられている。この始動補助回路は放電灯DLの始動時にDC/DCコンバータ部2とともに放電灯DLに電流を供給することによって、放電灯DLを速やかに点灯させるものであって、コンデンサC4はコンデンサC3から抵抗R1〜R4を通して充電され、またコンデンサC4の充電電荷の放電経路はダイオードD2及び抵抗R3,R2を通る経路になる。
また、DC/DCコンバータ部2に設けた昇圧トランスT1の2次巻線n22は、ダイオードD3、コンデンサC5、抵抗R5,R6とともに昇圧回路を構成しており、スイッチング素子Q0のオフ時に昇圧トランスT1からダイオードD3を介してコンデンサC5を充電するようになっている。
イグナイタ部4は、矩形波インバータ部3の出力端間に接続されるコンデンサC6と、コンデンサC5に抵抗R5,R6を介して接続されるコンデンサC7と、2次巻線が高圧放電灯DLに直列接続されるとともに2次巻線と放電灯DLとの直列回路がコンデンサC6の両端間に接続されたパルストランスPTと、パルストランスPTの1次巻線との直列回路がコンデンサC7の両端間に接続されるスパークギャップQ5とにより構成されている。この構成により、コンデンサC7にはDC/DCコンバータ部2の出力電圧と上述の昇圧回路の出力電圧とで決まる電圧が印加され、コンデンサC7の両端電圧がスパークギャップQ5の破壊電圧に達すると、スパークギャップQ5が導通してパルストランスPTの1次巻線を通してコンデンサC7の電荷が放出される。これによりパルストランスPTの2次巻線には1次巻線の印加電圧を昇圧した高電圧のパルス電圧が誘起され、この高電圧パルスにより放電灯DLの放電を起動させるのである。コンデンサC6はパルス電圧に対して低インピーダンスであって、パルス電圧が矩形波インバータ部3に印加されるのを防止する。
制御部5は入力フィルタ部1のコンデンサC1、インダクタL1の接続点から動作電源が供給される集積回路等からなるもので、内部にはDC/DCコンバータ部2のコンデンサC3と昇圧トランスT1の2次巻線n21との接続点の電位によりDC/DCコンバータ部2の出力電圧、つまり放電灯DLのランプ電圧VLAを検出するランプ電圧検出部51と、コンデンサC3の他端と後段の回路との間に挿入した電流検出用の抵抗R1の両端電圧によりDC/DCコンバータ部2の出力電流、つまり放電灯DLのランプ電流ILAを検出するランプ電流検出部52と、これら検出部51,52の検出値に基づいてDC/DCコンバータ部2の出力電力を決定するとともに、放電灯DLの点灯状態に応じて矩形波インバータ部3のスイッチング素子Q1〜Q4のオン・オフの周波数(低周波)を制御する信号を生成する演算部53と、演算部53の出力に基づいてDC/DCコンバータ部2のスイッチング素子Q0のオン・オフの周波数(高周波)やONデューティを制御するDuty制御部54と、Duty制御部54から出力される制御信号に応じてDC/DCコンバータ部2のスイッチング素子Q0をオンオフ駆動する駆動回路55と、演算部53から出力される制御信号に応じてインバータ部3のスイッチング素子Q1〜Q4をオンオフ駆動する駆動回路56とを備えている。
従来の放電灯点灯装置では、点灯中の放電灯のランプ電圧を検出することにより、当該ランプ電圧に適したランプ電力を制御目標電力として演算部53により決定し、この制御目標電力をランプ電圧の検出値で割ることにより制御目標電流を演算しており、ランプ電流の検出値が制御目標電流に収束するように、DC/DCコンバータ部2のスイッチング素子Q0のONデューティ(一周期に占めるオン時間の割合)を可変制御していた。このような演算部53を含む制御部5はマイコン等を用いて構成され、演算部53の演算処理には時間遅れが生じる。
そこで、本発明の図1の構成では、VLA判別部57を設けて、ランプ電圧検出部51から演算部53を介さず、直接Duty制御部54に立ち消え予測信号を送ることができる構成になっている。また、ILA判別部58を設けて、ランプ電流検出部52から演算部53を介さず、直接Duty制御部54に立ち消え予測信号を送ることができる構成になっている。
ここで、VLA判別部57によるランプ電圧の判別、または、ILA判別部58によるランプ電流の判別については、フィルタ回路や変換回路の制御の遅れ要素を排除すると良い。通常、演算部53ではランプ電圧やランプ電流の計測値を取得するには、ランプ電圧検出部51やランプ電流検出部52から出力されるアナログの検出値をA/D変換してデジタル値を取得し、さらに、複数回の測定値の平均値を演算するような前処理を施すことが多いが、そのような演算処理による時間遅れにより、かえって立ち消えを生じることになる。そこで、VLA判別部57によるランプ電圧の判別やILA判別部58によるランプ電流の判別には、このような制御の遅れ要素は排除すると良い。具体的には、ランプ電圧検出部51やランプ電流検出部52から出力されるアナログの検出値をA/D変換せずにアナログ信号のままコンパレータにより閾値と比較するような構成が好ましい。また、VLA判別部57にランプ電圧の検出値を出力するランプ電圧検出部51や、ILA判別部58にランプ電流の検出値を出力するランプ電流検出部52は、アナログのフィルタ回路を含まないか、もしくは時定数の十分に小さいフィルタ回路を備える構成とし、ランプ電圧の上昇やランプ電流の減少を素早く検出可能とすることが好ましい。
図2は本発明の実施形態1の動作波形図であり、(a)は正常時のランプ電流波形、(b)は正常時のランプ電圧波形、(c)は半波放電時のランプ電流波形、(d)は半波放電時のランプ電圧波形である。
本実施形態では、従来例において課題になっていた半波放電時に十分なランプ電流が供給できずに立ち消えが発生し易いモードにおいて、立ち消えに移行する状態を素早く検出して放電灯DLを点灯維持させるのに必要な電力を供給する機能を備えている。
具体的には図2(c)に示す半波放電時のランプ電流ILA、図2(d)に示す半波放電時のランプ電圧VLAの各波形で示すように半波放電が発生し易い放電灯(寿命末期のランプ)ではランプ電流ILAの休止区間Txが発生する。この休止区間Txでは、ランプ電流ILAが流れないため、図2(d)に示すように再点弧電圧Vxが大きくなり、ある時点でランプ電流ILAが流れ始めるが、この流れ始めた電流の値は放電灯の電極の状態やランプ電流ILAの極性反転前後の放電灯DLへの供給電力量の影響を受ける。
さて、上述のパラメータの中で極性反転時の再点弧電圧VLAに着目して車載用放電灯点灯装置に光源として採用されているD2規格の35WのHIDランプでの極性反転時の立ち消えのし難さ、し易さを数値的に明確化するため、極性反転時に半波放電状態を想定した等価回路を図3に示す。図中、点灯回路部6は、図1の入力フィルタ部1、DC/DCコンバータ部2、矩形波インバータ部3、制御部5の構成を含んでいる。Raはランプの等価抵抗であり、半波放電時にはスイッチSWがOFFされて、ダイオードDsと等価抵抗Raの直列回路が負荷として接続される。また、通常点灯時にはスイッチSWがONされて、等価抵抗Raが負荷として接続される。なお、VLA、ILAはランプ電圧とランプ電流の測定値であり、図示された箇所に電圧計と電流計をそれぞれ挿入している。
図3において、D2規格の35WのHIDランプに電力供給する場合、定常点灯時にはランプ電圧VLAは85V程度のため、等価抵抗Raを206Ωに設定した。最初はスイッチSWはON状態にしておくことで、安定点灯状態の等価回路となる。この状態から、ランプ電流ILAが図中の矢印の方向に流れている時にスイッチSWをOFFすることにより、次回のランプ極性反転時の半波点灯状態を再現することができる。
図3の等価回路においてスイッチSWをONからOFFし、その後、極性が反転した時点をt=0とした時のランプ電圧VLAの変化を図4に示す。
従来の技術では、図4の破線Aに示すようになり、時間経過とともにランプ電圧VLA(再点弧電圧)は上昇するが、放電灯への電力供給が不足し、立ち消えが発生し易い状態にあった。
本発明では、立ち消えに移行するときのランプ電圧VLA(再点弧電圧)の上昇をVLA判別部57で素早く判別し、または、ランプ電流ILAの減少をILA判別部58で素早く判別して、放電灯DLへの電力供給を瞬時に増加させることにより、図4の実線Bに示す特性を得ることができ、立ち消えが発生する前に電力供給を増加させ、立ち消えを防止することができる。
本発明では、立ち消えに移行する状態を素早く検出して、更に、素早くランプへ電力を供給するために、図1におけるランプ電圧検出部51がランプ電圧の上昇を検出、または、ランプ電流検出部52がランプ電流の減少を検出した時に、演算部53を介さず、VLA判別部57またはILA判別部58を介して直接スイッチング素子Q0の駆動周波数や、ONデューティを変化させ、DC/DCコンバータ部2の2次側に供給する電力を瞬時に増加させることができ、これにより立ち消えが発生し難くすることができる。
尚、図1の回路構成では、DC/DCコンバータ部2は使用スイッチング素子が1石であるが、特に限定されるものではない。また、矩形波インバータ部3は4つのスイッチング素子を用いたフルブリッジ構成であるが、ハーフブリッジなどでも構わない。イグナイタ部4についても、高圧パルス方式の起動回路を示しているが、高周波共振回路を用いたものでも構わない。
(実施形態2)
図5は本発明の実施形態2の構成を示す回路図である。基本的な構成は実施形態1の図1と同様であるが、ONデューティを変化させる手段として、あらかじめDuty制御部54に最小ON時間を設定しておき、立ち消えに移行する状態を検出した時には最小ON時間の設定値を大きな値に切り替えることを特徴とする。
立ち消えに移行する状態を検出した場合の最小ON時間の設定について図6にて説明する。図6(a)は立ち消えに移行する状態をランプ電圧VLAで検出する場合の最小ON時間の設定の説明図、図6(b)は立ち消えに移行する状態をランプ電流ILAで検出する場合の最小ON時間の設定の説明図である。
図6において、ランプ電流に休止区間が発生しない状態である通常点灯時の制御範囲を破線で囲まれた領域として示しており、図6(a)では、破線で囲まれた領域の右端が正常点灯時のランプ電圧の最大値を示しており、図6(b)では、破線で囲まれた領域の左端が正常点灯時のランプ電流の最小値を示している。
最小ON時間は2個設定し、1つはTminの状態、つまり、正常点灯時のスイッチング素子Q0のON時間の最小値である。もう1つはTmaxの状態、つまり、正常点灯時のスイッチング素子Q0のON時間の最大値である。通常点灯時の制御範囲におけるON時間はTminとTmaxの間に位置している。
ランプ電流に休止区間が発生し、ランプ電圧VLA(つまりは再点弧電圧)が上昇、またはランプ電流ILAが減少すると、最小ON時間がTminからTmaxに強制的に切り替わり、スイッチング素子Q0のON時間を増加させ、ランプへの供給電力を素早く増やすことができ、立ち消えを防止することができる。
(実施形態3)
上記実施形態2において、立ち消えに移行する時のランプ電圧の上昇を検出する閾値、または、ランプ電流の減少する閾値の設定は、ランプ電流に休止区間が生じない場合において、ランプ電流ILAの極性反転直後に、過出力にならないようにランプ電圧判定のための閾値は正常点灯時の最大値以上(図6のVth)に、ランプ電流の閾値は正常点灯時の最小値以下(図6のIth)に設定するとよい。
例えば定格電力が35Wのランプであれば、正常点灯時のランプ電圧の最大値は102V(85V±17V)なので、それよりも大きい値に閾値Vthを設定する。また、正常点灯時のランプ電流の最小値は0.3A程度あるので、それよりも小さい値に閾値Ithを設定するとよい。これによりバルブ寿命初期状態の放電灯に対し、過度な電力を印加してランプ寿命を悪化させる可能性を下げ、かつ、寿命末期になると、ランプ電流ILAの休止区間が増加するため、そのときの立ち消えを防止する効果がある。
(実施形態4)
上述の実施形態1〜3の放電灯点灯装置は、高輝度放電灯と共に車載用照明器具に搭載することで、車両のヘッドライトやフォグライトなどの車載用光源の点灯装置として利用することができる。
本発明の実施形態1の回路図である。 本発明の実施形態1の動作波形図である。 本発明の実施形態1を説明するための半波放電時のランプ状態を模擬した負荷回路の等価回路図である。 本発明の実施形態1のランプ電圧と極性反転時のランプ電流のゼロクロス時点からの経過時間との関係を示す説明図である。 本発明の実施形態2の回路図である。 本発明の実施形態2の動作説明図である。 従来例の回路図である。
符号の説明
E 直流電源
1 入力フィルタ部
2 DC/DCコンバータ部
3 矩形波インバータ部
4 イグナイタ部
5 制御部
DL 放電灯
51 ランプ電圧検出部
52 ランプ電流検出部
53 演算部
57 VLA判別部
58 ILA判別部

Claims (4)

  1. 直流電源をスイッチング素子のオン・オフ動作により電力変換するDC/DCコンバータ部と、DC/DCコンバータ部の出力電圧を矩形波交流電圧に変換して放電灯に供給する矩形波インバータ部と、始動時に放電灯に高電圧を印加するイグナイタ部と、前記DC/DCコンバータ部のスイッチング素子を少なくとも制御する制御部からなり、
    前記制御部は、ランプ電圧またはランプ電流の少なくとも一方を検出するランプ状態検出部と、放電灯が立ち消えしない通常点灯時には前記ランプ状態検出部の出力を受けて放電灯に適正電力を供給するように前記スイッチング素子のONデューティを可変とする演算部を備える放電灯点灯装置において、
    前記制御部は、ランプ電圧が正常な点灯電圧を超えたことを検出したとき、または、ランプ電流が正常な点灯電流より低下したことを検出したとき、検出信号を出力する立ち消え予測部を備え、この立ち消え予測部の出力を受けて、放電灯が立ち消えする前に、前記演算部による演算処理を介さずに、強制的に前記スイッチング素子のONデューティを広げることにより、前記演算部による演算処理よりも早くDC/DCコンバータ部の出力電力を増加させることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記スイッチング素子のONデューティを広げる手段として、前記スイッチング素子の最低ON時間の設定を通常点灯時よりも大きい値に切り替えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 放電灯が立ち消えする前兆を検知するランプ電圧の閾値は通常点灯時のランプ電圧の最大値より高く設定したことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置を備えることを特徴とする車載用照明器具。
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