JP4658023B2 - 板状アパタイト強化樹脂組成物 - Google Patents
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Description
そのため、従来技術とは異なった様々な機械工業部品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、表面外観およびリワーク性に優れる、物性バランスのよい樹脂組成物が工業的に望まれていた。
一方、樹脂とアパタイトからなる組成物としては、特許文献2に、ポリエステル樹脂と平均一次粒径が5から200nm、平均二次粒径が0.1から10μmであり、かつ二次粒径の相対標準偏差が0.95以下のヒドロキシアパタイトから成るポリエステル組成物が開示されている。さらに、特特許文献3に、高分子樹脂と平均繊維径が5から20μm、平均繊維長が100μmから5mmの繊維状ヒドロキシアパタイトから成る組成物が開示されている。ここで、教示されたアパタイトの特徴は、前者は微細ではあるが、アパタイトの平均アスペクト比に関する記述がなく、また後者は高いアスペクト比を有するが、平均径が大きいといえる。
ところで、微細で高いアスペクト比を有する針状化したアパタイトに関しては、吉村昌弘らにより、非特許文献1で開示されている方法、すなわち、低結晶性アパタイトにエチレンジアミン四酢酸などの添加物を加えて、水熱合成する方法が開示されているが、本発明者らの検討によると、その収率が著しく低く、工業的に用いることは困難である。
そのため、従来の技術では、樹脂および、微細で高いアスペクト比を有するアパタイトから成る樹脂組成物は知られておらず、その特性についても未知であった。
すなわち、本発明は以下に記載する通りのものである。
2.平均アスペクト比(L/d)が20以上の粒子形状で該樹脂組成物中に存在することを特徴とする上記1に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
3.板状アパタイトを構成するカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)とカルシウム(Ca)のモル比Ca/(Ca+X)が0.80〜1.00であることを特徴とする上記1又は2に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
4.板状アパタイトが、リン酸八カルシウム化合物を40℃〜400℃で加熱処理して得られることを特徴とする上記1から3のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
5.樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ゴムのいずれかから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記1から4のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
6.樹脂および板状アパタイトとを溶融混練法により配合し得られることを特徴とする上記5に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物。
7.樹脂原料と板状アパタイトとを配合し樹脂の重合し得られることを特徴とする上記5に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物。
8.樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする上記6に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
9.樹脂原料がポリアミド原料であることを特徴とする上記7に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
10.樹脂と、リン(P)と、カルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比(Ca+X)/Pが1.41〜1.61であり、平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上である板状アパタイトとを配合して得られることを特徴とする板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
11.平均アスペクト比(L/d)が20以上の粒子形状で該樹脂組成物中に存在することを特徴とする上記10に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
12.板状アパタイトを構成するカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)とカルシウム(Ca)のモル比Ca/(Ca+X)が0.80〜1.00であることを特徴とする上記10又は11に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
13.板状アパタイトが、リン酸八カルシウム化合物を40℃〜400℃で加熱処理して得られることを特徴とする上記10から12のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
14.樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ゴムのいずれかから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする上記10から13のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
15.樹脂および板状アパタイトとを溶融混練法により配合することを特徴とする上記14に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
16.樹脂原料と板状アパタイトとを配合し樹脂の重合することを特徴とする上記14に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
17.樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする上記15に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
18.樹脂原料がポリアミド原料であることを特徴とする上記16に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
本発明は、樹脂および板状アパタイトから成る樹脂組成物であって、該アパタイトがリン(P)と、カルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比(Ca+X)/Pが1.41〜1.61であり、その平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上である板状粒子で存在することを特徴とする樹脂組成物に係わる。
本発明で好ましく用いられる樹脂は特に制限されないが、熱可塑性樹脂又はゴム、熱硬化性樹脂を好ましい樹脂として挙げることができる。
これらの他に、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化樹脂等も用いることができる。これら樹脂は、1種でもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、これら樹脂の中でも、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂及びゴムから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂が、より好ましく用いられる。
平均長さL=ΣLi2Ni/ΣLiNi
平均厚みd=Σdi2Ni/ΣdiNi
平均アスペクト比L/d=(ΣLi2Ni/ΣLiNi)/(Σdi2Ni/ΣdiNi)
と定義することができる。
以下、本発明で用いられる板状アパタイトについて、詳しく説明する。
一般にアパタイトは下記一般式(I)で示される。
(M)10−z(HPO4)z(PO4)6−z(Y)2−z・nH2O (I)
式中、0≦z≦2、0≦n≦16であり、(M)は金属元素、(Y)は陰イオン又は陰イオン化合物である。
上記(Y)で示される陰イオン又は陰イオン化合物としては、水酸イオン(OH−)、フッ素イオン(F−)、塩素イオン(CL−)等を挙げることができる。これら陰イオン元素又は陰イオン化合物は1種であっても、2種以上であってもよい。また、前記一般式中のリン酸水素イオン(HPO4 2−)、リン酸イオン(PO4 3−)、又は(Y)の一部が炭酸イオン(CO3 2−)に置換した炭酸含有アパタイトであってもよい。
さらに、カルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)とカルシウム(Ca)のモル比Ca/(Ca+X)は、好ましくは0.80から1.00であり、さらに好ましくは0.90から1.00であり、もっとも好ましくは0.95から1.00である。上記範囲をはずれると、より微細で高アスペクト比の板状のアパタイトとなりにくい傾向にある。
リン酸八カルシウム化合物とは下記一般式で示される。
Ca8H2(PO4)6・nH2O (0≦n≦5)
該リン酸カルシウムの形状は一般的に層状であり、その厚さは100nm以下であることが知られている。
上記リン酸八カルシウムは、カルシウムや水素の代わりに、元素周期律表の1、2(カルシウムを除く)、3、4、5、6、7、8、11、12、13族元素およびスズ、鉛などのカルシウム以外の金属元素が置換されていてもかまわない。中でも、カルシウム以外の金属元素としては、2族元素であるマグネシウム、ストロンチウム、バリウム、さらに、銅、鉄あるいはこれらの2種以上からなる混合物であることが特に好ましい。カルシウム(Ca)とカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比Ca/(Ca+X)は、結晶性の観点から、好ましくは0.70から1.00であり、さらに好ましくは0.80から1.00であり、もっと好ましくは0.95から1.00である。
一方、リン酸八カルシウム化合物粒子0.5gを秤量し濃硫酸を20mL加え、ヒーター上で湿式分解し、冷却後、過酸化水素5mLを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mLになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mLとし、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、リンの特性波長213.618(nm)にてリン濃度を定量する。
(製造方法−1) リン酸八カルシウム化合物をスラリー状として加熱処理する方法、
(製造方法−2) リン酸八カルシウム化合物を粉末状として加熱処理する方法
があげられる。
製造方法−1
リン酸八カルシウム化合物のスラリーを加熱処理する際の溶媒に対する濃度は特に限定されないが、収率よく板状アパタイトを得る観点から、好ましくは溶媒100質量部に対して、リン酸八カルシウム化合物が0.01〜300質量部であり、さらに好ましくは0.1〜100質量部であり、もっとも好ましくは1〜50質量部である。
前記溶媒としては、生成する板状アパタイトの形状から判断して、水または親水性有機溶媒の中から選ばれた少なくとも1種からなる溶媒が好ましい。親水性有機溶媒とは、水と相溶する溶媒であれば特に限定しないが、好ましいものとしては、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール等アルコール系溶媒やN,N−ジメチルホルムアミド、アセチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他アセトン、エーテル、ジメチルスルフォキシドなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。また水と上記親水性有機溶媒とを混合して用いてもかまわない。混合する場合の配合割合については特には限定されないが、両者が相分離しない程度が好ましい。
その際、水熱合成法を用いて加熱を行っても良い。合成する際の圧力は、加圧下であれば特に限定されないが、微細でかつ板状化したアパタイトを効率的に得るという観点から、好ましくは0.5MPa以上であり、より好ましくは1.0Mpa以上であり、更には1.5Mpa以上であり、最も好ましくは2.0Mpa以上である。
本発明で用いられる水熱合成を行う装置は、オートクレーブなどの耐圧反応容器を用いることができ、特に限定されるものではない。中でも高アスペクト比の板状アパタイト粒子を得るといった観点から、攪拌装置を装備しているオートクレーブ型反応容器が最も好ましい。
水熱合成時間は、反応を完結させるため、任意に決めることができるが、2時間以上とすることが好ましく、さらに好ましくは4時間以上である。
これらの中でもアニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤を用いることが好ましく、特に、価格および物性の観点から、クエン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステル類などを用いることがより好ましい。
前記カップリング剤は、特に制限するものではなく、公知のカップリン剤を用いることができる。中でも、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤が好ましいものとして挙げることができる。
この中でもγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(1,1−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのアミノシランおよびエポキシシランが経済性に優れ、取り扱い易いため、好ましく用いられる。
これら分散剤は、該アパタイト100質量部に対して、0.001〜100質量部の範囲で加えることが好ましく、0.01〜20質量部の範囲がさらに好ましく、0.05〜10質量部の範囲が最も好ましい。
表面処理は、シラン系カップリング剤やチタン系カップリング剤、又はフィルム形成剤等の表面処理剤として用いて行うことができる。
製造方法−a
本製造方法−aでは、樹脂と、あらかじめ製造した平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上であるアパタイトを配合して得る方法であるが、該アパタイトは、前記製造方法−1から2で製造されたスラリー又は粉末状のものを使用することができる。
配合する方法としては、樹脂と溶融混練して製造する方法、樹脂と溶液中で混合する方法等を挙げることができる。また、上記の方法を用いて樹脂に高濃度の該アパタイトを含有するマスターバッチとした後、マスターバッチと樹脂とを混合する方法でもよい。更には、これら方法を必要に応じて組み合わせてもよい。
その際の樹脂と該アパタイトの配合割合は特に限定されるものではないが、樹脂100質量部に対して、好ましくは該アパタイト0.01から1000質量部、より好ましくは0.05から500質量部、もっとも好ましくは0.1から300質量部である。
溶融混練の条件は、特に制限されるものではないが、減圧度に関しては、0〜0.07Mpaが好ましい。混練の温度は、JISK7121に準じた示差走査熱量(DSC)測定で求まる融点又は軟化点より1〜100℃高い温度が好ましい。混練機での剪断速度は100(SEC−1)以上であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は、1〜15分が好ましい。樹脂組成物中の溶媒は1質量%以下であることが好ましい。上記範囲内であれば、生産性が低下したり、成形加工性が低下したり、得られた成形品の外観が十分でなかったり、また物性の改良効果が十分でなかったりといった現象が起こりにくい。
本製造方法−bでは、樹脂原料と、あらかじめ製造した平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上であるアパタイトを配合して重合して得る方法であるが、該アパタイトは、前期アパタイトの製造方法−1から2で製造されたスラリー又は粉末状で使用することができる。
樹脂原料に配合する方法としては、樹脂原料粉末やその溶液に直接該アパタイトを加える方法や該アパタイトを溶媒中に分散させてスラリー状として樹脂原料に添加する方法があげられる。さらに該アパタイト粉末またはスラリーを、樹脂原料の重合過程途中で加えた後に、重合を続けてもかまわない。その際、樹脂原料と該アパタイトの配合割合は特に限定されるものではないが、樹脂100質量部に対して、好ましくは該アパタイト0.01から1000質量部、より好ましくは0.05から500質量部、もっとも好ましくは0.1から300質量部である。
樹脂の重合方法に関してはとくに制限がなく、公知の方法を用いることができる。
この中でも、樹脂原料としてポリアミド原料を使用する場合が好ましく、先ず、ポリアミド原料と該アパタイトを配合し、次いで、ポリアミドの重合を行うのが好ましい方法である。
ポリアミド原料と該アパタイトの配合方法としては、固体状のポリアミド原料と該アパタイトを直接混合する方法、ポリアミド原料の水溶液と該アパタイトのスラリーを配合する方法などのいずれによってもよい。
さらには、ジアミン成分とジカルボン酸成分からなる固体塩や重縮合物の融点以下の温度で行う固相重合法、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分とを溶液中で重縮合させる溶液法なども用いることができる。これらの方法は必要に応じて組合わせてもよい。重合形態としては、バッチ式でも連続式でもよい。重合装置も特に制限されるものではなく、公知の装置、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、ニーダーなどの押出機型反応器などを用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂中のアパタイトが平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上である粒子形状で存在する。
具体的に説明すると、樹脂組成物のペレットや成形品から、20〜80nmの超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて1〜10万倍の倍率で明視野像を撮り、最低100個のアパタイトの分散状態の観察を行い求めることができる。
平均長さL=ΣLi2Ni/ΣLiNi
平均厚みd=Σdi2Ni/ΣdiNi
平均アスペクト比L/d=(ΣLi2Ni/ΣLiNi)/(Σdi2Ni/ΣdiNi)
本発明の樹脂組成物には、更なる熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、耐候性の向上を目的に、劣化抑制剤を添加しても差し支えない。前記劣化抑制剤は、ヒンダードフェノール化合物などのフェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定剤から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
本発明の樹脂組成物には、導電性カーボンブラックを添加しても差し支えない。前記導電性カーボンブラックは、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブなどから選ばれる少なくとも1種のカーボンブラックであり、中でも良好な鎖状構造を有し凝集密度が大きいものが好ましい。
前記非ハロゲン系難燃剤は、赤リン、リン酸アンモニウム、あるいはポリリン酸アンモニウムなどのリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズ、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず酸亜鉛などの金属水酸化物あるいは無機金属化合物の水和物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウムなどのホウ酸化合物などの無機化合物系難燃剤、メラミン、メラム、メレム、メロン(300℃以上でメレム3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグルタログアナミン、メラミン樹脂などのトリアジン系難燃剤、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリカなどのシリコーン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難燃剤である。
前記臭素系難燃剤は、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ系重合体および臭素系架橋芳香族重合体からなる化合物類から選ばれる少なくとも1種の難燃剤である。
本発明の樹脂組成物は、各種成形加工性に優れるため、公知の成形方法、例えばプレス成形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、発泡成形、溶融紡糸など、一般に知られているプラスチック成形方法を用いても、良好に成形加工ができる。
本発明の樹脂組成物は、強度、剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、またウエルド強度保持率、寸法特性、表面外観およびリワーク性に優れるため、包装・容器等の汎用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野等の各種部品等への応用が期待される。
(1)数平均分子量(Mn)
ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー(株)製HLC−8020、検出器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、カラムは東ソー(株)製TSKgel−GMHHR−Hを2本とG1000HHRを1本用いた。溶媒流量は0.6ml/min、サンプル濃度は、1〜3(mgサンプル)/1(ml溶媒)であり、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料とした。得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算により、数平均分子量(Mn)を算出した。
(2)アパタイトの含有量(質量部/100質量部熱可塑性樹脂)
樹脂組成物を100±20℃で8時間乾燥し冷却する。白金皿に、乾燥した樹脂組成物を1gとり、650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、アパタイトの含有量を定量した。
原料、アパタイト原料液あるいはアパタイトのカルシウム、カルシウム以外の金属およびリンを定量し、モル比を算出した。例として、カルシウムとリンの定量方法を示す。カルシウム以外の金属の場合は、使用した金属の特性波長によって定量した。
(3−1)カルシウムの定量:
原料、アパタイト原料液あるいはアパタイト0.5gを白金皿に秤量し、500℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純水を加え500mlとした。装置はThermo Jarrell Ash製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.933nmにて定量した。
(3−2)リンの定量:
原料、アパタイト原料液あるいはアパタイト0.5gを秤量し濃硫酸を20ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500mlとした。装置はThermo Jarrell Ash製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長213.618(nm)にて定量した。
測定条件は以下のとおりである。
X線:銅Kα
波数:0.1542nm
管電圧:40KV
管電流:200mA
走査速度:4deg./min
発散スリット:1deg.
散乱スリット:1deg.
受光スリット:0.15mm
成形品を用いて、Reichert−Nissei製クライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作所(株)製HF−2000用いて、5.0万倍の明視野像を撮影し、100個の粒子を任意に選択して、アパタイトの平均厚みおよび平均アスペクト比を求めた。
(6)樹脂組成物の物性
射出成形機(日精樹脂(株)PS40E)を用いて物性評価用の成形品を作成した。
(6−1)曲げ弾性率(Gpa)および曲げ強度(Mpa)
ASTM D790に準じて行った。
(6−2)引張り強度(Mpa)および引張り伸度(%)
ASTM D638に準じて行った。
(6−3)ノッチ付きIzod衝撃強度(J/m)
ASTM D256に準じて行った。
(6−4)荷重たわみ温度(℃)
ASTM D648に準じて行った。
(6−5)表面外観
堀場製ハンディー光沢計IG320を用いて、JIS K7150に準じて60°グロスを測定した。
(6−6)線膨張係数
Perkin−Elmer社製TMA−7を用いて、5.00℃/minの昇温速度で測定し、−23〜80℃の温度範囲で測定した。
(6−7)リワーク性
成形品(初期成形品)を粉砕機により粉砕し、得られた粉砕品を用いて成形を行った。この操作を更に4回繰り返し、最終的に得られた成形品(リワーク品)の引張り強度を測定し、
(リワーク品の引張強度)/(初期成形品の引張強度)
の引張強度保持率で比較した。
(製造例1−1)
リン酸水素カルシウム二水和物240.0g(1.395モル)と炭酸カルシウム46.6g(0.466モル)を蒸留水8000mlに加えた。この縣濁液を300rpmで攪拌しながら50℃に加熱し、この状態を8時間保持した。その後、攪拌、加熱を止め、白色縣濁液を濾過、蒸留水による洗浄を十分な回数繰り返し行った後、40℃にて乾燥し、リン酸八カルシウム化合物粉末(1)を得た。評価結果を表1に示す。
(製造例1−2)
α−リン酸三カルシウム80.0g(0.258モル)を0.25Mの酢酸ナトリウム水溶液4000mlに加えた。この縣濁液を300rpmで攪拌しながら50℃に加熱し、この状態を8時間保持した。その後、攪拌、加熱を止め、白色縣濁液を濾過、蒸留水による洗浄を十分な回数繰り返し行った後、40℃にて乾燥し、リン酸八カルシウム化合物粉末(2)を得た。評価結果を表1に示す。
板状アパタイトの製造例
製造例1−1で得たリン酸八カルシウム化合物粉末(1)100.0gを蒸留水2000mlに加え、この縣濁液を300rpmで攪拌しながら60℃に加熱し、この状態を8時間保持した。その後、攪拌、加熱を止め、白色縣濁液を濾過、蒸留水による洗浄を十分な回数繰り返し行った後、80℃にて乾燥し、白色粉末を得た。評価結果を表2に示す。
(製造例2−2)
製造例1−2で得たリン酸八カルシウム化合物粉末(2)を用いた以外は製造例2−1と同様に実施した。評価結果を表2に示す。
(製造例2−3)
製造例1−1で得たリン酸八カルシウム化合物粉末(1)100.0gを蒸留水2000mlに加え原料液とした。その後、攪拌装置を有する5Lオートクレーブ中に原料液を入れ、300rpmで攪拌しながら、窒素で十分置換した後、220℃に昇温した。この時の圧力は2.5MPaであった。この状態を2時間保持し、水熱合成を行った。その後、加熱をやめ室温まで冷却し、攪拌装置を停止し、白色縣濁液を抜き出した。得られた白色縣濁液を濾過、蒸留水による洗浄を十分な回数繰り返し行った後、80℃にて乾燥し、白色粉末を得た。評価結果を表2に示す。
(製造例2−4)
製造例1−1で得たリン酸八カルシウム化合物粉末(1)100.0g、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸の等モル塩5.0g(19.1ミリモル)を蒸留水2000mlに加えた。以後の操作は製造例2−1と同様に行い、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の少なくともいずれかが付着した白色粉末を得た。評価結果を表2に示す。
(製造例2−5)
製造例1−1で得たリン酸八カルシウム化合物粉末(1)100.0gをるつぼに入れて、酸素雰囲気下、180℃のオーブンに1時間保持した。その後、めのう乳鉢にて粉砕した。評価結果を表2に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、製造例2−4で得た板状アパタイト(2−4)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、製造例2−5の板状アパタイト(2−5)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を50質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
実施例1から5で用いたポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)を評価した。評価結果を表3に示す。
[比較例2]
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して、太平化学産業(株)製ヒドロキシアパタイトHAP−200(平均径(d)0.4ミクロン、平均長(L)2ミクロンの六角柱状結晶、平均アスペクト比(L/d)=5)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表3に示す。
ポリフェニレンエーテル(旭化成(株)製:ザイロン(登録商標)500H)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表4に示す。
ポリオキシメチレン(旭化成(株)製:テナック(登録商標)C4520)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。評価結果を表4に示す。
ポリブチレンテレフタレート(東レ(株)製:トレコン(登録商標)1401−X34)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表4に示す。
ポリトリメチルテレフタレート(シェル社製:CP−BR)100質量部に対して、製造例2−1の板状アパタイト(2−1)を10質量部になるように混合し、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いて、溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の評価結果を表4に示す。
実施例6で用いた、ポリフェニレンエーテルを評価した。この樹脂の評価結果を表5に示す。
[比較例4]
実施例7で用いた、ポリオキシメチレンを評価した。この樹脂の評価結果を表5に示す。
[比較例5]
実施例8で用いた、ポリブチレンテレフタレートを評価した。この樹脂の評価結果を表5に示す。
[比較例6]
実施例9で用いた、ポリトリメチルテレフタレートを評価した。この樹脂の評価結果を表5に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、純水200gに懸濁させた製造例2−1で得た板状アパタイト65.0gを、5Lのオートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。充分に窒素で置換した後、温度を室温から220℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後、内温が270度に達した時点で水を系外に除去しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止め、系を密封してから室温まで冷却した。オートクレーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機により粉砕した。こうして得られたポリアミド樹脂組成物は、粉砕品、射出成形品として評価した。評価結果を表6に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、純水200gに懸濁させた製造例2−4で得た板状アパタイト65.0gを、5Lのオートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例10と同様に行った。評価結果を表6に示す。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、純水200gに懸濁させた太平化学産業(株)製ヒドロキシアパタイトHAP−200(平均径(d)0.4ミクロン、平均長(L)2ミクロンの六角柱状結晶、平均アスペクト比(L/d)=5)65.0gを、5Lのオートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。以後の操作は実施例10と同様に行った。評価結果を表6に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対して製造例2−1で得た板状アパタイト10質量部とガラス短繊維(旭ファイバーガラス(株)製:JA416)15質量部を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いてシリンダー温度290℃、回転数250rpm、レート40Kg/hで溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、板状アパタイト、ガラス短繊維はサイドフィーダーより投入した。得られた樹脂組成物の評価結果を表7に示す。
実施例1で得た、製造例2−1で得た板状アパタイトをあらかじめ溶融混練したポリアミド樹脂組成物100質量部に対してガラス短繊維(旭ファイバーガラス(株)製:JA416)15質量部を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いてシリンダー温度290℃、回転数250rpm、レート40Kg/hで溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、ガラス短繊維はサイドフィーダーより投入した。得られた樹脂組成物の評価結果を表7に示す。
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩10.5Kgとヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩4.5kgと純水20Kgを70Lのオートクレーブ中に仕込みよく攪拌した。充分に窒素で置換した後、温度を室温から220℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上にならないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後、内温が270度に達した時点で水を系外に除去しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止め、下部ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ポリアミド66/ポリアミド6Iを得た。GPCによる数平均分子量は10500であった。合成したポリアミド66/ポリアミド6I、100質量部に対して製造例2−1で得た板状アパタイト10質量部とガラス短繊維(旭ファイバーガラス(株)製:JA416)50質量部を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いてシリンダー温度290℃、回転数250rpm、レート40Kg/hで溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、板状アパタイト、ガラス短繊維はサイドフィーダーより投入した。得られた樹脂組成物の評価結果を表7に示す。
ポリアミド66(旭化成(株)製:レオナ(登録商標)1300)100質量部に対してガラス短繊維(旭ファイバーガラス(株)製:JA416)15質量部を二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35)を用いてシリンダー温度290℃、回転数250rpm、レート40Kg/hで溶融混練し、樹脂組成物を得た。なお、ガラス短繊維はサイドフィーダーより投入した。得られた樹脂組成物の評価結果を表7に示す。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
Claims (18)
- 樹脂および板状アパタイトから成る樹脂組成物であって、得られた該樹脂組成物中に存在する該アパタイトがリン(P)と、カルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比(Ca+X)/Pが1.41〜1.61であり、その平均厚み(d)が100nm以下、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上の粒子形状で該樹脂組成物中に存在することを特徴とする板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 平均アスペクト比(L/d)が20以上の粒子形状で該樹脂組成物中に存在することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 板状アパタイトを構成するカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)とカルシウム(Ca)のモル比Ca/(Ca+X)が0.80〜1.00であることを特徴とする請求の範囲第1又は第2項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 板状アパタイトが、リン酸八カルシウム化合物を40℃〜400℃で加熱処理して得られることを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ゴムのいずれかから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 樹脂および板状アパタイトとを溶融混練法により配合し得られることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物。
- 樹脂原料と板状アパタイトとを配合し樹脂を重合し得られることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物。
- 樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 樹脂原料がポリアミド原料であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 樹脂と、リン(P)と、カルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)のモル比(Ca+X)/Pが1.41〜1.61であり、平均厚み(d)が100nm以下であり、かつ、該平均厚み(d)と平均長さ(L)との比である平均アスペクト比(L/d)が5以上である板状アパタイトとを配合して得られることを特徴とする板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
- 平均アスペクト比(L/d)が20以上の粒子形状で該樹脂組成物中に存在することを特徴とする請求の範囲第10項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物。
- 板状アパタイトを構成するカルシウム(Ca)およびカルシウム以外の金属(X)とカルシウム(Ca)のモル比Ca/(Ca+X)が0.80〜1.00であることを特徴とする請求の範囲第10項又は第11項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
- 板状アパタイトが、リン酸八カルシウム化合物を40℃〜400℃で加熱処理して得られることを特徴とする請求の範囲第10項から第12項のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂が、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、ゴムのいずれかから選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求の範囲第10項から第13項のいずれかに記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂および板状アパタイトとを溶融混練法により配合することを特徴とする請求の範囲第14項に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂原料と板状アパタイトとを配合し樹脂を重合することを特徴とする請求の範囲第14項に記載の板状アパタイト強化ポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂がポリアミド樹脂であることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
- 樹脂原料がポリアミド原料であることを特徴とする請求の範囲第16項に記載の板状アパタイト強化樹脂組成物の製造方法。
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