JP4647389B2 - シート搬送装置並びにこれを用いる画像形成装置及び画像読取装置 - Google Patents
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Description
図18は、画像形成装置本体の側面に取り付けられた用紙反転機構の一例を示す概略構成図である。用紙反転機構6は、搬送された記録媒体が送り込まれる反転路23、正逆回転可能に設けられて反転路23への記録媒体の送り込みと反転路23からの記録媒体の送り出しとを行う反転ローラ対25、反転路23から送り出された記録媒体が装置本体5内に設けられているプリンタエンジン2に向けて再給紙される再給送路24等を備えている。また、反転路23の入口と再給送路24の入口との合流部分を通過する記録媒体の搬送方向先端(以下、単に「先端」という。)又は搬送方向後端(以下、単に「後端」という。)を検知する反射型光学センサ350(端部検知手段)が設けられている。
例えば、複数の記録媒体(シート)を収容した給紙カセットから記録媒体を1枚ずつ送り出してその記録媒体の先端をレジストローラで一時保持し、レジストローラから所定のタイミングでその記録媒体を搬送するシート搬送装置では、次のような不具合が発生し得る。すなわち、このようなシート搬送装置では、連続シート搬送の際、最初の記録媒体がレジストローラから搬送されると同時に又はその後に、次の記録媒体を給紙カセットから送出手段により送り出すように、各記録媒体の搬送制御を行う。上記送出手段は、給紙カセットから記録媒体を送り出す際に給紙カセット内の複数の記録媒体の中から最上位に位置する1枚の記録媒体だけを分離して送り出す分離動作を行う関係で、記録媒体を送り出すスピードがレジストローラによる送り出しスピードよりも遅い。そのため、このシート搬送装置を備えた画像形成装置では、連続プリントの際、最初の記録媒体をレジストローラから搬送した後に次の記録媒体をレジストローラから搬送可能なタイミングが到来しても、当該次の記録媒体が未だレジストローラに到達しておらず、当該次の記録媒体をレジストローラから搬送できないという事態が発生する。そのため、従来の画像形成装置では、連続プリントの際、送出手段の送り出しスピードに応じて、最初の記録媒体と次の記録媒体とのプリント間隔をあける必要があり、連続プリント時の画像形成スピードの高速化を図ることが困難であるという不具合が発生する。なお、これを解決し得る方法としては、上記送出手段による送り出しスピードをレジストローラによる送り出しスピード並に高速化する方法が考えられるが、このような高速化は現状ではきわめて困難である。
ここで、上記のようなシート搬送装置において、記録媒体が重なった状態でも各記録媒体の先端を検知でき、その検知結果に基づいて各記録媒体の搬送制御を行うことができれば、例えば次のようにして、上記不具合を解消し得る。すなわち、記録媒体が重なった状態でも各記録媒体の先端を検知できる端部検知手段をレジストローラの上流側近傍に配置する。そして、最初の記録媒体の後端が送出手段により送り出された後、その最初の記録媒体がレジストローラから搬送されるのを待たずに、次の記録媒体も続いて送出手段により送り出す。そして、上記次の記録媒体の先端が上記端部検知手段に検知されたら、この記録媒体の搬送を一旦停止するように、その記録媒体の搬送制御を行う。これにより、遅くとも最初の記録媒体の後端がレジストローラを抜けるまでに、次の記録媒体の先端をレジストローラの上流側近傍で待機させることができ、最初の記録媒体の後端がレジストローラを抜けたら、すぐに次の記録媒体の先端をレジストローラに一旦保持させることができる。このようなシート搬送装置によれば、次の記録媒体をレジストローラから搬送可能なタイミングが到来するまでに、当該次の記録媒体をレジストローラに一旦保持させた状態にしておくことができる。その結果、上記送出手段による送り出しスピードを高速化することなく、連続シート搬送時における最初の記録媒体と次の記録媒体とのプリント間隔を短くすることができる。
なお、上記次の記録媒体の先端が上記端部検知手段の検知領域に到達したとき、その検知領域には、未だ最初の記録媒体が存在する。そのため、上記反射型光学センサ350等の従来の端部検知手段では上記次の記録媒体の先端を検知できない。そのため、従来の端部検知手段では、上述したように搬送制御を実現することが不可能であり、連続シート搬送時における最初の記録媒体と次の記録媒体とのプリント間隔を短くすることはできない。
また、請求項2の発明は、請求項1のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記端部検知手段から出力された上記検知信号が上記受光量の少ないものから多いものに変化したとき、上記所定位置に存在している複数枚のシートのうち1枚のシートの搬送方向後端が該所定位置に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、シート搬送路と、該シート搬送路内のシートを搬送するための搬送手段と、搬送中のシートの搬送方向先端及び搬送方向後端の少なくとも一方が該シート搬送路内の所定位置を通過するのを検知する端部検知手段と、該端部検知手段の検知結果に基づいてシートの搬送制御を行う制御手段とを有するシート搬送装置において、上記搬送手段は、上記所定位置で複数枚のシートが互いに重なる時期があるようにシートを搬送し、上記端部検知手段として、光路が搬送中のシート面と交差するように配置され、受光量に応じて異なる検知信号を出力する透過型光学センサを用い、上記制御手段は、上記端部検知手段から出力された上記検知信号が上記受光量の少ないものから多いものに変化したとき、上記所定位置に存在している複数枚のシートのうち1枚のシートの搬送方向後端が該所定位置に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、上記端部検知手段は、上記所定位置にシートが存在しないときには該所定位置にシートが存在するときの上記検知信号とは異なる信号を出力することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて、上記所定位置に存在するシート枚数が所定の最大重なり枚数を超える枚数であるか否かを判断し、該所定の最大重なり枚数を超える枚数であると判断したときは所定のジャム処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて把握したシート枚数が、所定時期を越えても、該所定時期に上記所定位置に存在する予定のシート枚数にならないとき、所定のジャム処理を行うことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、上記シート搬送路は、入口路と、合流スペースを介して該入口路に連通した反転路及び再給送路とを含んでおり、上記搬送手段は、該入口路から進入したシートを該反転路内へ送り込む方向と該反転路内のシートを該再給送路へ送り出す方向とに、シートの搬送方向を切り換え可能な搬送機構を含んでおり、上記端部検知手段が検知を行う上記所定位置は、搬送中の複数枚のシートが該シート搬送路内で互いにすれ違う箇所であり、上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて上記搬送機構を制御してシートの搬送制御を行うものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項7のシート搬送装置において、上記所定位置は、上記合流スペースであることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項7のシート搬送装置において、上記所定位置は、上記反転路内における上記合流スペースに近接した位置であることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項8又は9のシート搬送装置において、上記搬送手段は、上記再給送路内のシートに搬送力を与える搬送力付与手段を有し、かつ、上記搬送機構により該再給送路へ送り出された第1シートの搬送方向先端部分が該搬送力付与手段により搬送力が与えられた後であって、該第1シートの搬送方向後端部分が上記所定位置に到達する前に、該第1シートの次に上記入口路から進入した第2シートの搬送方向先端が該所定位置に到達するようにシートを搬送することを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、シート搬送装置により搬送されるシート上に画像を形成する画像形成装置において、上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、上記画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリのいずれかであることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、シート搬送装置により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部により読み取った画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置において、上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13の画像形成装置において、上記画像形成装置は、複写機、ファクシミリのいずれかであることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、シート搬送装置により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取装置において、上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とするものである。
以下、本発明を、画像形成装置としての電子写真プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
図2は、本実施形態1に係るプリンタの正面図である。図3は、このプリンタの内部構造の概略を示す概略構成図である。
本実施形態1のプリンタ1は、プリンタエンジン2、複数の給紙カセット40、定着部4等が装置本体5内に設けられている。装置本体5の側面部には、シート搬送装置を構成する用紙反転機構6及び手差し機構7が取り付けられている。また、装置本体5内には、給紙カセット40から給紙されたシートである記録媒体Sを排紙トレイ8に向けて搬送するための搬送路9が形成され、この搬送路9に沿って搬送ローラ対10、レジストローラ対11、プリンタエンジン2、定着部4等が配置されている。プリンタエンジン2は、ドラム状の感光体12、感光体12の周囲に配置された帯電器13、露光器14、現像器15、転写器16、クリーニング器17等により構成されている。
本実施形態1においては、上記合流スペースを通過する記録媒体Sの搬送方向端部(先端及び後端の少なくとも一方)を検知する端部検知手段としての透過型光学センサ50が設けられている。この透過型光学センサ50は、光路が搬送中の記録媒体面と交差するように、発光部51と受光部52とが互いに対向するように配置されている。発光部51は、LEDから構成されているが、他の発光手段を用いてもよい。また、受光部52は、フォトトランジスタから構成されているが、他の受光手段を用いてもよい。受光部52は、受光した光量に応じて異なる検知信号を出力する。この透過型光学センサ50において、上記合流スペースに記録媒体Sが存在しない状態では、発光部51の発光量のほぼ100%が受光部52で受光される。そして、上記合流スペースに記録媒体Sが存在する状態では、受光部52での受光量が減少する。このとき、受光量の減少量は、上記合流スペースに存在する記録媒体Sの枚数に比例する。よって、この透過型光学センサ50の出力信号の変化から、上記合流スペースに記録媒体Sが複数枚存在する場合であっても、上記合流スペース内に記録媒体Sの先端が進入したタイミングや、上記合流スペースから記録媒体Sの後端が抜けたタイミングを、記録媒体Sごとに把握することができる。
図5は、端部検知手段の他の構成(以下、「参考例1」という。)を示す上記合流スペース近傍の拡大図である。
本参考例1は、上記透過型光学センサ50に代えて、透過型超音波センサ150を用いたものである。この透過型超音波センサ150は、搬送中の記録媒体面に向けて超音波を送波する送波手段としての送波部151と、搬送中の記録媒体Sを透過した超音波を受波する受波手段としての受波部152とを備えている。受波部152は、受波した超音波の波形に応じて異なる検知信号を出力する。この透過型超音波センサ150において、上記合流スペースに記録媒体Sが存在しないときに受波した超音波波形を基準とした場合、上記合流スペースに記録媒体Sが存在するときは、その基準波形に比べて受波した超音波波形の信号レベル(振幅値)や位相が変化する。この変化量は、上記合流スペースに存在する記録媒体Sの枚数によって変わる。よって、この透過型超音波センサ150の出力信号の変化から、上記合流スペースに記録媒体Sが複数枚存在する場合であっても、上記合流スペース内に記録媒体Sの先端が進入したタイミングや、上記合流スペースから記録媒体Sの後端が抜けたタイミングを、記録媒体Sごとに把握することができる。
図6は、端部検知手段の更に他の構成(以下、「参考例2」という。)を示す上記合流スペース近傍の拡大図である。
本参考例2は、上記透過型光学センサ50に代えて、反射型超音波センサ250を用いたものである。この反射型超音波センサ250は、搬送中の記録媒体面に向けて超音波を送波する送波手段としての送波部251と、搬送中の記録媒体面で反射した超音波を受波する受波手段としての受波部252とを備えている。受波部252は、受波した超音波の波形に応じて異なる検知信号を出力する。この反射型超音波センサ250においても、上記透過型超音波センサ150の場合と同様に、上記合流スペースに記録媒体Sが存在しないときに受波した超音波波形を基準とした場合、上記合流スペースに記録媒体Sが存在するときは、その基準波形に比べて受波した超音波波形の信号レベル(振幅値)や位相が変化する。この変化量は、上記合流スペースに存在する記録媒体Sの枚数によって変わる。よって、この反射型超音波センサ250の出力信号の変化から、上記合流スペースに記録媒体Sが複数枚存在する場合であっても、上記合流スペース内に記録媒体Sの先端が進入したタイミングや、上記合流スペースから記録媒体Sの後端が抜けたタイミングを、記録媒体Sごとに把握することが可能である。
図7は、1枚両面プリント時における搬送制御の流れを示すフローチャートである。
図8は、1枚両面プリント時における透過型光学センサ50の検知信号を示す説明図である。
図9(a)及び(b)は、記録媒体Sを反転路23へ送り込むときの記録媒体の位置をそれぞれ示す説明図である。
図10(a)及び(b)は、記録媒体Sを反転路23から送り出すときの記録媒体の位置をそれぞれ示す説明図である。
従来装置においては、上記合流スペースに設けられた端部検知手段(反射型光学センサ等)が、記録媒体Sが重なった状態では各記録媒体Sの端部を検知することができなかった。そのため、連続両面プリントを行う場合には、再給送路24内に送り込まれた1枚目の記録媒体の後端が図10(b)に示したように上記端部検知手段の検知領域を通過した後に、2枚目の記録媒体の先端が当該検知領域に到達するように、搬送制御を行う必要があった。そのため、1枚目の記録媒体と2枚目の記録媒体とのプリント間隔を、少なくとも当該記録媒体の搬送方向長さの2倍以上に設定する必要が生じる。近年のプリンタの能力であればもっと短い間隔でプリントすることは可能であることから、連続両面プリント時におけるプリント間隔を短くし、連続両面プリント時の画像形成スピードを高速化することが望まれる。そこで、本実施形態1では、上述したように、端部検知手段として、合流スペースに存在する記録媒体Sの枚数に応じて異なる検知信号を出力するセンサ50,150,250等を用い、以下の搬送制御を行うことで、連続両面プリント時におけるプリント間隔の短縮を図り、連続両面プリント時における画像形成スピードの高速化を実現する。
図12(a)は、連続両面プリント時における透過型光学センサ50の検知信号を示す説明図であり、図12(b)は、従来における連続両面プリント時の端部検知手段の検知信号を示す比較用の説明図である。
図1(a)及び(b)は、2枚目の記録媒体S2を反転路23へ送り込むときの各記録媒体S1,S2の位置をそれぞれ示す説明図である。
また、図12(a)に示した各時点A,B,C,D,E,F(所定時期)においては、それぞれ合流スペース29に存在する予定のシート枚数というのが決まっている。よって、各時点A,B,C,D,E,Fを過ぎても当該各時点における予定のシート枚数にならない場合、シート搬送路のいずれかでジャムが発生していることが予想できる。そこで、本実施形態1において、制御部は、透過型光学センサ50の検知結果に基づいて把握したシート枚数が、各時点A,B,C,D,E,Fを越えても、当該各時点において合流スペース29に存在するはずの予定のシート枚数にならないときには、所定のジャム処理を行う。なお、この所定のジャム処理も、具体的には反転ローラ対25を含む各種搬送ローラ対の駆動を停止し、図示しない表示パネルにジャム表示を行う等の処理である。
次に、連続両面プリント時におけるプリント間隔を更に短くしたときの搬送制御の変形例について説明する。
図13は、本変形例における搬送制御の流れを示すフローチャートである。
図14は、本変形例における連続両面プリント時の透過型光学センサ50の検知信号を示す説明図である。
図15(a)及び(b)は、2枚目の記録媒体S2を反転路23へ送り込むときの各記録媒体S1,S2の位置をそれぞれ示す説明図である。
次に、本発明を、画像読取装置としてのスキャナ装置に適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
図16は、本実施形態2に係るスキャナ装置が備える自動原稿搬送装置の構成を示す概略構成図である。
原稿Pは、その第1画像面が上方を向くようにして、かつ、その先端が給紙ガイド板301に突き当たるようにして、原稿トレイ340上にセットされる。そして、図示しない制御部からの給紙開始信号により図示しないソレノイドが駆動すると、底板302が矢印Aの方向に上昇し、原稿Pを給紙ローラ310に当接させる。給紙ローラ310によって給紙された原稿Pは、送出ベルト312及びリバースローラ313からなる分離機構へ搬送され、この分離機構により一番上の原稿だけが他の原稿から分離される。分離された原稿Pは、レジストローラ対311で一旦停止される。そして、所定のタイミングでレジストローラ対311が駆動することにより原稿Pが読取部320へ送り出され、その読取部320により原稿Pの第1画像面の画像が読み取られる。読取部320で読み取った画像のデータは制御部に送られる。読取部320を通過した原稿Pの先端は、その後、搬送ローラ対321及び排紙ローラ対314を通過する。
なお、正方向に搬送された2枚目の原稿P2の先端がトレイ下端部329に到達したとき、1枚目の原稿P1の後端が未だ反転ローラ対325を抜けていない場合でも、上記変形例で説明した搬送制御を行うことで、同様に各原稿P1,P2の搬送制御が可能である。この場合、本実施形態2の場合よりも更にスキャン間隔を短くできる。
また、上記実施形態1及び2では、上記端部検知手段として、光路が搬送中のシート面と交差するように配置され、受光量に応じて異なる検知信号を出力する透過型光学センサ50を用いる。これにより、安価な構成で、互いに重なった各シートの先端や後端の通過をシートごとに検知することができる。このとき、上記制御部は、透過型光学センサ50から出力された検知信号が受光量の多いものから少ないものに変化したときには、合流スペース29やトレイ下端部329にシートが存在する状態で別の1枚のシートの搬送方向先端が当該合流スペース29やトレイ下端部329に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行う。また、上記制御部は、透過型光学センサ50から出力された検知信号が受光量の少ないものから多いものに変化したときには、合流スペース29やトレイ下端部329に存在している複数枚のシートのうち1枚のシートの搬送方向後端が当該合流スペース29やトレイ下端部329に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行う。
なお、上記参考例1で説明したように、上記端部検知手段としては、搬送中のシート面に向けて超音波を送波する送波手段としての送波部151及び搬送中のシートを透過した超音波を受波する受波手段としての受波部152を有し、受波部152が受波した超音波の波形に応じて、具体的にはその波形の信号レベル(振幅値)や位相に応じて、異なる検知信号を出力する透過型超音波センサ150を用いてもよい。
また、上記参考例2で説明したように、上記端部検知手段としては、搬送中のシート面に向けて超音波を送波する送波手段としての送波部251及び搬送中のシート面で反射した超音波を受波する受波手段としての受波部252を有し、受波部252が受波した超音波の波形に応じて、具体的にはその波形の信号レベル(振幅値)や位相に応じて、異なる検知信号を出力する反射型超音波センサ250を用いてもよい。
また、上記実施形態1及び2では、上記端部検知手段が、合流スペース29やトレイ下端部329にシートが存在しないときには当該合流スペース29やトレイ下端部329にシートが存在するときの検知信号とは異なる信号を出力するものである。これにより、合流スペース29やトレイ下端部329にシートが存在しない状態でシートが進入したときも、あるいは、合流スペース29やトレイ下端部329にシートが存在する状態でシートが抜けたときも、上記端部検知手段によりそのシートの端部を検知することができる。
また、上記実施形態1及び2において、制御部は、透過型光学センサ50の検知結果に基づいて、合流スペース29やトレイ下端部329に存在するシート枚数が所定の最大重なり枚数である2枚を超える枚数であるか否かを判断し、2枚を超える枚数であると判断したときは所定のジャム処理を行う。上記実施形態1及び2において、正常な搬送制御がなされていれば、合流スペース29やトレイ下端部329には、2枚を越える枚数のシートが存在することはない。このように、合流スペース29やトレイ下端部329に存在するシート枚数が2枚を超えることが検知したときに所定のジャム処理を行うことで、重送によるジャム処理を迅速に行うことができる。
また、上記実施形態1及び2において、制御部は、透過型光学センサ50の検知結果に基づいて把握したシート枚数が、所定時期である各時点A,B,C,D,E,Fを越えても、当該各時点において合流スペース29に存在するはずの予定のシート枚数にならないときには、所定のジャム処理を行う。これにより、紙詰まり等によるジャムに対する迅速な対応が可能となる。
また、上記実施形態1及び2においては、シート搬送路が、入口路22,322と、合流スペースを介して入口路22,322に連通した反転路23又は反転用トレイ323及び再給送路24,324とを含んでおり、上記搬送手段は、入口路22,322から進入したシートを反転路23又は反転用トレイ323へ送り込む方向と反転路23内又は反転用トレイ323上のシートを再給送路24,324へ送り出す方向とに、シート搬送方向を切り換え可能な搬送機構としての反転ローラ対25,325を含んでいる。そして、透過型光学センサ50が検知を行う位置は、搬送中の複数枚の記録媒体S1,S2が上記シート搬送路内で互いにすれ違う箇所である合流スペース29又はトレイ下端部329であり、制御部は、透過型光学センサ50の検知結果に基づいて反転ローラ対25を制御して搬送制御を行う。これにより、用紙反転機構6や自動原稿搬送装置などのシート反転装置において、複数枚のシートを連続して順次反転するときのシート間隔を短くでき、連続反転処理の処理時間の短縮化を図ることができる。
特に、上記実施形態1においては、透過型光学センサ50が検知を行う位置が、既存の従来装置における端部検知手段が配置されている位置と同じく、上記合流スペース29であるので、既存装置に対する大幅な設計変更なしに、本発明を実施することが可能となる。
一方、上記実施形態2においては、透過型光学センサ50が検知を行う位置が、反転路である反転用トレイ323上における上記合流スペースに近接したトレイ下端部329である。入口路である排紙路322、反転路である反転用トレイ323及び再給送路324の3つがシート搬送路が合流する合流スペースは、そのシート面法線方向長さが各シート搬送路に比べて長い。そのため、合流スペースを通過するシートは、各シート搬送路内を通過するときに比べて、そのシート面法線方向におけるブレが大きい。このブレが大きいと、透過型光学センサ50によるシート端部の検知精度が落ちる。これは、上述した超音波センサ150,250でも同様である。上記実施形態2では、透過型光学センサ50が検知を行う位置を、合流スペースよりもそのシート面法線方向長さが短いトレイ下端部329としたため、透過型光学センサ50が検知を行う位置が合流スペースである場合に比べて、端部検知精度が高く、安定したシート端部の検知が可能となる。なお、上記実施形態1では、上述したように透過型光学センサ50が検知を行う位置を合流スペース29とした場合について説明したが、図17に示すように、透過型光学センサ50が検知を行う位置を、反転路23内における合流スペース29に近接した位置としてもよい。この場合、図4に示した上記実施形態1の場合に比べて、端部検知精度が高く、安定したシート端部の検知が可能となる。
上記実施形態1及び2においては、再給送路24,324内のシートに搬送力を与える搬送力付与手段としての搬送ローラ対27b又は再給送ローラ対328を有し、かつ、反転ローラ対25,325により再給送路24,324へ送り出された1枚目のシートS1,P1の搬送方向先端部分が搬送ローラ対27b又は再給送ローラ対328により搬送力が与えられた後であって、その1枚目のシートS1,P1の搬送方向後端部分が合流スペース29又はトレイ下端部329に到達する前に、その1枚目のシートS1,P1の次に入口路22又は排紙路322から進入した2枚目のシートS2,P2の搬送方向先端が合流スペース29又はトレイ下端部329に到達するようにシートを搬送する。これにより、1枚目のシートS1,P1が反転ローラ対25,325を抜ける前に、2枚目のシートS2,P2を反転ローラ対25,325に送り込んでも、各シートの搬送が可能となる。その結果、シート間隔をより短くすることが可能となり、連続両面プリント時における画像形成スピード又は連続両面スキャン時における画像読取スピードの向上を図ることができる。
また、上記実施形態1では、上述したシート搬送装置としての用紙反転機構6を、画像形成装置に利用しているので、連続両面プリント時における画像形成スピードを向上させることができる。なお、上記用紙反転機構6は、上記実施形態1で説明したプリンタのほか、複写機やファクシミリなどの他の画像形成装置に利用しても有用である。
また、上記実施形態2では、上述したシート搬送装置としての自動原稿搬送装置を、画像読取装置であるスキャナ装置に利用しているので、連続両面スキャン時における画像読取スピードを向上させることができる。なお、このスキャナ装置は、複写機やファクシミリなどのように、シート上の画像を読み取る画像読取部と、この画像読取部により読み取った画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置における当該画像読取部としても利用可能である。このような画像形成装置としては、複写機やファクシミリなどがある。
また、上述した実施形態においては、本発明に係るシート搬送装置を、画像形成装置又は画像読取装置に適用した場合を例に挙げたが、これらの装置に限らず、他の装置に対しても広く適用することが可能である。
6 用紙反転機構
8,308 排紙トレイ
11,311 レジストローラ対
19 仕分爪
21 送込ローラ対
22 入口路
23 反転路
24,324 再給送路
25,325 反転ローラ対
26,326 切替爪
29 合流スペース
50 透過型光学センサ
150 透過型超音波センサ
250 反射型超音波センサ
320 読取部
321 搬送ローラ対
322 排紙路
323 反転用トレイ
329 トレイ下端部
350 反射型光学センサ
Claims (15)
- シート搬送路と、
該シート搬送路内のシートを搬送するための搬送手段と、
搬送中のシートの搬送方向先端及び搬送方向後端の少なくとも一方が該シート搬送路内の所定位置を通過するのを検知する端部検知手段と、
該端部検知手段の検知結果に基づいてシートの搬送制御を行う制御手段とを有するシート搬送装置において、
上記搬送手段は、上記所定位置で複数枚のシートが互いに重なる時期があるようにシートを搬送し、
上記端部検知手段として、光路が搬送中のシート面と交差するように配置され、受光量に応じて異なる検知信号を出力する透過型光学センサを用い、
上記制御手段は、上記端部検知手段から出力された上記検知信号が上記受光量の多いものから少ないものに変化したとき、上記所定位置にシートが存在する状態で別の1枚のシートの搬送方向先端が該所定位置に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行うことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記端部検知手段から出力された上記検知信号が上記受光量の少ないものから多いものに変化したとき、上記所定位置に存在している複数枚のシートのうち1枚のシートの搬送方向後端が該所定位置に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行うことを特徴とするシート搬送装置。 - シート搬送路と、
該シート搬送路内のシートを搬送するための搬送手段と、
搬送中のシートの搬送方向先端及び搬送方向後端の少なくとも一方が該シート搬送路内の所定位置を通過するのを検知する端部検知手段と、
該端部検知手段の検知結果に基づいてシートの搬送制御を行う制御手段とを有するシート搬送装置において、
上記搬送手段は、上記所定位置で複数枚のシートが互いに重なる時期があるようにシートを搬送し、
上記端部検知手段として、光路が搬送中のシート面と交差するように配置され、受光量に応じて異なる検知信号を出力する透過型光学センサを用い、
上記制御手段は、上記端部検知手段から出力された上記検知信号が上記受光量の少ないものから多いものに変化したとき、上記所定位置に存在している複数枚のシートのうち1枚のシートの搬送方向後端が該所定位置に到達したものと判断し、その判断結果に応じた搬送制御を行うことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、
上記端部検知手段は、上記所定位置にシートが存在しないときには該所定位置にシートが存在するときの上記検知信号とは異なる信号を出力することを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて、上記所定位置に存在するシート枚数が所定の最大重なり枚数を超える枚数であるか否かを判断し、該所定の最大重なり枚数を超える枚数であると判断したときは所定のジャム処理を行うことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、
上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて把握したシート枚数が、所定時期を越えても、該所定時期に上記所定位置に存在する予定のシート枚数にならないとき、所定のジャム処理を行うことを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート搬送装置において、
上記シート搬送路は、入口路と、合流スペースを介して該入口路に連通した反転路及び再給送路とを含んでおり、
上記搬送手段は、該入口路から進入したシートを該反転路内へ送り込む方向と該反転路内のシートを該再給送路へ送り出す方向とに、シートの搬送方向を切り換え可能な搬送機構を含んでおり、
上記端部検知手段が検知を行う上記所定位置は、搬送中の複数枚のシートが該シート搬送路内で互いにすれ違う箇所であり、
上記制御手段は、上記端部検知手段の検知結果に基づいて上記搬送機構を制御してシートの搬送制御を行うものであることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項7のシート搬送装置において、
上記所定位置は、上記合流スペースであることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項7のシート搬送装置において、
上記所定位置は、上記反転路内における上記合流スペースに近接した位置であることを特徴とするシート搬送装置。 - 請求項8又は9のシート搬送装置において、
上記搬送手段は、上記再給送路内のシートに搬送力を与える搬送力付与手段を有し、かつ、上記搬送機構により該再給送路へ送り出された第1シートの搬送方向先端部分が該搬送力付与手段により搬送力が与えられた後であって、該第1シートの搬送方向後端部分が上記所定位置に到達する前に、該第1シートの次に上記入口路から進入した第2シートの搬送方向先端が該所定位置に到達するようにシートを搬送することを特徴とするシート搬送装置。 - シート搬送装置により搬送されるシート上に画像を形成する画像形成装置において、
上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項11の画像形成装置において、
上記画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリのいずれかであることを特徴とする画像形成装置。 - シート搬送装置により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取部と、
該画像読取部により読み取った画像を記録媒体上に形成する画像形成部とを備えた画像形成装置において、
上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13の画像形成装置において、
上記画像形成装置は、複写機、ファクシミリのいずれかであることを特徴とする画像形成装置。 - シート搬送装置により搬送されるシート上の画像を読み取る画像読取装置において、
上記シート搬送装置として、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート搬送装置を用いることを特徴とする画像読取装置。
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