JP2009036104A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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憲 堀
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茂之 草野
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Abstract

【課題】耐久性の低下と異音の発生を抑制するバルブタイミング調整装置を提供すること。
【解決手段】バルブタイミング調整装置は、先端にU字形ばね30が取り付けられ、制御トルクを出力する出力回転軸7と、内周面40aの対向する二箇所に溝部70,71が設けられ、出力回転軸7と一体に回転する遊星キャリア40を有し、出力回転軸7から遊星キャリア40に入力される制御トルクに応じてクランク軸およびカム軸間の相対位相を調整する位相調整部とを備え、各溝部70,71に嵌合するU字形ばね30の各対向部31,32の外面31b,32bが各溝部70,71の内面を押圧することによって、出力回転軸7を遊星キャリア40と確実に連繋させる。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁および排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、電動モータや電動ブレーキ等の出力回転軸から制御トルクを出力させて、バルブタイミングを決めるクランク軸およびカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を当該制御トルクに応じて調整するバルブタイミング調整装置が知られている。この種のバルブタイミング調整装置としては、出力回転軸を位相調整部の入力回転軸と連繋させることで、出力回転軸から入力回転軸に入力される制御トルクに応じて位相調整部が機関位相を調整するようにしたものが、特許文献1に開示されている。
さて、特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置では、出力回転軸の先端に設けた突部を、筒状の入力回転軸において内周側に開口した凹部に嵌合させている。これにより、組立時における入力回転軸と出力回転軸との連繋作業を容易にして、生産性を高めているのである。
特開2004−003419号公報
さて、特許文献1に開示のバルブタイミング調整装置では、組立時に金属製の出力回転軸の突部を金属製の入力回転軸の凹部に嵌入し易くするために、それら突部と凹部との間にクリアランスを設けている。
しかし、バルブタイミング調整装置の組立後の作動時には、このクリアランスに起因して突部と凹部とが相対摺動し、このとき発生する摩擦により両者の磨耗が進行する。さらに、入力回転軸および出力回転軸間の軸ずれや傾きに伴って突部と凹部とが相対摺動した場合には、部分的に大きな接触圧力が発生することで、両者の磨耗の進行が加速するおそれがある。このような磨耗の進行は、耐久性の低下を招くばかりでなく、クリアランスを拡大し、その結果、突部と凹部とが互いに衝突して異音が発生するおそれがある。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、耐久性の低下と異音の発生とを抑制するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、制御トルクを出力する出力回転軸と、出力回転軸と一体に回転する入力回転軸を有し、出力回転軸から入力回転軸に入力される制御トルクに応じて内燃機関のクランク軸およびカム軸間の相対位相を調整する位相調整部と、を備え、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁および排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、互いに対向する二つの対向部と、各対向部間を接続する接続部とからなるU字形ばねをさらに備え、筒状を呈する入力回転軸の内周面には、互いに対向する二箇所に溝部が設けられ、U字形ばねは、出力回転軸の先端に取り付けられるとともに各溝部に嵌合し、復元力により各対向部の外面が各溝部の内面を押圧することで出力回転軸を入力回転軸と連繋させることを特徴とする。
このように請求項1に記載の発明によると、出力回転軸の先端に取り付けられたU字形ばねは、筒状を呈する入力回転軸の内周面において互いに対向する二箇所の溝部に嵌合することで、出力回転軸と入力回転軸とを連繋させる。ここで、互いに対向する二つの対向部間が接続部にて接続されてなるU字形ばねは、その復元力により各対向部の外面が各溝部の内面を押圧することで、各対向部の外面を各溝部の内面に圧接させることができる。これによれば、各対向部の外面と各溝部の内面との相対摺動が抑制されることになるので、U字形ばねと各溝部との嵌合部分において磨耗による耐久性の低下と衝突による異音の発生とを抑制することができる。
請求項2,5に記載の発明によると、出力回転軸の先端は各対向部間に配置され、当該先端および各対向部に棒状の挿通部材が挿通されることで、U字形ばねが出力回転軸に取り付けられる。これによれば、U字形ばねにおいて接続部により接続された各対向部が挿通部材の軸方向に沿って弾性変形可能となるので、互いの接近側に弾性変形させた各対向部を各溝部に嵌合組み付けすることで、各対向部の外面が各溝部の内面を押圧する構成を適正に得ることができる。また、こうして得られた構成において出力回転軸は、入力回転軸と嵌合するU字形ばねに挿通された挿通部材に対して、挿通部材の長手方向に相対移動可能且つ挿通部材の周方向に相対回転可能となる。これにより、出力回転軸を入力回転軸に取り付ける際には、入力回転軸に対して出力回転軸の軸ずれや傾きが起きたとしても、入力回転軸に対して出力回転軸が挿通部材の軸方向に相対移動するまたは挿通部材の周方向に相対回転することにより、そうした軸ずれや傾きを吸収することができるのである。
請求項3に記載の発明によると、各溝部の内面は、互いに対向する二つの側面と、当該二つの側面間を接続する底面とからなり、各溝部毎に各側面が各対向部の外面によりそれぞれ押圧される。これにより、各対向部の外面は各溝部毎に各側面に圧接して、それら側面に対する相対摺動が抑制されることになるので、U字形ばねと各溝部との嵌合部分において磨耗による耐久性低下並びに衝突による異音発生を確実に抑制することができる。
請求項4に記載の発明によると、各溝部の内面は、互いに対向する二つの側面と、当該二つの側面間を接続する底面とからなり、各溝部の底面が各対向部の外面によりそれぞれ押圧される。これにより、各対向部の外面は各溝部の底面と圧接して、それら底面に対する相対摺動が抑制されることになるので、U字形ばねと各溝部との嵌合部分において磨耗による耐久性低下並びに衝突による異音発生を確実に抑制することができる。
請求項5に記載の発明によると、各溝部の底面には凹部が設けられ、当該凹部には挿通部材の両端が収容される。これによれば、各対向部の外面が各溝部の底面に押圧された状態下、それら対向部に挿通される挿通部材の両端が各溝部の底面の凹部に収容されることになるので、挿通部材の両端が各溝部の底面に干渉して各対向部の外面と各溝部の底面との間に隙間が発生することを防止できる。したがって、U字形ばねと各溝部との嵌合部分では、各対向部の外面を各溝部の底面に確実に圧接させて、磨耗による耐久性低下並びに衝突による異音発生についての抑制効果を高めることができる。
請求項6に記載の発明によると、出力回転軸の先端は各対向部間に配置され、接続部は当該先端と軸方向において対向し、各溝部は入力回転軸の軸方向に開口する。これによれば、各対向部を、出力回転軸および入力回転軸の軸方向において接続部の側から各溝部の開口に嵌入しつつ、互いの接近側に弾性変形させることが可能となるので、それら回転軸の連繋作業を容易にして生産性を高めることができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2に機関トルクを伝達する伝達系に設置される。バルブタイミング調整装置1は電気駆動部4および位相調整部8等を組み合わせてなり、バルブタイミングを決めるクランク軸およびカム軸2間の機関位相を調整する。なお、本実施形態においてカム軸2は内燃機関の吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
まず、電気駆動部4について説明する。電気駆動部4は、電動モータ5および通電制御回路6を備えている。
電動モータ5は、例えばブラシレスモータ等であり、出力回転軸7から出力する制御トルクを通電によって発生させる。通電制御回路6は、例えばマイクロコンピュータおよびモータドライバ等から構成されており、電動モータ5の外部および/または内部に配置されている。通電制御回路6は電動モータ5と電気的に接続されており、内燃機関の運転状況に応じて電動モータ5への通電を制御する。この制御された通電を受けて電動モータ5は、出力回転軸7から出力する制御トルクを、保持または増減する役割を果たす。
次に、位相調整部8について説明する。位相調整部8は、駆動側回転体10、従動側回転体20、遊星キャリア40および遊星歯車50を備えている。ここで、遊星キャリア40は請求項記載の入力回転軸に相当する。
図1〜3に示すように駆動側回転体10は、共に有底筒状を呈する歯車部材12およびスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなる。歯車部材12の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある駆動側内歯車部14を形成している。スプロケット13には、径方向外側に突出する複数の歯16が設けられている。スプロケット13は、それらの歯16とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーン(図示しない)が巻き掛けられることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13に入力されるときには、駆動側回転体10はクランク軸と連動して回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、図2,3の反時計方向となる。
図1,2に示すように、従動側回転体20は有底筒状を呈しており、スプロケット13の内周側に同心的に配置されている。従動側回転体20の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある従動側内歯車部22を形成している。
図1に示すように従動側回転体20の底壁部は、カム軸2に同軸上にボルト固定されて連結する連結部24を形成している。この連結部24とカム軸2との連結によって従動側回転体20は、カム軸2と連動して回転するとともに、駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。なお、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が進角する相対回転方向が図2,3の方向Xであり、駆動側回転体10に対して従動側回転体20が遅角する相対回転方向が図2,3の方向Yである。
図1〜3に示すように、遊星キャリア40は全体として筒状を呈しており、電気駆動部4の出力回転軸7から制御トルクが入力される入力壁42を一端側に形成している。回転体10,20に対して同心筒状の入力壁42には、出力回転軸7の出力先端がU字形ばね30および挿通部材35を介して連繋している。この連繋により遊星キャリア40は、出力回転軸7と一体に回転可能となっており、また回転体10,20に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア40はさらに、回転体10,20に対して外周面が偏心する支持壁44を入力壁42とは反対端側に形成している。支持壁44は、遊星歯車50の中心孔部51の内周側に転がり軸受45を介して嵌合している。この嵌合により支持壁44は、遊星歯車50を遊星運動自在に支持している。ここで遊星歯車50の遊星運動とは、支持壁44の外周面の偏心軸線周りに自転しつつ支持壁44の回転方向に公転する遊星歯車50の運動をいう。
遊星歯車50は段付筒状を呈しており、支持壁44に対して同心的に配置されている。この配置により遊星歯車50は、回転体10,20の歯車部14,22に対しては常に偏心した状態となっている。遊星歯車50は、歯先円が歯底円の外周側にある駆動側外歯車部52および従動側外歯車部54を、それぞれ大径部分および小径部分によって形成している。駆動側外歯車部52は駆動側内歯車部14の内周側に配置され、当該歯車部14と噛合している。従動側外歯車部54は従動側内歯車部22の内周側に配置され、当該歯車部22と噛合している。
以上の構成により位相調整部8には、遊星キャリア40の回転運動を減速してカム軸2に伝達する差動歯車式の遊星機構部60が形成されている。そして、このような遊星機構部60を備えた位相調整部8は、出力回転軸7から遊星キャリア40に入力される制御トルクに応じて機関位相を調整することにより、内燃機関に適したバルブタイミングを実現する。
具体的には、制御トルクが保持されること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を保ちつつ、回転体10,20と一体に回転する。したがって、機関位相は変化せず、その結果としてバルブタイミングが一定に保たれる。
制御トルクが方向Xに増大すること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Xに相対回転するときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Xに相対回転する。したがって、機関位相が進角側に変化し、その結果としてバルブタイミングが進角する。
制御トルクが方向Yに増大すること等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Yに相対回転するときには、遊星歯車50が歯車部14,22との噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Yに相対回転する。したがって、機関位相が遅角側へ変化し、その結果としてバルブタイミングが遅角する。
以上、第一実施形態の基本的構成について説明した。次に、第一実施形態の特徴的構成について詳細に説明する。
図4〜6に示すように出力回転軸7は、ストレートな丸棒状を呈しており、遊星キャリア40の内周面40aと同心的に配置されている。出力回転軸7の先端7bには、出力回転軸7の軸心を通って出力回転軸7を径方向に貫通する円筒孔状の取付孔部7aが設けられている。
U字形ばね30は、矩形帯状の金属板を湾曲させてなり、全体としてU字形を呈している。ここで、U字形ばね30を形成する金属板は、例えば板厚が1mm〜3mm程度のばね鋼板である。U字形ばね30は、U字形の両端側の対向部31,32と、U字形の略中央の接続部33とからなる。
各対向部31,32は、出力回転軸7の先端7bを径方向に挟む両側に配置され、当該先端7bとは間隔をあけて互いに略平行に対向している。各対向部31,32の略中央には、出力回転軸7の径方向に沿ってそれら対向部31,32を板厚方向に貫通する円筒孔状の貫通孔部31a,32aが設けられている。本実施形態において各貫通孔部31a,32aは、取付孔部7aよりも小径に形成されている。
接続部33は、各対向部31,32間を湾曲状に接続しており、出力回転軸7の軸方向において当該軸7の先端7bと対向している。これにより各対向部31,32は、それらの対向方向となる出力回転軸7の径方向に弾性変形可能となっている。
挿通部材35は、頭部35a,35cと、それら頭部35a,35c間を接続する軸部35bとからなり、全体として長手の丸棒状を呈している。各頭部35a,35cは、各貫通孔部31a,32aよりも大径の円板状に形成され、出力回転軸7の径方向において各対向部31,32を挟む両側に配置されている。
軸部35bは、各貫通孔部31a,32aよりも小径の円柱状に形成されている。ここで軸部35bの長さ、即ち頭部35a,35c間の距離は、無荷重状態のU字形ばね30における各対向部31,32の外面31b,32b間の距離に対して同一または僅かに小さく設定されている。軸部35bは、その略中央において取付孔部7aに遊挿状態で挿通されていると共に、各頭部35a,35cと接続される両端側において各貫通孔部31a,31bに嵌挿状態で挿通されている。これによりU字形ばね30は、挿通部材35を介して出力回転軸7に離脱不能に取り付けられており、軸部35bの長手方向に沿って各対向部31,32の弾性変形が許容されている。また、軸部35bの外周面と取付孔部7aの内周面との間に遊挿隙間が存在することにより、挿通部材35に対して出力回転軸7が、頭部35a,35cの間において軸部35bの長手方向に相対移動可能且つ軸部35bの周方向に相対回転可能となっている。
ここで、挿通部材35を介して出力回転軸7にU字形ばね30を取り付ける方法の一例を説明する。
U字形ばね30の各対向部31,32間に出力回転軸7の先端7bを配置した状態下、一方の頭部35cが未形成となっている挿通部材35の軸部35bを、貫通孔部31a、取付孔部7aおよび貫通孔部32aの順に挿通させる。続いて、対向部32の外面32bの外側にて、頭部35aとは反対側の軸部35bの先端に打撃を加えて当該先端を拡径し、頭部35aと略同径の頭部35cを形成することで、U字形ばね30を出力回転軸7の先端7bに取り付ける。なお、頭部35cの形成を容易にするためには、頭部35cの形成前において、例えば軸部35bの先端に放射状の切り欠きを設けておくことが好ましい。
さて、図4〜6に示すように、遊星キャリア40の内周面40aにおいて径方向に互いに対向する二箇所、即ち遊星キャリア40の軸心に対して対称位置となる二箇所には、それぞれ溝部70,71が開口している。各溝部70,71は、入力壁42の軸方向に延伸する断面矩形の長手溝状であり、入力壁42の支持壁44とは反対側端まで達することで遊星キャリア40の軸方向の電動モータ5側に開口している。
溝部70の内面は、遊星キャリア40の周方向において互いに平行に対向する二つの側面70a,70bと、それら側面70a,70b間を遊星キャリア40の径方向外側にて接続する底面70cとからなる。また同様に、溝部71の内面は、遊星キャリア40の周方向において互いに平行に対向する二つの側面71a,71bと、それら側面71a,71b間を遊星キャリア40の径方向外側にて接続する底面71cとからなる。このような構成により、各溝部70,71の底面70c,71cは、遊星キャリア40の径方向において互いに平行に対向している。ここで各底面70c,71cの幅、即ち側面70a,70b間および側面71a,71b間の距離は、挿通部材35の頭部35a,35c間の距離に対して小さく設定されているとともに、それら底面70c,71c間の対向距離は、U字形ばね30の帯状の幅方向長さよりも大きく設定されている。
各溝部70,71には、U字形ばね30が対向部31,32の対向方向を底面70c,71cの幅方向と一致させて嵌合することで、各対向部31,32が底面70c,71cと干渉することなく、互いの接近側に弾性変形して、常に復元力を発生する状態となっている。これにより、一方の対向部31の外面31bは、各溝部70,71の一方の側面70a,71aを復元力によって押圧することで、それら側面70a,70bに圧接している。また、また他方の対向部32の外面32bは、各溝部70,71の他方の側面70b,71bを復元力によって押圧することで、それら側面70b,71bに圧接している。以上により本実施形態では、挿通部材35を介して出力回転軸7に取り付けられたU字形ばね30の各対向部31,32が、溝部70,71の内面に圧接することにより、出力回転軸7が遊星キャリア40に連繋しているのである。
ここで、U字形ばね30を各溝部70,71に嵌合組み付けする方法の一例を説明するが、簡単のため、互いに同形で対称位置に設けられる溝部70,71のうち溝部70にU字形ばね30を嵌合組み付けする方法を中心に、説明を行う。
嵌合組み付け前においては、挿通部材35の頭部35a,35cの端面がそれぞれ対向部31,32の外面31b,32bに当接して、それら対向部31,32を係止する。これにより、嵌合組み付け前において、U字形ばね30が挿通部材35により出力回転軸7と連繋した状態では、各対向部31,32の外面31b,32b間の距離が溝部70の側面70a,70b間の距離よりも大きくなる。
このようにして出力回転軸7に取り付けられた状態のU字形ばね30を溝部70に嵌合組み付けするには、各対向部31,32を接続部33の側から溝部70の開口に嵌入し、それら対向部31,32を遊星キャリア40の軸方向に押し込んで、遊星キャリア40内に完全に収容させる。これにより各対向部31,32は、外面31b,32b間の距離が縮小するようにして弾性変形することになるので、当該縮小分に応じた復元力によって溝部70の各側面70a,70bを押圧することができるのである。したがって、嵌合組み付け後の作動時において出力回転軸7が遊星キャリア40と一体となって回転する際には、外面31b,32bと側面70a,70bとが相対摺動して磨耗することによる耐久性の低下、さらには外面31b,32bと側面70a、70bとが衝突することによる異音の発生を抑制可能となる。
なお、溝部71とU字形ばね30との嵌合組み付けについては、上述した溝部70とU字形ばね30との嵌合組み付けと同時に行われ、それによって同様の作用効果を得ることができる。
また、以上のようにして各溝部70,71にU字形ばね30を嵌合組み付けする際には、出力回転軸7を挿通部材35の長手方向に相対移動または挿通部材35の周方向に相対回転させることで、遊星キャリア40に対する出力回転軸7の軸ずれや傾きを吸収することができる。したがって、そうした軸ずれや傾きに起因して対向部31,32と溝部70,71との接触界面に偏磨耗が生じる事態を、抑制できるのである。
(第二実施形態)
図7に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。
第二実施形態において、遊星キャリア40の内周面40aに対称配設される各溝部700,701の底面700c,701c間距離は、挿通部材305の軸部305bの長さ、即ち頭部35a,35c間の距離に対して小さく設定されている。また、各溝部700,701の底面700c,701cの幅、即ち溝部700の側面70a,70b間および溝部701の側面71a,71b間の距離は、U字形ばね300の帯状の幅方向長さよりも大きく設定されている。そして、各溝部700,701に対しU字形ばね300が、接続部303にて接続された対向部31,32の対向方向を底面700c,701cの対向方向と一致させて嵌合することで、各対向部31,32が互いの接近側に弾性変形して常に復元力を発生する状態となっている。これにより、U字形ばね300の各対向部31,32の外面31b,32bが、それぞれ各溝部700,701の底面700c,701cを復元力によって押圧することで、それら底面700c,701cに圧接している。
このような本実施形態において、第一実施形態と同様に構成されたU字形ばね300を各溝部700,701に嵌合組み付けする際には、各対向部31,32の外面31b,32bの外側にある挿通部材305の頭部35a、35cが各溝部700,701の底面700c,701cと干渉することが、懸念される。そこで、本実施形態では、図7に示すように凹部700d,701dを、各溝部700,701の底面700c,701cの軸方向全域に開口する形態で設けている。これにより、嵌合組み付けの際には、各頭部35a,35cをそれぞれ凹部700d,701dに収容させて、それら頭部35a.35cと底面700c,701cとの干渉を防止することができる。このような第二実施形態によれば、各対向部31,32の外面31b,32bを各溝部700,701の底面700c,701cに確実に圧接させて、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の2つの実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、第一および第二実施形態において溝部70,71,700,701の形状は、断面矩形でなく、例えば断面半円形等でもよい。
また、第一および第二実施形態では、U字形ばね30,300と遊星キャリア40との嵌合強度が十分に確保される限りにおいて、各対向部31,32の一部のみを遊星キャリア40内に収容した状態で、それら対向部31,32を遊星キャリア40と嵌合させるようにしてもよい。
さらに、第一および第二実施形態では、出力回転軸7から制御トルクを出力可能なトルク出力手段として、電動モータ5以外、例えば電動ブレーキや油圧モータ等を用いてもよい。
加えて、第一および第二実施形態では、本発明の作用効果が得られる限りにおいて、各種の位相調整部8を採用することができる。例えば、クランク軸およびカム軸2とそれぞれ連動して回転する二つの回転体のうちいずれか一方に設けられた歯車部に遊星歯車50を噛合させて、それら回転体のうちいずれか他方を当該遊星歯車50の遊星運動によって回転駆動することで機関位相を変化させる位相調整部8等を採用してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁および排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することができる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の全体構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII―II線断面図である。 図1のIII―III線断面図である。 図1の要部拡大図である。 図4のV−V線断面図である。 図4のVI−VI断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴部分を示す図であって、図6に対応する断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電気駆動部、5 電動モータ、7 出力回転軸、7a 取付孔部、8 位相調整部、30,300 U字形ばね、31,32 対向部、33,303 接続部、31a,32a 貫通孔部、35,305 挿通部材、頭部 35a,35c、軸部 35b,305b、40 遊星キャリア(入力回転軸)、40a 内周面、42 入力壁、44 支持壁、50 遊星歯車、70,71,700,701 溝部、70a,70b,71a,71b 側面、70c,71c,700c,701c 底面、700d,701d 凹部

Claims (6)

  1. 制御トルクを出力する出力回転軸と、
    前記出力回転軸と一体に回転する入力回転軸を有し、前記出力回転軸から前記入力回転軸に入力される前記制御トルクに応じて内燃機関のクランク軸およびカム軸間の相対位相を調整する位相調整部と、
    を備え、前記クランク軸からのトルク伝達により前記カム軸が開閉する吸気弁および排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    互いに対向する二つの対向部と、前記各対向部間を接続する接続部とからなるU字形ばねをさらに備え、
    筒状を呈する前記入力回転軸の内周面には、互いに対向する二箇所に溝部が設けられ、
    前記U字形ばねは、前記出力回転軸の先端に取り付けられるとともに前記各溝部に嵌合し、復元力により前記各対向部の外面が前記各溝部の内面を押圧することで前記出力回転軸を前記入力回転軸と連繋させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 棒状の挿通部材をさらに備え、
    前記出力回転軸の前記先端は前記各対向部間に配置され、当該先端および前記各対向部に前記挿通部材が挿通されることで前記U字形ばねが前記出力回転軸に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記各溝部の内面は、互いに対向する二つの側面と、当該二つの側面間を接続する底面とからなり、前記各溝部毎に前記各側面が前記各対向部の外面によりそれぞれ押圧されることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記各溝部の内面は、互いに対向する二つの側面と、当該二つの側面間を接続する底面とからなり、前記各溝部の前記底面が前記各対向部の外面によりそれぞれ押圧されることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 棒状の挿通部材をさらに備え、
    前記出力回転軸の前記先端は前記各対向部間に配置され、当該先端および前記各対向部に前記挿通部材が挿通されることで前記U字形ばねが前記出力回転軸に取り付けられ、
    前記各溝部の前記底面には凹部が設けられ、当該凹部には前記挿通部材の両端が収容されることを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記出力回転軸の前記先端は前記各対向部間に配置され、前記接続部は当該先端と軸方向において対向し、
    前記各溝部は前記入力回転軸の軸方向に開口することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014081052A (ja) * 2012-10-18 2014-05-08 Asmo Co Ltd ジョイント及びバルブタイミング可変装置
CN109322720A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 博格华纳公司 电控相位器缓冲止动件

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