JP4647683B2 - フレキシブルカップリング構造及びそれを備える舶用スラスタ装置 - Google Patents

フレキシブルカップリング構造及びそれを備える舶用スラスタ装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動軸と被動軸とを連結して駆動軸の回転を被動軸に伝達するフレキシブルカップリング構造、及びそれを備える舶用スラスタ装置に関する。
従来から陸用機械や船舶用機械においては、原動機の動力を被動機へ伝達するための構造にフレキシブルカップリングを採用することがある(例えば特許文献1参照)。これにより両機械の据付時に原動機に設けた駆動軸の軸心が被動機に設けた被動軸の軸心とずれてもこれを吸収することができ、据付精度に神経を使わずに短時間で据付作業を終えることができる。特に船舶では、原動機とスラスタ等の被動機との間の距離が数十メートルに及び、機械据付用の基準ベース(船体)の若干の変形が軸心のずれを生むことがある。このような状況にも容易に対応可能となるため、フレキシブルカップリングが多用されている。実用されているものとしては、歯車形軸継手(以下「ギヤカップリング」と呼ぶ)の他、金属ばね軸継手(以下「金属ばね式フレキシブルカップリング」と呼ぶ)やゴム軸継手(以下「ゴム式フレキシブルカップリング」と呼ぶ)が広く知られている。
図16は従来のフレキシブルカップリングの一例として示す金属ばね式フレキシブルカップリング1の断面図である。図16に示すフレキシブルカップリング1は、駆動軸2に連結される駆動軸側ハブ3、被動軸4に連結される被動軸側ハブ5、これらハブ3,5の間に介在するスペーサ6、及び各ハブ3,5とスペーサ6との間にそれぞれ介在する2組のディスクエレメント7,7を備えてなり、その構造が簡易である。また、ギヤカップリングに対して、作動用潤滑油の供給を不要とする点やバックラッシの影響がない点で有利である。各ディスクエレメント7,7は複数枚のディスク状の金属製板ばねを積層してなり、撓み中心Oを中心にして撓み変形可能となっている。この撓みにより両軸2,4が半径方向に平行変位可能となり、これら軸2,4の各軸心が平行であるものの同一直線上になくてもこれを許容できる。また、両軸2,4が互いに傾斜変位(角度変位)可能となり、これら軸2,4の各軸心が互いに交差して同一直線上になくてもこれを許容できる。更にこれら2つを合成した相対変位も実現可能となる。このようにフレキシブルカップリング1を組込めば、両軸2,4間の多様な相対変位に追従しつつ駆動軸2からの動力を被動軸4に滑らかに確実に伝達することができる。
但し、原動機と被動機とが離れていると中間部のスペーサ6を長寸とする必要が生じる。スペーサ6が短ければその回転バランスの精度が低く不釣合いが大きくても問題となりにくいが、その寸法が長くなるほど重量が増加するとともに不釣合いの大きさも増加するため、不釣合い力が大きくなって不釣合いモーメントの作用により回転中に横振動が発生しやすくなる。不釣合い力は回転数の2乗に比例するため、数百回転程度の中速回転数やそれ以上の高速回転数で運転する機械においては、数十回転程度の低速回転数で運転する機械と比べて振動の発生による影響が大きくなる。
図17は図16に示すフレキシブルカップリング1を備える従来の舶用スラスタ装置の正面図である。図17に示す舶用スラスタ装置のように、中高速回転数で運転し得る原動機8と被動機であるスラスタ9とが離れていると、従来の実績では前述した事情から、フレキシブルカップリング1を組込むに際してスペーサを単に延長した構造を採用することができない。そこで、原動機8側及びスラスタ9側にそれぞれ一組のフレキシブルカップリング1,1を取り付け、その間に中間軸10,10を取り付け、更にこの中間軸10,10を支持する適当数の中間軸受11を設けている。
特開2000−2261号公報
しかしながら、図17に示すように、原動機と被動機であるスラスタとが鉛直方向に離れておりフレキシブルカップリング1を垂直軸型とした場合には、中間軸受11を固定するために垂直に延びる壁部12を設置する必要が生じる。この壁部12の設置を含めた舶用スラスタ装置の製作にあたっては、多大な費用、工数、時間を要することとなるため、この改善が強く要請されている。なお、フレキシブルカップリングを水平軸型とした場合も同様にして、中間軸の横振動を抑えるために中間軸受を設け、中間軸受を固定するために水平に延びる壁部や床部を設置する必要が生じるおそれがある。
そこで本発明は、全長が長くても振動が発生しないフレキシブルカップリング構造及びそれを備える舶用スラスタ装置を提供することを目的としている。
本発明は前述した事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係るフレキシブルカップリング構造は、駆動軸と被動軸とを連結する金属ばね式又はゴム式カップリング構造において、駆動軸側の回転軸部材と被動軸側の回転軸部材との間に介在して金属ばね又はゴムからなる撓み材の撓み中心の位置に、ラジアル球面軸受をその回転中心が位置するように組込み、駆動軸側の前記回転軸部材又は被動軸側の前記回転軸部材が前記ラジアル球面軸受に支持され、前記撓み中心を基準として駆動軸側の前記回転軸部材が被動軸側の前記回転軸部材に対して相対的に傾斜することができることを特徴としている。
これにより、不釣合い力が発生してもこれに伴い生じる荷重がラジアル球面軸受により支持される。このように回転中の横振れ荷重が支持されるため、全長が長くても、また駆動軸が中高速回転数で回転していても、横振動の発生を抑えることができる。このラジアル球面軸受の回転中心は撓み材の撓み中心と一致しているため、不釣合い力を受けつつ相対的な平行変位や傾斜変位を行うことができる。
前記ラジアル球面軸受を装着するための軸受支持部が駆動軸側の前記回転軸部材及び被動軸側の前記回転軸部材のうちのいずれか一方に固定され、前記ラジアル球面軸受に支持される軸受用支持軸がその他方に固定されていてもよい。これにより、ラジアル球面軸受を利用した横振れ荷重の支持が実現される。なお、軸受支持部及び軸受用支持軸をそれぞれいずれの回転軸部材に固定するのかは仕様に応じて適宜選択され得る。
駆動軸側の前記回転軸部材又は被動軸側の前記回転軸部材は、本体部と、前記撓み材と組合されるとともに前記軸受支持部又は前記軸受用支持軸が固定される分割端部とを備え、前記本体部と前記分割端部とをリーマボルトを含む継手ボルトで締結することにより一体化してなる構成であってもよい。これにより、駆動軸側の回転軸部材及び被動軸側の回転軸部材のうちの一方の回転軸部材において、撓み材及びラジアル球面軸受と組合される側の端部のみを分離可能となる。このため、分割端部を本体部に締結して上記一方の回転軸部材を一体化する前の段階で、フレキシブルカップリング構造の組付けが適切であるか否かを確認する作業を行うことができる。
前記金属ばね式又はゴム式フレキシブルカップリング構造は垂直軸型であり、前記ラジアル球面軸受は負荷容量の大きなものであり、ラジアル方向及びスラスト方向の荷重を支持可能であってもよい。これにより、ラジアル球面軸受によりスラスト方向の荷重も支持され、構造を簡略化することができる。
前記金属ばね式又はゴム式フレキシブルカップリング構造は垂直軸型であり、前記撓み材の撓み中心の位置に、スラスト球面軸受をその回転中心が位置するように組込み、駆動軸側の前記回転軸部材又は被動軸側の前記回転軸部材が前記ラジアル球面軸受及び前記スラスト球面軸受に支持されていてもよい。これにより、スラスト球面軸受の回転中心が撓み材の撓み中心と一致しているため、不釣合い力を受けつつ相対的な平行変位や傾斜変位を行うことができる。また、フレキシブルカップリング構造の重量をスラスト球面軸受で受けることができる。
前記スラスト球面軸受を装着する軸受支持部が駆動軸側の前記回転軸部材及び被動軸側の前記回転軸部材のうちのいずれか一方に固定され、前記スラスト球面軸受に支持される軸受用支持軸がその他方に固定されていてもよい。これにより、スラスト球面軸受を利用したスラスト方向の荷重の支持が実現される。なお、軸受支持部及び軸受用支持軸をそれぞれいずれの回転軸部材に固定するのかは仕様に応じて適宜選択され得る。
前記ラジアル球面軸受が前記スラスト球面軸受を装着するための軸受支持部に装着され、前記ラジアル球面軸受に支持される軸受用支持軸の先端部が前記スラスト球面軸受に支持されていてもよい。これにより、スラスト球面軸受とラジアル球面軸受との間で軸受支持部及び軸受用支持軸が共用される。このため、構造を簡略化することができ、またユニット化された2つの軸受を容易に同時に着脱可能となる。
駆動側軸の前記回転軸部材と被動側軸の前記回転軸部材との間に介在するスペーサを備え、該スペーサは駆動軸側の前記回転軸部材に対しては被動軸側の回転軸部材として機能し、被動軸側の前記回転軸部材に対しては駆動軸側の回転軸部材として機能し、駆動軸側の前記回転軸部材と前記スペーサとの間に第1の前記撓み材が介在し、該第1の撓み材の撓み中心の位置にその回転中心が位置するよう組込まれた第1の前記ラジアル球面軸受が駆動軸側の前記回転軸部材又は前記スペーサに支持され、前記スペーサ及び被動軸側の前記回転軸部材の間に第2の前記撓み材が介在し、該第2の撓み材の撓み中心の位置にその回転中心が位置するよう組込まれた第2の前記ラジアル球面軸受が前記スペーサ又は被動軸側の前記回転軸部材に支持され、前記スラスト球面軸受が前記第1のラジアル球面軸受及び前記第2のラジアル球面軸受のうちのいずれか一方に組込まれていてもよい。これにより、例えば駆動軸が被動軸に対して上方に配置された場合にスラスト球面軸受を第2ラジアル球面軸受に組込むと、スペーサの重量をスラスト球面軸受で受け、更にその重量を被動軸で受けることができる。
前記ラジアル球面軸受は球面滑り軸受又は球面転がり軸受であってもよいし、前記スラスト球面軸受は球面滑り軸受又は球面転がり軸受であってもよい。球面滑り軸受や球面転がり軸受は多量生産可能な汎用品であるため、これらの採用によりフレキシブルカップリング構造の製作や保守点検に要する費用が嵩むのを避けることができる。また、前記撓み材はディスク状の板ばね、格子状の板ばね又はタイヤ形のゴムであってもよい。
本発明に係る舶用スラスタ装置は、前述したフレキシブルカップリング構造を備え、該フレキシブルカップリング構造を介し、原動機に設けた前記駆動軸に発生する回転がスラスタに設けた前記被動軸に伝達されるよう構成されていることを特徴としている。
これにより、前述したようにフレキシブルカップリング構造における横振動の発生を抑えることができ、舶用スラスタ装置に中間軸受を設ける必要やこれを固定するための壁部や床部を設置する必要がなくなる。
このように本発明によれば、全長が長くてもフレキシブルカップリング構造の横振動の発生を抑えることができ、これを支持する中間軸受を固定するための壁部や床部を設置する必要がなくなる。このため、フレキシブルカップリング構造及びそれを備える舶用スラスタ装置の製作に要する費用や工数や時間を低減することができ、また、壁部や床部を設置すべく確保されていたスペースを他の目的に有効利用することができる。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係る水平軸型のフレキシブルカップリング構造の断面図である。図1に示すフレキシブルカップリング構造15は、駆動軸13と被動軸14とを連結して駆動軸13の回転を被動軸14に伝達するものであり、駆動軸13及び被動軸14とともに軸方向を略水平に向けるようにして配置されている。なお、このフレキシブルカップリング構造15を舶用スラスタ装置に適用した場合、駆動軸13は電動機やディーゼルエンジン等の原動機(図示せず)と連結されて原動機の出力軸として機能し、被動軸14は被動機であるスラスタ(図示せず)と連結されてスラスタの入力軸として機能する。原動機が作動すると、駆動軸13には例えば1分当たり数百回転又はそれ以上の回転数の回転が発生し、その回転がフレキシブルカップリング構造15を介して被動軸14に伝達され、スラスタのプロペラ(図示せず)が回転駆動される。舶用スラスタ装置では原動機とスラスタとが離れて配置される傾向にあるため(例えば十メートル)、この間に介在するフレキシブルカップリング構造15の全長もこれに伴い比較的長寸となる。
このフレキシブルカップリング構造15は、主として、左側から順に駆動軸側ハブ16、第1ディスクエレメント17、スペーサ18、第2ディスクエレメント19、及び被動軸側ハブ20を備えており、駆動軸13の回転がこの順で伝達されていく。該構造15の軸長を長くする場合には、中間部のスペーサ18の軸長を長くすることによって対処される。本発明によれば後述するように横振動の発生を抑えることができるため、スペーサ18は専用の中間軸受により支持されてはおらず、駆動軸13及び被動軸14を介して原動機及び被動機に回転可能に支持された状態となっている。
このように長寸となるスペーサ18は軸方向中央側の本体部21、及び両端側の分割端部22,23の合計3個の部品からなり、各分割端部22,23が本体部21にリーマボルト24等の複数の継手ボルトで締結されることで一体のスペーサ18が構成される。この一体化された状態では、3個の部品の各軸心18Aが同一直線上に位置する。左側分割端部22の左端部、すなわち軸方向に関して駆動軸側ハブ16と対向する側の端部には、その外周面から径方向外側に突出する円環状のフランジ部25が形成されている。右側分割端部23にも同様のフランジ部26が形成され、このフランジ部26は被動軸側ハブ20と対向している。
駆動軸側ハブ16は両端が開口する円筒状に形成され、駆動軸13の右端部がこの駆動軸側ハブ16の内部に嵌め込まれている。駆動軸側ハブ16はキー27で駆動軸13と締結され、その軸心を駆動軸13の軸心13Aと一致させた状態で駆動軸13と一体的に回転する。駆動軸側ハブ16の右端部、すなわち軸方向に関してスペーサ18と対向する側の端部には、外周面から径方向外側に突出する円環状のフランジ部28が形成されている。被動軸側ハブ20もこれと同様、その内部に被動軸14の左端部が嵌め込まれてキー29で被動軸14と締結されており、その軸心を被動軸14の軸心14Aと一致させた状態で被動軸14と一体的に回転する。被動軸側ハブ20の左端部、すなわち軸方向に関してスペーサ18と対向する側の端部にも前述同様のフランジ部30が形成されている。なお、駆動軸側ハブ16及び被動軸側ハブ20の各軸心については便宜的に符号13A,14Aを付して説明する。
第1ディスクエレメント17は、駆動軸側ハブ16のフランジ部28と、左側分割端部22のフランジ部25との間に介在し、駆動軸側ハブ16の回転をスペーサ18に伝達することができる。第2ディスクエレメント19は、右側分割端部23のフランジ部26と、被動軸側ハブ20のフランジ部30との間に介在し、スペーサ18の回転を被動側軸ハブ20に伝達することができる。このようにフレキシブルカップリング構造15の中間部をなすスペーサ18は、駆動軸側ハブ16に対してはこの駆動軸側ハブ16から回転が伝達される被動軸側の回転軸部材として機能し、被動軸側ハブ20に対してはこの被動軸側ハブ20へと回転を伝達する駆動軸側の回転軸部材として機能することとなる。
第1及び第2ディスクエレメント17,19は、軸方向に対称に配置されているものの互いの構造は同一となっている。このため、ここでは2つを代表して第1ディスクエレメント17を中心として説明し、第2ディスクエレメント19については同一の符号を付して重複説明を省略する。
図2は図1に示すフレキシブルカップリング構造15の分解斜視図である。なお、図2では後述するラジアル球面軸受に関する構成の図示を省略している。図1及び図2に示すように、第1ディスクエレメント17は複数枚の金属製板ばね31を軸方向に重ねて構成されている。各板ばね31は、その中央部に円形状の貫通孔を有したドーナツディスク状に形成されており、互いに重ねられた状態で偶数組(本実施形態では6組)のボルト32及びナット33でフランジ部28,25に締結される。このボルト32の挿通のため、板ばね31と各フランジ部28,25とには軸方向に互いに連通する偶数個(本実施形態では6個)のボルト孔34〜36が貫通形成されている。駆動軸側ハブ16のフランジ部28には、互いに同数(本実施形態では3個)の小径ボルト孔35と大径ボルト孔36とが周方向に交互に配置されている。左側分割端部22のフランジ部25にも同様にして小径ボルト孔35及び大径ボルト孔36が形成されている。なお、板ばね31の外形輪郭は、図2の例示によればボルト孔34の個数に応じて六角形状となっているが、その他の多角形状又は円形状となっていてもよい。
図1に戻り、駆動軸側ハブ16の各小径ボルト孔35は板ばね31のボルト孔34を介して左側分割端部22の大径ボルト孔36にそれぞれ連通され、駆動軸側ハブ16の各大径ボルト孔36は板ばね31のボルト孔34を介して左側分割端部22のフランジ部25の小径ボルト孔35にそれぞれ連通される。そして、各ボルト32はそれぞれ、小径ボルト孔35から挿通され、各板ばね31のボルト孔34を通って大径ボルト孔36へと挿通される。これにより第1ディスクエレメント17が2つのフランジ部28,25の間に挟まれるが、第1ディスクエレメント17と各フランジ部28,25との間にはそれぞれワッシャ39,39を介在させている。ボルト32の頭部は小径ボルト孔35の開口周縁部に当接して支持され、この状態においてボルト32の先端部は大径ボルト孔36から外側へ僅かに突出する。ボルト32の先端部には、大径ボルト孔36の外側からオーバーロードワッシャ40を介在させてナット33が締め付けられる。オーバーロードワッシャ40の外径は大径ボルト孔36の内径よりも小さいため、大径ボルト孔36内にオーバーロードワッシャ40が受容され、オーバーロードワッシャ40のうちナット33とは反対側の端面は上記ワッシャ39に当接する。そして、オーバーロードワッシャ40の外周面と大径ボルト孔36の内周面との間には軸方向に見て円環状の遊び空間41が形成される。
このように組み付けられた第1ディスクエレメント17は、ボルト32及びナット33によって両フランジ部28,25に対して位置決めされる。この状態において、第1ディスクエレメント17は、自身の軸心上の所定位置Oを中心にした側面視円弧状の軌跡Rに沿って撓み変形可能となっている。なお、以下ではこの位置を「撓み中心O」と呼んで説明する。この変形時においてもボルト32の頭部からナット33までの長さが変更されることはないが、これらボルト32及びナット33は駆動軸側ハブ16及びスペーサ18に対して遊び空間41を利用して相対変位可能となっており(図7及び図8参照)、これにより第1ディスクエレメント17は滑らかに撓み変形することができる。そして、第1ディスクエレメント17はこの撓んだ状態においても自身に伝達される引っ張り荷重によって駆動軸側ハブ16の回転をスペーサ17に伝達することができる。
なお、第2ディスクエレメント19も同様にして組み付けられており、その軸心上の撓み中心Oを中心にして撓み変形可能となり、この変形した状態でスペーサ18の回転を被動軸側ハブ20に伝達することができる。
そして、本フレキシブルカップリング構造15は、第1及び第2ディスクエレメント17,19の内方に組込まれたラジアル球面軸受42,42を備えている。まず、第1ディスクエレメント17の内方に組み込まれた軸受について説明する。
ラジアル球面軸受42は、球面状の内面を有した外輪43と、この外輪43の径方向内側に収容されて球面状の外面を有した内輪44とを備える球面滑り軸受であり、このように多量生産可能な汎用品を採用することによりフレキシブルカップリング構造15の製作や保守点検に要する費用が嵩むのを避けることができる。外輪43の内面と内輪44の外面とは互いに近接対向する摺動面をなしており、内輪44は外輪43に対してこの球状の摺動面に沿って回転可能(滑動可能)となっている。また、このラジアル球面軸受42はこれら摺動面に作動潤滑油を供給する必要のない無給油軸受となっている。本フレキシブルカップリング構造15においては撓み材であるディスクエレメント17,19にも作動潤滑油を供給する必要がないため、構造全体がオイルレス型となり維持管理に要する費用や労力を低減することができる。
外輪43の外形は円筒状となっており、この外輪43を円筒状の軸受支持部45の内部に嵌め合わせることによりラジアル球面軸受42が軸受支持部45に装着されている。軸受支持部45は、駆動軸側ハブ16の内周側に形成された段部に支持されて駆動軸側ハブ16に対して位置決めされ、この状態で駆動軸13の右端部に複数のボルト46で締結される。これによりラジアル球面軸受42は駆動軸側ハブ16に固定され、その回転中心(滑動中心)の位置が駆動軸13及び駆動軸側ハブ16の軸心13Aと一致するようにして組込まれる。更に、ラジアル球面軸受42は、その回転中心の位置が第1ディスクエレメント17の撓み中心Oと一致するようにしてフレキシブルカップリング15に組込まれるようになっている。
内輪44は円筒状の内部空間を有し、内輪44にはこの内部空間に嵌め合わされるようにして軸受用支持軸47が装着される。軸受用支持軸47は円盤状の蓋部48の中心から突設されている。蓋部48は軸受用支持軸47が突出する側と反対側の面から突出する円環状のリブ49を有しており、このリブ49を左側分割端部22に嵌め合わせることにより左側分割端部22に対して位置決めされる。蓋部48はこの状態で左側分割端部22に複数のボルト50で締結され、これにより軸受用支持軸47はその軸心が左側分割端部22の軸心18Aと一致するようにして組み付けられる。なお、軸受用支持軸47は、蓋部48と予め別部品として形成した後に溶接等の接合工程を経て蓋部48と一体化されてもよく、単一の金属部品に削り出し加工を施すなどして蓋部48と一体形成されてもよい。
軸受用支持軸47を内輪44に装着すると、駆動軸側ハブ16とスペーサ18とは、ラジアル球面軸受42の内輪44が外輪43に対して滑動することによって互いに傾斜可能となるよう連結される。このとき、ラジアル球面軸受42の回転中心が撓み中心Oと一致しているため、駆動軸側ハブ16とスペーサ18とは撓み中心Oの位置を中心として傾斜し、互いの軸心13A,18Aの傾斜角度を変更させる。
このように、第1ディスクエレメント17の撓み中心Oの位置とラジアル球面軸受42の回転中心の位置とが互いに一致していることにより、スペーサ18に対して不釣合いに起因する不釣合い力が発生しても、その荷重がラジアル球面軸受42で支持される。このように回転中の横振れ荷重を支持することができるため、スペーサ18の横振動が発生しなくなる。また、ラジアル球面軸受42の回転中心が第1ディスクエレメント17の撓み中心Oと一致しているため、この第1ディスクエレメント17は、不釣合い力を受けつつ相対的な平行変位や傾斜変位を行うことが可能となる。
スペーサ18は本体部21と左側分割端部22と分離されるため、比較的長寸で重量が大きい本体部21が存在しない状態で軸受用支持軸47をラジアル球面軸受42に装着させることができる。そして、これらの両部材45,47の組付けを完了した後に、左側分割端部22を本体部21と連結して長寸のスペーサ18を一体化することができ、フレキシブルカップリング構造15の組立作業の労力を軽減することができる。なお、スペーサ18は中空でありその重量が小さいため、フレキシブルカップリング構造15の組立作業の労力を軽減することができ、また原動機の回転起動トルクを小さくすることができる。
ラジアル球面軸受42を組込むに際してはこのような構成には限定されず、軸受支持部45は駆動軸側ハブ16に締結されてもよい。さらには、軸受支持部45が左側分割端部22に締結されるとともに軸受用支持軸47が蓋部48を介して駆動軸13又は駆動軸側ハブ16に締結されてもよい(第3実施形態参照)。
また、第2ディスクエレメント19の内方にも同様にしてラジアル球面軸受42が組込まれ、これにより前述同様の作用効果を奏する。なお、図1にはラジアル球面軸受42を装着するための軸受支持部45が被動軸14に締結されて軸受用支持軸47が蓋部48を介して右側分割端部23に締結される場合を例示しているが、軸受支持部45は被動軸側ハブ20に締結されてもよい。また、軸受支持部45が右側分割端部23に締結されるとともに軸受用支持軸47が蓋部48を介して被動軸14又は被動軸側ハブ20に締結されてもよい(第3実施形態参照)。
そして、上記構成のフレキシブルカップリング構造15を、舶用スラスタ装置等のように原動機と被動機とが互いに水平方向に離れていてその原動機が中高速回転数で運転されるような装置に適用する場合には、スペーサ18が長寸となってもその横振動の発生が抑えられ、スペーサ18を専用の中間軸受で支持する必要がなくなる。つまり、このような中間軸受を設ける必要や、中間軸受を固定するための壁部や床部を設置する必要がなくなるため、舶用スラスタ装置等の装置を製作するにあたり費用や工数や時間を低減することができ、また壁部や床部を設置すべく確保されていたスペースを他の目的で有効利用することができるようになる。
[第2実施形態]
図3は本発明の第2実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造65を備える舶用スラスタ装置51の正面図である。なお、上記実施形態と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示す舶用スラスタ装置51は、例えば電動機やディーゼルエンジン等の原動機52と、被動機であるスラスタ53と、これら原動機52及びスラスタ53の間に介在するフレキシブルカップリング構造65とを備えて構成されている。原動機52はスラスタ53に対して鉛直上側に離れて配置されており、フレキシブルカップリング構造65は原動機51とスラスタ53との間を略鉛直方向に延びるようにして配置されている。この舶用スラスタ装置51によれば、原動機52が作動すると、原動機52に回転可能に連結された駆動軸13に回転が発生し、その回転がフレキシブルカップリング構造65を介して被動軸14に伝達される。被動軸14はスラスタ53に回転可能に連結されてスラスタ53の入力軸として機能しており、この被動軸14の回転に基づきスラスタ53のプロペラ54が回転駆動される。このフレキシブルカップリング構造65も第1実施形態と同様にして振動の発生を抑えるように構成されていることから、この舶用スラスタ装置51においてもその製作に要する費用や工数や時間を低減することができ、従前確保されていたスペースを有効利用可能となる。
図4は図3に示すフレキシブルカップリング構造65の断面図である。このフレキシブルカップリング構造65は、駆動軸13及び被動軸14とともに軸方向を略鉛直に向けるようにして配置され、主として、上側から順に駆動軸側ハブ16、第1ディスクエレメント17、スペーサ18、第2ディスクエレメント19、及び被動軸側ハブ20を備えており、駆動軸13の回転がこの順で伝達されていく。つまり、本実施形態のスペーサ18も、駆動軸側ハブ16に対しては被動軸側の回転軸部材として機能し、被動軸側ハブ20に対しては駆動軸側の回転軸部材として機能することとなる。また、このスペーサ18も本体部21に2つの分割端部をリーマボルト24等の複数の継手ボルトで締結することによって一体化されてなるが、動力伝達の上流側か否かに基づいて2つの分割端部のうちの上側分割端部には第1実施形態の左側分割端部と同一の符号22を付し、下側分割端部には第1実施形態の右側分割端部と同一の符号23を付している。
第1ディスクエレメント17の内方には第1実施形態と同様にしてラジアル球面軸受42が組込まれている。第2ディスクエレメント19は第1ディスクエレメント17に対して鉛直下側に配置されており、その内方にはラジアル球面軸受42とともにスラスト球面軸受66が組込まれている。
この鉛直下側のラジアル球面軸受42は、円筒状の軸受支持部67の内部にその外輪43を嵌め合わせることによって装着されており、軸受支持部67は被動軸14の上端部に複数のボルト68で締結されている。ラジアル球面軸受42の内輪44には軸受用支持軸69が装着されており、この軸受用支持軸69は蓋部70を介して下側分割端部23に複数のボルト71で締結されている。
スラスト球面軸受66は、球面状の内面を有した外輪72と、この外輪72に対して軸方向上側且つ径方向内側に配置されて球面状の外面を有した内輪73とを備える球面滑り軸受であり、多量生産可能な汎用品である球面滑り軸受の採用によってフレキシブルカップリング構造65の製作や保守点検に要する費用が嵩むのを避けることができる。外輪72の内面と内輪73の外面とは互いに近接対向する摺動面をなしており、内輪73は外輪72に対して球状の摺動面に沿って回転可能(滑動可能)となっている。また、スラスト球面軸受66は無給油軸受であり、これによりフレキシブルカップリング構造65の維持管理に要する費用や労力を低減することができる。
本実施形態では、ラジアル球面軸受42及びスラスト球面軸受66を装着するための軸受支持部67がこれら2つの軸受42,66の間で共用され、軸受支持部67の内部においてスラスト球面軸受66は、ラジアル球面軸受42に対して被動軸14の端面と接近する奥側(ここでは下側)に配置されている。具体的には、スラスト球面軸受66の外輪72の外形は円筒状となっており、外輪72を上記軸受支持部67の内部に嵌め合わせることによってスラスト球面軸受66が軸受支持部67に装着されている。これによりスラスト球面軸受66は、その回転中心(滑動中心)の位置が被動軸14の軸心14Aと一致するようにしてフレキシブルカップリング構造65に組込まれる。軸受支持部67の奥側の内面には径方向内側に突出する突起74が形成されており、スラスト球面軸受66の外輪72はこの突起74のうち、軸受支持部67の内部空間に面する上端面に支持されている。このように外輪72が突起74に支持されることにより、スラスト球面軸受66が軸受支持部67に対してその軸方向に関して位置決めされる。
スラスト球面軸受66の内輪73は外輪72に対して上側に配置され、この内輪73の上側にはラジアル球面軸受42の内輪44が支持されている。これによりラジアル球面軸受42が、スラスト球面軸受66を介し、軸受支持部67に対してその軸方向に関して位置決めされる。このように、ラジアル球面軸受42の内輪44とスラスト球面軸受66の内輪73とは軸方向に並んで配置されることとなる。軸受用支持軸69は、蓋部70に接近する側である上側からラジアル球面軸受42の内輪44に装着され、その先端部がスラスト球面軸受66の内輪73の内部空間に嵌め合わされている。ここで、スラスト球面軸受66の内輪73の内径はラジアル球面軸受42の内輪44の内径よりも小さく、軸受用支持軸69は先端側の外径が小さい段付き円筒状に形成されており、この段差部分がスラスト球面軸受66の内輪73の上面に支持されている。このように本実施形態では、ラジアル球面軸受42及びスラスト球面軸受66に支持される軸受用支持軸69が、これら2つの軸受42,66の間で共用されている。
上記構成によれば、軸受支持部67における被動軸14の端面と接近する奥側から手前の開口側に向かう順番で、スラスト球面軸受部66及びラジアル球面軸受部42を組込むことにより、この2つの軸受66,42を軸受支持部67内でユニット化することができる。このため、2つの軸受66,42が軸受支持部67に組込まれた状態で、この2つの軸受66,42を、蓋部70を介してスペーサ18側に固定される軸受用支持軸69に対して容易に着脱することができる。すなわち、2つの軸受66,42を、1つずつ軸受支持部67及び軸受用支持軸69に対して着脱する必要がなくなる。
スラスト球面軸受66は、被動軸14及びスペーサ18の各軸心14A,18Aが傾斜するときの交点を回転中心(滑動中心)として各軸心14A,18Aの傾斜角度を変更可能となっている。つまり、この回転中心が第2ディスクエレメント19の撓み中心Oと一致させているため、スラスト球面軸受部66により、被動軸14及びスペーサ18の各軸心14A,18Aの傾斜角度が変更された状態でも、スペーサ18の重量に基づくスラスト荷重を支持することができる。
スラスト球面軸受66にはスペーサ18の重量が掛かるが、その重量はスラスタ53(図3参照)により支持される。このようにスペーサ18の荷重を、動力伝達の下流側であって鉛直下側に配置されているスラスト球面軸受66によって保持する構成としているため、スペーサ18の荷重が原動機52(図3参照)には作用せず、原動機52に標準設計品を選択して使用することができる。
具体的に言えば、例えばフレキシブルカップリング構造65を、その伝達馬力が4500kwクラスの舶用スラスタ装置51(図3参照)に適用する場合、スペーサ18の寸法及び重量が相当大きくなる(例えば外径:約400mm,軸長:約5500mm,重量:約800kg)。従って、スラスト球面軸受66を駆動軸側ハブ16とスペーサ18との間に介在する第1ディスクエレメント17の内方に組込むと、その重量を原動機52側で支持しなくてはならない。他方、原動機52の標準設計品には、このように特別に加算される重量を支持するための構造が通常は設けられておらず、スラスト球面軸受66を上記のようにして組込んだときには原動機52の仕様を変更する必要が生じる。本実施形態では、このような原動機52の仕様変更を必要としない構成としているため、原動機52の手配に要する費用が嵩むのを避けることができる。このように本実施形態によれば、スラスタ53側で荷重を受けて原動機52側には影響を及ぼすことのない自己負荷支持方式・自己完結型のフレキシブルカップリング構造を提供することができる。なお、スラスタ53側は原動機52側と比べて設計自由度が高く、この部分にはスラスト方向の荷重を保持するための構造を簡単に配置することができる。
図5は図4の部分拡大図である。ラジアル球面軸受42の内輪44の下端部と、スラスト球面軸受66の内輪73の上端部との間には、位置調整用のシム75が挿入される。また、軸受用支持軸69には、蓋部70と接近する側である基端部(ここでは上端部)において外周面から径方向外側に突出する肩部76が形成され、この肩部76はラジアル球面軸受42に対して上側に配置されている。この肩部76とラジアル球面軸受42の内輪43の上端部との間には、位置調整用のシム77が挿入されている。また、軸受支持部67の突起74の上面と、スラスト球面軸受66の外輪72の下端部との間には、位置調整用のシム78が挿入される。
ラジアル球面軸受42とスラスト球面軸受66との間に介在するシム75は、両軸受42,66の中心位置を相対的に調整して一致させるものである。これが両軸受42,66を組み立てるときの1番目の調整作業である。次いで、2番目の調整作業において、シム77,78を使用する。つまり、回転中心が一致した両軸受42,66を組合せてユニット化した状態で、その中心位置が第2ディスクエレメント19の撓み中心Oの位置と一致するようにシム77,78を用いる。このようにして両軸受42,66が組み立てられる。このようにシム75,77,78を設けることにより、スラスト球面軸受66とラジアル球面軸受42の各回転中心と、第2ディスクエレメント19の撓み中心Oの位置とを微調整して容易に一致させることができるようになり、この調整作業を短時間で行うことができるようになる。
また、スラスト球面軸受66の外輪73の外周面と軸受支持部67の内周面との間には隙間部79が形成されている。この隙間部79を形成することにより、不釣合い力はラジアル球面軸受42で支持されるようになり、スラスト球面軸受66で支持する構成とはならない。従って、スラスト球面軸受66はフレキシブルカップリング構造65のスペーサ18の重量のみを受けることとなる。
なお、後述する他の実施形態においてスラスト球面軸受を備えたフレキシブルカップリング構造を示す場合、それには図5に示すものと同様の構成が採用されているものとし、その構成に関する説明及び図示を省略する。
次に、図6を参照してフレキシブルカップリング構造65の組付けが適切であるか否かを確認する作業について説明する。この「組付けが適切であるか否かを確認する」とは、被動軸14の軸心14A及びスペーサ18の軸心18Aのそれぞれの傾斜角度を変更しても、ラジアル球面軸受42の回転中心、スラスト球面軸受66の回転中心、及び第2ディスクエレメント19の撓み中心の各位置が互いに一致する状態となっているか否かを確認する、ことを指している。万が一、第2ディスクエレメント19の撓み中心と、軸受42,66の回転中心とが一致していない場合には、コゼたりして滑らかに作動せず、軸受42,66の焼き付き等を招く可能性もある。
この確認作業や各中心位置を一致させる調整作業は、被動軸側ハブ20と第2ディスクエレメント19と軸受42,66とスペーサ18とを組み付けた状態としてスペーサ18を被動軸側ハブ20に対して相対的に揺動させることによって行われ得る。この確認作業及び調整作業を、例えば図4に示すように本体部21と分割端部22,23とを連結した段階で行おうとすると、寸法も重量も大きいスペーサ18全体を揺動させる必要があり、確認作業及び調整作業に多大な労力と時間を要する。
これに対し、図6に示すように、スペーサ18の分割端部23を本体部21に連結する前の段階においては、本体部21が存在せず、被動軸側ハブ20と軸受42,66と第2ディスクエレメント19と下側分割端部23のみからなる軽量かつコンパクトな組立品が構成される。この状態であれば軸受42,66を組込んだ後に簡単に手で下側分割端部23を揺動させることができ、軸受42,66の各回転中心と第2ディスクエレメント19の撓み中心とが一致しているか否かを確認することができる。また、このように手で作業を簡単に行えるようになるため、作業者は下側分割端部23を動かしたときに伝わる感触等に基づいてフレキシブルカップリング構造65が適切に組付けられているか否かを容易に判断することができる。このようにして、上記確認作業や調整作業を確実且つ短時間で行うことができる。なお、第1ディスクエレメント17及び上側のラジアル球面軸受42においても、同様にしてこのような確認作業や調整作業を確実且つ短時間で行うことができる。そして、前述した焼き付き等を未然に防ぐことができ、フレキシブルカップリング構造65の耐用期間が短くなるのを防ぐことができる。
次に、図7及び図8を参照して駆動軸13及び被動軸14の間で相対変位が生じた場合のフレキシブルカップリング構造65の動作について説明する。
図7は図4に示すフレキシブルカップリング構造65に連結された被動軸14が駆動軸13に対して平行変位している状態を示す断面図である。このとき、駆動軸13の軸心13A及び被動軸14の軸心14Aは、それぞれ鉛直軸線Sと平行になっているものの、所定距離δだけ互いに隔てて位置している。この場合であっても、各ディスクエレメント17,19がそれぞれ撓み、スペーサ18は鉛直軸線Sに対して上記距離δ及び自身の軸長に基づく所定角度θ1だけ傾斜する。この撓んだ状態においても第1ディスクエレメント17を介して駆動軸側ハブ16の回転がスペーサ18に伝達され、第2ディスクエレメント19を介してスペーサ18の回転が被動軸側ハブ20に伝達される。このため、原動機52(図3参照)が発生する回転は、フレキシブルカップリング構造65を介してスラスタ53(図3参照)に滑らかに伝達される。
図8は図4に示すフレキシブルカップリング構造65に連結された駆動軸13が被動軸14に対して傾斜変位(角度変位)している状態を示す断面図である。スペーサ18の軸心18Aは鉛直軸線Sに平行となっており、駆動軸13の軸心13Aは鉛直軸線Sに対して所定角度θ2だけ傾斜し、被動軸14の軸心14Aは鉛直軸線Sに対して所定角度θ3だけ傾斜している。この場合であっても、各ディスクエレメント17,19がそれぞれ撓んで上記角度θ2,θ3の変位がそれぞれ吸収される。この撓んだ状態においても第1ディスクエレメント17を介して駆動軸側ハブ16の回転がスペーサ18に伝達され、第2ディスクエレメント19を介してスペーサ18の回転が被動軸側ハブ20に伝達される。このため、原動機52(図3参照)が発生する回転は、フレキシブルカップリング構造65を介してスラスタ53(図3参照)に滑らかに伝達される。
[第3実施形態]
図9は本発明の第3実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造85の断面図である。ここでは図4に示す第2実施形態との相違点を中心にして説明する。図9に示すフレキシブルカップリング構造85の第1ディスクエレメント17の内方には、ラジアル球面軸受42が組込まれている。このラジアル球面軸受42を装着するための軸受支持部47はスペーサ18をなす上側分割端部22に固定されており、このラジアル球面軸受42により支持される軸受用支持軸47は蓋部48を介して駆動軸13の下端部に締結されて駆動軸側ハブ16に固定されている。図4と併せて参照すると、軸受支持部45及び軸受用支持軸47をそれぞれ駆動軸側ハブ16及びスペーサ18のいずれに固定するのかについては、適宜選択可能である。
また、第2ディスクエレメント19の内方にはラジアル球面軸受42とスラスト球面軸受66が組込まれている。これら軸受42,66を装着するための軸受支持部86は、スペーサ18をなす下側分割端部23に固定されている。これら軸受42,66により支持される軸受用支持軸87は蓋部88を介して被動軸14に固定されている。なお、スラスト球面軸受66がラジアル球面軸受42に対して奥側(ここでは上側)に配置されるようにして、軸受支持部86に各軸受42,66が装着されている。
下側分割端部23の下端部には、径方向内側に突出する突起89が形成され、この突起89により囲まれた円形状の孔90が形成されている。軸受支持部86の上端部にはその外周面から径方向外側に突出するフランジ部91が形成されている。軸受支持部86は、その上端部を突起89内側の孔90内に受容させ、そのフランジ部91を突起89の下面に支持させることによって下側分割端部23に対して位置決めされ、この状態で複数のボルト92で下側分割端部23に締結されている。蓋部88は被動軸側ハブ20の内周側に形成された段部に支持されて被動軸側ハブ20に対して位置決めされ、この状態で被動軸14の上端部に複数のボルト93で締結されている。
このように本実施形態においても、ラジアル球面軸受42とスラスト球面軸受66との間で軸受支持部86及び軸受用支持軸87が共用されている。このため、鉛直下側に配置されるラジアル球面軸受42のさらに下側に止め輪94で位置決め保持すれば、2つの軸受42,66を軸受支持部86内でユニット化することができる。
[第4実施形態]
図10は本発明の第4実施形態に係る水平軸型のフレキシブルカップリング構造95の断面図である。図1に示す第1実施形態と対比すると、図10に示すフレキシブルカップリング構造95においては、各ディスクエレメント17,19の内方に組込まれたラジアル球面軸受96が球面転がり軸受となっている。球面転がり軸受も多量生産可能な汎用品であり、これを採用することによってフレキシブルカップリング構造95の製作や保守点検に要する費用が嵩むのを避けることができる。なお、球面滑り軸受を球面転がり軸受に替えても、横振れ荷重は上記実施形態と同様にして支持され得る。
[第5実施形態]
図11は本発明の第5実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造105の断面図である。図4に示す第2実施形態と対比すると、図11に示すフレキシブルカップリング構造105においては、第1ディスクエレメント17の内方に組込まれたラジアル球面軸受106と、第2ディスクエレメント19の内方に組込まれたラジアル球面軸受106及びスラスト球面軸受107とがそれぞれ球面転がり軸受となっている。このため、横振れ荷重やスラスト方向の荷重が支持され得るとともに、フレキシブルカップリング構造105の製作や保守点検に要する費用が嵩むのを避けることができる。
[第6実施形態]
図12は本発明の第6実施形態に係るフレキシブルカップリング構造115の外観を部分的に示す斜視図、図13は図12に示すフレキシブルカップリング構造115の断面図である。ここでは本実施形態のフレキシブルカップリング構造115を水平軸型とした場合について説明するが、垂直軸型とすることも可能である。
図12には、本フレキシブルカップリング構造115のうち駆動軸(図示せず)に連結される駆動軸側ハブ116と、第1板ばね117と、スペーサ118を構成する左側分割端部122とが示されている。図13には、本フレキシブルカップリング構造115のうちスペーサ118を構成する本体部121及び右側分割端部123と、第2板ばね119と、被動軸14に連結される被動軸側ハブ120とが示されている。図13に示すようにスペーサ118は本体部121と右側分割端部123とリーマボルト124で互いに連結され、図示省略するが本体部121は左側分割端部122(図12参照)とも同様にして連結可能となっている。
図12に示すように、第1板ばね117は金属製の所謂格子状板ばねであり、駆動軸側ハブ116と左側分割端部122との間を掛け渡すようにして設けられており、全体として周方向に連続している。そして、この第1板ばね117は駆動軸側ハブ116及び左側分割端部122の双方に連結されており、上記実施形態の第1ディスクエレメント17と同様にして撓み変形可能となっている。この撓んだ状態においても駆動軸側ハブ116の回転がスペーサ118に伝達されるようになっている。この第1板ばね117の外周側を覆ってカバー部材131が設けられており、図12ではカバー131を部分的に破断することによって第1板ばね117の外観を示すようにしている。第2板ばね119の形状及び材質は図12に示した第1板ばね117と同一であり、第2板ばね119と右側分割端部123及び被動軸側ハブ120との組合せ方も、図12に示した第1板ばね117と左側分割端部122及び駆動軸側ハブ116との組合せ方と同一である。そして、第2板ばね119は上記実施形態の第2ディスクエレメント19と同様にしてその撓み中心Oを中心にして撓み変形可能となっており、この撓んだ状態においてもスペーサ118の回転が被動軸側ハブ120に伝達されるようになっている。また、この第2板ばね119の外周側を覆ってカバー部材131が設けられている。
図12及び図13に示すように、このカバー部材131は軸方向に分離可能な左側半体132及び右側半体133を複数のボルト134で締結することにより一体化される。図12を参照すると、第1板ばね117を覆うカバー部材131の左側半体132は駆動軸側ハブ116の外周面に形成された係合し、その右側半体133は左側分割端部122の外周面に係合している。図13を参照すると、第2板ばね119を覆うカバー部材131の左側半体132は右側分割端部123の外周面に係合し、その右側半体132は右側分割端部123の外周面に係合している。
図13に示すように、第2板ばね119の内方にはラジアル球面軸受42が組込まれている。このラジアル球面軸受42を装着するための軸受支持部45は被動軸側ハブ120の内周側に形成された段部に支持されて被動軸側ハブ120に対して位置決めされ、この状態で複数のボルト46で被動軸14の左端部に締結されている。このラジアル球面軸受42に支持される軸受用支持軸47は円板状の蓋部48から突設されており、この蓋部48は右側分割端部123に嵌め合わされることによって右側分割端部123に対して位置決めされ、この状態で複数のボルト50で右側分割端部123に締結されている。このラジアル球面軸受42の回転中心は第2板ばね119の撓み中心と一致されており、これにより上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。また、図示省略するが第1板ばね117の内方にもラジアル球面軸受42が組込まれており同様の作用効果を奏する。
なお、図13の例示では、フレキシブルカップリング構造115に組込んだラジアル球面軸受42に球面滑り軸受を採用しているが、これに替えて球面転がり軸受を採用してもよく、さらには無給油軸受を採用することが好ましい。また、右側分割端部123に固定して軸受用支持軸47を被動軸側ハブ120に固定してもよい。ここでは水平軸型に採用した場合を例示したが、垂直軸型に採用した場合には図4に示した第2実施形態や図11に示した第5実施形態と同様にしてスラスト球面軸受を組込めばよい。
[第7実施形態]
図14は本発明の第7実施形態に係るフレキシブルカップリング構造165の外観を部分的に示す斜視図、図15は図14に示すフレキシブルカップリング構造165の断面図である。ここでも本実施形態のフレキシブルカップリング構造165を水平軸型とした場合について説明するが、垂直軸型とすることも可能である。
図14には、本フレキシブルカップリング構造165のうち駆動軸(図示せず)が連結される駆動軸側ハブ166と、第1ゴム167と、スペーサ168を構成する左側分割端部172とが示されている。図15には、本フレキシブルカップリング構造165のうちスペーサ168を構成する本体部171及び右側分割端部173と、第2ゴム169と、被動軸14に連結される被動軸側ハブ170とが示されている。図15に示すようにスペーサ168は本体部171と右側分割端部173とリーマボルト174で互いに連結され、図示省略するが本体部171は左側分割端部172(図14参照)とも同様にして連結可能となっている。図14に外観を示す駆動軸側ハブ166から左側分割端部172までの構成と、図15に断面形状を示す右側分割端部173から被動軸側ハブ170までの構成とは軸方向に関して対称に配置されているものの互いの構造が同一となっている。以下では、図15を参照し、これら2つの部位を代表して第2ゴム169が配置されている側の部位に着目して説明する。
図15に示すように、第2ゴム169はタイヤ形状に形成されており、その断面形状がU字状となっている。第2ゴム169の左側縁部169aは、右側分割端部173のフランジ部176の外側面(ここでは左側面)に係止され、第2ゴム169の右側縁部169bは被動軸側ハブ170のフランジ部180の外側面(ここでは右側面)に係止されている。これにより、第2ゴム169はスペーサ168と被動軸側ハブ170との間に掛け渡されるようにして介在している。右側分割端部のフランジ部には、外側から円環状の固定プレート181が複数のボルト182で締結され、これにより第2ゴム169の左側縁部169aがフランジ部176と固定プレート181との間に強固に挾持される。これと同様にして、被動軸側ハブ170のフランジ部180にも同様にして外側から円環状の固定プレート183が複数のボルト184で締結され、これにより第2ゴム169の右側縁部169bがフランジ部180と固定プレート183との間に強固に挾持される。なお、固定プレート181,183とフランジ部176,180とにはそれぞれ、第2ゴム169を挾持する部分に縁部169a,169bを受容するための円環状の受容溝185が形成されている。この受容溝185内に縁部を受容した状態でボルトで締結することにより、第2ゴムの撓み中心Oが所定の位置に設定されるようになる。
そして、この第2ゴム169の内方にはラジアル球面軸受42が組込まれている。このラジアル球面軸受42を装着するための軸受支持部45は被動軸側ハブ170の内周側に形成された段部に支持されて被動軸側ハブ170に対して位置決めされ、この状態で複数のボルト46で被動軸14の左端部に締結されている。このラジアル球面軸受42に支持される軸受用支持軸47は円板状の蓋部48から突設されており、この蓋部48は右側分割端部173に嵌め合わされることによって右側分割端部173に対して位置決めされ、この状態で複数のボルト50で右側分割端部173に締結されている。このラジアル球面軸受42の回転中心は第2ゴム169の撓み中心と一致されており、これにより上記各実施形態と同様の作用効果を奏する。また、図示省略するが第1ゴム167(図14参照)の内方にもラジアル球面軸受が組込まれており同様の作用効果を奏する。
なお、図15の例示では、フレキシブルカップリング構造165に組込んだラジアル球面軸受42に球面滑り軸受を採用しているが、これに替えて球面転がり軸受を採用してもよく、さらには無給油軸受を採用することが好ましい。また、右側分割端部173に固定して軸受用支持軸47を被動軸側ハブ170に固定してもよい。ここでは水平軸型に採用した場合を例示したが、垂直軸型に採用した場合には図4に示した第2実施形態や図11に示した第5実施形態と同様にしてスラスト球面軸受を組込めばよい。
これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は前述した構成に限定されず発明の範囲内で適宜変更可能である。
例えば、垂直軸型のフレキシブルカップリング構造の各々において、スラスト球面軸受を鉛直下側の第2ディスクエレメントの内方に組込むとしたが、鉛直上側の第1ディスクエレメントの内方に組込んでスペーサをスラスト球面軸受によって吊り下げて支持する構成としてもよい。なお、2つの軸受を装着するための軸受支持部とこれら軸受に支持される軸受用支持軸とを駆動軸側ハブとスペーサのいずれに固定するのかについては、適宜選択可能である。
また、垂直軸型のフレキシブルカップリング構造の各々において、ラジアル球面軸受の負荷容量を大きくすると、そのラジアル球面軸受によりスラスト方向の荷重も支持可能となる。これによりスラスト球面軸受の負荷容量を小さくすることや、スラスト球面軸受を省略することも可能となる。
また、各実施形態において、そのフレキシブルカップリング構造に組込まれる軸受を球面滑り軸受及び球面転がり軸受のうちのいずれか一方で統一する場合を例示したが、球面滑り軸受及び球面転がり軸受を混在させてもよい。
そして、フレキシブルカップリング構造は、スペーサを介在させて2つの撓み材を備えるものに限定されず、駆動軸側ハブと被動軸側ハブとの間に撓み材が介在する構成としてもよい。この場合にはこの単一の撓み材の内方に1つのラジアル球面軸受を組込み、必要に応じて更に1つのスラスト球面軸受を組込めばよい。
本発明に係るフレキシブルカップリング構造は、図3に示すような舶用スラスタ装置に限定されず、その他の用途にも好適に適用することができる。
以上のように、本発明に係るフレキシブルカップリング構造は、その全長が長くても振動の発生を抑えることができるという優れた効果を奏するものであり、原動機とスラスタの据付け距離が大きくなりがちで原動機が中高速回転数で運転し得る舶用スラスタ装置に適用すると有益であり、また2つの軸間で回転を伝達するための構造を必要とするその他の機械や器具や装置にも好適に適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る水平軸型のフレキシブルカップリング構造の断面図である。 図1に示すフレキシブルカップリング構造の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造を適用した舶用スラスタ装置の正面図である。 図3に示すフレキシブルカップリング構造の断面図である。 図4の部分拡大図である。 図4に示すフレキシブルカップリング構造の組付けを確認するための作業について説明する断面図である。 図4に示すフレキシブルカップリング構造において被動軸が駆動軸に対して相対的に平行変位している状態を示す断面図である。 図4に示すフレキシブルカップリング構造において駆動軸及び被動軸が角度変位している状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造の断面図である。 本発明の第4実施形態に係る水平軸型のフレキシブルカップリング構造の断面図である。 本発明の第5実施形態に係る垂直軸型のフレキシブルカップリング構造の断面図である。 本発明の第6実施形態に係るフレキシブルカップリング構造の外観を部分的に示す斜視図である。 図12に示すフレキシブルカップリング構造の部分断面図である。 本発明の第7実施形態に係るフレキシブルカップリング構造の外観を部分的に示す斜視図である。 図14に示すフレキシブルカップリング構造の部分断面図である。 従来のフレキシブルカップリングの一例として示す金属ばね式フレキシブルカップリングの断面図である。 図16に示すフレキシブルカップリングを適用した従来の舶用スラスタ装置の正面図である。
符号の説明
13 駆動軸
14 被動軸
15 水平軸型のフレキシブルカップリング構造
16 駆動軸側ハブ(駆動軸側の回転軸部材)
17 第1ディスクエレメント(第1の撓み材)
18 スペーサ
19 第2ディスクエレメント(第2の撓み材)
20 被動軸側ハブ(被動軸側の回転軸部材)
21 本体部
22,23 分割端部
24 リーマボルト
31 ディスク状板ばね
42 ラジアル球面軸受
45 軸受支持部
47 軸受用支持軸
51 舶用スラスタ装置
52 原動機
53 スラスタ
65 垂直軸型のフレキシブルカップリング構造
66 スラスト球面軸受
67 軸受支持部
69 軸受用支持軸
85 垂直軸型のフレキシブルカップリング構造
86 軸受支持部
87 軸受用支持軸
95 水平軸型のフレキシブルカップリング構造
96 ラジアル球面軸受
105 垂直軸型のフレキシブルカップリング構造
106 ラジアル球面軸受
107 スラスト球面軸受
115 水平軸型のフレキシブルカップリング構造
116 駆動軸側ハブ(駆動軸側の回転軸部材)
117 第1格子状板ばね(第1の撓み材)
118 スペーサ
119 第2格子状板ばね(第2の撓み材)
120 被動軸側ハブ(被動軸側の回転軸部材)
121 本体部
122,123 分割端部
124 リーマボルト
165 水平軸型のフレキシブルカップリング構造
166 駆動軸側ハブ(駆動軸側の回転軸部材)
167 第1タイヤ形ゴム(第1の撓み材)
168 スペーサ
169 第2タイヤ形ゴム(第2の撓み材)
170 被動軸側ハブ(被動軸側の回転軸部材)
171 本体部
172,173 分割端部
174 リーマボルト

Claims (11)

  1. 駆動軸と被動軸とを連結する金属ばね式又はゴム式フレキシブルカップリング構造において、
    前記駆動軸が固定される駆動軸側ハブと、
    前記被動軸が固定される被動軸側ハブと、
    軸方向中央側の本体部の両端に第1及び第2分割端部をそれぞれボルトで締結することにより一体化してなり、前記駆動軸側ハブと前記被動軸側ハブとの間に介在するスペーサと、
    前記駆動軸側ハブと前記スペーサの前記第1の分割端部との間に介在して前記駆動軸側ハブの回転を前記スペーサに伝達する、金属ばね又はゴムからなる第1の撓み材と、
    前記スペーサの前記第2の分割端部と前記被動軸側ハブとの間に介在して前記スペーサの回転を前記被動軸側ハブに伝達する、金属ばね又はゴムからなる第2の撓み材と、
    前記第1の撓み材の撓み中心の位置にその回転中心が位置するようにして前記駆動軸側ハブ及び前記第1の分割端部のうち一方に装着された第1のラジアル球面軸受と、
    前記駆動軸側ハブ及び前記第1の分割端部の他方に設けられ、前記第1のラジアル球面軸受の内輪に嵌め込まれる第1の軸受用支持軸と、
    前記第2の撓み材の撓み中心位置にその回転中心が位置するようにして前記被動軸側ハブ及び前記第2の分割端部のうち一方に装着された第2のラジアル球面軸受と、
    前記被動軸側ハブ及び前記第2の分割端部の他方に設けられ、前記第2のラジアル球面軸受の内輪に嵌め込まれる第2の軸受用支持軸と、を備え
    前記スペーサが、前記第1の撓み材の前記撓み中心を基準として前記駆動軸側ハブに対して相対的に傾斜可能であり且つ前記第2の撓み材の撓み中心を基準として前記被動軸側ハブに対して相対的に傾斜可能であることを特徴とするフレキシブルカップリング構造。
  2. 前記スペーサは、前記本体部と前記分割端部とをリーマボルトを含む継手ボルトで締結することにより一体化してなることを特徴とする請求項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  3. 前記第1ラジアル球面軸受及び前記第2ラジアル球面軸受が球面滑り軸受又は球面転がり軸受であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルカップリング構造。
  4. 前記金属ばね式又はゴム式フレキシブルカップリング構造は垂直軸型であり、前記第1ラジアル球面軸受及び前記第2ラジアル球面軸受負荷容量の大きなものであり、ラジアル方向及びスラスト方向の荷重を支持可能であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  5. 前記金属ばね式又はゴム式フレキシブルカップリング構造は垂直軸型であり、前記第2の撓み材が前記第1の撓み材に対して下側に配置されており、
    前記第2の撓み材の前記撓み中心の位置にその回転中心が位置するようにしてまれたスラスト球面軸受を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  6. 前記被動軸側ハブ及び前記第2の分割端部のうち前記一方に固定され、前記第2のラジアル球面軸受と前記スラスト球面軸受軸方向に並べて装着するための第2の軸受支持部を備え、
    前記第2の軸受用支持軸が、前記第2のラジアル球面軸受の内輪に嵌め込まれ且つ前記スラスト球面軸受の内輪に嵌め込まれていることを特徴とする請求項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  7. 前記スラスト球面軸受が球面滑り軸受又は球面転がり軸受であることを特徴とする請求項5又は6に記載のフレキシブルカップリング構造。
  8. 前記撓み材がディスク状の板ばねであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  9. 前記撓み材が格子状の板ばねであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  10. 前記撓み材がタイヤ形のゴムであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のフレキシブルカップリング構造。
  11. 請求項5又は6に記載のフレキシブルカップリング構造を備え、該フレキシブルカップリング構造を介し、原動機に設けた前記駆動軸の回転がスラスタに設けた前記被動軸に伝達されるよう構成されていることを特徴とする舶用スラスタ装置。
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