JP2001323973A - 歯車伝動機構 - Google Patents

歯車伝動機構

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JP2001323973A JP2000140528A JP2000140528A JP2001323973A JP 2001323973 A JP2001323973 A JP 2001323973A JP 2000140528 A JP2000140528 A JP 2000140528A JP 2000140528 A JP2000140528 A JP 2000140528A JP 2001323973 A JP2001323973 A JP 2001323973A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯車を介してトルクを伝達し、かつ2本の軸
が同一軸線上に配置されて連結された伝動機構での振
動、騒音を低下させる。 【解決手段】 互いに同一軸線上に配置された第1の軸
4と第2の軸6とが相対回転可能に嵌合されるととも
に、これら第1の軸4および第2の軸6と平行に第3の
軸が回転自在に配置され、その第1の軸4もしくは第2
の軸6に設けた歯車17とその歯車17に噛み合うよう
に前記第3の軸に設けた歯車との間でトルクを伝達する
歯車伝動機構であって、前記第1の軸4と第2の軸6と
が嵌合している箇所に、第1の軸4に対して第2の軸6
を回転自在に支持する軸受8が配置され、その軸受8の
ガタを制限する手段10が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯車を介してト
ルクを伝達する伝動機構に関し、特に同一軸線上に配置
された2本の回転軸が相互に相対回転自在に嵌合され、
これらの回転軸に対して第3の軸が平行に配置されてい
る伝動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯車を使用した伝動機構は、大きいトル
クを伝達できるうえに、動力の伝達効率が高い利点があ
る。その反面、歯が噛み合うことに伴う歯打ち音が生じ
て騒音の原因となったり、伝達トルクの変化に伴う振動
が生じたりする欠点がある。そこで、例えば特開平9−
184549号公報に記載されている発明では、アイド
リング時に噛み合う歯車の数が少なくなるように変速機
を構成している。すなわち、この公報に記載された変速
機では、インプットシャフトとアウトプットシャフトと
が同一軸線上に配置されるとともに、インプットシャフ
トの先端部がアウトプットシャフトの後端部の内部に嵌
合させられ、さらにその嵌合部分にパイロットベアリン
グが配置されている。また、これらのインプットシャフ
トとアウトプットシャフトとに対して平行にカウンタシ
ャフトが配置され、そのカウンタシャフトとインプット
シャフトとの間、およびカウンタシャフトとアウトプッ
トシャフトとの間に、複数対のギヤ対が設けられ、さら
に、それらのギヤ対をインプットシャフトやカウンタシ
ャフトに選択的に連結する同期機構が設けられている。
そして、そのギヤ対の配置を適正化してアイドリング時
に噛み合うギヤ対を少なくし、これにより歯打ち音やそ
れに起因する騒音を低減するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公報に記載され
た変速機は、アイドリング時の騒音を低減することを一
つの目的として、アイドリング時に噛み合う歯車の数を
少なくしている。しかしながら、このような構成では、
騒音の発生要因自体を改善していないので、騒音を低減
することは困難であり、少なくともアイドリング時以外
では、噛み合う歯車の数が多くなるので、騒音が大きく
なる不都合がある。
【0004】特に上記の公報に記載された変速機では、
インプットシャフトの先端部をアウトプットシャフトの
後端部に嵌合させ、これらの軸端の間に軸受を介在させ
て、両者の軸が相対回転できるようにしている。そのた
め、その軸受の部分のガタにより、インプットシャフト
とアウトプットシャフトとの端部が、半径方向にガタ
分、変位可能ないわゆる自由端となっている。その結
果、歯車でのトルクの伝達に伴って生じる曲げ荷重や各
軸を互いに離隔もしくは接近させる方向に作用する半径
方向荷重さらにはスラスト荷重が、インプットシャフト
あるいはアウトプットシャフトをケーシングに対して支
持している軸受にそのまま掛かってしまう。そして、そ
の荷重が歯車の噛み合いに伴って変動するので、ケーシ
ングに対して大きい変動荷重が作用し、これが原因とな
ってケーシングの振動やそれに起因する騒音が発生する
可能性が多分にある。上記の従来の変速機では、この点
でも騒音を改善する余地があった。
【0005】この発明は、上記の技術的課題に着目し、
互いに噛み合う歯車を保持している軸の間で、歯車を介
したトルク伝達に伴う荷重を相殺して騒音や振動を低減
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】この発明
は、上記の目的を達成するために、同一軸線上に配置さ
れた相対回転可能な2本の軸の連結部に介在されている
軸受におけるガタをなくして、歯車を介してトルクを伝
達することに伴う荷重を、これらの軸およびこれらの軸
に対して平行に配置した第3の軸との間で相殺させるよ
うに構成したことを特徴とするものである。より具体的
には、請求項1の発明は、互いに同一軸線上に配置され
た第1の軸と第2の軸とが相対回転可能に嵌合されると
ともに、これら第1の軸および第2の軸と平行に第3の
軸が回転自在に配置され、その第1の軸もしくは第2の
軸に設けた歯車とその歯車に噛み合うように前記第3の
軸に設けた歯車との間でトルクを伝達する歯車伝動機構
において、前記第1の軸と第2の軸とが嵌合している箇
所に、第1の軸に対して第2の軸を回転自在に支持する
軸受が配置され、その軸受のガタを制限する手段が設け
られていることを特徴とするものである。
【0007】したがって請求項1の発明では、第1の軸
と第2の軸とが、1本の軸に近い剛性で連結されること
になり、その結果、歯車の噛み合いに伴う第1の軸もし
くは第2の軸と第3の軸との間の荷重の発生状態が、互
いに平行な2軸の間での荷重の発生状態に近似し、それ
らの軸間の歯車あるいは固定支持部を介して荷重が相殺
しあってケーシングなどの外部に対して荷重が伝達され
ることが抑制される。
【0008】また、請求項2の発明は、請求項1の構成
において、前記軸受が、内輪と、外輪と、これら内輪お
よび外輪の間に保持した転動体を備え、かつ内輪の前記
転動体に接触する面と外輪の前記転動体に接触する面と
の少なくともいずれか一方が、軸線方向荷重を半径方向
荷重に変換する、軸線に対して傾斜した傾斜面を備えて
おり、さらに前記ガタを制限する手段が、前記内輪と外
輪とのいずれか一方に軸線方向の荷重を与えて、内輪と
外輪との間に半径方向に向けた押圧力を生じさせる手段
であることを特徴とする歯車伝動機構である。
【0009】したがって請求項2の発明では、第1の軸
と第2の軸とが軸受を介して連結されているとしても、
これら第1の軸と第2の軸とが緩みをなくした状態で連
結され、実質的に1本の軸に近い状態となる。そのた
め、第3の軸との間で歯車を介してトルクを伝達した場
合の各軸間の荷重が相殺される。
【0010】そして、請求項3の発明は、請求項1もし
くは2の構成において、前記第1の軸が前記軸受に対し
て軸線方向に離れた箇所で所定の固定部に回転自在に支
持されるとともに、前記第2の軸が前記第1の軸を回転
自在に支持している前記固定部に対して前記軸受を挟ん
だ軸線方向での反対側の所定の固定部で回転自在に支持
され、さらに第3の軸が前記第1の軸を回転自在に支持
している固定部と第2の軸を回転自在に支持している固
定部との少なくとも二箇所で支持され、それらの固定部
における第1の軸と第3の軸との間の部分および第2の
軸と第3の軸との間の部分の剛性を高くする補強構造を
備えていることを特徴とする歯車伝動機構である。
【0011】したがって請求項3の発明では、各軸が補
強構造を備えた固定部を介して全体として環状に連結さ
れた状態となり、その結果、第1の軸もしくは第2の軸
と第3の軸との間での歯車を介したトルクの伝達に伴う
荷重を相殺する応力がそれらの軸の間に生じ、歯車を介
したトルク伝達に起因する荷重がケーシングなどの外部
に伝達されることが抑制される。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎにこの発明を具体例に基づい
て説明する。図1はこの発明の一例として車両用の変速
機の一部を模式化して示しており、中空状のケーシング
1における軸線方向での前後両側に、内周側に延びたフ
ランジ状の支持部2,3が設けられている。図1の左側
の支持部2を貫通して入力軸4が配置され、その支持部
2には、この入力軸4を回転自在に保持する軸受5が取
り付けられている。この軸受5は、ボールベアリングや
ローラーベアリングなどの転がり軸受やその他の滑り軸
受などを使用することができる。また、入力軸4の先端
側(図1の右端側)には、入力軸4と同一軸線上に出力
軸6が配置されている。この出力軸6は、図1の右側の
支持部3を貫通するとともに、その貫通部分に取り付け
た軸受7によって回転自在に保持されている。この軸受
7として、上述した軸受5と同様に、ボールベアリング
やローラーベアリングなどの転がり軸受やその他の滑り
軸受などを使用することができる。
【0013】前記出力軸6の後端部(図1での左側の端
部)は、中空状に形成され、その中空部分6aに、入力
軸4の先端部(図1での右側の端部)が挿入されてい
る。そして、その入力軸4の先端部の外周面と出力軸6
の中空部分6aの内周面との間に一対の軸受8が配置さ
れ、入力軸4と出力軸6とがこの軸受8を介して回転自
在に連結されている。
【0014】この入力軸4と出力軸6との連結部分を図
2に具体的に示してある。図2に示すように、入力軸4
と出力軸6とを連結している軸受8は、転動体としてテ
ーパードローラ8aを内輪8bと外輪8cとの間に介在
させたテーパードローラーベアリングであって、内輪8
bの外周面と外輪8cの内周面とのテーパードローラ8
aに接触する面が、軸線に対して傾斜した傾斜面とされ
ている。これら一対の軸受8は、内輪8bの傾斜した外
周面が互いに向かい合う方向を向けて入力軸4の軸端部
外周面に嵌合されている。すなわち入力軸4の先端部は
小径に形成され、図2における左側の軸受8がその小径
部分の内奥部すなわち段差部4aに当接した位置に嵌合
され、その内輪8bの傾斜した外周面が入力軸4の先端
方向(図2の右斜め方向)を向くように入力軸4に取り
付けられている。また図2における右側の軸受8におけ
る内輪8bの傾斜した外周面が入力軸4の後端方向(図
2の左斜め方向)を向くように入力軸4に取り付けられ
ている。
【0015】また、入力軸4の先端部には、雄ねじ部9
が形成され、ここにナット10がねじ込まれている。そ
のナット10は、入力軸4の外周面より突出して軸受8
の内輪8bの側面に到るフランジ状部分を備えており、
したがってナット10を締め込むことにより図2の右側
の軸受8における内輪8bが軸線方向に押されるように
なっている。
【0016】さらに、前記中空部分6aの内周面には、
各軸受8における外輪8cの間に突出した突条11が形
成され、各外輪8cがその突条11を挟みつけている。
したがって、前記ナット10を締め込むことにより図2
の右側の軸受8における内輪8bが図2の左方向に押圧
され、それに伴ってテーパードローラ8aおよび外輪8
cならびに突条11を介して出力軸6が図2の左方向に
押される。さらに、その突条11が図2の左側の軸受8
における外輪8cを押圧し、その結果、テーパードロー
ラ8aを介して内輪8bが入力軸4における段差部4a
に押し付けられる。
【0017】このようにナット10を締め込むことによ
り、各軸受8の内輪8bが、段差部4aとの間で互いに
接近する方向に荷重を受けるので、その軸線方向力が内
輪8bの外周の傾斜面を介して半径方向で外側にテーパ
ードローラ8aを押す力が生じる。そのため、転動体で
あるテーパードローラ8aが内輪8bと外輪8cとの間
に強く挟み込まれ、軸受8におけるガタが制限もしくは
解消される。したがってナット10および段差部4aで
一対の軸受8を挟み込む構造がこの発明における軸受の
ガタを制限する手段となっている。
【0018】上記のようにいわゆる剛の状態で連結され
た入力軸4および出力軸6に対して平行に第3の軸であ
るカウンタ軸12が配置されている。そのカウンタ軸1
2の両端部は、前述した各支持部2,3に軸受13,1
4を介して回転自在に支持されている。その一方の軸受
13は、入力軸4を回転自在に支持している軸受5の外
周側に位置し、また他方の軸受14は出力軸6を支持し
ている軸受7の外周側に位置している。
【0019】これらの軸受5,7,13,14を取り付
けてある支持部2,3がこの発明における固定部に相当
し、その支持部2,3のうち、図1の左側の軸受5,1
3の間の部分、および図1の右側の軸受7,14の間の
部分には、その剛性を高くする補強構造2a,3aが採
用されている。ここで剛性が高いとは、曲げや引っ張り
あるいは圧縮、せん断などに対する強度が高いことを意
味し、具体的には、せん断弾性係数と断面二次モーメン
トとの積が大きくなる形状とされていることを意味す
る。またその具体的な構造は、断面二次モーメントを大
きくするためにリブを形成し、あるいは厚肉に形成し、
もしくはせん断弾性係数を大きくするために硬度を高く
した構造などである。さらに、剛性が高いとは、前記各
支持部2,3における軸受5,7,13,14を取り付
けてある箇所より外周側の部分の剛性との比較の上で、
剛性が高くなっていることを意味し、一例として、前記
補強構造2a,3aの部分の肉厚が、各支持部2,3の
それ以外の部分の肉厚より厚くなっている。
【0020】上記の入力軸2に第1ドライブギヤ15が
取り付けられ、これに噛み合う第1ドリブンギヤ16が
カウンタ軸12に取り付けられている。なお、第1ドラ
イブギヤ15が第1ドリブンギヤ16に対して小径であ
ることにより、これらのギヤ対は減速ギヤ対となってい
る。また、出力軸6に第2ドリブンギヤ17が取り付け
られ、これに噛み合う第2ドライブギヤ18がカウンタ
軸12に取り付けられている。なお、前者の第2ドリブ
ンギヤ17が後者の第2ドライブギヤ18に対して大径
であることにより、これらのギヤ対は減速ギヤ対となっ
ている。
【0021】上記の歯車伝動機構では、入力軸4に対し
て図示しない動力源からのトルクが伝達され、その入力
軸4と共に第1ドライブギヤ15が回転し、その結果、
これに噛み合う第1ドリブンギヤ16からカウンタ軸1
2にトルクが伝達される。また、第1ドリブンギヤ16
と共にカウンタ軸12が回転するので、これに取り付け
た第2ドライブギヤ18が回転し、これに噛み合う第2
ドリブンギヤ17を介して出力軸4にトルクが伝達され
る。そしてこれらのギヤ対が“1”より小さい変速比の
減速ギヤ対となっているので、入力軸4に対して減速さ
れた回転数で出力軸6が回転し、したがって出力トルク
が入力されたトルクより大きくなる。
【0022】このようにしてトルクが伝達される場合、
歯車15,16,17,18の歯面でその形状に応じた
荷重が生じるが、この発明に係る上記の伝動機構におけ
る荷重の作用状態は以下のようになる。先ず、ドライブ
ギヤ15,18がドリブンギヤ16,17を押すことに
よるラジアル方向の荷重について説明すると、第1のギ
ヤ対15,16においては、図1の紙面に垂直な方向で
互いに反対の方向に荷重が作用する。また、第2のギヤ
対17,18においては、カウンタ軸12から出力軸6
に対してトルクを伝達するので、図1の紙面に垂直な方
向であって第1のギヤ対15,16とは反対方向の荷重
が作用する。
【0023】その場合、カウンタ軸12は1本の軸であ
るから、その第1ドリブンギヤ16と第2ドライブギヤ
18とで生じるラジアル方向の荷重が相互に相殺するよ
うに作用する。これと同様に、入力軸4と出力軸6と
は、一対の軸受8およびこれを締め付けているナット1
0によって剛の状態に連結されているので、第1ドライ
ブギヤ15および第2ドリブンギヤ17で生じるラジア
ル方向の荷重が互いに相殺するように作用する。その結
果、入力軸4および出力軸6のそれぞれにこれを旋回さ
せる方向のモーメントが生じることはない。また、同一
軸線上に配置されている第1ドライブギヤ15と第2ド
リブンギヤ17とは、その外径が相違しているので、こ
れらのギヤでのラジアル方向の荷重が相違し、その差に
相当する荷重が、支持部2,3に取り付けてある軸受
5,7の部分に作用する。これは、カウンタ軸12につ
いても同様である。そして、この支持部2,3に作用す
るラジアル方向の荷重は、互いに反対向きで同じ大きさ
であり、それらの荷重は相殺され、ケーシング1の外表
面側に伝達されることはなく、あるいは僅少になる。
【0024】図1には、上記の各荷重を紙面の上下方向
を向く矢印で示してあり、この図1から知られるよう
に、入力軸4および出力軸6ならびにカウンタ軸12
が、前記の補強構造2a,3aの部分を介して全体とし
て環状に一体化された状態となっている。そのために、
入力軸4および出力軸6とカウンタ軸12との互いに対
応する箇所の間で生じる荷重が相殺される。その結果、
歯車の噛み合いを伴うトルクの伝達が生じても、その際
に付随的に生じる荷重がケーシング1の外表面側に伝達
されることがなく、言い換えれば、歯車を介したトルク
伝達に伴う荷重が外部に現れないので、騒音や振動が防
止もしくは抑制される。また、併せてケーシング1の強
度を向上させ、もしくは強度を維持する点で有利とな
る。
【0025】なお、軸受5と軸受3とに作用する2つの
荷重によるモーメント(左右方向の軸周り)は、ケーシ
ング1に伝達される。軸受7と軸受14とに作用する2
つの荷重によるモーメントもケーシング1に伝達され
る。
【0026】つぎに各軸4,6,12を離す方向に作用
する荷重について説明すると、その荷重の作用状態を図
3に矢印で示してある。前述したように入力軸4と出力
軸6とは実質的に一体化するように一対の軸受8および
これを締め付けるナット10によって連結されているの
で、各ギヤ15,16,17,18でのトルク伝達に伴
う軸心方向のラジアル荷重は、入力軸4および出力軸6
をカウンタ軸12から離す方向に作用し、また、支持部
2,3に取り付けた軸受5,7から各ギヤ16,17ま
での距離に応じた荷重がその軸受5,7に作用する。こ
のような荷重の作用状態はカウンタ軸12についても同
様である。その結果、補強構造2a,3aの部分を挟ん
で配置されている軸受5,13および7,14には、互
いに離れる方向に荷重が作用するが、これは、補強構造
2a,3aの部分に対する引っ張り荷重となり、かつ互
いに相殺するように作用する。したがって軸心方向のラ
ジアル荷重に起因する荷重がケーシング1の外表面側に
伝達されることがなく、言い換えれば、歯車を介したト
ルク伝達に伴う荷重が外部に現れないので、騒音や振動
が防止もしくは抑制される。また、併せてケーシング1
の強度を向上させ、もしくは強度を維持する点で有利と
なる。
【0027】さらにスラスト方向の荷重について説明す
る。前述したギヤ15,16,17,18がヘリカルギ
ヤであれば、互いに噛み合っている歯面にスラスト方向
の荷重が生じる。その方向はドライブギヤとドリブンギ
ヤとでは反対向きになり、またその大きさは伝達される
トルクに応じた大きさとなる。したがって図4に矢印で
示すように、第1のギヤ対15,16でのスラスト方向
の荷重に対して第2のギヤ対17,18におけるスラス
ト方向の荷重が大きくなる。その場合、入力軸4と出力
軸6とが実質的に一体化する程度の剛の状態で連結され
ているので、入力軸4に作用するスラスト荷重と出力軸
6に作用するスラスト荷重との差の荷重が入力軸4につ
いての固定部、すなわち前記支持部2に作用する。この
ようなスラスト荷重の作用状態は、カウンタ軸12につ
いても同様であり、したがってカウンタ軸12に対する
固定部、すなわち前記支持部2に作用する。そして、こ
の支持部2に作用するスラスト方向の荷重は、向きが互
いに反対でかつ大きさが等しいから、それに起因するモ
ーメントが相殺される。
【0028】このようにスラスト方向の荷重やそれに基
づくモーメントが相殺されるので、歯車を介したトルク
伝達に伴うスラスト方向の荷重に起因する荷重がケーシ
ング1の外表面側に伝達されることがなく、もしくは抑
制され、そのため、この点においても、騒音や振動が防
止もしくは抑制される。また、併せてケーシング1の強
度を向上させ、もしくは強度を維持する点で有利とな
る。
【0029】なお、上記の具体例では、車両用の変速機
にこの発明を適用した例を説明したが、この発明は、上
記の具体例に限定されないのであって、歯車を使用する
一般的な伝動機構に広く適用することができる。また、
上記の具体例では、2軸を剛の状態で連結する軸受とし
てテーパードローラーベアリングを示したが、この発明
では、これに替えてアンギュラーコンタクトベアリング
などのスラスト方向の荷重に基づいてラジアル方向の荷
重が生じるベアリングを使用することができ、またその
使用する数は、上記の具体例で示したように一対を一組
として使用する以外に、複数の軸受を軸線方向に並べて
使用することとしてもよい。さらに、この発明で軸受の
ガタを制限する手段は、上述したナットに限定されない
のであり、必要に応じて適宜の構成のものを使用するこ
とができる。例えば、内輪を軸線方向に押圧する手段以
外に、外輪を軸線方向に押圧する手段を採用してもよ
い。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば、第1の軸と第2の軸とが、1本の軸に近い剛性で
連結されることになり、その結果、歯車の噛み合いに伴
う第1の軸もしくは第2の軸と第3の軸との間の荷重の
発生状態が、互いに平行な2軸の間での荷重の発生状態
に近似し、それらの軸間の歯車あるいは固定支持部を介
して荷重が相殺しあってケーシングなどの外部に対して
荷重が伝達されることが抑制される。言い換えれば、歯
車の噛み合いでトルクが伝達された場合にそれらの軸に
作用する荷重が、その軸などを保持しているケーシング
などの外部に伝達され、あるいは現れることがなく、そ
の結果、騒音や振動を防止もしくは抑制することができ
る。
【0031】また、請求項2の発明によれば、第1の軸
と第2の軸とが軸受を介して連結されているとしても、
これら第1の軸と第2の軸とが緩みをなくした状態で連
結され、実質的に1本の軸に近い状態となるため、第3
の軸との間で歯車を介してトルクを伝達した場合の各軸
間の荷重が相殺され、その結果、歯車を介したトルク伝
達に起因する荷重が、ケーシングなどの外部に伝達さ
れ、あるいは現れることがないために、騒音や振動を防
止もしくは抑制することができる。
【0032】そして、請求項3の発明によれば、各軸が
補強構造を備えた固定部を介して全体として環状に連結
された状態となり、その結果、第1の軸もしくは第2の
軸と第3の軸との間での歯車を介したトルクの伝達に伴
う荷重を相殺する応力がそれらの軸の間に生じ、歯車を
介したトルク伝達に起因する荷重がケーシングなどの外
部に伝達されることが抑制され、それに伴って騒音や振
動を防止もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る歯車伝動機構の一例を模式的
に示すスケルトン図である。
【図2】 その入力軸と出力軸との連結部分の構造を示
す部分断面図である。
【図3】 この発明に係る歯車伝動機構において軸心に
向けたラジアル方向の荷重の作用状態を説明するための
スケルトン図である。
【図4】 この発明に係る歯車伝動機構においてスラス
ト方向の荷重の作用状態を説明するためのスケルトン図
である。
【符号の説明】
2,3…支持部、 4…入力軸、 5,7,13,14
…軸受、 6…出力軸、 8…軸受、 8a…テーパー
ドローラー、 8b…内輪、 8c…外輪、10…ナッ
ト、 12…カウンタ軸、 15…第1ドライブギヤ、
16…第1ドリブンギヤ、 17…第2ドリブンギ
ヤ、 18…第2ドライブギヤ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J012 AB04 BB01 CB01 FB11 HB02 3J028 EA02 EB04 EB35 EB37 EB62 EB67 FA06 FA13 FA33 FA35 FA41 FB03 FC63 3J063 AA01 AA40 AB02 AC06 BA01 BA09 BB12 CA01 CB41 CB43 CD01 CD03 CD06 CD53 XA03 XB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに同一軸線上に配置された第1の軸
    と第2の軸とが相対回転可能に嵌合されるとともに、こ
    れら第1の軸および第2の軸と平行に第3の軸が回転自
    在に配置され、その第1の軸もしくは第2の軸に設けた
    歯車とその歯車に噛み合うように前記第3の軸に設けた
    歯車との間でトルクを伝達する歯車伝動機構において、 前記第1の軸と第2の軸とが嵌合している箇所に、第1
    の軸に対して第2の軸を回転自在に支持する軸受が配置
    され、その軸受のガタを制限する手段が設けられている
    ことを特徴とする歯車伝動機構。
  2. 【請求項2】 前記軸受が、内輪と、外輪と、これら内
    輪および外輪の間に保持した転動体を備え、かつ内輪の
    前記転動体に接触する面と外輪の前記転動体に接触する
    面との少なくともいずれか一方が、軸線方向荷重を半径
    方向荷重に変換する、軸線に対して傾斜した傾斜面を備
    えており、さらに前記ガタを制限する手段が、前記内輪
    と外輪とのいずれか一方に軸線方向の荷重を与えて、内
    輪と外輪との間に半径方向に向けた押圧力を生じさせる
    手段であることを特徴とする歯車伝動機構。
  3. 【請求項3】 前記第1の軸が前記軸受に対して軸線方
    向に離れた箇所で所定の固定部に回転自在に支持される
    とともに、前記第2の軸が前記第1の軸を回転自在に支
    持している前記固定部に対して前記軸受を挟んだ軸線方
    向での反対側の所定の固定部で回転自在に支持され、さ
    らに第3の軸が前記第1の軸を回転自在に支持している
    固定部と第2の軸を回転自在に支持している固定部との
    少なくとも二箇所で支持され、それらの固定部における
    第1の軸と第3の軸との間の部分および第2の軸と第3
    の軸との間の部分の剛性を高くする補強構造を備えてい
    ることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の歯車伝
    動機構。
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