JP2004227706A - 電子ビーム露光方法およびその露光装置、ならびに光ディスク原盤の製造方法および情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピット長に関係なく、常にピット幅が変化しない電子ビーム露光方法を提供する。
【解決手段】所定速度で回転する原盤13に対して電子ビーム5をON/OFFしながら照射することで原盤13表面のレジスト膜に複数段階の面積を有するピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、原盤13の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをONにする期間をTonとした時、Ton<2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光する。
【選択図】 図1
【解決手段】所定速度で回転する原盤13に対して電子ビーム5をON/OFFしながら照射することで原盤13表面のレジスト膜に複数段階の面積を有するピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、原盤13の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをONにする期間をTonとした時、Ton<2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体の原盤を作成するために使用する電子ビーム露光方法および露光装置、この電子ビーム露光方法を使用した原盤の製造方法、さらにこの製造方法による原盤を使用して作成した情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクにおいては、渦巻状又は同心円状のトラック上に、2値のデジタルデータが、エンボス加工等による凹凸のピット(ROMディスク)や無機・有機記録膜への穴形成(追記型ディスク)・結晶状態の違い(相変化ディスク)などによって記録されている。これらの記録データを再生する際には、トラック上にレーザビームを照射して、その反射光の強度差等を検出することによって再生信号を得る。そして得られた再生信号から、例えば一定のしきい値と比較判断することにより、2値のデータを検出している。
【0003】
CD,CD−ROM,DVD−ROM等のようなROMディスクは、原盤に形成された凹凸のピットを、成形板に転写することにより、安価に大量に作成でき、配布用として使用される。原盤の凹凸ピットは、ガラス基板等の上にレジストを形成し、これにレーザー光を照射して潜像を形成し、現像して形成される。
【0004】
CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD+RW等のような追記型ディスク、相変化ディスク等の記録可能ディスクは、トラッキングのための案内溝等がROMディスクと同様な方法で形成された原盤から、案内溝等を成形板に転写し、この上に無機・有機記録膜等の記録材料を付与することによって作成され、記録再生装置(CD−Rドライブ等)によって情報が記録される。
【0005】
ROMディスクと、追記型ディスク・相変化ディスク等の記録可能ディスク、すなわち、CD−ROMとCD−R、DVD−ROMとDVD−Rの関係と同様に、記録ドライブで記録された記録可能ディスクは、ROMディスクと同様に再生されることが要求される。これは、記録可能ディスクとROMディスクが同様なフォーマットによって記録され、かつ再生される信号も記録可能ディスクとROMが略等しいことにより、達成される。
【0006】
上記CD−R等では、記録ドライブで、アドレス情報がwobbleとして記録された案内溝の中に、ROMのピットと同様な再生信号になる記録ビットを形成することによって、実現している。また、ROMディスクの一部に記録可能領域を有し、ROM領域と記録可能領域を併せ持つタイプの光ディスク(パーシャルROMと呼ばれる)も提案されている。
【0007】
このような光ディスクにより、大量生産されるROMデータの更新、あるいは記録ドライブの制御ソフトを有する記録メディアが実現できる。また、パーシャルROMも、記録可能領域とROM領域を同様なフォーマットで同様な信号とし、この2つの領域を1枚のディスク上に分けて形成すれば、一部に情報データを記録した後の記録可能ディスクと同じように記録再生できる。
【0008】
ところで、近年、画像、映像等の高精度化に伴うデータ容量の増加に対応するために、情報記録媒体の容量を増加させる必要が生じている。容量を増加させる方法の一つとしては、案内溝とかピットを微細化する方法がある。しかし、従来、原盤の露光に使われてきたレーザー光は、波長と集光レンズ等によって集光ビーム径が決まるため、DeepUVレーザーを使用してもビーム径0.25μm以下は困難で、パターン幅は0.15μm程度が限界である。そこで、新たな光源として、0.01μm以下のビーム径が得られる電子ビームを使用した原盤露光装置が提案されている。
【0009】
図10は一般的な電子ビーム露光装置の構成を示す側面図であり、1は鏡筒、2は試料室、4は電子銃、5は電子ビーム、6はコンデンサレンズ、7はフォーカスレンズ、8は対物レンズ、9はブランキング電極、10は絞り、11は偏向器、12はモータ、13は原盤、14は回転ステージ、15は直動ステージ、16はブランキングドライバー、17はフォーマッター、18は偏向器ドライバー、19はWobble信号発生器、fはON/OFF信号、gはフォーマット信号を示す。
【0010】
電子ビームは、10−5以下の真空度にされた鏡筒1内の電子銃4から発生した電子ビーム5を電磁レンズ6で収束させた後に絞り10を通す。この収束位置で間欠的にブランキング電極9によってフォーマッター17からの信号にしたがって電子ビームを高速に偏向させ、絞り10により電子ビームのON/OFFを行う。この電子ビームを対物レンズ8によって収束させて原盤13に照射する。原盤13は回転ステージ14と直動ステージ15とによって半径方向に一定ピッチで動かしながら線速一定になるように回転させられることにより、電子ビームが原盤13上に螺旋状に照射される。これにより、電子ビームを連続的に照射した場合には、螺旋状に案内溝21(図11参照)が形成され、電子ビームを間欠的に照射した場合には螺旋状にピットが形成される。案内溝、ピットをwobbleする必要がある場合には、偏向器11によりwobble信号発生器19のフォーマットにしたがって、電子ビームを周期的に偏向することにより、wobbleさせることができる。
【0011】
このように電子ビーム露光装置は、容易に0.01μm以下に集光できる電子ビームを光源としているので、容易に、0.1μm以下のピットも形成できるという長所がある。その一方で、レーザー光におけるA/O変調器(acousto−optic modulator)のようにビーム強度を高速に変える手段がないため、レーザー露光でのように、案内溝、ピット幅を自由に変更することはできないという短所がある。
【0012】
同様な装置としては、半導体用のマスク露光等で使用される電子ビーム描画装置がある。この電子ビーム描画装置は、上記情報記録媒体用の電子ビーム露光装置が回転+直動ステージから構成されるのに対し、xyステージから構成される。電子ビームの偏向器11も、xy方向の2軸(図10の左右方向がx軸、図10に対し垂直な方向がy軸)が用いられる。ビーム停止状態での電子ビームの照射と、ブランキング電極により電子ビームを切った状態での、偏向器による移動を繰り返すことにより所定のパターンを原盤13上に照射する。
【0013】
前記電子ビーム描画装置においては、電子ビーム強度を可変する手段は有しないが、照射時間の調整により、単位面積あたりの照射量(露光量)を可変できる。同様に、電子ビームの露光装置においても線速度を変えれば、露光量は可変できるが、線速度の変更には、最低でも回転ステージ14が数回転するだけの時間を必要とし、高速には変更できない。
【0014】
なお、電子ビーム露光装置において、露光量を可変する従来例としては、特許文献1,2に記載されたものがある。特許文献1によれば、パターン幅を変えるために、円周方向に電子ビームを偏向させて部分的に線速度を変え、単位面積あたりの電子ビーム照射量(露光量)を変える点について記載されている。特許文献2によれば、目的は異なるが、円周方向に電子ビームを偏向させて露光量を増やしている点について記載されている。
【0015】
また、情報記録媒体の容量を増加させるもう一つの方法として、2値データではなく3値以上の多値データを記録する方法が考えられている。
【0016】
図11は3値以上の多値データを記録する多値記録ディスクにおける表面の拡大図、図12は3値以上の多値データ記録の概念図であり、20は情報記録媒体、21は案内溝、22はセル、23は再生ビーム、24は記録ビット、25はPC基板を示す。図11,図12は相変化ディスクの記録ビット24の大きさを変えることにより1つの記録ビットで8値データを得ているものを示すものである。
【0017】
案内溝21が形成されたPC基板25には、記録材料、反射膜、保護膜等が形成され、情報記録媒体20が作られる。この情報記録媒体20に記録ドライブにより集光したレーザー光を照射することによって記録ビット24が形成される。
【0018】
記録ビット24は、案内溝21に一定面積(以下、この一定面積の領域をセル22と称する)ごとに1つずつ大きさを変えて形成される。この情報記録媒体20を再生装置で再生すると、RF信号は、図12に示すように、記録ビット24の大きさにしたがって、反射光量が変化し、この反射光量にしたがってレベルに変換され、情報が再生される。この場合、各セルで0〜7の値を表現できるので、従来の0〜1に比べ多くの情報が記録できる。同様に、予め情報を露光装置で記録したROMディスクにおいても、ピットの大きさを変えることにより1つのピットで多値データを記録することにより、飛躍的に記録できる情報量を増やせる。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−6509号公報
【特許文献2】
特開2000−315637号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、レーザーによる原盤の露光では、集光ビーム径により形成できるパターンサイズが制限され、記録できる情報量が制限されてしまい、記録容量の増大を図ることができない。この点に対する解決策としては電子ビームによる露光が有効であるが、電子ビーム露光装置は、電子ビームの強度を変調する手段を有しないため、面内の露光量を変えられない問題がある。
【0021】
ところが、露光に多大な時間を要する電子ビーム露光では、内周と外周では、露光されてから現像までの時間が異なること、露光時の熱の影響が内周と外周付近では異なること、レジスト膜厚の内外差、原盤の移動による、電子ビームの変動等の原因で、均一な溝が形成されない、といった問題点があった。また、原盤によっては、成形時に最外周での転写が不十分になるのを補正する目的で最外周の案内溝等を深く(すなわちレジスト膜厚を厚く)する場合があり、この場合には当然、均一なビームを照射すると、均一な溝が形成されない。このような不均一性を従来のレーザー露光においては内外のレーザー強度を変えて補正していたが、ビーム強度を変えられない電子ビーム露光では補正することができなかった。
【0022】
また、電子ビーム露光では、ピット長を変えたときに、場合によっては、ピット幅が変化してしまう問題があった。
【0023】
また、レーザーのよる原盤の露光では記録容量の増大を図ることができない、という問題点に対する2つめの解決策として、情報の多値記録が有効であるが、電子ビーム露光では、上述したように大きく面積の変化するピットを形成できない問題があった。
【0024】
さらに、特許文献1によれば、パターン幅を変えるために、円周方向にビームを偏向させて部分的に線速度を変え、単位面積あたりの電子ビーム照射量を変えている。しかし、この円周方向にビームを偏向させる方法では、連続的に電子ビームを照射する案内溝の露光には適用できない。また、円周方向にビームを偏向させるので、パターン長さの制御が困難であった。特許文献2においても、円周方向にビームを偏向させて露光量を変えているので、特許文献1と同じ問題を有する。
【0025】
本発明は、このような問題点を解決するために考えられたものであり、ピット長に関係なく、常にピット幅が変化しない電子ビーム露光方法、露光量を可変できる電子ビーム露光装置、パターン幅を制御可能な原盤の製造方法および均一な信号特性を有する情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することによって、前記基板表面のレジスト膜に一定幅のピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton≧2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法において、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV以上に設定することによってピット幅が全面均一になるように露光することができる。
【0027】
請求項2に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することで当該基板表面のレジスト膜に複数段階の面積を有するピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton<2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法において、全ての長さのピットに対応させるために、露光する際の露光時間を2*D/LV未満に設定することにより、露光時間の制御によってピット長さと幅を同時に変化させることができる。よって露光するパルス幅の制御だけで、多値データを記録するのに必要な微小なピットから大きなピットまで形成できる。
【0028】
請求項3に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する電子ビーム露光方法において、電子ビームを高速でオン/オフし、オン/オフのデューティ比を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難である電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量が可変にできるようになる。
【0029】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、電子ビームをオン/オフする周波数Fを、電子ビーム径D、電子ビームの基板に対する線速度LVとしたときに、F≧LV/Dとすることを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難な電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変にでき、かつ変動のない電子ビーム照射量が得られる。
【0030】
請求項5に係る発明は、原盤を回転させながら、原盤に電子ビームを照射してパターンを描画する電子ビーム露光装置であって、原盤を回転させる回転ステージ機構と、原盤を半径方向に移動させる直動ステージ機構と、回転ステージ機構と直動ステージ機構に所定線速になるように制御する機構と、前記原盤に収束した電子ビームを照射する機構と、電子ビームをオン/オフする機構と、電子ビームを一定周波数でオン/オフする高周波信号発生機構と、電子ビームをオン/オフする高周波信号のデューティ比を可変する機構を有することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難である電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変にでき、かつ変動のない電子ビーム照射量が得られる。
【0031】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記原盤に描画するパターンを発生する露光信号発生装置と、この露光信号発生装置から出力されるフォーマッター信号と前記高周波信号発生機構からの出力信号のアンドを取るアンド手段を有することを特徴とする。このように構成したことにより、パターン毎に、露光量を変えることができるので、パターン毎に単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変に、案内溝だけではなく、ピット幅も可変可能になる。
【0032】
請求項7に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する工程と、前記描画したレジスト膜に対して現像処理を行う工程とを備えた光ディスク原盤の製造方法において、予め設定した半径毎の電子ビーム量データを基に、請求項4記載の電子ビーム露光方法によって電子ビーム量を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を半径ごとに可変することを特徴とする。このように構成したことにより、半径位置ごとに露光量を設定できるので、案内溝幅を全面均一になるように露光量補正を行ったり、内外の案内溝幅を変化させることができる。
【0033】
請求項8に係る発明は、請求項7記載の光ディスク原盤の製造方法により作成された原盤より製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、内外差のない信号特性を有する情報記録媒体が作成できる。
【0034】
請求項9に係る発明は、トラックに沿って螺旋状に連続して形成された記録ビットパターンにより2値の情報を記録する光情報記憶媒体において、請求項1記載の電子ビーム露光方法で露光された原盤よって製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、ピット長に関係なく常に一定幅のピットが得られるので、ピット長による振幅差が抑えられ、ジッタの小さい情報記録媒体が得られる。
【0035】
請求項10に係る発明は、一定面積を持つ2次元領域からなるセルが螺旋状にトラックに沿って連続して仮想的に存在し、1つのセル内に形成されたピットパターンからの反射光量を変化させることによって3値以上のデジタルデータを記録した光情報記憶媒体において、請求項2記載の露光方法で露光された原盤より製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、1つのピットで多値のデータを記録できる多値記録ROMを、微細なパターンを形成できる電子ビーム露光で実現したので、飛躍的に大きな情報量を記録で情報記録媒体が得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、電子ビーム露光でのパターン特性について説明する。なお、電子ビーム露光装置は図10に示した構成と同様である。
【0038】
図13(a)は、ビーム径50nm、加速電圧20KVで、ピッチ0.4μmの案内溝を形成した場合のパターン幅と露光量の関係を示す特性図であり、露光量は、案内溝の幅が0.1μmになる露光量を1とした相対値で示している。
【0039】
レーザービームによる露光では、形成される溝幅がビーム径を越えると露光量を増やしても溝幅は増加しなくなる(飽和する)が、電子ビーム露光では、図13(a)に示すように、ビーム径0.05μmでも露光量の増加とともに、幅はリニアに延々と増加する。したがって、電子ビーム露光では、露光量によって広範囲の幅を有するパターンを形成できる。しかし、電子ビーム露光では、ビーム強度を可変にできないため、この特性を使用してビーム強度によって溝幅を可変にすることはできない。唯一線速度を可変することにより、単位面積あたりの露光量を可変して、パターン幅を変化させることができる。
【0040】
また、図13(b)は、ビーム径25nm、線速度1m/sで20nsec露光した場合の平均の露光量を示す分布図である。基板を回転させながら電子ビームを照射する電子ビーム露光では、露光中常に電子ビームが移動するので非常に短時間の露光でも、半径方向より円周方向に少し長い楕円パターンが露光されることがわかる。
【0041】
次に、本発明の第1の実施形態の露光方法について説明する。電子ビームを、線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とした時、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFすると、図2(b)のように、露光量は変動しない。このときに、上記ON/OFFの周波数のDuty比を可変にすると、図2(a)のように露光量が変化することがわかる。このように、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFするとともに、ON/OFFの周波数のDuty比を可変にすることにより、ビーム強度を変えることなく露光量を可変にできる。
【0042】
図1(a)は第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の構成を示す説明図であり、30はDuty可変回路、31は発信回路、32は遅延回路、33はセレクター、34はOR回路、35は高周波信号発生機構、36はAND回路、bは高周波パルス、cは遅延信号、dは高周波信号、eはDuty制御信号を示す。なお、図10に示す従来の電子ビーム露光装置における部材と同一の部材については同一の符号を付して、詳細な説明は省略した。
【0043】
鏡筒1内に設けられた電子ビームの発生機構および照射機構、ならびにモータ12,回転ステージ14,直動ステージ15を備えた原盤13の駆動機構等は、図10に示した部材と同様である。電子ビームをON/OFFする機構は、周波数LV/D以上の高周波信号dを生成する高周波信号発生機構35と、ブランキング電極9と絞り10とブランキングドライバー16からなり、高周波信号dにしたがって電子ビーム5をON/OFFするブランキング機構から構成される。そして、線速度一定に回転する原盤13に電子ビーム5を高速にON/OFFしながら照射する。
【0044】
高周波信号発生機構35は、高周波パルスbを発生する発振回路31と、高周波パルスbのDuty比をDuty制御信号eにしたがって可変にするDuty可変回路30から構成される。Duty可変回路30は、高周波パルスbを遅延させる複数の遅延回路32(図1では、DLY1,DLY2,…,DLYn)と、所定の遅延量の信号をDuty制御信号eに従って選択するセレクター33と、遅延信号cと高周波パルスbのORを取って高周波パルスbのDuty比を変えるOR回路34からなる。
【0045】
図1(b)は、高周波パルスb、遅延信号c、高周波信号dのタイミングチャートであり、遅延量(Dely量)の分だけ高周波信号dにおけるONの期間が長く、OFFの期間が短くなる。各遅延回路32(DLY1,DLY2,…,DLYn)において設定されている遅延量(Dely量)はそれぞれ異なっており、セレクター33の制御により、50%のDuty比を有する高周波パルスのDuty比を、瞬時に50%から100%の間の所定の値に変えることができる。
【0046】
図3は、加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nm、高周波信号周波数50MHzで、Duty比を60%から100%まで2%刻みで可変した場合の、単位面積あたりの露光量を示すグラフである。Duty比80%を基準露光量として露光することにより、±25%の範囲で約0.8μC/cm2刻みで露光量を可変できる。また、このときの露光量の変動量はP−P約1.5%と安定していた。
【0047】
次に、本発明の第1の実施形態における露光方法に基づく原盤の作成方法について説明する。図1(a)に示す電子ビーム露光装置により、電子ビームレジストZEP7000(日本ゼオン製)を塗布した原盤13に対して、ピッチ0.4μm線速度2m/sで全面露光し、現像した。その結果、溝幅分布は図4の補正前のようになった。
【0048】
前述した露光の結果、図4の補正前に示すように溝幅に変動が見られる。この溝幅変動には再現性があり、内外で約0.01μmの溝幅変動が起きた。この点を改善するため、原盤13の外周に行くにしたがってDuty比を大きくして露光量を増加させた。その結果、図4の補正後に示すように、ほぼ均一な溝幅が得られた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成した。この情報記録媒体に情報を記録して再生したところ、内周外周とも同様な再生信号を得ることができた。
【0049】
図5は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の他構成の要部を示す説明図であり、電子ビームの発生機構、照射機構、原盤の駆動機構等は、図10に示す部材と同様である。電子ビームをON/OFFする機構は、周波数LV/D以上の高周波信号dを生成する高周波信号発生機構35と、所定のフォーマットにしたがって露光パターンを決めるフォーマット信号gを生成するフォーマッター17と、この2つの信号のANDを取ってON/OFF信号fを生成するAND回路と、ブランキング電極9、絞り10およびブランキングドライバー16からなり、ON/OFF信号fに従って電子ビーム5をON/OFFするブランキング機構とから構成される。そして、線速度一定に回転する原盤13に電子ビーム5を高速にON/OFFしながら照射する。
【0050】
図5(a)に示すON/OFF信号生成機構を有する電子ビーム露光装置の構成は、露光パターン長ごとにDuty比を切り替えることによって露光量を制御し、露光パターン長ごとにパターン幅を変える機能を設けたものである。
【0051】
図5(b)は、高周波信号d、ON/OFF信号f、フォーマット信号gのタイミングチャートであり、高周波信号dにおいてDuty1の期間におけるDuty比に対して、Duty2の期間におけるDuty比を小さくなるように切り替えている。言い換えれば、Duty1の期間よりもDuty2の期間の方がOFF時間が長く、単位時間あたりのON時間についてはDuty1の期間の方が長い。その結果、図5(c)に示すように、Duty1の期間におけるパターン幅よりもDuty2の期間におけるパターン幅の方が小さくなる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態の露光方法について説明する。
【0053】
図6は、原盤を一定線速度LVで回転させ、ビーム直径(半値幅)Dの一定電流量の電子ビームを照射した時の電子ビームの照射量(露光量)と照射時間の関係を示す特性図である。なお、図6の照射時間は、2*LV/Dを1として、表現している。図6に示すように照射時間が一定値以下になると、露光量は減少することがわかる。
【0054】
電子ビーム露光方法の第2の実施形態は、円周方向に長いピットを、長さと幅の両方を変化させて形成する場合には、照射時間を2*LV/D未満になるように調整し、一定幅を有するピットを形成する場合には、照射時間を2*LV/D以上になるように調整するものである。このように調整することにより、線速度、ビーム強度一定でも、長さと幅の両方を変化させて露光するか、あるいは一定幅を有するピットを形成するように露光できる。
【0055】
図7に示すような2値記録のROMの場合には、最短ピットとそれ以外のピットの振幅に差が少ない方が再生信号のジッタを低減できるので、ピット幅は一定であることが望ましい。よって、2*D/LV nsec以上の照射時間でも所定の長さの最短ピットが形成できるよう、弱いビーム強度で、照射時間を2*D/LV nsec以上にして露光する。
【0056】
多値記録の場合には、セル内のピットの面積を可変する必要があるので、ピット幅が一定では面積を十分に可変することができない。よって、2*D/LV nsec以下の照射時間にすることにより、長さと幅の両方を変化させて露光できる。多値記録媒体は、案内溝21上に、記録ドライブで、セル22内に面積の異なる記録ビット24を形成して、情報を記録する。8値記録の場合、概略、図8(a)に示すように記録ビット24を形成する。多値ROMの場合、情報をピット26で記録するが、記録ドライブで記録された記録ビット24と概略同等な信号が再生されることが望ましいので、図8(b)のようにピットを形成する。この場合、照射時間は、図6の領域aに設定し、短い照射時間でも十分な大きさのピットが形成できるよう、強いビーム強度で露光する。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態における露光方法の第1の具体例について説明する。ここで、使用する電子ビーム露光装置は、図10と同様である。
【0058】
加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nmの電子ビーム露光装置では、露光量40μC/cm2で、2*D/LV=50nsecとなる。EFM(eight−forteen modulation)信号を記録したところ、約0.2μmの最短ピットは、70nsecで形成でき、0.7μmの最長ピットまで0.18μmのほぼ同じ幅のピットが形成できた。
【0059】
このような露光方法を適用して作成された原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、振幅差の小さい良好な再生信号が得られた。
【0060】
なお、比較例として、加速電圧20KV、線速度1m/s、電流量80nA、ビーム径50nmの電子ビーム露光装置では、2*D/LV=100nsecとなり、EFM(eight−forteen modulation)信号を記録したところ、露光量が約2倍の80μC/cm2になるので、約0.2μmの最短ピットは、80nsecで形成できた。その結果、最短ピットとそれ以外のピットでは、約4%露光量が減少し(図6参照)、パターン幅が約0.01μm変化してしまった。
【0061】
また、図5(b),(c)のようにピット部(Duty100%)と、案内溝部(Duty80%)でDuty比を変えることにより、第1の具体例で形成したピットと、幅の異なる案内溝を同一原盤上に露光できた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、ROM領域と記録可能領域を併せ持つパーシャルROMが得られた。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態における露光方法の第2の具体例について説明する。ここで、使用する電子ビーム露光装置は、図10と同様である。
【0063】
加速電圧20KV、線速度1m/s、電流量40nA、ビーム径35nmの電子ビーム露光装置では、露光量82μC/cm2で、2*D/LV=70nsecとなる。ピッチ0.4μm、セル長0.24μmの多値ROMを露光した。その結果、パルス幅70nsecから10nsecまで可変することにより、図8(b)のように、0.22μmのピットから0.07μmのピットを形成することができた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、図8(a)と略同等な再生信号が得られた。
【0064】
また、図9(a),(b)のようにピット部(Duty100%)と、案内溝部(Duty80%)でDuty比を変えることにより、第1の具体例で形成したピットと、幅の異なる案内溝を同一原盤上に露光できた。この原盤13からスタンパを作成し、上述した製造方法と同様に同様に情報記録媒体を作成したところ、ROM領域と記録可能領域を併せ持つパーシャルROMが得られた。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明したように構成された本発明の光ビーム露光方法によれば、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法で、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV以上に設定することにより、ピット幅が全面均一なピットを露光できる。
【0066】
また、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法で、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV未満に設定することにより、露光時間の制御により、ピット長さと幅を同時に変化させることができる。よってピットを露光するパルス幅の制御だけで、多値データを記録するのに必要な微小なピットから大きなピットまで露光できる。
【0067】
また、本発明の光ビーム露光装置によれば、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変できるようになる。
【0068】
また、半径位置毎に露光量を設定できるので、案内溝幅を全面均一になるように露光量補正を行ったり、内外の溝幅を変化させることができる光ディスク原盤の製造方法を提供することが可能になる。
【0069】
また、本発明の情報記録媒体によれば内外差のない信号特性を有する情報記録媒体が作成できる。
【0070】
また、1つのピットで多値のデータを記録できる多値記録ROMを、微細なパターンを形成できる電子ビーム露光で実現したので、飛躍的に大きな情報量を記録で情報記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の構成を示す説明図、図1(b)は図1(a)に示す電子ビーム露光装置における高周波パルスb,遅延信号c,高周波信号dのタイミングチャート
【図2】図2(a)は線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とし、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFする際のON/OFFのDuty比と露光量との関係を示すグラフ、図2(b)は線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とし、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFした時の露光量の変動を示すグラフ
【図3】加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nm、高周波信号周波数50MHzで、Duty比を60%から100%まで2%刻みで可変した場合の単位面積あたりの露光量を示すグラフ
【図4】第1の実施形態における露光方法に基づく原盤の溝幅分布を示すグラフ
【図5】図5(a)は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の他構成の要部を示す説明図、図5(b)は図5(a)に示す電子ビーム露光装置における高周波信号d,ON/OFF信号f,フォーマット信号gのタイミングチャート、図5(c)は図5(b)に示すタイミングの露光によって原盤に形成されるパターンを示す説明図
【図6】原盤を一定線速度LVで回転させ、ビーム直径(半値幅)Dの一定電流量の電子ビームを照射した時の電子ビームの照射量(露光量)と照射時間の関係を示す特性図
【図7】2値記録のROMにおける記録ビットを示す斜視図
【図8】図8(a)は記録可能なディスクにおける記録ビット、図8(b)は多値ROMにおけるピットの大きさを示す説明図
【図9】図9(a)は第2の具体例における高周波信号d,ON/OFF信号f,フォーマット信号gのタイミングチャート、図9(b)は図9(a)に示すタイミングの露光によって原盤に形成されるパターンを示す説明図
【図10】一般的な電子ビーム露光装置の構成を示す側面図
【図11】3値以上の多値データを記録する多値記録ディスクの表面の拡大図
【図12】3値以上の多値データ記録の概念図
【図13】電子ビーム露光におけるパターン特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 鏡筒
2 試料室
4 電子銃
5 電子ビーム
6 コンデンサレンズ
7 フォーカスレンズ
8 対物レンズ
9 ブランキング電極
10 絞り
11 偏向器
12 モータ
13 原盤
14 回転ステージ
15 直動ステージ
16 ブランキングドライバー
17 フォーマッター
18 偏向器ドライバー
19 Wobble信号発生器
30 Duty可変回路
31 発信回路
32 遅延回路
33 セレクター
34 OR回路
35 高周波信号発生機構
36 AND回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク等の情報記録媒体の原盤を作成するために使用する電子ビーム露光方法および露光装置、この電子ビーム露光方法を使用した原盤の製造方法、さらにこの製造方法による原盤を使用して作成した情報記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクにおいては、渦巻状又は同心円状のトラック上に、2値のデジタルデータが、エンボス加工等による凹凸のピット(ROMディスク)や無機・有機記録膜への穴形成(追記型ディスク)・結晶状態の違い(相変化ディスク)などによって記録されている。これらの記録データを再生する際には、トラック上にレーザビームを照射して、その反射光の強度差等を検出することによって再生信号を得る。そして得られた再生信号から、例えば一定のしきい値と比較判断することにより、2値のデータを検出している。
【0003】
CD,CD−ROM,DVD−ROM等のようなROMディスクは、原盤に形成された凹凸のピットを、成形板に転写することにより、安価に大量に作成でき、配布用として使用される。原盤の凹凸ピットは、ガラス基板等の上にレジストを形成し、これにレーザー光を照射して潜像を形成し、現像して形成される。
【0004】
CD−R,CD−RW,DVD−R,DVD+RW等のような追記型ディスク、相変化ディスク等の記録可能ディスクは、トラッキングのための案内溝等がROMディスクと同様な方法で形成された原盤から、案内溝等を成形板に転写し、この上に無機・有機記録膜等の記録材料を付与することによって作成され、記録再生装置(CD−Rドライブ等)によって情報が記録される。
【0005】
ROMディスクと、追記型ディスク・相変化ディスク等の記録可能ディスク、すなわち、CD−ROMとCD−R、DVD−ROMとDVD−Rの関係と同様に、記録ドライブで記録された記録可能ディスクは、ROMディスクと同様に再生されることが要求される。これは、記録可能ディスクとROMディスクが同様なフォーマットによって記録され、かつ再生される信号も記録可能ディスクとROMが略等しいことにより、達成される。
【0006】
上記CD−R等では、記録ドライブで、アドレス情報がwobbleとして記録された案内溝の中に、ROMのピットと同様な再生信号になる記録ビットを形成することによって、実現している。また、ROMディスクの一部に記録可能領域を有し、ROM領域と記録可能領域を併せ持つタイプの光ディスク(パーシャルROMと呼ばれる)も提案されている。
【0007】
このような光ディスクにより、大量生産されるROMデータの更新、あるいは記録ドライブの制御ソフトを有する記録メディアが実現できる。また、パーシャルROMも、記録可能領域とROM領域を同様なフォーマットで同様な信号とし、この2つの領域を1枚のディスク上に分けて形成すれば、一部に情報データを記録した後の記録可能ディスクと同じように記録再生できる。
【0008】
ところで、近年、画像、映像等の高精度化に伴うデータ容量の増加に対応するために、情報記録媒体の容量を増加させる必要が生じている。容量を増加させる方法の一つとしては、案内溝とかピットを微細化する方法がある。しかし、従来、原盤の露光に使われてきたレーザー光は、波長と集光レンズ等によって集光ビーム径が決まるため、DeepUVレーザーを使用してもビーム径0.25μm以下は困難で、パターン幅は0.15μm程度が限界である。そこで、新たな光源として、0.01μm以下のビーム径が得られる電子ビームを使用した原盤露光装置が提案されている。
【0009】
図10は一般的な電子ビーム露光装置の構成を示す側面図であり、1は鏡筒、2は試料室、4は電子銃、5は電子ビーム、6はコンデンサレンズ、7はフォーカスレンズ、8は対物レンズ、9はブランキング電極、10は絞り、11は偏向器、12はモータ、13は原盤、14は回転ステージ、15は直動ステージ、16はブランキングドライバー、17はフォーマッター、18は偏向器ドライバー、19はWobble信号発生器、fはON/OFF信号、gはフォーマット信号を示す。
【0010】
電子ビームは、10−5以下の真空度にされた鏡筒1内の電子銃4から発生した電子ビーム5を電磁レンズ6で収束させた後に絞り10を通す。この収束位置で間欠的にブランキング電極9によってフォーマッター17からの信号にしたがって電子ビームを高速に偏向させ、絞り10により電子ビームのON/OFFを行う。この電子ビームを対物レンズ8によって収束させて原盤13に照射する。原盤13は回転ステージ14と直動ステージ15とによって半径方向に一定ピッチで動かしながら線速一定になるように回転させられることにより、電子ビームが原盤13上に螺旋状に照射される。これにより、電子ビームを連続的に照射した場合には、螺旋状に案内溝21(図11参照)が形成され、電子ビームを間欠的に照射した場合には螺旋状にピットが形成される。案内溝、ピットをwobbleする必要がある場合には、偏向器11によりwobble信号発生器19のフォーマットにしたがって、電子ビームを周期的に偏向することにより、wobbleさせることができる。
【0011】
このように電子ビーム露光装置は、容易に0.01μm以下に集光できる電子ビームを光源としているので、容易に、0.1μm以下のピットも形成できるという長所がある。その一方で、レーザー光におけるA/O変調器(acousto−optic modulator)のようにビーム強度を高速に変える手段がないため、レーザー露光でのように、案内溝、ピット幅を自由に変更することはできないという短所がある。
【0012】
同様な装置としては、半導体用のマスク露光等で使用される電子ビーム描画装置がある。この電子ビーム描画装置は、上記情報記録媒体用の電子ビーム露光装置が回転+直動ステージから構成されるのに対し、xyステージから構成される。電子ビームの偏向器11も、xy方向の2軸(図10の左右方向がx軸、図10に対し垂直な方向がy軸)が用いられる。ビーム停止状態での電子ビームの照射と、ブランキング電極により電子ビームを切った状態での、偏向器による移動を繰り返すことにより所定のパターンを原盤13上に照射する。
【0013】
前記電子ビーム描画装置においては、電子ビーム強度を可変する手段は有しないが、照射時間の調整により、単位面積あたりの照射量(露光量)を可変できる。同様に、電子ビームの露光装置においても線速度を変えれば、露光量は可変できるが、線速度の変更には、最低でも回転ステージ14が数回転するだけの時間を必要とし、高速には変更できない。
【0014】
なお、電子ビーム露光装置において、露光量を可変する従来例としては、特許文献1,2に記載されたものがある。特許文献1によれば、パターン幅を変えるために、円周方向に電子ビームを偏向させて部分的に線速度を変え、単位面積あたりの電子ビーム照射量(露光量)を変える点について記載されている。特許文献2によれば、目的は異なるが、円周方向に電子ビームを偏向させて露光量を増やしている点について記載されている。
【0015】
また、情報記録媒体の容量を増加させるもう一つの方法として、2値データではなく3値以上の多値データを記録する方法が考えられている。
【0016】
図11は3値以上の多値データを記録する多値記録ディスクにおける表面の拡大図、図12は3値以上の多値データ記録の概念図であり、20は情報記録媒体、21は案内溝、22はセル、23は再生ビーム、24は記録ビット、25はPC基板を示す。図11,図12は相変化ディスクの記録ビット24の大きさを変えることにより1つの記録ビットで8値データを得ているものを示すものである。
【0017】
案内溝21が形成されたPC基板25には、記録材料、反射膜、保護膜等が形成され、情報記録媒体20が作られる。この情報記録媒体20に記録ドライブにより集光したレーザー光を照射することによって記録ビット24が形成される。
【0018】
記録ビット24は、案内溝21に一定面積(以下、この一定面積の領域をセル22と称する)ごとに1つずつ大きさを変えて形成される。この情報記録媒体20を再生装置で再生すると、RF信号は、図12に示すように、記録ビット24の大きさにしたがって、反射光量が変化し、この反射光量にしたがってレベルに変換され、情報が再生される。この場合、各セルで0〜7の値を表現できるので、従来の0〜1に比べ多くの情報が記録できる。同様に、予め情報を露光装置で記録したROMディスクにおいても、ピットの大きさを変えることにより1つのピットで多値データを記録することにより、飛躍的に記録できる情報量を増やせる。
【0019】
【特許文献1】
特開2002−6509号公報
【特許文献2】
特開2000−315637号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、レーザーによる原盤の露光では、集光ビーム径により形成できるパターンサイズが制限され、記録できる情報量が制限されてしまい、記録容量の増大を図ることができない。この点に対する解決策としては電子ビームによる露光が有効であるが、電子ビーム露光装置は、電子ビームの強度を変調する手段を有しないため、面内の露光量を変えられない問題がある。
【0021】
ところが、露光に多大な時間を要する電子ビーム露光では、内周と外周では、露光されてから現像までの時間が異なること、露光時の熱の影響が内周と外周付近では異なること、レジスト膜厚の内外差、原盤の移動による、電子ビームの変動等の原因で、均一な溝が形成されない、といった問題点があった。また、原盤によっては、成形時に最外周での転写が不十分になるのを補正する目的で最外周の案内溝等を深く(すなわちレジスト膜厚を厚く)する場合があり、この場合には当然、均一なビームを照射すると、均一な溝が形成されない。このような不均一性を従来のレーザー露光においては内外のレーザー強度を変えて補正していたが、ビーム強度を変えられない電子ビーム露光では補正することができなかった。
【0022】
また、電子ビーム露光では、ピット長を変えたときに、場合によっては、ピット幅が変化してしまう問題があった。
【0023】
また、レーザーのよる原盤の露光では記録容量の増大を図ることができない、という問題点に対する2つめの解決策として、情報の多値記録が有効であるが、電子ビーム露光では、上述したように大きく面積の変化するピットを形成できない問題があった。
【0024】
さらに、特許文献1によれば、パターン幅を変えるために、円周方向にビームを偏向させて部分的に線速度を変え、単位面積あたりの電子ビーム照射量を変えている。しかし、この円周方向にビームを偏向させる方法では、連続的に電子ビームを照射する案内溝の露光には適用できない。また、円周方向にビームを偏向させるので、パターン長さの制御が困難であった。特許文献2においても、円周方向にビームを偏向させて露光量を変えているので、特許文献1と同じ問題を有する。
【0025】
本発明は、このような問題点を解決するために考えられたものであり、ピット長に関係なく、常にピット幅が変化しない電子ビーム露光方法、露光量を可変できる電子ビーム露光装置、パターン幅を制御可能な原盤の製造方法および均一な信号特性を有する情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することによって、前記基板表面のレジスト膜に一定幅のピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton≧2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法において、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV以上に設定することによってピット幅が全面均一になるように露光することができる。
【0027】
請求項2に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することで当該基板表面のレジスト膜に複数段階の面積を有するピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton<2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法において、全ての長さのピットに対応させるために、露光する際の露光時間を2*D/LV未満に設定することにより、露光時間の制御によってピット長さと幅を同時に変化させることができる。よって露光するパルス幅の制御だけで、多値データを記録するのに必要な微小なピットから大きなピットまで形成できる。
【0028】
請求項3に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する電子ビーム露光方法において、電子ビームを高速でオン/オフし、オン/オフのデューティ比を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難である電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量が可変にできるようになる。
【0029】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、電子ビームをオン/オフする周波数Fを、電子ビーム径D、電子ビームの基板に対する線速度LVとしたときに、F≧LV/Dとすることを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難な電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変にでき、かつ変動のない電子ビーム照射量が得られる。
【0030】
請求項5に係る発明は、原盤を回転させながら、原盤に電子ビームを照射してパターンを描画する電子ビーム露光装置であって、原盤を回転させる回転ステージ機構と、原盤を半径方向に移動させる直動ステージ機構と、回転ステージ機構と直動ステージ機構に所定線速になるように制御する機構と、前記原盤に収束した電子ビームを照射する機構と、電子ビームをオン/オフする機構と、電子ビームを一定周波数でオン/オフする高周波信号発生機構と、電子ビームをオン/オフする高周波信号のデューティ比を可変する機構を有することを特徴とする。このように構成したことにより、電子ビーム強度を可変にすることが困難である電子ビーム露光装置において、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変にでき、かつ変動のない電子ビーム照射量が得られる。
【0031】
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、前記原盤に描画するパターンを発生する露光信号発生装置と、この露光信号発生装置から出力されるフォーマッター信号と前記高周波信号発生機構からの出力信号のアンドを取るアンド手段を有することを特徴とする。このように構成したことにより、パターン毎に、露光量を変えることができるので、パターン毎に単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変に、案内溝だけではなく、ピット幅も可変可能になる。
【0032】
請求項7に係る発明は、所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する工程と、前記描画したレジスト膜に対して現像処理を行う工程とを備えた光ディスク原盤の製造方法において、予め設定した半径毎の電子ビーム量データを基に、請求項4記載の電子ビーム露光方法によって電子ビーム量を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を半径ごとに可変することを特徴とする。このように構成したことにより、半径位置ごとに露光量を設定できるので、案内溝幅を全面均一になるように露光量補正を行ったり、内外の案内溝幅を変化させることができる。
【0033】
請求項8に係る発明は、請求項7記載の光ディスク原盤の製造方法により作成された原盤より製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、内外差のない信号特性を有する情報記録媒体が作成できる。
【0034】
請求項9に係る発明は、トラックに沿って螺旋状に連続して形成された記録ビットパターンにより2値の情報を記録する光情報記憶媒体において、請求項1記載の電子ビーム露光方法で露光された原盤よって製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、ピット長に関係なく常に一定幅のピットが得られるので、ピット長による振幅差が抑えられ、ジッタの小さい情報記録媒体が得られる。
【0035】
請求項10に係る発明は、一定面積を持つ2次元領域からなるセルが螺旋状にトラックに沿って連続して仮想的に存在し、1つのセル内に形成されたピットパターンからの反射光量を変化させることによって3値以上のデジタルデータを記録した光情報記憶媒体において、請求項2記載の露光方法で露光された原盤より製造されたことを特徴とする。このように構成したことにより、1つのピットで多値のデータを記録できる多値記録ROMを、微細なパターンを形成できる電子ビーム露光で実現したので、飛躍的に大きな情報量を記録で情報記録媒体が得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0037】
まず、本発明の実施形態の説明に先立ち、電子ビーム露光でのパターン特性について説明する。なお、電子ビーム露光装置は図10に示した構成と同様である。
【0038】
図13(a)は、ビーム径50nm、加速電圧20KVで、ピッチ0.4μmの案内溝を形成した場合のパターン幅と露光量の関係を示す特性図であり、露光量は、案内溝の幅が0.1μmになる露光量を1とした相対値で示している。
【0039】
レーザービームによる露光では、形成される溝幅がビーム径を越えると露光量を増やしても溝幅は増加しなくなる(飽和する)が、電子ビーム露光では、図13(a)に示すように、ビーム径0.05μmでも露光量の増加とともに、幅はリニアに延々と増加する。したがって、電子ビーム露光では、露光量によって広範囲の幅を有するパターンを形成できる。しかし、電子ビーム露光では、ビーム強度を可変にできないため、この特性を使用してビーム強度によって溝幅を可変にすることはできない。唯一線速度を可変することにより、単位面積あたりの露光量を可変して、パターン幅を変化させることができる。
【0040】
また、図13(b)は、ビーム径25nm、線速度1m/sで20nsec露光した場合の平均の露光量を示す分布図である。基板を回転させながら電子ビームを照射する電子ビーム露光では、露光中常に電子ビームが移動するので非常に短時間の露光でも、半径方向より円周方向に少し長い楕円パターンが露光されることがわかる。
【0041】
次に、本発明の第1の実施形態の露光方法について説明する。電子ビームを、線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とした時、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFすると、図2(b)のように、露光量は変動しない。このときに、上記ON/OFFの周波数のDuty比を可変にすると、図2(a)のように露光量が変化することがわかる。このように、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFするとともに、ON/OFFの周波数のDuty比を可変にすることにより、ビーム強度を変えることなく露光量を可変にできる。
【0042】
図1(a)は第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の構成を示す説明図であり、30はDuty可変回路、31は発信回路、32は遅延回路、33はセレクター、34はOR回路、35は高周波信号発生機構、36はAND回路、bは高周波パルス、cは遅延信号、dは高周波信号、eはDuty制御信号を示す。なお、図10に示す従来の電子ビーム露光装置における部材と同一の部材については同一の符号を付して、詳細な説明は省略した。
【0043】
鏡筒1内に設けられた電子ビームの発生機構および照射機構、ならびにモータ12,回転ステージ14,直動ステージ15を備えた原盤13の駆動機構等は、図10に示した部材と同様である。電子ビームをON/OFFする機構は、周波数LV/D以上の高周波信号dを生成する高周波信号発生機構35と、ブランキング電極9と絞り10とブランキングドライバー16からなり、高周波信号dにしたがって電子ビーム5をON/OFFするブランキング機構から構成される。そして、線速度一定に回転する原盤13に電子ビーム5を高速にON/OFFしながら照射する。
【0044】
高周波信号発生機構35は、高周波パルスbを発生する発振回路31と、高周波パルスbのDuty比をDuty制御信号eにしたがって可変にするDuty可変回路30から構成される。Duty可変回路30は、高周波パルスbを遅延させる複数の遅延回路32(図1では、DLY1,DLY2,…,DLYn)と、所定の遅延量の信号をDuty制御信号eに従って選択するセレクター33と、遅延信号cと高周波パルスbのORを取って高周波パルスbのDuty比を変えるOR回路34からなる。
【0045】
図1(b)は、高周波パルスb、遅延信号c、高周波信号dのタイミングチャートであり、遅延量(Dely量)の分だけ高周波信号dにおけるONの期間が長く、OFFの期間が短くなる。各遅延回路32(DLY1,DLY2,…,DLYn)において設定されている遅延量(Dely量)はそれぞれ異なっており、セレクター33の制御により、50%のDuty比を有する高周波パルスのDuty比を、瞬時に50%から100%の間の所定の値に変えることができる。
【0046】
図3は、加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nm、高周波信号周波数50MHzで、Duty比を60%から100%まで2%刻みで可変した場合の、単位面積あたりの露光量を示すグラフである。Duty比80%を基準露光量として露光することにより、±25%の範囲で約0.8μC/cm2刻みで露光量を可変できる。また、このときの露光量の変動量はP−P約1.5%と安定していた。
【0047】
次に、本発明の第1の実施形態における露光方法に基づく原盤の作成方法について説明する。図1(a)に示す電子ビーム露光装置により、電子ビームレジストZEP7000(日本ゼオン製)を塗布した原盤13に対して、ピッチ0.4μm線速度2m/sで全面露光し、現像した。その結果、溝幅分布は図4の補正前のようになった。
【0048】
前述した露光の結果、図4の補正前に示すように溝幅に変動が見られる。この溝幅変動には再現性があり、内外で約0.01μmの溝幅変動が起きた。この点を改善するため、原盤13の外周に行くにしたがってDuty比を大きくして露光量を増加させた。その結果、図4の補正後に示すように、ほぼ均一な溝幅が得られた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成した。この情報記録媒体に情報を記録して再生したところ、内周外周とも同様な再生信号を得ることができた。
【0049】
図5は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の他構成の要部を示す説明図であり、電子ビームの発生機構、照射機構、原盤の駆動機構等は、図10に示す部材と同様である。電子ビームをON/OFFする機構は、周波数LV/D以上の高周波信号dを生成する高周波信号発生機構35と、所定のフォーマットにしたがって露光パターンを決めるフォーマット信号gを生成するフォーマッター17と、この2つの信号のANDを取ってON/OFF信号fを生成するAND回路と、ブランキング電極9、絞り10およびブランキングドライバー16からなり、ON/OFF信号fに従って電子ビーム5をON/OFFするブランキング機構とから構成される。そして、線速度一定に回転する原盤13に電子ビーム5を高速にON/OFFしながら照射する。
【0050】
図5(a)に示すON/OFF信号生成機構を有する電子ビーム露光装置の構成は、露光パターン長ごとにDuty比を切り替えることによって露光量を制御し、露光パターン長ごとにパターン幅を変える機能を設けたものである。
【0051】
図5(b)は、高周波信号d、ON/OFF信号f、フォーマット信号gのタイミングチャートであり、高周波信号dにおいてDuty1の期間におけるDuty比に対して、Duty2の期間におけるDuty比を小さくなるように切り替えている。言い換えれば、Duty1の期間よりもDuty2の期間の方がOFF時間が長く、単位時間あたりのON時間についてはDuty1の期間の方が長い。その結果、図5(c)に示すように、Duty1の期間におけるパターン幅よりもDuty2の期間におけるパターン幅の方が小さくなる。
【0052】
次に、本発明の第2の実施形態の露光方法について説明する。
【0053】
図6は、原盤を一定線速度LVで回転させ、ビーム直径(半値幅)Dの一定電流量の電子ビームを照射した時の電子ビームの照射量(露光量)と照射時間の関係を示す特性図である。なお、図6の照射時間は、2*LV/Dを1として、表現している。図6に示すように照射時間が一定値以下になると、露光量は減少することがわかる。
【0054】
電子ビーム露光方法の第2の実施形態は、円周方向に長いピットを、長さと幅の両方を変化させて形成する場合には、照射時間を2*LV/D未満になるように調整し、一定幅を有するピットを形成する場合には、照射時間を2*LV/D以上になるように調整するものである。このように調整することにより、線速度、ビーム強度一定でも、長さと幅の両方を変化させて露光するか、あるいは一定幅を有するピットを形成するように露光できる。
【0055】
図7に示すような2値記録のROMの場合には、最短ピットとそれ以外のピットの振幅に差が少ない方が再生信号のジッタを低減できるので、ピット幅は一定であることが望ましい。よって、2*D/LV nsec以上の照射時間でも所定の長さの最短ピットが形成できるよう、弱いビーム強度で、照射時間を2*D/LV nsec以上にして露光する。
【0056】
多値記録の場合には、セル内のピットの面積を可変する必要があるので、ピット幅が一定では面積を十分に可変することができない。よって、2*D/LV nsec以下の照射時間にすることにより、長さと幅の両方を変化させて露光できる。多値記録媒体は、案内溝21上に、記録ドライブで、セル22内に面積の異なる記録ビット24を形成して、情報を記録する。8値記録の場合、概略、図8(a)に示すように記録ビット24を形成する。多値ROMの場合、情報をピット26で記録するが、記録ドライブで記録された記録ビット24と概略同等な信号が再生されることが望ましいので、図8(b)のようにピットを形成する。この場合、照射時間は、図6の領域aに設定し、短い照射時間でも十分な大きさのピットが形成できるよう、強いビーム強度で露光する。
【0057】
次に、本発明の第2の実施形態における露光方法の第1の具体例について説明する。ここで、使用する電子ビーム露光装置は、図10と同様である。
【0058】
加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nmの電子ビーム露光装置では、露光量40μC/cm2で、2*D/LV=50nsecとなる。EFM(eight−forteen modulation)信号を記録したところ、約0.2μmの最短ピットは、70nsecで形成でき、0.7μmの最長ピットまで0.18μmのほぼ同じ幅のピットが形成できた。
【0059】
このような露光方法を適用して作成された原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、振幅差の小さい良好な再生信号が得られた。
【0060】
なお、比較例として、加速電圧20KV、線速度1m/s、電流量80nA、ビーム径50nmの電子ビーム露光装置では、2*D/LV=100nsecとなり、EFM(eight−forteen modulation)信号を記録したところ、露光量が約2倍の80μC/cm2になるので、約0.2μmの最短ピットは、80nsecで形成できた。その結果、最短ピットとそれ以外のピットでは、約4%露光量が減少し(図6参照)、パターン幅が約0.01μm変化してしまった。
【0061】
また、図5(b),(c)のようにピット部(Duty100%)と、案内溝部(Duty80%)でDuty比を変えることにより、第1の具体例で形成したピットと、幅の異なる案内溝を同一原盤上に露光できた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、ROM領域と記録可能領域を併せ持つパーシャルROMが得られた。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態における露光方法の第2の具体例について説明する。ここで、使用する電子ビーム露光装置は、図10と同様である。
【0063】
加速電圧20KV、線速度1m/s、電流量40nA、ビーム径35nmの電子ビーム露光装置では、露光量82μC/cm2で、2*D/LV=70nsecとなる。ピッチ0.4μm、セル長0.24μmの多値ROMを露光した。その結果、パルス幅70nsecから10nsecまで可変することにより、図8(b)のように、0.22μmのピットから0.07μmのピットを形成することができた。この原盤13からスタンパを作成し、このスタンパによりPC基板を作成し、このPC基板に、Ag−In−Sb−Te記録層を形成し、Ag反射層を付け、保護層を形成して記録可能な情報記録媒体を作成したところ、図8(a)と略同等な再生信号が得られた。
【0064】
また、図9(a),(b)のようにピット部(Duty100%)と、案内溝部(Duty80%)でDuty比を変えることにより、第1の具体例で形成したピットと、幅の異なる案内溝を同一原盤上に露光できた。この原盤13からスタンパを作成し、上述した製造方法と同様に同様に情報記録媒体を作成したところ、ROM領域と記録可能領域を併せ持つパーシャルROMが得られた。
【0065】
【発明の効果】
以上、説明したように構成された本発明の光ビーム露光方法によれば、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法で、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV以上に設定することにより、ピット幅が全面均一なピットを露光できる。
【0066】
また、電子ビームを断続的に照射して原盤上にピットの潜像を形成する露光方法で、全ての長さのピットを露光する際の露光時間を2*D/LV未満に設定することにより、露光時間の制御により、ピット長さと幅を同時に変化させることができる。よってピットを露光するパルス幅の制御だけで、多値データを記録するのに必要な微小なピットから大きなピットまで露光できる。
【0067】
また、本発明の光ビーム露光装置によれば、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変できるようになる。
【0068】
また、半径位置毎に露光量を設定できるので、案内溝幅を全面均一になるように露光量補正を行ったり、内外の溝幅を変化させることができる光ディスク原盤の製造方法を提供することが可能になる。
【0069】
また、本発明の情報記録媒体によれば内外差のない信号特性を有する情報記録媒体が作成できる。
【0070】
また、1つのピットで多値のデータを記録できる多値記録ROMを、微細なパターンを形成できる電子ビーム露光で実現したので、飛躍的に大きな情報量を記録で情報記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の構成を示す説明図、図1(b)は図1(a)に示す電子ビーム露光装置における高周波パルスb,遅延信号c,高周波信号dのタイミングチャート
【図2】図2(a)は線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とし、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFする際のON/OFFのDuty比と露光量との関係を示すグラフ、図2(b)は線速度LV(m/s),ビーム径D(m)とし、LV/DHz以上の周波数で電子ビームをON/OFFした時の露光量の変動を示すグラフ
【図3】加速電圧20KV、線速度2m/s、電流量80nA、ビーム径50nm、高周波信号周波数50MHzで、Duty比を60%から100%まで2%刻みで可変した場合の単位面積あたりの露光量を示すグラフ
【図4】第1の実施形態における露光方法に基づく原盤の溝幅分布を示すグラフ
【図5】図5(a)は本発明の第1の実施形態の露光方法に基づいて露光を行う電子ビーム露光装置の他構成の要部を示す説明図、図5(b)は図5(a)に示す電子ビーム露光装置における高周波信号d,ON/OFF信号f,フォーマット信号gのタイミングチャート、図5(c)は図5(b)に示すタイミングの露光によって原盤に形成されるパターンを示す説明図
【図6】原盤を一定線速度LVで回転させ、ビーム直径(半値幅)Dの一定電流量の電子ビームを照射した時の電子ビームの照射量(露光量)と照射時間の関係を示す特性図
【図7】2値記録のROMにおける記録ビットを示す斜視図
【図8】図8(a)は記録可能なディスクにおける記録ビット、図8(b)は多値ROMにおけるピットの大きさを示す説明図
【図9】図9(a)は第2の具体例における高周波信号d,ON/OFF信号f,フォーマット信号gのタイミングチャート、図9(b)は図9(a)に示すタイミングの露光によって原盤に形成されるパターンを示す説明図
【図10】一般的な電子ビーム露光装置の構成を示す側面図
【図11】3値以上の多値データを記録する多値記録ディスクの表面の拡大図
【図12】3値以上の多値データ記録の概念図
【図13】電子ビーム露光におけるパターン特性を示すグラフ
【符号の説明】
1 鏡筒
2 試料室
4 電子銃
5 電子ビーム
6 コンデンサレンズ
7 フォーカスレンズ
8 対物レンズ
9 ブランキング電極
10 絞り
11 偏向器
12 モータ
13 原盤
14 回転ステージ
15 直動ステージ
16 ブランキングドライバー
17 フォーマッター
18 偏向器ドライバー
19 Wobble信号発生器
30 Duty可変回路
31 発信回路
32 遅延回路
33 セレクター
34 OR回路
35 高周波信号発生機構
36 AND回路
Claims (10)
- 所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することによって、前記基板表面のレジスト膜に一定幅のピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton≧2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする電子ビーム露光方法。
- 所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームをオン/オフしながら照射することで当該基板表面のレジスト膜に複数段階の面積を有するピットパターンを描画する電子ビーム露光方法において、前記基板の線速度をLV、電子ビーム径をD、電子ビームをオンにする期間をTonとした時、Ton<2*D/LVの範囲で期間Tonを可変して露光することを特徴とする電子ビーム露光方法。
- 所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する電子ビーム露光方法において、電子ビームを高速でオン/オフし、オン/オフのデューティ比を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を可変することを特徴とする電子ビーム露光方法。
- 電子ビームをオン/オフする周波数Fを、電子ビーム径D、電子ビームの基板に対する線速度LVとしたときに、F≧LV/Dとすることを特徴とする請求項3記載の電子ビーム露光方法。
- 原盤を回転させながら、原盤に電子ビームを照射してパターンを描画する電子ビーム露光装置であって、原盤を回転させる回転ステージ機構と、原盤を半径方向に移動させる直動ステージ機構と、回転ステージ機構と直動ステージ機構に所定線速になるように制御する機構と、前記原盤に収束した電子ビームを照射する機構と、電子ビームをオン/オフする機構と、電子ビームを一定周波数でオン/オフする高周波信号発生機構と、電子ビームをオン/オフする高周波信号のデューティ比を可変する機構を有することを特徴とする電子ビーム露光装置。
- 前記原盤に描画するパターンを発生する露光信号発生装置と、この露光信号発生装置から出力されるフォーマッター信号と前記高周波信号発生機構からの出力信号のアンドを取るアンド手段を有することを特徴とする請求項5記載の電子ビーム露光装置。
- 所定速度で回転する基板表面に対して電子ビームを照射することで当該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する工程と、前記描画したレジスト膜に対して現像処理を行う工程とを備えた光ディスク原盤の製造方法において、
予め設定した半径毎の電子ビーム量データを基に、請求項4記載の電子ビーム露光方法によって電子ビーム量を可変することにより、単位面積あたりの電子ビーム照射量を半径ごとに可変することを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。 - 請求項7記載の光ディスク原盤の製造方法により作成された原盤より製造されたことを特徴とする情報記録媒体。
- トラックに沿って螺旋状に連続して形成された記録ビットパターンにより2値の情報を記録する光情報記憶媒体において、請求項1記載の露光方法で露光された原盤よって製造されたことを特徴とする情報記録媒体。
- 一定面積を持つ2次元領域からなるセルが螺旋状にトラックに沿って連続して仮想的に存在し、1つのセル内に形成されたピットパターンからの反射光量を変化させることによって3値以上のデジタルデータを記録した光情報記憶媒体において、請求項2記載の露光方法で露光された原盤より製造されたことを特徴とする情報記録媒体。
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