JP2003022534A - 光記録媒体作製用原盤の製造方法 - Google Patents

光記録媒体作製用原盤の製造方法

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JP2003022534A
JP2003022534A JP2001208357A JP2001208357A JP2003022534A JP 2003022534 A JP2003022534 A JP 2003022534A JP 2001208357 A JP2001208357 A JP 2001208357A JP 2001208357 A JP2001208357 A JP 2001208357A JP 2003022534 A JP2003022534 A JP 2003022534A
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electron beam
spot
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Shin Masuhara
慎 増原
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子線のビーム電流を変えることなくレジス
ト感光量を制御して、CAV(角速度一定)記録方式を
可能にするパターン描画を可能とし、CAV記録方式に
も対応可能な光記録媒体作製用原盤の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 原盤用基板1の上に塗布された感光層2
の所定領域に、電子線描画によるパターン描画及び現像
によって、情報の記録及び/又は再生に必要な凹凸パタ
ーンを形成する工程と、この凹凸パターンを、光記録媒
体用の基板に転写する工程とを有する光記録媒体作製用
原盤の製造方法にあって、凹凸パターンを、電子線の記
録ビームが描画している間、記録ビームのスポット3
を、記録方向のほぼ接線方向に移動速度Vs でウォブル
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CD(Compact Di
sc)やDVD(Digital Versatile Disc)、相変化型の
光記録媒体または光磁気を用いた光記録媒体など、基板
面に情報の記録及び/又は再生に必要な凹凸パターンが
形成された各種光記録媒体の作製に用いる光記録媒体作
製用原盤の製造方法に係わる。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体として、円盤状に形成されて
成り、光学的に記録及び/又は再生が行われる光ディス
クが各種実用化されている。このような光ディスクに
は、データに対応したエンボスピット、いわゆるピット
がディスク基板に予め形成されて成る再生専用光ディス
クや、磁気光学効果を利用してデータの記録を行う光磁
気ディスクや、記録膜の相変化を利用してデータの記録
を行う相変化型光ディスクなどがある。
【0003】これら光ディスクのうち、光磁気ディスク
や相変化型光ディスクのように書き込みが可能な光ディ
スクでは、通常、記録トラックに沿ったグルーブがディ
スク状の基板に形成される。ここで、グルーブとは、主
にトラッキングサーボを行えるようにするために、記録
トラックに沿って形成される、いわゆる案内溝を示す。
【0004】このような、情報の記録及び/又は再生に
必要なピットやグルーブ等の凹凸パターンを有する光記
録媒体は、図7Aに模式的に示すように、光透過性の樹
脂の例えばポリカーボネート(PC)等より成る例えば
ディスク状の基板11の表面に、グルーブやピット等の
微細な凹凸パターンを含む情報が記録された情報記録面
12が形成されて成る。
【0005】図7B及びCに、このような凹凸パターン
のグルーブ13及びピット14をそれぞれ模式的に示
す。グルーブ13は所定のトラックピッチTPの間隔を
もって形成される。
【0006】このような微細な凹凸パターンが形成され
た基板を製造するには、通常、原盤用の基板上に塗布さ
れたフォトレジストをパターン露光、現像して凹凸パタ
ーンを得るフォトリソグラフィ技術が用いられ、この凹
凸パターンが形成された原盤から更に、スタンパーを作
製するいわゆるマスタリングプロセスによって製造され
る。以下これを説明する。
【0007】先ず、図8Aに示すように、表面が平坦に
研磨され、洗浄されたガラス等より成る原盤用基板1を
用意し、この上に、図8Bに示すように、例えば感光す
るとアルカリ可溶性となるフォトレジストより成る感光
層2を、スピンコート法等により厚さ約50〜100n
mとして塗布する。
【0008】そして図8Cに示すように、原盤用基板1
を矢印cで示すように回転させ、記録信号に合わせて強
度変調を受けた記録用光L0 を、対物レンズ17により
感光層2の表面に集光させて、パターン露光を行う。こ
のとき、原盤用基板1と対物レンズ17の位置を相対的
に、基板1の半径方向に移動させることにより、例えば
スパイラル状の潜像18を形成する。
【0009】その後、露光された感光層2を現像するこ
とにより、感光した領域を溶解し、図8Dに示すよう
に、ピットやグルーブ等の凹凸パターン15を形成す
る。
【0010】次に、この上に例えばニッケルメッキを施
して、メッキ層19aを被着形成し、剥がし取ること
で、フォトレジストにより形成された凹凸パターンの反
転パターンが転写されたニッケルによるスタンパー19
を形成する。スタンパー19の厚さは、現状では0.3
〜0.5mm程度とされる。
【0011】ニッケルメッキはメッキ成長速度の早い電
気メッキ法を用いるが、この場合、予め基板表面に導電
性を持たせる前処理として、スパッタ法又は化学反応に
よってニッケルを析出させる無電解メッキ法によって表
面に導電性を付与し、その後ニッケル電気メッキが施さ
れる。
【0012】そして、このようにして形成したスタンパ
ー19を金型のキャビティ内に配置して、図8Eに示す
ように、射出成形法等により目的とする微細な凹凸パタ
ーンを有する光透過性樹脂より成る例えばディスク状の
基板11を作製する。
【0013】或いは、基板上に、例えば紫外線硬化樹脂
を塗布し、この樹脂層にこのスタンパー19を押圧し
て、目的とする凹凸パターンを形成する、いわゆる2P
(Photo-Polymerization)法によって同様の基板11の
形成がなされる。
【0014】この基板11の上に、例えば反射層、光磁
気や相変化材料による記録層、更に保護層等を順次被着
形成することによって、ピットやグルーブ等の微細凹凸
パターンが形成された光記録媒体を形成することができ
る。
【0015】上述の光記録媒体の製造工程のうち露光工
程においては、レーザ光を対物レンズで集光し、原盤上
のフォトレジストを露光するのが一般的である。レーザ
光を用いる光学記録装置では、レーザ光源から射出され
た光は、APC(Auto PowerController )によって記
録光強度を制御される。
【0016】APCは一般的に、印加電圧によってMH
zオーダーの高速で入射光の偏光状態を制御することが
できる電気光学結晶素子(EO)、特定方向の偏光成分
のみを透過する検光子、この検光子からの透過光量をモ
ニターするPD(フォトディテクター)、更にこのPD
において受光量に比例して出力される電圧値が、所望の
光強度を指令するリファレンス電圧値に一致するように
EO素子の印加電圧へフィードバックを行うサーボ回路
によって構成される。
【0017】APCは、記録光を制御するのみならず、
EO素子動作速度以下の光源ノイズを除去する役割をも
有している。
【0018】そして、このAPCによって強度制御され
た光をレンズで集光し、その焦点面上に配置されたAO
M(Acousto-Optic Modulator;音響光学変調素子)に入
射させる。このAOMに超音波を入力し、内部に形成さ
れた回折格子によりレーザ光が回折される。回折光のう
ち、一次回折光のみスリットを透過させて、記録光に使
用する。一次回折光の強度は、AOMに入射される超音
波の強度変調によって制御される。
【0019】そして、強度変調を受けた一次回折光は、
ビームエクスパンダーによって径を拡大された後、対物
レンズによって集光された原盤上の感光層を露光するよ
うになされる。
【0020】このようにして形成されるパターンの寸法
は、記録レーザ光が原盤上に集光された状態でのスポッ
ト径とほぼ同等である。よって、スポット径を微小化す
る程高密度記録が可能となる。スポット径φは、波長λ
と対物レンズ開口数NAより、 φ=1.22・(λ/NA) で与えられるので、主に記録光源の短波長化が高記録密
度化の鍵を握ってきた。
【0021】光ディスク初期のCD等の露光では、波長
400nm台の青色光源を使用していたが、現在では3
50nm付近の紫外光源が主流となっており、更に波長
260nm付近の遠紫外線光源の実用化も検討されてい
る。しかし、これより短波長の光源については目処がた
っておらず、対物レンズの開口数NAも理論上の限界
(<1.0)にほぼ近い約0.9が一般的に使用されて
いるため、従来のレーザ露光では、記録密度の限界が見
えはじめてきている。
【0022】そこで、将来の更なる高密度光ディスクの
記録用途に充分小さなスポット径を容易に得る方法とし
て、光に替わって電子線でレジストを感光させる技術が
提案されている。
【0023】既に半導体の次世代リソグラフィ技術とし
ては開発が進んでおり、光ディスクへの応用に関しても
まだ歴史は浅いものの、露光工程以外の従来のマスタリ
ングプロセスはほぼそのままに利用できるので、近い将
来は本流の技術となる可能性が高い。
【0024】図9に、現在提案されている光記録媒体製
造用の電子線描画装置の一例の構成を模式的に示す。こ
の装置は、上部の電子ビーム発生・集束部20と、下部
のスピンドル及びスライドから成る機構部21とより構
成され、全体が設置場所の外部振動を除去する除振台3
1の上に載置される。
【0025】尚、図9においては、電子線の記録ビーム
のオン・オフ、集束ビームサイズの調整、ビームの偏向
いわゆるウォブリング等を制御するビームの制御と、機
構部の制御とを行うコンピュータ制御装置は省略してあ
る。
【0026】電子ビーム発生・集束部20では、LaB
6 等の熱電子線銃より成る電子銃22から放出され、陽
極により数kV〜100kVで加速された電子が、静電
レンズであるコンデンサーレンズ23で集束され、ビー
ム変調部24で変調されてアパーチャー25に達する。
【0027】アパーチャー25で絞られた電子ビーム
は、ビーム偏向電極26の電極間に電圧を印加して偏向
される。これは、照射ビームをオン状態のまま、レジス
ト面上でビームをmmからμmオーダーで偏向する、即
ちウォブリングさせるためのものである。そしてこのビ
ーム偏向電極26を通過した後、静電又は電磁型レンズ
であるフォーカス調整用レンズ27、対物レンズ28に
より、電子線用レジストより成る感光層2が塗布されて
ガラス又は感光層2の導電性に有利なシリコン等より成
る原盤用基板1の所定位置上に、サブミクロンサイズの
スポットに集束されて、感光層2をスポット照射する。
【0028】アパーチャー25の上部のブランキング電
極等より成るビーム変調部24は、ビームを偏向してア
パーチャー25の外側へ飛ばしてしまうことによって照
射電子ビームをオン・オフさせる。
【0029】対物レンズ28は、感光層2の表面に照射
される電子ビームを集束させ、数nmから数μmサイズ
のスポットに絞り込む。
【0030】次に、機構部21は、原盤用基板1を上部
にチャッキングしたエアスピンドル等より成るスピンド
ル29が、スライド30上に積載されて構成される。エ
アスピンドルは高精度で且つ3600rpm程度で高速
回転が可能であり、その回転速度は光学式ロータリーエ
ンコーダーを用いたサーボ機構によって10-7以下の回
転ジッター(1回転あたり)で制御される。
【0031】またスライド30は、リニアモーター型エ
アスライドを用いる。その送りスピードは、スライド3
0に装着したレーザスケールによる測長機構により精密
に制御されて、数nmの送り精度で、原盤用基板1を半
径方向に移動させる。この原盤用基板1を回転させなが
ら、記録スポットを半径方向に一回転あたり等距離ずつ
移動させることによって、グルーブ或いはピットの潜像
を一定のトラックピッチで、スパイラル状、または同心
円状に形成することができる。
【0032】電子ビームは伝播中に他原子、分子との衝
突により散乱され、広がりを持ったりエネルギー損失を
被るので、以上の構成による装置内は全て、高真空に保
持される必要がある。電子ビーム発生・集束部20は、
電子線近傍が10-6Pa以下の超高真空、そして対物レ
ンズ28の近傍、機構部21が10-3Paの真空度に保
持される。
【0033】このような電子線描画装置で、実際に高密
度光ディスクのマスタリングを実施した例が報告されて
いる(JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS/1998年4
月/Vol37 No.4B/P.2137-2143/ 論文名“High Density M
astering Using Electron Beam”/ 著者 Yoshiaki Koji
maら)。
【0034】これによると、現行のDVDに対して面密
度で約6.4倍、即ちCD片面に30GB容量(=21
Gbit/inch2相当)のパターン描画に成功している。この
例ではDVDにEFM+信号を用いており、最短ピット
長は0.16μm、トラックピッチは0.29μmとな
っている。また、電子ビームのスポット径の半値幅は8
0nmであった。
【0035】ちなみに、従来のレーザ露光では、現在開
発レベルで最も微小なスポットを形成できる組み合わせ
の光学系、即ち露光用光の波長λが257nm、対物レ
ンズの開口数NAが0.95の光学系を用いても、スポ
ット半値幅は約2倍の165nmまでしか絞れない。よ
って、今後の高記録密度の光ディスク等の光記録媒体の
パターン形成においては、電子線描画装置を用いる方法
が主流となることが予想されている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光記録媒体
の微細な凹凸パターンを形成する方法として、以下の2
種類の方法がある。
【0037】(i)CLV(Constant Linear Velocit
y)方式 記録線速度が常に一定となるようにする記録方式であ
る。記録線速度をV(mm/s)、記録半径即ち中心か
らの距離をr(mm)、回転数をR(s-1)とすると、 V=2πr・R の関係がある。CLV方式ではVを一定とするため、R
はrに反比例する。
【0038】すなわち、原盤の回転数が半径値、即ち中
心から半径方向の距離に対し、反比例して変化するよう
に制御する必要がある。よって、記録信号のパルス長が
一定の場合、形成されるピット長も内外周で一定にな
る。下記のCAV方式と比較して、記録密度の点で有利
なので、ROM(Read Only Memory)では主にこのCL
V方式が採用されている。
【0039】(ii)CAV(Constant Angular Velocit
y )方式 記録角速度一定、即ち原盤の回転数が常に一定となるよ
うにする記録方式である。この場合、上述の式において
回転数Rを一定にするため、記録線速度Vは半径値rに
比例し、よって記録信号のパルス長が一定の場合、形成
されるピット長も半径値に比例して増減する。再生時
に、ディスク回転数を変化させる必要が無いため、アク
セス速度は上記CLV方式よりも有利であり、その利点
を活かすために、ライタブルディスク即ち書き込み可能
型光記録媒体の一部フォーマットに使用されている。
【0040】ところが、従来のレーザ露光はどちらの方
式にも対応することが可能であるが、電子線描画による
パターン描画を行う場合には、上記(ii)のCAV方式
に対応することが難しいという欠点がある。以下これを
説明する。
【0041】CLV方式では、図10Aに示すように、
中心から半径方向の位置rに対して、最内周から最外周
にかけて回転数Rは減少し、記録線速度Vは、図10B
に示すように、一定である。このとき、記録光強度は一
定とすると、最内周から最外周にかけて、単位長さ当た
りの露光量は一定となり、必要記録光強度は、図10C
に示すように一定となる。
【0042】一方CAV方式では、図11Aに示すよう
に、回転数Rは一定であり、図11Bに示すように、記
録線速度Vは、最内周から最外周へ向けて半径値に比例
して増加するが、単位長さ当たりのレジスト感光量を等
しくするためには、記録光強度も同時に記録線速度に比
例して図11Cに示すように、一定の割合で減少するよ
うに制御する必要がある。
【0043】レジスト面上での記録光強度が全面に渡っ
て一定だと仮定すると、内周では線速度が低いので、単
位長さ当たりの露光量が大きくなってオーバーサイズ即
ち幅の比較的大きいパターンが形成されるが、逆に外周
では線速度が大きいので、単位長さ当たりの露光量が小
さくなってアンダーサイズ即ち幅が比較的小さいパター
ンが形成されてしまう。
【0044】レーザ露光の場合、上述したように光源外
部のAPCによって記録光強度を制御しているため、記
録中に高速で任意に光強度を制御することが可能であ
る。従って、CAV記録方式を採る場合、半径方向の位
置情報から計算された記録光強度指令値を制御部へ逐次
入力することによって、記録光強度を記録線速度に比例
させることができる。
【0045】一方、電子線描画の場合は、ビーム電流値
がレーザ露光の場合の記録光強度に相当するが、ビーム
電流値を高速で逐次変化させることは、非常に困難であ
る。上述した装置のように熱電子線銃を用いる場合は構
造上、レーザ露光の場合のように外部に電流値の制御手
段を設けることができず、またビーム電流値自体の制御
は、一旦変化させると電流値が安定するまでに比較的長
い時間を要するので、ビーム電流値の制御はほぼ不可能
である。このように、電子線描画による場合は、光ディ
スク特有のCAV方式記録に対応することが難しいとい
う問題がある。
【0046】しかしながら、電子線描画が必要となる将
来の高記録密度光記録媒体においても、CAV記録方式
によるフォーマットが必要とされる場合には、単位長さ
当たりのレジスト感光量を等しく制御する対応が不可欠
となる。本発明は、電子線のビーム電流を変えることな
くレジスト感光量を制御して、CAV記録方式を可能に
するパターン描画を可能とし、CAV記録方式にも対応
可能な光記録媒体作製用原盤の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明は、原盤用基板の
上に塗布された感光層の所定領域に、電子線描画による
パターン描画及び現像によって、情報の記録及び/又は
再生に必要な凹凸パターンを形成する工程と、この凹凸
パターンを、光記録媒体用の基板に転写する工程とを有
する光記録媒体作製用原盤の製造方法にあって、凹凸パ
ターンを、電子線の記録ビームが描画している間、記録
ビームのスポットを、記録方向のほぼ接線方向に移動速
度Vs でウォブルさせる。
【0048】そして、この記録ビームが描画していない
時間Toff より短い時間Tb の間に、記録ビームのスポ
ットをウォブル前の初期位置へ戻し、記録ビームのスポ
ットの移動速度Vs を、原盤用基板の半径方向の位置に
対応して変化する記録線速度Vに対応して制御して、記
録ビームのスポットと、原盤用基板との相対速度Vre l
を、ほぼ一定に保ちながら感光層に対するパターン描画
を行う。
【0049】また本発明は、上述の光記録媒体作製用原
盤の製造方法にあって、電子線の記録ビームの(1/e
2 )強度スポット径φに対して、L<φとなる距離Lの
間隔をもって、記録ビームをパルス照射する。
【0050】更に本発明は、上述の光記録媒体作製用原
盤の製造方法にあって、記録ビームのパルス周期Pを、
原盤用基板の半径方向の位置に対応して変化する記録線
速度Vに対して、P=L/Vとし、パルス照射の時間T
onは、記録領域全面にわたってほぼ一定とする。
【0051】上述したように、本発明においては、電子
線描画によって光記録媒体作製用原盤上の感光層をパタ
ーン描画する際に、記録ビームのスポットを、記録方向
のほぼ接線方向に移動速度Vs でウォブルさせながら、
凹凸パターンの記録を行う。
【0052】そして、この記録ビームが描画していない
時間Toff より短い時間Tb の間に、記録ビームのスポ
ットをウォブル前の初期位置へ戻しながら、上述のウォ
ブルを行うことを繰り返すことによって、記録ビームの
スポットの移動速度Vs を、原盤用基板の半径方向の位
置に対応して変化する記録線速度Vに対応して制御し
て、記録ビームのスポットと、原盤用基板との相対速度
rel を、ほぼ一定に保ちながら感光層に対するパター
ン描画を行うことができる。
【0053】したがって、光記録媒体作製用原盤を、C
AV方式により記録を行う場合、即ち光記録媒体作製用
原盤を角速度一定で回転させて記録を行う場合において
も、記録線速度はほぼ一定に保持して、いわば擬似的に
CLV方式型の記録を行うことができて、電子線野ビー
ム電流を変えることなく、単位長さ当たりのレジスト感
光量を等しくしながらCAV方式の記録を行うことが可
能となる。
【0054】また本発明は、上述したように、この製造
方法において、電子線の記録ビームの(1/e2 )強度
スポット径φに対して、L<φとなる距離Lの間隔をも
って、記録ビームをパルス照射することによって、ウォ
ブルしながら、記録ビームと原盤用基板との相対速度V
rel をほぼ一定にして、擬似的なCLV方式型の記録
を、連続溝いわゆるグルーブを形成する際に適用するこ
とができる。
【0055】更に本発明は、上述したように、記録ビー
ムのパルス周期Pを、原盤用基板の半径方向の位置に対
応して変化する記録線速度Vに対して、P=L/Vと
し、パルス照射の時間Tonは、記録領域全面にわたって
ほぼ一定とすることによって、原盤上の内周側と外周側
とにおいて、パルス照射によって形成されるスポット間
の間隔Lを一定とし、且つ実質的な線速度一定記録を行
うことができ、露光量を記録領域全面にわたって一定に
保ち、パターン寸法の変動を回避することができる。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明するが、本発明は以下の例に限定
されることはなく、その他種々の態様を採ることができ
ることはいうまでもない。
【0057】本発明は、原盤用基板の上に塗布された感
光層の所定領域に、電子線描画によるパターン描画及び
現像によって、情報の記録及び/又は再生に必要な凹凸
パターンを形成する工程と、この凹凸パターンを、光記
録媒体用の基板に転写する工程とを有する光記録媒体作
製用原盤の製造方法に関する。
【0058】そして、上述の問題点を解決するために、
CAV方式、即ち角速度一定で原盤用基板を回転させ
て、所定の凹凸パターンに対応して、原盤上の感光層に
対し電子線によるパターン描画を行う際に、図1に模式
的に示すように、電子線の記録ビームLが描画している
間、記録ビームの記録スポット3を、記録方向のほぼ接
線方向に移動速度Vs でウォブルさせる。
【0059】そして、この記録ビームが描画していない
時間Toff より短い時間Tb の間に、記録ビームのスポ
ットをウォブル前の初期位置へ戻し、記録ビームのスポ
ットの移動速度Vs を、原盤用基板1の半径方向の位置
に対応して変化する記録線速度Vに対応して制御して、
記録ビームのスポット3と、原盤用基板との相対速度V
rel を、ほぼ一定に保ちながら感光層2に対するパター
ン描画を行う。以下これを説明する。
【0060】以下の実施の形態においては、光記録媒体
作製用原盤上に、ピット部分と、グルーブ部分とに分け
て電子線描画を行った。以下に各場合の記録方法を記
す。
【0061】(1)ピット部分 半径によって記録線速度Vが変化しても、記録スポット
と原盤の相対速度Vre l が常にほぼ一定となるように、
記録方向のほぼ接線方向に、移動速度Vs でウォブルさ
せて、擬似的にCLV方式となるように記録を行う。こ
のとき、移動速度Vs は、 Vs =V−Vrel とする。
【0062】前述したように、CAV方式即ち原盤を角
速度一定で回転させて記録を行う方式では、記録線速度
Vは内周から外周へ向かって記録半径rに比例して増加
するが、記録スポットに原盤の移動方向と同一方向の速
度Vs を持たせ、Vの増加に応じてVs にも等量の変化
を与えれば、原盤と記録スポットの相対速度Vrel =V
−Vs は一定に保たれるので、実質的にCLV記録が可
能となる。
【0063】電子ビームの電流値が不変でも、擬似的に
CLV記録方式となるため、凹凸パターンの深さ、幅等
の寸法は全面的に均一にすることができる。
【0064】記録スポットにVs を与える方法として、
通常の光ディスクのマスタリングにおいて、半径方向に
行われるウォブリングを、半径方向と直交する記録接線
方向に行う。ここで、記録トラックは円周上の軌跡をと
るものであるが、微視的にはほぼ直線と見なしてウォブ
ルすることができる。以下この半径方向と直交する方向
を記録接線方向と記す。
【0065】そこで、上記記録スポットの速度Vs とし
ては、ウォブル振幅をW、ウォブルの片道に要する時間
をTとしたとき、Vs =W/Tにより決定される。
【0066】ピット部分の記録変調信号は、通常パルス
ONとパルスOFFの指令を与える2値の電圧レベルよ
り構成される。パルスONの電圧値をEon、パルスOF
Fの電圧値をEoff とする。パルスONの時間をTon
パルスOFFの時間をToffとした時、パルスONの時
間Tonの間、所望のVs が得られるように、 W=Vs ×Ton の振幅で、記録接線方向にウォブルを行う。
【0067】そしてその後は、パルスがOFFの時間T
off より短い時間Tb でスポットを逆方向にウォブルさ
せ、初期位置に戻す。この動作を各パルス毎に繰り返す
ことによって、本発明の擬似CLV記録方式が達成され
ることとなる。
【0068】尚、半径方向の位置によって、必要なスポ
ットの移動速度Vs は常時変化する。パルスONの時間
onも、ピット長に応じて数種類の値をとるので、ウォ
ブル振幅Wは、それぞれについて異なった値となる。こ
の様子を、図2に模式的に示す。
【0069】図2に示すように、内周側ではパルスをO
Nとする時間Ton(1)及びOFFとする時間T
off (1)は比較的短く、外周側ではパルスONとする
時間Ton(2)及びOFFとする時間Toff (2)は比
較的長くなる。
【0070】そして、ウォブル振幅Wを制御するウォブ
ル信号電圧値Ew は、常に半径方向の位置とこれによっ
て決定されるこの位置での記録線速度V、及び描画する
ピットのパルス長Tonの2情報より計算された上で、出
力される。内周側ではTon(1)の間出力され、Toff
より短い時間Tb の間に0に戻るようになされ、外周側
ではTon(2)の間出力され、Tb の間に0に戻るよう
になされる。
【0071】このようにして、ピット部分をパルス毎に
ウォブルして、擬似的にCLV方式をとることによっ
て、CAV方式で角速度一定として原盤用基板を回転す
る場合においても、ピットの長さ、幅及び深さを内周側
と外周側とで変動させることなく、所定の長さ、幅及び
深さをもって形成することができる。
【0072】次に、グルーブ部分を形成する場合につい
て説明する。
【0073】(2)グルーブ部分 電子ビームを連続描画ではなく、ピット部分と同様にパ
ルス照射して、図3に模式的に示すように、特にその記
録スポット3の間隔Lを、スポット径φよりも短い値と
してパルス照射することによって、連続的に描画してい
わば連続溝を形成することができるようにし、各パルス
を描画する際に、上述の(1)において説明したピット
部分の場合と同様にスポットをほぼ記録接線方向にウォ
ブリングする。図3において、Eは記録信号を示す。
【0074】すなわち、グルーブは通常記録スポットの
連続照射によって露光するが、この場合はパルスOFF
の時間が無いので、スポットをウォブル後に初期位置で
戻す動作が出来ない。
【0075】そこで、グルーブもピットと同様に、パル
スで描画することによって、スポットを初期位置に戻す
時間Tb を設けることができることとなる。
【0076】つまり、電子ビームの1/e2 強度でのス
ポット径φに対し、 L≦φ の間隔Lをもってパルス照射し続ければ、現像後には連
続溝が形成される。ここで、原盤用基板上の記録領域の
全面に渡って間隔Lが一定に保たれるように、記録パル
ス周期時間Pを半径に反比例して変化させる必要があ
る。
【0077】各パルス毎に前述の疑似CLV方式による
記録方法を用いれば、グルーブも(1)において説明し
たピットと同様に、全面的に均一な寸法、即ち幅及び深
さで形成することができる。
【0078】このような本発明による方法は、前述の図
9において説明した電子線描画装置の本体に一切の変更
を加えることなく、記録信号の変更のみによって、CA
V方式による問題点を解決して擬似的なCLV方式を実
現することができる。例えばビーム偏向電極26におい
て、後段の実施例において詳細に説明するように、静電
偏向により充分高速に記録接線方向のウォブリングを行
うことができる。
【0079】次に、本発明を適用した実施例を説明す
る。一例として、グルーブを描画する方法を、具体的数
値を用いて示す。
【0080】例えば、 ・電子ビームのスポット径φ:120nm ・パルス間隔L:100nm とする。
【0081】ここで、 ・CAV回転数:450rpm ・相対速度Vrel :1.0m/s と設定すると、記録半径r=20mm、40mm、60
mmの各位置において、以下の表1に示すスポット速度
s 、パルスONの時間Ton及びウォブリング幅Wの各
値で、本発明によるグルーブの描画を実現することがで
きる。
【0082】尚、記録信号のパルス周期時間Pは、記録
線速度Vに反比例して、 P=L/V としなければならないが、実質上CLV記録を行ってい
るため、パルスONの時間Tonについては、パルス周期
Pに関係なく常に一定の長さが良い。よって、パルス周
期Pの最外周における最小値Pmin に対して、 Pmin >Ton とする必要がある。
【0083】更に、Toff (=P−Ton)に対して、ス
ポット径が初期位置へ戻る時間TbがTb >Toff でな
くてはならないので、Tonは装置のウォブル動作速度を
考慮して下記表1に示すように決定した。
【0084】
【表1】
【0085】但し、上記表1において、スポットの移動
速度Vs 及びウォブリング幅Wの欄に示す−の符号は、
原盤の移動方向と逆方向を示す。
【0086】また、記録線速度V、スポットの移動速度
s 及びウォブリング幅Wは、下記の各式により計算さ
れている。 V=2π×r×(450/60) Vs =V−Vrel W=Vs ×Ton
【0087】また、内周側と外周側のそれぞれの記録信
号、即ち変調信号とウォブル信号とを、それぞれ図4A
及びBに示す。変調信号のパルスONの時間Tonは、内
周側と外周側において一定とされるが、パルス周期P
は、内周側では比較的長く、外周側ではP’で示すよう
に、短くなっている。パルスOFFの時間Toff も同様
に、外周側ではToff ’で示すように短くなっている。
【0088】また、ウォブル信号は、内周側では比較的
ウォブリング幅が小さいことからウォブル信号Ew は比
較的小さく、外周側ではウォブリング幅を大きくする必
要があり、ウォブル信号Ew ’は比較的大きく、またそ
の周期は小さくなっていることがわかる。
【0089】このとき、ウォブルが初期位置に戻る時間
b は、最外周におけるToff の最小値以下であること
が要求される。従って上述の例においては、記録半径6
0mmでのパルス周期35nsecから、パルスON時
間Tonの20nsecを差し引いた値、15nsec以
下であることが要求される。そこで、例えばTb =10
nsecと設定すれば良い。
【0090】前述したように、図9において説明した電
子線描画装置によって本発明を実施する場合は、ウォブ
リングを静電偏向によって、即ち例えば図9におけるビ
ーム偏向電極26を制御することによって、50MHz
以上の高速動作が可能であり、10nsecは充分実現可能
な値である。
【0091】尚、ピット部のパターンについても、隣り
合うピットの間隔がビームスポット径φよりも大きいと
いう条件が異なるだけで、同様に描画することができ
る。
【0092】ここで、一般的な各工程における条件の一
例を以下に示す。 〔1〕レジスト ・住友化学工業社製「NEB−22」(商品名) ・塗布膜厚d=50nm ・原盤用基板材料:シリコン基板
【0093】〔2〕電子線描画装置 ・電子銃:材質LaB6 ・加速電圧:50kV ・電流:20nA
【0094】〔3〕現像条件 ・現像液:有機アルカリ現像液(東京応化工業株式会社
製「NMD−3」(商品名)、テトラメチルアンモニウ
ム2.38%) ・現像時間:60秒
【0095】次に、記録信号発生器について説明する。
本発明による光記録媒体作製用原盤の製造方法では、記
録半径rが、スポット移動速度Vs 、パルス周期P等の
計算に用いられるため、信号発生器は常に正確な記録半
径情報を所有している必要がある。そこで、信号発生器
に記録開始半径r0 、トラックピッチtp 、回転数Rの
情報を与えると同時に、前述の図9において説明した電
子描画装置のスピンドル29の機構部に、回転基準信号
を信号発生器側から与えると、信号発生器は回転積算量
Nをカウントすることができる。
【0096】これにより、半径値即ち中心からの距離r
は、 r=r0 +(tp ×N) から求めることができる。回転基準信号は、例えば周波
数15.75kHzの矩形波が使用される。
【0097】この他、信号発生器には、各種計算に必要
な相対線速度Vrel 、グルーブ描画時のパルス間隔L、
スポット発光時間Ton、スポット初期位置戻り時間Tb
の設定値を入力しておく。
【0098】グルーブ部を描画する場合の記録信号発生
器における模式的な記録信号生成フローの一例を、図5
を参照して説明する。
【0099】図5において、10は信号発生器、5は信
号発生器から出力されるCAV回転基準信号、50は電
子線描画装置を示す。また6は開始半径r0 、トラック
ピッチtp 及び回転数Rを信号発生器10及び電子線描
画装置50に入出力する制御部を示す。
【0100】これらのデータから、信号発生器10にお
いて、上述の式によって記録半径r即ち中心からの位置
を計算し、これと回転数Rから、記録線速度Vを計算す
る。その後、パルス間隔設定値L及び線速度Vからパル
ス周期Pを計算し、全面一定とするパルス発光時間設定
値Tonから、変調信号Eを生成する。記録信号用のクロ
ックは、パルス周期Pの値と一致するように制御されて
いる。
【0101】また、記録線速度V及び相対線速度設定値
rel から、スポット移動速度Vsを計算し、パルス発
光時間設定値Tonから必要なウォブル振幅Wを求め、そ
れに対応するウォブル信号出力値EW を決定する。更
に、前述のパルス周期P、パルス発光時間設定値Ton
スポット初期位置戻り時間Tb から、ウォブル記録波形
を生成する。
【0102】このようにして生成された変調信号E及び
ウォブル信号EW とが、制御部6を介して電子線描画装
置50に入力され、所定のウォブル偏向が電子線に対し
施されて、本発明による擬似的にCLV方式としたパタ
ーン描画を行うことができる。
【0103】図6においては、ピット部を描画する場合
の模式的な記録信号生成フローの一例を示す。上述のグ
ルーブ部を描画する場合とは、記録パルスの間隔P
(n)、パルス長Ton(n)が、ピットの情報毎に個々
に異なる点が相違する。ウォブル信号を生成するため
に、P(n)及びTon(n)を随時検出する作業が必要
になる。
【0104】即ちこの場合は、記録線速度Vを計算し、
各ピットのパルス長Ton(n)を検出し、更に隣接する
ピットの間隔P(n)を検出して、これらからウォブル
信号出力EW (n)の記録波形を生成する。図6におい
て、図5と同一の部分には同一符号を付して重複説明を
省略する。
【0105】このようにして、凹凸パターンに対応する
記録を行った後、上述の条件によって感光層に対し現像
を施して、本発明による光記録媒体作製用原盤を製造す
ることができる。
【0106】そしてこの光記録媒体作製用原盤を用い
て、前述の図8において説明した通常のマスタリングプ
ロセスを経て、従来より微細な凹凸パターンを有し、従
って高記録密度、大容量の光記録媒体を、その凹凸パタ
ーンの寸法にばらつきを生じることなく形成することが
できる。
【0107】上述の本発明によれば、電子線描画装置5
0の内部に一切の変更を加えることなく、CAV方式に
よる電子線描画を行う場合においても、原盤用基板上の
感光層に対し、ピット及びグルーブ共に、その寸法を内
周側と外周側とにおいて変動することなく、ほぼ一定の
幅及び深さをもって凹凸パターンを形成することができ
た。
【0108】尚、本発明は上述の実施例に限定されるこ
となく、光記録媒体作製用原盤の材料構成、記録領域の
寸法、回転数等、その他種々の材料構成を採り得ること
はいうまでもない。
【0109】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、従来
に比し格段にピットやグルーブの幅及び深さ等の寸法形
状を微細化することが可能な電子線によって凹凸パター
ンのパターン描画を行って光記録媒体作製用の原盤上の
感光層に凹凸パターンを形成する際に、従来は困難とさ
れたCAV方式によってパターン描画を行う場合におい
ても、原盤用基板の内周側から外周側に渡って、記録線
速度をほぼ一定に保持して、いわば擬似的にCLV方式
型の記録を行うことができて、感光層に対する単位長さ
当たりの感光量を等しくしながらCAV方式の記録を行
うことが可能となる。
【0110】また本発明は、上述したように、この製造
方法において、電子線の記録ビームの(1/e2 )強度
スポット径φに対して、L<φとなる距離Lの間隔をも
って、記録ビームをパルス照射することによって、ウォ
ブルしながら、記録ビームと原盤用基板との相対速度V
rel をほぼ一定にして、擬似的なCLV方式型の記録
を、連続溝いわゆるグルーブを形成する際に適用するこ
とができる。
【0111】更に本発明は、上述したように、記録ビー
ムのパルス周期Pを、原盤用基板の半径方向の位置に対
応して変化する記録線速度Vに対して、P=L/Vと
し、パルス照射の時間Tonは、記録領域全面にわたって
ほぼ一定とすることによって、原盤上の内周側と外周側
とにおいて、パルス照射によって形成されるスポット間
の間隔Lを一定とし、且つ実質的な線速度一定記録を行
うことができ、露光量を記録領域全面にわたって一定に
保ち、パターン寸法の変動を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体作製用原盤の製造方法の一例の説明
図である。
【図2】光記録媒体作製用原盤の製造方法の一例の変調
信号とウォブル信号の説明図である。
【図3】光記録媒体作製用原盤の製造方法の一例の説明
図である。
【図4】光記録媒体作製用原盤の製造方法の一例の変調
信号とウォブル信号の説明図である。
【図5】記録信号生成フローの一例の説明図である。
【図6】記録信号生成フローの一例の説明図である。
【図7】光記録媒体の一例の説明図である。
【図8】光記録媒体の製造工程の説明図である。
【図9】電子線描画装置の一例の説明図である。
【図10】CAV記録方式の説明図である。
【図11】CLV記録方式の説明図である。
【符号の説明】
1 原盤用基板、2 感光層、3 記録スポット、5
CAV回転基準信号、6制御部、10 信号発生器、1
1 基板、12 信号記録面、13 グルーブ、14
ピット、15 凹凸パターン、17 対物レンズ、18
潜像、19Niメッキ層、19 スタンパー、20
電子ビーム発生・集束部、21 機構部、22 電子
銃、23 コンデンサーレンズ、24 ビーム変調部、
25 アパーチャー、26 ビーム偏向電極、27 フ
ォーカス調整用レンズ、28 対物レンズ、29 スピ
ンドル、30 スライド、31 除振台

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原盤用基板の上に塗布された感光層の所
    定領域に、電子線描画によるパターン描画及び現像によ
    って、情報の記録及び/又は再生に必要な凹凸パターン
    を形成する工程と、上記凹凸パターンを、光記録媒体用
    の基板に転写する工程とを有する光記録媒体作製用原盤
    の製造方法にあって、 上記凹凸パターンを、電子線の記録ビームが描画してい
    る間、上記記録ビームのスポットを、記録方向のほぼ接
    線方向に移動速度Vs でウォブルさせ、 上記記録ビームが描画していない時間Toff より短い時
    間Tb の間に、上記記録ビームのスポットをウォブル前
    の初期位置へ戻し、 上記記録ビームのスポットの移動速度Vs を、上記原盤
    用基板の半径方向の位置に対応して変化する記録線速度
    Vに対応して制御して、上記記録ビームのスポットと、
    上記原盤用基板との相対速度Vrel を、ほぼ一定に保ち
    ながら上記感光層に対するパターン描画を行うことを特
    徴とする光記録媒体作製用原盤の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記電子線の上記記録ビームの(1/e
    2 )強度スポット径φに対して、L<φとなる距離Lの
    間隔をもって、上記記録ビームをパルス照射することを
    特徴とする上記請求項1に記載の光記録媒体作製用原盤
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記記録ビームのパルス周期Pは、上記
    原盤用基板の半径方向の位置に対応して変化する記録線
    速度Vに対して、P=L/Vであり、上記パルス照射の
    時間Tonは、記録領域全面にわたってほぼ一定とされる
    ことを特徴とする上記請求項2に記載の光記録媒体作製
    用原盤の製造方法。
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