JP4655420B2 - プレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のボディ部材の原材料として用いられるプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、亜鉛めっき又は錫めっきを施しためっき鋼帯にプレス成形等の二次加工を施す場合、プレス成形性を高めるために、めっき鋼帯の表面にあらかじめ所定の表面粗さを付与する。プレス成形性を高めるために必要とされる表面粗さは、例えばJISB0610に規定された中心線平均粗さRaであって、カットオフ0.8mmに対する値で0.6〜2.0μmにされる。
【0003】
このように鋼帯にあらかじめ表面粗度を付与するのは、プレス加工中、鋼帯表面に形成された凹部に加工用潤滑油を行き亘らせて金型との摩擦を低減し、鋼帯の成形性を向上させるともに、金型との型かじりや焼き付きを防止することを意図しているからである。
【0004】
ところで、めっき鋼帯を塗装する場合、鋼帯表面への塗料の乗りを良好なものとするためにあらかじめ前述した表面粗さを付与することに加えて、塗装後表面の鮮映性を高めるためにあらかじめ鋼帯表面における長周期のうねり(起伏)を小さくすることが必要とされている。塗装後表面の鮮映性を高めるためには、例えばJIS B 0610で規定されたろ波中心線うねりWcaであって、高域カットオフ0.8mmおよび低域カットオフ8mmのときの値で0.7μmにされる。
【0005】
成形性および塗装後表面の鮮映性が向上されためっき鋼帯は、自動車用部材や建築用材料、家電製品の部材の原材料としてその利用分野が幅広い。その一方で、近時、めっき鋼帯の表面性状に対するユーザーの要求はますます高くなっている。
【0006】
例えば自動車のボディ部材等に使用されている溶融亜鉛めっき鋼帯は、次のようにして製造されている。すなわち、冷延鋼帯等の被めっき鋼帯を非酸化性雰囲気下又は微還元性雰囲気下で連続焼鈍した後、亜鉛浴又はアルミニウムを含む亜鉛浴中に浸漬させてめっきし、浴から引き上げた直後に鋼帯の表裏面にワイピングガスを吹き付けることによりめっき量(目付け量)を調整する。次いで、材料の降伏点伸びの消去および鋼帯の平坦化を行なうとともに、所定の表面粗さを付与するために、鋼帯に調質圧延を施す。
【0007】
調質圧延で用いられるワークロールは、あらかじめショットブラスト加工、放電加工、レーザー加工、電子ビーム加工等によりロール周面の加工がなされ、ロール周面の表面粗度が比較的大きなものとされている。
【0008】
特開昭61−147906号公報には、表面粗度が異なる複数のロールを用いて1パスずつ圧延を行なう加工方法が開示されている。特開平2−15154号公報には、ロール周面を中心線平均粗さRaで1.6〜3.0μmとする加工方法が開示されている。特開平2−30309号公報には、所定の目付け量に周面をクロムめっきしたロールを用いた加工方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように比較的表面粗度が大きな圧延ロールを用いて、例えば溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延した場合、めっき皮膜は極めて柔らかくかつ融点が低いため、加工時に生じる摩擦熱等によりロールが温度上昇してロール周面に亜鉛が凝着しやすい。また、この場合、圧延ロール周面に凝着した亜鉛は再度鋼帯に転写されやすく、このため鋼帯表面にマークが生じて製品外観を損なうおそれがある。さらに、調質圧延するにあたり同じロールを使用し続けると、ロール周面の凹部に亜鉛が目詰まりするため、後続の鋼帯の表面に所定の表面粗さを安定して付与することが困難となる。
【0010】
このような事情から、現状では、ある一定量の鋼帯を調質圧延した後に、圧延ロールを交換することにより対応しているため、効率的でなく生産性が非常に低いものとなっている。また、めっき鋼帯に付与する表面粗さを変更するためには、圧延ロールの表面粗さを変更する必要がある。このため、複数の異なる表面粗度を有する圧延ロールをあらかじめ準備しておき、その都度ロールを交換する必要があり、工程が複雑化する。また、これらのロールの保管場所を確保する必要があるとともに、その在庫管理を行なう手間が生じる。さらに、圧延ロールに表面粗度を付与するために上述したショットブラスト加工、放電加工装置、レーザー加工装置、電子ビーム加工装置等の加工装置を導入する必要があり、設備コストが増大する問題がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、製品外観を損なうことなく、高効率で安定して溶融亜鉛めっき鋼帯に表面粗さを付与できるプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の目的は、設備コストを抑え、製品品質を低下させることなくかつ高効率で表面粗さを付与することができるプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意研究を積み重ねた結果、鋼帯表面への高圧液体の噴射により発生する壊食現象を利用することにより、上述したような圧延ロールを用いた調質圧延を行なわなくてもめっき鋼帯に表面粗さを付与できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
以下、本発明に係るプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法について説明する。
【0015】
本発明に係る第1の手段は、ブライトロールを用いて溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延する圧延工程と、大気中において前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に向けて液体を高圧で噴射する工程とを備え、
前記高圧噴射工程では、噴射液体が連続する液柱から個々の液滴群となる形態変化を生じる距離におかれた液噴射口から前記液体を4.9MPa以上の噴射圧力で噴射して前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に液滴群を連続的に衝突させることにより前記溶融亜鉛めっき鋼帯に中心線平均粗さRaで1.0μm以上2.5μm以下の表面粗さを付与することを特徴とする。
【0016】
上記の噴射液体は、水、油、ポリマー等を添加した水溶液を挙げることができ、中でも水であることが好ましい。
【0017】
例えば水平にノズルから高圧の液体を大気雰囲気下で噴射した場合、噴射された液体の形態はノズル噴射口からの距離によって図1に示すように変化する。図1において、ノズル1の先端部近傍の位置Xpまでの距離においては、噴流がノズル噴射口での流速と同じ流速を維持する領域であり、ポテンシャルコア(2)と呼ばれる。噴射口から位置Xbまでの距離においては、噴流は減速するものの、噴流が連続した柱状をなす液柱3を形成する。ここで、液柱3が形成される領域を連続流領域と呼ぶ。位置Xbからさらに離れると液柱3が細かい液滴群4に分裂して噴流の連続性が失われる。ここで、液滴群4が形成される領域を液滴領域と呼ぶ。
【0018】
上記の連続流領域で、噴流が標的物体に衝突したときの衝撃圧Ps(Pa)は、運動量保存則から次の式(1)のように表わされる。
Ps=ρV2/2 ・・・(1)
ただし、式(1)において、ρ:液体密度、V:液体流速、V=(2P0/ρ)1/2、P0:ノズル吐出圧力である。
【0019】
一方、液滴領域においては、液滴群が連続的に標的物体に衝突すると水撃作用により高い衝撃圧を生じる。水撃現象とは、高速の液滴群を物体に連続的に衝突させたときに発生する圧縮波によって、より高い衝撃力を生じる現象である。液滴領域での衝撃圧Pw(Pa)は次の式(2)により表わされる。
Pw=ρCV …(2)
なお、式(2)において、ρ:液体密度、C:液体中での速度(液体として常温・常圧の水を用いた場合ではおよそ1450m/秒となる。)、V:液滴速度,V=(2P0/ρ)1/2、P0:ノズル吐出圧力である。
【0020】
液滴領域では連続流領域に比べてより高い衝撃圧で標的物体に衝撃力を与えることができる。具体的には、例えば常温の水を噴射圧50MPaで噴射した場合、ノズル噴射口での速度は約313m/秒となり、連続流領域での衝撃圧力は式(1)により約50MPaとなる。これに対して液滴領域での衝撃圧力は式(2)により約450MPaとなり、連続流領域での衝撃圧力の約9倍もの衝撃圧力を標的物体に与えることができる。
【0021】
すなわち、本発明の第1の手段によれば、大気中において液体の噴射により形成される液滴群を連続的に鋼帯表面に衝突させ、衝突時の高い衝撃圧を繰り返し鋼帯表面に作用させる。これにより、鋼帯表面において壊食現象によりクレーター状のピットが形成されるので、表面粗さを付与することができる。
【0022】
図2は、スタンドオフ距離(ノズル噴射口から噴射口の開口方向に沿って標的物体に至るまでの直線距離)と、衝撃圧との関係を示す特性線図である。図2の特性線は、衝撃圧の値が極大となる1つのピークを有している。このピークを示すスタンドオフ距離の領域では、液体噴流がほぼ完全に液滴となり、かつ液滴の減速も少ないため、水撃作用が有効に及ぼされ、より高い衝撃圧を発生させることができる。
【0023】
このようなことから、本発明に係る第1の手段においては、液滴群の鋼帯表面への衝突により生じる衝撃圧が極大となる距離離れた位置で液体を噴射することが好ましい。
【0024】
また、大気中で液体を噴射するにあたり、液体噴射位置を所定位置に固定した場合には液体の噴射圧を適宜変更することにより、或いは液体の噴射圧を所定圧に固定する場合にはスタンドオフ距離を適宜変更することにより、鋼帯表面に衝突するときの液滴群の個々の液滴径を調整できる。これにより、壊食により形成されるピットの深さ、ピットの大きさ等を変化させることができ、めっき鋼帯に付与する表面粗さを容易に調整できる。
【0025】
図3は、横軸に噴射圧力(MPa)をとり、縦軸に中心線平均粗さRa(μm)をとって、大気雰囲気下で溶融亜鉛めっき鋼板の表面に向けて水を一定時間噴射して水滴群を衝突させたときの水の噴射圧力と鋼板表面における中心線平均粗さRaとの関係を調べた結果を示す特性線図である。中心線平均粗さRaとは、JISB0610に規定されるものであり、ここではカットオフ0.8mmに対する値を採用している。また、水の噴射は、フラットスプレーにより、スタンドオフ距離を100mmとし、噴射時間を5秒間として行なった。
【0026】
図3から明らかなように、噴射圧力の値が上昇するとともにRaの値も上昇している。しかし、噴射圧力が4.9MPa(50kg/cm2)未満の領域ではRaの値が小さくなり、必要な表面粗さを付与できなくなる。このため、この場合には、噴射圧は4.9MPa以上とする。このように、スタンドオフ距離に応じて噴射圧を変更することが必要である。
【0027】
本発明の第1の手段において、噴射される液体中には固体粒子が混合されていることが好ましい。このように固体粒子が混合された液体を噴射することにより、固体粒子が液体とともに加速され、液滴群とともに固体粒子が鋼帯表面に衝突するため、衝撃圧をより高めることができ、鋼帯に容易に表面粗度を付与することができる。
【0028】
上記の固体粒子としては、ガーネット、鋳鉄グリッド、アルミナ、スチールグリッド、シリカ、氷などを挙げることができる。固体粒子の粒径は付与すべき表面粗度の値に応じて変更することができる。固体粒子の形状は、球形状、塊状、破砕状などいずれであってもよい。なお、固体粒子の材質および粒度は、鋼帯表面のめっき皮膜の材質や表面粗度に応じて適宜選択することができる。
【0030】
上記のブライトロールは周面が中心線平均粗さRaで0.2μmであることが好ましい。このようなワークロールを用いてめっき鋼帯に調質圧延をあらかじめ施すことにより、鋼帯表面における長周期のうねり(起伏)を小さく修正できるとともに、表面欠陥が生じるのを抑制できる。これにより、製品の外観を損なうことなく調質圧延できるとともに、めっき鋼帯の塗装時に塗料の乗りを良好なものとし、塗装後表面の鮮映性を優れたものとすることができる。すなわち、長周期のうねり(起伏)を小さく修正する工程と表面粗さを付与する工程との別々の工程に分けることができるので、これら2つの工程を調質圧延のみにより同時に行なう従来技術と比べて、製品の外観を損なうことなく、かつ長周期のうねりの修正精度および付与すべき表面粗さの精度をともに高めることができる。
【0031】
次に、本発明の第2の手段について説明する。
【0032】
本発明に係る第2の手段は、ブライトロールを用いて溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延する圧延工程と、前記溶融亜鉛めっき鋼帯を第1の液体中に連続的に浸漬する浸漬工程と、前記第1の液体中で前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に向けて第2の液体を高圧で噴射する高圧噴射工程とを備え、
前記高圧噴射工程では、第1液体中での第2液体の噴射によりキャビテーションクラウドを生成する距離におかれた液噴射口から前記第2の液体を噴射してキャビテーションを伴う噴流を前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に衝突させることにより前記溶融亜鉛めっき鋼帯に中心線平均粗さRaで1.0μm以上2.5μm以下の表面粗さを付与することを特徴とする。
【0033】
上記の第1液体としては、水、油、もしくはポリマー等を添加した水溶液を挙げることができ、中でも水であることが好ましい。上記の第2液体としては、水、油、ポリマー等を添加した水溶液を挙げることができ、中でも水であることが好ましい。
【0034】
高圧液体を液体中で噴射させると、気体中で噴射させた場合と比べて流体の減速がはやい。しかし、液体中に含まれる気泡が急速に圧力低下して局所的に蒸気相(気泡,空洞)を生成し、蒸気相中の気泡が消滅するときに数GPa程度の高い圧力が発生する、いわゆるキャビテーションを生じる。
【0035】
すなわち、本発明の第2の手段によれば、液中でキャビテーションを伴う液体噴流を連続的に鋼帯表面に衝突させ、衝突時の高い衝撃圧を繰り返し鋼帯表面に作用させる。これにより、鋼帯表面において壊食現象によりクレーター状のピットが形成され、表面粗さを付与できる。
【0036】
図4に、ノズルから高圧水を液体中に噴射したときのキャビテーションの生成過程を模式的に示す。図4において、キャビテーションノズル5から水が噴射されると、液体中でキャビテーションクラウド7が形成される。その後、このキャビテーションクラウド7は分裂し、最終的に微小の残存気泡8となって液体中に分散された状態となる。本発明の第2の手段においては、キャビテーションクラウド7が確実に発生するスタンドオフ距離に離れた位置で液体を噴射する必要がある。
【0037】
また、一般的には、以下の式(3)で表わされるキャビテーション係数σの値が0.6以下になるとキャビテーションが発生し、このσの値が小さいほどキャビテーションは発達することが知られている。
σ=(Pa−Pv)/(P0−Pa) ・・・(3)
ただし、式(3)においてPaは流体圧力(Pa)、Pvは流体の蒸気圧力(Pa)、P0はノズル吐出圧力(Pa)を表わす。
【0038】
図5は、横軸にスタンドオフ距離をとり、縦軸に衝撃圧をとって、噴流媒体として水を用いた場合に、キャビテーションを伴った水噴流を標的物体に衝突させたときのスタンドオフ距離と標的物体に及ぼす衝撃圧との関係を示す特性線図である。図5に示すように、特性線は、短いスタンドオフ距離での第1のピークと、この第1のピークのスタンドオフ距離も長い距離での第2のピークとの2つのピークを有している。第1のピークは狭幅で鋭い形状であるのに対して、第2のピークは幅広でプラトー状である。すなわち、第1のピークに着目すると、スタンドオフ距離がわずかに変化すると衝撃圧値が急激に変化する。これに対して、第2のピークに着目すると、スタンドオフ距離が変化しても衝撃圧はほとんど変化せずにほぼ一定の衝撃圧値となる。このことから、本発明の第2の手段においては、スタンドオフ距離を第1のピークが形成される領域内としてもよいが、スタンドオフ距離を第2のピークが形成される領域内とすることにより、鋼帯のバタツキ等があってもほぼ一定の衝撃圧を鋼帯表面に作用させることができ、ほぼ一定の表面粗度を安定して付与できる。
【0039】
図6は、図5で説明したのと同様に、横軸にスタンドオフ距離をとり、縦軸に衝撃圧をとって、スタンドオフ距離と標的物体に及ぼす衝撃圧との関係を示す特性線図であって、上記の式(3)のキャビテーション係数σの値を変化させたときに第2のピークが変位する様子を示している。
【0040】
ここで、式(3)によれば、吐出圧力Plを高めるとσ値が低下する。この場合に、図5に示す特性線においては、実線で示す第2のピークがσ値の低下に伴って破線で示すように右肩上がりに変位し、衝撃圧を高められることがわかる。逆に、吐出圧力Plを低くすると破線で示す第2のピークが実線で示すように変位する。すなわち、スタンドオフ距離を第2のピークが形成される領域内とした場合、噴射すべき流体の吐出圧を調整することにより衝撃圧を調整でき、これにより鋼帯に付与する表面粗度を容易に調整できる。
【0045】
上記のブライトロールは周面が中心線平均粗さRaで0.2μmであることが好ましい。このようなワークロールを用いてめっき鋼帯に調質圧延をあらかじめ施すことにより、鋼帯表面における長周期のうねり(起伏)を小さく修正できるとともに、表面欠陥が生じるのを抑制できる。これにより、製品の外観を損なうことなく調質圧延できるとともに、めっき鋼帯の塗装時に塗料の乗りを良好なものとし、塗装後表面の鮮映性を優れたものとすることができる。すなわち、長周期のうねり(起伏)を小さく修正する工程と表面粗さを付与する工程との別々の工程に分けることができるので、これら2つの工程を調質圧延のみにより同時に行なう従来技術と比べて、製品の外観を損なうことなく、かつ長周期のうねりの修正精度および付与すべき表面粗さの精度をともに高めることができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。
【0047】
(第1の実施形態)
図7は、本発明の第1の手段を実施するための装置Aを示す概略図である。
【0048】
この装置Aは、図示しない高圧水供給源(高圧水発生装置)に連通する5本のヘッダ管10を備えている。これらのヘッダ管10は、めっき鋼帯11の上方および下方にそれぞれ配置されている。各ヘッダ管10はめっき鋼帯11の幅方向と平行にかつ水平に延び、めっき鋼帯11の進行方向に所定間隔をもって配列されている。ヘッダ管10には、複数のフラットスプレーノズル12がめっき鋼帯11の帯幅に応じて等ピッチ間隔で取り付けられ、それぞれヘッダ管10と連通している。各ノズル12の噴射口はめっき鋼帯11の表面を向いて開口している。また、各フラットスプレーノズル12の噴射口とめっき鋼帯11の表面との最短距離(スタンドオフ距離)は、噴射口から噴射された水がめっき鋼帯11の表面に達するときに液滴群として衝突するように調整可能となっている。
【0049】
さらに、図8に示すように、図示しないめっき処理装置の下流側であって、図7に示す装置Aの上流側に、ブライトロール13を有する調質圧延機14が設けられている。
【0050】
図示しないめっき処理装置でめっきされためっき鋼帯11は、調質圧延機14により調質圧延され、めっき鋼帯11の表面における長周期のうねり(起伏)を除去される。これに引き続き、めっき鋼帯11は大気雰囲気下で図7に示す装置Aに搬送される。ヘッダ管10内には図示しない高圧水供給源からの高圧水が流通し、高圧水は各フラットスプレーノズル12に導入され、噴射口からめっき鋼帯11の表面に向けて噴射され、液滴群としてめっき鋼帯11の表面に衝突する。
【0051】
図9は、フラットスプレーノズル12から噴射された水が液滴群としてめっき鋼帯11の表面に達したときの形跡を模式的に示す図である。フラットスプレーノズル12の噴射口は、ヘッダ管10の端面側から見ると、図10に示すように鉛直下向きの方向に対してめっき鋼帯11の進行方向と逆の方向(上流側)に角度θ1をもって傾斜する方向を向いている。さらに、フラットスプレーノズル12の噴射口は、めっき鋼帯11の幅方向と平行な方向に対して反時計回りにねじられた角度θ2をもつように方向づけられている。すなわち、フラットスプレーノズル12の噴射口から噴射された水はヘッダ管10の位置よりも上流側のめっき鋼帯11の表面に向けて平面状かつ扇形状をなして噴射され、図9に示すようにめっき鋼帯11の表面に達したときにめっき鋼帯11の幅方向に対して反時計回りに角度θ2をもつ、ほぼ線状(狭幅のレンズ状)の形跡をなすように衝突する。また、めっき鋼帯11の進行方向に見たときに、この形跡の端部が隣り合う形跡の端部と重なり合うように、噴射水がなす扇形状の中心角、すなわち噴射水の拡がり角度が設定されている。ここで、上記の角度θ1およびθ2をともに5°以上とすると、噴射された水はめっき鋼帯11の進行方向に逆行するように噴射されるため、めっき鋼帯11の表面での衝撃圧を有効に作用させることができるとともに、隣り合うフラットスプレーノズル12からの噴射水がめっき鋼帯11の表面上で互いにオーバーラップするように到達するため、めっき鋼帯11の表面上において衝撃圧が低くなる部位を補償できる。このため、めっき鋼帯11の幅方向にわたり均一に表面粗さを付与することができるようになっている。
【0052】
なお、上記の第1実施形態では、高圧水を噴射させるにあたり、フラットスプレーノズル12を使用するものとして記述したが、これのみに限定されることなく、例えば円錐状に噴射するフルコーンスプレーノズルや角筒状に噴射する角吹きスプレーノズル等を使用するようにしてもよい。
【0053】
(第2の実施形態)
図11は、本発明の第2の手段を実施するための装置Bを概略的に示す図である。
【0054】
この装置Bは、槽20、ルーパー21a,21b,21cおよびヘッダ管22a,22b,22c,22d,22e,22fを備えている。さらに、図示しないめっき処理装置の下流側であって、この装置Bの上流側には、上記の第1実施形態で説明したのと同様な、ブライトロールを有する調質圧延機(図示せず)が設けられている。
【0055】
槽20内には水が収容されている。ルーパー21a、21bは、槽20の一方の側壁の開口側近傍および対向する他方の側壁の開口側近傍にそれぞれ回転可能に設けられている。また、ルーパー21cはルーパー21aおよび21bとそれぞれ等距離をもって槽20内に回転可能に設けられている。これらルーパー21a〜21cはそれぞれ、水平にかつめっき鋼帯11の幅方向と平行に配列されている。
【0056】
ヘッダ管22a〜22fは、それぞれルーパー21a〜21cと平行に配列するように設けられている。対をなすヘッダ管22a,22bは槽20内に設けられ、ルーパー21a,21cの間に位置するめっき鋼帯11の下面からそれぞれ所定距離をもつように配置されている。
【0057】
また、対をなすヘッダ管22c,22dは槽20内に設けられ、ルーパー21b,21cの間に位置するめっき鋼帯11の下面からそれぞれ所定距離をもつように配置されている。
【0058】
さらに、対をなすヘッダ管22e,22fは槽20内においてルーパー21cの直上に設けられ、ルーパー21a,21cの間に位置するめっき鋼帯11の上面と、ルーパー21b,21cの間に位置するめっき鋼帯11の上面との両方から所定距離をもつように配置されている。
【0059】
ヘッダ管22a,22bおよび22c,22dには、複数のキャビテーションノズル23が設けられている。キャビテーションノズル23はめっき鋼帯11の帯幅に応じて等ピッチ間隔で取り付けられ、それぞれヘッダ管22a〜22dと連通している。これらのキャビテーションノズル23の噴射口はそれぞれめっき鋼帯11の下面を向いて開口している。
【0060】
ヘッダ管22e,22fには、ルーパー21a,21cの間に位置するめっき鋼帯11の上面を向いて開口する複数のキャビテーションノズル23がめっき鋼帯11の帯幅に応じて等ピッチ間隔で取り付けられ、かつそれぞれヘッダ管22e,22fに連通している。また、ヘッダ管22e,22fには、ルーパー21b,21cの間に位置するめっき鋼帯11の上面を向いて開口する複数のキャビテーションノズル23がめっき鋼帯11の帯幅に応じて等ピッチ間隔で取り付けられ、かつそれぞれヘッダ管22e,22fに連通している。キャビテーションノズル23の各噴射口と鋼帯表面とのスタンドオフ距離は、キャビテーションクラウドが形成されるように調整可能となっている。
【0061】
図12は、キャビテーションノズル23を拡大して示す断面図である。キャビテーションノズル23は外形が円筒形状をなし、その内部がいわゆるホーンノズルと呼ばれるものと同様な形状をなすように開口されている。このキャビテーションノズルは、一端部が円筒状に開口された高圧水導入路24を有し、図示しないヘッダ管22aないし22fに連通する。また、高圧水導入路24の終端縁から円錐状に収縮するように開口された収縮部25を有し、この収縮部25と連通する噴射口26とこの噴射口26から放射状に拡幅開口され、外部開放された膨張部27とを有している。この膨張部27を設けることにより、高圧水が噴射口26から放射状に広がって液中に噴射されるので、液中でのキャビテーションの発生領域を広げることができる。このため、液中を通過するめっき鋼帯11の表面全体にわたりキャビテーションを作用させることができ、均一な表面粗度を付与することができるようになっている。
【0062】
図示しないめっき処理装置から送給されためっき鋼帯11は、調質圧延機(図示せず)により調質圧延され、めっき鋼帯11の表面における長周期のうねり(起伏)を除去される。これに引き続き、鋼帯は図11に示す装置Bに搬送され、槽20の上方からルーパー21aを介して槽20内に水没し、ルーパー21cを介した後にルーパー21bを介して槽20外に引き上げられる。各ヘッダ管22a〜22f内には図示しない高圧水供給源からの高圧水が流通し、高圧水は各キャビテーションノズル23に導入され、噴射口から槽20内の水中を通過するめっき鋼帯11の表面に向けて噴射され、水中において発生したキャビテーションを伴う噴流をめっき鋼帯11の表面に衝突させ、めっき鋼帯11に表面粗さを付与する。
【0063】
以上説明した図7に示す装置Aおよび図11に示す装置Bにおいては、高圧水に固体粒子を混合させる系統を設けるようにしてもよい。
【0064】
例えば、図13に示すように、固体粒子導入装置30をヘッダ管と連通するように設けることができる。この固体粒子導入装置30により固体粒子がヘッダ管内に導入され、ヘッダ管内で高圧水と混合される。この場合に、用いる固体粒子は、図7の装置Aに用いたフラットスプレーノズル12や図13の装置Bに用いたキャビテーションノズル23において最小となる内部流路径よりも小さい粒径のものを用いる必要がある。
【0065】
また、図14に示すように、高圧水供給源(高圧水発生装置)40とヘッダ管との間の配管部分に圧力容器41を介在させ、この圧力容器に連通するように前述した固体粒子導入装置30を設けるようにしてもよい。この場合、高圧水供給源40から供給された高圧水と、固体粒子導入装置30から所定量導入された固体粒子とが圧力容器41内で十分混合され、スラリー状の高圧水としてヘッダ管に導入される。
【0066】
さらに、図11に示す第2の手段を実施するための装置Bにおいては、図15に示すように、固体粒子導入装置30を槽の外部に設けて、槽20内に収容された水中に固体粒子を導入するようにしてもよい。なお、図15には、固体粒子導入装置30は、槽20の上方から固体粒子を投入するものと、槽20の対向する側壁においてそれぞれ開口する配管を介して固体粒子を導入するものとを示している。また、この場合には、槽20内に収容された水にあらかじめ固体粒子を所定濃度で混合させておく。槽20内の水中で高圧水が噴射され続けると、水とともに固体粒子がオーバーフローにより槽20外に流出するが、固体粒子導入装置30から槽20内の固体粒子濃度が所定値となるように固体粒子を適宜導入するようにすればよい。さらに、この場合に、図15に示すように、槽20内に攪拌羽等を有する攪拌装置50を設けることが好ましい。これにより槽20内に収容された水を攪拌して固体粒子を水中で均一に分散させることができる。これにより、水中の固体粒子を有効利用でき、めっき鋼帯11の表面全体にわたり衝突させることができるので、めっき鋼帯11に均一な表面粗さを付与できる。
【0067】
(実施例)
以下、本発明の実施例を記載する。
【0068】
(例1)
図7に示す構成の装置Aにおいて、図13に示す固体粒子を導入する系統が設けられているものを用いた。この系統により、固体粒子としての鉄粉(粒径50μm)と高圧水とがヘッダ管で混合できるようになっている。なお、本例1では、この系統は用いず、鉄粉を混合しないようにした。
【0069】
調質圧延機14に用いるワークロールとしては、直径600mmおよび胴長2000mmであって、周面が中心線平均粗さRaで0.28μmであるブライトロールを用いた。
【0070】
本例1においては、フラットスプレーノズル12はヘッダ管10の長手方向に150mmピッチで取り付けられている。各フラットスプレーノズル12の噴射口とめっき鋼帯11の表面とのスタンドオフ距離を150mmとした。前述した角度θ1およびθ2は、15°となるように設定した。
【0071】
このような装置を用い、板厚0.8mm、板幅1250mmの溶融亜鉛めっき鋼帯(長さ200km)を調質圧延し、引き続き表面粗さを付与した。この一連の処理における通板速度は100m/分とし、高圧水の噴射圧力は9.8MPa(100kg/cm2)とした。
【0072】
(例2)
周面が中心線平均粗さRaで0.27μmであるブライトロールを用い、高圧水の圧力を29.4MPa(300kg/cm2)とした以外は、前述した例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0073】
(例3)
周面が中心線平均粗さRaで0.27μmであるブライトロールを用い、フラットスプレーノズルの噴射口と鋼帯表面とのスタンドオフ距離を300mmとした以外は、例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0074】
(例4)
周面が中心線平均粗さRaで0.29μmであるブライトロールを用い、固体粒子を導入する系統を用いてヘッダ管内で鉄粉が体積比で10%の割合で混合された高圧水を圧力4.9MPa(50kg/cm2)で噴射するようにした以外は、例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さの付与を行なった。
【0075】
(例5)
周面が中心線平均粗さRaで3.1μmであるダルロール(放電加工)を用いた以外は、例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0076】
(例6)
周面が中心線平均粗さRaで2.9μmであるダルロール(SB加工)を用いた以外は、例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0077】
(例7)
周面が中心線平均粗さRaで0.28μmであるブライトロールを用い、高圧水の噴射圧力を2.45MPa(25kg/cm2)とした以外は、例1と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0078】
(例8)
例8では、図11に示す装置Bにおいて、固体粒子としての鉄粉(平均粒径50μm)を導入する固体粒子導入装置30および攪拌羽を有する攪拌装置50が設けられた図15に示す構成のものを用いた。この固体粒子導入装置30は、槽内の鉄粉がオーバーフローにより槽外に流出しても所定の混合割合を維持できるように鉄粉を槽内に導入するようになっている。なお、本例8では固体粒子導入装置30は用いなかった。
【0079】
調質圧延機に用いるワークロールとしては、直径600mmおよび胴長2000mmであって、周面が中心線平均粗さRaで0.25μmであるブライトロールを用いた。
【0080】
本例8においては、キャビテーションノズル23は各ヘッダ管22a〜22fの長手方向に150mmピッチで取り付けられている。キャビテーションノズル23において、噴射口26の口径は1.2mm、膨張部27の角度θ3は120°となっている。各キャビテーションノズル23の噴射口26とめっき鋼帯11の表面とのスタンドオフ距離は100mmとした。
【0081】
このような装置を用い、板厚0.8mm、板幅1250mmの溶融亜鉛めっき鋼帯(長さ200km)を調質圧延し、これに引き続き、調質圧延された溶融亜鉛めっき鋼帯を水中に浸漬し、浸漬時に高圧水を噴射して表面粗さを付与した。この一連の処理における通板速度は100m/分とし、高圧水の噴射圧力は9.8MPa(100kg/cm2)とした。
【0082】
(例9)
例9では、槽20内に収容された水にはあらかじめ平均粒径50μmの鉄粉が質量比で1%となるように混合し、攪拌装置50により水を攪拌するようにした。そして、周面が中心線平均粗さRaで0.3μmであるブライトロールを用いた以外は、例8と同様にして溶融亜鉛めっき鋼帯の調質圧延および表面粗さ付与を行なった。
【0083】
(例10)
周面が中心線平均粗さRaで3μmであるダルロール(放電加工)を用いて例1で説明したのと同様な溶融亜鉛めっき鋼帯につき調質圧延のみ行なった。
【0084】
(例11)
周面が中心線平均粗さRaで2.9μmであるダルロール(SB加工)を用いた以外は、例10と同様に調質圧延のみ行なった。
【0085】
上述した例1〜11で得られた各溶融亜鉛めっき鋼帯につき、鋼帯表面の中心線平均粗さRaの値を調べるとともに、ろ波中心線うねりWcaの値を調べた。また、鋼帯全長にわたって表面の外観検査を行ない疵等の表面欠陥の有無を調べた。これらの評価結果を表1に示す。なお、表1には鋼帯の全長にわたる粗さ変化の有無を調べた結果も併記する。
【0086】
【表1】
【0087】
表1に示すように、例1の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部(トップから1kmの部位のことをいう。)で1.5μm、ボトム部(ボトムから1km(トップから199km)の部位のことをいう。)で1.6μmとなり、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく、Wca値がトップ部で0.57μm、ボトム部で0.6μmとなり、さらに表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観を有することが判明した。
【0088】
例2の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で2.5μm、ボトム部で2.5μmとなり、Wca値がトップ部で0.62μm、ボトム部で0.63μmとなり、例1と比べてRa値は1.0μm高くなるとともにWca値はほぼ同じ値であった。すなわち、ノズル噴射口と鋼帯表面とのスタンドオフ距離を一定にした場合、高圧水の噴射圧力の調整により、Wca値をほとんど変化させることなくRa値を調整できることが判明した。また、例2のめっき鋼帯は、上記のように高いRa値および低いWca値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観を有することが判明した。
【0089】
例3の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で1.0μm、ボトム部で1.0μm、Wca値がトップ部で0.55μm、ボトム部で0.54μmとなり、例1と比べてRa値が0.5μm低下するとともにWca値はほぼ同じ値を示した。すなわち、高圧水の噴射圧力を一定にした場合、ノズル噴射口と鋼帯表面とのスタンドオフ距離を調整することにより、Wca値をほとんど変化させることなくRa値を調整できることが判明した。また、例3のめっき鋼帯は、上記のように高いRa値および低いWca値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観性を有することが判明した。
【0090】
例4の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で3.0μm、ボトム部で3.1μm、Wca値がトップ部で0.70μm、ボトム部で0.68μmとなり、例1と比べてRa値は1.5μm高くなるとともに、Wca値はほぼ同じ値を示した。すなわち、固体粒子を混合させることにより高圧水の噴射圧力を低くしても容易に表面粗さを付与でき、しかもWca値をほとんど変化させることなく表面粗さを付与できることが判明した。また、例4のめっき鋼帯は、上記のように高いRa値および低いWca値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観を有することが判明した。
【0091】
例5の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で1.6μm、ボトム部で1.5μm、Wca値がトップ部で0.72μm、ボトム部で0.67μmとなり、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がないものの、表面欠陥が認められることから、外観を損なうことが判明した。
【0092】
例6の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で1.7μm、ボトム部で1.6μmと高い値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がないものの、Wca値がトップ部で1.26μm、ボトム部で1.27μmと大幅に高くなり塗装後鮮映性に劣るものであることが判明した。しかも、このめっき鋼帯は表面欠陥が認められ、製品外観を損なうことが判明した。
【0093】
例7の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Wca値がトップ部で0.45μm、ボトム部で0.48μmとなり低い値を示し、また表面欠陥が認められないものの、Ra値がトップ部で0.2μm、ボトム部で0.2μmとなり大幅に低下することから、プレス成形性に劣るものであることが判明した。
【0094】
例8の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で1.5μm、ボトム部で1.4μmと高い値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく、Wca値もトップ部で0.62μm、ボトム部で0.64μmと低い値を示し、さらに表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観性をも有することが判明した。
【0095】
例9の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で3.0μm、ボトム部で2.8μmと高い値を示し、かつ鋼帯全長にわたり粗さ変化がなく、Wca値もトップ部で0.69μm、ボトム部で0.70μmと低い値を示し、さらに表面欠陥が認められないことから、優れたプレス成形性および塗装後鮮映性を有し、かつ優れた外観をも有することが判明した。
【0096】
例10の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Wca値がトップ部で0.70μm、ボトム部で0.82μmとなり、低い値であるものの、Ra値がトップ部で1.5μm、ボトム部で0.4μmとなり、ボトム部でRa値が大幅に低下し、しかも鋼帯全長にわたり粗さ変化が認められ、プレス成形性に劣るものであることが判明した。しかも、例10のめっき鋼帯は表面欠陥が認められ、外観が損なわれることが判明した。
【0097】
例11の溶融亜鉛めっき鋼帯は、Ra値がトップ部で1.4μm、ボトム部で0.3μmとなり、ボトム部で大幅に低下し、鋼帯全長にわたり粗さ変化が認められ、しかもWca値がトップ部で1.20μm、ボトム部で1.18μmとなり、高い値を示すことからプレス成形性および塗装後鮮映性ともに劣ることが判明した。しかも、例11のめっき鋼帯は表面欠陥が認められ、外観が損なわれることが判明した。
【0098】
図16は、横軸にめっき鋼帯の先方端縁からの長手方向距離(km)をとり、縦軸に中心線平均粗さRa(μm)をとって、上記の例1〜4および例8,9の各溶融亜鉛めっき鋼帯につき、めっき鋼帯の先方端縁からの距離と、その距離に位置する部位の表面粗さRa値との関係を調べた結果を示す特性線図である。図16において、黒丸を結んだ曲線は例1の場合の結果を示す特性線、白丸を結んだ曲線は例2の場合の結果を示す特性線、黒三角を結んだ曲線は例3の場合の結果を示す特性線、白三角を結んだ曲線は例4の場合の結果を示す特性線、白四角を結んだ曲線は例8の場合の結果を示す特性線、黒四角を結んだ曲線は例9の場合の結果を示す特性線である。
【0099】
図17は、上記の図16と同様に、横軸にめっき鋼帯の先方端縁からの長手方向距離(km)をとり、縦軸に中心線平均粗さRa(μm)をとって、上記の例7,例10の各溶融亜鉛めっき鋼帯につき、めっき鋼帯の先方端縁からの距離と、その距離に位置する部位の表面粗さRa値との関係を調べた結果を示す特性線図である。図17において、白菱形を結んだ曲線は例7の場合の結果を示す特性線図であり、黒菱形を結んだ曲線は例10の場合の結果を示す特性線である。
【0100】
図16から、例1〜4および例8,9の各溶融亜鉛めっき鋼帯はいずれも鋼帯全長にわたってRa値が高い値を示し、かつそれぞれのRa値がほぼ一定であり、鋼帯全長にわたり高い表面粗さを安定して付与できることが明らかである。
【0101】
これに対して、図17に示すように、例7では鋼帯全長にわたりほぼ一定のRa値であるものの、その値は約0.2μmと低いことから、高い表面粗さを付与できないことが判明した。例10では距離が増加するとともにRa値が大幅に低下し、距離約125kmから200kmまでの範囲に至ってはRa値が約0.4μmと極めて低くなり、鋼帯全長にわたり高い表面粗さを安定して付与できないことが判明した。
【0102】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、製品外観を損なうことなく、高効率でかつ安定してめっき鋼帯に表面粗さを付与できるめっき鋼帯の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高圧の液体を大気中で水平に噴射したときの液体の形態変化を説明するために示す模式図。
【図2】スタンドオフ距離と衝撃圧との関係を示す特性線図。
【図3】大気雰囲気下で溶融亜鉛めっき鋼板の表面に向けて水を一定時間噴射して水滴群を衝突させたときの水の噴射圧力と鋼板表面における中心線平均粗さRaとの関係を調べた結果を示す特性線図。
【図4】ノズルから高圧水を液体中で噴射したときのキャビテーションの生成過程を模式的に示す図。
【図5】キャビテーションを伴った水噴流を標的物体に衝突させたときのスタンドオフ距離と衝撃圧との関係を示す特性線図。
【図6】図5の特性線図において、キャビテーション係数σの値を変化させたときのスタンドオフ距離と衝撃圧との関係を示す特性線図。
【図7】本発明の第1の手段を実施するための装置Aを示す概略図。
【図8】図7の装置Aにおいて、調質圧延機の配置を示す概略図。
【図9】フラットスプレーノズルから噴射された水が鋼帯表面に達したときの形跡を模式的に示す図。
【図10】図7の装置Aのフラットスプレーノズルの噴射口の向く方向を説明するための概略図。
【図11】本発明の第2の手段を実施するための装置を概略的に示す図。
【図12】図11の装置Bのキャビテーションノズルを拡大して示す断面図。
【図13】図7の装置Aまたは図11の装置Bに固体粒子を導入する系統を適用した例を示す概略図。
【図14】図7の装置Aまたは図11の装置Bに固体粒子を導入する別の系統を適用した例を示す概略図。
【図15】図11の装置Bに固体粒子を導入する別の系統を適用した例を示す概略図。
【図16】例1〜4および例8,9の各溶融亜鉛めっき鋼帯につき、鋼帯の長手方向一端縁からの距離と、その距離に位置する部位の表面粗さRa値との関係を調べた結果を示す特性線図。
【図17】例7,例10の各溶融亜鉛めっき鋼帯につき、鋼帯の長手方向一端縁からの距離と、その距離に位置する部位の表面粗さRa値との関係を調べた結果を示す特性線図。
【符号の説明】
1…高圧水噴射ノズル、
2…ポテンシャルコア、
3…液柱、
4…液滴群、
5…キャビテーションノズル、
6…周囲液体、
7…キャビテーションクラウド、
8…残存気泡、
10,22a,22b,22c,22d,22e,22f…ヘッダ管、
11…めっき鋼帯、
12…フラットスプレーノズル、
13…ブライトロール、
14…調質圧延機、
20…槽、
21a,21b,21c…ルーパー、
23…キャビテーションノズル、
30…固体粒子導入装置、
40…高圧水供給源(高圧水発生装置)、
41…圧力容器、
50…攪拌装置。
Claims (2)
- ブライトロールを用いて溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延する圧延工程と、大気中において前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に向けて液体を高圧で噴射する工程とを備え、
前記高圧噴射工程では、噴射液体が連続する液柱から個々の液滴群となる形態変化を生じる距離におかれた液噴射口から前記液体を4.9MPa以上の噴射圧力で噴射して前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に液滴群を連続的に衝突させることにより前記溶融亜鉛めっき鋼帯に中心線平均粗さRaで1.0μm以上2.5μm以下の表面粗さを付与することを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。 - ブライトロールを用いて溶融亜鉛めっき鋼帯を調質圧延する圧延工程と、
前記溶融亜鉛めっき鋼帯を第1の液体中に連続的に浸漬する浸漬工程と、
前記第1の液体中で前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に向けて第2の液体を高圧で噴射する高圧噴射工程とを備え、
前記高圧噴射工程では、第1液体中での第2液体の噴射によりキャビテーションクラウドを生成する距離におかれた液噴射口から前記第2の液体を噴射してキャビテーションを伴う噴流を前記溶融亜鉛めっき鋼帯の表面に衝突させることにより前記溶融亜鉛めっき鋼帯に中心線平均粗さRaで1.0μm以上2.5μm以下の表面粗さを付与することを特徴とするプレス成形性に優れた溶融亜鉛めっき鋼帯の製造方法。
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