JP4658517B2 - 結像光学系及びそれを用いた電子機器 - Google Patents

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Description

本発明はCCDやCMOSなどの固体撮像素子等と組み合わせて用いられる結像光学系に関するものであり、例えばデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やパソコンに搭載される小型カメラ、監視カメラ等に利用できるものである。また、この結像光学系を用いた、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やパソコン等の電子機器に関する。
近年、銀塩フイルムに代わり、CCDやCMOSのような固体撮像素子を用いて被写体を撮影するようにした電子カメラが普及してきている。このような電子カメラのうち、携帯型コンピュータや携帯電話等に搭載される撮像ユニットでは特に小型、軽量化が求められている。
このような撮像ユニットに用いる結像光学系として、従来よりレンズ枚数を1枚乃至3枚で構成したものがある。しかしながら、このような構成では屈折面数が足りないため、軸上色収差と像面湾曲が両立せず高い性能は望めない。また、レンズ面を非球面形状にすることで、この間題を回避しようとすると、面数が少ないため、一面一面の非球面量が大きくなり、従って偏心感度が大きくなり製造上困難である。
これらの問題を考慮したものとして、正負正のトリプレットの物体側にメニスカスレンズを付加して、性能と生産性を向上させた光学系が提案されている。このようなレンズタイプの光学系の従来例として、次の特許文献に記載された光学系が知られている。
特開平11−084234号公報 特開平11−249013号公報 特開2000−171697号公報
上記特許文献2に記載されている光学系は、第1レンズが物体側に凸の正レンズとして構成されている。この構成では、画角を大きくすることが困難であり、レンズ外形も大きくなる。特許文献2に記載される光学系は、大型であり、大きな画角を達成できない。
特許文献3に記載される光学系は、第3レンズが両凹のレンズとして構成されている。この構成では第3レンズの射出側の面においてコマ収差が発生しやすく、従って、画角を大きくできない。
特許文献1に記載される光学系は、第1レンズが物体側に凹のメニスカスレンズとして構成されている。従って、特許文献2および3に記載の光学系に比べ、画角の大きい光学系となっている。しかし、これは、前絞り光学系であり、光学系の対称性が悪いことから、さらなる高画角化を達成することが困難であり、半画角24゜程度である。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は低コスト化、広画角化、高性能化、小型化を同時に満たす結像光学系を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の結像光学系は、物体側から、順に、第1レンズとしての物体側に凹を向けた正屈折力のメニスカスレンズ、明るさ絞り、第2レンズとしての物体側に凸を向けた正屈折力のレンズ、第3レンズとしての像側に凸を向けた負屈折力のメニスカスレンズ、第4レンズとしての正屈折力のレンズが配置されており、次の条件式を満たすことを特徴とする。
0.3 < f12/f < 2.0
−0.30 < f12/f34 < 0.60
ただし、f12は前記第1レンズと前記第2レンズとの合成焦点距離、f34は前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離、fは前記結像光学系全系の焦点距離である。
また、本発明による結像光学系は、物体側から、順に、第1レンズとしての物体側に凹を向けた正屈折力のメニスカスレンズ、明るさ絞り、第2レンズとしての物体側に凸を向けた正屈折力のレンズ、第3レンズとしての像側に凸を向けた負屈折力のメニスカスレンズ、第4レンズとしての正屈折力のレンズが配置されており、かつ、前記第4レンズの物体側もしくは像側の面のうち少なくとも1つが非球面であることを特徴とする。
また、本発明による結像光学系は、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズおよび前記第4レンズのうち一部のレンズはプラスチックレンズであり、前記結像光学系の全長をTL、前記結像光学系を構成するプラスチックレンズにおける最小軸上肉厚をMLとしたとき、次の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
0.02 < ML/TL < 0.15
また、上記目的を達成するため、本発明による電子機器は、上記の結像光学系を備えることを特徴とする。
さらに、上記目的を達成するため、本発明による電子機器は、複数の画素を有する撮像素子と、上記の結像光学系とを備え、前記結像光学系の開放FナンバーをFno、前記撮像素子の画素間隔をPとするとき、次の条件式を満足することを特徴とする。
0.30[1/μm] < Fno/P[μm] < 2.40[1/μm]
本発明によれば、製造誤差に対する性能劣化が少なく、小型化しても高性能な結像光学系を得ることができる。
本発明の実施例の説明に先立ち本発明の構成による作用、効果を説明する。
本発明の結像光学系では、物体側から、順に、物体側に凹を向けた正屈折力の第1メニスカスレンズ、明るさ絞り、物体側に凸を向けた正屈折力の第2レンズ、像側に凸を向けた負屈折力の第3メニスカスレンズ、正屈折力の第4レンズを配置している。
本発明の結像光学系は、性能と小型化を考慮して、上記のような第1レンズ、第2レンズ、第3レンズおよび第4レンズの4枚のレンズで構成している。ここで、結像光学系を構成するレンズの枚数を5枚以上にすれば、さらに性能が向上するのは明らかである。しかしながら、レンズが1枚増えることによるレンズの厚さ、レンズの間隔、枠のスペースが大になり、光学系が大型化するのは避けられない。また、「背景技術」で先に述べたようにレンズが3枚以下では、軸上色収差と像面湾曲の両立が困難である。また、非球面を多用して性能を確保したとしても、偏心感度が大きくなり、製造上困難である。従って、4枚のレンズで結像光学系を構成するのが性能、大きさともに最適である。
また、本発明の結像光学系では、正屈折力の第1レンズは物体側に凹面を持つメニスカスレンズで構成している。これにより、最も物体側の面が負パワーとなるため、広角な光学系を達成することができる。
また、本発明の結像光学系は、明るさ絞りの位置を第1レンズと第2レンズの間に配置している。
例えばCCDのような撮像素子を用いた場合、良好な集光性能を維持するために撮像素子への光線入射角度を小にする必要がある。そのためには、明るさ絞り、あるいは、明るさ絞りの像を、像面から遠い位置に配置することが望ましい。また、広角な光学系は、画面周辺部のディストション及び倍率色収差の発生を低減させる必要がある。そのためには光学系のパワー配置が対称になる位置に、明るさ絞りを配置させることが望ましい。このような理由から、本発明では、第1レンズと第2レンズの間に明るさ絞りを配置している。このような構成により、広角とテレセントリック性を重視した光学系を実現できる。
また、本発明の結像光学系は、第3レンズを像側に凸を向けた負メニスカスレンズとしている。このような構成にすることで、入射光線と射出光線のなす角度、すなわち偏角を小さく保つことができ、各屈折面における収差の発生量を極力小にすることができる。また、無偏心時の収差の発生量が小であることから、レンズの相対偏心時における性能変動についても極力小にすることが可能である。
また、本発明の結像光学系は、第4レンズの物体側もしくは像側の面のうち、少なくとも1つの面を非球面にしたことを特徴としている。この構成において、第4レンズは、撮像素子への光線入射角度を小さくするために、周辺の光線を内側に大きく屈折させている。その際、収差が発生し易くなるため、少なくとも1つの面を非球面とし、第4レンズへの入射光線と射出光線とがなす角度、すなわち偏角が最小となるような形状にしている。このようにすることで、収差の発生を抑制しつつ、撮像素子への光線入射角度を小さくすることが可能である。
本発明の結像光学系は、第1レンズと第2レンズとの合成パワーを強い正のパワーにしている。そして、第3レンズと第4レンズとの合成パワーを弱い正のパワー、または、負パワーにしている。このようにすることにより、結像光学系全長を小さくしている。そのため、このタイプのパワー配置に対して、全長と性能をバランスよく達成させる為には、次の条件式を満たすのが好ましい。
0.3 < f12/f < 2.0
−0.30 < f12/f34 < 0.60
ただし、f12は第1レンズと第2レンズとの合成焦点距離、f34は第3レンズと第4レンズとの合成焦点距離、fは結像光学系全系の焦点距離である。
すなわち、この条件式の上限を超えると、第1レンズと第2レンズとの合成パワーが小さくなるので全長短縮に不利である。他方、この下限を下回ると、第1レンズと第2レンズとの合成パワーが大きくなる。それに伴い第3レンズと第4レンズのパワーも負側に強くしなければならず、各レンズで発生する収差が増大し、性能を確保するのが困難となる。
なお、次の条件式を満たすことが好ましい。
0.5 < f12/f <1.5
−0.10 < f12/f34 <0.40
なお、さらには次の条件式を満たすことが好ましい。
0.7 < f12/f <1.0
−0.07 < f12/f34 <0.30
本発明の結像光学系において、その画角を大きくとるためには、最も物体側の入射面を適度に負パワーにする必要がある。従って、第1レンズの曲率半径が重要となってくる。そのため次の条件式を満たすのが良い。
−0.50 < f/r1f < 0
ただし、fは結像光学系全系の焦点距離、r1fは第1レンズの物体側の曲率半径である。
この条件式の上限を超えると、第1面のパワーが小さくなりすぎ、広角な光学系を達成できなくなる。他方、下限を下回ると、第1面のパワーが大きくなりすぎ、第1面で発生する球面収差の補正が困難となる。また、主点位置が像面側に移動するため、全長が長くなり、小型化を達成できなくなる。
なお、次の条件式を満たすことが好ましい。
−0.30 < f/r1f < 0
なお、さらには次の条件式を満たすことが好ましい。
−0.20 < f/r1f < −0.01
また、本発明の結像光学系では、第4レンズは撮像素子への光線入射角度を小さくするために重要なレンズである。従って、以下の条件を満足することが重要である。
0.5 < f4/f < 2.0
ただし、f4は第4レンズの焦点距離、fは結像光学系全系の焦点距離である。
この条件式の上限を超えると、第4レンズのパワーが小さくなりすぎ、撮像素子への光線入射角度が大きくなる。その結果として、画面中心と周辺での明るさの違いが顕著になってしまう。他方、下限を下回ると、撮像素子への光線入射角度が補正過剰になる。加えて、第4レンズのパワーが大きくなることで、光学系全系の主点位置が像側に移動し、全長が長くなる。そこで、次の条件式を満たすことが好ましい。
0.7 < f4/f < 1.6
なお、さらには次の条件式を満たすことが好ましい。
0.9 < f4/f < 1.2
撮像素子としてCCDを用いる場合、いわゆるシェーディングという現象が発生する。これは、光学系から射出された軸外光束が像面に対してあまりに大きな角度で入射すると、画像中央部と画像周辺部で画像の明るさが変化する(異なる)現象である。一方、像面に対して小さい角度で入射させるとこの問題は軽減されるが、他方で、結像光学系の全長が大きくなる。そのため次の条件式を満たすのが良い。
0.5 < EXP/f < 2.5
ただし、EXPは像面からの射出瞳までの距離、fは結像光学系全系の焦点距離である。
この条件式の上限を超えると、結像光学系の全長が大きくなる。他方、下限を下回ると、CCDへの入射角が大きくなりすぎ画像周辺部の明るさが低下する。そこで、次の条件式を満たすことが好ましい。
0.8 < EXP/f < 2.0
なお、さらには、次の条件式を満たすことが好ましい。
1.2 < EXP/f < 1.6
また、本発明の結像光学系において、正屈折力の第4レンズをプラスチックで構成することができる。このように構成することにより、軽量化および製作コストの低減を図ることができる。
また、本発明の結像光学系において、負屈折力の第3メニスカスレンズをプラスチックで構成することができる。このように構成することにより、軽量化および製作コストの低減を図ることができる。
また、結像光学系の開放FナンバーをFno、撮像素子の画素間隔をPとするとき、次の条件式を満足することを特徴とするのが良い。
0.30[1/μm]<Fno/P[μm]<2.40[1/μm]
この条件式の上限を上回ると、光学系が暗くなり過ぎる。あるいは、画素間隔が小さくなり過ぎることにより、1画素あたりの光量が少なくなってしまう。従って、シャッター速度が遅くなり、手ぶれを引き起こしたり、長時間露光によりノイズが増加する原因となる。他方、下限を下回ると、画素間隔が大きくなり過ぎ、高画素な撮像データが得られなくなる。
なお、本発明の結像光学系は、次の条件式を満たすのが、より良い。
0.40[1/μm]<Fno/P[μm]<1.90[1/μm]
なお、本発明の結像光学系は、次の条件式を満たすのが、更に良い。
0.50[1/μm]<Fno/P[μm]<1.40[1/μm]
また、前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズおよび前記第4レンズのうち一部のレンズはプラスチックレンズであり、結像光学系の全長をTL、プラスチックレンズにおける最小軸上肉厚をMLとしたとき、次の条件式を満足するのが良い。
0.02 < ML/TL < 0.15
この条件式の上限を上回ると、結像光学系の全長に対して、結像光学系に含まれるプラスチックレンズ最小軸上肉厚が大きすぎることになる。そのため、そのプラスチックレンズとともに配置されるガラスレンズの中心肉厚に対して必要な間隔を、結像光学系中に十分に確保できず、そのガラスレンズを非常に薄く加工しなければならなくなってしまう。他方、下限を下回ると、結像光学系に含まれるプラスチックレンズ最小軸上肉厚が小さ過ぎるため、成型時にプラスチック樹脂成型型にスムーズに注入しにくくなってしまう。その結果、応力がかかって複屈折が生じたりして、成型に時間がかかり、生産性が悪化してしまう。
なお、本発明の結像光学系は、次の条件式を満たすのが、より良い。
0.04<ML/TL<0.12
なお、本発明の結像光学系は、次の条件式を満たすのが、更に良い。
0.06<ML/TL<0.09
また、電子機器は、上記の結像光学系を備えるのが好ましい。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
第1実施例
図1は本発明による結像光学系の第1実施例であって、光学構成を示す光軸に沿う断面図である。図2は第1実施例にかかる光学系の合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図1において、この結像光学系は、物体側Xから順に、正屈折力のメニスカスレンズL11、明るさ絞りS、正屈折力のレンズL12、負屈折力のメニスカスレンズL13、正屈折力のレンズL14から構成されている。図中、Iは撮像素子の撮像面である。また、これらのレンズL11,L12,L13およびL14の両面は非球面である。
正屈折力のメニスカスレンズL11は、第1レンズである。この正屈折力のメニスカスレンズL11は、物体側に凹面を向けている。正屈折力のレンズL12は、第2レンズである。負屈折力のメニスカスレンズL13は、第3レンズである。この負屈折力のメニスカスレンズL13は、像側に凸面を向けている。正屈折力のレンズL14は、第4レンズである。
本実施例では、これらの全レンズはプラスチックで構成している。ここで用いるプラスチック材料としては第1レンズL11、第2レンズL12および第4レンズL14にはポリオレフイン系のゼオネックス(登録商標)を使用し、第3レンズL13にはポリカーボネートを用いている。
また、結像光学系の像面には、1/3インチ、200万画素(画素間隔P=3.0μm)の撮像素子が配置されている。
また本実施例のスペックは、焦点距離4.30mm、Fno(開放Fナンバー)4.0、像高3.0mmであり、半画角35゜の広角の光学系である。
次に、第1実施例の光学結像系を構成する光学部材の数値データを示す。
なお、第1実施例の数値データにおいて、r1、r2、…は各レンズ面の曲率半径、d1、d2、…は各レンズの肉厚または空気間隔、nd1、nd2、…は各レンズのd線での屈折率、νd1、νd2、…は各レンズのアッべ数、Fno.はFナンバー、fは全系焦点距離、D0は物体から第1面までの距離を表している。
なお、非球面形状は、光軸方向をz、光軸に直交する方向をyにとり、円錐係数をK、非球面係数をA4、A6、A8、A10としたとき、次の式で表される。
z=(y2/r)/[1+{1−(1+K)(y/r)21/2
+A44+A66+A88+A1010
なお、これらの記号は後述の実施例の数値データにおいても共通である。
数値データ1(第1実施例:図1)
物体面 ∞
1=-271.81(非球面)
1=0.66 nd1=1.5256 νd1=56.4
2=-5.10(非球面)
2=0.05
3=∞(絞り)
3=0.05
4=3.28(非球面)
4=0.61 nd4=1.5256 νd4=56.4
5=-9.12(非球面)
5=0.99
6-0.57(非球面)
6=0.50 nd6=1.5839 νd6=30.2
7=-1.09(非球面)
7=0.05
8=2.17(非球面)
8=2.00 nd8=1.5256 νd8=56.4
9=236.09(非球面)
9=1.55
P=∞ (撮像面)
非球面係数
第1面
K=−2.7210×105
A4=−6.7464×10-2 A6= 1.1364×10-2
第2面
K=2.3300
A4=−6.1688×10-3 A6=5.7802×10-3
第4面
K=6.1445
A4=4.6994×10-2 A6=−2.0949×10-2
第5面
K=0
A4=−1.8079×10-2 A6=−4.4733×10-2
第6面
K=−8.4960×10-1
A4=3.1949×10-1 A6=−1.2238×10-1
第7面
K=−8.4248×10-1
A4=7.3059×10-2 A6= 2.5423×10-2
第8面
K=−1.1014×10
A4=1.4291×10-3
第9面
K=−1.8617×1011
A4=1.1536×10-3 A6=−4.1752×10-4
第2実施例
図2は本発明による結像光学系の第2実施例であって、光学構成を示す光軸に沿う断面図である。図5は第2実施例にかかる光学系の合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図2において、この結像光学系は、物体側Xから順に、正屈折力のメニスカスレンズL21、明るさ絞りS、正屈折力のレンズL22、負屈折力のメニスカスレンズL23、正屈折力のレンズL24から構成されている。図中、Iは撮像素子の撮像面である。また、これらのレンズL21,L22,L23およびL24の両面は非球面である。
正屈折力のメニスカスレンズL21は、第1レンズである。この正屈折力のメニスカスレンズL21は、物体側に凹面を向けている。正屈折力のレンズL22は、第2レンズである。負屈折力のメニスカスレンズL23は、第3レンズである。この負屈折力のメニスカスレンズL23は、像側に凸面を向けている。正屈折力のレンズL24は、第4レンズである。
本実施例では、これらの全レンズはプラスチックで構成している。ここで用いるプラスチック材料としては、第1レンズL21、第2レンズL22および第4レンズL24にはポリオレフイン系のゼオネックス(登録商標)を使用し、第3レンズL23にはポリカーボネートを用いている。
また、結像光学系の像面には、1/3インチ、300万画素(画素間隔P=2.4μm)の撮像素子が配置されている。
また本実施例のスペックは、焦点距離4.90mm、Fno(開放Fナンバー)3.0、像高3.0mmであり、半画角31゜の広角の光学系である。
次に、第2実施例の光学結像系を構成する光学部材の数値データを示す。
数値データ2(第2実施例:図2)
物体面 ∞
1=−300.00(非球面)
1=0.58 nd1=1.5256 νd1=56.4
2=-4.47(非球面)
2=0.05
3=∞ (絞り)
3=0.18
4=3.09(非球面)
4=0.73 nd4=1.5256 νd4=56.4
5=39.05(非球面)
5=0.79
6=-0.71(非球面)
d6=0.50 nd6=1.5839 νd6=30.2
7=-1.34(非球面)
7=0.07
8=2.58(非球面)
8=2.00 nd8=1.5256 νd8=56.4
9=172.93(非球面)
9=2.13
P=∞ (撮像面)
非球面係数
第1面
K=−7.8982×104
A4=−6.4843×10-2 A6=−6.6742×10-3
第2面
K=2.3300
A4=−6.1688×10-3 A6=5.7802×10-3
第4面
K=7.8059
A4=−4.7936×10-2 A6=7.9572×10-3
第5面
K=0
A4=−7.8795×10-4 A6=−1.8639×10-2
A8=−7.5368×10-3
第6面
K=−9.2508×10-1
A4=2.3395×10-1 A6=−6.4281×10-2
A8=4.9060×10-4
第7面
K=−1.0226
A4=8.2018×10-2 A6=1.6439×10-2
A8=−7.2317×10-4
第8面
K=−1.2345×10
A4=6.7656×10-4 A6=−3.6700×10-5
第9面
K=−1.8617×1011
A4=1.4777×10-3 A6=−8.6051×10-4
図3は本発明による結像光学系の第3実施例であって、光学構成を示す光軸に沿う断面図である。図7は第3実施例にかかる光学系の合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図3において、この結像光学系は、物体側Xから順に、正屈折力のメニスカスレンズL31、明るさ絞りS、正屈折力のレンズL32、負屈折力のメニスカスレンズL33、正屈折力のレンズL34から構成されている。図中、Iは撮像素子の撮像面である。また、これらのレンズL31,L32,L33およびL34の両面は非球面である。
正屈折力のメニスカスレンズL31は、第1レンズである。この正屈折力のメニスカスレンズL31は、物体側に凹面を向けている。正屈折力のレンズL32は、第2レンズである。負屈折力のメニスカスレンズL33は、第3レンズである。この負屈折力のメニスカスレンズL33は、像側に凸面を向けている。正屈折力のレンズL34は、第4レンズである。
本実施例では第1レンズL31はガラスで構成されている。また、第2レンズL32、第3レンズL33および第4レンズL34はプラスチックで構成されている。ここで用いるプラスチック材料としては、第3レンズL33にはポリカーボネートを使用し、第2レンズL32および第4レンズL34はポリオレフイン系のゼオネックス(登録商標)を用いている。
また、結像光学系の像面には、1/3インチ、200万画素(画素間隔P=3.0μm)の撮像素子が配置されている。
また本実施例のスペックは、焦点距離4.90mm、Fno(開放Fナンバー)2.8、像高3.0mmであり、半画角31゜の広角の光学系である。
次に、第3実施例の光学結像系を構成する光学部材の数値データを示す。
数値データ3(第3実施例:図3)
物体面 ∞
1=−193.36(非球面)
1=0.69 nd1=1.5831 νd1=59.4
2=−3.28(非球面)
2=0.05
3=∞ (絞り)
3=0.08
4=4.47(非球面)
4=0.64 nd4=1.5256 νd4=56.4
5=11.35(非球面)
5=0.92
6=−0.78(非球面)
6=0.50 nd6=1.5839 νd6=30.2
7=−1.38(非球面)
7=0.05
8=2.84(非球面)
8=2.00 nd8=1.5256 νd8=56.4
9=231.45(非球面)
9=2.09
P=∞ (撮像面)
非球面係数
第1面
K=−2.6850×105
A4=−6.2047×10-2 A6=2.8252×10-3
第2面
K=6.6594×10-1
A4=−1.2310×10-2 A6=−5.3142×10-4
第4面
K=7.5902
A4=4.6552×10-2 A6=−2.3834×10-3
第5面
K=0
A4=−4.8378×10-3 A6=−7.5951×10-3
第6面
K=−8.0643×10-1
A4=2.2939×10-1 A6=−3.7555×10-2
第7面
K=−8.9580×10-1
A4=9.5163×10-2 A6=6.4385×10-3
第8面
K=−1.0500×10
A4=6.7626×10-5
第9面
K=−1.8617×1011
A4=6.3357×10-4 A6=−7.1839×10-4
図4は本発明による結像光学系の第4実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図である。図8は第4実施例にかかる光学系の合焦時における球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。
図4において、この結像光学系は、物体側Xから順に、正屈折力のメニスカスレンズL41、明るさ絞りS、正屈折力のレンズL42、負屈折力のメニスカスレンズL43、正屈折力のレンズL44から構成されている。図中、Iは撮像素子の撮像面である。また、これらのレンズL41,L42,L43およびL44の両面は非球面である。
正屈折力のメニスカスレンズL41は、第1レンズである。この正屈折力のメニスカスレンズL41は、物体側に凹面を向けている。正屈折力のレンズL42は、第2レンズである。負屈折力のメニスカスレンズL43は、第3レンズである。この負屈折力のメニスカスレンズL43は、像側に凸面を向けている。正屈折力のレンズL44は、第4レンズである。
本実施例では第1レンズL41はガラスで構成されている。また、第2レンズL42、第3レンズL43および第4レンズL44はプラスチックで構成されている。ここで用いているプラスチック材料としては第3レンズL43にはポリカーボネートが用いられており、第2レンズL42、第4レンズL44にはポリオレフイン系のゼオネックス(登録商標)が使用されている。
また、結像光学系の像面には、1/3インチ、130万画素(画素間隔P=3.6μm)の撮像素子が配置されている。
また本実施例のスペックは、焦点距離4.34mm、Fno(開放Fナンバー)2.0、像高3.0mmであり、半画角34゜の広角の光学系である。
次に、第4実施例の光学結像系を構成する光学部材の数値データを示す。
数値データ4(第4実施例:図4)
物体面 ∞
1=−30.00(非球面)
1=0.62 nd1=1.5831 νd1=56.4
2=−3.39(非球面)
2=0.05
3=∞ (絞り)
3=0.05
4=6.47(非球面)
4=0.63 nd4=1.5256 νd4=56.4
5=−118.66(非球面)
5=1.17
6=−0.67(非球面)
6=0.50 nd6=1.5839 νd6=30.2
7=−1.15(非球面)
7=0.05
8=2.34(非球面)
8=2.00 nd8=1.5256 νd8=56.4
9=146.49(非球面)
9=1.87
P=∞ (撮像面)
非球面係数
第1面
K=3.0461×102
A4=−5.7968×10-2 A6=−5.0086×10-3
第2面
K=1.2822
A4=−3.2530×10-2 A6=6.5877×10-4
第4面
K=−1.1766×10
A4=2.5497×10-2 A6=−1.1011×10-2
第5面
K=0
A4=−1.3653×10-2 A6=−2.4989×10-2
A8=2.5114×10-3
第6面
K=−8.7420×10-1
A4=2.4172×10-1 A6=−3.1173×10-2
A8=1.1131×10-2
第7面
K=−6.1720×10-1
A4=8.6272×10-2 A6=2.5730×10-2
A8=1.2117×10-4
第8面
K=−8.9329
A4=1.3227×10-3 A6=−7.7576×10-5
第9面
K=−1.8617×1011
A4=−4.8201×10-4 A6=−3.6677×10-4
本発明の実施例は一部レンズをプラスチックにて構成しているが、プラスチックをガラスで構成することができる。例えば、本実施例で用いる材料よりも屈折率の高いガラスを用いれば、さらに高性能な光学系にすることが可能である。また特殊低分散ガラスを用いれば色収差の補正にとって有効である。またレンズをプラスチックにて構成する場合には、低吸湿材料を用いることにより、環境変化による性能の劣化を軽減できる。
またゴースト、フレア等の不要光をカットするために、明るさ絞り以外にフレア絞りを用いても良い。このフレアー絞りは、第1レンズの前、第1レンズから明るさ絞りSの間、明るさ絞りSから第2レンズの間、第2レンズと第3レンズの間、第3レンズと4レンズの間、第4レンズから像面間のいずれの場所に配置しても良い。このフレアー絞りとしての作用を持たせるためには、枠によりフレア光線をカットする方法でも良い。また、別の部材を設けることによって、フレアー光線をカットする方法でも、いずれでもよい。また光学系に直接印刷したり、塗装したり、シールなどを接着することにより、フレアー絞りを構成しても良い。また絞りの形状としては、円形、楕円形、矩形、多角形、関数曲線で囲まれる範囲等、いかなる形状でも良い。また有害光束をカットするだけでなく画面周辺のコマフレア等の光束をカットするものでも良い。
また、各レンズには反射防止コートを行い、ゴースト、フレアを軽減することができる。マルチコートであれば効果的にゴースト、フレアを軽減できる。また、レンズ面やカバーガラスなどに、赤外カットコートを行っても良い。また、ピント調節を行うためにフォーカシングを行っても良い。フォーカシング方法として、レンズ系全体の繰り出し、一部レンズの繰り出し、もしくは繰り込みがある。
また、画像周辺部の明るさの低下をCCDのマイクロレンズをシフトすることにより軽減させても良い。例えば、各像高における光線の入射角に合わせてCCDのマイクロレンズの設計を変えても良い。また画像処理により画像周辺部の低下量の補正を行ってもよい。
図9(a)は撮像光学系に本発明の結像光学系を含んだデジタルカメラの外観を示す前側斜視図、図9(b)は同カメラの後側斜視図である。図において、1は撮影光路2を有する撮影光学系、3はファインダー用光路4を有するファインダー光学系、5はシャッター釦、6はフラッシュ、7は液晶表示モニターである。また、カメラの上部に配置されたシャッター釦5を押すと、それに連動して撮影光学系1を通して撮影が行われるようになっている。
図10(a)は撮像光学系に本発明の結像光学系を含んだ携帯電話の一例の正面図、図10(b)は同側面図である。図中、10はマイク部、11はスピーカ部、12は入力ダイアル、13はモニター、14は撮影光学系、15は通信電波の送信と受信を行うアンテナである。マイク部10は操作者の声を情報として入力し、スピーカ部11は通話相手の声を出力する。入力ダイアル12は操作者が情報を入力するのに用いられ、モニター13は操作者自身や通話相手等の撮影像と電話番号等の情報を表示する。アンテナ15は通信電波の送信と受信を行なう。
撮影光学系14は、撮影光路16上に配置された本発明の結像光学系と、像を受光する撮像素子とを有し、これらは携帯電話に内蔵されている。撮像素子の前面にはIRカットフィルターが設けられ、また、撮影光学系14の先端には該光学系を保護するためのカバーガラスが配置されている。撮像素子で受光された物体像は、携帯電話に内蔵された図示しない処理手段に入力され、電子画像としてモニター13に、または、通信相手のモニターに、または、その両方に表示される。また、通信相手に画像を送信する場合には、上記処理手段に含まれる信号処理機能により、撮像素子で受光された物体像の情報が送信可能な信号へ変換されるようになっている。
実施例1乃至4について上記条件式により計算した数値の表を次に示す。
条件式計算表
本発明による結像光学系に用いるレンズの第1実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明による結像光学系に用いるレンズの第2実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明による結像光学系に用いるレンズの第3実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明による結像光学系に用いるレンズの第4実施例にかかる光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明による結像光学系の第1実施例にかかる光学構成の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明による結像光学系の第2実施例にかかる光学構成の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明による結像光学系の第3実施例にかかる光学構成の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 本発明による結像光学系の第4実施例にかかる光学構成の球面収差、非点収差、歪曲収差を示す図である。 (a)は、本発明の結像光学系を用いたデジタルカメラの概略構成を示す前側斜視図、(b)は、同カメラの後側斜視図である。 (a)は、本発明の結像光学系を用いた携帯電話の概略構成を示す正面図、(b)は、同側面図である。
符号の説明
S 絞り
P 撮像素子面
L11、L21、L31、L41 正屈折力の第1レンズ
L12、L22、L32、L42 正屈折力の第2レンズ
L13、L23、L33、L43 負屈折力の第3レンズ
L14、L24、L34、L44 正屈折力の第4レンズ
1 撮影光学系
2 撮影光路
3 ファインダー光学系
4 ファインダー用光路
5 シャッター釦
6 フラッシュ
7 液晶表示モニター
10 マイク部
11 スピーカ部
12 入力ダイアル
13 モニター
14 撮影光学系
15 アンテナ
16 撮影光路

Claims (5)

  1. 物体側から、順に、第1レンズとしての物体側に凹を向けた正屈折力のメニスカスレンズ、明るさ絞り、第2レンズとしての物体側に凸を向けた正屈折力のレンズ、第3レンズとしての像側に凸を向けた負屈折力のメニスカスレンズ、第4レンズとしての正屈折力のレンズが配置されており、
    次の条件式を満たすことを特徴とする結像光学系。
    0.3 < f12/f < 2.0
    −0.30 < f12/f34 < 0.60
    ただし、f12は前記第1レンズと前記第2レンズとの合成焦点距離、f34は前記第3レンズと前記第4レンズとの合成焦点距離、fは前記結像光学系全系の焦点距離である。
  2. 請求項1において、前記第4レンズの物体側もしくは像側の面のうち少なくとも1つが非球面であることを特徴とする結像光学系。
  3. 前記第1レンズ、前記第2レンズ、前記第3レンズおよび前記第4レンズのうち一部のレンズはプラスチックレンズであり、
    前記結像光学系の全長をTL、前記結像光学系を構成するプラスチックレンズにおける最小軸上肉厚をMLとしたとき、次の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の結像光学系。
    0.02 < ML/TL < 0.15
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の結像光学系を備えた電子機器
  5. 複数の画素を有する撮像素子と、請求項1に記載の結像光学系を備え
    前記結像光学系の開放FナンバーをFno、前記撮像素子の画素間隔をPとするとき、次の条件式を満足することを特徴とする電子機器。
    0.30[1/μm] < Fno/P[μm] < 2.40[1/μm]
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