JP5130194B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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本発明は、動力伝達装置に関し、特に、風力発電機等の出力側から過大な負荷の掛かる恐れのある動力伝達装置に好適な動力伝達装置に関する。
特許文献1には、偏心体を介して偏心揺動する外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を有し、外歯歯車の揺動成分を吸収しながら外歯歯車と内歯歯車の相対回転を出力として取り出す内接噛合遊星歯車機構を備える動力伝達装置が開示されている。
この動力伝達装置において、内歯歯車の内歯にはピンが用いられている。このピンは円柱状であり、その中心軸回りに回転可能なように、内歯歯車の本体に設けられたピン溝に取り付けられて支持されている。このため、外歯歯車が偏心揺動して外歯歯車と内歯歯車とが摺動する際の摩擦抵抗が小さくなっており、外歯歯車と内歯歯車の相対回転がスムーズに取り出せるようになっている。
特開2005−61519号公報
この特許文献1に開示された動力伝達装置は、風力発電機のヨー駆動に用いられるものであるが、突風等に基づく巨大な外力により出力軸に巨大なトルクが加わったとき、内歯歯車の内歯(ピン)と当接する外歯歯車の軸方向端部に過大なエッジロードが生じて、外歯歯車やピンが破損するおそれがある。この過大なエッジロードは、トルク伝達能力を向上させるために外歯歯車の軸方向の幅(厚さ)を大きくした場合により顕著になる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、内歯歯車の内歯にピンが用いられた内接噛合遊星歯車機構を備える動力伝達装置において、内歯歯車の内歯(ピン)と該ピンに当接する外歯歯車に過大なエッジロードが生じることが防止された動力伝達装置を提供することをその課題としている。
本発明は、外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を備え、前記内歯歯車が該内歯歯車の内歯を構成するピンと、該ピンを支持する内歯歯車本体とで構成されている動力伝達装置において、前記外歯歯車の外周面の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置における前記内歯歯車本体の内表面に溝部を形成し、該溝部により該半径方向外側位置において、前記ピンと前記内歯歯車本体とが接触しないようにされており、前記外歯歯車が軸方向に複数配置されており、前記溝部が、各外歯歯車の外周面の軸方向の両端部それぞれに対応して形成され、前記複数の外歯歯車のうちの隣接する外歯歯車の隣接する側の軸方向端部が前記ピンとそれぞれ当接する部位の双方の半径方向外側位置を含むように前記内歯歯車本体の内表面に1つの前記溝部が設けられ、かつ、前記外歯歯車の隣接しない側の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置における前記内歯歯車本体の内表面にも前記溝部が設けられたことにより、上記課題を解決したものである。
ここで、「前記外歯歯車の外周面の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置」は、外歯歯車の外周面の軸方向端部から外歯歯車の軸方向外側に外れた周辺の位置も含む概念である。また、「内歯歯車本体の内表面」とは、内歯を構成するピンを支持する部位において、内歯歯車の半径方向内側に向く内歯歯車本体の表面のことである。
本発明においては、外歯歯車の外周面の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置において、前記ピンと前記内歯歯車本体とが接触しないように構成した。このため、外歯歯車の外周面の軸方向端部(角部)が当接する前記ピンの部位は、内歯歯車本体側からの支持反力が生じにくく、その分外歯歯車の外周面の軸方向端部(角部)に生じるエッジロードが緩和される。そのため、前記ピンや前記外歯歯車の破損が防止される。ここで、エッジロードとは、部材の角部等に発生する過大な荷重のことである。
なお、エッジロードを緩和するための方策としては、前記外歯歯車の外周面の軸方向端部の半径方向外側位置における前記ピン端部の径を細くするクラウニング加工を施すことが考えられるが、専用の研磨機械を必要とするのでコストが高くなる。また、前記ピンの数は多いので、1本1本にクラウニング加工を施すことは手間がかかる。
本発明によれば、内歯歯車の内歯にピンが用いられた内接噛合遊星歯車機構を備える動力伝達装置において、内歯歯車の内歯(ピン)と当接する外歯歯車に過大なエッジロードが生じることが防止された動力伝達装置を得ることができる。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施形態の一例である減速機について説明する。
図1はこの減速機10の断面図、図2は図1のA部の拡大断面図である。図3は同じく図1のA部の拡大断面図であるが内歯歯車の本体部26Bのみを描いている。図4は図1のIV−IV線断面図、図5は図1のV−V線断面図である。
減速機10は、入力側減速段12と出力側減速段14とが直列に連結された構成とされており、減速機構が2段(入力側減速段12および出力側減速段14)に設けられている。入力側減速段12および出力側減速段14のどちらにも内接噛合遊星歯車機構が採用されている。このため、例えば、1/1000〜1/2000という極めて高い減速比が機能上必要とされる風力発電システムにおけるヨー駆動用の駆動装置にも、好適に用いることができる。
なお、本実施形態では出力側減速段14に本発明が適用されており、また、入力側減速段12は、機構学的には出力側減速段14と同様の構成・作用の動力伝達経路を有するので、ここでは出力側減速段14について説明し、入力側減速段12についての説明は省略する。
出力側減速段14は、入力軸16と、該入力軸16に一体的に形成された2つの偏心体18、20と、該偏心体18、20の外周に設けられ、該偏心体18、20を介して偏心揺動をする外歯歯車22、24と、該外歯歯車22、24が内接噛合する内歯歯車26と、を備えている。入力軸16は、入力側減速段12からの出力を出力側減速段14に伝達するための軸であり、入力側減速段12の出力軸と一体である。また、偏心体18、20と外歯歯車22、24との間には、偏心体軸受18A、20Aが配置されている。
外歯歯車22、24は軸方向に配置され、かつ、その偏心位相は丁度180度ずれている。即ち、2つの外歯歯車22、24は、互いに離反する方向に偏心した状態を維持しながら揺動回転する。
内歯歯車26は、図4、図5に示すように、ピン26Aと本体部(内歯歯車本体)26Bとからなる。ピン26Aは円柱状であり、内歯歯車26の内歯を構成する。本体部26Bには、ピン26Aが嵌り込む大きさの半円形のピン溝26B1が設けられている。その結果、ピン溝26B1間には突起が形成されており、この突起を以下ではピン溝形成突起26B2と称する。ピン26Aはピン溝26B1に嵌り込んで本体部26Bにより外側から支持される。本体部26Bはピン26Aを外側から支持するとともに、出力側減速段14全体のケーシングとなっている。本実施形態では、内歯歯車26の内歯の数(ピン26Aの数)は「44」であり、外歯歯車22、24の外歯の数「43」より1だけ多い。なお、図3は、前述のように内歯歯車の本体部26Bのみを描いた拡大断面図であり、図3において、ピン溝26B1はピン溝形成突起26B2の側面である。
また、半円形のピン溝26B1に嵌り込んだピン26Aは、その中心軸回りに半円形のピン溝26B1内を回転可能であり、このため、外歯歯車22、24が偏心揺動して外歯歯車22、24と内歯歯車26とが摺動する際の摩擦抵抗が小さくなっており、外歯歯車22、24と内歯歯車26との相対回転がスムーズに行われるようになっている。
外歯歯車22、24と内歯歯車26との噛合状態は、「隙間嵌め」、「締まり嵌め」のどちらでもよいが、「締まり嵌め」を用いた方がバックラッシを小さくできるので好ましい。「締まり嵌め」とは、通常の組み付け環境、すなわち外歯歯車22、24と内歯歯車26の温度が同一の下では、内歯歯車26に対して外歯歯車22、24が相対的に大きく、そのままでは組み付ける(噛合させる)ことができない関係にあることをいう。「締まり嵌め」の状態に形成するためには、外歯歯車22、24と内歯歯車26とが、その噛合部分において、隙間なく且つ弾性変形することなく当接する状態のそれぞれの歯車の歯形、即ち理論歯形(あるいは創成歯形)を当接歯形と定義したときに、外歯歯車22、24または内歯歯車26の歯形の一部を、該当接歯形よりも相対的に相手歯車側に張り出した状態に形成すればよい。具体的には、内歯歯車26を高温にする焼き嵌め、外歯歯車22、24を低温にする冷やし嵌め、あるいは圧入等の組付け方法等が考えられる。
また、外歯歯車22、24には、内ピン30が内ローラ32を介して遊嵌されている。内ピン30の両端部はキャリヤ34、36に固定されており、内ピン30はキャリヤ36を介して出力側減速段14の出力軸38と一体化されている。このため、内ピン30を介して、固定状態にある内歯歯車26に対する外歯歯車22、24の相対回転(自転)を出力軸38に取り出すことができる。
さらに、本実施形態では、外歯歯車22、24のエッジロード対策として、図2、図3、図5に示すように、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bがピン26Aと当接する部位の半径方向外側位置における本体部26Bの内表面に、ピン溝26B1の底(外歯歯車22、24の半径方向の最も外側の地点)を結ぶ円よりも径の大きい円となるような逃がし溝(溝部)26C(26C1、26C2、26C3)を設けており、ピン溝26B1の底においては逃がし溝26Cの深さはdとなっている。これにより、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bの半径方向外側の部位について、ピン26Aと本体部26Bとが接触しないようになっている。
逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)を設けることにより、ピン26Aの部位のうち、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bが当接する部位は、外歯歯車22、24から圧縮力(外歯歯車22、24の径方向の力)を受けた際、該圧縮力に対応するそのままの反力を本体部26B側から受けなくなり、圧縮力の一部がピン26Aの曲げ変形によって吸収される。図2において、外歯歯車22、24から圧縮力(外歯歯車22、24の径方向の力)を受けたピン26Aの中立軸を破線80で記して、曲げ変形の状況を誇張して模式的に示している。
外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bが当接する部位のピン26Aがこのように曲げ変形することにより、エッジロードの発生は緩和され、外歯歯車22、24に過大なエッジロードは生じなくなる。このため、本実施形態では、外歯歯車22、24の軸方向の幅(厚さ)を大きくするとともに、それに対応して内歯歯車26の内歯であるピン26Aの長さも長くしても、ピン26Aや外歯歯車22、24に過大なエッジロードが発生することはない。そのため、ピン26Aや外歯歯車22、24の破損が防止される。このため、例えば、トルク伝達能力を保ったまま、外歯歯車22、24および内歯歯車26の径を小さくすることができ、本実施形態に係る減速機10の全体を小型化することが可能である。あるいは、外歯歯車22、24および内歯歯車26の径の大きさを大きくすることなくトルク伝達能力をさらに向上させることも可能である。
また、外歯歯車22、24と内歯歯車26を締まり嵌めで噛合した場合には、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部に発生するエッジロードは大きくなる傾向となるが、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)を設けることにより、締まり嵌めによって増大するエッジロードも緩和することができる。
なお、本実施形態では、外歯歯車22、24の軸方向の幅(厚さ)をL1、本体部26Bによるピン26Aの支持長さをL2としたとき、L2<L1の関係が成立しており、且つ、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bが当接するピン26Aの部位の半径方向外側位置に、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)が位置するようになっている。即ち、外歯歯車22の外周面の軸方向の両端部22A、22B、および外歯歯車24の外周面の軸方向の両端部24A、24Bがそれぞれピン26Aと当接する部位の半径方向外側位置に、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)が位置するようになっている。
また、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端22A、22B、24A、24Bと、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)の外歯歯車22、24軸方向内側の縁部との間の距離L3、および、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端と、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)の外歯歯車22、24軸方向外側に外れた周辺の位置にある縁部との間の距離L4は、減速機10の使用条件や、外歯歯車22、24、ピン26A等の材質等を考慮して定める。ただし、距離L3、L4が小さすぎるとエッジロードを緩和する効果が小さくなるが、逆に距離L3、L4が長すぎると、ピン26Aの曲げ変形が過大になるおそれがあるとともに、ピン26Aを支持する本体部26Bの部位に過大な応力が生じるおそれがある。
なお、本実施形態では、逃がし溝26C2は、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aにおけるエッジロードを緩和する役割を担っており、逃がし溝26C2は、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aがピン26Aとそれぞれ当接する部位の半径方向外側位置をどちらも含むような幅(L3+L4)を有している。このため、逃がし溝26C2の幅(L3+L4)は、逃がし溝26C1、26C3の幅(L3+L4)よりも大きくなっている。また、逃がし溝26C2は、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aがピン26Aとそれぞれ当接する部位の半径方向外側位置をどちらも含むように形成されているので、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aそれぞれに対応して個別の溝部を形成する場合と比較して加工性が向上する。
また、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)の深さdは、エッジロードを緩和するのに十分な程度にピン26Aが曲げ変形できる深さであればよい。
以上説明した減速機10では、ピン溝26B1の底(外歯歯車22、24の半径方向の最も外側の地点)を結ぶ円よりも径の大きい円となるような逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)を、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部の半径方向外側の本体部26Bの内表面全周にわたって設けて、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部に過大なエッジロードが発生しないようにしているが、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)と対応する位置に、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)に替えて、内径がピン溝26B1よりも大きい半円形の逃がし溝26Dをピン溝26B1ごとに設けても、同様の効果が得られる。図6は、逃がし溝26C2の位置に逃がし溝26Dを形成した場合の断面図である。
逃がし溝26Cを設ける場合は、径の大きい1つの溝を、本体部26Bの内表面に、外歯歯車22、24の軸方向端部ごとに設ければよいので、加工が容易である。一方、逃がし溝26Dを設ける場合は、外歯歯車22、24の軸方向端部ごとにピン26Aの数(ピン溝26B1の数)と同数の溝を設ける必要があり加工に手間がかかる。ただし、逃がし溝26Dを形成する際の削り量は、逃がし溝26Cを形成する際の削り量よりも少なくすることができるので、内歯歯車26の強度および剛性の減少の程度を小さくすることができる。
なお、以上説明した実施形態では、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aがピン26Aとそれぞれ当接する部位の双方の半径方向外側位置が、1つの逃がし溝26C2に含まれるようになっているが、外歯歯車22と外歯歯車24との間の距離が大きい場合には、外歯歯車22、24の隣接する軸方向端部22B、24Aがピン26Aとそれぞれ当接する部位の半径方向外側位置に、それぞれ別々の逃がし溝を設けてもよい。
次に、減速機10の作用を説明する。
モータMoが作動して入力側減速段12に入力された回転は、入力側減速段12により減速され、減速された回転速度で入力軸16を介して出力側減速段14へ入力される。なお、入力側減速段12による減速は、以下で述べるような出力側減速段14と同様な作用でなされる。
出力側減速段14において、入力軸16には偏心体18、20が一体的に形成してあるため、入力軸16の回転により、偏心体軸受18A、20Aを介して外歯歯車22、24が偏心揺動を開始する。しかしながら、外歯歯車22、24は、内歯歯車26に内接噛合しており、且つ該内歯歯車26の本体部26Bは出力側減速段14のケーシングとして固定状態に維持されるため、外歯歯車22、24はその自由な自転が拘束され、揺動に伴って内歯歯車26のピン(内歯)26Aと外歯歯車22、24の外歯の噛合位置が順次ずれていくことになる。この結果、入力軸16の1回転毎に外歯歯車22、24は内歯歯車26に対してその歯数差に相当する分だけ位相がずれる(自転する)ことになる。噛合位置がずれる方向は、入力軸16の回転方向(即ち偏心体18、20の回転する方向:例えば図4および図5中の矢印A)と一致しており、外歯歯車22、24の自転方向(即ち出力軸38の回転方向:この場合矢印B)は、該入力軸16の回転方向とは逆の方向となる。外歯歯車22、24の揺動成分は内ローラ32と内ピン孔40との遊嵌によって吸収され、自転成分のみが内ピン30及び内ローラ32を介して出力軸38に伝達される。
入力軸16から入力されたトルクによって外歯歯車22、24が「揺動」されるときには、駆動力による弾性変形により、外歯歯車22、24の自転方向前方に隙間ができ、締まり嵌めであるにも拘わらず、当該揺動は殆ど妨げられず、外歯歯車22、24は円滑に回転できる。一方、出力軸38から入力されたトルクによって、外歯歯車22、24を直接(円周方向に)「回転」させようとするトルクが掛かったときには、この「回転トルク」が外歯歯車の「揺動」に変換されにくく、嵌合抵抗の存在と相まって強い抵抗として作用する。このため、運転効率が高く、且つ逆駆動されにくいという特性が得られる。この特性は、停止時、運転時を問わずに得られるため、連続運転される用途においても、また、起動・停止や加速・減速の繰り返される用途においても、良好な作用が得られる。
さらに、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)を設けているので、ピン26Aや外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部22A、22B、24A、24Bに発生するエッジロードが抑制されるため、ピン26Aや外歯歯車22、24の破損が防止される。このため、外歯歯車22、24の軸方向の幅(厚さ)を大きくするとともに、それに対応して内歯歯車26の内歯であるピン26Aの長さも長くしても、外歯歯車22、24に過大なエッジロードが発生することはない。このため、例えば、トルク伝達能力を保ったまま、外歯歯車22、24および内歯歯車26の径を小さくすることができ、本実施形態に係る減速機10の全体を小型化することが可能である。また、外歯歯車22、24および内歯歯車26の径を大きくすることなくトルク伝達能力をさらに向上させることも可能である。また、出力軸38に巨大なトルクが入力されても、逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)の存在により、外歯歯車22、24に過大なエッジロードが発生することはない。
また、外歯歯車22、24と内歯歯車26を締まり嵌めで噛合した場合には、基本的にバックラッシは発生しないので、たとえ起動・停止や加速・減速の繰り返される用途に適用しても、がたつきが小さく運転が滑らかであり位置決めの精度が高くなる。なお、外歯歯車22、24と内歯歯車26を締まり嵌めで噛合した場合には、外歯歯車22、24の外周面の軸方向端部に発生するエッジロードは大きくなる傾向となるが、本実施形態では逃がし溝26C(26C1、26C2、26C3)を設けているので、締まり嵌めによって増大するエッジロードも緩和することができる。
以上説明した実施形態では、出力側減速段14に逃がし溝26Cまたは26Dを設けたが、入力側減速段12に逃がし溝26Cまたは26Dを設けることもできる。また、以上説明した実施形態は、外歯歯車22、24が偏心揺動しながら内歯歯車26と内接噛合する遊星歯車機構に本発明を適用した実施形態であるが、単純遊星歯車機構に本発明を適用することもできる。
以上説明したような特性を有するので、本実施形態に係る減速機10は、例えば、出力軸38に巨大なトルクを入力して外歯歯車22、24に過大なエッジロードを発生させるおそれがある予期せぬ巨大な荷重や、絶え間なく荷重値が変動する変動荷重を生じる「風」を対象とする風力発電機の駆動装置(ヨー駆動装置、ピッチ駆動装置)や、発電パネルに「風」を受ける太陽光発電装置のパネル駆動装置に好適に用いることができる。
風力発電機の駆動装置(ヨー駆動装置、ピッチ駆動装置)や、太陽光発電装置のパネル駆動装置の動力伝達装置に好適に用いることができる。
さらに、これら以外の大荷重や突発荷重が作用するおそれのあるあらゆる分野の駆動装置の動力伝達装置に適用可能である。
本発明に係る動力伝達装置の実施形態の一例である減速機の断面図 図1のA部の拡大断面図 同じく図1のA部の拡大断面図(ただし、ピン(内歯)を描いていない) 図1のIV−IV線断面図 図1のV−V線断面図 前記減速機の変形例の断面図
符号の説明
10…減速機
12…入力側減速段
14…出力側減速段
16…入力軸
18、20…偏心体
18A、20A…偏心体軸受
22、24…外歯歯車
22A、22B、24A、24B…外歯歯車の外周面の軸方向端部
26…内歯歯車
26A…ピン
26B…本体部(内歯歯車本体)
26B1…ピン溝
26B2…ピン溝形成突起
26C(26C1、26C2、26C3)、26D…逃がし溝(溝部)
30…内ピン
32…内ローラ
34、36…キャリヤ
38…出力軸
40…内ピン孔
d…深さ

Claims (3)

  1. 外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、を備え、前記内歯歯車が該内歯歯車の内歯を構成するピンと、該ピンを支持する内歯歯車本体とで構成されている動力伝達装置において、
    前記外歯歯車の外周面の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置における前記内歯歯車本体の内表面に溝部を形成し、該溝部により該半径方向外側位置において、前記ピンと前記内歯歯車本体とが接触しないようにされており、
    前記外歯歯車が軸方向に複数配置されており、前記溝部が、各外歯歯車の外周面の軸方向の両端部それぞれに対応して形成され、
    前記複数の外歯歯車のうちの隣接する外歯歯車の隣接する側の軸方向端部が前記ピンとそれぞれ当接する部位の双方の半径方向外側位置を含むように前記内歯歯車本体の内表面に1つの前記溝部が設けられ、かつ、前記外歯歯車の隣接しない側の軸方向端部が前記ピンと当接する部位の半径方向外側位置における前記内歯歯車本体の内表面にも前記溝部が設けられた
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記隣接する側に設けられた前記1つの溝部は、前記隣接しない側に設けられた前記溝部よりも軸方向幅が広い
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記外歯歯車が前記内歯歯車に締まり嵌めの噛合状態で組付けられている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
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