JP4653897B2 - 液体現像剤の塗布装置、液体現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像液を使用する湿式電子複写機、現像液を用いたファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いる液体現像剤の塗布装置、この塗布装置を備えた液体現像装置及びこの液体現像装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高粘度、高濃度の液体現像剤を使って静電潜像を可視化する画像形成装置が、例えば特開平7−152254号公報や特開平7−209922号公報、特開平7−219355号公報等に開示されている。この画像形成装置は、感光体表面を帯電手段で均一に帯電してから書込手段により画像データにしたがって感光体表面を露光して静電潜像を形成して液体現像剤で現像して可視化する。液体現像装置は、例えばジメチルポリシロキサンオイル等の絶縁性液体からなる現像液溶媒中に顕像化粒子であるトナーが高濃度に分散された50〜10000mPa・s の高粘度の液体現像剤で静電潜像を可視化するものであり、貯蔵タンクに貯蔵した液体現像剤を現像ローラや現像ベルトに均一な厚さで塗布し、現像ローラや現像ベルトに塗布された液体現像剤薄層が感光体に近接して現像領域を通るとき、液体現像剤薄層のトナーにより感光体の静電潜像を現像してトナー像を形成する。現像領域を通過した現像ローラや現像ベルトに残留している液体現像剤を掻き取りブレードで除去して貯蔵タンクに回収している。感光体に形成されたトナー像は転写紙に転写され、転写紙に転写したトナー像を定着して画像を形成する。転写工程終了後の感光体に残留したトナーはクリーニング手段で除去して画像形成工程を終了する。
【0003】
この画像形成に使用する液体現像剤は、絶縁性液体「キャリヤ液」中に樹脂及び顔料からなる固形分を分散した物であり、現像するときに液体現像剤は帯電したトナーが絶縁性液体中を静電気の力によって移動して静電潜像を現像する。したがって、この移動距離が短いほど現像効率が向上する。そのためには現像ローラ等の現像剤支持体上に液体現像剤のミクロン単位の薄層を形成し、この薄層化された液体現像剤を感光体に接触させて現像することが望ましい。このことは特に50〜10000mPa・sの高粘度の液体現像剤を用いる場合により顕著である。
【0004】
このように液体現像剤の薄層のよって現像を行う場合は、層の厚さによって濃度が決定されるため液体現像剤の均一な薄層を形成することが重要な課題となる。そこで、このような液体現像剤の薄層を形成するための手段として、例えば特開平11−265122号公報に示すように、その表面に規則的な彫刻がなされた塗布ローラ(アニロクスローラ)を用い、この塗布ローラにドクタブレードを接触させることで液体現像剤の量を計量して現像ローラ等へ転写塗布して均一な液体現像剤薄層を形成している。
【0005】
上記のような塗布機構においては、液体現像剤の粘性によって塗布量が変化する。液体現像剤の粘性は温度によって変化する。このため液体現像剤の塗布ローラ部での温度変化を押さえる必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、塗布ローラは、少なくとも塗布量を制御するための部材、ドクタブレードやドクタローラなどと接触しており、さらに被塗布部材である現像ローラなどと接触している。これらの接触部では摩擦によって温度が上昇する傾向があり、特に連続して運転している場合に激しく温度が上昇する。このため、低温の状態での装置始動時と連続運転中では塗布量が変化して画像濃度が変化してしまうという問題があった。
【0007】
また、転写後の液体現像剤を熱定着する場合に高速、低温での定着を可能にするために、液体現像剤の樹脂のガラス転移点温度を低く設定する要望がある。このため、塗布装置において塗布ローラの温度が上昇してこのガラス転移点温度近くにまで達してしまうと、薄層化されている液体現像剤は容易に温度上昇して固形分中の樹脂が溶融して塗布ローラに付着し、塗布ローラ表面の彫刻部に目詰まりして塗布量を著しく減少させてしまう。この場合、一度目詰まりした塗布ローラは清掃しない限り塗布量は減少したままであり、より深刻な問題である。
【0008】
この発明はかかる短所を改善し、塗布量が変動することを防止し、安定して各種液体を塗布することができる液体現像剤の塗布装置、液体現像装置及び画像形成装置を提供することをその目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、表面に規則的なパターンを有する彫刻が加工された塗布ローラと、この塗布ローラの表面に当接させて塗布量を制御する塗布量規制部材とからなる、液体現像剤の均一な薄層を形成するための塗布装置であって、前記塗布ローラ表面の温度を冷却調整する温度調整手段を備え、前記温度調整手段は、前記塗布ローラ内に冷却媒体を通す管を設け、前記管の内部に温度調整された冷却媒体を流す構成を備えていることを特徴とする液体現像剤の塗布装置である。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の塗布装置において、前記液体現像剤の粘度が50〜10000mPa・sであることを特徴とする液体現像剤の塗布装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の液体現像剤の塗布装置を備えたことを特徴とする液体現像装置である。
また、請求項4の発明は、請求項3に記載の液体現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
以下、本発明を液体現像画像形成装置である電子写真複写機(以下、複写機という)に適用した場合の実施形態の一例について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機の現像部概略構成図である。本実施形態に係る複写機は、潜像担持体として感光体1のまわりに、帯電器2、露光装置3、現像装置4、転写装置5、クリーニング装置6が配設されている。上記感光体1の材質としてはa−Si、OPC等が使用できる。また、上記帯電器2としては、ローラやチャージャ等の形態が使用できる。また、上記露光装置3としてはLEDやレーザー走査光学系等が使用できる。なお、図1中、符号41aは液体現像剤の供給口、符号41bはキャリアの供給口である。
【0011】
上記構成の複写機で反転現像により画像を形成する場合について説明する。上記感光体1は、図示しないモータ等の駆動手段によって複写時には一定速度で矢印方向に回転駆動される。そして帯電チャージャー21により暗中にて一様に帯電された後に、露光3により原稿光像が照射結像されて静電潜像が感光体1の外周表面上に担持される。その後、上記静電潜像は現像装置4の部分を通過する間に現像される。静電潜像に現像されたトナー像は、転写部にある転写ローラ52を介して中間転写体である転写ベルト51に転写後、図示されていない部分で転写紙に転写され、さらに転写紙は、図示しない定着装置を通過して機外に排出される。
【0012】
感光体1は転写後、除電ランプ61により残留電位が除去されて、クリーニング装置6により、残留トナーが除去され次の作像に備えられる。なお、上記転写装置5としては、例えば、静電ローラによる方法、コロナ放電による方法、粘着転写法、熱転写法などを用いることができる。また、上記定着装置としては、例えば熱転写方式、溶剤定着、UV定着、加圧定着などを用いることができる。
【0013】
本実施形態の複写機で用いられる液体現像剤Gは、従来一般的に市販され使用されているIsopar(エクソン商標)をキャリアとした低粘性(1cSt程度)、低濃度(1%程度)の液体現像剤ではなく、高粘性高濃度の液体現像剤である。この液体現像剤Gの粘度及び濃度の範囲としては、例えば粘度が50〜10000mPa・s、濃度が5%から40%のものを用いる。キャリア液としては、シリコーンオイル、ノルマルパラフィン、IsoparM(エクソン商標)、植物油、鉱物油等の絶縁性が高いものを使用する。揮発性、不揮発性については、目的に合わせて選択することができる。また、トナーの粒径は、サブミクロンから6μm程度まで目的に合わせて選択することができる。
【0014】
次に、本実施形態の特徴部である現像装置について説明する。
現像装置4は、図示するように内部に液体現像剤Gを収容する現像剤収容タンク48、現像ローラ42、スイープローラ43、塗布手段として、表面に均一なパターンの彫刻がなされている塗布ローラ44、攪拌スクリュ45から主に構成されている。現像ローラ42とスイープローラ43とにはそれぞれ金属ブレードもしくはゴムブレードからなるクリーニング部材46が備えられている。各クリーニング部材46はブレードに限らずローラ式であってもよい。また、塗布ローラ44にはドクタブレード47が備えられている。
【0015】
上記現像ローラ42及びスイープローラ43は、外周面にそれぞれ導電性を有する弾性体の層が設けられている。これらの弾性体の層の材質としてはウレタンゴムを用いることができる。各弾性体の層のゴム硬度としては、感光体1との間で効率的にニップを形成できるようにJIS−A硬度で50度以下であることが望ましい。各弾性体の層の材質はウレタンゴムに限られるものではなく、導電性を有するものであって、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であればよい。また、現像ローラ42とスイープローラ43の表面が導電性を有し、かつキャリア液・現像剤で膨潤したり溶解したりしない材質であり、その内層にキャリア液・現像剤が接触しないような構成であれば、その内層としての、各弾性体の層の材質は、上記導電性・膨潤溶解の制約なく、弾性を有していればよい。このとき、現像バイアス電圧・スイープバイアス電圧は、現像ローラ42・スイープローラ43の軸からではなく、表面から印加する必要がある。
【0016】
また、弾性体の層を現像ローラ42とスイープローラ43とに設ける構成ではなく、弾性体の層を感光体1側に設ける構成であってもよい。さらに、感光体1を無端ベルト状部材で構成してもよい。また、現像ローラ42、スイープローラ43は、コーティングもしくはチューブにより、その表面がRz3μm以下の平滑性を有するように構成されている。
【0017】
上記現像ローラ42及びスイープローラ43を感光体1に対してそれぞれ適当な圧力で当接させると、各ローラの弾性体の層が弾性変形し、現像ニップ及び除去ニップを形成する。特に、現像ニップを形成することによって、現像剤のトナーが現像領域の現像電界により、感光体1に対して移動し付着するための一定の現像時間を確保することができる。また、当接圧力を調整することで各ニップ部における表面移動方向の幅であるニップ幅を調整することができる。各ニップ幅は、各ローラの線速と現像時定数との積、以上に設定する。ここで、現像時定数とは、現像量が飽和するまでに要する時間であって、必要最小ニップ幅をプロセス速度で除したものである。例えば、必要最小ニップ幅が3mmでプロセス速度が300mm/secであれば、現像時定数は10msecとなる。
【0018】
現像動作時においては、上記現像ローラ42に塗布ローラ44によって現像剤の薄層が形成される。このとき現像ローラ42上に塗布される現像剤の厚みが、その表面の1cm2 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μg以上、60μg以下となるように設定した。このために、現像剤の薄層を3〜10μmの厚みに塗布するようにした。この理由は、現像剤の塗布厚が、現像ローラ42表面の1cm2 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が3μgより小さくなるような厚みでは、十分な量の顔料が上記感光体1上に形成された潜像の画像部に移動せず、画像部の画像濃度が薄くなるおそれがあるからである。また、現像ローラ42表面の1cm2 当たりに担持されるトナー中の顔料含有分が60μgより大きくなるような厚みでは、現像後の地肌部に残留する余剰トナーが多くなり上記スイープローラ43による除去が不完全になる虞があるからである。
【0019】
そして、上記現像ローラ42表面に形成された現像剤の薄層は、感光体1と現像ローラ42とにより形成された現像ニップを通過する際に感光体1上の潜像に応じて現像される。すなわち、画像部では、トナーが感光体1に移動し、地肌部(非画像部)では、現像バイアス電位と感光体電位とによって形成される電界により、現像ローラ42表面にトナーを移動させて地肌部分にトナーが付着しないようにする。しかしながら、地肌部分のトナーの一部が、現像ローラ42表面まで移動しきれずに感光体1に残るとカブリの原因となる。そこで、本実施形態に係る複写機の現像装置では、このカブリの原因となるトナー(以下、「カブリトナー」という)をスイープ(掃除)するため上記スィープローラ43を設けている。このスィープローラ43は、現像ローラ42に対し感光体1の回転方向下流側であって、現像されたトナー層を挟むように、感光体1に押圧して設置されている。スィープローラ43の表面は、感光体1の表面と略等速で移動しながら地肌部のカブリトナーを除去している。
【0020】
現像ローラ42の現像後のトナーはゴースト防止のためにクリーニングブレード46によって除去され、スィープローラ43で除去した液体現像剤Gはスィープの性能の維持のために除去される。これらの液体現像剤Gは液体現像剤調整タンク41に集められて、ここで、濃度を調整後に改めて現像ユニット内へ送られるようになっている。液体現像剤調整タンク41内には攪拌手段である攪拌装置41c、濃度検知手段(図示していない)及び液量検知手段(図示していない)があり、タンク内の濃度を均一にした状態で濃度および液量を検知して、新しい液体現像剤Gの補給やキャリアの補給による濃度調整を行っている。ここからの現像ユニット内への液体現像剤Gの供給量は液体現像剤Gの使用量より若干多くなるように設定されており、溢れた分は液体現像剤調整タンク41へ戻るようになっていて、液体現像剤Gは常に循環するようになっている。
【0021】
以上のような動作を行う液体現像装置においては、画像の濃度は、現像剤担持体上に塗布された液体現像剤の厚さによって決定される。
本発明で用いる塗布ローラ44はその表面に彫刻をなされたローラであり、塗布ローラ44の表面には、図2(A)、(C)に示すような斜線型パターンの彫刻溝44aが形成され、塗布ローラ44の表面についた液体現像剤Gを計量手段であるドクタブレード47で余剰分をかきおとすことによって彫刻溝44aによって正確に計量し、これを現像ローラ42上に転写することで液体現像剤Gの均一な薄層を形成している。塗布ローラ44表面の形状としては、図2(C)の斜線型の他に、図2(D)のピラミッド型、図2(E)の格子型などが考えられるが、転写性の良さなどの理由から本実施例で使用している塗布ローラ44は斜線型を用いている。
【0022】
このような計量機能を備えた塗布装置では、例えば2本のローラ間の圧力調整によって付着量を決める機構に比べて、液体現像液Gの粘度によって塗布ローラ44上の付着量が影響を受け難いという特性を持つが、完全にないわけではなく、図3のように粘度が高いほど付着量は多くなる傾向がある。
【0023】
一方、図4に示すように、液体現像剤Gの粘度は、温度に依存して変化する。即ち、液体現像剤Gは、温度が高いほど粘度は低く、低温では粘度は高くなる。このような変化は粘度の高い場合ほど顕著であり、本実施例のように50〜10000mPa・sといった高粘度の液体現像剤Gでの変化は大きく、温度変化によって塗布量は変化してしまう。したがって、塗布ローラ44上での液体現像剤Gの温度はなるべく変化しないようにすることが望ましい。また、液体現像剤Gは塗布ローラ44上で薄層化されるので塗布ローラ44の温度によって塗布ローラ44上の液体現像剤Gの温度は決定される。したがって、塗布ローラ44上での液体現像剤Gの温度は塗布ローラ44に大きく依存することになり、液体現像剤Gの温度の変動を押さえるためには塗布ローラ44の温度変動を押さえることが必要となる。
【0024】
ところが、塗布ローラ44は、現像ローラ42、塗布量規制ブレードであるドクタブレード47などと接触しており、これらの部材との摩擦によって熱が発生し、使用中に温度が上昇してしまう。温度が上昇すると、塗布部での液体現像剤Gの温度が上昇して、粘度が下がり、塗布量が減少してしまう。さらに、連続して使用して温度が上昇すると、液体現像剤G中の固形分の樹脂がTg(ガラス転移転温度)によって溶融し、液体現像剤同士の凝集や、塗布ローラ44の表面への付着などの問題が顕著になる。図5は塗布装置を連続して動作させた際の塗布ローラ44の表面の温度変化および現像ローラ42上の塗布量の変化を示したものであり、3時間程度の連続運転で温度は40度を超え、塗布量は当初の80%程度にまで減少している。これは、主に温度変化によって粘度が変化したことよりも塗布ローラ44の彫刻部に溶融・凝集した液体現像剤Gは付着したことによる要因が大きい。1時間程度、放置して冷却後、再び塗布量を測定しても塗布量は復元できなかった。
【0025】
そこで、本発明では塗布ローラ44の温度制御を行って、塗布ローラ44の温度変動(主に連続動作時の温度上昇)を押さえ、塗布部での塗布量の変動を防止している。
塗布ローラ44の温度制御の方法として、塗布ローラ44自体を温度制御する方法(図6、7)、塗布ローラ44に接触している部材、塗布量制御部材を温度制御する方法(図8、9)、および液体現像剤Gを温度制御する方法(図10)などがある。
【0026】
これらの手法の中でもっとも効率的な制御手段としては、塗布ローラ44自体を温度制御する手法であり、具体的には塗布ローラ44中に熱伝達のための媒体(例えば水)を通す管44kを通しておき、ここの中を温度制御された水などの媒体を流しておくことによって温度制御している。本発明はこの手法を採用したものであり、他の手法は本発明では採用していない。この手法は熱交換を効率的に行うことができる利点を持つが回転している塗布ローラ44に管を埋め込みここに液体を通すという点で装置が大掛かりになるという問題を持つ。また、図7のように塗布ローラ44内にヒートパイプ44hを通しておいてローラの外に熱交換用のフィン44eをつけ、ここで送風ファン44gとヒータ44fによって温度制御する方法もある。図6の実施例に比べて装置自体は小型化できるがやはり塗布ローラ44内に配管が必要であり複雑な加工技術を要する。
【0027】
次に塗布ローラ44に接触していて回転したりしない塗布量規制部材であるドクタブレード47を通して冷却する方法である。図8、9はその例であり、図8では、ドクタブレード47の支持部材44j内にヒートパイプ44hを通してその端部を奥側などのスペースへ配管してここにフィン44eを取り付けて温度制御している。図9はドクタブレード47の支持部材44jに直接フィン44eを取り付けここで送風ファン44gによって温度制御しているものである。塗布ローラ44内に埋め込む場合に比べて装置の構成は比較的簡略であるが塗布ローラ44との接点がドクタブレード47であるため塗布ローラ44自体を冷却する点での効率は良くない。
【0028】
また、このドクタブレード47の他、被塗布部材である現像ローラ42も塗布ローラ44に接触しているが、塗布ローラ44同様に回転しており、さらに表面を弾性部材で覆っているため熱効率が悪く塗布ローラ44を温度制御するためには適していない。
【0029】
図10は、液体現像剤Gを温度制御する手法の例であり、塗布ローラ44の浸漬している現像装置4内の貯蔵タンク48にパイプ44mを配管しここに水などの媒体を通してこの水を温度制御することで液体現像剤Gを温度制御している。塗布ローラ44は液体現像剤Gに浸漬しているので比較的効率よく温度制御することができる。また、配管等もローラ内にするよりも容易である。また、図10には併せて現像装置4内に液体現像剤Gを調整・供給するための貯蔵部である液体現像剤調整タンク41に同様の配管をした例である。前者は、塗布ローラ44の回りの液体現像剤Gを温度制御するため応答性が良いという利点を持つが、現像装置4内にパイプ44mがあるため空間的な余裕がなく、複雑な構成になってしまうという問題がある。
【0030】
これに対して後者のように、調整用の貯蔵部、即ち液体現像剤調整タンク41で液体現像剤Gの温度制御を行う場合、若干応答性は遅くなるが、現像装置4とは別にある部分で温度制御できるので現像装置4内でのレイアウトの自由度が大きく現像装置4の小型化などの点で有利である。
【0031】
図11は、図10の例で調整用の貯蔵部に配管してここに20℃に温度制御した水を通して液体現像剤Gを温度制御した状態で、連続動作させた際の塗布ローラ44の温度変化と塗布量とを示したものであり、塗布温度変動を押さえることによって塗布量を安定させることができている。このように塗布量の安定した液体現像剤Gの塗布装置を用いた現像装置4および画像形成装置によれば安定した濃度の画像を得ることができる。
【0032】
また、さらに、その表面がアモルファスシリコン(a-Si)によって形成された感光体1を用いることで、有機感光体(OPC)よりも優れた機械的強度を発揮し、その寿命を長くする事ができる。
【0033】
上記実施形態では、液体現像剤の温度制御を行っているが、これは塗布ローラの温度制御の手法であり、液体現像剤を薄層化して現像する構成によって始めて必要となる塗布ローラと塗布量制御手段とを備える塗布装置において、塗布量を安定させるためのものである。
【0034】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の発明によれば、塗布ローラとこれに当接する塗布量規制部材であるドクタブレードによって塗布量を決定する液体現像剤の塗布装置において、塗布ローラ内に冷却媒体を通す管を設け、前記管の内部に温度調整された冷却媒体を流す構成により塗布ローラ表面の温度を効率的に温度制御することができ、塗布ローラの温度変動に起因する塗布量の変動を抑制することができる。また、請求項2の発明によれば、高粘度の液体現像剤においては温度変動による粘度の変化、塗布量の変化が低粘度の液体現像剤に比べて顕著であり、塗布ローラの温度制御による塗布量の安定の効果が大きい。また、請求項3の発明によれば、請求項1又は2に記載の液体現像剤の塗布装置を備えた液体現像装置によって安定した画像濃度の画像を得ることができる。また、請求項4の発明によれば、請求項3に記載の液体現像装置によって安定した画像濃度の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る複写機の現像部概略構成図である。
【図2】 塗布ローラの表面の彫刻溝形状を示す図であり、(A)は塗布ローラの正面図、(B)は塗布ローラの側面図、(C)は斜線型の彫刻溝を示す図、(D)はピラミッド型の彫刻溝を示す図、(E)は格子型の彫刻溝を示す図である。
【図3】 付着量の温度依存性を示す図であり、図中Aは本発明の塗布方式、Bは2本のローラ間の圧力調整による塗布方式を示す。
【図4】 粘度の温度依存性を示す図である。
【図5】 温度と付着量の経時変化を示す図である。
【図6】 本発明に係る実施形態の塗布ローラ内蔵の温度制御装置を示す図である。
【図7】 本発明では採用していない、塗布ローラ内蔵の温度制御装置を示す図である。
【図8】 本発明では採用していない、塗布量規制部材内蔵の温度制御装置を示す図である。
【図9】 本発明では採用していない、塗布量規制部材内蔵の温度制御装置を示す図である。
【図10】 本発明では採用していない、貯蔵タンクと液体現像剤調整タンクとに内蔵の温度制御装置を示す図である。
【図11】 温度と付着量の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
41 液体現像剤調整タンク(貯蔵部)
42 塗布ローラ
44a,44b,44c 彫刻溝
44d 温度制御装置
44e フィン
44h ヒートパイプ
44i 温度制御装置
47 ドクタブレード(塗布量規制部材)
48 液体現像剤貯蔵部
G 液体現像剤
Claims (4)
- 表面に規則的なパターンを有する彫刻が加工された塗布ローラと、この塗布ローラの表面に当接させて塗布量を制御する塗布量規制部材とからなり、液体現像剤の均一な薄層を形成するための塗布装置であって、前記塗布ローラ表面の温度を冷却調整する温度調整手段を備え、
前記温度調整手段は、前記塗布ローラ内に冷却媒体を通す管を設け、前記管の内部に温度調整された冷却媒体を流す構成を備えている、
ことを特徴とする液体現像剤の塗布装置。 - 請求項1に記載の塗布装置において、前記液体現像剤の粘度が50〜10000mPa・sであることを特徴とする液体現像剤の塗布装置。
- 請求項1又は2に記載の液体現像剤の塗布装置を備えたことを特徴とする液体現像装置。
- 請求項3に記載の液体現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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