JP4655667B2 - 車両用電動機制御装置 - Google Patents

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本発明は、電動機がトルクを発生しているにも拘わらず、電動機の出力軸が負荷側から機械的に拘束されて回転しない状態(以下、ロック状態という)になったときに、インバーターのスイッチング素子が過温度になって破損するのを防止する車両用電動機制御装置に関する。
電動機のロック状態が発生して電流が1相のスイッチング素子に集中して流れた場合に、PWMインバーターのスイッチング周波数を低減してスイッチング損失を下げ、スイッチング素子の過温度による破損を防止するようにした車両用電動機制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開2001−134990号公報
しかしながら、上述した従来の車両用電動機制御装置では、PWMインバーターのスイッチング周波数の低減にともなって電動機の制御精度が低下するため、実用上、支障がない程度にまでしかスイッチング周波数を低減できず、スイッチング損失を十分に低減できないためにスイッチング素子の過温度による破損を防止することができないという問題がある。
交流電動機のロック状態が検出されたときに、アクセルペダルの踏み込み量に応じて決定されたトルク指令値を、駆動トルク伝達機構のねじれにより吸収される変化量だけ所定の周波数で変化させる。
本発明によれば、電動機がロック状態になったときに、インバーターのスイッチング素子が過温度になって破損するのを防止できる。
本発明をバッテリーを電源とする電気自動車に適用した一実施の形態を説明する。なお。本発明は燃料電池を電源とする燃料電池自動車FCV(Fuel Cell Vehicle)や、動力源としてエンジンを併用するハイブリッド電気自動車HEV(Hybrid Electric Vehicle)に適用することができる。
図1は一実施の形態の構成を示す。バッテリー1は電気自動車の電源であり、電源電圧平滑用コンデンサー2を介して3相PWMインバーター主回路5〜7へ直流電源を供給する。PWMインバーター主回路5〜7は、IGBTとダイオードが逆並列に接続された6組のスイッチング素子から構成される。
IGBT5aとダイオード5bの逆並列回路はU相P(電源)側のスイッチング素子を構成し、IGBT5cとダイオード5dの逆並列回路はU相N(GND)側のスイッチング素子を構成する。同様に、IGBT6aとダイオード6bの逆並列回路はV相P側のスイッチング素子を構成し、IGBT6cとダイオード6dの逆並列回路はV相N側のスイッチング素子を構成する。さらに、IGBT7aとダイオード7bの逆並列回路はW相P側のスイッチング素子を構成し、IGBT7cとダイオード7dの逆並列回路はW相N側のスイッチング素子を構成する。
電流センサー5e、6e、7eはそれぞれ走行駆動用3相交流モーター8のU相電流iu、V相電流iv、W相電流iwを検出する。また、回転角センサー9はモーター8の電気角θを検出する。
マイクロコンピューター3は、車両コントローラー(不図示)からトルク指令値Trを、電流センサー5e、6e、7eからU、V、W相のモーター電流iu、iv、iwを、回転角センサー9からモーター電気角θをそれぞれ入力し、3相モーター8のU、V、W各相に与えるPWMデューティーを決定する。なお、トルク指令値Trは、車両コントローラー(不図示)において車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて決定される。ドライバー4は、マイクロコンピューター3から送られるPWM駆動信号をレベル変換してスイッチング素子、すなわちIGBT5a、5c、6a、6c、7a、7cのゲートへ印加し、インバーター主回路5〜7を駆動する。
図2は、マイクロコンピューター3のソフトウエア形態による構成を示すブロック図である。dq変換部3aは、回転角センサー9により検出したモーター電気角θに基づいて電流センサー5e、6e、7eにより検出したU、V、W相電流iu、iv、iwをd軸電流idとq軸電流iqに変換する。微分器3bは、回転センサー9により検出したモーター電気角θを微分してモーター角速度ωを演算する。電流目標値作成部3cは、トルク指令値Trを入力し、モーター角速度ωに基づいてモーター8の出力トルクTrをトルク指令値Trに一致させるためのd軸電流目標値idとq軸電流目標値iqを演算する。
電流制御部(電流・電圧変換)部3dは、d軸とq軸の実電流id、iqをそれらの目標値id、iqに一致させるために必要なd軸電圧指令値vdとq軸電圧指令値vqを演算する。三相変換部3eは、d軸とq軸の電圧指令値vd、vqを3相U、V、Wの電圧指令値vu、vv、vwに変換する。PWM指令作成部3fは、バッテリー1の直流電圧Vbに基づいて3相U、V、W電圧指令値vu、vv、vwに応じたPWMデューティーを演算する。
トルク変動発生器10、モーターロック判断部11、スイッチ12および加算器13はスイッチング素子、特にIGBT5a、5c、6a、6c、7a、7cの過温度保護機能を実現するための制御ブロックである。これらの制御ブロック10〜13について説明する前に、モーターロック時のインバーター・スイッチング素子の過温度保護の必要性を説明する。
モーターに3相交流モーターを用いた場合に、回転中に一定のトルクを得るためには、U、V、Wの各相に図3に示すような電気角120度の位相差で正弦波状の電流を流す必要がある。図4は、モーターのU、V、W各相に図3に示す電流が流れたときのインバーターの各スイッチング素子に流れる電流を示す。例えば、U相P側のスイッチング素子5a、5bには電気角一周期の間に正弦波半周期分の電流が流れる。このスイッチング素子5a、5bの平均電流はピーク電流の1/3.14となる。
ところが、モーターロック時には最悪、1組のスイッチング素子にピーク電流が流れ続ける。図4において、例えば電気角90度のところでモーター8がロックしたと仮定すると、スイッチング素子5a、5bにはモーター回転時の平均電流の3.14倍の電流が集中して流れ続けることになる。スイッチング素子に流れる平均電流とスイッチング素子の温度上昇とはほぼ比例関係にあるので、モーターロック時に電流が集中した相の温度上昇はモーター回転時の3倍を超える可能性がある。
この状態でも破損しないようなスイッチング素子を選定してインバーター主回路を設計すると、コストとサイズが大幅にアップする。そのため、モーターロック時でもモーター回転時と同等レベルまで温度上昇を抑える技術が重要になる。
ところで、一般に自動車はドライブシャフトのねじりに起因する共振特性を持っている。この共振特性は走行中に“ガクガク”振動として現れるもので、従来からこの振動を抑制する技術が数多く提案されている。
図5は自動車の駆動トルク伝達機構を簡単にモデル化した図である。ねじれ振動周波数は、モーターのイナーシャとドライブシャフトのねじれ剛性で決まり、一般には数Hzから10数Hzに共振点を持つ。この共振特性は図6に示すように極めてピーキーで、減衰率は0.05〜0.1程度の場合が多い。
図7は、自動車の車輪をロックした状態でモーターからステップ状のトルク(a)を出力した場合のモーター回転角(b)を示す。この図から明らかなように、共振周波数で激しい振動が発生する。
この一実施の形態では、通常は自動車の乗り心地を悪化させる要因として対策を要するねじれ振動特性を積極的に利用する。具体的には、実用上誤差範囲程度のわずかなトルク変動、つまりモーターの出力トルクを正と負に交互に、わずかに振動させ、モーターを正方向と逆方向に交互に、わずかに回転させる。その結果、モーターロック時の1相に集中する電流を3相にほぼ均等に振り分けることができ、スイッチング素子の温度上昇は通常のモーター回転時の温度上昇とほぼ同じになり、モーターロック時のスイッチング素子の過温度による破損を防止できる。
なお、モーターロック時のスイッチング素子の過温度保護のためにモーター回転を正負に振動させる電気角は、少なくとも1相に集中する電流を3相に均等に振り分けることができるだけの電気角であればよい。その程度の電気角振動をモーターから発生させたとしても、電気自動車の走行駆動用モーターから駆動輪までの間に介在する駆動トルク伝達機構のねじれにより吸収されてしまい、駆動輪までは伝達されない。
一方、上述したように、自動車の駆動トルク伝達機構のねじれ振動に起因するガクガク振動は、乗り心地を著しく悪化させる。特に、トルクコンバーターを装備していない電気自動車では大きな問題になる。このような電気自動車のガクガク振動に対する対策として、多くの制振制御技術が提案されている。この一実施の形態では、ガクガク振動を発生させるねじれ振動特性を利用してモーターロック時のスイッチング素子の過温度を防止するが、ガクガク振動の制振制御を作動させたままでは効果が得られない。
そこで、制振制御装置を備えた電気自動車に対しては、一実施の形態のモーターロック時の素子過温度保護を行うときに制振制御を停止させる必要がある。制振制御を停止するタイミングは、モーターロック検出時でもよいし、素子過温度保護開始時でもよい。もちろん、制振制御を停止した後、モーター回転を検出したら速やかに制振制御を再開させる。これにより、スイッチング素子の過温度保護機能とガクガク振動を抑制する制振機能との干渉が避けられ、両機能の性能を十分に発揮させることができる。
図2に戻り、インバーターのスイッチング素子の過温度保護機能を実現するための制御ブロック10から13について説明する。トルク変動発生器10は、電気自動車の駆動トルク伝達機構のねじれ共振周波数あるいはその近傍の周波数で矩形波状に変化する変動トルクΔTrを出力する。この変動トルクΔTrの変化量(PP値)は、モーター回転を正負に振動させて少なくとも1相に集中する電流を3相に均等に振り分けることができるだけの振動電気角をモーター8に生じさせる変化量とする。また、変動トルクΔTrは、図5に示すドライブシャフトなどの駆動トルク伝達機構のねじれにより吸収され、駆動輪まで伝達されないトルクとする。
モーターロック判断部11は、モーター電気角θとトルク指令値Trを入力し、モーターロック時にトルク指令値Trが予め設定したしきい値Tr1を超える累積時間Σtが予め設定した時間t1以上になった場合に、スイッチ12をオンして加算器13によりトルク指令値Trに変動トルクΔTrを加算する。
ここで、トルクしきい値Tr1には、モーターロック状態でモータートルク指令値Tr通りのトルクを継続して発生させる電流をモーターに流し続けると、インバーターのスイッチング素子が破損に至る可能性のあるトルク上限値を設定する。また、設定時間t1はスイッチング素子の熱時定数に基づいて決定した許容最長時間とする。
図8は、モーターロック時のスイッチング素子の過温度保護プログラムを示すフローチャートである。なお、この素子過温度保護は、図2に示す制御ブロック10〜13による制御に対応する。マイクロコンピューター3は、電気自動車のメインスイッチ(不図示)がオンするとこの素子過温度保護プログラムを所定時間Δtごとに実行する。
ステップ1においてモーター8がロック状態にあるか否かを判定する。この判定はトルク指令値Trとモーター回転速度とに基づいて行う。インバーター主回路のスイッチング素子には連続通電しても破損しない許容電流値があり、トルク指令値Trが許容電流値を流したときに発生するモータートルク以下であれば、たとえモーター8がロック状態にあってもスイッチング素子が過温度により破損することはない。したがって、この一実施の形態では、トルク指令値Trが連続通電可能な許容電流値に対応するトルク値を超えており、かつモーター回転速度が予め定めたロック状態判定しきい値以下の場合に、モーター8がロック状態にあると判定する。これにより、スイッチング素子の許容電流値以下で無用な素子過温度保護ロジックが動作するのを避けることができる。
モーター回転速度のロック状態判定しきい値には、回転角センサー9により検出されるモーター電気角θの所定時間t1当たりの変化量Δθが360度以上の値を設定する。実際には、誤判別を防止するために余裕を見て720度以上に設定するのが望ましい。なお、モーター電気角θを微分器3bにより微分して得られたモーター角速度ωを、モーター回転速度のロック状態判定しきい値に相当する角速度と比較してモーターロック状態を判定してもよい。
続くステップ2では保護フラグが0になっているか否かを確認する。この保護フラグは、モーターロック時にトルク指令値Trが予め設定したしきい値Tr1を超えた時間の累積値Σtが予め設定した時間t1以上になった場合にセット(1)され、モーターが回転したらリセット(0)される。
モーターロック状態で、かつ保護フラグがセットされている場合はステップ3へ進み、素子過温度保護を継続する。すなわちモータートルク指令値Trに変動トルクΔTrを重畳して制御ブロック3a〜3f(図2参照)によるモーター電流制御を継続する。一方、モーターロック状態であるが、保護フラグがセットされていない場合はステップ4へ進み、トルク指令値Trが予め設定したしきい値Tr1を超えているか否かを判別する。
トルク指令値Trがしきい値Tr1以下の場合はステップ9へ進み、モーターロック時にトルク指令値Trが予め設定したしきい値Tr1を超えた時間の累積値Σtから、この過温度保護プログラムの実行サイクル時間Δtを差し引く。ただし、累積時間Σtが負値になる場合は累積時間Σtを0とする。その後、ステップ10へ進み、モーター8がロック状態にあっても通常の制御を行う、すなわち、モータートルクがトルク指令値Trとなるようにモーター電流を制御する。
モーターロック状態で、かつ保護フラグがセットされ、さらにトルク指令値Trがしきい値Tr1を超えている場合はステップ5へ進み、トルク指令値Trがしきい値Tr1を超えた時間の累積値Σtにこの過温度保護プログラムの実行サイクル時間Δtを加算する。続くステップ6において累積時間Σtが予め設定した時間t1以上か否かを判別する。
累積時間Σtが設定時間t1より少ない場合はステップ10へ進み、モーター8がロック状態にあっても通常の制御を行う、すなわち、モータートルクがトルク指令値Trとなるようにモーター電流を制御する。
トルク指令値Trがしきい値Tr1を超えた累積時間Σtが設定時間t1以上になった場合はステップ7へ進み、保護フラグをセットする。そして、続くステップ8で素子過温度保護ロジックを開始する。すなわち、駆動トルク伝達機構のねじれ共振周波数またはその近傍周波数で矩形波状に変化する変動トルクΔTrをトルク指令値Trに加算し、モーター8の出力トルクが加算値(Tr+ΔTr)となるようにモーター電流を制御する。その結果、モーター8は微小な回転振動を発生し、ロック状態で1相に集中していた電流が3相にほぼ均等に振り分けられる。
なお、ステップ1においてモーター8が回転状態にあると判別された場合はステップ11へ進み、素子過温度保護ロジックを停止するとともに、保護フラグおよび累積時間Σtを0にリセットする。そして、通常の制御を行う、すなわちモータートルクがトルク指令値Trとなるようにモーター電流を制御する。
図9は、一実施の形態の素子過温度保護を行ったときのモータートルク(a)とモーター電気角(b)を示す。この例では、モーターロック状態において最大トルクに近いトルク、すなわちこのようなトルクが継続すると過温度によりスイッチング素子が破損するおそれのあるトルク200Nmのトルク指令値Trを与えた場合を示す。
素子過温度保護ロジックが開始されると、±6Nmの微小な矩形波状のトルク変動ΔTrを駆動トルク伝達機構の共振周波数近傍の約6.9Hzの周期で重畳させる。素子過温度保護ロジック開始後、約1secでモーター電気角が±180度変動し、その結果、1相に集中していたモーター電流はほぼ均等に3相に分配され、スイッチング素子の温度上昇はモーター回転時の温度上昇と同レベルまで低減できる。なお、この例では4極対のモーターを用いた場合を示し、モーターの機械的な回転角はおよそ±45度である。
なお、トルク指令値Trがシステムの最大トルクであり、システムの制約上、短時間であってもこれ以上のトルクを与えることができない場合には、図10(a)に示すように、最大トルク200Nmから負方向のみにトルク変動を与えるようにする。この場合でも、図10(b)に示すように、素子過温度保護ロジック開始後、約1secでモーター電気角が±180度変動し、図9に示す保護結果と同様になる。この場合、平均トルクは最大トルクよりわずかに低下するが、ねじり共振を利用する本発明によりその低下代は非常に少なく抑えることができる。
また、図11(a)に示すように、素子過温度保護ロジック開始直後の1周期のみ、または所定の数周期のみ、比較的大きなトルク変動、この場合は±25Nmの変動を与えてもよい。これにより、図11(b)に示すように、モーター電気角は速やかに±180度の変動が発生し、素子過温度保護の効果が速やかに得られる。
なお、短時間であっても最大トルク以上のトルクを与えることができない場合には、図12(a)に示すように最大トルク200Nmから負方向のみにトルク変動を与えるとともに、素子過温度保護ロジック開始直後の1周期または数周期のみ、比較的大きなトルク変動、この場合は−50Nmの変動を与えてもよい。この場合でも、図12(b)に示すように、素子過温度保護ロジック開始後、モーター電気角が速やかに±180度変動し、図11に示す保護結果と同様になる。
このように一実施の形態によれば、交流モーター8の出力軸が負荷側から機械的に拘束されて回転しないロック状態になっていることが検出されたときに、駆動トルク伝達機構のねじれにより吸収される変化量だけ、駆動トルク伝達機構の共振周波数でトルク指令値Trを変化させるようにしたので、電動機がロック状態になったときにインバーターの1相に集中する電流を3相に分散することができ、スイッチング素子の過温度による破損を防止できる。また、従来のようにPWMインバーターのスイッチング周波数を低減するものではないから、モーターの制御性能を低下させることがない。
また、一実施の形態によれば、交流モーター8のロック状態が検出されてトルク指令値Trを駆動トルク機構の共振周波数で変化させるときに、最初の所定の周期の間はトルク指令値Trの変化量をそれ以後の変化量よりも大きくしたので、モーターロック後、直ちに電流を3相にすばやく分散させることができ、スイッチング素子を過温度から確実に保護することができる。
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、インバーター主回路5〜7が電力変換手段を、マイクロコンピューター3がトルク制御手段およびロック状態検出手段をそれぞれ構成する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項との対応関係になんら限定も拘束もされない。
上述した一実施の形態の素子過温度保護と、従来装置のスイッチング周波数を低減する素子過温度保護とを併用することができる。この場合、モーター電気角の変動を最適値にすることによって3相にほぼ均等な電流を流すことができるが、実際のシステムでは駆動トルク伝達機構のフリクションや粘性のバラツキにより電気角変動量が多少ばらつくおそれがあるので、モーター回転中と同等のトルクを同等以下の温度上昇で実現するためには、両者の併用が望ましい。
また、併用する場合は、素子過温度保護ロジック開始のしきい値を2段階にし、最初にまずスイッチング周波数を低減し、それでも過温度が懸念される場合には上述した一実施の形態の素子過温度保護を実行することもできる。
上述した一実施の形態では、モーターロック状態でトルク指令値Trがしきい値Tr1を超える累積時間Σtに基づいて素子過温度保護ロジックの開始を決定したが、他の方法により素子過温度保護ロジックの開始を決定してもよい。例えば、トルク指令値と時間の累積値との積に基づいて素子過温度保護ロジックの開始を決定するようにしてもよい。この場合には、高トルクの場合は短時間で保護ロジックが開始され、長時間継続すればスイッチング素子の破損につながるもののある程度の時間では問題ない中トルクの場合には、ある程度の時間が経過した後に保護ロジックが開始されるというように、スイッチング素子の温度上昇の度合いに応じた保護が可能になる。また、スイッチング素子の温度が直接検出可能な場合には、検出温度にしたがって素子過温度保護ロジックを働かせることができる。
一実施の形態の構成を示す図である。 マイクロコンピューターのソフトウエア形態による構成を示すブロック図である。 インバーターから3相交流モーターに流れる相電流を示す図である。 モーターのU、V、W各相に図3に示す電流が流れたときのインバーターの各スイッチング素子に流れる電流を示す図である。 自動車の駆動トルク伝達機構を簡単にモデル化した図である。 自動車の駆動トルク伝達機構のねじれ共振特性を示す図である。 自動車の車輪をロックした状態でモーターからステップ状のトルク(a)を出力した場合のモーター回転角(b)を示す図である。 一実施の形態の素子過温度保護プログラムを示すフローチャートである。 一実施の形態の素子過温度保護を行ったときのモータートルク(a)とモーター電気角(b)を示す図である。 モータートルクが最大トルクを超えることができないシステムに対する素子過温度保護結果のモータートルク(a)とモーター電気角(b)を示す図である。 変形例の素子過温度保護結果のモータートルク(a)とモーター電気角(b)を示す図である。 他の変形例の素子過温度保護結果のモータートルク(a)とモーター電気角(b)を示す図である。
符号の説明
1 バッテリー
2 コンデンサー
3 マイクロコンピューター
4 ドライバー
5a、5c、6a、6c、7a、7c スイッチング素子(IGBT)
5b、5d、6b、6d、7b、7d ダイオード
8 モーター
9 回転センサー
10 トルク変動発生器
11 モーターロック判断部
12 スイッチング
13 加算器

Claims (6)

  1. 駆動トルク伝達機構を介して駆動輪を駆動する交流電動機と、
    スイッチング素子により直流電力を交流電力に変換して前記交流電動機に印加する電力変換手段と、
    前記電力変換手段を制御して、アクセルペダルの踏み込み量に応じて決定されたトルク指令値に応じたトルクを前記交流電動機から出力させるトルク制御手段と
    前記交流電動機の出力軸が負荷側から機械的に拘束されて回転しない状態(以下、ロック状態という)になっていることを検出するロック状態検出手段を備え、
    前記トルク制御手段は、前記ロック状態検出手段により前記交流電動機のロック状態が検出されたときに、前記アクセルペダルの踏み込み量に応じて決定されたトルク指令値を、前記駆動トルク伝達機構のねじれにより吸収される変化量だけ所定の周波数で変化させることを特徴とする車両用電動機制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用電動機制御装置において、
    前記所定の周波数は、前記駆動トルク伝達機構の共振周波数とすることを特徴とする車両用電動機制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用電動機制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記交流電動機のロック状態が検出されて前記トルク指令値を所定の周波数で変化させるときに、最初の所定の周期の間は前記トルク指令値の変化量をそれ以後の変化量よりも大きくすることを特徴とする車両用電動機制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の車両用電動機制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記ロック状態検出手段により前記交流電動機のロック状態が検出されたときに、前記トルク指令値を変化させるとともに、前記電力変換手段のスイッチング素子のスイッチング周波数を低減することを特徴とする車両用電動機制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の車両用電動機制御装置において、
    前記ロック状態検出手段は、前記交流電動機の回転速度を検出し、前記トルク指令値が前記スイッチング素子に連続通電しても破損しない許容電流値に相当するトルクを超えており、かつ、前記回転速度検出値が予め定めたロック状態判定しきい値以下の場合に、前記交流電動機がロック状態にあると判定することを特徴とする車両用電動機制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の車両用電動機制御装置において、
    前記トルク制御手段は、前記駆動トルク伝達機構のねじれ共振を抑制する制振制御装置を車両に装備している場合には、前記交流電動機のロック状態が検出されて前記トルク指令値を変化させている間は、前記制振制御装置の制振動作を停止させることを特徴とする車両用電動機制御装置。
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