JP4647272B2 - 電子ビーム描画装置 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録媒体の原盤を作製するのに使用することのできる電子ビーム描画装置に関する。
光ディスクや磁気ディスクの原盤の作製過程において、所定パターン(潜像)をレジスト膜に露光形成するための装置として、電子ビーム描画装置が知られている。原盤作製用途の電子ビーム描画装置は、例えば、ディスク形状を有する基材の上に形成されたレジスト膜に対して当該基材を回転させた状態で局所的に電子ビームを照射するように構成されている。また、このような原盤作製用途の電子ビーム描画装置は、光ディスクの原盤作製過程で従来から使用されているレーザビーム描画装置よりも、微細なパターンを描画するのに適している。パターン描画に必要な露光用ビーム径について、電子ビームはレーザビームよりも小さいからである。そのため、原盤作製用途の電子ビーム描画装置は、光ディスクの高記録密度化の観点から、或は、磁気ディスク原盤(磁気転写用マスター担体など)の作製に使用できるという点で、注目を集めている。原盤作製用途の電子ビーム描画装置については、例えば下記の特許文献1〜4に記載されている。
特開2000−11464号公報 特開2001−344833号公報 特開2002−217086号公報 特開2004−177783号公報
図6は、従来の原盤作製用途の電子ビーム描画装置の一例である電子ビーム描画装置X2の部分構成を表す。電子ビーム描画装置X2は、電子銃61と、集束レンズ62と、相対向する一対のブランキング電極63と、絞り孔64aを有する絞り板64と、偏向器65と、対物レンズ66と、フォーカスレンズ67とを備え、表面に所定の凹凸パターンを有する原盤を作製する過程において、描画対象である原板68に対して電子ビーム69を照射することにより目的パターン(潜像)を描画ないし形成するように構成されたものである。
電子銃61は電子ビーム69を原板68に向けて出射するためのものである。集束レンズ62は、電子銃61からの電子ビーム69をブランキング電極63間に集束させるためのものである。ブランキング電極63は、所定のタイミングで当該電極間に電界を発生させて電子ビーム69を所定の程度に偏向するためのものである。絞り板64は、ブランキング電極63により所定の程度に偏向された電子ビーム69を遮断するためのものであり、所定の程度に偏向されない電子ビーム69は絞り板64の絞り孔64aを通過する。このようなブランキング電極63および絞り板64は、電子ビーム69を変調するための変調器を構成する。偏向器65は、例えば一対の偏向電極からなり、絞り孔64aを通過した電子ビーム69を偏向することにより、原板68における電子ビーム69の照射位置を調節するためのものである。対物レンズ66およびフォーカスレンズ67は、原板68に電子ビーム69を集束させるためのものであり、フォーカスレンズ67は、その集束位置を図中上下方向において微調整する機能を有する。原板68は、ディスク形状の基材の上に所定のレジスト膜が設けられた構成(図示略)を有し、可動ステージ(図示略)により、回転可能かつ原板68の径方向に並進移動可能に、支持されている。
電子ビーム描画装置X2によるパターン描画過程においては、可動ステージにより原板68を回転させ且つ並進移動させつつ、描画目的のパターンの形状に応じて、原板68のレジスト膜に対して露光用の電子ビーム69を照射する。例えば、ブランキング電極63および絞り板64の協働により電子ビーム69を変調し、描画予定箇所(レジスト膜において単一のピットの形成が予定される部分や連続したグルーブの形成が予定される部分など)ごとに、図7に示すような電子ビームパルス69aを発生させる。これにより、レジスト膜における各描画予定箇所は、単一の電子ビームパルス69aにより照射されて露光されることとなる。図7においては、図の簡略化の観点より、電子ビーム69および電子ビームパルス69aを直線で表し、また、電子ビーム描画装置X2については電子銃61、ブランキング電極63、絞り板64、および偏向器65以外を省略する。
回転する描画対象(原板)に対してビームを照射することによりパターンを描画する方法においては、描画対象の回転態様に関し、角速度一定(Constant Angular Velocity:CAV)方式、および、周速一定(Constant Line Velocity:CLV)方式が知られている。CAV方式では、原板回転数、原板送り速度、およびライトクロック周波数が一定の条件で原板にビームが照射されるので、比較的簡単な描画制御系で装置を制御することが可能である。また、CAV方式では、原板回転や原板送りが定常的な状態でパターン描画が実行されるので、描画パターンについて高い位置精度が得られる。これに対し、CLV方式では、原板に対するビーム照射箇所の周速がパターン描画過程にわたって一定となるように、ビーム照射箇所の半径位置に応じて原板回転数、原板送り速度、およびライトクロック周波数を所定の態様で変化させたうえで原板にビームを照射する必要があるので、比較的複雑な描画制御系が要求される。また、CLV方式では、原板回転数や原板送り速度が常時的に変化する状態で(即ち、原板回転数や原板送り速度が常に過渡的な状態にあり従って安定していない状態で)パターン描画が実行されるので、CAV方式よりも、描画パターンについて高い位置精度を達成しにくい。
光ディスクの原盤作製過程で従来から使用されているレーザビーム描画装置によると、CAV方式およびCLV方式のいずれにおいても、実用的なパターン描画を実行できることが知られている。これに対し、例えば上述のような電子ビーム描画装置X2によると、CAV方式では、実用的なパターン描画を実行することが困難であることが知られている。電子ビーム描画装置X2によると、電子ビーム69の径を一定に維持した状態で当該電子ビーム69の電流密度を逐次変化させることができないので、CAV方式で上述のようなパターン描画を実行する場合、ビーム照射箇所の半径位置の変化による周速の変化に起因して、描画されるピット潜像やグルーブ潜像について、深さや幅が変化してしまうのである。
このため、従来の電子ビーム描画装置X2では、CLV方式によりパターン描画を実行するのが一般的である。しかしながら、CLV方式では、上述のように、複雑な描画制御系が必要とされるのに加え、CAV方式よりも描画パターンについて高い位置精度を達成しにくい。したがって、電子ビーム描画装置X2によるCLV方式でのパターン描画においては、高精度なパターンを描画することが困難である。
CLV方式でのこのような問題を回避すべく、電子ビーム描画装置X2によるCAV方式でのパターン描画において、図8に示すような複数の電子ビームパルス69bを描画予定箇所ごとに照射する手法が提案されている。この手法では、レジスト膜における各描画予定箇所は、複数の電子ビームパルス69bにより照射されて露光されることとなる。具体的には、この手法では、各描画部の単位面積当たりのドーズ量を均一にすることを目的として、電子ビーム照射箇所の半径位置に応じて電子ビームパルス69bのデューティ比を変化させ、実効的な(正味の)電子ビーム電流を変化させる(例えば、半径位置が大きくなるに応じてデューティ比を大きくして実効ビーム電流を増大させる)のである。CAV方式でのこのような電子ビーム描画手法は、上記の特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1によると、電子ビーム描画装置X2においてCAV方式での上述の描画手法を実現するためには、ブランキング電極63による偏向のタイミングとその偏向持続時間(従って、電子ビームパルス69bの発生の有無とデューティ比)を当該ブランキング電極63のみを対象として制御することによって電子ビームパルス69bを発生させなければならず、装置の制御系に対して過度の負担を強いる。このような構成によると、複雑なパターンを描画する際に原板回転速度に応じて実効電子ビーム電流を高速に変化させることが困難であり、従って、微細なパターンを高精度に描画するのが困難である。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、微細なパターンを高精度に描画するのに適した電子ビーム描画装置を提供することを、目的とする。
本発明の第1の側面によると、電子ビーム描画装置が提供される。本装置は、電子ビームを出射するための電子銃と、描画対象(例えば、情報記録媒体原盤作製用の原板)を支持して当該描画対象を回転させることが可能かつ並進移動させることが可能な可動ステージと、電子銃からの電子ビームをパルス化して描画対象に向けて電子ビームパルスを発生させるためのパルス化手段と、電子ビームパルスのデューティ比を調節するためのデューティ比制御手段と、パルス化手段による電子ビームパルスの発生の有無を切り換えるためのスイッチング手段とを備える。本装置において、パルス化手段は、開口部を有する絞り板と、電子銃および絞り板の間に位置し且つ電子銃からの電子ビームが開口部を通過しないように当該電子ビームを偏向するための阻止電界を各々が発生可能な第1偏向器および第2偏向器とを有する。第1偏向器は、阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、一定周期で変化する。第2偏向器は、阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、第1偏向器と同じ周期で且つ異なるタイミングで変化する。電子ビームパルスは、第1偏向器が第2状態にあり且つ第2偏向器が第2状態にあるときに絞り板の開口部を通過した電子ビームからなる。デューティ比制御手段は、第1偏向器の変化のタイミングと第2偏向器の変化のタイミングとの時間差を変化させることにより、電子ビームパルスのデューティ比を調節する。
このような構成の電子ビーム描画装置においては、2つの偏向器(第1偏向器,第2偏向器)を個々に制御することにより電子ビームのパルス化と電子ビームパルスのデューティ比調節とを実行することができる。具体的には、上述の阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に一定周期で変化するように第1偏向器を作動させ、且つ、同じく阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に第1偏向器と同じ周期で且つ異なるタイミングで変化するように第2偏向器を作動させることにより、電子ビームをパルス化することができ、また、各偏向器における第2状態への変化のタイミングの時間差をデューティ比制御手段により変化させることにより、電子ビームパルスのデューティ比を調節することができる。このようなデューティ比調節は、例えば後述の遅延回路などを利用することにより、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに、描画目的のパターンの位置および形状等に応じて動的かつ高速に制御することができる。
本発明の電子ビーム描画装置においては、更に、電子ビームのパルス化と電子ビームパルスの発生の有無の切り換えとを個々に制御することができる。具体的には、電子ビームのパルス化については、上述のように、デューティ比が調節されつつ2つの偏向器の作動により実行することができるのに対し、電子ビームパルスの発生の有無の切り換えについては、当該パルス化手段とは別個のスイッチング手段により実行することができる。
以上のように、本発明の電子ビーム描画装置によると、2つの偏向器を個々に制御することにより電子ビームのパルス化と電子ビームパルスのデューティ比調節とを実行することができるとともに、電子ビームのパルス化と電子ビームパルスの発生の有無の切り換えとを個々に制御することができ、そのため、デューティ比調節に関し、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに、描画目的のパターンの位置および形状等に応じて動的かつ高速に制御することができる。したがって、本電子ビーム描画装置においては、複雑なパターンを描画する際に描画対象の回転速度に応じて実効電子ビーム電流を高速に変化させることが可能なのである。このような電子ビーム描画装置は、微細で複雑なパターンを高精度に描画するのに適している。
本発明の第1の側面において、好ましくは、パルス化手段は、クロック信号に同期して第1偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第1電圧印加手段と、クロック信号に同期して第2偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第2電圧印加手段と、クロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて第1電圧印加手段に出力するための第1遅延回路および/またはクロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて第2電圧印加手段に出力するための第2遅延回路と、を更に有する。このような構成は、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに上述の電子ビームパルス化を実現するうえで好適である。
好ましくは、デューティ比制御手段は、第1遅延回路による遅延時間および/または第2遅延回路による遅延時間を調整する。このような構成は、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに上述のデューティ比調節を実現するうえで好適である。
スイッチング手段は、電子銃および絞り板の間に位置し且つ電子銃からの電子ビームが開口部を通過しないように当該電子ビームを偏向するための阻止電界を発生可能な第3偏向器よりなる。このような構成は、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに上述のスイッチング手段を実現するうえで好適である。
図1は、本発明に係る原盤作製用途の電子ビーム描画装置X1を表す。電子ビーム描画装置X1は、電子ビーム筒11と、電子銃12と、集束レンズ13と、偏向器14A,14B,14C,14Dと、絞り孔15aを有する絞り板15と、対物レンズ16と、フォーカスレンズ17と、チャンバ21と、回転ステージ22と、スピンドルモータ23と、直動ステージ24と、直動用モータ25と、制御計算機30Aと、フォーマッタ30Bと、電子銃駆動回路31と、集束レンズ駆動回路32と、偏向器駆動回路33A,33B,33C,33Dと、遅延回路34A,34Bと、フォーカスレンズ駆動回路35と、スピンドルモータ駆動回路36と、直動用モータ駆動回路37と、回転位置検出系38と、直動位置検出系39とを備え、情報記録媒体の原盤の作製過程において、描画対象である原板Dに対して電子ビームB(電子ビームパルスBp)を照射するように構成されたものである。原板Dは、ディスク形状の基材の上に所定のレジスト膜が設けられた構成(図示略)を有する。
電子ビーム筒11は、電子銃12、集束レンズ13、偏向器14A〜14D、絞り板15、対物レンズ16、およびフォーカスレンズ17を収容し、電子ビームBの発生およびパルス化を実行するための場を提供するためのものである。電子銃12は、電子銃駆動回路31からの指令に基づいて、電子ビームBを原板Dに向けて出射するためのものである。集束レンズ13は、集束レンズ駆動回路32による制御に基づいて電子銃12からの電子ビームBを偏向器14Aと偏向器14Bの間に集束させるためのものである。
偏向器14A〜14Cは、各々、相対向する一対の偏向電極からなり、電子ビームBが絞り孔15aを通過しないように当該電子ビームBを偏向するための阻止電界を発生可能である。偏向器14Aは、偏向器駆動回路33Aによる制御に基づいて、阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に一定周期で変化するためのものである。偏向器14Bは、偏向器駆動回路33Bによる制御に基づいて、阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に偏向器14Aと同じ周期で且つ異なるタイミングで変化するためのものである。偏向器14Cは、偏向器駆動回路33Cによる制御に基づいて、阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に所定のタイミングで変化するためのものである。絞り板15は、偏向器14A〜14Cを通過して所定の程度に偏向された電子ビームBを遮断するためのものであり、所定の程度に偏向されない電子ビームBは絞り板15の絞り孔15aを通過する。偏向器14A,14Bおよび絞り板15は、電子ビームBをパルス化して原板Dに向けて電子ビームパルスBpを発生させるための、本発明におけるパルス化手段を構成し、電子ビームパルスBpは、偏向器14Aが第2状態にあり且つ偏向器14Bが第2状態にあるときに絞り板15の絞り孔15aを通過した電子ビームBからなる。また、偏向器14Cは、当該パルス化手段による電子ビームパルスBpの発生の有無を切り換えるための、本発明におけるスイッチング手段を構成する。
偏向器14Dは、偏向器駆動回路33Dによる制御に基づいて、絞り孔15aを通過することにより発生した電子ビームパルスBpを偏向することよって原板Dにおける電子ビームパルスBpの照射位置(または後述の照射目標位置)を原板Dの径方向Rにおいて調節するためのものである。偏向器14Dは、例えば、相対向する一対の偏向電極からなる静電型偏向器として構成され、電子ビームパルスBpを偏向するための電界を発生可能である。本発明においては、偏向器14Dについて、電子ビームパルスBpを偏向するための磁界を発生可能な電磁型偏向器として構成してもよい。
対物レンズ16およびフォーカスレンズ17は、各々、原板Dに電子ビームパルスBpを集束させるためのものであり、フォーカスレンズ17は、フォーカスレンズ駆動回路35による制御に基づいて電子ビームパルスBpの集束位置を図中上下方向において微調整する機能を有する。
チャンバ21は、回転ステージ22、スピンドルモータ23、および直動ステージ24を収容し、原板Dが真空雰囲気でパターン描画される場を提供するためのものである。回転ステージ22は、原板Dが固定支持される部位であり、スピンドルモータ23の稼働により所望の回転速度で回転可能である。スピンドルモータ23は、直動ステージ24により支持されている。直動ステージ24は、直動用モータ25の稼働により、スピンドルモータ23、回転ステージ22、およびこれに固定されている原板Dを当該原板Dの径方向Rに所望の送り速度で並進移動させるためのものである。直動ステージ24および回転ステージ22は、本発明における可動ステージを構成する。
電子銃駆動回路31は、制御計算機30Aからの指令に基づいて電子銃12について電子ビームBの出射の有無を制御するための回路構成を有する。集束レンズ駆動回路32は、制御計算機30Aからの指令に基づいて集束箇所の電子ビームBの径を拡縮するための回路構成を有する。
遅延回路34Aは、フォーマッタ30Bからクロック信号および第1遅延指定信号を受信し、当該遅延指定信号に従って当該クロック信号を遅延させて偏向器駆動回路33Aに出力するための、回路構成を有する。第1遅延指定信号は、遅延回路34Aによりクロック信号を遅延させるべき時間についての情報を含む信号であり、原板D上の位置情報と対応付けられて予め設定され、フォーマッタ30Bにて記憶されている。偏向器駆動回路33Aは、遅延回路34Aからのクロック信号に同期して偏向器14Aに周期的な矩形電圧波形(上述の阻止電界を発生させるための電圧波形を含む)を印加するための回路構成を有する。
遅延回路34Bは、フォーマッタ30Bからクロック信号および第2遅延指定信号を受信し、当該遅延指定信号に従って当該クロック信号を遅延させて偏向器駆動回路33Bに出力するための、回路構成を有する。第2遅延指定信号は、遅延回路34Bによりクロック信号を遅延させるべき時間についての情報を含む信号であり、原板D上の位置情報と対応付けられて予め設定され、フォーマッタ30Bにて記憶されている。偏向器駆動回路33Bは、遅延回路34Bからのクロック信号に同期して偏向器14Bに周期的な矩形電圧波形(阻止電界を発生させるための電圧波形を含む)を印加するための回路構成を有する。
偏向器駆動回路33A,33Bは、各々、本発明における第1および第2電圧印加手段に相当して偏向器駆動回路33A,33Bおよび遅延回路34A,34Bは、上述の偏向器14A,14Bおよび絞り板15と共に、本発明におけるパルス化手段を構成する。
偏向器駆動回路33Cは、フォーマッタ30Bからのクロック信号およびオン/オフ指定信号を受信し、所定のタイミングで偏向器14Cにて阻止電界を発生するための、回路構成を有する。オン/オフ指定信号は、偏向器14Cにおける阻止電界の発生についてのオン/オフ状態を指定する信号であり、原板D上の位置情報と対応付けられて予め設定され、フォーマッタ30Bにて記憶されている。
偏向器駆動回路33Dは、フォーマッタ30Bからの偏向量指定信号を受信し所定のタイミングで偏向器14Dにて所定の電界を発生するための回路構成を有する。偏向量指定信号は、偏向器14Dによる電子ビームパルスBpの偏向量を指定する信号であり、原板D上の位置情報と対応付けられて予め設定されてフォーマッタ30Bにて記憶されている。本発明においては、偏向器14Dが上述のような電磁型偏向器として構成される場合、偏向器駆動回路33Dは、フォーマッタ30Bからの偏向量指定信号を受信して所定のタイミングで偏向器14Dにて所定の磁界を発生するための回路構成を有する。
フォーカスレンズ駆動回路35は、制御計算機30Aからの指令に基づいてフォーカスレンズ17について焦点位置制御を実行するための回路構成を有する。
スピンドルモータ駆動回路36は、フォーマッタ30Bからの指令に基づいてスピンドルモータ23の駆動ないし回転速度を制御するための回路構成を有する。直動用モータ駆動回路37は、フォーマッタ30Bからの指令に基づいて直動用モータ25の駆動を制御するための回路構成を有する。
回転位置検出系38は、回転ステージ22ないしスピンドルモータ23の回転位置(所定の基準角度からの回転角度)を検出して当該検出位置に相当する信号をフォーマッタ30Bに出力するための要素および回路構成を有する。例えば、回転位置検出系38は、スピンドルモータ23に取り付けられた角度スケール(ロータリエンコーダ)を備え、当該スケールにて生成する回転位置信号をフォーマッタ30Bに出力するように構成されている。この回転位置信号は、回転ステージ22ないしスピンドルモータ23の回転角度を追跡するのに利用され、また、回転位置信号の周波数の変化を計測することにより、回転ステージ22ないしスピンドルモータ23の回転速度が安定しているかどうかを確認するのに利用される。
直動位置検出系39は、直動ステージ24の可動方向における位置を検出して当該検出位置に相当する信号をフォーマッタ30Bに出力するための要素および回路構成を有する。例えば、直動位置検出系39は、直動ステージ24に取り付けられた直動距離スケールを備え、当該スケールにて生成する直動位置信号をフォーマッタ30Bに出力するように構成されている。この直動位置信号は、直動ステージ24の直動位置および速度を追跡するのに利用され、また、直動ステージ24の速度を常時的に測定することにより、直動ステージ24の送り速度が安定しているかどうかを確認するのに利用される。
制御計算機30Aは、装置全体の制御を司る部位であり、直接的には、フォーマッタ30B、電子銃駆動回路31、集束レンズ駆動回路32、およびフォーカスレンズ駆動回路35と接続されてこれらとの間で所定の信号を授受するように構成されている。
フォーマッタ30Bは、直接的には、制御計算機30Aに加えて遅延回路34A,34B、偏向器駆動回路33C,33D、スピンドルモータ駆動回路36、直動用モータ駆動回路37、回転位置検出系38、および直動位置検出系39と接続されてこれらとの間で所定の信号を授受するように構成されている。また、フォーマッタ30Bは、上述のように、原板D上における位置情報と、予め設定されている上述の第1および第2遅延指定信号とを、対応付けて記憶しているところ、当該第1および第2遅延指定信号を共通のクロック信号と共に遅延回路34A,34Bに出力し、これにより、偏向器14Aの第1状態から第2状態への変化のタイミングと偏向器14Bの第1状態から第2状態への変化のタイミングとの時間差を変化させ、電子ビームパルスBpのデューティ比を調節する機能を有する。このようなフォーマッタ30Bは、電子ビームパルスBpのデューティ比を調節するための、本発明におけるデューティ比制御手段を構成する。
電子ビーム描画装置X1によるパターン描画過程においては、スピンドルモータ23の稼働により回転ステージ22を回転駆動させ且つ直動用モータ25の稼働により直動ステージ24を並進駆動させることによって、原板Dを回転させ且つ並進移動させる。原板Dの回転速度および送り速度は描画目的のパターンに応じて設定する。この状態で、描画予定箇所ごと又は単一の描画予定箇所内の各部位ごとにデューティ比が調節された、露光用の電子ビームパルスBpを発生させ、当該電子ビームパルスBpを図2に示すように原板Dに対して照射する。具体的には、電子銃12から定常的に電子ビームBを出射し、集光レンズ13により当該電子ビームBを集束させ、偏向器14A〜14Cおよび絞り板15の協働により、原板Dにおける描画予定箇所に応じて或は単一の描画予定箇所内の各部位に応じてデューティ比を適当に調節しつつ電子ビームパルスBpを絞り板15の図中下方に発生させ、発生した電子ビームパルスBpを偏向器14Dにより適宜偏向させ、対物レンズ16およびフォーカスレンズ17の協働により当該電子ビームパルスBpを集束させて原板Dのレジスト膜に照射する。図2においては、図の簡略化の観点より、電子ビームBおよび電子ビームパルスBpを直線および破線で表し、また、電子ビーム描画装置X1については電子銃12、偏向器14A〜14D、および絞り板15以外を省略する。
このような描画過程においては、制御計算機30Aからフォーマッタ30Bを介して遅延回路34A,34Bおよび偏向器駆動回路33Cに、例えば図3(a)に示すようなクロック信号C(例えば100MHz)が送られる。
フォーマッタ30Bから遅延回路34Aには、クロック信号Cに加えて、描画予定箇所に応じて或は単一の描画予定箇所内の各部位に応じて予め設定されている第1遅延指定信号が送られ、遅延回路34Aは、当該遅延指定信号に従ってクロック信号Cを遅延させて偏向器駆動回路33Aに出力する。偏向器駆動回路33Aは、遅延回路34Aからのクロック信号に同期して、例えば図3(b)に示すような周期的(例えば100MHz)な矩形電圧波形を偏向器14Aに印加する。本実施形態では、偏向器14Aは、当該矩形電圧波形における高電圧レベルにおいて、上述の阻止電界を発生する第1状態にあり、また、0Vのレベルにおいて、上述の阻止電界を発生しない第2状態にある。このように、偏向器14Aは、第1状態から第2状態に一定周期(例えば100MHz)で変化する。
フォーマッタ30Bから遅延回路34Bには、クロック信号Cに加えて、描画予定箇所に応じて或は単一の描画予定箇所内の各部位に応じて予め設定されている第2遅延指定信号が送られ、遅延回路34Bは、当該遅延指定信号に従ってクロック信号Cを遅延させて偏向器駆動回路33Bに出力する。本実施形態では、遅延回路34Bによるクロック信号の遅延時間は、遅延回路34Aによるそれよりも長い。偏向器駆動回路33Bは、遅延回路34Bからのクロック信号に同期して、例えば図3(c)に示すような周期的(例えば100MHz)な矩形電圧波形を偏向器14Bに印加する。本実施形態では、偏向器14Bは、当該矩形電圧波形における高電圧レベルにおいて、上述の阻止電界を発生する第1状態にあり、また、0Vのレベルにおいて、上述の阻止電界を発生しない第2状態にある。このように、偏向器14Bは、第1状態から第2状態に、第1偏向器と同じ周期(例えば100MHz)で且つ異なるタイミングで変化する。
フォーマッタ30Bから偏向器駆動回路33Cには、クロック信号Cに加えて、原板D上の位置に応じて予め設定されているオン/オフ指定信号が送られ、偏向器駆動回路33Cは、所定のタイミングで、例えば図3(e)に示すような阻止電界発生用の電圧を、偏向器14Cに印加する。
以上のような制御手法においては、偏向器14Aが第2状態にあり且つ偏向器14Bが第2状態にあるとき、図3(d)に示すように、電子ビームパルスBpは潜在的に発生し得る。そして、更に偏向器14Cがオン状態(阻止電界非発生状態)にあるときに、絞り板15の絞り孔15aを電子ビームBが通過して、図3(f)に示すように電子ビームパルスBp(例えば100MHz)が実際に発生する。これとともに、遅延回路34A,34Bによるクロック信号Cの遅延時間の差を調整することにより、偏向器14Aの第1状態から第2状態への変化のタイミングと偏向器14Bの第1状態から第2状態への変化のタイミングとの時間差Tを変化させ、電子ビームパルスBpのデューティ比(パルス幅時間/パルス間隔時間)が調節される。デューティ比は、パターン幅、パターン形状、近隣のパターン密度などに応じて、例えば、原板Dのレジスト膜に対する電子ビーム照射によるドーズ量が描画パターン全体にわたって一定となるように調節する。
電子ビーム描画装置X1においては、2つの偏向器14A,14Bを個々に制御することにより電子ビームBのパルス化と電子ビームパルスBpのデューティ比調節とを実行することができる。具体的には、上述の阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に一定周期で変化するように偏向器14Aを作動させ、且つ、同じく阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に偏向器14Aと同じ周期で且つ異なるタイミングで変化するように偏向器14Bを作動させることにより、電子ビームBをパルス化することができ、また、各偏向器14A,14Bにおける第2状態への変化のタイミングの時間差Tを変化させることにより、電子ビームパルスBpのデューティ比を調節することができる。電子ビーム描画装置X1によると、このようなデューティ比調節について、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに、描画パターンに応じて動的かつ高速に制御することができる。
電子ビーム描画装置X1においては、更に、電子ビームBのパルス化と電子ビームパルスBpの発生の有無の切り換えとを個々に制御することができる。具体的には、電子ビームのパルス化については、上述のように、デューティ比が調節されつつ2つの偏向器14A,14Bの作動により実行することができるのに対し、電子ビームパルスBpの発生の有無の切り換えについては、偏向器14A,14Bとは別個の偏向器14C(スイッチング手段)により実行することができる。
以上のように、電子ビーム描画装置X1によると、2つの偏向器14A,14Bを個々に制御することにより電子ビームBのパルス化と電子ビームパルスBpのデューティ比調節とを実行することができるとともに、電子ビームBのパルス化と電子ビームパルスBpの発生の有無の切り換えとを個々に制御することができ、そのため、デューティ比調節に関し、装置の制御系に対して過度の負担を課さずに、描画パターンに応じて動的かつ高速に制御することができる。したがって、電子ビーム描画装置X1においては、複雑なパターンを描画する際に原板回転速度に応じて実効電子ビーム電流を高速に変化させることが可能なのである。このような電子ビーム描画装置X1は、微細で複雑なパターンを高精度に描画するのに適している。
電子ビーム描画装置X1による上述のようなパターン描画は、描画時間の短縮化の観点より、いわゆるゾーンCAV方式で行うのが好ましい。ゾーンCAV方式では、原板D上においてパターン描画の対象となる全ての領域は、例えば図4に示すように複数の円環領域A1〜ANに区分され、円環領域A1〜ANの各々において、原板Dの回転速度および送り速度について異なる条件でCAV方式パターン描画が実行される。図4では、図の明確化の観点より、原板D上においてパターン描画の対象でない領域に斜線ハッチングを付す。
一方、原板D上におけるパターン描画対象の全領域にわたって回転速度一定および送り速度一定のCAV方式でパターン描画を実行する場合、描画領域の最内周においては、原板Dの周速が最小となるので電子ビームパルスBpのデューティ比を最少に設定し、且つ、描画領域の最外周においては、原板Dの周速が最大となるので電子ビームパルスBpのデューティ比を最大に設定する必要がある。そのため、例えば、描画領域の最外周の半径が最内周の半径の2倍であって電子ビームパルスBpのデューティ比を最外周で50%に、最内周で25%に設定すると、描画領域全体に対する平均的な電子ビームパルスBpのデューティ比は37.5%であり、電子ビーム電流の利用効率は比較的低く、従って、描画時間が増大してしまう。
これに対し、ゾーンCAV方式によると、小さな円環領域ほど原板Dの回転速度および送り速度を大きく設定するとともに電子ビームパルスBpのデューティ比を大きく設定することが可能であり、従って、電子ビーム電流の利用効率を向上させて描画時間を短縮化することが可能なのである。
図5は、電子ビーム描画装置X1を使用して行うゾーンCAV方式の電子ビーム描画方法の一例を表す。図5の(a)〜(d)は、各々、原板Dの部分平面図を、当該原板Dの径方向に沿った仮想的な固定スケールSと共に表す。
本電子ビーム描画方法においては、まず、図5(a)に示すように、最も内周側の円環領域A1についてパターン描画を実行する(描画工程)。具体的には、スピンドルモータ23および直動用モータ25の稼働により原板Dを所定の回転速度(第1回転速度)で回転させ(回転方向を図5(a)〜(d)の右端に示す)且つ所定の送り速度(第1送り速度)で矢印R’方向に並進移動させた状態で、上述のように露光用の電子ビームパルスBpを発生させ、当該電子ビームパルスBpを原板D上に照射する。このとき、電子ビームパルスBpについては、上述のようにして、描画予定箇所の位置や形状等に応じてデューティ比を調節する。原板Dの表面における電子ビームパルスBpの照射箇所については○で示す。また、図の簡潔化の観点より、原板D上に形成されたパターン(潜像)については省略する。
次に、円環領域A1内のパターン描画が終了して電子ビームパルスBpの照射箇所または照射目標箇所が図5(b)に示すように円環領域A1の最外周(即ち円環領域A1,A2間の境界)に至ったとき、偏向器14C(スイッチング手段)の作動により電子ビームパルスBpの発生を停止した状態で、原板Dの回転速度および送り速度が第2回転速度および第2送り速度になるように、スピンドルモータ23および直動用モータ25の駆動態様を変更する(待機工程開始)。照射目標箇所とは、仮に偏向器14Cがオン状態あるならば電子ビームパルスBpが照射される箇所であり(実際には偏向器14Cがオフ状態であるために電子ビームパルスBpは照射されない)、偏向器14Dに生ずる電界を調節することにより位置制御される。照射目標箇所については×で示す。
この後、原板Dの回転速度が第2回転速度に安定し且つ送り速度が第2送り速度に安定するまで、図5(c)に示すように、電子ビームパルスBpの発生を停止した状態で待機する(待機工程)。本工程では、原板Dは回転しながら矢印R’方向に変位し続ける。このとき、原板D上における電子ビームパルスの照射目標箇所を偏向器14Dの作動により円環領域A1および円環領域A2の境界に固定しておく。偏向器14Dに生ずる電界を調節して電子ビームパルスBpの潜在的な偏向角度を調整することにより、照射目標箇所を円環領域A1および円環領域A2の境界に固定することができる。
次に、原板Dの回転速度が第2回転速度に安定し且つ送り速度が第2送り速度に安定した後、図5(d)に示すように、円環領域A2についてパターン描画を実行する(描画工程)。具体的には、原板Dを第2回転速度で回転させ且つ第2送り速度で矢印R’方向に並進移動させた状態で、露光用の電子ビームパルスBpを発生させ(即ち、スイッチング手段である偏向器14Cをオン状態とし)、当該電子ビームパルスBpを原板D上に照射する。このとき、電子ビームパルスBpについては、描画予定箇所の位置および形状等に応じてデューティ比を調節する。
この後、上述のような待機工程および描画工程を繰り返すことにより、残りの円環領域A3〜ANに対するパターン描画を実行する。本発明においては、上述のように原板D上における内周側(円環領域A1)から外周側(円環領域AN)にかけて順次描画工程を実行するのに代えて、外周側(円環領域AN)から内周側(円環領域A1)にかけて順次描画工程を実行してもよい。
このような電子ビーム描画方法では、描画対象領域が隣接円環領域に移行するにあたり、待機工程にて、原板Dの回転速度が第2回転速度に安定し且つ原板Dの送り速度が第2送り速度に安定するまで、偏向器14C(スイッチング手段)により電子ビームパルスBpの発生を停止した状態で待機することができる。そして、回転速度および送り速度が安定した後に、新たな円環領域について描画工程を実行することができる。描画すべきパターンが微細であるほど、原板Dの回転速度や送り速度が安定していない状態で電子ビームパルスを原板に照射して描画を実行すると、描画パターンの形状および位置等についての精度が低下しやすいところ、本方法では、上述のような待機工程を経た後に新な描画工程に移行するため、描画すべきパターンが微細であっても、新たな円環領域における境界の付近に描画されるパターンの形状および位置等について、微細パターンであることに起因する精度低下を適切に抑制することができる。また、本方法の待機工程において電子ビームパルス照射目標箇所を円環領域の境界に固定することは、描画パターンの連続性を確保するうえで好適である。
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
(付記1)電子ビームを出射するための電子銃と、
描画対象を支持して当該描画対象を回転させることが可能かつ並進移動させることが可能な可動ステージと、
前記電子銃からの電子ビームをパルス化して前記描画対象に向けて電子ビームパルスを発生させるためのパルス化手段と、
前記電子ビームパルスのデューティ比を調節するためのデューティ比制御手段と、
前記パルス化手段による前記電子ビームパルスの発生の有無を切り換えるためのスイッチング手段と、を備え、
前記パルス化手段は、開口部を有する絞り板と、前記電子銃および前記絞り板の間に位置し且つ前記電子銃からの前記電子ビームが前記開口部を通過しないように当該電子ビームを偏向するための阻止電界を各々が発生可能な第1偏向器および第2偏向器と、を有し、
前記第1偏向器は、前記阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、一定周期で変化し、
前記第2偏向器は、前記阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、前記第1偏向器と同じ周期で且つ異なるタイミングで変化し、
前記電子ビームパルスは、前記第1偏向器が前記第2状態にあり且つ前記第2偏向器が前記第2状態にあるときに前記絞り板の前記開口部を通過した電子ビームからなり、
前記デューティ比制御手段は、前記第1偏向器の前記変化のタイミングと前記第2偏向器の前記変化のタイミングとの差を変化させることにより、前記電子ビームパルスの前記デューティ比を調節する、電子ビーム描画装置。
(付記2)前記パルス化手段は、クロック信号に同期して前記第1偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第1電圧印加手段と、クロック信号に同期して前記第2偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第2電圧印加手段と、クロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて前記第1電圧印加手段に出力するための第1遅延回路および/またはクロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて前記第2電圧印加手段に出力するための第2遅延回路と、を更に有する、付記1に記載の電子ビーム描画装置。
(付記3)前記デューティ比制御手段は、前記第1遅延回路による遅延時間および/または前記第2遅延回路による遅延時間を調整する、付記2に記載の電子ビーム描画装置。
(付記4)前記スイッチング手段は、前記電子銃および前記絞り板の間に位置し且つ前記電子銃からの前記電子ビームが前記開口部を通過しないように当該電子ビームを偏向するための阻止電界を発生可能な第3偏向器よりなる、付記1から3のいずれか一つに記載の電子ビーム描画装置。
(付記5)電子ビームを出射するための電子銃と、
描画対象を支持して当該描画対象を回転させることが可能かつ並進移動させることが可能な可動ステージと、
前記電子銃からの電子ビームをパルス化して前記描画対象に向けて電子ビームパルスを発生させるためのパルス化手段と、
前記電子ビームパルスのデューティ比を調節するためのデューティ比制御手段と、
前記パルス化手段による前記電子ビームパルスの発生の有無を切り換えるためのスイッチング手段と、を備える電子ビーム描画装置により、描画対象に対してパターンを描画するための方法であって、
前記可動ステージにより前記描画対象を第1回転速度で回転させ且つ第1送り速度で並進移動させつつ前記電子ビームパルスの照射により当該描画対象における第1円環領域にパターンを描画するための第1描画工程と、
前記スイッチング手段により前記電子ビームパルスの発生を停止した状態で、前記可動ステージによる前記回転の速度を変更し且つ前記並進移動の速度を変更し、回転速度が第2回転速度になり且つ並進速度が第2送り速度になるまで待機するための待機工程と、
前記可動ステージにより前記描画対象を前記第2回転速度で回転させ且つ前記第2送り速度で並進移動させつつ前記電子ビームパルスの照射により当該描画対象における第2円環領域にパターンを描画するための第2描画工程と、を含む、電子ビーム描画方法。
(付記6)前記電子ビーム描画装置は、前記絞り板および前記描画対象の間に位置して前記電子ビームパルスを偏向するための偏向器を更に備え、前記待機工程では、前記描画対象上における電子ビームパルス照射目標箇所を前記偏向器により前記第1円環領域および前記第2円環領域の境界に固定する、付記5に記載の電子ビーム描画方法。
本発明に係る電子ビーム描画装置を表す。 図1の電子ビーム描画装置における電子ビームパルス照射を表す。 図1の電子ビーム描画装置における電子ビームパルスの発生とデューティ比調節の手法を表す。 本発明に係るゾーンCAV方式での電子ビーム描画方法におけるゾーン区分の一例を表す。 本発明に係るゾーンCAV方式の電子ビーム描画方法の一例を表す。 従来の電子ビーム描画装置の部分構成図である。 図6の電子ビーム描画装置における電子ビーム照射の一例を表す。 図6の電子ビーム描画装置における電子ビーム照射の他の例を表す。
符号の説明
X1,X2 電子ビーム描画装置
12,61 電子銃
14A〜14D,65 偏向器
15,64 絞り板
15a,64a 絞り孔
22 回転ステージ
24 直動ステージ
30A 制御計算機
30B フォーマッタ
33A〜33D 偏向器駆動回路
34A,34B 遅延回路
38 回転位置検出系
39 直動位置検出系
B,69 電子ビーム
Bp,69a,69b 電子ビームパルス
D,68 原板

Claims (3)

  1. 電子ビームを出射するための電子銃と、
    描画対象を支持して当該描画対象を回転させることが可能かつ並進移動させることが可能な可動ステージと、
    前記電子銃からの電子ビームをパルス化して前記描画対象に向けて電子ビームパルスを発生させるためのパルス化手段と、
    前記電子ビームパルスのデューティ比を調節するためのデューティ比制御手段と、
    前記パルス化手段による前記電子ビームパルスの発生の有無を切り換えるためのスイッチング手段と、を備え、
    前記パルス化手段は、開口部を有する絞り板と、前記電子銃および前記絞り板の間に位置し且つ前記電子銃からの前記電子ビームが前記開口部を通過しないように当該電子ビームを偏向するための阻止電界を各々が発生可能な第1偏向器および第2偏向器と、を有し、
    前記第1偏向器は、前記阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、一定周期で変化し、
    前記第2偏向器は、前記阻止電界を発生する第1状態から発生しない第2状態に、前記第1偏向器と同じ周期で且つ異なるタイミングで変化し、
    前記電子ビームパルスは、前記第1偏向器が前記第2状態にあり且つ前記第2偏向器が前記第2状態にあるときに前記絞り板の前記開口部を通過した電子ビームからなり、
    前記デューティ比制御手段は、前記第1偏向器の前記変化のタイミングと前記第2偏向器の前記変化のタイミングとの差を変化させることにより、前記電子ビームパルスの前記デューティ比を調節する、電子ビーム描画装置。
  2. 前記パルス化手段は、クロック信号に同期して前記第1偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第1電圧印加手段と、クロック信号に同期して前記第2偏向器に周期的な矩形電圧波形を印加するための第2電圧印加手段と、クロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて前記第1電圧印加手段に出力するための第1遅延回路および/またはクロック信号が入力され且つ当該クロック信号を遅延させて前記第2電圧印加手段に出力するための第2遅延回路と、を更に有する、請求項1に記載の電子ビーム描画装置。
  3. 前記デューティ比制御手段は、前記第1遅延回路による遅延時間および/または前記第2遅延回路による遅延時間を調整する、請求項2に記載の電子ビーム描画装置。
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