JP6813284B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、左右輪の駆動力を、互いに逆回転できるように独立して制御できる複数の駆動装置を有する電気自動車に装備されて前記駆動装置を制御する車両の駆動力制御装置に関し、特に駆動輪のロック時の制御に係る。
左右の駆動輪の駆動力を独立して制御できる駆動装置を有する電気自動車として、例えば、インホイールモータを用いた車両や、ボンネット内などの車体側にモータを複数搭載した車両が挙げられる。ここで例に挙げる車両において、駆動力を発生させる機構は、モータ、またはモータと減速機、加えて等速ジョイントのような自在継手を有する物などが挙げられるため、この明細書ではこれらをまとめて駆動装置とする。駆動装置に車輪が連結され、車輪から路面に駆動力が伝えられる。
車両走行時には、例えば路上の落下物を巻き込んだことで、車輪と、車輪を覆っているホイールハウスや懸架機構との間で楔状の抵抗発生部分が生じ、車輪のロックを引き起こす可能性がある。また、先に例に挙げた車両においては、駆動装置の故障によって車輪のロックが引き起こされる場合も考えられる。この故障は具体的には、軸受や減速機への異物噛み込み、モータの破損が考えられる。これらをまとめて、この明細書において、以下では駆動装置のロックまたは駆動装置の異常と表記する。
駆動装置に連結された車輪のうち、いずれか一つがロック状態となった場合、ロックにより車輪が引きずられ制動力が発生し、車両挙動が不安定となり、停止してしまうとその車両の駆動力だけでは走行が出来なくなる可能性もある。このような事態において、左右独立して駆動する駆動装置を有する電気自動車においては、独立駆動できる特徴を生かし、早期にロック状態を解消する方策を取る余地がある。
特開2006−115639号公報 特許第5397294号公報 特許第4877296号公報
車両の走行中に先述のようなロックが発生した場合、車輪の回転が固定されることで接地面との間で制動力が発生する。言い換えるとロックの原因となった部分は、この制動力に打ち勝つだけの固定力(トルク)を発生しているといえる。
左右の内、どちらか片方の駆動装置のロックにより生じた制動力は、車両に旋回モーメントを発生させる。この旋回モーメントの発生に問題意識を持ち、残るもう片方の駆動装置にも逆トルク(制動トルク)を発生させて、結果的に両輪をロックさせて旋回モーメントを発生させないようにしたのが特許文献1である。しかしこの方法では、特許文献2に指摘されているように、両輪をロックさせることで旋回モーメントは発生しないが操作不能となってしまう。
特許文献3では、前記のように定義した駆動装置に相当する部分について、駆動力(トルク)を伝達する経路に最弱部分を設けておき、ロックによる制動力により最弱部分が破断するように設計とする事が提案されている。また、このような最弱部分を持つ駆動装置を持つ車両にてロックを検出すると、この最弱部分を破断させるようにモータにトルクを発生させる提案が特許文献2においてなされている。
特許文献2,3に示されたような構造とそれに適した制御は、安全上望ましい結果が得られるが、構造上の弱点となったり、設計上の都合で、このような構造が盛り込めなかったりする。そのため、特別な構造を持たない駆動装置において、ロック状態を解消する方策を用意することが望まれる。
そこで、好適な方策を検討した。2輪独立駆動、例えば前輪の左右に独立した駆動装置を備える車両において、片方の駆動装置がロックしてしまったとする。この時の左右の車輪にかかる荷重は等しいとする。左右の車輪それぞれが路面に伝達できる力の最大値は、荷重と、車輪と路面との間の摩擦係数を乗じたものであり、車輪がロックして路面を滑っている状況では動摩擦係数を乗じ、車両が停止もしくは車輪が回転している状況では最大静止摩擦係数を乗ずる。また、動摩擦係数よりも最大静止摩擦係数の方が一般に大きい。
ロックして路面を滑る車輪は、その路面において動摩擦時に伝達できる制動力の最大値を発揮していると見ることができる。正常に動作する方の駆動装置が静止摩擦時に伝達できる駆動力の最大値を発揮しても、駆動力は車両全体としては正常時の半分となっていることに加え、ロックによる制動力が生じていることから、車両は十分な加速を得られず、巡航することは難しい。もし停車してしまうと、車輪が路面に伝達できる力の最大値は、車輪と路面との間の最大静止摩擦係数と荷重とを乗じたものとなって、正常に動作する駆動装置とロックした駆動装置のそれぞれが路面に伝達できる力は等しくなり、再び動き出すことができない。仮に正常に動作する駆動装置を用いてホイールスピンさせたとしても、その車輪と路面との間は動摩擦係数に従うこととなり、これでも動き出すことができない。仮に正常に動作する駆動装置を用いてホイールスピンさせたとしても、その車輪と路面との間は動摩擦係数に従うこととなり、これでも動き出すことができない。
このことから、その車両の持つ駆動輪の数の半数以上がロックしてしまうと、駆動を停止するような特別な制御を行わなくても、やがて停車して動けなくなることが分かる。また、停車した場所が幹線道路や高速道路の場合、後続の車両の追突が重大事故につながる危険性があるため、路側等へ逃がす走行等が行えるように、ロックを解消するのが望ましいことが分かる。
この発明の目的は、左右輪の駆動力を独立して制御できる駆動装置を有する電気自動車に装備され、駆動装置にロック解除用の特別な構造を有しなくても、走行中に駆動装置がロックした場合に、ロックを解消することができる車両の駆動力制御装置を提供することである。
この発明の車両の駆動力制御装置は、基本構成として、左右輪2の駆動力を、互いに逆回転できるように独立して制御できる複数の駆動装置5,5を有する電気自動車に装備され、アクセル指令に基づいて前記駆動装置5を制御する車両の駆動力制御装置1であって、
車両走行時に前記駆動装置5がロックしていないかを監視する駆動装置ロック検出部13と、この駆動装置ロック検出部13がロックを検出したときに、ロックが検出された前記駆動装置5に対し、車両の進行方向と逆向きのトルクを、ロック解消を目的としたトルク指令として前記駆動装置5へ出力するロック解消制御部16とを有する。
この構成によると、ロック検出を行い、左右どちらかの駆動装置5,5にロックが検出されると、ロックした方の駆動装置5について進行方向と逆向きにトルクを出力する。これにより、楔が打たれたような原因によりロックしてしまった駆動装置5に、楔の作用を緩める方向に力を発生させ、ロック解消を試みる。そのため、走行中に駆動装置5がロックした場合に、ロックを解消することができる。また、駆動装置5に破断用弱部等のロック解除用の特別な構造を有しなくてもロック解消が行える。ロック検出については、従来用いられてきた方法で良い。
より詳しく説明すると、車両が前進している状態で駆動装置5がロックしたとする。この時、各駆動装置5は前進駆動させるためにトルクを出力している。この状態で駆動装置5がロックするという事は、前進を妨げる方向に、ロックの原因による力が作用しているということになる。前進駆動させるためのトルクが伝達できなくなると、駆動装置5は路面からの外力を受けることになる。路面からの外力は、車輪2を前進方向に回そうとする方向に働くため、例えば車輪2への異物噛み込みにより楔が打たれた状態のようになっていると、楔をより深く効かせる方向に力を掛けることになる。
ここで、進行方向と逆向きにトルクを出力すると、楔を緩める方向に力が働く。この状態で、進行方向と逆方向にホイールスピンする程度まで回転させることができれば、ロックの原因が解消される可能性がある。
前記基本構成において、前記ロック解消制御部16は、ロック解消トルク指令部14と駆動力指令切替部15とを備え、
前記駆動装置ロック検出部13と、ロック解消トルク指令部14には、前記駆動装置5の回転数情報が入力されており、
前記駆動装置ロック検出部13は、駆動装置5のロックを監視し、ロックを検出したときに駆動装置ロック信号を前記ロック解消トルク指令部14に出力し、
前記ロック解消トルク指令部14は、前記駆動装置ロック信号が入力されると、ロックが検出された方の前記駆動装置5に対し、正常に駆動できる駆動装置5の回転数情報より求めた車両の進行方向とは逆向きのトルクを出力するロック解消のためのトルクパターンに基づいた逆向きトルク指令を生成し、この逆向きトルク指令とロック解消指令信号を前記駆動力指令切替部15に出力し、
前記駆動力指令切替部15は、前記ロック解消指令信号が入力されることにより、ロックが検出された方の駆動装置5に対する前記逆向きトルク指令について、前記アクセル指令に基づいた正常時のトルク指令に代えて、前記逆向きトルク指令を出力するようにする。 ここで、ロックを検出後に出力する進行方向と逆向きのトルクは、ステップ状に出力したり、パルス状に間欠して出力したりするなど、種々考えられるため、ロック解消のためのトルクパターンと記述した。
逆向きトルク指令をトルクパターンに基づいた指令とすることで、試験やシミュレーション等により確認されたロック解消が生じ易い逆向きトルク指令を出すようにできる。また、ロック解消トルク指令部14が逆向きトルク指令とロック解消指令信号とを生成し、駆動力指令切替部15がこれらの指令によって、正常時のトルク指令に代えて、逆向きトルク指令を出力するようにすることで、適切な制御が簡単に行える。
この構成の場合に、前記ロック解消トルク指令部14は、前記駆動装置5のロックが解消されたことが検出されると、前記駆動装置5がロック解消のためのトルクパターンを出力しないように、前記逆向きトルク指令を零にするか、または前記駆動力指令切替部15が正常時のトルク指令を出力するようにロック解消指令信号を変更して出力するようにしても良い。
逆向きトルク指令を零にすることで回転自在となり、片輪駆動とはなるが、再度のロックが生じないように、より安全に走行できる。駆動力指令切替部15が正常時のトルク指令を出力するようにする場合は、ロック解消後、できるだけ早期に通常の走行が開始できる。
この構成の場合に、前記ロック解消トルク指令部14は、前記駆動装置5のロックが持続している場合でも、あらかじめ定められた条件を満たせば、前記逆向きトルク指令を零にするようにしても良い。
ロック解消が行われないままで逆向きトルクを長時間印加すると、駆動装置5の過昇温に繋がるため、定められた条件を満たす場合に逆向きトルク指令を零にすることが、安全上で好ましい。
この構成の場合に、前記ロック解消トルク指令部14は、前記あらかじめ定めた条件が満たされた結果、前記逆向きトルク指令を零にしたのち、前記駆動装置5のロックが解消されているかを調査して、ロックが解消されていれば、駆動力指令切替部15が正常時のトルク指令を出力するように前記ロック解消指令信号を変更するようにしても良い。
これは、逆向きのトルク出力の結果、既にロックは解消されていたが、逆向きのトルク指令と路面により車輪2が回されるトルクが拮抗していた結果、駆動装置5は回転していなかったかもしれず、トルクの出力を止めたことにより駆動装置5が回転し始める可能性について調査するものである。先と同様に、あらかじめ定めた量だけ回転すれば、回転したと判断し、ロックの解消が成功したと判断する。
前記あらかじめ定められた条件は、前記駆動装置5が逆向きトルク指令としてロック解消のためのトルクパターンを出力してから一定時間経過後であってもよい。
逆向きトルクを長時間印加すると、駆動装置5が過熱する恐れがあるために逆向きトルクを解除するが、温度センサ17により得られた結果を元に異常を判断した場合には、既に許容できる温度を超えている可能性があり、時間に基づいて判断を行う方が合理的とある。
また、前記あらかじめ定められた条件は、前記駆動装置5内に取り付けられた温度センサ17により得られた温度情報が、過熱による焼損を起こさないように定めておいた閾値を超えたことであっても良い。
逆向きトルクの長時間印加で支障が生じるのは過熱のためであり、したがって、定めておいた閾値を駆動装置5の温度が超えたときに逆トルクの印加を解消することで、過熱による焼損が防止される。この場合、温度センサ17は、迅速な測定が行えるものであることが好ましい。
前記ロック解消トルク指令部14は、前記逆向きトルク指令を零とするにつき、前記駆動装置5のロックの解消が検出された場合でも、前記逆向きトルク指令を零とし、かつ前記駆動力指令切替部15が、ロックが検出されていた前記駆動装置5に対するトルク指令として、逆向きトルク指令を出力することで、ロックが検出されていた前記駆動装置5の出力トルクが零を維持するようにしても良い。
この時、ロックが検出されていた駆動装置の出力トルクを零で維持することにより、当該駆動装置を備える車輪は、従動輪と同じ状態となる。これにより、走行が可能であるため、車両が停止して走行できないという問題は生じない。また、ロックの原因は種々あるため、一旦ロックが生じると、通常のアクセル指令に基づくトルク指令に戻すよりも出力トルクが零を維持する方がより安全な場合もある。
この発明において、前記ロック解消を目的としたトルクパターンは、車両の進行方向とは逆向きに最大トルクをステップ状に出力するパターンであっても良い。
これにより、ロックの原因と疑われる楔状の異物噛み込みについて、楔を緩める方向に最大の力をかけることとなる。
この発明において、前記ロック解消を目的としたトルクパターンは、車両の進行方向とは逆向きに最大トルクを間欠的にパルス状に出力するパターンであっても良い。
出力するトルクの大きさのピークは、先のステップ状のトルク出力と同様であるが、間欠時に発熱しないため温度の上昇がステップ状の出力に比べ緩やかとなり、過熱と焼損の可能性が低減される。また、ロックによって車輪は、路面から進行方向に回される方向に力を受けているため、進行方向と逆方向に間欠的にトルクを出力することで、ロックの原因となっている部分の周辺に対し、揺動させるような力を加えることになり、異物の噛み込みを解消するように働く効果が期待できる。
この発明の車両の駆動力制御装置は、左右輪の駆動力を独立して制御できる駆動装置を有する電気自動車において、駆動装置にロック解除用の特別な構造を有しなくても、走行中に駆動装置がロックした場合に、ロックを解消することができる。
この発明の一実施形態に係る車両の駆動力制御装置の概念構成を示すブロック図である。 同駆動力制御装置が行う処理の流れ図である。 間欠したトルク指令と出力トルクの関係例を示すグラフである。 インホイールモータ駆動装置からなる駆動装置の例の断面図である。 オンボードタイプの駆動装置の例の概略正面図である。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。この車両の駆動力制御装置1では、図1のように左右二つの駆動輪である車輪2,2の駆動力を、互いに逆回転できるように独立して制御できる2台の駆動装置5,5を有する4輪の電気自動車に適用する例を説明する。前記左右二つの車輪2,2は、前輪であっても、後輪であっても良い。前記駆動装置5は、後に図4と共に説明するインホイールモータ駆動装置であっても、図5と共に説明するボンネット内に設置されるオンボード形式のモータおよびその伝達機構から構成されるものであっても良い
駆動装置5は、トルク指令に基づき車輪2にトルクを出力する装置であり、駆動装置5内の電動モータ4を駆動するための電流駆動素子やモータ制御のための演算を行う演算装置(これらをまとめたモータドライバ)も含めるものとして説明する。図示の例では、駆動装置5は、前記モータドライバとなるインバータ装置9を含む。このインバータ装置9は、前記電流駆動素子を複数含むブリッジ回路からなるインバータ(図示せず)と、前記演算手段とで構成される。
駆動力制御装置1は、ECU(電気制御ユニット)等における車両を統括する制御装置(車両統合制御装置などと呼ばれることが多い)の一部としても良い。駆動力制御装置1は、駆動装置5から少なくとも駆動装置5の回転数(例えばモータ回転数および車輪回転数のいずれか一方、または両方)を読み込み、駆動装置5へトルク指令を伝達している。駆動力制御装置1において、前記トルク指令は、基本的には、アクセルペダル操作検出部11等のアクセル操作量の検出手段から与えられたアクセル指令に応じて、主駆動力制御部12が生成する。主駆動力制御部12は、より具体的には、前記アクセル指令に対し、ブレーキペダル操作検出部(図示せず)等のブレーキ指令や、ステアリングハンドル(図示せず)の操舵量に応じた旋回補助の制御、車両姿勢安定化制御等の補正量を加味して前記トルク指令を生成するものであっても良い。前記アクセル指令を出力する手段は、クルーズコントロールや自動運転等を制御する自動運転装置(図示せず)であっても良い。
上記構成の駆動力制御装置1に、駆動装置5のロック解消のための制御手段として、
車両走行時に前記駆動装置5がロックしていないかを監視する駆動装置ロック検出部13と、このロック検出部13がロックを検出したときに、ロックが検出された前記駆動装置5に対し、車両の進行方向と逆向きのトルクを、ロック解消を目的としたトルク指令として前記駆動装置5へ出力するロック解消制御部16とが設けられている。ロック解消制御部16は、ロック解消トルク指令部14と駆動力指令切替部15とでなる。前記駆動装置ロック検出部13と、ロック解消トルク指令部14には、前記駆動装置5の回転数の情報が入力される。
前記駆動装置ロック検出部13は、駆動装置5のロックを監視し、ロックを検出したときに駆動装置ロック信号を前記ロック解消トルク指令部14に出力する。
このロック解消トルク指令部14は、前記駆動装置ロック信号が入力されると、ロックが検出された方の前記駆動装置5に対し、正常に駆動できる駆動装置5の回転数情報より求めた車両の進行方向とは逆向きのトルクを出力するロック解消のためのトルクパターンに基づいた逆向きトルク指令を生成し、この逆向きトルク指令とロック解消指令信号を前記駆動力指令切替部15に出力する。
この駆動力指令切替部15は、前記ロック解消指令信号が入力されることにより、ロックが検出された方の駆動装置5に対する前記逆向きトルク指令について、前記アクセル指令に基づいた前記主駆動力制御部12から出力される正常時のトルク指令に代えて、前記逆向きトルク指令を出力する。
前記ロック解消トルク指令部14は、前記駆動装置5のロックが解消されたことを検出すると、前記駆動装置5がロック解消のためのトルクパターンを出力しないように、逆向きトルク指令を零にするか、または駆動力指令切替部15が正常時のトルク指令を出力するようにロック解消指令信号を変更して出力する。
ここで、ロックを検出後に出力する進行方向と逆向きのトルクは、ステップ状の出力であっても、パルス状に間欠した出力であっても良く、種々の形態が採用できるため、ロック解消のためのトルクパターンと総称した。
次に、この駆動力制御装置1の動作および詳細な構成を、図2の流れ図を用いて説明する。
最初に、駆動力制御装置1内の、駆動装置ロック検出部13、もしくはロック解消トルク指令部14において、駆動装置5より読み込んだ回転数を用いて、進行方向の判定を行う(ステップS1)。
次に、駆動装置ロック検出部13がロック検出を行う(ステップS2)。このロック検出は、従来用いられてきた方法で良く、例えば、左右の駆動装置5,5の回転数の差が、あらかじめ設定した許容値を超える場合に、ロックと判断する検出方法で行う。
ここで、ロックが検出され、駆動装置ロック検出部13がロック解消トルク指令部14へ駆動装置ロック信号を伝達したとする。
ロック解消トルク指令部14は、先ほど判定した進行方向を元に、進行方向とは逆向きに、ロック解消のための定められたトルクパターンに従い、逆向きトルク指令を駆動力指令切替部15に伝達する(ステップS3)。このステップS3で、これと同時に、ロック解消トルク指令部14は、ロック解消指令信号も駆動力指令切替部15に伝達する。
駆動力指令切替部15では、主駆動力制御部12から出力されるアクセルペダル入力に応じたトルク指令のような、ロック解消を目的としないトルク指令と、ロック解消を目的とした(もしくは後述のような、ロック解消のための動作を終了した後に、トルクを発生させないようにする)トルク指令とを切り替える役割を持つ。ここまでの処理の結果、駆動力指令切替部15は、ロックした駆動装置5のトルク指令について、ロック解消指令信号に基づき、逆向きトルク指令を出力するように切り替えを行う。
逆向きトルク指令に従い、駆動装置5が逆向きにトルクを出力した結果、ロックが解消されて進行方向とは逆方向にホイールスピンしたとする。ここで、ロックした車輪2は、先に示したとおり、動摩擦時に車輪が路面に伝達できる力の最大値を発揮していると考えることができる。また、ホイールスピンする状況も、車輪2と路面は動摩擦の状態であるとみなすことができるため、進行方向と逆方向にホイールスピンする車輪2の発揮する制動力は、ロックした車輪2の発揮する制動力とほぼ等しいとみなすことができる。よって、逆方向にホイールスピンさせることにより、ロック状態に比べてより一層車両挙動を不安定にすることは無い。
逆方向にトルクを出力した結果、ロックが解消されたかどうかの判断のためにロック解消トルク指令部14は、ロックを検出していた駆動装置5について、回転しているかを調査する(ステップS4)。この時、逆方向への出力トルクより、路面により車輪2が回されるトルクが大きい場合は、進行方向に回転し、逆方向にホイールスピンしなくても、ロックが解消していると考えられるため、ここでは回転方向を問わない。また、ロックと判断した位置から定められた車輪回転角度、例えば車輪2が1/8回転すれば、回転したと判断し、ロックの解消が成功したと判断する。前記定められた車輪回転角度は、ロック解消が判断できる角度であり、例えば1/4回転以下の任意に定められる僅かな回転角度であってもよい。
一方、逆向きトルク指令に従い、駆動装置5が逆向きにトルクを出力しても、ロックが解消されなかったとする(ステップS4,no)。その場合、ロック解消トルク指令部14は、ロック解消指令信号を出力し、ロック解消のためのトルクパターンを駆動装置5に出力し始めてからの経過時間を調査し、あらかじめ設定しておいた時間だけ経過したか否かを判定する(ステップS5)。これは主に、駆動装置5のモータコイルが過熱により焼損したり、電動モータ4の電流を制御する電流駆動素子(FET やIGBTなど)(図示せず)が焼損したりしないようにする措置である。電動モータ4が回転していれば、モータコイルや電流駆動素子の相が切り替わりながら回転するため焼損することが無いような電流量であっても、電動モータが固定され相が切り替わらない状態で大電流を流すと焼損する可能性が高いため、このような処理を行う。
あらかじめ設定しておいた時間が経過したら(ステップS5,yes)、ロック解消トルク指令部14は、ロック解消のための逆向きのトルク出力を停止することとし、逆向きトルク指令を零とする(ステップS6)。
ここでロック解消トルク指令部14は、もう一度、駆動装置5の回転数(回転量)から、ロックが解消したか否かを判断する(ステップS7)。これは、逆向きのトルク出力の結果、既にロックは解消されていたが、逆向きのトルク指令と路面により車輪2が回されるトルクが拮抗していた結果、駆動装置5は回転していなかったかもしれず、トルクの出力を止めたことにより駆動装置5が回転し始める可能性について調査するものである。先と同様に、あらかじめ定めた量だけ回転すれば、回転したと判断し、ロックの解消が成功したと判断する。
以上で、ロックの解消が成功したら、ロック解消指令信号を停止し、アクセルペダルの入力に基づくトルク指令を駆動装置5に出力するようにする(ステップS8)。ロックの解消が失敗した場合は、ロック解消トルク指令部14は、例えばロック解消失敗の旨を知らせる信号を、コンソールの表示装置(図示せず)等に送って運転者に知らせる(ステップS9)。
ここまでで仮にロックが解消されても、ロック解消指令信号を維持し、逆向きトルク指令を零のままにしてもよい。これにより、一度、駆動装置5にロックが検出されたら、その駆動装置5からトルクを出力させないようになる。これは、駆動装置5内、特に減速機内にロックの原因となる破片などが存在した場合、再度駆動トルクを発揮すると、再び噛み込みが発生する可能性があると予想されるためである。また、ロック解消のための逆向きのトルクを出力した結果、モータコイルや電流駆動素子の温度上昇も予想されるため、焼損の予防ため、温度を低下させるために駆動トルクを発揮させない目的もある。
ロック解消のためのトルクパターンの具体例を説明する。
ロック解消のトルクパターンのトルク指令として、例えば駆動装置5の出力できる最大トルクを逆方向にステップ状に出力するようにしても良い。これにより、ロックの原因と疑われる楔状の異物噛み込みについて、楔を緩める方向に最大の力をかけることとなる。しかし、先述したように、相が固定された状態で大トルクを出力するための大電流を流した結果、過熱と焼損の恐れがある。そのため、出力できる時間は、電源電圧や駆動素子の種類、冷却方法などの構成により定まるが、一般的に考えて、十秒程度と考えられる。ただし、異常発生前の正常に走行していた時の温度上昇や、実際にロックしてからロックを検出するまでの間に進行方向に駆動しようとした結果、逆方向のトルクを出力する前に、既に発熱していることが予想されるため、焼損を避けるためには、さらに時間を短くしなければならない可能性がある。
そこで、ステップ状の出力以外の方法として、進行方向とは逆のトルクを、図3のようにパルス状に間欠させて出力する方法を採っても良い。なお、駆動装置5の出力トルクの応答は同図に破線で示すようになる。
これは、出力するトルクの大きさのピークは、先のステップ状のトルク出力と同様であるが、間欠時に発熱しないため温度の上昇がステップ状の出力に比べ緩やかとなり、過熱と焼損の可能性を低減する。また、ロックによって車輪は、路面から進行方向に回される方向に力を受けているため、進行方向と逆方向に間欠的にトルクを出力することで、ロックの原因となっている部分の周辺に対し、揺動させるような力を加えることになり、異物の噛み込みを解消するように働く効果が期待できる。この時、逆トルクを出力する時間は、駆動装置のトルクの応答速度を参考に、指令からトルクが目標値に達し定常状態になるまでの時間よりも長くするのが良い。また、間欠する時間は、各部の冷却性能を参考に、逆トルクを出力する時間と同等かそれ以上とするのが良い。
また、例えばロックにより相が固定された状態であっても、ただちに過熱・焼損とならないような電流量より求められる出力トルクを、進行方向と逆方向に出力させてもよい。この時に逆方向のトルクを出力できる時間は、先の最大トルクを発揮できる時間よりも長く、例えば、乾いたアスファルト路面において60km/hにて走行時に、1輪がロックして、制駆動せずに停止するまでの時間よりも長い時間に設定する事などが採用できる。
ロック解消のためのトルクパターンの出力を停止する判断につき説明する。
ここまで、ロック解消のためのトルクパターンの出力は、時間に基づいて継続と終了の判断を行っていたが、モータコイル、駆動素子、冷却水や潤滑油の温度に基づいて判断を行っても良い。これらの温度は、温度検出用のセンサ17等のセンサ類によって検出される。ここまで、時間に基づいて判断していたのは、センサ類により得られる先述の温度の情報が、実際の温度を正しく反映していない可能性が高いと考えられるためである。その理由を以下に示す。
先述の温度を測定するセンサ17は、正常に回転している駆動装置5についてその温度を測定するものであり、センサ17の応答速度もそれに最適化したものであって、測定したい対象物の最も高温な部分とセンサ17により得られる温度との差も許容できる範囲となるように、異常と判断する閾値を決定していることが多い。一方、ロックしている場合は先述の通り、急激に、局所的に温度が上昇することが考えられる。以上から、上記のセンサ17により得られた結果を元に異常を判断した場合には、既に許容できる温度を超えている可能性があり、時間に基づいて判断を行う方が合理的であると判断した結果である。
このような問題意識に立ち、応答の速いセンサ17を選定し、局所的な温度上昇に対しても、センサ出力はそれを反映したものとできるように駆動装置5を設計したうえで、ロック解消のためのトルクパターンの出力は、温度センサ17により得られる温度情報に基づいて継続と終了の判断を行っても良い。
ロック検出におけるブレーキ操作との連携につき説明する。
ここまで、ブレーキペダルやパーキングブレーキの操作は考慮してこなかった。しかし実際にはブレーキング時に、左右どちらかの車輪2が摩擦係数の低い路面(スプリットμ路)に進入した際、摩擦係数が高い路面側の車輪2はロックせず、もう片方はロックしてしまい、これまでに述べてきた駆動装置5の異常によるロックと似た現象が起こる。そこで、ここまでで説明した駆動力制御装置1のロック解消トルク指令部14または駆動力指令切替部15等によるにロック解消のための操作を行う条件として、ブレーキペダルおよびパーキングブレーキ(いずれも図示せず)の操作が無いことを条件として加えても良い。また、ブレーキング時に駆動装置5の異常が発生した場合を想定して、路面の摩擦係数が低いことによるロックであれば、ABS(アンチロックブレーキングシステム)動作が働くことでロックが解消され、車輪2は回転し始めるはずであるが、駆動装置5の異常によるロックであれば、ABSが働いてもロックが解消されないことから、ABS動作を管理する装置(図示せず)から、ロック解消失敗フラグを受け取っても良い。ABS動作を管理する装置とは具体的には、液圧を用いたブレーキ系統を持つ車両においては、駆動力制御装置1とは別に用意され、液圧の昇降圧を行うポンプと一体に設置されるようなABS制御装置等である。
正常な駆動装置5の取り扱いを説明する。
ここまで、ロックを検出した駆動装置5に対するトルク指令の変更方法について述べてきた。ここで、正常に駆動可能な駆動装置5に対するトルク指令について述べる。この実施形態の要旨は、異常が発生しロック状態となった駆動装置5に対するトルク指令が、ロック解消を目的としたトルクパターンに従うように、信号やトルク指令を変更するものであって、正常に駆動可能な駆動装置5に対するトルク指令は、通常の走行時と同様に、例えばアクセルペダルに従ったトルク指令とするものとして説明してきた。これに対し、正常に駆動可能な駆動装置5に対するトルク指令は零としてもよい。これは、車両の挙動を乱さないためや、従動輪のようにふるまうことで回転数の取得を正確にするなど効果が期待できる。この駆動装置5に対するトルク指令を零とする制御は、駆動力指令切替部15が行うようにしても、またロック解消トルク指令部14が行うようにしても良い。
しかし、先述したように、ロックが解消されずに停車してしまった場合、車両の発揮する駆動力だけでは、再び動き出すことができないことを考えて、片輪がロックしている状態(片方は正常に駆動でき、片方は車輪2を引きずりながら走行している状態)には、正常に駆動できる方の駆動装置5は、運転者の操作(例えばアクセルペダル)に従ったトルク指令とするほうが良い。
図4は、前記駆動装置5がインホイールモータ駆動装置である例を示す。この駆動装置5は、電気モータ4、減速機6、および車輪用軸受7を有し、一部または全体が車輪2内に配置される。電気モータ4の回転は、減速機6および車輪用軸受7を介して車輪2に伝達される。駆動装置5は、電気モータ4の回転に方向の切換により、駆動トルクまたは制動トルクを発生する。車輪用軸受7のハブ輪7aのフランジ部には摩擦ブレーキ装置8を構成するブレーキロータ8aが固定され、同ブレーキロータ8aは車輪2と一体に回転する。電気モータ4は、例えば、ロータ4aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。この電気モータ4は、ハウジング4cに固定したステータ4bと、回転出力軸9に取り付けたロータ4aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
図5は、前記駆動装置5がオンボードタイプある例を示す。電気モータ4および減速機6により構成される減速機付きモータ4Aの出力軸が、ドライブシャフト21とその両端の等自在継手22,23を介して、車輪用軸受24の回転側輪に連結されている。車輪用軸受24は、車輪2を支持する転がり軸受である。前記減速機付きモータ4Aは、車台(図示せず)上に設置されている。前記減速機付きモータ4A、ドライブシャフト21、等自在継手22,23、および車輪用軸受24により、前記駆動装置5が構成される。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…駆動力制御装置
2…車輪
4…電動モータ
5…駆動装置
13…駆動装置ロック検出部
14…ロック解消トルク指令部
15…駆動力指令切替部
16…ロック解消制御部

Claims (9)

  1. 左右輪の駆動力を、互いに逆回転できるように独立して制御できる複数の駆動装置を有する電気自動車に装備され、アクセル指令に基づいて前記駆動装置を制御する車両の駆動力制御装置であって、
    車両走行時に前記駆動装置がロックしていないかを監視する駆動装置ロック検出部と、
    この駆動装置ロック検出部がロックを検出したときに、ロックが検出された前記駆動装置に対し、車両の進行方向と逆向きのトルクを、ロック解消を目的としたトルク指令として前記駆動装置へ出力するロック解消制御部とを有し、
    前記ロック解消制御部は、ロック解消トルク指令部と駆動力指令切替部とを備え、
    前記駆動装置ロック検出部と、ロック解消トルク指令部には、前記駆動装置の回転数情報が入力され、
    前記駆動装置ロック検出部は、駆動装置のロックを監視し、ロックを検出したときに駆動装置ロック信号を前記ロック解消トルク指令部に出力し、
    前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置ロック信号が入力されると、ロックが検出された方の前記駆動装置に対し、正常に駆動できる駆動装置の回転数情報より求めた車両の進行方向とは逆向きのトルクを出力するロック解消のためのトルクパターンに基づいた逆向きトルク指令を生成し、この逆向きトルク指令とロック解消指令信号を前記駆動力指令切替部に出力し、
    前記駆動力指令切替部は、前記ロック解消指令信号が入力されることにより、ロックが検出された方の駆動装置に対する前記逆向きトルク指令について、前記アクセル指令に基づいた正常時のトルク指令に代えて、前記逆向きトルク指令を出力し、
    前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置のロックが持続している場合でも、あらかじめ定められた条件を満たせば、前記逆向きトルク指令を零にし、
    前記あらかじめ定められた条件は、前記駆動装置内に取り付けられた温度センサにより得られた温度情報が、過熱による焼損を起こさないように定めておいた閾値を超えたことを条件とする、
    車両の駆動力制御装置。
  2. 左右輪の駆動力を、互いに逆回転できるように独立して制御できる複数の駆動装置を有する電気自動車に装備され、アクセル指令に基づいて前記駆動装置を制御する車両の駆動力制御装置であって、
    車両走行時に前記駆動装置がロックしていないかを監視する駆動装置ロック検出部と、
    この駆動装置ロック検出部がロックを検出したときに、ロックが検出された前記駆動装置に対し、車両の進行方向と逆向きのトルクを、ロック解消を目的としたトルク指令として前記駆動装置へ出力するロック解消制御部とを有し、
    前記ロック解消制御部は、ロック解消トルク指令部と駆動力指令切替部とを備え、
    前記駆動装置ロック検出部と、ロック解消トルク指令部には、前記駆動装置の回転数情報が入力され、
    前記駆動装置ロック検出部は、駆動装置のロックを監視し、ロックを検出したときに駆動装置ロック信号を前記ロック解消トルク指令部に出力し、
    前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置ロック信号が入力されると、ロックが検出された方の前記駆動装置に対し、正常に駆動できる駆動装置の回転数情報より求めた車両の進行方向とは逆向きのトルクを出力するロック解消のためのトルクパターンに基づいた逆向きトルク指令を生成し、この逆向きトルク指令とロック解消指令信号を前記駆動力指令切替部に出力し、
    前記駆動力指令切替部は、前記ロック解消指令信号が入力されることにより、ロックが検出された方の駆動装置に対する前記逆向きトルク指令について、前記アクセル指令に基づいた正常時のトルク指令に代えて、前記逆向きトルク指令を出力し、
    前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置のロックが解消されたことが検出されると、前記駆動装置がロック解消のためのトルクパターンを出力しないように、前記逆向きトルク指令を零にするか、または前記駆動力指令切替部が正常時のトルク指令を出力するようにロック解消指令信号を変更して出力する車両の駆動力制御装置。
  3. 請求項に記載の車両の駆動力制御装置において、前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置のロックが持続している場合でも、あらかじめ定められた条件を満たせば、前記逆向きトルク指令を零にする車両の駆動力制御装置。
  4. 請求項に記載の車両の駆動力制御装置において、前記ロック解消トルク指令部は、前記あらかじめ定めた条件が満たされた結果、前記逆向きトルク指令を零にしたのち、前記駆動装置のロックが解消されているか調査して、ロックが解消されていれば、駆動力指令切替部が正常時のトルク指令を出力するように前記ロック解消指令信号を変更する車両の駆動力制御装置。
  5. 請求項に記載の車両の駆動力制御装置において、前記あらかじめ定められた条件は、前記駆動装置が逆向きトルク指令としてロック解消のためのトルクパターンを出力してから一定時間経過後である車両の駆動力制御装置。
  6. 請求項に記載の車両の駆動力制御装置において、前記あらかじめ定められた条件は、前記駆動装置内に取り付けられた温度センサにより得られた温度情報が、過熱による焼損を起こさないように定めておいた閾値を超えたことを条件とする車両の駆動力制御装置。
  7. 請求項または請求項に記載の車両の駆動力制御装置において、前記ロック解消トルク指令部は、前記駆動装置のロックの解消が検出された場合でも、前記逆向きトルク指令を零とし、かつ前記駆動力指令切替部が、ロックが検出されていた前記駆動装置に対するトルク指令として、逆向きトルク指令を出力することで、ロックが検出されていた前記駆動装置の出力トルクが零を維持する車両の駆動力制御装置。
  8. 請求項1または請求項2に記載の車両の駆動力制御装置において、前記ロック解消を目的としたトルクパターンは、車両の進行方向とは逆向きに最大トルクをステップ状に出力するパターンである車両の駆動力制御装置。
  9. 請求項1または請求項2に記載の車両の駆動力制御装置において、前記ロック解消を目的としたトルクパターンは、車両の進行方向とは逆向きに最大トルクを間欠的にパルス状に出力するパターンである車両の駆動力制御装置。
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