JP4385552B2 - 光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法、光学記録再生媒体作製用スタンパ、光学記録再生媒体及びこれを用いた光学記録再生装置 - Google Patents

光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法、光学記録再生媒体作製用スタンパ、光学記録再生媒体及びこれを用いた光学記録再生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に、情報記録に対応する凹凸パターンが形成されて成る光学記録再生媒体を作製するための光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法と、光学記録再生媒体作製用スタンパ、光学記録再生媒体及びこれを用いた光学記録再生装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
光学記録再生媒体として、円盤状に形成されて成り、光学的に記録及び/又は再生が行われる光ディスクが各種実用化されている。このような光ディスクには、データに対応したエンボスピットがディスク基板に予め形成されて成る再生専用光ディスクや、磁気光学効果を利用してデータの記録を行う光磁気ディスクや、記録膜の相変化を利用してデータの記録を行う相変化型光ディスクなどがある。
【0003】
これら光ディスクのうち、光磁気ディスクや相変化型光ディスクのように書き込みが可能な光ディスクでは、通常、記録トラックに沿ったグルーブがディスク基板に形成される。ここで、グルーブとは、主にトラッキングサーボを行えるようにするために、記録トラックに沿って形成される、いわゆる案内溝であり、グルーブとグルーブの間の凸部領域をランドと称す。
【0004】
そしてこのような光ディスクに対する読み出しの際には、再生光の戻り光を、例えばそれぞれ4分割ダイオードによる1対の光検出素子に分岐して検出し、クロストラック(CTS)信号を、これら1対の光検出素子の和信号として取り出していわゆるシークないしはトラバースカウントを行い、プッシュプル信号によってトラックエラー信号を取り出してトラッキングサーボを行っている。
【0005】
ところで、従来、これらの光ディスクでは、再生装置に搭載される光ピックアップの再生分解能を向上させることで、高記録密度化を達成してきた。そして、光ピックアップの再生分解能の向上は、主に、データの再生に使用するレーザ光の波長λを短くしたり、光ディスク上にレーザ光を集光する対物レンズの開口数NAを大きくしたりすることにより、光学的に実現させてきた。
【0006】
また従来、光磁気(MO;Magneto Optical )ディスクの書き換え可能型のMD(Mini Disc )、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)の追記型のいわゆるCD−R、DVD−R、又はDVDの書換え可能型のいわゆるDVD+RW或いはDVD−RW(いずれも光ディスクの登録商標)の各フォーマットでは、グルーブに記録するグルーブ記録フォーマットが提案されている。ISO系の光磁気ディスクの各フォーマットでは、ランドに記録するランド記録フォーマットが提案されている。
【0007】
一方DVD−RAM(Random Access Memory)等においては、光ディスクの高密度化を実現する一つの方法として、グルーブとランドとの両方に記録することにより、トラック密度を従来の2倍にして高密度化をはかる、いわゆるランドグルーブ記録方式が提案されている。
【0008】
また近年、次世代光ディスクとして開発が進められているDVR(Digital Video Recordable)や、MDが小径化されたいわゆるμ(マイクロ)−Disc等の高密度光ディスクにおいても、ランドグルーブ記録方式が検討されて、高記録密度化をはかる試みがなされている。
【0009】
しかしながら、DVD−RAM等においてランドグルーブ記録を行う場合、ランド上の記録とグルーブ上の記録において、記録再生時にフォーカス点をそれぞれ調節しないと最適な記録再生特性が得られないことから、光学系の複雑化を招くという欠点があった。
【0010】
また、"ISOM 2000 Simulation Of Heat Generation And Conduction On Land/Groove Disc"において、ランド上の記録とグルーブ上の記録とにおいて、記録ビーム形状が異なる報告があることからも明らかなように、ランド記録再生特性とグルーブ記録再生特性とを均一化することは困難であり、同一の光学記録再生媒体において、記録再生特性の異なる領域が存在するという問題がある。
【0011】
更にまた、DVR等の高密度光ディスクにおいて、読み取り面に近い方、即ちDVRの場合はランド上の記録再生特性は良好であるが、読み取り面から遠い方、即ちDVRの場合グルーブでの記録再生特性を良好に保持することは困難な結果を得ている。
【0012】
DVD−RAMやDVR等においてランド上とグルーブ上とに直接記録することは可能ではあるが、上述したように高記録密度化をはかるためにランドグルーブ記録方式を採る場合は、グルーブとランドの両方トラックに記録再生するため、両方のトラックにおける記録再生特性を均一化することが望まれている。
【0013】
更に、先願特許1(特許第2960018号)においては、ピットの幅より幅広のいわばウォブリングワイドグルーブを設けた記録媒体が記載されており、22.05kHzと5MHzの重畳信号によりこのウォブリングワイドグルーブを形成している。この場合、22.05kHzのFM変調信号は、アドレスのウォブル情報を記録するもので、5MHzの信号はその振幅量によってグルーブの幅を広げている。
【0014】
このような構成とすることによって、安定にグルーブ内の例えばMO信号を記録再生することができ、またグルーブ内のアドレス信号等のウォブル信号を良好に再生することができた。
【0015】
また、先願特許2(特許第2854187号)において、記録密度を高密度化する目的で、一方の側面がウォブリングしているグルーブを設けた光記録媒体が提案されている。この場合、グルーブの一方の側面のみがウォブリングしているので、グルーブ自体にアドレス情報を含ませることが可能となるという利点を損なうことはないが、ウォブル信号量が半分となってしまうことから、安定にウォブル信号の再生を行うことが難しいという欠点がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年DVR等の高密度光ディスクでは、図7に示すように、ウォブルランド20に情報信号の記録を行い、内周部等にピット18が形成されたピット部も含むフォーマットが提案されている。
【0017】
上述したように、DVR等の高密度光ディスクでは、読み取り面から遠いグルーブ部での記録再生特性を良好にすることは困難であるとの結果が出ていることから、このように、ウォブルランド20への記録が試みられている。現状では、このようにランド部をウォブリングする構成とする場合、原盤用基板上の感光層に所定のパターンにウォブリンググルーブを形成した後、電気メッキ等による転写を2回行うことによって、凹凸パターンが逆にされたいわゆるマザースタンパを用いることによって、その製造は可能となる。
【0018】
しかしながらこの場合、マザースタンパのピットパターンが凹状となり、射出成形等によって、光学記録再生媒体の光透過性樹脂等より成る基板を形成する際に、その高記録密度化にしたがってピットの形状が微細化されることによって、樹脂がピットパターン内に入りにくくなってしまい、製造上実現することが難しいという問題がある。
【0019】
また、DVR等の高密度光ディスクにおいて、グルーブ部に記録する場合、相変化記録膜の特性が変化すると反射率が下がる特性があり、記録後のCTS信号が減少することを抑制するためには、グルーブ幅をランド幅に比し狭くすることが望まれる。
【0020】
しかしながら、グルーブ幅は、その製造過程において、原盤用基板上の感光層を露光する際の露光ビームのビーム径に依存するものであり、トラックピッチが狭いDVR等の高密度光ディスクでは、グルーブ幅をランド幅より狭くすることは難しい。
【0021】
更に、光学記録再生媒体では高記録密度化と共に、安定したウォブル信号の再生が必須であるが、グルーブの両方の側面がウォブリングし、記録密度を高密度化即ち狭トラックピッチ化した場合、ウォブル信号の振幅が2〜3倍に増大してしまういわゆるビートが発生する現象を回避できず、安定したウォブル信号の再生が困難となってしまうという問題がある。
【0022】
本発明は、上述の各課題を解決して、光学記録再生媒体の高記録密度化をはかると共に、安定した情報記録及びウォブル信号等の記録再生をも可能にし、また成形転写等の製造過程における問題を回避し得る光学記録再生媒体とその原盤の記録方法、スタンパ及び光学記録再生装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、原盤用基板の上に感光層を被着して、所要のパターンの露光及び現像により感光層を記録情報に対応するパターンとして形成する光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法にあって、露光ビームを第1及び第2の露光ビームに分割した後、この第1の露光ビームの偏向量と第2の露光ビームの偏向量とを異ならしめ、所定の間隔をもってほぼ平行な光軸上に合成して原盤用基板の上の感光層に対する露光を行い、原盤用基板の上の少なくとも一部の感光層の未露光部を、両側のウォブル振幅が異なるウォブルランドパターンとして形成する。
【0024】
また本発明は、上述の光学記録再生媒体の記録方法において、原盤用基板の上の感光層に対し、露光ビームによって所要のピットパターンのパターン露光を行い、この原盤用基板の上の少なくとも一部の感光層の露光部を、ピットパターンとして形成する。
【0025】
更に本発明は、上述の光学記録再生媒体の記録方法において、第1及び第2の露光ビームの間隔を適切に選定することによって、これら第1及び第2の露光ビームの露光部の幅を、未露光部の幅に比し大とすることによって、グルーブパターンの幅に対し、ウォブルランドパターンの幅を小とする。
【0026】
更にまた本発明は、原盤用基板の上に感光層を被着して、所要のパターンの露光及び現像によりこの感光層を記録情報に対応するパターンとして形成した光学記録再生媒体作製用原盤から転写形成される光学記録再生媒体作製用スタンパにあって、ランドパターンをウォブルランドパターンとすると共に、その両側のウォブル振幅量を異ならしめて形成し、このランドパターンを凹状パターンとして形成して構成する。
【0027】
また本発明は、上述の光学記録再生媒体作製用スタンパにおいて、ピットパターンを凸状パターンとして形成して構成する。
【0028】
更に本発明は、上述の光学記録再生媒体作製用スタンパにおいて、ランドパターンの間のグルーブパターンの幅に比し、ランドパターンの幅を小として構成する。
【0029】
また更に本発明は、基板上に記録情報に対応する凹凸パターンを有する光学記録再生媒体にあって、少なくとも記録領域に、ウォブルランドを形成して、このウォブルランドを、その両側のウォブル振幅を異ならしめて構成する。
【0030】
更に本発明は、上述の光学記録再生媒体において、記録領域の少なくとも一部に、ピットを凹状パターンとして形成して構成する。
【0031】
また本発明は、上述の光学記録再生媒体において、ウォブルランドの幅を、ウォブルランド間に設けられるグルーブの幅に比し小として構成する。
【0032】
更にまた本発明は、上述の光学記録再生媒体において、ウォブルランドのランド面を情報記録面として、この情報記録面上を覆って全面的に、基板に比し十分薄い薄膜の光透過性保護膜を形成して、光透過性保護膜側を、情報記録面に対する照射光の入射面として構成する。
【0033】
また本発明は、上述の光学記録再生媒体において、ウォブルランドの両側のウォブル振幅量の比を、0.10以上0.60以下として構成する。
【0034】
更に本発明は、上述の光学記録再生媒体において、情報記録面に対する記録及び/又は再生に使用される対物レンズの開口数をNAとしたとき、このNAを0.85以上として構成する。
【0035】
また更に本発明は、上述の光学記録再生媒体において、情報記録面に対する記録及び/又は再生と共に、ウォブル情報及びピット信号の再生がなされる構成とする。
【0036】
更に本発明は、基板上に記録情報に対応する凹凸パターンを有する光学記録再生媒体に対し、記録及び/又は再生を行う光学記録再生装置にあって、上述の本発明構成による各光学記録再生媒体を用いる構成とする。
【0037】
上述したように、本発明によれば、原盤用基板の上の感光層に所要のパターンの露光をする際に、露光ビームを第1及び第2の露光ビームに分割した後、この第1の露光ビームの偏向量と第2の露光ビームの偏向量とを異ならしめ、所定の間隔をもってほぼ平行な光軸上に合成して原盤用基板の上の感光層に対する露光を行うことによって、この間の未露光部は、現像後にランドパターンとなると共に、特にその両側のウォブル振幅の異なるウォブルランドパターンとして形成することができる。
【0038】
そして、このような構成による光学記録再生媒体作製用原盤からスタンパを作製し、このスタンパから射出成形等によって光学記録再生媒体の基板を作製してこの上に反射層、記録層等を形成することによって、両側のウォブル振幅の異なるランドを有する光学記録再生媒体を得ることができる。
【0039】
このような構成とすることによって、異なる振幅のウォブル信号をランドに記録することによって、上述したように、トラックピッチの微細化に伴うウォブル信号の振幅の比率の増大化によるクロストラック、即ちいわゆるビートの発生を抑制することができて、またこの場合、片側のみのウォブル信号とする場合と比較して、十分安定にウォブル情報を再生することができる信号量を得ることができる。
【0040】
更に本発明によれば、通常のグルーブを形成する工程と同様に、ランドの両側の溝を露光によりパターニングしてランドを形成することから、記録領域の少なくとも一部にピットを通常のパターニングと同様に形成しても、その形状は凹状となり、この原盤より作製するスタンパのピットは凸状となり、光学記録再生媒体をの基板を成形する際の転写形状は良好となり、歩留りの低下を招来することを確実に回避することができる。
【0041】
また更に、ウォブルランドの幅を、ウォブルランド間に設けられるグルーブの幅に比し小とすることによって、相変化材料による記録層を構成する場合において、このランド上に情報信号が記録されても、相変化記録膜の特性によって記録により反射率の低下する領域の面積を比較的小さく抑えることができることから、記録後のCTS信号が減少することを抑制することができ、記録再生特性の劣化を回避することができる。
【0042】
更に、ランド面を情報記録面として、この上に基板に比し十分薄い薄膜の光透過性保護膜を形成して、この光透過性保護膜側から情報記録面に対する照射光を入射して情報の記録再生を行うことによって、DVR等の高密度光ディスクに本発明を適用した場合において、その記録再生特性を良好に保持することができる。
【0043】
また、ウォブルランドの両側のウォブル振幅量の比を、0.10以上0.60以下とすることによって、DVR等の高密度光ディスクに対応する微細なトラックピッチとした場合においても、ウォブル信号のビートが発生することを確実に回避することができて、且つ片側のみにウォブル信号を設ける場合と比較して、十分大なる信号量を得ることができて、安定確実なウォブル信号の再生を行うことができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の各例を図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、以下の例に限定されることなく、種々の変形変更が可能であることはいうまでもない。
【0045】
先ず、本発明による光学記録再生媒体は、上述したように、基板上に記録情報に対応する凹凸パターンを有し、少なくとも記録領域に、ウォブルランドを形成して、このウォブルランドを、その両側のウォブル振幅を異ならしめて構成する。
【0046】
このように両側のウォブル振幅が異なるランドは、その原盤を作製する際の露光工程において、露光ビームを第1及び第2の露光ビームに分割した後、この第1の露光ビームの偏向量と第2の露光ビームの偏向量とを異ならしめ、所定の間隔をもってほぼ平行な光軸上に合成して原盤用基板の上の感光層に対する露光を行うことによって、原盤用基板の上の少なくとも一部の感光層の未露光部を、両側のウォブル振幅が異なるウォブルランドパターンとして形成することができる。
【0047】
露光工程において、2つの露光ビームによって光軸をずらして露光を行い、未露光部をランドとする記録方法は、例えば本出願人の出願に係る特開平1−143037号公開公報において提案されているが、本発明においては、特にランド部の両側のウォブル振幅を異ならしめるために、2つの露光ビームのウォブル偏向量を異ならしめて行うことに特徴を有するものである。
【0048】
先ず、本発明による光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法及びこれを用いた光学記録再生媒体作製用スタンパの一例を、図1A及びBの説明図を参照して説明する。図1Aにおいて、1はガラス等より成る原盤用基板、2はフォトレジスト等の感光層を示す。そして、この感光層2に対する露光ビームの光強度分布をそれぞれ第1の露光ビームをB1 、第2の露光ビームをB2 として示す。
【0049】
図1Aに示すように、ウォブルランドを設ける領域においては、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 を用いて露光を行い、且つこれら第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 の間隔、即ち隣接する第1の露光ビームB1 と第2の露光ビームB2 との間隔dと、隣接する第2の露光ビームB2 と第1の露光ビームB1 との間隔d’とを、適切に選定してその露光を行う。
【0050】
この場合、間隔d’を比較的小とすることによっていわば第1及び第2の露光ビームの強度分布を一部重ならせることにより、この部分をビームスポット径に比しやや幅広に露光して、現像によりグルーブを形成することができる。また、間隔dを適切に選定することによって、この間に所定の幅の未露光部を設け、現像によって残されるランドパターン、この場合ウォブルランドパターン3を形成することができる。
【0051】
そして、これら第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 のそれぞれの偏向量を異ならしめ、且つ適切な偏向量にそれぞれ選定することによって、このウォブルランドパターン3の両側のウォブルの振幅が異なる構成とすることができる。
【0052】
一方、ピットを形成する領域においては、例えば第1の露光ビームB1 のみによって情報記録に対応するパターン露光を行い、所望のピットパターン4を凹状パターンとして形成することができる。このようにして、目的とするウォブルランドパターン3及びピットパターン4が形成された光学記録再生媒体作製用原盤5を得ることができる。
【0053】
そして、この原盤5に対し、例えば無電界メッキ法等により例えばNiより成る導電化膜を形成した後、原盤5を電鋳装置に取り付けて、電気メッキ法等により導電化膜上に例えばNiメッキ層を被着形成する。そしてこのNiメッキ層を原盤用基板からカッター等で剥離し、図1Bに示すように、原盤上の凹凸パターンとはその凹凸が反転した反転ウォブルランドパターン3n及び反転ピットパターン4nを有するスタンパ6を作製することができる。
【0054】
そして、このスタンパ6を例えば射出成形用の金型に載置した状態で、ポリカーボネート等の光透過性樹脂を射出成形し、スタンパ6の凹凸パターンが転写された基板を厚さ例えば1.1mmとして形成する。この基板の形成方法としては、その他スタンパ6の上にフォトポリマーを塗布した後、ポリメチルメタクリレート等のベースプレートを密着した後硬化、剥離して形成するいわゆる2P(Photo-Polymerization)法を用いることもできる。
【0055】
このようにして形成した基板上の、ウォブルランド17及びピット18の模式的な平面図を図2に示す。図2においてpはトラックピッチを示し、a1 及びa2 はそれぞれウォブルランド17の両側のウォブル振幅を示す。図示の例においては、ウォブル振幅の大きさがa1 <a2 とした場合で、ランド17の幅、即ち両側の振幅の異なるランド17の平均的な幅が、ランド17の間のグルーブの平均的な幅に比し小となるように構成する。
【0056】
図3に、図1Aにおいて説明した第1及び第2の露光ビームの各スポット21及び22の走査照射態様を模式的に示す。第1の露光ビームのスポット21は、比較的小さいウォブル偏向量とされ、原盤用基板の半径方向に比較的小さい振幅の偏向をもって走査照射される。
【0057】
これに対し、第2の露光ビームのスポット22は、比較的大なるウォブル偏向量とされて原盤用基板の半径方向に比較的大きい振幅の偏向をもって走査照射される。23は未露光部を示し、この場合理解を容易にするために、各スポット21及び22との重複部を一部ずらして示す。dは第1及び第2の露光ビームのスポットの中心の間隔を示す。
【0058】
尚、図3においては、各スポット21及び22を断続的に示しているが、DC信号等による連続的な走査照射を行うことによって、現像後に露光部が溶融除去されて形成されるランドの側壁をなめらかに形成することができることはいうまでもない。
【0059】
図4に、図3における未露光部23のみを斜線を付して示す。このように、未露光部23の両側のウォブル振幅は、それぞれa1 及びa2 とされ、両側の振幅の異なるパターンとして形成され、現像処理後には、ウォブルランドパターンとして形成することができる。
【0060】
次に、このように各偏向量の異なる2つの露光ビームにより原盤用基板に光学的記録を施す記録装置を、その一例の構成図を示す図5を参照して詳細に説明する。図5において、30は半導体レーザ等の光源を示す。光源は特に限定されるものではなく、適宜選択可能であるが、この例では、Krレーザ(波長λ=351nm)により記録用レーザ光を発振するレーザ光源を用いた。
【0061】
光源30から出射された露光ビームBは、ビームスプリッターBS2により分割される。BS2を透過した露光ビームはビームスプリッタBS1によって反射され、それぞれビームB1 及びB2 として変調光学系31及び32に導かれる。BS1を透過した光は、図示しないが例えばフォトダイオード等により検出されて、電気的な制御により出力の変動が制御される構成とすることもできる。
【0062】
そして、各変調光学系31及び32において、ビームB1 及びB2 がそれぞれ集光レンズL11及びL21により、音響光学変調器AOM1及びAOM2に集光されて、それぞれ強度変調され発散し、集光レンズL21及びL22によって平行ビームとされる。各光学系31及び32においては、各レンズL11、12及びL21及び22を、各音響光学変調器AOM1及びAOM2のブラッグ条件を満たすように配置する。
【0063】
そして、各ビームB1 及びB2 は、それぞれミラーM1 及びM2 によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で、移動光学テーブル40の上に水平且つ平行に導かれる。
【0064】
各露光ビームB1 及びB2 は、それぞれ移動光学テーブル40において、偏向光学系OD1及びOD2に導かれる。第1の露光ビームB1 は、偏向光学系OD1で光学偏向が施された上でミラーM3によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBS1によって反射されて、更に進行方向が90°曲げられてλ/2波長板HWP1を介して偏光ビームスプリッタPBS2に入射する。第2の露光ビームB2 は、偏向光学系OD2で光学偏向が施された上でミラーM4によって反射されて進行方向が90°曲げられた上で偏光ビームスプリッタPBS2に入射する。
【0065】
ここで、偏向光学系OD1及びOD2は、ウォブル信号のウォブルに対応するように、第1及び第2の露光ビームに対して光学偏向を施すためのものである。即ち、変調光学系31及び32から出射され偏向光学系OD1及びOD2に入射した第1及び第2の露光ビームは、それぞれウェッジプリズム147及び247を介して音響光学偏向器AOD1及びAOD2(AOD:Acousto Optical Deflector )に入射し、この音響光学偏向器AOD1及びAOD2によって、所望する露光パターンに対応するように光学偏向が施される。
【0066】
この音響光学偏向器AOD1及びAOD2に使用される音響光学素子としては、例えば、酸化テルル(TeO2 )から成る音響光学素子が好適である。そして、音響光学偏向器AOD1及びAOD2によって光学偏向が施された第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 は、それぞれウェッジプリズム149及び249を介して偏向光学系OD1及びOD2から出射される。
【0067】
尚、ウェッジプリズム147及び149、247及び249は、音響光学偏向器AOD1及びAOD2の音響光学素子の格子面に対してブラッグ条件を満たすように第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 を入射させるように配置され、且つ、ウェッジプリズム149及び249は、音響光学偏向器AOD1及びAOD2から出射された第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 をビーム水平高さが変わらないように配置する。
【0068】
また、各音響光学偏向器OD1及びOD2には、この音響光学偏向器OD1及びOD2を駆動するための駆動用ドライバ150及び250がそれぞれ取り付けられており、これら駆動用ドライバ150及び250には、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator )151及び251からの高周波信号が、アドレス情報を含む制御信号S1及びS2により周波数変調(MSK:Minimum Shift Keying)されて供給される。
【0069】
具体的には、例えば、周波数956kHzと1.435MHzにてグルーブをウォブルさせることにより、ランドにアドレス情報を付加するような場合には、例えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数956kHzと1.435MHzの制御信号にて位相変調信号を、電圧制御発振器151及び251から駆動用ドライバ150及び250に供給する。そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ150及び250によって音響光学偏向器AOD1及びAOD2の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、周波数956kHzと1.435MHzのウォブルに対応するように、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 に対して光学偏向が施される。
【0070】
このようにしてウォブル偏向が施された第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 は、偏光ビームスプリッタPBS2に入射される。偏光ビームスプリッターPBS1及びPBS2はS偏光を反射し、P偏光を透過するようになされている。第1の露光ビームB1 は、λ/2波長板HWP1を透過することにより偏光方向が90°回転させられているのでP偏光となっており、偏光ビームスプリッタPBS2を透過する。
【0071】
そして、第2の露光ビームB2 はS偏光であり、偏光ビームスプリッタPBS2によって反射され、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 が光軸方向に合成される。
【0072】
ここで、偏光ビームスプリッタPBS2の角度を変えることによって、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 の間隔を所定の間隔に制御することができる。この角度制御によって、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 が所定の間隔をもってほぼ平行に光軸を調節された後、拡大レンズL3によって所定のビーム径とされた上でミラーM5によって反射されて対物レンズ54へと導かれ、この対物レンズ54によって、原盤用基板1の上の感光層2上に集光される。
【0073】
またこのとき、λ/2波長板HWP1の回転調整により、第1の露光ビームB1 が偏光ビームスプリッタPBS2を透過する光量を調整する。これによって、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 のビーム強度が同一となるように制御することができる。
【0074】
原盤用基板1は、矢印cで示すように回転手段(図示せず)により回転駆動され、露光ビームのスポット位置を移動光学テーブル40によって半径方向に移動させることによって、所要の記録領域全域にわたって、例えばスパイラル状の軌跡に応じた潜像が形成される。一点鎖線aは原盤用基板1の回転中心軸を示す。
【0075】
このような記録装置において、電圧制御発振器151及び251からの入力を制御することにより、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 に対する偏向量を異ならしめて、異なるウォブル振幅量の例えば第1の露光ビームB1 により±2nm、第2の露光ビームB2 により±10nmとする。そして、上述したように、偏光ビームスプリッタPBS2の角度制御によって両ビームの間隔d、更に移動光学テーブル40による水平移動量の制御によりトラックピッチを適切に選定することによって、上述したように、第1及び第2の露光ビームB1 及びB2 の照射軌跡を一部重複させて、両側の振幅の異なる潜像を形成し、現像後に残る未露光部を、両側の振幅の異なるウォブルランドとして形成することができる。
【0076】
以下の実施例においては、上述の記録装置における対物レンズ54の開口数NAを、0.9とした。音響光学変調器AOM1及びAOM2の音響光学素子は酸化テルル(TeO2 )を用いた。音響光学変調器AOM1及びAOM2には、図示しないがドライバを介して所要の信号が入力端子から供給される。この信号は、ピットを形成する場合は、2−7変調信号であり、ランドを形成する場合は、一定レベルのDC信号である。この例においては、変調光学系OM1及びOM2のレンズ半導体同一のものを用い、集光レンズL11及びL21の焦点距離を80mm、コリメートレンズL21及びL22の焦点距離を100mm、拡大レンズL3の焦点距離を50mmとした。
【0077】
また、露光条件は、ウォブルランドを形成する場合のレーザパワーは0.20mJ/m、ピットを形成する場合のレーザパワーは0.25mJ/m程度とし、ピットを形成する場合は第1の変調光学系OM1によりピット変調即ち2−7変調、ランドを形成する場合は、第1及び第2の変調光学系OM1及びOM2にDC信号を供給してトラックピッチ0.35μmとして線速5.28m/sで記録した。
【0078】
露光後の処理としては、原盤用基板1を感光層2が上部になるように現像機のターンテーブルに載置して、水平面に対して回転させ、感光層2この場合フォトレジスト上に所要の現像液を滴下して、感光層2に対する現像を行う。これによって、原盤用基板1の上の信号形成面に凹凸パターン、即ちこの場合ウォブルランドとピットが形成され光学記録再生媒体作製用原盤を得ることができる。
【0079】
そしてこの後、前述の図1Bにおいて説明したように、無電界メッキ法、電気メッキ法等によって、Ni等より成るメッキ層を厚さ例えば300±5μmとして形成した後、カッター等により剥離して、光学記録再生媒体作製用スタンパを作製する。
【0080】
次に、このスタンパを用いて、上述したように射出成形法または2P法等によって光学記録再生媒体の基板を成形し、信号形成面に形成されたピット、ランドの凹凸パターンを転写する。
【0081】
そして、図6にその一例の模式的な拡大断面図を示すように、この基板1の上に、Al合金等より成る反射層12、ZnS−SiO2 等より成る第1の誘電体層13、GeInSbTe等より成る相変化材料層14、ZnS−SiO2 等より成る第2の誘電体層15を順次スパッタリング等により成膜し、反射層12、第1の誘電体層13、相変化材料層14、第2の誘電体層15より成る記録層7を形成する。
【0082】
その後、第2の誘電体層15の上を覆って例えば紫外線硬化樹脂をスピンコート法等により塗布し、紫外線を照射して硬化させることによって、厚さ例えば0.1mmの保護膜16を形成する。以上の工程により、本発明によるDVR構成の光学記録再生媒体が形成される。図6において、17はウォブルランド、18はピットを示し、17Sで示すランド面に情報信号の記録再生がなされる構成とする。19は記録再生用の対物レンズ、Lは記録再生用のレーザ光を示す。
【0083】
上述の光学記録装置において、ウォブル振幅量を変化させた光学記録再生媒体をそれぞれ作製し、その評価を波長λ=406nm、開口数NA=0.85の光ピックアップを備えたDVR評価機により行った。
【0084】
先ず、第1及び第2の露光ビームの間隔d、即ち上述の光学記録装置によって調整した各ビームの間隔dを適切に変化させることによって、ウォブルランドの幅を165nm、146nm、128nmとして形成した。トラックピッチは350nm(0.35μm)としたので、それぞれグルーブ幅は185nm、204nm、222nmとなり、グルーブ幅よりも狭いウォブルランド幅のパターンを実現した。
【0085】
この場合、相変化材料層により記録層を構成したものであるが、このようにランド幅を比較的狭くし、このランド上に情報の記録再生を行う構成としたので、記録後のCTS信号量の低下を招くことなく、安定して記録情報の再生を行うことができる。
【0086】
そして、上記各幅構成としたウォブルランドのランド面17S、即ち図6において説明したように、読み取り面に近い記録領域となるランド面17Sに1−7変調で記録再生を行ったところ、ジッター8.4〜9.0%程度で再生することができ、良好な記録再生特性を実現することができた。またピット信号の再生は、ジッター7.6%程度で再生することができ、良好な再生特性を得ることができた。
【0087】
次に、ウォブルランド17の片側の振幅を±10nmでウォブルし、もう一方の側の振幅を±1nm、±2nm、±4nm、±6nmとしてウォブルして両側の振幅を異ならしめて構成し、アドレス情報をウォブル信号として記録したところ、安定に再生することができた。
【0088】
これに対し、±6nmより大なる振幅とする場合は、上述のビートの発生によりウォブル信号を安定に再生することが難しく、また±1nm未満とする場合には、トラックピッチの形成精度の問題から、その振幅の精度の検証が難しく、実用上形成が困難となる。したがって、この例から、片側の振幅を±10nmとする場合に、反対側の振幅を±1nm以上±6nm以下とすることが望ましいことがわかる。
【0089】
つまり、ウォブルランドの両側のウォブル振幅量の比を、0.10以上0.60以下とするときに、アドレス情報を安定に再生することができることがわかる。両方の側面を同じ振幅でウォブルさせた場合、上述したように、トラックピッチの微細化により問題となるウォブル信号のビートによって、ウォブル信号の再生が困難とるものであるが、本発明によれば、トラックピッチ0.35μmとした場合においてもビートの発生を抑制して、安定に再生を行うことができた。
【0090】
またこの場合、両側にウォブル信号を記録したことによって、片側のみをウォブルさせる構成のようにウォブル信号量が半分程度に低下してしまうことがなく、良好な再生特性を保持することができた。
【0091】
また更に、通常の光学記録再生媒体作製用スタンパから転写形成したいわゆるマザースタンパを用いることなく、光学記録再生媒体を作製していることから、そのピットの形状は、スタンパにおいて凸状となり、高記録密度化に伴うピット形状が微細化されても、良好に形状を転写することが可能となり、歩留りの低下を回避することができる。
【0092】
このように、本発明によれば、ピットとウォブルランドが混在するいわゆるランド記録フォーマットを採る光学記録再生媒体において、良好な記録再生特性を実現でき、記録密度を大幅に向上することを可能にした。更に、高密度で安定したウォブル信号の再生を実現することができた。
【0093】
またこの場合、ランドとグルーブとに記録を行う従来のランドグルーブ記録のトラック密度と同等の高密度化をはかることができ、更にランド面のみに記録を行っていることから、フォーカス点を変えることなくその記録再生が可能となり、このような高記録密度媒体に対する再生光学系の複雑化を招来することを回避できる。
【0094】
更に、上述したようにグルーブ幅に比し狭い幅のランドに情報の記録再生を行う構成とすることによって、記録後のCTS信号が減少することを抑制し、記録後も安定にCTS信号を用いることができ、更に、高密度で安定したウォブル信号を再生することができた。
【0095】
以上、本発明による実施例を詳細に説明したが、本発明はその技術的思想に基づいて変更し得るものであり、例えば記録層を相変化材料でなく、光磁気により構成するとか、また情報の記録再生に限ることなく、信号記録再生を行う光学記録再生媒体、光学記録再生装置等にも適用することができる等、種々の変形変更が可能である。
【0096】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、原盤用基板の上の感光層に所要のパターンの露光をする際に、露光ビームを第1及び第2の露光ビームに分割した後、この第1の露光ビームの偏向量と第2の露光ビームの偏向量とを異ならしめ、所定の間隔をもってほぼ平行な光軸上に合成して原盤用基板の上の感光層に対する露光を行うことによって、この間の未露光部は、現像後にランドパターンとなると共に、特にその両側のウォブル振幅の異なるウォブルランドパターンとして形成することができる。
【0097】
そして、このような構成による光学記録再生媒体作製用原盤からスタンパを作製し、このスタンパから射出成形等によって光学記録再生媒体の基板を作製してこの上に反射層、記録層等を形成することによって、両側のウォブル振幅の異なるランドを有する光学記録再生媒体を得ることができる。
【0098】
このような構成とすることによって、異なる振幅のウォブル信号をランドに記録することによって、上述したように、トラックピッチの微細化に伴うウォブル信号の振幅の比率の増大化によるクロストラック、即ちいわゆるビートの発生を抑制することができて、またこの場合、片側のみのウォブル信号とする場合と比較して、十分安定にウォブル情報を再生することができる信号量を得ることができる。
【0099】
更に本発明によれば、通常のグルーブを形成する工程と同様に、ランドの両側の溝を露光によりパターニングしてランドを形成することから、記録領域の少なくとも一部にピットを通常のパターニングと同様に形成しても、その形状は凹状となり、これより作製するスタンパのピットは凸状となり、光学記録再生媒体をの基板を成形する際の転写形状は良好となり、歩留りの低下を招来することを確実に回避することができる。
【0100】
また更に、ウォブルランドの幅を、ウォブルランド間に設けられるグルーブの幅に比し小とすることによって、相変化材料による記録層を構成する場合において、このランド上に情報信号が記録されても、相変化記録膜の特性によって記録により反射率の低下する領域の面積を比較的小さく抑えることができることから、記録後のCTS信号が減少することを抑制することができ、記録再生特性の劣化を回避することができる。
【0101】
更に、ランド面を情報記録面として、この上に基板に比し十分薄い薄膜の光透過性保護膜を形成して、この光透過性保護膜側から情報記録面に対する照射光を入射して情報の記録再生を行うことによって、DVR等の高密度光ディスクに本発明を適用した場合において、その記録再生特性を良好に保持することができる。
【0102】
また、ウォブルランドの両側のウォブル振幅量を、±1nm以上±6nm以下とすることによって、DVR等の高密度光ディスクに対応する微細なトラックピッチとした場合においても、ウォブル信号のビートが発生することを確実に回避することができて、且つ片側のみにウォブル信号を設ける場合と比較して、十分大なる信号量を得ることができて、安定確実なウォブル信号の再生を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法の一例及び光学記録再生媒体作製用スタンパの一例の説明図である。
【図2】光学記録再生媒体の一例の模式的な平面図である。
【図3】光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法の説明図である。
【図4】光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法の説明図である。
【図5】光学記録再生装置の一例の構成図である。
【図6】光学記録再生媒体の一例の略線的拡大断面図である。
【図7】光学記録再生媒体の一例の平面図である。
【符号の説明】
1 原盤用基板、2 感光層、3 ウォブルランドパターン、3n 反転ウォブルランドパターン、4 ピットパターン、4n 反転ウォブルランドパターン、5 光学記録再生媒体作製用原盤、6 スタンパ、7 記録層、11 基板、12 反射層、13 第1の誘電体層、14 相変化材料層、15 第2の誘電体層、16 保護膜、17 ウォブルランド、17S ランド面、18 ピット、19 対物レンズ、20 ウォブルランド、21 第1の露光ビームのスポット、22 第2の露光ビームのスポット、23 未露光部、30 光源、31 変調光学系、32 変調光学系、40 移動光学テーブル、54 対物レンズ、147 ウェッジプリズム、148 音響光学偏向器、149 ウェッジプリズム、150 駆動用ドライバ、151 電圧制御発振器、247 ウェッジプリズム、248 音響光学偏向器、249 ウェッジプリズム、250 駆動用ドライバ、251 電圧制御発振器

Claims (20)

  1. 原盤用基板の上に感光層を被着して、所要のパターンの露光及び現像により上記感光層を記録情報に対応するパターンとして形成する光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法にあって、
    露光ビームを第1及び第2の露光ビームに分割した後、上記第1の露光ビームの偏向量と上記第2の露光ビームの偏向量とを異ならしめ、
    所定の間隔をもってほぼ平行な光軸上に合成して上記原盤用基板の上の上記感光層に対する露光を行い、
    上記原盤用基板の上の少なくとも一部の上記感光層の未露光部を、両側のウォブル振幅が異なるウォブルランドパターンとして形成することを特徴とする光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法。
  2. 上記原盤用基板の上の上記感光層に対し、上記露光ビームによって所要のピットパターンのパターン露光を行い、
    上記原盤用基板の上の少なくとも一部の上記感光層の露光部を、ピットパターンとして形成することを特徴とする上記請求項1に記載の光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法。
  3. 上記第1及び第2の露光ビームの間隔を適切に選定することによって、上記第1及び第2の露光ビームの露光部の幅を、上記未露光部の幅に比し大とすることによって、グルーブパターンの幅に対し、上記ウォブルランドパターンの幅を小とすることを特徴とする上記請求項1又は2に記載の光学記録再生媒体作製用原盤の記録方法。
  4. 原盤用基板の上に感光層を被着して、所要のパターンの露光及び現像により上記感光層を記録情報に対応するパターンとして形成した光学記録再生媒体作製用原盤から転写形成される光学記録再生媒体作製用スタンパにあって、
    ランドパターンがウォブルランドパターンとされると共に、その両側のウォブル振幅量が異ならしめて形成されて成り、
    上記ランドパターンが凹状パターンとして形成されて成ることを特徴とする光学記録再生媒体作製用スタンパ。
  5. ピットパターンが凸状パターンとして形成されて成ることを特徴とする上記請求項4に記載の光学記録再生媒体作製用スタンパ。
  6. 上記ランドパターンの間のグルーブパターンの幅に比し、上記ランドパターンの幅が小とされて成ることを特徴とする上記請求項4又は5に記載の光学記録再生媒体作製用スタンパ。
  7. 基板上に記録情報に対応する凹凸パターンを有する光学記録再生媒体にあって、
    少なくとも記録領域に、ウォブルランドが形成され、
    上記ウォブルランドは、その両側のウォブル振幅が異ならしめて成ることを特徴とする光学記録再生媒体。
  8. 上記記録領域の少なくとも一部に、ピットが凹状パターンとして形成されて成ることを特徴とする上記請求項7に記載の光学記録再生媒体。
  9. 上記ウォブルランドの幅が、上記ウォブルランド間に設けられるグルーブの幅に比し小とされたことを特徴とする上記請求項7又は8に記載の光学記録再生媒体。
  10. 上記ウォブルランドのランド面が情報記録面とされ、
    該情報記録面上を覆って全面的に、上記基板に比し十分薄い薄膜の光透過性保護膜が形成され、
    該光透過性保護膜側が、上記情報記録面に対する照射光の入射面とされたことを特徴とする上記請求項7、8又は9に記載の光学記録再生媒体。
  11. 上記ウォブルランドの両側のウォブル振幅量の比が、0.10以上0.60以下とされて成ることを特徴とする上記請求項7、8、9又は10に記載の光学記録再生媒体。
  12. 上記情報記録面に対する記録及び/又は再生に使用される対物レンズの開口数をNAとしたとき、上記NAが0.85以上とされたことを特徴とする上記請求項7、8、9、10又は11に記載の光学記録再生媒体。
  13. 上記情報記録面に対する記録及び/又は再生と共に、ウォブル情報及びピット信号の再生がなされることを特徴とする上記請求項7、8、9、10、11又は12に記載の光学記録再生媒体。
  14. 基板上に記録情報に対応する凹凸パターンを有する光学記録再生媒体に対し、記録及び/又は再生を行う光学記録再生装置にあって、
    上記光学記録再生媒体は、その少なくとも記録領域に、ウォブルランドが形成され、
    上記光学記録再生媒体の上記ウォブルランドが、その両側のウォブル振幅が異ならしめて成ることを特徴とする光学記録再生装置。
  15. 上記光学記録再生媒体の上記記録領域の少なくとも一部に、ピットが凹状パターンとして形成されて成ることを特徴とする上記請求項14に記載の光学記録再生装置。
  16. 上記光学記録再生媒体の上記ウォブルランドの幅が、上記ウォブルランド間に設けられるグルーブの幅に比し小とされたことを特徴とする上記請求項14又は15に記載の光学記録再生装置。
  17. 上記光学記録再生媒体の上記ウォブルランドのランド面が情報記録面とされ、
    該情報記録面上を覆って全面的に、上記光学記録再生媒体の上記基板に比し十分薄い薄膜の光透過性保護膜が形成され、
    該光透過性保護膜側が、上記情報記録面に対する照射光の入射面とされたことを特徴とする上記請求項14、15又は16に記載の光学記録再生装置。
  18. 上記光学記録再生媒体の上記ウォブルランドの両側のウォブル振幅量の比が、0.10以上0.60以下とされて成ることを特徴とする上記請求項14、15、16又は17に記載の光学記録再生装置。
  19. 上記光学記録再生媒体の上記情報記録面に対する記録及び/又は再生に使用される対物レンズの開口数をNAとしたとき、上記NAが0.85以上とされたことを特徴とする上記請求項14、15、16、17又は18に記載の光学記録再生装置。
  20. 上記光学記録再生媒体の上記情報記録面に対する記録及び/又は再生と共に、ウォブル情報及びピット信号の再生がなされることを特徴とする上記請求項14、15、16、17、18又は19に記載の光学記録再生装置。
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