JP4654765B2 - 負荷駆動装置及び負荷駆動装置の出力調整方法 - Google Patents
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Description
また、駆動電流のMax値は2.5A近くになっており、最低必要な電流値約1.7Aに対して約1.4倍の値となっている。発熱は、電流の2乗に比例するので、この場合、駆動回路における発熱は約2倍となる。従って、駆動回路の放熱性を2倍向上させる必要があり、放熱用部品等の追加により駆動回路が大型化してコストアップすることになる。
RON1=2W/(2.5A×2.5A)/2ch=160mΩ
電流が1.8Aの場合のFETのオン抵抗RON2は、
RON2=2W/(1.8A×1.8A)/2ch=309mΩ
となる。
S1=200mΩ・mm2/160mΩ=1.25mm2
電流が1.8Aの場合のFETの面積S2は、
S2=200mΩ・mm2/309mΩ=0.647mm2
となる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、負荷が目標値を出力するように駆動するための電流を、夫々の製品に応じて適切に設定するように調整が可能な負荷駆動装置及び負荷駆動装置の出力調整方法を提供することにある。
即ち、負荷を、駆動回路と一体化した状態で実際に駆動し、当該負荷が目標値を出力している場合に検出される駆動電流には、負荷及び駆動回路等が含んでいる公差が反映されている。そして、上記駆動電流は、設計上、制御回路が負荷に前記目標値を出力させるために設定したデータ値とは異なっている場合がある。そこで、実際の制御時には、補正手段が駆動電流値を設定データ値に等しくなるように補正する。従って、負荷駆動装置の個別の構成に応じて、実際に負荷が目標値を出力するのに必要十分な電流を供給できるようになるから、不要に多くの駆動電流が流れることなく、駆動回路の放熱構造を過剰に大型化する必要がなくなり、装置を小型に構成することができコストアップを抑制できる。
尚、FET13Aのドレイン,ゲートには、電流センス用のNチャネルパワーMOSFET20のドレイン,ゲートが夫々接続されている。そして、ダイオード19のアノードとFET20のソースとの間には、2つのツェナーダイオード21及び22が互いに逆方向となるよう直列に接続されている。昇圧回路部18は、必要なゲート電圧を得るために昇圧動作を行なうもので、ダイオード及びコンデンサの組み合わせよりなるチャージポンプ回路で構成されている。
即ち、FET16のゲートにハイレベルのゲート駆動信号が与えられると、FET16がオンすることでトランジスタ17もオンする。すると、FET13A及び20のゲートには、FET20のソースを基準とするゲート駆動電圧が印加され、FET13A及び20はオンするようになっている。
従って、FET13A及び20がオンした場合、FET20を介して流れる電流は、ダイオード23及びトランジスタ24を介して抵抗25に流れる。そして、抵抗25の端子電圧レベルがADコンバータ(データ出力回路)27によりAD変換され、検出電流に応じたデジタルデータが調整回路7に出力される。
演算回路8において、加算器34は、固定データ値「1」と、メモリ32に書き込まれた調整データとを加算して乗算器35に出力する。そして、乗算器35は、マルチプレクサ33より出力されるデータに、加算器34の出力データを乗じることで補正した電流データを制御回路4に出力する。
補正係数データを決定すると、ユーザは、シリアルI/F31を介してメモリ32のモードビット「0」をセットすると共に、決定した補正係数データを書き込む(ステップS8)。すると、調整回路7のマルチプレクサ33は、ADコンバータ27の出力データ側を選択する。そして、演算回路8は、上記出力データに、(1+「補正係数」)を乗じて補正した電流データを制御回路4に出力するようになる。以上で作業は終了する。
1.900/5.000×1024=389
また、入力電圧が2.000Vの場合、制御回路4に出力されるデジタルデータ値は以下のようになる。
2.000/5.000×1024=410
即ち、制御回路4に2.000Aの駆動電流を出力させるには、電流フィードバックデータ「410」(期待値)を与える必要がある。従って、補正係数データは、以下のように決定される。
1−(410/389)=0.0540
斯様にして補正係数データを決定し、メモリ32に書き込めば、実際の制御において演算回路8より出力されるデータは、
389×(1+0.0540)=410
と制御回路4の期待値通りに調整される。
尚、このようなDCモータ2の出力トルク−駆動電流の測定は、スマートアクチュエータ1が車両に搭載されて組み付けられる前の状態であれば容易に行うことができる。スマートアクチュエータ1が車両に搭載された状態では、上記のように測定を行いながら調整作業を行うのは極めて困難である。
即ち、上記構成のスマートアクチュエータ1において、DCモータ2が必要なトルクを出力している場合に検出される駆動電流には、DCモータ2及びゲート駆動回路5等が含んでいる公差が反映されているので、その駆動電流を検出して制御回路4の期待値に等しくなるように補正すれば、スマートアクチュエータ個別の構成に応じて、実際にDCモータ2が必要なトルクを出力するのに十分な電流を供給できるようになる。従って、駆動電流が不要に流れることがなく、ゲート駆動回路5の放熱構造を過剰に大型化する必要がなくなり、スマートアクチュエータ1を小型に構成することができ、コストアップを抑制できる。
更に、メモリ32にモードビットの格納領域を設けて、そのビットデータ値に応じて、マルチプレクサ33の選択切換えを行うようにしたので、マルチプレクサ33の切替え制御を、シリアルI/F31を介して外部より行なうことが可能となる。
記憶回路としては、その他、EPROM,ワンタイムPROM(OTP),フラッシュROM,FeRAM(Ferroelectric RAM),MRAM(Magnetoresistive RAM)など、要は不揮発性のメモリを用いれば良い。また、記憶回路に対するデータの書き込みは、必ずしもデータ入出力手段を介して行う必要はなく、外部でデータの書き込みを行ったものを駆動装置に搭載しても良い。
補正係数データを決定する場合には、駆動電流を直接検出することに替えて、DCモータ2の出力トルクを直接検出しても良い。或いは、モータの回転数をロータリエンコーダやホールICなどで検出しても良い。
また、電流値の調整は、データを演算処理して行なうものに限ることなく、例えば、半導体基板上に形成される薄膜抵抗、セラミック基板上に形成される厚膜抵抗などをレーザトリミングしても良いし、半導体ヒューズ、ツェナーザップダイオードなどを用いて調整を行っても良い。
負荷はDCモータ2に限ることなく、ソレノイドなどであっても良い。
Claims (4)
- 通電される駆動電流に応じて駆動力を出力する負荷と、この負荷に駆動電流を供給する駆動回路とが一体となるように構成される負荷駆動装置において、
前記負荷に流れる駆動電流を検出する電流検出手段と、
この電流検出手段によって検出される駆動電流に応じて、前記駆動回路に駆動指令を出力する制御回路と、
前記負荷が目標駆動力を出力するように駆動した場合に、前記電流検出手段によって検出される駆動電流を、前記制御回路が実際の制御上で想定している電流値に補正するための補正手段と、
前記電流検出手段によって検出される駆動電流に相当する電流データを出力するデータ出力回路とを備え、
前記補正手段は、
前記負荷が目標駆動力を出力するように駆動した場合に、前記データ出力回路により出力される電流データを、前記制御回路が実際の制御上で想定している期待値に補正するための補正データが予め記憶される記憶回路と、
前記補正データに基づいて前記電流データを補正するための演算を行なう演算回路とで構成され、
前記制御回路は、前記演算回路によって補正された電流データに応じて前記駆動回路に駆動指令を出力することを特徴とする負荷駆動装置。 - 前記記憶回路には、前記補正データを決定するための調整データを記憶する領域が設けられ、
前記補正手段は、
外部より与えられるデータを前記記憶回路に書き込むと共に、前記データ出力回路により出力される電流データを外部に出力するためのデータ入出力手段と、
前記データ出力回路により出力される電流データと、前記記憶回路に記憶されている調整データとの何れかを選択して前記演算回路に出力するマルチプレクサと、
このマルチプレクサの選択切換えを行うための選択切換え手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の負荷駆動装置。 - 前記選択切換え手段は、
前記記憶回路に選択切換え用のデータビットを書き込む領域を設け、
前記データビットの値に応じて、前記マルチプレクサの選択切換えを行うように構成されることを特徴とする請求項2記載の負荷駆動装置。 - 通電される駆動電流に応じて駆動力を出力する負荷と、この負荷に駆動電流を供給する駆動回路とが一体となるように構成される負荷駆動装置について、前記負荷の出力を調整する方法であって、
前記負荷が目標値を出力するように駆動した場合に、前記負荷に流れる電流に相当する電流データを取得し、
前記電流データを、実際の制御で想定している期待値に補正するための補正データを演算して記憶させ、
前記補正データに基づいて前記電流データを補正するための演算を行ない、
前記演算によって補正された電流データに応じて前記駆動回路に駆動指令を出力させることを特徴とする負荷駆動装置の出力調整方法。
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