JP2004247028A - 情報記録媒体、情報記録再生方法、及び情報記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ランドアンドグルーブ記録とウォブル変調アドレスを両立し、高密度な記録を可能とする情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 情報記録領域に情報を記録再生するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録され、該案内溝のウォブルによって発生する記録マークの再生信号のオフセットが、該再生信号の振幅の5.5%以下になるように前記ウォブルが形成された情報記録媒体。
【選択図】 図16
【解決手段】 情報記録領域に情報を記録再生するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録され、該案内溝のウォブルによって発生する記録マークの再生信号のオフセットが、該再生信号の振幅の5.5%以下になるように前記ウォブルが形成された情報記録媒体。
【選択図】 図16
Description
本発明はアドレス情報が記録トラックのウォブルとして記録される光ディスク、及び光ディスクに対して情報の記録再生を行う光ディスク装置に関する。
周知のように近年では、情報の高密度記録が可能な光ディスクとして、片面1層容量が4.7GBを有する光ディスクが実用化されている。例えば、再生専用の光ディスクであるDVD−ROM、書き換え可能なDVD−RAM(ECMA−330)、DVD−RW、+RW(ECMA−274)がある。
これらの光ディスクは透明基板上に情報記録層を形成し、レーザー光をこれに集光することで、情報の記録再生を行っている。また、情報の記録再生の手段として、光ディスクの情報記録層はグルーブと呼ばれる案内溝を有している。情報の記録再生はこの案内溝に沿って行われる。また、情報を記録再生する空間的な位置を特定するための、物理アドレスが案内溝に沿って形成されている。
ここで、高密度化の手段として、DVD−RAMではランド アンド グルーブ記録と呼ばれる技術を採用している。DVD−RAMでは、案内溝に対し、凹部であるグルーブと凸部であるランドの両方に情報を記録することで記録データの半径方向の間隔を狭くし、記録容量を高めている。一方、物理アドレスはプリピットと呼ばれる基板上の凹凸によって形成されている。また、このプリピットが形成される部分で前述の案内溝は途切れることになる。
これに対し、+RWでは案内溝の凹部であるグルーブにのみ情報を記録している。一方、物理アドレスの形成手段として案内溝を半径方向に小さく振動させるグルーブウォブルの変調(以下ウォブル変調)を利用している。ウォブル変調による物理アドレスは、記録トラックを遮断しないことから、ユーザー情報を記録する面積が広いすなわちフォーマット効率が高い、再生専用メディアとの互換がとりやすいといった利点がある。
一方、上述のDVDでは変調方式として最短符号が3Tである(2,10)RLLが用いられていたが、現在ではユーザー情報の記録密度を高める変調方式として、(1,7)RLL等の最短符号が2Tとなっている変調方式が盛んに研究されている。また、DVDではユーザー情報の2値化、復調方式としてスライス方式が用いられていたが、現在では、信号の記録密度を飛躍的に高められるPRML方式が盛んに研究されている。
ECMA-274, 2nd Edition-June 1999(第30頁) インターネットURL:http://www.ecma.ch ECMA-330, 2nd Edition-June 1999(第29頁) インターネットURL:http://www.ecma.ch
ECMA-274, 2nd Edition-June 1999(第30頁) インターネットURL:http://www.ecma.ch ECMA-330, 2nd Edition-June 1999(第29頁) インターネットURL:http://www.ecma.ch
従来のウォブル変調によって物理アドレスを記録する方式では、凹部のウォブルを変調した場合には、凸部の幅が変調の影響で変化するという現象が発生し、凸部に記録したユーザー情報を再生するとこの変化が振幅方向のオフセットとして再生信号にもれこむという問題があった。
このため、凹部と凸部の両方に信号を記録するDVD−RAMでは、アドレスをウォブルの変調によってではなく、プリピットを形成することで記録していた。この結果、プリピット領域確保の為に、ユーザー情報記録領域が狭くなる、すなわち記録容量が低下するといった問題や、プリピット部で案内溝が分断されるため、案内溝に沿ってビームスポットを走査させるためのトラッキングサーボを連続的に動作させずらいといった問題や、再生専用ディスクとの互換がとりにくいといった問題があった。
また、+RWではウォブル変調によって物理アドレスを記録するが、ユーザー情報は凹部のみに記録する。この結果凸部の幅変動による影響は無視できるが、半径方向の信号の間隔をDVD−RAMのように狭めるのが難しく、記録密度が低下するという問題があった。これは、凹部だけの記録で密度を高めようとした場合、凹部の間隔がDVD−RAMより小さくなるので、案内溝から再生される情報であるトラッキングエラー信号の振幅が小さくなり、トラッキング性能が低下したり、細い凹部は製造性が低いからである。
一方、記録密度を高める技術として現在盛んに検討されている2T符号を含む変調方式や、PRMLといった振幅方向の情報を利用して復調を行う復調方式は振幅方向のオフセットに弱いという欠点を持っている。
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、ウォブルの変調方法、形状等を最適化することにより、ランドアンドグルーブ記録とウォブル変調アドレスを両立し、高密度な記録及び、安定したトラッキングが可能であり、さらに、再生専用メディアとの互換性の高い情報記録媒体、情報記録再生方法、及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一実施形態に係る情報記録媒体は、情報記録領域に情報を記録再生するための案内溝を有し、該案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録され、該案内溝のウォブルによって発生する記録マークの再生信号のオフセットが、該再生信号の振幅の5.5%以下になるように該ウォブルが形成されている。
本発明によれば、ウォブルの変調方法、形状等を最適化することにより、ランドアンドグルーブ記録とウォブル変調アドレスを両立し、高密度な記録及び、安定したトラッキングが可能であり、さらに、再生専用メディアとの互換性の高い情報記録媒体、情報記録再生方法、及び情報記録再生装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1に本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成を示す。本発明の光ディスク装置はPUH(pick up head)1から出射されるレーザー光を光ディスクの情報記録層に集光することで、情報の記録再生を行っている。ディスクから反射した光は、再び、PUH1の光学系を通過し、フォトディテクター(PD)で電気信号として検出する。
PDは2分割以上に分割されており、各素子の出力を加算した信号を和信号、減算した信号を差信号と呼ぶ。特に、ユーザー情報等の高周波情報を含む和信号をRF信号と呼ぶ。また、光ディスクに対して半径(ラジアル)方向に配置された各素子の出力信号を減算した信号をラジアルプッシュプル信号と呼ぶ。図2に4分割PDの例を示す。4つの素子の出力信号すべてを加算した信号が和信号、2つの素子の出力信号を加算した後に加算信号同士を減算した結果が差信号となる。この差信号は特にラジアルプッシュプル信号と呼ばれる。
検出された電気信号は、プリアンプで増幅され、サーボ回路2、RF信号処理回路3、アドレス信号処理回路4に出力される。
サーボ回路2では、フォーカス、トラッキング、チルト等のサーボ信号が生成され、各信号がそれぞれ、PUH1のフォーカス、トラッキング、チルトアクチュエータに出力される。
RF信号処理回路3では、検出された信号のうち、主に和信号を処理することにより、記録されたユーザー情報等の情報を再生する。この際の復調方法としては、スライス方式やPRML方式がある。
アドレス信号処理回路4では、検出された信号を処理することにより、光ディスク上の記録位置を示す物理アドレス情報を読み出し、コントローラーに出力する。コントローラー5はこのアドレス情報を元に、所望の位置のユーザー情報等の情報を読み出したり、所望の位置にユーザー情報等の情報を記録したりする。この際、ユーザー情報は記録信号処理回路6で光ディスク記録に適した信号に変調される。例えば(1,10)RLL,(2,10)RLL等の変調法則が適用される。レーザードライバ(LDD)7は記録信号処理回路6により変調された信号に応じたレーザ駆動信号をPUH1に供給する。PUH1はレーザ駆動信号に応じて半導体レーザ(図示されず)を発光し、光ビームが光ディスクに照射される。
本発明の光ディスクは、透明基板上の情報記録層における情報記録エリアに、グルーブと呼ばれる案内溝を有している。案内溝はトラックとよばれ、情報の記録再生はこのトラックに沿って行われる。トラックは図3に示すように内側から外側まで連続してつながるスパイラル型と、図示はしないが複数の同心円から形成される同心円型がある。
図4にトラックの拡大図を示す。トラックは情報記録層の凹凸によって形成されており、片側をグルーブ、もう一方をランド呼ぶ。本発明の光ディスクでは、このランドとグルーブの両方に情報を記録マークとして形成することで、半径方向の記録密度を高めている。さらに本発明は、トラックに沿ってビームスポットを走査させるためのトラッキングエラー信号として用いられるラジアルプッシュプル信号の振幅低下を抑制し、トラッキングを容易にしている。
図5(a)にトラックを上から見た図を示す。本発明の光ディスクのトラックは、ラジアル方向にわずかに蛇行している。このようなトラックをウォブルトラックと呼ぶ。このウォブルトラックに沿って、集光されたビームスポットを走査していくと、ウォブルの周波数はトラッキングサーボ信号の帯域に比べ高い周波数であるため、ビームスポットはウォブルトラックの中心をほぼ直進する。このとき、図5(b)、5(c)のように和信号はほとんど変化せず、半径方向の差信号すなわちラジアルプッシュプル信号のみがウォブルにあわせて変化する。これをウォブル信号と呼ぶ。ウォブル信号は、スピンドルの回転周波数の調整や、記録クロックのリファレンス、物理アドレス情報として利用される。
本発明の光ディスクでは、このウォブル信号を変調することによって、光ディスクの情報記録領域における物理的な位置を示す物理アドレス情報を記録する。
すなわち、トラックに付与するウォブルを図6(a)、6(b)に示すような、周波数変調もしくは、位相変調することによって、物理アドレス情報を記録する。記録された物理アドレス情報は例えば図7のような復調回路を用いることで、読み取ることが可能になる。
図8に光ディスクの情報記録領域の構成を示す。本発明の光ディスクでは情報記録領域上の物理的な位置を特定するために、図8に示すように、トラック番号とセグメント番号を利用している。トラックに順番にトラック番号をつけラジアル方向の位置を特定し、さらにトラックを複数のセグメントに分割して、セグメント番号をつけることで、タンジェンシャル方向の位置を特定することができる。このとき例えば1セグメント内のウォブルを変調することで一回もしくは複数回、位置情報であるアドレス情報を記録することができる。このウォブル変調による情報の構成は例えば図9に示すようなものである。
図10に位相変調を付与したトラックの上面図を示す。図10ではグルーブトラックに位相変調が付与されている。このとき、ランドトラックに注目する。グルーブトラックが位相変調された部分の隣の、ランドトラックの和信号を図11に示す。再生するランドトラックの両側のグルーブトラックの位相が等しい場合には、ランドトラックの和信号はあまり変化しないが、両側のグルーブトラックの位相が異なる場合には、和信号は大きく変化する。これは、位相が異なる場合にはランドのトラック幅が場所によって狭くなったり細くなったりするからである。このトラック幅の変動が和信号、すなわちRF信号のオフセットを発生させる原因となる。
図12に両方のトラックにユーザー情報(記録マーク)を記録した場合のディスク上面図を示す。隣接するグルーブトラックの位相が異なる場合には、図13のようにユーザー情報を含むRF信号にも大きなサイン状のオフセット電圧(以下、単にオフセットという)が発生している。ここで、RF信号のオフセットが大きいと、RF信号からユーザー情報を再生する際の大きな外乱となる。このサイン状のオフセットは、ランドとグルーブの関係を逆にしても発生する。
このサイン状のオフセット量は、隣接する一方のグルーブトラックのウォブル振幅と他方のグルーブトラックのウォブル振幅の位相差によって決まる。この位相差が小さければRF信号のオフセット量は小さくなる。一方、ウォブル信号から生成される、スピンドル回転制御情報や、記録クロック情報、物理アドレスは、ウォブルトラックの振幅が大きく、変調に使用する位相の差が大きいほど精度が高くなる。
本発明の光ディスクではこのウォブルトラックの変調に使用する位相を適切に選択し、ウォブルトラック振幅を適切な値に設定することにより、RF信号のオフセット変動をユーザー情報の再生に問題のないレベルに抑えて、さらに、ウォブル信号から生成される各情報の精度を十分に保つことが可能となっている。
特に本発明では、通常の多値位相変調に用いられる複数の位相のうち、最適な2種類の位相を選択することによって、隣接トラックの位相差を低減し、RF信号のオフセット変動を抑制している。
例えば、0度、90度、180度、270度の位相を用いた4値位相変調の場合、通常の変調では、図14に示すように、4値の位相がランダムに出現する。すると図14の第二領域のグルーブトラックA及びグルーブトラックBのように隣接トラックの一方が90度、他方が270度になるような状態が発生する。このような状態では、両側トラックの位相差は180度になる。そこで、本発明の一実施形態に係る光ディスクでは、例えばランドトラックに隣接する2つのグルーブトラックの位相差が常に最小となる組、すなわち(0度、90度)、(90度、180度)、(180度、270度)、(270度、0度)のいずれかの組でウォブルを変調する事とする。すなわち、本実施形態に係る光ディスクでは、隣接するウォブルの位相差が、180度未満の値に制限される。こうすることで、図15に示すように隣接トラックの最大位相差Pmaxを90度に抑えることが可能になる。この関係は以下の式で表される。
Pmax=360/4=90度 (1)
同様に、8値位相変調を用いた場合には、Pmaxを45度に抑えることが可能になる。
同様に、8値位相変調を用いた場合には、Pmaxを45度に抑えることが可能になる。
Pmax=360/8=45度 (2)
ここで、最大位相差180度の場合のトラック幅はウォブルトラック振幅分変動する。この変動量を100%とすると、各位相のトラック幅の変動量は以下の式により示される。
ここで、最大位相差180度の場合のトラック幅はウォブルトラック振幅分変動する。この変動量を100%とすると、各位相のトラック幅の変動量は以下の式により示される。
トラック幅変動量 =100×sin(Pmax/2) % (3)
すなわちPmax90度の場合は70.7%、45度の場合は38.3%となる。トラックの幅変動量が小さくなれば、RF信号のオフセット量も小さくなる。
すなわちPmax90度の場合は70.7%、45度の場合は38.3%となる。トラックの幅変動量が小さくなれば、RF信号のオフセット量も小さくなる。
次に、本発明の一実施形態である対物レンズのNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板(表面カバー層)厚み:0.6mm、グルーブ間隔0.68μm、データビット長0.13μmの光ディスク装置を用いた場合のRF信号のオフセット量(規格化RF信号オフセット)とRF信号からユーザー情報を復調した際の復調エラー率の関係を図16に示す。ここで、本光ディスク装置はPRML方式の復調回路、ECCによるエラー訂正回路を有し、ユーザー情報は最短符号が2Tである変調方式を用いて記録されている。また、ウォブル信号は最大180度の位相差をもつ位相変調で記録している。つまり上記したような、隣接トラックの最大位相差を制限することによるRF信号のオフセット変動の抑制はしていない。また、RF信号のオフセット量は、図17に示すように、RF信号の最大振幅で割ることにより規格化している。すなわち、規格化RF信号オフセットは次の式で表現される。
規格化RF信号オフセット(NRFoff) = │RF信号オフセット量(RFoff)│ / RF信号振幅(RFpp) *100% (4)
図16の関係から、ウォブル変調による物理アドレスの記録と、ユーザー情報のランドアンドグルーブ記録を可能にするRF信号のオフセットの限界を導き出すことができる。通常、隣接トラックウォブルの位相差がまったくなく、RF信号のオフセットがない場合でも、ディスクノイズ、レーザーノイズ、サーボノイズ、外乱といったさまざまな影響により、復調された情報はいくらかのエラーを含んでいる。この結果、光ディスク装置のRF信号の復調エラー率はRF信号のオフセットがない場合でも2.0×10−6程度である(エラー率a参照)。これらのエラーはECC等のエラー訂正処理によって訂正され、正しい情報となって読み出される。通常のエラー訂正処理能力を考えると、エラーが上記値の10倍程度になっても十分マージンを持って訂正が可能である。従って、RF信号の復調エラー率が10倍になる範囲まではRF信号のオフセットが存在してもよいといえる(エラー率b参照)。この場合、RF信号のオフセットは2.5%である。すなわち、RF信号のオフセットが2.5%以下であれば、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。
図16の関係から、ウォブル変調による物理アドレスの記録と、ユーザー情報のランドアンドグルーブ記録を可能にするRF信号のオフセットの限界を導き出すことができる。通常、隣接トラックウォブルの位相差がまったくなく、RF信号のオフセットがない場合でも、ディスクノイズ、レーザーノイズ、サーボノイズ、外乱といったさまざまな影響により、復調された情報はいくらかのエラーを含んでいる。この結果、光ディスク装置のRF信号の復調エラー率はRF信号のオフセットがない場合でも2.0×10−6程度である(エラー率a参照)。これらのエラーはECC等のエラー訂正処理によって訂正され、正しい情報となって読み出される。通常のエラー訂正処理能力を考えると、エラーが上記値の10倍程度になっても十分マージンを持って訂正が可能である。従って、RF信号の復調エラー率が10倍になる範囲まではRF信号のオフセットが存在してもよいといえる(エラー率b参照)。この場合、RF信号のオフセットは2.5%である。すなわち、RF信号のオフセットが2.5%以下であれば、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。
ここで、さらにウォブル変調による物理アドレスの配置を含めて考えてみる。図12及び図13に示すように、RF信号のオフセットの原因となるトラック幅の変動は隣接トラックのウォブルの位相差が存在すると発生する。従って、トラックが替わっても情報(ウォブル波形)が変化しない場合にはRF信号のオフセットは発生しない。図8及び9に示す物理アドレスの構成をみると、トラックが替わるると変化するのはトラック番号でありその他の同期信号、セグメント番号等はトラックのタンジェンシャル方向には変化しても、トラック番号が変わる方向であるラジアル方向には変化しない。トラックが替わって変化するのは、トラック番号とそれに関連した部分のみである。また、トラック番号を記録する領域に関しても、トラック番号を示すすべてのビットが毎回反転するわけではないので、すべてのビットで最大位相差が発生するわけではない。したがって、ウォブル変調によるRF信号のオフセットが発生する領域は、実際には全体の20%以下に抑えることが可能である。すなわち、このオフセット発生領域においてRF信号のオフセットによるエラー率の悪化が、該オフセットの無い領域に比べ50倍(エラー率c参照)であったとしても、記録領域全体で見れば、エラー率の悪化は10倍程度であるといえる。従って、RF信号のオフセットが3.6%以下であれば、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。つまり、アドレス情報を記録する際にトラックアドレス情報とそれ以外の情報に分割するなどの制約を加えるなどすれば、マージンを得ることができる。尚、このような制約は一般に行われていることである。
また、物理アドレスの記録の際に通常誤り訂正ビットを設けるが、この誤り訂正ビットはトラックアドレスのデータにより決定する。このため、訂正ビットでもRF信号のオフセットが発生する。反対に、訂正ビットを用いなければ、RF信号がオフセットする区間はさらに半分程度に抑えられることになる。訂正ビットを用いないと、アドレス情報のビット単位での訂正が行えなくなるが、本発明の光ディスクはトラックが連続的に続いているため、たとえ一箇所アドレス情報の読み誤りがあっても、前後のアドレスとの連続性から訂正が可能である。また、トラック番号に関しては、トラック内に複数のセグメントがあることから同じトラック番号が同一トラック内に複数回記録されているので、数回誤りがあっても、多数決判定による訂正可能である。このことから、訂正ビットは必ずしも必要ない。
一方、RF信号の復調時のエラー率に影響を与える一般的なパラメータとしてディスクチルトや基板厚み誤差による収差等の外乱が考えられる。この場合、例えばチルト補正サーボや収差補正機構を採用することで、外乱を抑えることが可能となる。
図18はディスクのラジアルチルトとRF信号の復調エラー率の関係を示す。曲線Aはチルト補正機構が無い場合の特性、曲線Bはチルト補正機構が有る場合の特性、曲線Cは特性Bのエラー率を5倍にした特性を示す。ここでRF信号の許容復調エラー率を10−4とすると、必要となるチルトマージンは、図中の太い矢印の領域(約±0.2deg)となる。図から分かるように、記録再生装置にチルト補正機構を設けると、特性BのようにRF信号の復調エラー率のマージンを約1.3倍程度に広げることができる。この結果ボトムのエラー率(特性B)が5倍程度悪化してもユーザー情報を正しく復調することが可能である。
従って、ウォーブル変調によりRFオフセットが発生する領域でのRF信号読み取りエラー率が、該オフセットの無い領域に比べ1000倍あったとしても(エラー率d参照)、アドレス等の記録方法に工夫を加えれば、記録領域全体で見れば50倍程度となる。さらにエラー率が50倍であっても、例えば図18のように光ディスク装置にチルト補正サーボや収差補正機構を採用することで実際には10倍程度となるので、マージンを持ってユーザー情報を正しく復調することが可能である。すなわち図16のエラー率dのように、RF信号のオフセットが5.5%以下であっても、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。
また、本実施形態ではPRML方式データ再生、最短符号が2Tである変調方式を用いたが、本発明の効果はこれに限定するものではなく、例えばスライス方式や、最短符号が3Tである変調方式を用いたものにも効果がある。この場合は、RFオフセットによるエラーの発生量がPRML方式、最短符号が2Tである変調方式に比べ、同等か少ないので、RF信号のオフセット許容値も同程度か若干大きくなる。なぜなら、この場合は時間軸情報を利用できたり、最小符号振幅が大きいからである。
次に、本発明の実施形態の一つである光ディスクの物理的な形状について説明を行う。図12、図19、図20等に示すように、トラックは物理アドレスを記録するためにウォブルされている。ここで、隣接トラックのウォブルに位相差が生じるとそのトラックのトラック幅は変化する。この結果としてRF信号のオフセットが発生する。また、図20よりトラック幅変動量は隣接トラックの位相差が180度であるとき、ウォブルトラック最大振幅がWTppとすると、広がる方向にWTpp、狭まる方向にもWTppだけ変化することがわかる。ここで、トラック幅変動量は隣接トラックの位相差がない場合の幅を0とし、幅が広がる方向を正、狭くなる方向を負とする。図21に対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mm、グルーブ間隔:0.68μm、データビット長:0.13μm、グルーブ深さ:416nmの光ディスク装置を用いた場合のトラック幅変動量とRF信号のオフセット量の関係を示す。ここで、トラック幅変動量とは、図20に示す基本トラック幅TWに対する幅変化の絶対値を示す。
図21の関係から、例えばランドトラック幅が0.009[μm]増減すると、RF信号オフセットが2.5%発生することがわかる(オフセットh参照)。すなわち、トラック幅の増減が0.009[μm]以下であれば、図16のエラー率bで説明したようにRF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。また、図20に示した関係からウォブルトラック振幅(WTpp)が0.009[μm]以下であれば、トラック幅の増減が0.009[μm]以下に抑えられることがわかる。
また、例えばトラック幅が0.013[μm]増減すると、RF信号オフセットが3.6%発生することがわかる(オフセットi参照)。すなわち、トラック幅が0.013[μm]以下であれば、図16のエラー率cで説明したようにRF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。つまり、アドレス情報を記録する際にトラックアドレス情報とそれ以外の情報に分割するなどの制約を加えれば、マージンを確保してユーザー情報の読み出しを行うことができる。また、図20に示した関係からウォブルトラック振幅(WTpp)が0.013[μm]以下であれば、トラック幅の増減が0.013[μm]以下に抑えられることがわかる。
また、例えばトラック幅が0.02[μm]増減すると、RF信号オフセットが5.5%発生することがわかる(オフセットj参照)。すなわち、トラック幅の増減が0.02[μm]以下であっても、図16のエラー率dで説明したようにRF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。つまり、例えばアドレスの記録方法に工夫をくわえるかもしくは、光ディスク装置に外乱補正機構を追加するなどすれば、マージンを確保してユーザー情報の読み出しを行うことができる。また、図20に示した関係からウォブルトラック振幅(WTpp)が0.02[μm]以下であれば、トラック幅の増減が0.02[μm]以下に抑えられることがわかる。
また、本実施形態ではグルーブ間隔0.68μmで説明を行ったが、本発明はこれに限定するものではない。一般的に、トラックの幅変動がRF信号のオフセットに及ぼす影響はグルーブ間隔に比例する。従って図21のオフセットhのように、グルーブ間隔0.68μmにおける幅変動0.009μmで、RF信号オフセット2.5%という関係は、トラックピッチで規格化することができる。すなわち、グルーブ間隔をGWμmとした場合には、幅変動Y=(0.009/0.680)×GW=0.0132×GWで、RF信号オフセット2.5%という関係が成り立つ。幅変動が0.015μm、0.02μmの時も同様にトラックピッチで規格化することが可能である。すなわち、グルーブ間隔をGWμmとした場合には幅変動Y=0.0221×GWで、RF信号オフセット4.0%という関係が成り立つ。また、グルーブ間隔をGWμmとした場合には幅変動Y=0.0294×GWで、RF信号オフセット5.5%という関係が成り立つ。すなわち、グルーブ間隔の約3%の変動幅であれば、図16のエラー率dで説明したようにRF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。つまり、例えばアドレスの記録方法に工夫をくわえるかもしくは、光ディスク装置に外乱補正機構を追加するなどすれば、マージンを確保してユーザー情報の読み出しを行うことができる。
次に、ウォブルトラックの幅変動量を見積るための規格化ウォブル信号振幅とRF信号のオフセットとの関係について説明する。図22にウォブルトラック振幅(WTpp)と規格化ウォブル信号振幅の関係を示す。ここで、規格化ウォブル信号振幅とは、図23に示すウォブル信号振幅(WTpp)をトラッキングエラー信号の最大振幅(TEpp)で割ったものである。この最大振幅TEppはトラックサーボがオフの状態で、ビームスポットがトラックを横切っている時に得られるトラッキングエラー信号の振幅である。
規格化ウォブル信号振幅(NWpp)= ウォブル信号振幅(Wpp)/
トラッキングエラー信号振幅(TEpp) (5)
図22の関係から、規格化ウォブル信号振幅が0.045の時、ウォブルトラックの振幅が0.009μmであることがわかる(振幅k参照)。すなわち、規格化ウォブル信号振幅が0.045以下であれば、ウォブルトラック振幅は0.009μm以下であり、このとき隣接トラックのウォブル位相差が異なる条件でのトラックの幅変動は0.009μm以下であるので、RF信号のオフセットは2.5%以下となり、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。
トラッキングエラー信号振幅(TEpp) (5)
図22の関係から、規格化ウォブル信号振幅が0.045の時、ウォブルトラックの振幅が0.009μmであることがわかる(振幅k参照)。すなわち、規格化ウォブル信号振幅が0.045以下であれば、ウォブルトラック振幅は0.009μm以下であり、このとき隣接トラックのウォブル位相差が異なる条件でのトラックの幅変動は0.009μm以下であるので、RF信号のオフセットは2.5%以下となり、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないと言える。
同様に、規格化ウォブル信号振幅が0.06以下であれば、RF信号のオフセットは3.6%以下となり、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる(振幅l参照)。つまり、アドレスの記録方法に制約を加えるなどすれば、マージンを確保してユーザー情報の読み出しを行うことができる。
同様に、規格化ウォブル信号振幅が0.09以下、すなわちトラッキングエラー信号振幅の9%以下であっても、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる(振幅m参照)。つまり、アドレスの記録方法に工夫をくわえるかもしくは、光ディスク装置に外乱補正機構を追加するなどすれば、マージンを確保してユーザー情報の読み出しを行うことができる。
本実施形態では図7のような回路を用いて、ウォブル信号から物理アドレス等の情報を読み出す。このとき、もともとのウォブル信号振幅が大きいほど、ウォブル信号から物理アドレス情報等を復調する際のウォブル復調エラー率は小さくなる。
図24に本発明の実施例の一形態である、対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mm、グルーブ間隔:0.68μmの光ディスク装置を用いた場合のウォブルグルーブの振幅とウォブル復調エラー率の関係を示す。一般にアドレスの復調エラー率が1.0×10−9以下であれば、光ディスク装置は問題なく所望の位置にアクセスが可能となる。これは、光ディスクはトラックが連続的に続いているため、たとえ数十箇所に一箇所アドレス情報の読み誤りがあっても、前後のアドレスとの連続性から訂正が可能であるためである。ここで図24の関係より、ウォブルトラック振幅が0.009μm以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される(エラー率n参照)。
また、アドレス情報を同じトラック、同じセグメントに複数回記録したり、光ディスク装置に外乱補正機構を設けたりすれば、アドレスの復調エラー率が1.0×10−3以下でも光ディスク装置は問題なく所望の位置にアクセスが可能となる。例えば、複数回同一アドレス情報が記録されていれば、エラーが増加しても多数決判定による訂正可能であり為である。すなわち、ウォブルトラック振幅が0.0035μm以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される(エラー率p参照)。この値をグルーブ間隔(0.68μm)で規格化すると0.00515となる。従って、ウォブルトラック振幅がグルーブ間隔の0.52%以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される。
次に、ウォブルトラックの幅変動量を見積るための規格化ウォブル信号振幅とウォブル復調エラー率との関係について説明する。規格化ウォブル信号振幅とは前述したように、ウォブル信号振幅(WTpp)をトラッキングエラー信号の最大振幅(TEpp)で割ったものである。図25の関係より、規格化ウォブル振幅が0.042以上あれば、アドレスの復調エラー率が1.0×10−9以下となる(振幅q参照)。すなわち、規格化ウォブル振幅が0.042以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される。また図25の関係より、規格化ウォブル振幅が0.016以上あれば、アドレスの復調エラー率が1.0×10−3以下となる(振幅r参照)。すなわち、規格化ウォブル振幅が0.016以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される。従って、ウォブル振幅がトラッキングエラー信号振幅の1.6%以上あれば、ウォブル信号から物理アドレス等の情報が正常に読み出される。ただし、十分なマージンを確保するためには、同一アドレス情報の複数回記録したり、もしくは光ディスク装置に外乱補正機構を設けたりする必要がある。
これまで、本実施形態では、対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mmデータビット長:0.13μm、グルーブ深さ:416nmで説明を行ったが、本発明の効果はこれに限定するものではない。RF信号のオフセットや、ウォブル信号振幅等はそれぞれRF信号振幅やトラッキングエラー信号最大振幅等で規格化されているので、本発明のそれぞれの値はNAやレーザー波長等が変化してもその効果を失うものではない。
これまで、本実施形態では、対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mmデータビット長:0.13μm、グルーブ深さ:416nmで説明を行ったが、本発明の効果はこれに限定するものではない。RF信号のオフセットや、ウォブル信号振幅等はそれぞれRF信号振幅やトラッキングエラー信号最大振幅等で規格化されているので、本発明のそれぞれの値はNAやレーザー波長等が変化してもその効果を失うものではない。
また、上記実施形態ではウォブル信号は最大180度の位相差をもつ位相変調で記録されているが、本発明の効果はこれに限定されるものではない。前述したように、最大90度の位相差をもつ位相変調でもよい。式(1)に示した関係から、最大位相差を90度に抑えれば、トラック幅変動量はグルーブウォブル振幅の70.7%に抑えられる。すなわち、ウォブルグルーブ振幅が0.02μmの(100/70.7)倍の0.028μm以下であれば、トラック幅変動量は0.02μm以下となる。このとき規格化RF信号オフセットは5.5%以下となり、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる(図21のオフセットj参照)。
また、変調には位相変調でなく、周波数変調を用いても良い。周波数変調を用いた場合、図26(a)に示すように、RF信号のオフセットの発生量が、図26(b)の位相変調に比べて平均的に小さくなるので、トラック幅の変動がこれまで説明した位相変調の場合に比べて1.5倍程度大きくなってもRF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる。
次に、規格化RF信号オフセットの見積りについて説明する。
図10に示すように、隣接トラックのウォブル位相が異なる場合、ユーザー情報が記録されていない部分であっても、和信号の変動が観測できる。ここで、この和信号のオフセット量を和信号のレベルで割った規格化和信号オフセットを定義する。
規格化和信号オフセット = 和信号オフセット量 / 和信号レベル ×100 % (6)
図27に対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mm、グルーブ間隔:0.68μmの光ディスク装置を用いた場合の規格化和信号オフセットとトラック幅変動量の関係を示す。この関係から例えば、規格化和信号オフセットが3.5%のとき、トラック幅変化量が0.02μmであることがわかる。トラック幅変化量が0.02μmのときは図21のオフセットjの関係より規格化RFオフセットが5.5%であることがわかる。すなわち、ユーザー情報の記録を行う前でも、規格化和信号オフセットを測定し、それが3.5%以下であれば、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる。このように、図27の関係を利用すれば、ユーザー情報の記録を行うことなく、規格化RF信号オフセットを見積もることができる。
図27に対物レンズNA:0.65、レーザー波長:405nm、ディスク基板厚み:0.6mm、グルーブ間隔:0.68μmの光ディスク装置を用いた場合の規格化和信号オフセットとトラック幅変動量の関係を示す。この関係から例えば、規格化和信号オフセットが3.5%のとき、トラック幅変化量が0.02μmであることがわかる。トラック幅変化量が0.02μmのときは図21のオフセットjの関係より規格化RFオフセットが5.5%であることがわかる。すなわち、ユーザー情報の記録を行う前でも、規格化和信号オフセットを測定し、それが3.5%以下であれば、RF信号からのユーザー情報の読み出しに影響がないといえる。このように、図27の関係を利用すれば、ユーザー情報の記録を行うことなく、規格化RF信号オフセットを見積もることができる。
次に、マスタディスクを製作するマスタリング装置について説明する。
図28に本発明の実施形態のひとつである光ディスク媒体の製造装置の一部であるマスタリング装置の構成図を示す。図29に光ディスク媒体作成のフローチャートを示す。本発明の光ディスク媒体は、原盤作成(ST1)、スタンパ作成(ST2)、成形(ST3)、媒体成膜(ST4)、張り合わせ(ST5)の工程で製作される。原盤作成工程(ST1)では、平らな原盤にレジストを塗布し、その原盤上のレジストを図28のマスタリング装置で感光し、さらに感光したレジストを現像により取り除くことで、最終的な光ディスク媒体の情報記録層と同様の凹凸を有する原盤を作成する。スタンパ作成工程(ST2)では、原盤にNi等のメッキを施し、十分な厚みの金属板にし、原盤を剥離してスタンパを製作する。このとき、原盤に形成された凹凸は反転してスタンパに形成されている。次に成形工程(ST3)では、スタンパを雛形として、そこにポリカーボネイト等の樹脂を流し込み、基板の成形を行う。このとき、成形された基板の表面の凹凸はスタンパの凹凸が転写されたものであり、すなわち原盤の凹凸とほぼ同様の凹凸である。次に、この凹凸部にスパッタ等で記録材料を成膜し(ST3)、この成膜された部分を保護するためのもう一枚の基板を張り合わせて(ST5)、光ディスク媒体が完成する。すなわち、グルーブ等の案内溝や、ウォブルトラック等は図28に示すマスタリング装置で記録されることになる。
図28のマスタリング装置では、フォーマッタ12からレーザードライバ(LDD)14に出力された信号に基づき、光学系のレーザー光量が制御される。レーザーの光ビームは光学系15に含まれるAO変調器、対物レンズ等を通過し、原盤19に照射される。照射光のフォーカス等はサーボ回路18によって制御される。また、ディスクの回転や半径方向の位置も同様に制御される。原盤19の光ビームが当たった部分は感光されるので、この部分が案内溝等になる。また、フォーマッタ12は光ディスクに記録したい物理アドレス情報等に基づき、ウォブル制御回路13に信号を出力する。ウォブル制御回路13は光学系15中のAO変調器等を制御することで、原盤19に照射される光ビームのスポットを揺動、すなわち僅かに半径方向に動かすことができる。ここで、この半径方向の制御量を案内溝間隔の0.52%以上、3%以下になるようにウォブル制御回路13を制御すれば、作成された光ディスクはウォブル変調による物理アドレスの読み取りが可能で、RF信号からのユーザーデータの読み取りが可能な光ディスク媒体となる。
以上の説明はこの発明の実施の形態であって、この発明の装置及び方法を限定するものではない。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
Claims (9)
- 情報記録領域に情報を記録再生するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
該案内溝のウォブルによって発生する記録マークの再生信号のオフセットが、該再生信号の振幅の5.5%以下であることを特徴とする情報記録媒体。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
該案内溝の凹部もしくは凸部の一方のウォブルによって発生する他方の案内溝の幅の増減が、前記凹部もしくは凸部の間隔の3%以下であることを特徴とする情報記録媒体。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
該案内溝のウォブルの振幅が、前記凹部もしくは凸部の間隔の3%以下であることを特徴とする情報記録媒体。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
光ビームを情報記録媒体に照射することで情報記録媒体を再生する情報記録再生装置によって、再生された前記案内溝のウォブルによる信号振幅が、前記案内溝を前記光ビームが横切った際に発生する信号の最大振幅の9%以下であることを特徴とする情報記録媒体。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
該案内溝のウォブルの振幅が前記凹部もしくは凸部の間隔の0.52%以上であることを特徴とする情報記録媒体。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方に情報が記録マークとして形成され、アドレス情報を含む管理情報が案内溝のウォブルによって記録された情報記録媒体であって、
光ビームを情報記録媒体に照射することで、情報記録媒体を再生する情報記録再生装置によって再生された前記案内溝のウォブルよる信号振幅が、案内溝を前記光ビームが横切った際に発生する信号の最大振幅の1.6%以上であることを特徴とする情報記録媒体。 - 位相変調により前記ウォブルが変調され、隣接するウォブルの位相差が、180度未満の値に制限されていることを特徴とする請求項1乃至6の1項に記載の情報記録媒体。
- 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方にユーザーデータ等を記録再生し、案内溝のウォブルによって管理情報を記録する情報記録媒体に、光ビームによって該案内溝のウォブルによる管理情報を記録する情報記録方法であって、
前記情報記録媒体に前記案内溝を形成するための前記光ビームを集光する光学系と該光ビームを前記情報記録媒体の半径方向に揺らすステップと、
該ウォブルが案内溝間隔の0.52%以上3%以下であるかを判断するステップと、
該ウォブルが0.52%以下であった場合には、揺らぎ量を増やし、3%以上であった場合には揺らぎ量を減らすステップとを有することを特徴とする情報記録方法。 - 情報記録領域に情報を記録するための案内溝を有し、案内溝の凹部と凸部の両方にユーザーデータ等を記録再生し、該案内溝のウォブルによって管理情報が記録される情報記録媒体に、該案内溝のウォブルによる管理情報を記録する情報記録装置であって、
前記情報記録媒体に案内溝を形成するための光ビームを集光する光学系と該光ビームを情報記録媒体の半径方向に揺らすための揺動手段と、該ウォブルが案内溝間隔の0.52%以上3%以下に収まるように揺動手段を制御する制御手段を有することを特徴とする情報記録装置。
Priority Applications (1)
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JP2003411431A JP2004247028A (ja) | 2003-01-23 | 2003-12-10 | 情報記録媒体、情報記録再生方法、及び情報記録再生装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014136272A1 (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-12 | 株式会社 東芝 | 情報記録媒体、記録再生装置及び製造装置 |
JPWO2019244550A1 (ja) * | 2018-06-20 | 2021-07-08 | ソニーグループ株式会社 | 情報記録装置、情報再生装置、情報記録媒体、および方法、並びにプログラム |
-
2003
- 2003-12-10 JP JP2003411431A patent/JP2004247028A/ja active Pending
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