JP4655650B2 - ギヤの組付方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ギヤトレーンなどのギヤを組み付けるためのギヤの組付方法に関するものである。
従来、二つの固定されたギヤ間への中間ギヤの組み付けが、例えば、OHCエンジンのタイミングギヤトレーンを組み立てる際に行われている。
そのOHCエンジンのタイミングギヤトレーンは、エンジンブロックに設けられたクランクギヤと、シリンダヘッドに設けられたカムギヤと、それらクランクギヤとカムギヤとの間に設けられた複数のアイドルギヤとから構成される。また、各ギヤ間には、ギヤの軸間距離(ギヤの回転中心間の距離)誤差やギヤの歯厚誤差などを吸収するために、バックラッシュ(遊び)が設けられている。
また、エンジンブロックとシリンダヘッドとの間にガスケットが設けられており、そのガスケットは厚さにばらつきがある。そこで、大きなバックラッシュを設けることにより、そのばらつきによる軸間距離誤差を吸収するようにしている。
そのようなバックラッシュが騒音の原因となる。つまり、図10から図12に示すように、カムの負荷トルクが変動したときに、カムギヤ71の歯がバックラッシュ量分移動して(例えば、図10の状態から図11の状態に移動して)相手ギヤの歯72と衝突する。その衝突時にいわゆる歯打ち(音)が発生する。そのような歯打ちによる騒音は、エンジンアイドル騒音の主要因(約6割)となっており、対策技術の開発が望まれている。
図13は、アイドルギヤとカムギヤ間のバックラッシュと歯打ち騒音との関係を示したものである。バックラッシュと騒音とは、バックラッシュが大きいほど騒音も大きくなる関係にある。歯打ち騒音の低減には、バックラッシュを小さくすることが有効である。一方、バックラッシュがゼロであると軸間距離誤差や歯厚誤差などを吸収できない。
そこで、軸間距離誤差をギヤの軸間距離の調整により吸収し、歯厚誤差などを吸収するための最小限のバックラッシュを設けるようにすることが提案されている。
例えば、特許文献1には、ギヤを組み立てる際に、中間アイドルギヤを移動させて軸間距離を調整すると共に、ギヤ位置決め治具を用いて小さなバックラッシュを維持することが示されている。
特許文献1では、カムギヤとアイドルギヤとの間に、中間アイドルギヤが組み付けられる。それらのギヤには、ギヤの互いの位置関係を規定するギヤ位置決め治具が取り付けられる。また、中間アイドルギヤは、筒状のアイドルシャフトにより回転自在に支持される。そのアイドルシャフトには、軸方向に沿って貫通する取付ねじが設けられ、アイドルシャフトの内周と取付ねじとの間には、隙間が設けられている。
以上により、ギヤ位置決め治具により適切なバックラッシュを維持しつつ、取付ねじをアイドルシャフトに対して偏位させることで軸間距離誤差を吸収し、ギヤを組み付けることができる。
特開平5−141207号公報 特開平10−299758号公報
ところで、OHCエンジンでは、タイミングギヤトレーンがフライホイールハウジングなどで覆われている場合がある。その場合、上述した治具がフライホイールハウジングと干渉してしまい、ギヤへの治具の取り付けや取り外しが非常に困難となる。つまり、このようなタイミングギヤトレーンでは、治具を用いることは現実的でなく、バックラッシュを大きく設定せざるを得なかった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、ギヤの軸間距離を適切に調整すると共に、最小限のバックラッシュを設定するギヤの組付方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、固定された二つのギヤ間に中間ギヤを組み付けて固定するに際して、上記中間ギヤの歯面または、上記中間ギヤと噛み合うギヤの歯面に、被膜層を形成すると共に、上記被膜層の層厚を、一つの歯の両側の歯面に形成される被膜層の層厚の和が設定すべきバックラッシュ量と同じになるように設定し、上記中間ギヤを、上記二つの固定されたギヤと噛み合うように、かつ移動可能に仮固定した後、上記二つの固定されたギヤの一方を回転しない状態で、他方のギヤを上記中間ギヤが上記二つの固定されたギヤ間に噛み込むように回転させて、上記中間ギヤをバックラッシュがゼロになるまで移動させた後、上記中間ギヤを固定するものである。
好ましくは、上記他方のギヤの回転は、上記他方のギヤと噛合する上記中間ギヤの回転が停止するまで行うものである。
好ましくは、上記中間ギヤを固定した後、上記二つの固定されたギヤ及び上記中間ギアを回転させて上記被膜層を剥離させるものである。
好ましくは、上記被膜層を、二硫化モリブデン系の固体潤滑剤を上記歯面に塗布すると共にこれを焼き付けて形成するものである。
上記目的を達成するために本発明は、エンジンにクランクギヤ及びカムギヤを固定し上記クランクギヤと上記カムギヤとの間に複数のアイドルギヤを上記クランクギヤ側から順次上記エンジンに固定し上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとを連結する中間アイドルギヤを、上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとの間に組み付けて上記エンジンに固定するに際して、上記中間アイドルギヤの歯面、上記中間アイドルギヤと噛み合う上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤの歯面及び上記カムギヤの歯面の何れかに、被膜層を形成すると共に、上記被膜層の層厚を、一つの歯の両側の歯面に形成される被膜層の層厚の和が設定すべきバックラッシュ量と同じになるように設定し、上記中間アイドルギヤを、上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤ及び上記カムギヤと噛み合うように、かつ移動可能に仮固定した後、上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤ及び上記カムギヤの一方を回転しない状態で、他方のギヤを上記中間アイドルギヤが上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとの間に噛み込むように回転させて、上記中間アイドルギヤをバックラッシュがゼロになるまで移動させた後、上記中間アイドルギヤを固定するものである。
好ましくは、上記中間アイドルギヤを固定した後、上記最終段アイドルギヤ、上記カムギヤ、及び上記中間アイドルギヤをなじみ運転させて上記被膜層を剥離させるものである。
本発明によれば、ギヤの軸間距離を適切に調整することができると共に、最小限のバックラッシュを設定することができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態は、OHCエンジンのタイミングギヤトレーンを組み立てる際に、本発明のギヤの組付方法を適用するものである。
図1及び図2に示すように、OHCエンジン1は、エンジンブロック2と、そのエンジンブロック2の上方にガスケット5を介して設けられたシリンダヘッド4とを備える。エンジンブロック2には、クランク軸6が設けられ、シリンダヘッド4には、カム軸8が設けられる。また、OHCエンジン1には、クランク軸6の動力をカム軸8に伝達するタイミングギヤトレーン(ギヤトレーン)9が設けられる。さらに、そのタイミングギヤトレーン9を覆うように、フライホイールハウジング10が設けられる。
タイミングギヤトレーン9は、クランク軸6に固定されたクランクギヤ11と、カム軸8に固定されたカムギヤ15と、それらクランクギヤ11とカムギヤ15との間に配置され回動自在に支持された複数のアイドルギヤ12〜14とから構成される。それらアイドルギヤ12〜14は、クランクギヤ11側からアイドルAギヤ12、アイドルBギヤ13、アイドルCギヤ14の順に配置され、カムギヤ15がそれらアイドルギヤ12〜14を介してクランクギヤ11により駆動される。アイドルAギヤ12とアイドルBギヤ13とはエンジンブロック2に取り付けられ、アイドルCギヤ14はシリンダヘッド4に取り付けられる。
図3及び図4に示すように、アイドルCギヤ14は、歯車本体21と、その歯車本体21を回転自在に支持する支持軸22と、その支持軸22をシリンダヘッド4に固定するための固定部材24とを備える。本実施形態では、支持軸22が略円筒状の部材からなり、固定部材24が、支持軸22を軸方向に沿って貫通する固定ボルト25からなる。
支持軸22は、固定ボルト25のヘッド25aとシリンダヘッド4との間に挟み込まれて固定される。支持軸22の内周部とボルトのねじ部25bとの間には、アイドルCギヤ14の位置を調整可能なように隙間Cが設けられる。支持軸22のシリンダヘッド4側の端部には、鍔部22aが設けられる。支持軸22の固定ボルト25の端部と、固定ボルト25のヘッド25aとの間には、ワッシャ26が挟み込まれる。
アイドルBギヤ13もアイドルCギヤ14と同様に、歯車本体31と、その歯車本体31を回転自在に支持する支持軸32と、その支持軸32をエンジンブロック2に固定するための固定部材(具体的には、固定ボルト35)を備え、支持軸32と固定ボルト35との間に隙間が設けられる。
次に、本実施形態のギヤの組付方法を説明する。
まず、クランクギヤ11を、クランク軸6に固定して、エンジンブロック2に取り付ける。カムギヤ15を、カム軸8に固定して、シリンダヘッド4に取り付ける。さらに、クランクギヤ11側から順にアイドルAギヤ12、アイドルBギヤ13をエンジンブロック2に取り付ける。アイドルBギヤ13は、その固定ボルト35をねじ込み支持軸32をエンジンブロック2に固定する。以上により、カムギヤ15と、エンジンブロック2側の最終段アイドルギヤであるアイドルBギヤ13とは、互いの軸間距離が移動しないように固定される。
このように固定されたアイドルBギヤ13とカムギヤ15との間に、中間ギヤ(中間アイドルギヤ)であるアイドルCギヤ14を組み付けて固定する。
その組付方法を以下に説明する。
まず、図5に示すように、アイドルCギヤ14の歯面51に、被膜層52を形成する。本実施形態では、歯面51に後述する被膜材を塗布すると共にこれを焼き付けて、被膜層52を形成する。被膜材の塗布は、例えば、スプレーを用いて被膜材を歯面51に吹き付けることで行う。ここで、歯面51とは、ギヤが噛み合う時に接触する面をいう。
被膜層の層厚は、一つの歯の両側の歯面51、51に形成される被膜層の層厚の和(a1+b1)が設定すべきバックラッシュ量Bs(図8参照)と同じになるように設定する。本実施形態の被膜層52は、一つの歯の両側の歯面51、51に、各々均一に設定すべきバックラッシュ量Bsの半分の層厚(a1=b1=Bs/2)で形成される。
設定すべきバックラッシュ量Bsは、ギヤ11〜15が運転可能な範囲で最小のバックラッシュ量であり、歯車本体21の製造誤差を考慮して設定される。そのような製造誤差としては、例えば、歯厚誤差がある。アイドルCギヤ14の歯厚誤差をε1、相手ギヤ(カムギヤ15又は、アイドルBギヤ13)の歯厚誤差をε2とすると、最大歯厚誤差はε1+ε2となる。そこで、本実施形態では、設定すべきバックラッシュ量Bsをε1+ε2とする。つまり、被膜層52の層厚の和a1+b1が歯厚誤差ε1+ε2を吸収するための最小バックラッシュ量と等しくなるように、被膜層52を形成する。なお、ガスケット5厚のばらつき(すなわち軸間距離誤差)は、後述する軸間距離の調整により吸収される。
被膜材(被膜層52の材料)には、下記の特性が要求される。
・運転後、歯面51から早急に摩耗、剥離する。これは、被膜層52が部分的に残ると、うなり音の発生原因となるからである。
・剥離してエンジンオイルに混入した場合や、剥離片がエンジン1内部に入った場合にも、エンジン1などに悪影響を及ぼさない。
・後述する軸間距離の調整時の押し付け荷重に耐えうる強度を有し、かつ運転初期にギヤに噛み込まれた場合には、歯面に対してダメージを与えない。
以上のような特性を有する材料としては、エンジン部品のピストンやギヤなどの初期なじみを向上させるために使用されている二硫化モリブデン系の固体潤滑剤が好ましい。より好ましくは、ポリアミド樹脂に二硫化モリブデンを約20%添加したものである。
また、被膜層52を形成する部位は、アイドルCギヤ14の全ての歯面の内、アイドルCギヤ14をカムギヤ15及びアイドルBギヤ13に噛み合わせた際に、少なくともカムギヤ15の歯面及びアイドルBギヤ13の歯面と隣接する歯面(噛み合い位置にある歯面)である。
次に、軸間距離の調整方法を説明する。
まず、図4に示すように、被膜層52が形成されたアイドルCギヤ14を、アイドルBギヤ13及びカムギヤ15と噛み合うように、かつ移動可能に仮固定(仮止め)する。具体的には、アイドルCギヤ14を、アイドルBギヤ13とカムギヤ15との間に、被膜層52が形成された歯面51が相手ギヤ13、15の歯面と噛み合う(対向する)ような回転位置で配置する。さらに、アイドルCギヤ14の支持軸22(及び歯車本体21)が支持軸22の軸方向と垂直な平面(図4において、紙面と平行な面)上を移動できる程度の締付トルクで、固定ボルト25を仮締めする。例えば、支持軸22が固定ボルト25のヘッド25a及びシリンダヘッド4と摺動可能な位置まで、固定ボルト25をねじ込む。この仮固定状態では、アイドルCギヤ14とアイドルBギヤ13の軸間距離、及びアイドルCギヤ14とカムギヤ15の軸間距離が調整可能である。
次に、クランクギヤ11に回転止めをし、アイドルBギヤ13が回転しないようにする。その状態で、アイドルCギヤ14がアイドルBギヤ13とカムギヤ15との間に噛み込むようにカムギヤ15を回転させて、アイドルCギヤ14をバックラッシュがゼロになるまで移動させる。カムギヤ15の回転は、アイドルCギヤ14の回転が停止するまで行う。
より具体的には、トルクレンチなどを用いて、カムギヤ15にトルクTを所定の大きさで加える。トルクTは、カムギヤ15の軸心を中心としてアイドルCギヤ14の軸心からアイドルBギヤ13の軸心へと回転する方向に加える(図4参照)。
そのトルクTによるカムギヤ15から力と、回転しないアイドルBギヤ13からの抗力とが、仮固定されたアイドルCギヤ14に掛かる。それにより、アイドルCギヤ14は、回転しつつアイドルBギヤ13とカムギヤ15との間に噛み込み移動する(その移動方向を図4中矢印Mで示す)。回転が停止するまでアイドルCギヤ14が移動すると、アイドルCギヤ14の被膜層52が、アイドルBギヤ13及びカムギヤ15の歯面に押し付けられる。つまり、アイドルCギヤ14の、アイドルBギヤ13及びカムギヤ15に対するバックラッシュがゼロになる(図7参照)。
ここで、カムギヤ15に加えるトルクTが大きすぎると(すなわち、被膜層52に加えられる押し付け荷重が大きすぎると)、被膜層52が潰れてしまい適切なバックラッシュ量が得られなくなる。そこで、トルクTの大きさを、被膜層52の潰れ量を考慮して設定する。
図6に、押し付け荷重と被膜層52の潰れ量との関係を示す。
被膜層52の表面には、層厚に比べると微小ではあるが凹凸(うねり)が存在する。つまり、被膜層52の層厚は不均一である。そのため、押し付け荷重が低い場合、被膜層52と相手ギヤの歯面とは部分的にしか接触しない。
押し付け荷重(歯面荷重)が0〜15kgfでは、押し付け荷重に対する潰れ量の変化が大きくなる。これは凹凸が潰れるためである。15kgf近傍では、凹凸が均され被膜層52と歯面とが全面接触するようになる。そのため、15kgf〜35kgfでは、潰れ量の変化が小さくなる。35kgfを超えると、ふたたび潰れ量の変化が大きくなる。これは、被膜層52の圧縮限界を超えるためである。
以上から、層厚をより均一な状態にするためには、押し付け荷重を15kgf以上に設定することが望ましい。また、圧縮限界を考慮すると、押し付け荷重は35kgf以下に設定することが望ましい。
したがって、カムギヤ15を回転させるためのトルクTは、被膜層52に対する押し付け荷重が15kgf以上〜35kgf以下の範囲内となるような大きさとすることが好ましい。
次に、トルクTを付与した状態で、アイドルCギヤ14の固定ボルト25を締付け、支持軸22をシリンダヘッド4に固定する。これにより、アイドルCギヤ14が固定され、アイドルCギヤ14とアイドルBギヤ13及びカムギヤ15との軸間距離が定まる。一方、それらのギヤ13〜15の歯面間には、被膜層52の層厚分(a1+b1)だけ間隔が確保されている。
以上により、軸間距離の調整が完了する。
次に、被膜層52を歯面51から除去する。本実施形態では、アイドルBギヤ13、カムギヤ15、及びアイドルCギヤを回転させて被膜層を剥離させる。より具体的には、アイドルCギヤ14の固定後にギヤ11〜15(タイミングギヤトレーン9)をなじみ運転させることで、被膜層52を歯面51から剥離させる。なじみ運転は、OHCエンジン1を運転して各ギヤ11〜15を駆動させることで行う。そのなじみ運転時の負荷トルクの変動により、被膜層52に上述した押し付け荷重よりも大きな荷重が加えられ、被膜層52が剥離及び摩耗する。図8に示すように、なじみ運転は、被膜層52が完全に剥離するまで行う。被膜層52が完全に剥離することにより、ギヤ間に適正な量(Bs=ε1+ε2)のバックラッシュが形成される。
このように、本実施形態では、カムギヤ15を回転させるだけで、軸間距離を簡単に調整することができる。また、軸間距離を調整することで、ガスケット5厚のばらつきを吸収することができる。それにより、ガスケット5のばらつきを無視して、バックラッシュをより小さく設定することができる。
また、予め被膜層52を形成しておくことで、必要最小限のバックラッシュを容易にかつ確実に設定することができる。さらに、バックラッシュを最小限の大きさにすることで、歯打ち騒音などの騒音を大幅に低減させることができる。
また、バックラッシュの確保を、ギヤの回転で剥離可能な被膜層52により行うので、治具を用いる必要がない。治具が不要なので、ギヤがフライホイールハウジング10等で覆われた構造においても、軸間距離の調整及びバックラッシュの設定を簡便に行うことが可能となる。さらに、治具の取り付けや取り外しなどでギヤの組付工程が増加することがない。
また、被膜層52をアイドルCギヤ14から完全に剥離させることで、うなり音の発生を防止することができる。
ところで、例えば、スプレーなどを用いて被膜材を塗布すると、上述したように被膜層の層厚が不均一になる場合がある。その場合、適切なバックラッシュを得るためには層厚を均一にする必要がある。本実施形態では、カムギヤ15に付与するトルクを15kgf以上〜35kgf以下に設定することで、層厚を均一にすることができる。層厚は、例えば、層厚の許容寸法の下限値(層厚のうねりの下限値)で安定してセットされる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、被膜層を、カムギヤ及びアイドルBギヤに形成することが考えられる。
また、図9に示すように、被膜層は、一つの歯の両側の歯面51、51で、各々層厚が異なるように形成してもよい。その場合も、両側の歯面51、51の層厚の和が、設定すべきバックラッシュ量Bsと等しくなるように層厚が設定される(a1+b1=a2+b2=a3+b3=a4+b4=Bs)。例えば、層厚を、各歯の一方の側の層厚が互いに等しくなる(a1=a2=a3=a4、b1=b2=b3=b4)ように設定する。さらに、被膜層を一方の側の歯面にのみ形成することも考えられる。
また、本実施形態では被膜層を噛み合い位置の歯面のみに形成したが、それよりも多くの歯面(例えば、アイドルCギヤの全ての歯面)に被膜層を形成してもよい。
本発明に係る一実施形態によるギヤの組付方法を説明するための図であり、OHCエンジンの概略図を示す。 図1の後面図を示す。 図1の詳細断面図を示す。 図3の側面図であり、ギヤのみを示す。 アイドルCギヤの被膜層が形成された歯面の側面図を示す。 被膜層に掛かる押し付け荷重と被膜層の潰れ量との関係図を示す。 被膜層が形成されたアイドルCギヤとアイドルBギヤとを噛み合わせた状態の側面図を示す。 図7において、被膜層が剥離した状態の側面図を示す。 他の実施形態のアイドルCギヤの側面図を示す。 歯打ちを説明するための図であり、ギヤの歯の拡大図を示す。 歯打ちを説明するための図であり、ギヤの歯の拡大図を示す。 負荷トルクの変動と歯打ちの関係図を示す。 バックラッシュ量と騒音レベルの関係図を示す。
符号の説明
13 アイドルBギヤ
14 アイドルCギヤ(中間ギヤ)
15 カムギヤ
52 被膜層

Claims (6)

  1. 固定された二つのギヤ間に中間ギヤを組み付けて固定するに際して、
    上記中間ギヤの歯面または、上記中間ギヤと噛み合うギヤの歯面に、被膜層を形成すると共に、上記被膜層の層厚を、一つの歯の両側の歯面に形成される被膜層の層厚の和が設定すべきバックラッシュ量と同じになるように設定し、
    上記中間ギヤを、上記二つの固定されたギヤと噛み合うように、かつ移動可能に仮固定した後、
    上記二つの固定されたギヤの一方を回転しない状態で、他方のギヤを上記中間ギヤが上記二つの固定されたギヤ間に噛み込むように回転させて、上記中間ギヤをバックラッシュがゼロになるまで移動させた後、
    上記中間ギヤを固定することを特徴とするギヤの組付方法。
  2. 上記他方のギヤの回転は、上記他方のギヤと噛合する上記中間ギヤの回転が停止するまで行う請求項1記載のギヤの組付方法。
  3. 上記中間ギヤを固定した後、上記二つの固定されたギヤ及び上記中間ギアを回転させて上記被膜層を剥離させる請求項1または2記載のギヤの組付方法。
  4. 上記被膜層を、二硫化モリブデン系の固体潤滑剤を上記歯面に塗布すると共にこれを焼き付けて形成する請求項1から3いずれかに記載のギヤの組付方法。
  5. エンジンにクランクギヤ及びカムギヤを固定し上記クランクギヤと上記カムギヤとの間に複数のアイドルギヤを上記クランクギヤ側から順次上記エンジンに固定し上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとを連結する中間アイドルギヤを、上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとの間に組み付けて上記エンジンに固定するに際して、
    上記中間アイドルギヤの歯面、上記中間アイドルギヤと噛み合う上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤの歯面及び上記カムギヤの歯面の何れかに、被膜層を形成すると共に、上記被膜層の層厚を、一つの歯の両側の歯面に形成される被膜層の層厚の和が設定すべきバックラッシュ量と同じになるように設定し、
    上記中間アイドルギヤを、上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤ及び上記カムギヤと噛み合うように、かつ移動可能に仮固定した後、
    上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤ及び上記カムギヤの一方を回転しない状態で、他方のギヤを上記中間アイドルギヤが上記エンジンに最後に固定されたアイドルギヤと上記カムギヤとの間に噛み込むように回転させて、上記中間アイドルギヤをバックラッシュがゼロになるまで移動させた後、
    上記中間アイドルギヤを固定することを特徴とするギヤの組付方法。
  6. 上記中間アイドルギヤを固定した後、上記最終段アイドルギヤ、上記カムギヤ、及び上記中間アイドルギヤをなじみ運転させて上記被膜層を剥離させる請求項5記載のギヤの組付方法。
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