JP3292052B2 - 歯車構造 - Google Patents
歯車構造Info
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- JP3292052B2 JP3292052B2 JP21739696A JP21739696A JP3292052B2 JP 3292052 B2 JP3292052 B2 JP 3292052B2 JP 21739696 A JP21739696 A JP 21739696A JP 21739696 A JP21739696 A JP 21739696A JP 3292052 B2 JP3292052 B2 JP 3292052B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボスの外周面に弾
性部材を介して結合された歯車の構造に関するものであ
る。
性部材を介して結合された歯車の構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンのタイミングギヤ列
には、複数のアイドラギヤが用いられている。アイドラ
ギヤには、この支持軸への振動伝達を低減するアイソレ
ーションギヤが使用されている。アイソレーションギヤ
の構造は、実開平1−104468号公報に開示されて
いる。この公報によれば、図5に示すように、アイソレ
ーションギヤは、エンジン本体に固定されている固定軸
20にボス21が回転自在に支持され、このボス21の
外周面に弾性部材22を介して平歯車23がボス21に
結合されて構成されている。ボス21の外周面と平歯車
23の内周面とには、平歯車23のボス21からの抜け
防止のために凹部24がそれぞれ形成されており、互い
の結合性を向上している。
には、複数のアイドラギヤが用いられている。アイドラ
ギヤには、この支持軸への振動伝達を低減するアイソレ
ーションギヤが使用されている。アイソレーションギヤ
の構造は、実開平1−104468号公報に開示されて
いる。この公報によれば、図5に示すように、アイソレ
ーションギヤは、エンジン本体に固定されている固定軸
20にボス21が回転自在に支持され、このボス21の
外周面に弾性部材22を介して平歯車23がボス21に
結合されて構成されている。ボス21の外周面と平歯車
23の内周面とには、平歯車23のボス21からの抜け
防止のために凹部24がそれぞれ形成されており、互い
の結合性を向上している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アイドラギ
ヤには、平歯車よりも噛合率が大きく静かであるヘリカ
ルギヤが使用される場合がある。ヘリカルギヤを回転駆
動するとき、歯面に作用する力は、ねじれ角によりスラ
スト方向(軸方向)とラジアル方向(軸直交方向)に分
散される。アイドラギヤの場合、図5に示すように、噛
合点は2か所あるので、各点A,Bに作用する力の合力
により軸を中心としたモーメント力(図中矢印A1,B
1で示す)がギヤに作用する。このモーメント力はギヤ
径に比例して大きくなる。
ヤには、平歯車よりも噛合率が大きく静かであるヘリカ
ルギヤが使用される場合がある。ヘリカルギヤを回転駆
動するとき、歯面に作用する力は、ねじれ角によりスラ
スト方向(軸方向)とラジアル方向(軸直交方向)に分
散される。アイドラギヤの場合、図5に示すように、噛
合点は2か所あるので、各点A,Bに作用する力の合力
により軸を中心としたモーメント力(図中矢印A1,B
1で示す)がギヤに作用する。このモーメント力はギヤ
径に比例して大きくなる。
【0004】前述のギヤ構造における平歯車をヘリカル
歯車にした場合には、スラスト方向に作用する力とモー
メントによる力は、ボスと歯車との間の弾性部材に対し
て、歯車をボスから外すように作用する。前述のギヤ構
造では、ボスの外周面と平歯車の内周面とに歯車のボス
からの抜け防止のために凹部がそれぞれ形成されて弾性
部材が介在されているが、この構成だけでは、ヘリカル
ギヤによって生じるスラスト力やモーメント力を受ける
ことが困難である。これらの力は、弾性部材にせん断力
として作用するので、この耐久性が低下し、撓み量も増
大し、ボスと歯車との相対位置が変化する。ボスと歯車
との相対位置が変化すると、各ギヤの噛合率が低下して
騒音が増大するという問題点がある。また、弾性部材の
耐久性が低減して、スラスト力とモーメント力の合力
が、弾性部材のボスと歯車との結合力を上回ると、歯車
がボスから抜けるおそれもある。
歯車にした場合には、スラスト方向に作用する力とモー
メントによる力は、ボスと歯車との間の弾性部材に対し
て、歯車をボスから外すように作用する。前述のギヤ構
造では、ボスの外周面と平歯車の内周面とに歯車のボス
からの抜け防止のために凹部がそれぞれ形成されて弾性
部材が介在されているが、この構成だけでは、ヘリカル
ギヤによって生じるスラスト力やモーメント力を受ける
ことが困難である。これらの力は、弾性部材にせん断力
として作用するので、この耐久性が低下し、撓み量も増
大し、ボスと歯車との相対位置が変化する。ボスと歯車
との相対位置が変化すると、各ギヤの噛合率が低下して
騒音が増大するという問題点がある。また、弾性部材の
耐久性が低減して、スラスト力とモーメント力の合力
が、弾性部材のボスと歯車との結合力を上回ると、歯車
がボスから抜けるおそれもある。
【0005】よって、本発明の目的は、ヘリカル外歯歯
車を使用したときに、ギヤの騒音を低減でき、ギヤの耐
久性を向上できる歯車構造を提供することにある。
車を使用したときに、ギヤの騒音を低減でき、ギヤの耐
久性を向上できる歯車構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シャ
フトに回転自在に支持されるヘリカル外歯歯車をボス部
と歯車部とに分割し、上記ボス部と上記歯車部との間
に、両者を互いに結合する弾性部材を介装した歯車構造
において、上記歯車部の軸方向への移動を制限する制限
部材を上記歯車部及び上記ボス部の少なくとも一方の端
面に対向する部位に配設し、少なくとも上記ボス部と上
記制限部材との間に間隙が形成される構成である。
フトに回転自在に支持されるヘリカル外歯歯車をボス部
と歯車部とに分割し、上記ボス部と上記歯車部との間
に、両者を互いに結合する弾性部材を介装した歯車構造
において、上記歯車部の軸方向への移動を制限する制限
部材を上記歯車部及び上記ボス部の少なくとも一方の端
面に対向する部位に配設し、少なくとも上記ボス部と上
記制限部材との間に間隙が形成される構成である。
【0007】請求項2の発明は、請求項1記載の歯車構
造において、上記歯車部と上記制限部材との間にも隙間
が形成され、上記歯車部と上記制限部材との間の隙間が
上記ボス部と上記制限部材との間の間隙とよりも小さく
設定されている構成である。
造において、上記歯車部と上記制限部材との間にも隙間
が形成され、上記歯車部と上記制限部材との間の隙間が
上記ボス部と上記制限部材との間の間隙とよりも小さく
設定されている構成である。
【0008】
【0009】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の歯車構造において、歯車部の軸方向の厚さを弾性部材
及びボス部の軸方向の厚さよりも大きくするとともに、
制限部材の少なくとも一方が板状のスラストプレートで
ある構成である。
の歯車構造において、歯車部の軸方向の厚さを弾性部材
及びボス部の軸方向の厚さよりも大きくするとともに、
制限部材の少なくとも一方が板状のスラストプレートで
ある構成である。
【0010】また、このような構成に加え、制限部材の
一方がスラストプレートであり、他方がアイドラシャフ
トが固定される台である構成とすることが望ましい。
一方がスラストプレートであり、他方がアイドラシャフ
トが固定される台である構成とすることが望ましい。
【0011】更に、以上に述べた構成に加え、台がエン
ジンであるとともに、ヘリカル外歯歯車がタイミングギ
ア列内に配設されたアイドラギヤである構成とすること
が望ましい。
ジンであるとともに、ヘリカル外歯歯車がタイミングギ
ア列内に配設されたアイドラギヤである構成とすること
が望ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図面を参照し
て説明する。図1において、符号1は、ディーゼルエン
ジンに用いられるタイミングギヤ列のアイドラギヤを示
している。アイドラギヤ1には、平歯車よりも噛合率が
大きく静かであるヘリカルギヤが使用されており、図示
しない他のアイドラギヤ、タイミングギヤあるいはクラ
ンクシャフトギヤが噛合している。
て説明する。図1において、符号1は、ディーゼルエン
ジンに用いられるタイミングギヤ列のアイドラギヤを示
している。アイドラギヤ1には、平歯車よりも噛合率が
大きく静かであるヘリカルギヤが使用されており、図示
しない他のアイドラギヤ、タイミングギヤあるいはクラ
ンクシャフトギヤが噛合している。
【0013】図2において、エンジン本体2に固設され
たアイドラシャフト3には、メタル軸受4を介してボス
5が回転自在に支持されている。ボス5には、歯車部と
しての環状のリム6が遊嵌されている。リム6の外周面
には、ヘリカル歯7が形成されている。ボス5の外周面
とリム6の内周面との間には、ボス5とリム6とを互い
に結合する弾性部材としてのラバー部材8が介装されて
いる。ラバー部材8は、焼き付けによってボス5の外周
面とリム6の内周面とに固着されている。エンジン本体
2側のリム6の一端面6aに対向する部位には、リム6
の一端面6aを受ける制限部材としての受け面2aが形
成されている。
たアイドラシャフト3には、メタル軸受4を介してボス
5が回転自在に支持されている。ボス5には、歯車部と
しての環状のリム6が遊嵌されている。リム6の外周面
には、ヘリカル歯7が形成されている。ボス5の外周面
とリム6の内周面との間には、ボス5とリム6とを互い
に結合する弾性部材としてのラバー部材8が介装されて
いる。ラバー部材8は、焼き付けによってボス5の外周
面とリム6の内周面とに固着されている。エンジン本体
2側のリム6の一端面6aに対向する部位には、リム6
の一端面6aを受ける制限部材としての受け面2aが形
成されている。
【0014】ここで、アイドラシャフト3の軸方向の長
さをT、リム6の軸方向の厚さをtとすると、リム6の
厚さtは、t≦Tの関係を満たしている。なお、ボス5
及びラバー部材8の軸方向の厚さは、リム6の厚さtと
略同様である。
さをT、リム6の軸方向の厚さをtとすると、リム6の
厚さtは、t≦Tの関係を満たしている。なお、ボス5
及びラバー部材8の軸方向の厚さは、リム6の厚さtと
略同様である。
【0015】アイドラシャフト3の端面3aには、制限
部材としての円形のスラストプレート9が四つのボルト
10によって固定されている。スラストプレート9の外
径をR、リム6の内径をrとすると、スラストプレート
9の外径Rは、r<Rの関係を満たしている。すなわ
ち、スラストプレート9の外周部は、リム6の他端面6
bに対向する位置まで延出しており、スラストプレート
9のアイドラシャフト3側の端面9aは、リム6の他端
面6bに対向している。
部材としての円形のスラストプレート9が四つのボルト
10によって固定されている。スラストプレート9の外
径をR、リム6の内径をrとすると、スラストプレート
9の外径Rは、r<Rの関係を満たしている。すなわ
ち、スラストプレート9の外周部は、リム6の他端面6
bに対向する位置まで延出しており、スラストプレート
9のアイドラシャフト3側の端面9aは、リム6の他端
面6bに対向している。
【0016】アイドラギヤ1に伝達される回転力は、ヘ
リカル歯7のねじれ角によって、スラスト方向(軸方
向)とラジアル方向(軸直交方向)に分散される。スラ
スト方向の力は、アイドラギヤ1に対して、リム6を
(図中矢印C)に移動させる向きに作用する。スラスト
方向の力によって、リム6の他端面6bはスラストプレ
ート9の端面9aに当接される。リム6の他端面6bが
スラストプレート9に当接することによって、リム6の
移動は制限され、スラスト方向の力はスラストプレート
9に受け止められる。よって、リム6に作用するスラス
ト方向の力は、スラストプレート9で受け止められるの
で、ラバー部材8への力の伝達が低減され、リム6のボ
ス5からの抜けが防止される。
リカル歯7のねじれ角によって、スラスト方向(軸方
向)とラジアル方向(軸直交方向)に分散される。スラ
スト方向の力は、アイドラギヤ1に対して、リム6を
(図中矢印C)に移動させる向きに作用する。スラスト
方向の力によって、リム6の他端面6bはスラストプレ
ート9の端面9aに当接される。リム6の他端面6bが
スラストプレート9に当接することによって、リム6の
移動は制限され、スラスト方向の力はスラストプレート
9に受け止められる。よって、リム6に作用するスラス
ト方向の力は、スラストプレート9で受け止められるの
で、ラバー部材8への力の伝達が低減され、リム6のボ
ス5からの抜けが防止される。
【0017】リム6の径がリム6の厚さtに対して十分
大きい場合(リム6の厚さt≪リムの外径r1)には、
モーメント力が、スラスト方向の力に加えてアイドラギ
ヤ1に作用する。アイドラギヤ1では噛合点が2か所あ
るので、アイドラギヤ1には、このアイドラ1に噛合し
ている各ギヤからそれぞれ逆向きの力を受けて、アイド
ラシャフト3を中心としたモーメント力も作用する。こ
のモーメント力によって、リム6の他端面6bはスラス
トプレート9の端面9aに、一端面6aはエンジン本体
2の受け面2aにそれぞれ当接される。リム6の両端面
6a,6bが、端面9a及び受け面2aに当接すること
によって、リム6の移動は制限され、モーメント力の一
方はスラストプレート9に、他方はエンジン本体2にそ
れぞれ受け止められる。よって、モーメント力のラバー
部材8への伝達が低減されるとともに、ラバー部材8へ
のせん断力の発生が低減されて、ラバー部材8の耐久性
が向上する。なお、アイドラギヤ1とエンジン本体2と
の間には、エンジン潤滑油が十分に供給されており、ア
イドラギヤ1の回転をエンジン本体2が妨げることがな
い。
大きい場合(リム6の厚さt≪リムの外径r1)には、
モーメント力が、スラスト方向の力に加えてアイドラギ
ヤ1に作用する。アイドラギヤ1では噛合点が2か所あ
るので、アイドラギヤ1には、このアイドラ1に噛合し
ている各ギヤからそれぞれ逆向きの力を受けて、アイド
ラシャフト3を中心としたモーメント力も作用する。こ
のモーメント力によって、リム6の他端面6bはスラス
トプレート9の端面9aに、一端面6aはエンジン本体
2の受け面2aにそれぞれ当接される。リム6の両端面
6a,6bが、端面9a及び受け面2aに当接すること
によって、リム6の移動は制限され、モーメント力の一
方はスラストプレート9に、他方はエンジン本体2にそ
れぞれ受け止められる。よって、モーメント力のラバー
部材8への伝達が低減されるとともに、ラバー部材8へ
のせん断力の発生が低減されて、ラバー部材8の耐久性
が向上する。なお、アイドラギヤ1とエンジン本体2と
の間には、エンジン潤滑油が十分に供給されており、ア
イドラギヤ1の回転をエンジン本体2が妨げることがな
い。
【0018】第2の実施例を図3に示し、この実施例に
ついて説明する。同図において、図2に示す部材と同様
の部材は、図2で用いた符号と同一符号を付すにとどめ
てその説明を省略し、相違する点について説明する。ボ
ス5の軸方向の厚さをt1とすると、厚さt1は、t1
≦tの関係を満たしており、ボス5の両端面5a,5b
と、スラストプレート9の端面9a及びエンジン本体2
の受け面2aとの間には、所定間隙がそれぞれ形成され
ている。ラバー部材8の断面形状は、リム6とボス5と
の結合力を増すために、略台形状に形成されている。
ついて説明する。同図において、図2に示す部材と同様
の部材は、図2で用いた符号と同一符号を付すにとどめ
てその説明を省略し、相違する点について説明する。ボ
ス5の軸方向の厚さをt1とすると、厚さt1は、t1
≦tの関係を満たしており、ボス5の両端面5a,5b
と、スラストプレート9の端面9a及びエンジン本体2
の受け面2aとの間には、所定間隙がそれぞれ形成され
ている。ラバー部材8の断面形状は、リム6とボス5と
の結合力を増すために、略台形状に形成されている。
【0019】第2の実施例では、噛合点で生じたスラス
ト方向の力の大部分はスラストプレート9及びエンジン
本体2にそれぞれ伝達され、ラバー部材8及びボス5へ
の力の伝達は極めて少ない。このため、ラバー部材8へ
のせん断力の発生が防止でき、ラバー部材8の耐久性を
向上できる。一方、ラジアル方向の力は、リム6、ラバ
ー部材8、ボス5、メタル軸受4及びアイドラシャフト
3を介してエンジン本体2に伝達する。ラジアル方向の
力による振動は、ラバー部材8により略吸収緩和される
ので、エンジン本体2への振動が低減されて騒音を低減
できる。第2の実施例では、ボス5の軸方向の厚さをリ
ム6の厚さよりも小さく設定するだけで、所定間隙を形
成できるので、後述の第3の実施例の歯車構造よりも加
工工数を低減することができる。
ト方向の力の大部分はスラストプレート9及びエンジン
本体2にそれぞれ伝達され、ラバー部材8及びボス5へ
の力の伝達は極めて少ない。このため、ラバー部材8へ
のせん断力の発生が防止でき、ラバー部材8の耐久性を
向上できる。一方、ラジアル方向の力は、リム6、ラバ
ー部材8、ボス5、メタル軸受4及びアイドラシャフト
3を介してエンジン本体2に伝達する。ラジアル方向の
力による振動は、ラバー部材8により略吸収緩和される
ので、エンジン本体2への振動が低減されて騒音を低減
できる。第2の実施例では、ボス5の軸方向の厚さをリ
ム6の厚さよりも小さく設定するだけで、所定間隙を形
成できるので、後述の第3の実施例の歯車構造よりも加
工工数を低減することができる。
【0020】図4に第3の実施例を示す。同図におい
て、図2に示す部材と同様の部材は、図2で用いた符号
と同一符号を付すにとどめてその説明を省略し、相違す
る点について説明する。この第3の実施例では、ボス5
及びラバー部材8の軸方向の厚さは、リム6の厚さtと
略同様である。ボス5の端面5aに対向しているスラス
トプレート9の端面9aには、環状の溝9bが形成され
ている。ボス5の端面5bに対向しているエンジン本体
2の受け面2aには、環状の溝2bが形成されている。
溝2b,9bは、その断面がそれぞれ略コ字状であり、
所定の深さを有している。これらの溝2b,9bによっ
て、ボス5の両端面5a,5bとスラストプレート9の
端面9a及びエンジン本体2の受け面2aとの間には、
所定の間隙が形成される。このように構成することによ
って、第2の実施例と略同様の効果を得ることができ
る。
て、図2に示す部材と同様の部材は、図2で用いた符号
と同一符号を付すにとどめてその説明を省略し、相違す
る点について説明する。この第3の実施例では、ボス5
及びラバー部材8の軸方向の厚さは、リム6の厚さtと
略同様である。ボス5の端面5aに対向しているスラス
トプレート9の端面9aには、環状の溝9bが形成され
ている。ボス5の端面5bに対向しているエンジン本体
2の受け面2aには、環状の溝2bが形成されている。
溝2b,9bは、その断面がそれぞれ略コ字状であり、
所定の深さを有している。これらの溝2b,9bによっ
て、ボス5の両端面5a,5bとスラストプレート9の
端面9a及びエンジン本体2の受け面2aとの間には、
所定の間隙が形成される。このように構成することによ
って、第2の実施例と略同様の効果を得ることができ
る。
【0021】前述の第1〜3の実施例では、アイドラシ
ャフトに回転自在に支持されたアイドラギヤについて説
明したが、このギヤの構造を、低トルクを伝達する場合
であれば、駆動用あるいは被駆動用のヘリカルギヤ、す
なわち、軸に固定されたヘリカルギヤに適用してもよ
い。この場合でも、前述の第1〜3の実施例と同様な効
果を得ることができる。
ャフトに回転自在に支持されたアイドラギヤについて説
明したが、このギヤの構造を、低トルクを伝達する場合
であれば、駆動用あるいは被駆動用のヘリカルギヤ、す
なわち、軸に固定されたヘリカルギヤに適用してもよ
い。この場合でも、前述の第1〜3の実施例と同様な効
果を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、ヘリカル外歯歯車の歯車部の軸方向への移動を
制限する制限部材を、歯車部の少なくとも一端面に対向
する部位に配設したので、ヘリカル外歯歯車の回転時
に、歯車部がスラスト方向の力及びモーメント力によっ
て制限部材に当接し、歯車部に作用する力は制限部材に
受け止められる。したがって、スラスト方向の力及びモ
ーメント力の弾性部材への影響が低減されるとともに、
弾性部材へのせん断力の発生も低減されて、弾性部材の
耐久性を向上することができる。また、弾性部材の撓み
量も少なくて済むので、ボス部と歯車部との相対位置の
変化も少なくて済み、各ギヤの噛合率を高い状態に維持
でき、騒音を低減することができる。さらに、歯車部の
ボス部からの抜けを防止することもできる。
よれば、ヘリカル外歯歯車の歯車部の軸方向への移動を
制限する制限部材を、歯車部の少なくとも一端面に対向
する部位に配設したので、ヘリカル外歯歯車の回転時
に、歯車部がスラスト方向の力及びモーメント力によっ
て制限部材に当接し、歯車部に作用する力は制限部材に
受け止められる。したがって、スラスト方向の力及びモ
ーメント力の弾性部材への影響が低減されるとともに、
弾性部材へのせん断力の発生も低減されて、弾性部材の
耐久性を向上することができる。また、弾性部材の撓み
量も少なくて済むので、ボス部と歯車部との相対位置の
変化も少なくて済み、各ギヤの噛合率を高い状態に維持
でき、騒音を低減することができる。さらに、歯車部の
ボス部からの抜けを防止することもできる。
【0023】特に 、 少なくともボス部の端面と制限部材
の端面との間に間隙を形成したので、歯車部に作用する
スラスト方向の力及びモーメント力の大部分の力は制限
部材に伝達される。よって、弾性部材には、大きなスラ
スト方向の力及びモーメント力が伝達されることがない
ので、せん断力の発生が低減される。さらに、弾性部材
には、ラジアル方向の振動のみが伝達されるが、弾性部
材の振動低減能力によりこの振動を低減してボス部に回
転力を伝達する。したがって、ラジアル方向の力による
振動伝達を低減でき、振動による騒音を低減できる。請
求項2の発明によれば、上記歯車部と上記制限部材との
間の隙間が上記ボス部と上記制限部材との間の間隙とよ
りも小さく設定したので、ボス部の端面と制限部材との
間に容易に隙間を形成することができ 、 加工工数を比較
的低減できる。
の端面との間に間隙を形成したので、歯車部に作用する
スラスト方向の力及びモーメント力の大部分の力は制限
部材に伝達される。よって、弾性部材には、大きなスラ
スト方向の力及びモーメント力が伝達されることがない
ので、せん断力の発生が低減される。さらに、弾性部材
には、ラジアル方向の振動のみが伝達されるが、弾性部
材の振動低減能力によりこの振動を低減してボス部に回
転力を伝達する。したがって、ラジアル方向の力による
振動伝達を低減でき、振動による騒音を低減できる。請
求項2の発明によれば、上記歯車部と上記制限部材との
間の隙間が上記ボス部と上記制限部材との間の間隙とよ
りも小さく設定したので、ボス部の端面と制限部材との
間に容易に隙間を形成することができ 、 加工工数を比較
的低減できる。
【0024】
【0025】請求項3の発明によれば、歯車部の軸方向
の厚さを弾性部材及びボス部の軸方向の厚さよりも大き
くするとともに、制限部材の少なくとも一方を板状のス
ラストプレートとしたので、制限部材を簡便な板状部材
から形成でき、ボス部及び弾性部材の各端面と制限部材
との間に容易に隙間を形成することができる。また、板
状のスラストプレートを使用することで、歯車構造の厚
さを薄くできる。
の厚さを弾性部材及びボス部の軸方向の厚さよりも大き
くするとともに、制限部材の少なくとも一方を板状のス
ラストプレートとしたので、制限部材を簡便な板状部材
から形成でき、ボス部及び弾性部材の各端面と制限部材
との間に容易に隙間を形成することができる。また、板
状のスラストプレートを使用することで、歯車構造の厚
さを薄くできる。
【0026】また、制限部材の一方をスラストプレート
とし、他方がアイドラシャフトが固定される台とすれ
ば、制限部材の他方を台で兼用できる。したがって、部
品点数を低減できるとともに、歯車構造の厚さを薄くで
き、小型化が図れる。
とし、他方がアイドラシャフトが固定される台とすれ
ば、制限部材の他方を台で兼用できる。したがって、部
品点数を低減できるとともに、歯車構造の厚さを薄くで
き、小型化が図れる。
【0027】更に、台をエンジンとするとともに、ヘリ
カル外歯歯車がタイミングギア列内に配設されたアイド
ラギヤとした場合にはアイドラギヤには、大きい伝達ト
ルクが作用する。伝達トルクが大きくても弾性部材への
スラスト方向の力及びモーメント力の影響が低減され、
弾性部材へのせん断力やねじれ等の発生が低減されるの
で、弾性部材が本来備えている振動低減効果を十分に引
き出すことができる。
カル外歯歯車がタイミングギア列内に配設されたアイド
ラギヤとした場合にはアイドラギヤには、大きい伝達ト
ルクが作用する。伝達トルクが大きくても弾性部材への
スラスト方向の力及びモーメント力の影響が低減され、
弾性部材へのせん断力やねじれ等の発生が低減されるの
で、弾性部材が本来備えている振動低減効果を十分に引
き出すことができる。
【図1】本発明の歯車構造が適用されたアイドラギヤの
平面図である。
平面図である。
【図2】図1のII−II断面図である
【図3】本発明の第2の実施例を示す、アイドラギヤの
片側断面図である。
片側断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す、アイドラギヤの
片側断面図である。
片側断面図である。
【図5】従来のアイドラギヤの歯車構造を示す、アイド
ラギヤの断面図である。
ラギヤの断面図である。
1 アイドラギヤ 2 エンジン本体 2a 受け面 2b,9b 溝 3 アイドラシャフト 5 ボス 5a,5b,9a 端面 6 リム 6a 一端面 6b 他端面 8 ラバー部材 9 スラストプレート R スラストプレートの外径 r リムの内径 r1 リムの外径 T アイドラシャフトの軸方向の長さ t リムの軸方向の厚さ t1 ボスの軸方向の厚さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 55/14 F16H 1/04 F16H 55/17
Claims (3)
- 【請求項1】シャフトに回転自在に支持されるヘリカル
外歯歯車をボス部と歯車部とに分割し、上記ボス部と上
記歯車部との間に、両者を互いに結合する弾性部材を介
装した歯車構造において、 上記歯車部の軸方向への移動を制限する制限部材を上記
歯車部及び上記ボス部の少なくとも一方の端面に対向す
る部位に配設し、 少なくとも上記ボス部と上記制限部材との間に間隙が形
成される ことを特徴とする歯車構造。 - 【請求項2】請求項1記載の歯車構造において 、 上記歯車部と上記制限部材との間にも隙間が形成され、 上記歯車部と上記制限部材との間の隙間が上記ボス部と
上記制限部材との間の間隙とよりも小さく設定されてい
ることを特徴とする。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の歯車構造において 、 上記歯車部の軸方向の厚さを上記弾性部材及び上記ボス
部の軸方向の厚さよりも大きくするとともに、上記制限
部材の少なくとも一方が板状のスラストプレートである
ことを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21739696A JP3292052B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 歯車構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21739696A JP3292052B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 歯車構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1061751A JPH1061751A (ja) | 1998-03-06 |
JP3292052B2 true JP3292052B2 (ja) | 2002-06-17 |
Family
ID=16703542
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21739696A Expired - Fee Related JP3292052B2 (ja) | 1996-08-19 | 1996-08-19 | 歯車構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3292052B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2159454B1 (en) * | 2008-08-26 | 2016-12-21 | Perkins Engines Company Limited | Idler gear and hub with coating |
CN105065632A (zh) * | 2015-08-08 | 2015-11-18 | 常州市武进金城齿轮有限公司 | 防护盖板式降噪齿轮 |
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CN111853202A (zh) * | 2020-06-23 | 2020-10-30 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 减振齿轮及其发动机 |
-
1996
- 1996-08-19 JP JP21739696A patent/JP3292052B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1061751A (ja) | 1998-03-06 |
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