JP4660804B2 - 有孔管及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば暗渠用等の排水管として好適に用いられる有孔管及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製の管壁に多数の孔を形成する方法として、従来、ドリルを一孔毎に前後に移動させて無孔管に孔を開けていく方法と、穴の空いたテープを先に製造しておき、これを別工程で螺旋状に巻回して管を形成する方法が用いられている。
【0003】
図13は、螺旋状に巻回して形成される従来の有孔管の一例である。図において、(31)は、予め多数の孔(32)(32)…を長手方向に沿って列設した樹脂製の平テープ、(33)は、断面がコの字型の溝状で、且つ、その横断方向の両先端に外向きの接続片(34)を一体に備えた溝状テープであり、それら平テープ(31)と溝状テープ(33)を、平テープ(31)の両端縁を溝状テープ(33)の接続片(34)へ重ねて、両者を融着若しくは接着しながら螺旋状に巻回することによって、外周の谷の部分に孔(32)(32)…を備えた波形の管を形成している。
【0004】
図14は、従来の方法によって形成された有孔管の孔の部分を拡大して示したもので、孔(32)は、管壁(35)に対して略直角に開口されるとともに、孔(32)の内周面とその周辺の管壁(35)の表面とは互いに略直角になっている。図の矢印が、この孔(32)内へ流入する水の流れを示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法において、無孔管にドリルで一孔毎に孔開けを行う前者の方法では、ドリルの移動スピードにも限界があり、孔開けスピードすなわち有孔管の製造スピードの高速化ができないという欠点がある。また、切り屑が発生し、騒音が大きいなど作業環境も悪いという問題がある。加えて、孔加工の際に管壁に歪みを生じ、このために管の強度が低下するという問題もある。
【0006】
他方、テープの製造時に孔を形成する後者の方法では、そのようにテープ成型時に孔を形成できるような特別の装置が必要である。しかも、テープの製造と管の成型が別の分離された工程で行われるため、工程数が多くなり、製造コストが高くなるという問題がある。また、管成型機にかける前のテープを保管する場所も必要であり、そのための管理も必要となる。
【0007】
加えて、螺旋状に巻回して形成される波形の有孔管では、前記図13で示すように、孔付きテープ(31)の端縁が他方のテープ(33)に重なって互いに融着若しくは接着されるから、穴付きテープ(31)の孔形成部分が重ね代の分だけ制限され、開孔率を上げることができず、それだけ吸水若しくは排水性能が悪くなる欠点がある。
【0008】
更に、前記図14のように従来の有孔管においては、孔(32)周辺の管壁(35)の表面が孔(32)の周壁に対して略直角となっているため、この有孔管を暗渠などの排水管に用いた場合、孔(32)へ水の流入が必ずしも円滑に行われない場合があり、吸水性能が充分でない場合もあった。
【0009】
この発明は、このような従来の有孔管とその製造方法の欠点を解消して、吸排水性能に優れた有孔管と、高速で且つ低コストに製造することのできる製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明の有孔管は、テープを螺旋状に巻回して構成される有孔管であって、テープ成型直後にテープ表面に形成されたテープ裏面まで貫通していない窪み又は切込みが、そのテープの引き延ばしによりテープ裏面まで貫通した孔として成形され、前記孔周辺部の肉厚が、周方向の一部又は全周に亘って孔内周面に向かって徐々に薄肉となるように形成されて、その周辺部の表面が緩やかに傾斜していることを特徴とする。
【0011】
具体的には、テープを螺旋状に巻回する管成型機の駆動力によってテープが引き延ばされてなるものである。
【0012】
また、断面コの字型のテープを螺旋状に巻回して構成される螺旋波形管であって、前記コの字型のテープの中央片に前記孔が形成され、この中央片外側の側片よりも外側において、管長手方向に先行するテープと後行するテープとが相互に融着若しくは接着されてなる。
【0013】
さらに、管軸方向に多数の凹凸を備えた螺旋波形管であって、その外周の谷部に前記孔を形成してある。
【0014】
上記において、管外周の谷部の側壁及び/又は山部の頂部にも孔を形成してある。
【0015】
さらにまた、平テープを螺旋状に巻回して構成される管であって、その平テープに前記孔を形成してなる。
【0016】
また、管外側に、螺旋状に巻回した別のテープを有するか又は別のテープを螺旋状に巻回した外管を有する。
【0017】
この発明の有孔管の製造方法は、テープ成型部によって成型されたテープが、そのテープを螺旋状に巻回して管を形成するための管成型部に連結されて、テープの成型と管の成型を連続的に行うように構成するとともに、テープ成型部から管成型部までの間において、テープ表面にテープ裏面まで貫通していない所定深さの窪み又は切込みを形成し、それらの窪み又は切込みを、管成型部側からのテープの引き延ばしによりテープ裏面まで貫通した孔とすることを特徴とするものであって、この引き延ばしは、望ましくは、管成型部の駆動力で行う。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を螺旋波形管に実施した場合の実施形態について説明する。図1は、この発明に従って得られる螺旋波形管(1)の一例であって、1本の樹脂製テープ(2)を螺旋状に巻回して形成されるものである。樹脂製テープ(2)の材質としては、ポリエチレン樹脂、塩化ビニール樹脂など各種のものが考えられる。
【0019】
樹脂製テープ(2)は、中央片(3)と、その中央片(3)の横断方向の両端に、直角外方向に向けて一体に連設した一対の側片(4)(4)とからなる断面コの字型の溝状であって、各側片(4)(4)の幅方向の先端には、外方に向けて直角に突出する一対の接続片(5)(5)を、長手方向に沿って一体に連設している。更に、中央片(3)には、多数の孔(6)(6)…を、長手方向に沿って一列に形成している。これらの孔(6)(6)…は、2列或いはそれ以上の列に形成することも可能である。
【0020】
上記の構成からなる樹脂製テープ(2)を、中央片(3)が直径方向の内側となるようにして螺旋状に巻回することによって、長手方向に凹凸を備えた螺旋波形管(1)が形成されている。その際、管長手方向に先行する側の接続片(5)とその直後に後行する側の接続片(5)とを互いに重ね、それらを融着するか或いは接着することによって、互いに一体化されている。
【0021】
図1では、接続片(5)(5)同士を略その全幅にわたって重ねているが、可能な範囲で部分的に重ねるだけでも良い。或いは、接続片(5)(5)同士を重ねるのではなく、別の接続用テープを介在させて、その接続用テープと接続片(5)を融着若しくは接着することも可能である。或いは、接続片(5)を設けることなく、別の接続用テープと側片(4)を融着若しくは接着することも考えられる。
【0022】
上記のように構成された波形管(1)は、テープ中央片(3)である外周の谷の底部に多数の孔(6)を列設したものが得られる。この場合、螺旋部の先行する側と後行する側との融着若しくは接着は、孔(6)の無い接続片(5)(5)の部分で行われるので、中央片(3)には重ね代を取る必要がなく、中央片(3)の幅一杯まで孔(6)を形成することができ、これにより、図13の従来例に比較して2倍以上に開孔率を上げることが可能となる。代表例を挙げると、図13の従来例では、開孔率5%程度のものしか得られないが、この実施形態のものでは10%以上に上げることができる。
【0023】
なお、この図1の管(1)の変形例としては、中央片(3)が外側となるように巻回して、外周の山部頂面に孔(6)を有する管(1)とすることが考えられる。
【0024】
図2は、上記のような有孔管(1)を製造するための製造装置の概略を示したものである。図において、(11)は、樹脂製テープ(2)を成型するためのテープ成型機であって、具体的には、溶融状態の樹脂を成型用のダイ(10)を通して押し出すことで、所定の断面形状、より具体的には前記接続片(5)を備えたコの字型断面のテープ(2)が連続的に成型されるものである。
【0025】
(12)は、テープ(2)を螺旋状に巻回して管(1)を成型するための管成型機であって、例えば、図示しない回転するマンドレルを備え、そのマンドレルへ前記テープ(2)を巻き付けて、軸方向に送りながら回転させることで管(1)が形成される。
【0026】
そして、前記テープ成型機(11)から押し出された成型直後のテープ(2)が、管成型機(12)へ連結され、これによって、テープ(2)の成型と管(1)の成型とが連続的に行われる。
【0027】
このような管(1)の連続成型において、テープ成型機(11)と管成型機(12)との間には、管成型前の段階でテープ(2)に穴を開ける孔成型機(13)が配置されている。この孔成型機(13)は、例えば、図のように、テープ(2)の一方の面側に配置した一対の周回移動する無端体(14)(15)からなるものが考えられる。これらの無端体(14)(15)の外周面には、テープ(2)の表面に所定深さの窪み又は切込み(17)を入れる多数の突出部(16)が、周方向に間隔を置いて形成されている。
【0028】
上記の孔成型機(13)の構成において、適当な駆動手段により、無端体(14)(15)をテープ(2)の移動方向に同調して周回移動させると、両無端体(14)(15)を合わせた突出部(16)のピッチ間隔毎に切込み(17)(17)…が形成される。このとき、無端体(14)(15)の周速度を管成型機(12)の巻き取り速度よりも遅くしておくことにより、テープ(2)には、無端体(14)(15)と管成型機(12)との間で、管成型機(12)の駆動力による張力が働き、テープ(2)は長手方向に徐々に引き延ばされるから、これに伴って、窪み又は切り込み(17)もテープ長手方向に順次拡大されて所定形状の孔(6)となる。図2の上部側に、白抜き矢印で示した部分のテープ(2)表面を拡大して示している。
【0029】
なお、この図のように、孔(6)は、テープ(2)に働く張力が左右で異なる等の理由で徐々に斜めに傾いているが、この傾きを見越して予め逆向きの斜めに切り込み(17)等を入れることも考えられ、又、張力等を適切に設定することによって傾かないようにすることも考えられる。
【0030】
いずれにしても孔(6)の形状は、このようなものに限定されるものではなく、切り込み(17)等を形成するための手段例えば突出部(16)の形状等を変更することで、種々変更することが可能である。また、突出部(16)は、上記の窪み、切込み(17)を形成出来るものであれば、刃状の物、棒状の物等どのようなものであっても良い。
【0031】
しかも、この引き延ばしの結果、孔(6)の周辺は、後で述べるように、孔(6)の周縁に向かって徐々に薄肉となり、孔(6)周辺の管壁が、吸排水性能にとって最も望ましい形状となる。
【0032】
無端体(14)(15)の駆動力は、管成型機(12)側から取ることが可能であり、また、無端体(14)(15)の周速度は、通常、管成型機(12)の巻き取り速度よりも低速であれば良い。
【0033】
窪み又は切込み(17)は、テープ(2)の裏面まで貫通しておらず、裏面側が塞がっていて、上記の引き延ばしによって切り離され、裏面まで貫通した孔(6)となる。
【0034】
また、孔(6)の形成ピッチは、前記突出部(16)(16)間の間隔を変えることで変更可能であり、或いは、無端体(14)(15)の円周の一部にのみ突出部(16)を形成しておくことで、管(1)の円周方向の一部分にのみ孔(6)を有するようにすることも可能である。
【0035】
更に、窪み又は切込み(17)の形成手段は上記に限られず、例えば、テープ(2)の面に対し往復動するパンチのようなものでも可能である。
【0036】
図3は、上記のように形成されたテープ(2)表面の孔(6)の部分を拡大したものであり、この実施形態のものでは、やや長方形の孔(6)となっており、前述したように、管成型機(12)からテープ(2)に働く引張力が幅方向の左右で異なる等の理由により、僅かにテープ長手方向に傾いたものとなっている。図4は、テープ長手方向である図のA−A線で切断した断面を拡大した図であり、図5は、テープ幅方向である図のB−B線で切断した断面を拡大した図である。これらの図で解るように、長手方向においては、孔(6)の内周面が、その厚み方向の中央に向って僅かに膨らんだ弧状となっているが、幅方向においては、孔(6)の周辺の肉厚が、その孔(6)の内周面に向かって徐々に薄くなっており、これによって孔(6)周辺の表面(18)が弧を描きながら緩やかに傾斜している。
【0037】
図6は、楕円形の孔(6)を形成した場合の孔(6)部分の拡大図、図7は、図のA−A線で切断した断面を拡大したもので、この図のように楕円形の場合、孔(6)の全周に亘って、孔(6)の周辺の肉厚が、その孔(6)の内周面に向かって徐々に薄くなって、その孔(6)周辺の表面(18)が弧を描きながら緩やかに傾斜したものとなっている。このような緩やかな傾斜は、孔(6)の形状及び管成型機(12)側からの引張り力等を適切に設定することによって制御できる。
【0038】
図8は、この発明の別の実施形態を示すものであって、図1と同じ螺旋波形管(1)において、その外周における凹部底部の中央片(3)のみならず、凹部の側壁である側片(4)と、山部頂部にも孔(6)を形成したものを示している。
【0039】
特に、この実施形態では、上記のように管を成型する前のテープ(2)の段階で孔開けを行うため、側片(4)部分に孔(6)を開けることも容易である。また、山部頂部は、この実施形態では、互いに融着若しくは接着する部分であり、特に融着の場合は、従来のように融着後にドリルなどで孔開けを行うと、残留歪みを生じて強度が低下する恐れがあるが、この発明では、特に融着前のしかも溶融状態に近い状態で孔開けを行うので、残留歪みを生ずることがなく、強度の低下を招くことがない。このため、この実施形態のように、管長手方向の略全面に亘って孔(6)を形成することも可能である。
【0040】
図9以下は、この発明に従って実施される有孔管(1)の他の実施形態を示している。図9は、前記のような断面コの字型のテープ(2)に替えて、平テープ(2)に孔(6)を形成して、前記と同じく螺旋状に巻回して、巻回時に先行する側の施回部端縁と後行する側の施回部端縁とを相互に重ねて融着若しくは接着したものである。更に、この平テープ(2)で形成された管(1)の外周には、断面コの字型で且つその幅方向の両端にリップ(19)を備えた別の外側テープ(20)を、コの字型の溝の部分が内向きとなるようにして、リップ(19)を管(1)の外周面に融着もしく接着しながら巻き付けて補強したものである。その際、管(1)の孔(6)が外側テープ(20)によって塞がれないよう、その外側テープ(20)の幅よりも大きなピッチで巻き付けてある。
【0041】
図10は、図9と同じく平テープ(2)からなるこの発明の有孔管(1)と断面コの字型の外側テープ(20)とからなる複合管において、外側テープ(20)の山部頂部にも孔(21)を開口して、内側の有孔管(1)の孔(6)と外側テープ(20)の孔(21)とを、その外側テープ(20)の溝部を通して互いに連通させるようにしたものである。外側テープ(20)は、そのリップ(19)を内側の有孔管(1)の外周面に融着若しくは接着すると同時に、リップ(19)の端面を斜めカットして、巻回時に先行する側と後行する側とを相互に融着若しくは接着している。なお、外側テープ(20)の孔(21)は、頂部に替えて側片(22)に形成するか或いはそれらの両方に形成しても良い。
【0042】
図11は、同じく平テープ(2)からなるこの発明の有孔管(1)の外側に断面コの字型の外側テープ(20)を巻き付けるものにおいて、この外側テープ(20)を、コの字型の溝部が外側となるようにして、その山部の頂面で、内側有孔管(1)の外周面へ融着若しくは接着したものである。その際、外側テープ(20)は、コの字型の左右の側片(22)(22)の高さが異なっており、巻回時に先行する側の舌片(19)と後行する舌片(19)が重ねると、それら舌片(19)(19)間に隙間(23)が形成され、この隙間(23)からコの字型の溝部を通って内側有孔管(1)の孔(6)へ連通させている。
【0043】
上記図10及び図11の実施形態では、いずれも外部から内側有孔管(1)の孔(6)までの経路が、外側テープ(20)によって複雑になっており、単純な一層構造の管に比べて土砂のつまりの少ない構造となっている。これら図10及び図11の外側テープ(20)の穴開けも、図2の方法によって開口することができる。
【0044】
図12は、同様に平テープ(2)からなるこの発明の有孔管(1)において、前記と同様に、巻回時に先行する側の施回部端縁と後行する側の施回部端縁とを相互に重ねて融着若しくは接着するとともに、その重ね部に沿って、例えば断面山形の補強テープ(24)を螺旋状に巻回したものである。この補強テープ(24)は、例えば硬質の樹脂製テープからなり、その裏面を管(1)の外周面に融着若しくは接着して一体化してある。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、この発明の有孔管では、孔周辺の管壁が、その孔に向かって徐々に薄肉となって、その周辺の表面が緩やかに傾斜しているから、管壁が孔の周壁に対して略直角となった従来のものに比較して給排水性能に優れたものが得られる。
【0046】
また、テープを螺旋状に巻回して構成される波形管において、概略断面コの字型のテープの中央片に孔を備え、先行するテープと後行するテープとの融着若しくは接着部は、その中央片よりも幅方向の外側部分で行っているから、中央片には融着若しくは接着のための重ね代を取る必要がない。このため、中央片の幅一杯まで孔径を拡大することが可能となり、開孔率の大きい給排水性能に優れた有孔管を得ることができる。
【0047】
この発明の製造方法では、テープ成型部によって成型されたテープがそのまま管成型部に直結されて、テープの成型から管の成型までが連続的に行われるとともに、それらテープ成型部と管成型部との間において、孔を形成するようにしていることから、一旦孔開けを行ったテープを新たに管成型機等にかけて管を成型するものに比較して、生産効率に優れ、しかも、管成型機等にかけるまでの間テープを保管しておく必要もないので、保管のためのスペースや半製品の管理も不要となる。
【0048】
加えて、このように、テープ成型部から出た直後の溶融状態に近い状態で窪み又は切込みを入れるだけでも孔を開けることが出来るため、切り屑が発生することがないとともに、ドリルのような騒音を発する恐れもなく、作業環境を悪くすることがない。しかも、移動するテープに連続的に孔を形成できるので、高速化が可能である。その際、テープの引き延ばしのための引張力を、管成型部の駆動力を利用して行うことで、引張のための特別の装置が不要となる。
【0049】
更に、管成型前のテープの段階で孔開けを行うため、螺旋波形管において谷部の側壁部にも容易に孔を形成することができ、また、同じテープの先行側と後行側を互いに融着して管を形成する場合でも、その融着部分に穴を開けるようにしても、残留歪みを生ずることがない。このため、波形管の山部や谷部といったように孔の形成位置に制限を受けることがなく、長手方向の全面に亘って孔を形成した開孔率の非常に大きな管を得ることも可能である。
【0050】
特に、暗渠や地中に埋設される排水管では、谷の部分に砂利などが溜まり易く、これによって目詰まりを生じて吸・排水性能が悪くなるが、そのように側壁や頂部にも孔を開けておくことによって、長期に亘って吸排水性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態を示す有孔管の一部縦断面図である。
【図2】 同じく有孔管の製造装置の全体概略図である。
【図3】 孔拡大後のテープの一部の平面図である。
【図4】 図3のA−A線で切断したテープの要部拡大断面図である。
【図5】 同じく図3のB−B線で切断したテープの要部拡大断面図である。
【図6】 楕円形に拡大された孔を有するテープの一部平面図である。
【図7】 図6のA−A線で切断したテープの要部拡大断面図である。
【図8】 この発明の別の実施形態を示す有孔管の一部縦断面図である。
【図9】 この発明の他の実施形態を示す管の要部拡大断面図である。
【図10】 この発明の別の実施形態を示す管の要部拡大断面図である。
【図11】 この発明の更に別の実施形態を示す管の要部拡大断面図である。
【図12】 この発明の更に他の実施形態を示す管の要部拡大断面図である。
【図13】 従来の有孔管の一例を示す要部の断面図である。
【図14】 同じく従来の有孔管における孔部の拡大断面図である。
【符号の説明】
(1) 有孔管
(2) テープ
(3) 中央片
(4) 側片
(5) 接続片
(6) 孔
(11) テープ成型機
(12) 管成型機
(13) 孔成型機
(16) 突出部
(17) 窪み又は切込み
(18) 周辺の表面
Claims (9)
- テープを螺旋状に巻回して構成される有孔管であって、テープ成型直後にテープ表面に形成されたテープ裏面まで貫通していない窪み又は切込みが、そのテープの引き延ばしによりテープ裏面まで貫通した孔として成形され、前記孔周辺部の肉厚が、周方向の一部又は全周に亘って孔内周面に向かって徐々に薄肉となるように形成されて、その周辺部の表面が緩やかに傾斜していることを特徴とする有孔管。
- テープを螺旋状に巻回する管成型機の駆動力によってテープが引き延ばされてなるものである請求項1記載の有孔管。
- 断面コの字型のテープを螺旋状に巻回して構成される螺旋波形管であって、前記コの字型のテープの中央片に前記孔が形成され、この中央片外側の側片よりも外側において、管長手方向に先行するテープと後行するテープとが相互に融着若しくは接着されてなる請求項1又は2記載の有孔管。
- 管軸方向に多数の凹凸を備えた螺旋波形管であって、その外周の谷部に前記孔を形成してある請求項1から3のいずれかに記載の有孔管。
- 管外周の谷部の側壁及び/又は山部の頂部にも孔を形成してある請求項4記載の有孔管。
- 平テープを螺旋状に巻回して構成される管であって、その平テープに前記孔を形成してなる請求項1又は2記載の有孔管。
- 管外側に、螺旋状に巻回した別のテープを有するか又は別のテープを螺旋状に巻回した外管を有する請求項1から6のいずれかに記載の有孔管。
- テープ成型部によって成型されたテープが、そのテープを螺旋状に巻回して管を形成するための管成型部に連結されて、テープの成型と管の成型を連続的に行うように構成するとともに、テープ成型部から管成型部までの間において、テープ表面にテープ裏面まで貫通していない所定深さの窪み又は切込みを形成し、それらの窪み又は切込みを、管成型部側からのテープの引き延ばしによりテープ裏面まで貫通した孔とすることを特徴とする有孔管の製造方法。
- 管成型部の駆動力によってテープの引き延ばしを行うものである請求項8記載の有孔管の製造方法。
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