JP2003059684A - 高圧放電灯点灯装置 - Google Patents
高圧放電灯点灯装置Info
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Abstract
て高圧放電灯を点灯させる高圧放電灯点灯装置におい
て、高圧放電灯が点灯中に発生するフリッカ(放電アー
クの揺らぎ)を著しく抑制する。 【解決手段】低周波の交流ランプ電流波形の各半周期毎
の極性反転直前に高周波動作を少なくとも1周期挿入す
る。また、低周波動作時のランプ電流波形のピーク値よ
りもその各半周期毎の極性反転直前に挿入した高周波動
作時のランプ電流波形のピーク値を高くする。さらに、
極性反転直前のランプ電流と同一極性側のみピーク値を
高くしたり、その部分の時間幅を大きくする。
Description
ンプ電流を供給して高圧放電灯を点灯させる高圧放電灯
点灯装置において、高圧放電灯が点灯中に発生するフリ
ッカ(放電アークの揺らぎ)を著しく抑制する技術に関
するものである。
い周波数の交流ランプ電流で点灯動作させると、ランプ
の電極が急速に侵食されるのを防止するだけでなく、ラ
ンプを比較的高い効率で点灯させることができることは
知られている。このようなランプの点灯に関する問題と
して、電極温度とその電極表面の状態に依存して電極近
傍にある放電アークが不安定になることがある。その原
因の一つとしては、放電アークの起点が電極表面にある
一つのスポットからもう一つ別のスポットにジャンプす
ることがある。電極表面が冷た過ぎる場合には、放電ア
ークは電極近傍では極めて薄く、従って、電極表面の起
点が過熱され、これにより微小バイクを生ずるようにな
る。点灯動作中に放電アークの起点がこれら微小バイク
間でジャンプすると、高圧放電灯にフリッカが生じる。
このフリッカは電極温度が高過ぎることによっても生じ
る。この状態の下では電極材料が絶えず変位し蒸発して
放電アークの不安定性の原因となる。
は、ランプの電極はランプ電流の一方の半周期では陰極
として機能し、他方の半周期では陽極として機能する。
これら半周期中、電極はそれぞれ陰極フェーズまたは陽
極フェーズにあると言うことができる。陽極フェーズで
電極から除去される電極材料は、陰極フェーズではイオ
ン流として電極に戻る。これらの移送プロセスはランプ
電流の一周期中、電極温度の挙動を決定する。その理由
は陽極フェーズにおける電極温度の時間依存性が陰極フ
ェーズにおける電極温度依存性と異なるからである。こ
のために、電極温度がランプ電流の一周期中の全体に亘
って強く変化して放電アークが陽極フェーズでは電極の
表面の種々の箇所から発生するようになる。しかし、陰
極フェーズでは同一電極の表面での放電アークの発生は
これら種々の箇所のうちの1箇所のみに限定されるよう
になる。
ンのような光学的用途に用いる場合には特に許容しない
ものとなる。これらの用途では電極間距離は極めて短く
する必要がある。その理由は放電アークを点光源に近づ
ける必要があるからである。しかし、電極間距離を極め
て短くすることにより、放電アークが交互の陰極フェー
ズにおいて、電極の異なる箇所から発生するため、全放
電アーク中不安定となり、従ってフリッカが極めて強く
なる。
点に鑑みてなされたものであり、高圧放電灯に低周波の
交流ランプ電流を供給して高圧放電灯を点灯させる高圧
放電灯点灯装置において、高圧放電灯が点灯中に発生す
るフリッカ(放電アークの揺らぎ)を著しく抑制するこ
とを課題とするものである。
の課題を解決するために、図1に示すように、電源E
と、高圧放電灯Laと、高圧放電灯Laに低周波の交流
ランプ電流を供給する電子バラストとからなる高圧放電
灯点灯装置において、低周波の交流ランプ電流波形の各
半周期毎の極性反転直前に高周波動作を1周期挿入する
ことを特徴とするものである。ここで、低周波動作時の
ランプ電流波形のピーク値よりもその各半周期毎の極性
反転直前に挿入した高周波動作時のランプ電流波形のピ
ーク値を高くすることが好ましい。その場合、極性反転
直前のランプ電流と同一極性側のみ高くしたり、その部
分の時間幅を大きくすると良い。また、高周波動作は2
周期以上挿入しても良く、その場合において、最後の周
期のみ極性反転直前のランプ電流と同一極性側だけ高周
波動作時のランプ電流波形のピーク値を高くしたり、時
間幅を大きくしても良い。なお、低周波の交流ランプ電
流とは、例えば約1KHz以下の矩形波電流であり、ま
た、高周波動作の周波数については、ランプ両電極の温
度を一瞬均一化させるのに適する周波数に設定される。
施の形態の回路図を示す。以下、その回路構成について
説明する。直流電源Eの正極にはスイッチング素子Q1
の一端が接続され、スイッチング素子Q1の他端にはチ
ョークコイルL1の一端とダイオードD1のカソードが
接続されている。ダイオードD1のアノードは直流電源
Eの負極に接続されている。スイッチング素子Q1とチ
ョークコイルL1およびダイオードD1はダウンコンバ
ータ1を構成している。チョークコイルL1の他端は電
流計を介してコンデンサC1の一端に接続されてい
る。コンデンサC1の他端は電流検出用の抵抗R1を介
して直流電源Eの負極に接続されている。コンデンサC
1に充電された直流電圧は、スイッチング素子Q2,Q
3の直列回路と、スイッチング素子Q4,Q5の直列回
路に印加される。スイッチング素子Q2,Q3の接続点
には、高圧放電灯Laの一端が接続されている。高圧放
電灯Laの他端は電流計と高圧発生回路7を介してス
イッチング素子Q4,Q5の他端に接続されている。高
圧発生回路7はコンデンサC1の直流電圧を用いて高圧
放電灯Laを始動させるための高圧パルスを発生させ、
始動後は高圧パルスの発生を停止する。
の動作波形を示す。図中、(a)はランプ電流波形、
(b)はチョークコイルL1に流れる電流、(c)はス
イッチング素子Q2とQ5の制御信号、(d)はスイッ
チング素子Q3とQ4の制御信号、(e)はスイッチン
グ素子Q1の制御信号である。図2において、横軸(時
間軸)方向の中央部について図示を省略してあるが、こ
の図示を省略した部分の波形はその直前と直後に描かれ
ている波形の繰り返しとなっている。
れる電圧をダウンコンバータ1により降圧させ、コンデ
ンサC1に電圧が蓄えられる。そして高圧発生回路7に
よりランプLaに高圧パルスが印加され、電極間で絶縁
破壊を起こし、放電が開始される。放電開始後、コンデ
ンサC1に蓄えられていた電荷がランプLaへ一気に流
れ込む。その後、電圧検出回路2、電流検出回路3によ
りランプLaの電圧、電流を検出し、電力演算回路4に
よりランプLaへ供給する電力を演算し、PWM制御回
路5を介してダウンコンバータ1にフィードバックし、
ダウンコンバータ1のパルス幅を制御し、ランプLaへ
電力を供給する。コンデンサC1はダウンコンバータ1
による高周波リップル電流を低減するための平滑コンデ
ンサである。また制御回路6は4つのスイッチング素子
Q2〜Q5よりなる極性反転回路を制御すると共に、チ
ョークコイルL1に流れるピーク電流を検知し、周波数
も制御している。
5の動作は図2の通りで、各半周期毎にスイッチング素
子Q2、Q5とスイッチング素子Q3、Q4のペアで動
作する一般的なフルブリッジ回路である。スイッチング
素子Q1がON状態になるとチョークコイルL1に流れ
る電流は右上がりに上昇し、制御回路6で規定させたピ
ーク電流値に達すると、スイッチング素子Q1はOFF
されて、チョークコイルL1の電流は右下がりに減少す
る。そしてチョークコイルL1の電流値がゼロになる
と、制御回路6が検知し、再度スイッチング素子Q1を
ONさせる。これが繰り返し行われる。
約1KHz以下の低周波でランプ電流の極性が反転する
矩形波動作であり、図2(c)〜(e)に示すように、
スイッチング素子Q2とQ5がオンでスイッチング素子
Q3とQ4がオフの状態でスイッチング素子Q1が高周
波でオン・オフすることにより、コンデンサC1の電圧
がランプLaに一方の極性で印加される状態と、スイッ
チング素子Q2とQ5がオフでスイッチング素子Q3と
Q4がオンの状態でスイッチング素子Q1が高周波でオ
ン・オフすることにより、コンデンサC1の電圧がラン
プLaに他方の極性で印加される状態とが低周波で交互
に反転する。
が反転する矩形波動作の極性反転直前に高周波動作を1
周期だけ行なうことを特徴とするものである。すなわ
ち、極性反転直前に5つのスイッチング素子Q1〜Q5
にて高周波動作(スイッチング素子Q2、Q5とスイッ
チング素子Q3、Q4のペア及びスイッチング素子Q1
で動作する)を1周期行ない、その後、極性を反転す
る。このように、極性反転直前に高周波動作を一周期さ
せることにより、ランプ両電極の温度を一瞬均一化させ
て、高圧放電灯Laが点灯中に発生するフリッカ(極性
反転後の放電アークの揺らぎ)を抑制することができ
る。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図3の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、高周波動作時のチョークコイルL1に流れる電流ピ
ーク値を通常時(低周波の矩形波動作時、以下の実施の
形態でも同様)より上げることにより、さらにランプ両
端に多くの電流を流してやり、両電極の温度を一瞬均一
化させて、反転後の放電アークを安定させるものであ
る。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図4の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、極性反転前のランプ電流と同一極性側のみチョーク
コイルL1に流れる電流ピーク値を通常時より上げるこ
とにより、実施の形態2よりも電極へのダメージを軽減
しながら、陽極(極性反転後は陰極)の温度を上げてや
り、極性反転後の放電アークを安定させるものである。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図5の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、ランプ電流と同一極性側のみチョークコイルL1に
流れる電流ピーク値を通常時より上げ、更にこの部分の
時間幅を大きくすることにより、さらに陽極(極性反転
後は陰極)の温度を上げてやり、極性反転後の放電アー
クを安定させるものである。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図6の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、極性反転直前に高周波動作を2周期以上させること
により、ランプ両電極の温度をさらに一瞬均一化させ
て、極性反転後の放電アークを安定させるものである。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図7の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、高周波動作時のチョークコイルL1に流れる電流ピ
ーク値を通常時より上げることにより、さらにランプ両
端に電流を流してやり、さらに両電極の温度を一瞬均一
化させて、極性反転後の放電アークを安定させるもので
ある。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図8の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、極性反転前のランプ電流と同一極性側のみチョーク
コイルL1に流れる電流ピーク値を通常時より上げるこ
とにより、実施の形態6よりも電極へのダメージを軽減
しながら、両電極の温度を一瞬均一にさせながら、陽極
(極性反転後は陰極)の温度を上げてやり、極性反転後
の放電アークを安定させるものである。
におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実施
の形態の回路構成は図1と同じである。図9の波形図に
おいて、(a)はランプ電流波形、(b)はチョークコ
イルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子Q2
とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3とQ
4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制御信
号である。
て、極性反転前のランプ電流と同一極性側のみチョーク
コイルL1に流れる電流ピーク値を通常時より上げ、更
にこの部分の時間幅を大きくすることにより、両電極の
温度を一瞬均一にさせながら、さらに陽極(極性反転後
は陰極)の温度を上げてやり、極性反転後の放電アーク
を安定させるものである。
態におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本実
施の形態の回路構成は図1と同じである。図10の波形
図において、(a)はランプ電流波形、(b)はチョー
クコイルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素子
Q2とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q3
とQ4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の制
御信号である。
て、ランプ電流と同一極性側で、更に極性反転直前の最
後の半周期のみチョークコイルL1に流れる電流ピーク
値を通常より上げることにより、実施の形態7よりも電
極へのダメージを軽減しながら、両電極の温度を一瞬均
一化させて、陽極(極性反転後は陰極)の温度を上げて
やり、極性反転後の放電アークを安定させるものであ
る。
形態におけるランプ点灯時の各部の動作波形を示す。本
実施の形態の回路構成は図1と同じである。図11の波
形図において、(a)はランプ電流波形、(b)はチョ
ークコイルL1に流れる電流、(c)はスイッチング素
子Q2とQ5の制御信号、(d)はスイッチング素子Q
3とQ4の制御信号、(e)はスイッチング素子Q1の
制御信号である。
て、チョークコイルL1に流れる電流ピーク値を上げた
部分の時間幅を大きくすることにより、両電極の温度を
均一にさせながら、さらに陽極(極性反転後は陰極)の
温度を上げてやり、極性反転後の放電アークを安定させ
るものである。
転直前に両電極の温度を一瞬均一にさせたり、陽極の温
度、つまり極性反転後の陰極の温度を上げることによ
り、高圧放電灯が点灯中に発生するフリッカ(放電アー
クの揺らぎ)を著しく抑制することができる効果があ
る。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
波形図である。
の波形図である。
の波形図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 電源と、高圧放電灯と、高圧放電灯に
低周波の交流ランプ電流を供給する電子バラストとから
なる高圧放電灯点灯装置において、低周波の交流ランプ
電流波形の各半周期毎の極性反転直前に高周波動作を1
周期挿入することを特徴とする高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項2】 請求項1の高圧放電灯点灯装置におい
て、低周波動作時のランプ電流波形のピーク値よりもそ
の各半周期毎の極性反転直前に挿入した高周波動作時の
ランプ電流波形のピーク値を高くしたことを特徴とする
高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項3】 請求項2の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を極性反
転直前のランプ電流と同一極性側のみ高くすることを特
徴とする高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項4】 請求項3の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を高くし
た部分のみ、時間幅を大きくすることを特徴とする高圧
放電灯点灯装置。 - 【請求項5】 請求項1の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作を2周期以上挿入したことを特徴とする
高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項6】 請求項5の高圧放電灯点灯装置におい
て、低周波動作時のランプ電流波形のピーク値よりもそ
の各半周期毎の極性反転直前に挿入した高周波動作時の
ランプ電流波形のピーク値を高くしたことを特徴とする
高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項7】 請求項6の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を極性反
転直前のランプ電流と同一極性側のみ高くすることを特
徴とする高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項8】 請求項7の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を高くし
た部分のみ、時間幅を大きくすることを特徴とする高圧
放電灯点灯装置。 - 【請求項9】 請求項5の高圧放電灯点灯装置におい
て、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を最後の
周期のみ極性反転直前のランプ電流と同一極性側だけ高
くすることを特徴とする高圧放電灯点灯装置。 - 【請求項10】 請求項9の高圧放電灯点灯装置にお
いて、高周波動作時のランプ電流波形のピーク値を高く
した部分のみ、時間幅を大きくすることを特徴とする高
圧放電灯点灯装置。
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