JP2006012266A - 光記録媒体および光記録媒体製造用原盤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ランドおよびグルーブにおけるフォーカス点の調整によるアクセス時間の増加を低減することができるようにする。
【解決手段】 光記録媒体1は、交互に形成されたランドLdおよびグルーブGvを有する。グルーブGvはその底面の両端部に溝2bを有し、ランドLdはその中央部に溝2aを有する。ランドLdの溝2aの底面と、グルーブGvの溝2b間にある平面2cとが同一平面内にある。ランドLdにある溝2aの底面と、グルーブGvの溝2b間にある平面2cとをトラック面とすることにより、ランドLdおよびグルーブGvそれぞれにおいてフォーカス点を調整しなくてもよい。
【選択図】 図2
【解決手段】 光記録媒体1は、交互に形成されたランドLdおよびグルーブGvを有する。グルーブGvはその底面の両端部に溝2bを有し、ランドLdはその中央部に溝2aを有する。ランドLdの溝2aの底面と、グルーブGvの溝2b間にある平面2cとが同一平面内にある。ランドLdにある溝2aの底面と、グルーブGvの溝2b間にある平面2cとをトラック面とすることにより、ランドLdおよびグルーブGvそれぞれにおいてフォーカス点を調整しなくてもよい。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ランドおよびグルーブに情報信号を記録可能な光記録媒体およびその光記録媒体を製造するための光記録媒体製造用原盤に関する。
従来、記録可能な光ディスクとして、MD(Mini Disc),CD(Compact Disc)−R(Recordable),CD−RW(ReWritable),DVD(Digital Versatile Disc)+RW(ReWritable),DVD−R(Recordable),DVD−RW(ReWritable)等が提案されている。これらの光ディスクでは、グルーブに情報信号を記録する方式(グルーブ記録)が採用されている。
また、ISO(International Organization for Standardization)の光磁気(MO;Magneto Optica1)ディスクでは、ランド(グルーブ間)に情報信号を記録する方式(ランド記録)が提案されている。
さらに、DVD−RAM(Digital Video Disc−Random Access Memory)等の光ディスクでは、図7に示すように、グルーブGvとランドLdの両方に情報信号を記録することにより、従来の2倍にトラック密度を高密度化する方式(ランド・グルーブ記録)が提案されている。
また、ランド・グルーブ記録の光ディスクとしては、図8に示すように、グルーブGvとそのグルーブGvに隣接するランドLdとの間にグルーブGvに対して凹形状を示す溝101を有するものも提案されている(例えば特許文献1参照)。この光ディスクにおいても、図7に示した光ディスクと同程度のトラック密度を達成することができる。
ところが、図7に示す方式では、ランドLdの幅とグルーブGvの幅とがほぼ同じで広いため、記録マーク幅も大きくなり、記録マークの隣接トラックへのクロストークが大きくなるという欠点がある。また、グルーブGvおよびランドLdのトラック面が同一平面内にないため、グルーブGv、ランドLdそれぞれでフォーカス点(位置)を調整しなければならなく、アクセス時間の増加を招いてしまうという欠点もある。
また、図8に示す方式では、溝101の幅を調整することによりランドLdとグルーブGvとに記録するマーク幅を小さくして、記録マークの隣接トラックへのクロストークを小さくできるという利点はあるが、グルーブGvとランドLdのトラック面が同一平面内にないため、グルーブGv、ランドLdそれぞれでフォーカス点を調整しなければならなく、アクセス時間の増加を招いてしまうという欠点がある。
すなわち、図7および図8に示す方式ともに、グルーブGvとランドLdとのトラック面が同一平面内にないため、グルーブGv、ランドLdそれぞれでフォーカス点を調整しなければならなく、アクセス時間の増加を招いてしまうという欠点がある。
したがって、この発明の目的は、ランドおよびグルーブにおけるフォーカス点の調整によるアクセス時間の増加を低減することができる光記録媒体およびその光記録媒体を製造するための光記録媒体製造用原盤を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成され、所定の波長λの光が照射されて記録および/または再生がなされる光記録媒体であって、
グルーブとして、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとのトラック面が同一平面内であることを特徴とする光記録媒体である。
グルーブとして、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとのトラック面が同一平面内であることを特徴とする光記録媒体である。
第2の発明は、記録トラックに沿ってグルーブが形成され、所定の波長λの光が照射されて記録および/または再生がなされる光記録媒体を製造する際に使用される光記録媒体製造用原盤であって
グルーブに対応する凹凸パターンとして、凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとのトラック面パターンが同一平面内であることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
グルーブに対応する凹凸パターンとして、凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとのトラック面パターンが同一平面内であることを特徴とする光記録媒体製造用原盤である。
以上説明したように、この発明によれば、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとが交互に隣接配置されるように形成され、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとのトラック面が同一平面内であるので、ランドトラックおよびグルーブトラックそれぞれにおいてフォーカス点を調整しなくてもよい。これにより、フォーカス点の調整によるアクセス時間の増加を低減できる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の一実施形態による光記録媒体1の一構成例を示す断面図である。この光記録媒体1は、光磁気効果を利用して情報信号の記録再生を行う光磁気記録媒体であり、図1に示すように、ディスク基板2上に、第1の誘電体層3、記録層4、第2の誘電体層5、反射層6、保護層7を順次積層して構成される。
この光記録媒体1では、図示を省略した光ピックアップに備えられた対物レンズ8によりレーザ光を集光し、ディスク基板2側から記録層4に照射することにより、情報信号の記録または再生が行われる。また、第1の誘電体層3、記録層4、第2の誘電体層5、反射層6をディスク基板2上に積層してなる積層膜を情報信号部と称する。
ディスク基板2は、透明性を有する樹脂材料(例えば屈折率1.58)から構成される。この樹脂材料としては、例えばポリカーボネート(PC)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用できる。第1の誘電体層3および第2の誘電体層5は、例えば窒化シリコン(Si3N4)から構成される。記録層4は、例えばテルビウム鉄コバルト(TbFeCo)から構成される。反射層6は、例えばAl−Tiなどのアルミニウム合金から構成される。保護層7は、例えば紫外線硬化樹脂などの感光性樹脂を硬化して構成される。なお、各層を形成する材料は、上述の例に限定されるものではなく、これ以外の各種材料を用いることも可能である。
また、ディスク基板2には、グルーブとして、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとが交互に隣接配置されている。そして、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとのトラック面が同一平面内にある。ここでは、トラックの両側に沿って溝または突起を有する形状を凹形状という。
図2は、ディスク基板2の一形状例を示す模式図である。以下、図2を参照しながら、ディスク基板の形状についてより詳しく説明する。図2に示すように、ディスク基板2は、情報信号部を形成する側の一主面に、交互に形成されたランドLdおよびグルーブGvを有する。ここでは、ディスク基板2に形成された溝の部分をグルーブGvと称し、溝でない平らな部分をランドLdと称する。ランドLdはその中央部に溝2aを有する。グルーブGvはその底面の両端部に溝2bを有する。ランドLdにある溝2aの底面と、グルーブGvの溝2bの間にある平面2cとが同一平面内にある。
溝2aは、光スポットを案内するための案内溝であり、この溝2aの底面がトラック面となる。この溝2aの側面は、深さ方向に向けて溝幅が徐々に狭くなるように傾斜した傾斜面であり、溝2aの底面は、平面状である。すなわち、溝2aの断面は、台形状を有する。溝2aの開口幅は、例えば224nmであり、溝2aの底面の幅は、例えば104nmである。
溝2bの間にある平面2cは、光スポットを案内するためのものであり、この平面2cがトラック面となる。溝2bの側面は、深さ方向に向けて溝幅が徐々に狭くなるように傾斜した傾斜面であり、溝2bの底面は、平面状である。すなわち、溝2aの断面は、台形状を有する。溝2bの底面間の幅は、例えば226nmであり、平面2cの幅は、例えば106nmである。グルーブGvの開口幅は、例えば560nmである。
トラック周期(Track Period)は、例えば1000nmであり、トラックピッチ(Track Pitch)は、例えば500nmである。溝2aの深さDPと溝2bの深さDNとは、同一または異なる大きさを有する。再生および/または記録に用いられるレーザ光の波長をλ、レーザ光入射面からランドLdまたはグルーブGvに至る間の屈折率をn、深さ係数をxとしたとき、溝2aの位相深さDP、溝2bの位相深さDN、溝2aの位相深さDPと溝2bの位相深さDNとの和DNPはそれぞれ、λ/xnで表される。また、2つのトラックフォーマットのトラックピリオドの半分が再生光学系のカットオフ周波数以上になるようにすることが好ましい。
溝2aの位相深さDPと溝2bの位相深さDNとの和は、λ/20.0n〜λ/3.3nの範囲であることが好ましい。この範囲とすることにより、トラッキングサーボを安定にかけることができる。
溝2aの位相深さDPと溝2bの位相深さDNとが同一である場合には、溝2aの位相深さDP、溝2bの位相深さDNはそれぞれ、λ/40.0n〜λ/6.6nの範囲であることが好ましい。この範囲とすることにより、トラッキングサーボを安定にかけることができる。
ランドLdおよびグルーブGvは、例えば2重螺旋を描くように(すなわちダブルスパイラル状に)ディスク基板2上に形成されている。この光記録媒体1では、ランドLdおよびグルーブGvの両方に情報信号の記録することができ、具体的には、ランドLdにある溝2aの底面とグルーブGvにある平面2cとの両方に、情報信号を記録することができる。なお、ランドLdとグルーブGvとの形状は上述のダブルスパイラル状に限られるものではなく、例えば、ランドLdおよびグルーブGvが1つの螺旋状に連なるような形状にしてもよい。
溝2aおよび溝2bの少なくとも一方を蛇行(ウォブル)させるようにしてもよい。例えば、溝2aをウォブルさせてウォブルグルーブとし、溝2bをウォブルさせずにDCグルーブとするようにしてもよい。このウォブルの振幅は、例えば±20nmに設定される。
図3に、レーザカッティング装置(光学的記録装置)20の一構成例を示す模式図である。まず、図3を参照しながら、このレーザカッティング装置20の構成について説明する。レーザカッティング装置20は、光源21と、電気光学変調器(EOM:Electro Optical Modulator)22と、検光子23と、第1および第2のビームスプリッタ24a,24bと、フォトディテクタ(PD:Photo Detector)25と、自動光量制御部(APC:Auto Power Controller)26と、第1および第2の変調光学系27a,27bと、ミラー28a,28bと、1/2波長板(HWP:Half Wave Plate)29と、移動光学テーブル30とを備える。また、レーザカッティング装置20は、図示を省略した回転駆動装置を備え、この回転駆動装置上に、2層レジスト12を有するガラス板11が載置される。以下では、2層レジスト12が形成されたガラス板11を2層レジスト原盤と称する。なお、2層レジスト12は、後述するように、ネガ型レジスト、ポジ型レジストをガラス板11上に順次積層して構成される。
光源21は、特に限定されるものではなく、必要とするレーザ光に応じて適宜選択される。具体的には、例えば、波長351nmを有するレーザ光を出射するKrレーザを使用できる。検光子23は、S偏光だけを透過する検光子である。
第1の変調光学系27aは、集光レンズ31aと、音響光学変調器(AOM:Acoust-Optic Modulator)32aと、コリメータレンズ33aとを備える。また、音響光学変調器32aには、この音響光学変調器32aを駆動するための駆動用ドライバ34aが取付られている。
第2の変調光学系27bは、集光レンズ31bと、音響光学変調器32bと、コリメータレンズ33bとを備える。また、音響光学変調器32bには、この音響光学変調器32bを駆動するための駆動用ドライバ34bが取付られている。
移動光学テーブル30は、偏向光学系41と、ミラー42と、偏光ビームスプリッタ(PBS:Polarization Beam Splitter)43と、拡大レンズ44と、ミラー45と、対物レンズ46とを備える。偏向光学系41は、ウエッジプリズム51,53と、音響光学偏向器(AOD:Acousto Optical Deflector)52とを備える。音響光学偏向器52には、この音響光学偏向器52を駆動するための駆動用ドライバ55が取付られている。この駆動用ドライバ55は、電圧制御発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)54に接続されている。
偏光ビームスプリッタ43は、S偏光を反射し、P偏光を透過するように構成されている。この偏光ビームスプリッタ43の反射面の向きは、所望とするトラックピッチに応じて設定される。すなわち、第1の露光ビームによる光スポットと、第2の露光ビームによる光スポットとの、2層レジスト原盤の半径方向における間隔が、所望とするトラックピッチに対応するように設定される。
音響光学偏向器52に使用される音響光学素子としては、例えば、酸化テルル(TeO2)からなる音響光学素子が好適である。また、ウエッジプリズム51,53は、音響光学偏向器52の音響光学素子の格子面に対してブラッグ条件を満たすように第2の露光ビームが入射するようにするとともに、音響光学偏向器52によって第2の露光ビームに対して光学偏向を施した後にビーム水平高さが変わらないようにするためのものである。換言すれば、ウエッジプリズム51、音響光学偏向器52およびウエッジプリズム53は、音響光学偏向器52の音響光学素子の格子面が第2の露光ビームに対してブラッグ条件を満たし、且つ、偏向光学系41から出射される第2の露光ビームのビーム水平高さが変わらないように配置される。
対物レンズ46は、露光ビームを2層レジスト12上に集光するためのレンズである。
微細なグルーブパターンおよびランドパターンを形成することを考慮すると、対物レンズ46の開口数NAは大きいことが好ましく、例えば、0.90程度であることが好ましい。
微細なグルーブパターンおよびランドパターンを形成することを考慮すると、対物レンズ46の開口数NAは大きいことが好ましく、例えば、0.90程度であることが好ましい。
次に、カッティング装置20の動作について説明する。光源21より出射されたレーザ光は、電気光学変調器22によって所定の光強度に調整された後に、検光子23に入射する。
検光子23に入射するレーザ光は、検光子23にてS偏光のレーザ光とされ、第2のビームスプリッタ24bに入射する。第2のビームスプリッタ24bに入射するレーザ光は、第2のビームスプリッタ24bにより反射光と透過光とに分けられる。反射したレーザ光は第2の露光ビームとして第2の変調光学系27bに入射し、透過したレーザ光は第1のビームスプリッタ24aに入射する。
第1のビームスプリッタ24aに入射するレーザ光は、第1のビームスプリッタ24aにより反射光と透過光とに分けられる。反射したレーザ光は第1の露光ビームとして第1の変調光学系27aに入射し、透過したレーザ光はフォトディテクタ25に入射する。
フォトディテクタ25では、第1のビームスプリッタ24aを透過したレーザ光の光強度が検出され、この光強度に応じた信号がフォトディテクタ25から自動光量制御部26に供給される。そして、自動光量制御部26において、フォトディテクタ25から供給された信号に応じて、フォトディテクタ25によって検出される光強度が所定のレベルにて一定になるように、電気光学変調器22に対して印加する信号電界が調整される。これにより、電気光学変調器22から出射するレーザ光の光強度が一定となるように、自動光量制御が施され、ノイズの少ない安定したレーザ光が得られる。
第1の変調光学系27aに入射する第1の露光ビームは、第1の変調光学系27aによって光強度変調が施され出射される。具体的には、第1の変調光学系27aに入射する第1の露光ビームは、集光レンズ31aにより集光された後に、第1の音響光学変調器32aにより光強度変調され、コリメータレンズ33aにより平行光とされ、ミラー28aに向けて出射される。
駆動用ドライバ34aには、所望する第1の露光ビームに応じた信号が入力され、この信号に応じて音響光学変調器32aが駆動される。これにより、上述したように、音響光学変調器32aにおいて第1の露光ビームに対して光強度変調が施される。
第1の変調光学系27aから出射された第1の露光ビームは、ミラー28aによって反射されて、その進行方向が90°曲げられる。進行方向が曲げられた第1の露光ビームは、1/2波長板29を介して、移動光学テーブル30上に水平且つ平行に導かれる。1/2波長板29では、第1の露光ビームの偏光方向が90°回転され、第1の露光ビームはP偏光となる。移動光学テーブル30上に導かれた第1の露光ビームは、偏光ビームスプリッタ43に入射する。
第2の変調光学系27bに入射する第2の露光ビームは、第2の変調光学系27bによって光強度変調が施され出射される。具体的には、第2の変調光学系27bに入射する第2の露光ビームは、集光レンズ31bにより集光された後に、第2の音響光学変調器32bにより光強度変調され、コリメータレンズ33bにより平行光とされ、ミラー28bに入射する。
駆動用ドライバ34bには、所望する第2の露光ビームに応じた信号が入力され、この信号に応じて音響光学変調器32bが駆動される。これにより、上述したように、音響光学変調器32bにおいて第2の露光ビームに対して光強度変調が施される。
第2の変調光学系27bから出射された第2の露光ビームは、ミラー28bによって反射されて、その進行方向が90°曲げられる。進行方向が曲げられた第2の露光ビームは、移動光学テーブル30上に水平且つ平行に導かれる。移動光学テーブル30に導かれた第2の露光ビームは、偏向光学系41に入射する。
偏向光学系41では、ランドLdにある溝(ウォブルグルーブ)2aのウォブルに対応するように、偏向光学系41に入射した第2の露光ビームに対して光学偏向が施される。具体的には、偏向光学系41に入射した第2の露光ビームは、ウエッジプリズム51を介して音響光学偏向器52に入射し、この音響光学偏向器52によって、所望する露光パターンに対応するように光学偏向が施される。そして、音響光学偏向器52によって光学偏向が施された第2の露光ビームは、ウエッジプリズム53を介して偏向光学系41から出射される。
偏向光学系41によって光学偏向が施された第2の露光ビームは、ミラー42によって反射されて偏光ビームスプリッタ43に導かれる。偏光ビームスプリッタ43により、P偏光である第1の露光ビームは透過され、S偏光である第2の露光ビームは反射される。すなわち、偏光ビームスプリッタ43により、偏光ビームスプリッタ43に入射する第1および第2の露光ビームは、進行方向が同一方向となるように再合成される。
そして、進行方向が同一方向となるように再合成された第1および第2の露光ビームは、拡大レンズ44にて所定のビーム径とされた後、ミラー45にて反射されて対物レンズ46へと導かれ、この対物レンズ46により、回転する2層レジスト原盤上に集光される。これにより、2層レジスト12が露光され、2層レジスト12に潜像が形成されることとなる。
駆動用ドライバ55には、電圧制御発振器54からの高周波信号が、Sin波で変調され供給される。そして、2層レジスト原盤の露光時には、所望する露光パターンに応じた信号が、電圧制御発振器54から駆動用ドライバ55に入力され、この信号に応じて駆動用ドライバ55によって音響光学偏向器52が駆動され、これにより、第2の露光ビームに対して光学偏向が施される。
具体的には、例えば、周波数194.1kHzにて溝2aをウォブルさせることにより溝2aにアドレス情報を付加するような場合には、例えば中心周波数が224MHzの高周波信号を周波数194.1kHzの制御信号にてSin波で変調した信号を、電圧制御発振器54から駆動用ドライバ55に供給する。そして、この信号に応じて、駆動用ドライバ55によって音響光学偏向器52を駆動し、音響光学偏向器52の音響光学素子のブラッグ角を変化させ、これにより、周波数194.1kHzのウォブルに対応するように、第2の露光ビームに対して光学偏向を施す。これにより、2層レジスト12上に集光される第2の露光ビームの光スポットの位置が、周波数194.1kHz、振幅±20nmにて、2層レジスト原盤の半径方向に振動するように光学偏向が行われる。
以上のように構成されたレーザカッティング装置20では、光源21から出射されたレーザビームを、偏光ビームスプリッタ24a,24bにより分割して、第1の露光ビーム(グルーブパターン形成用ビーム)と第2の露光ビーム(ランドパターン形成用ビーム)とを得る。そして、ランドLdにある溝2aのウォブルに対応するように、第2の露光ビームに対して光学偏向を施した後、第1の露光ビームと合成する。その後、合成された第1および第2の露光ビームにより、ガラス板11上に形成された2層レジスト12を露光する。露光ビームパワーおよび露光ビーム形状などを適宜選択し、ランドLdおよびグルーブGvに対応するパターンに2層レジスト12を露光して潜像を形成することにより、所望の凹凸形状を有するガラス原盤を得ることができる。
次に、図4および5を参照しながら、この発明の一実施形態による光記録媒体1の製造方法について、(1)ガラス原盤の作製工程、(2)光記録媒体製造用原盤の作製工程、(3)光記録媒体の作製工程の順に説明する。
(1)ガラス原盤の作製工程
まず、図4(a)に示すように、表面が精密洗浄された平滑なガラス板11を作製する。そして、このガラス板11上にヘキサメチルジシラン(HMDS)をスピンコート法により塗布する。これにより、ガラス板11と、このガラス板11上に塗布されるネガ型レジストとの密着性を改善することができる。
まず、図4(a)に示すように、表面が精密洗浄された平滑なガラス板11を作製する。そして、このガラス板11上にヘキサメチルジシラン(HMDS)をスピンコート法により塗布する。これにより、ガラス板11と、このガラス板11上に塗布されるネガ型レジストとの密着性を改善することができる。
次に、図4(b)に示すように、例えばスピンコート法によりネガ型レジスト12aをガラス板11上に均一に塗布した後、ベーク処理する。そして、図4(c)に示すように、例えばスピンコート法により、ポジ型レジスト12bをネガ型レジスト12a上に均一に塗布した後、ベーク処理する。これにより、2層レジスト12がガラス板11上に形成されて、2層レジスト原盤が得られる。
なお、ネガ型レジスト12aの厚さ、ポジ型レジスト12bの厚さがそれぞれ、グルーブGvにある溝2bの位相深さDN、ランドLdにある溝2aの位相深さDPに対応する。したがって、ネガ型レジスト12a、ポジ型レジスト12bの厚さをそれぞれ、所望とする溝2a,2bの位相深さDP、DNに応じて規定するようにする。
次に、2層レジスト原盤を、レーザカッティング装置20の回転駆動装置(図示省略)上に載置する。そして、図3中の矢印aに示すように、回転駆動装置により2層レジスト原盤を回転させるとともに移動光学テーブル30を移動させながら、第1および第2の露光ビームにより2層レジスト12を全面に渡って露光する。これにより、第1の露光ビームおよび第2の露光ビームの照射軌跡に応じた潜像が、2層レジスト12の全面に渡って形成される。
なお、溝2bの位相深さDN、すなわち、ネガ型レジスト12aの厚さは、例えば、スピンコート法およびベーク処理の条件を適宜変更することにより所望の値に設定できる。また、溝2aの位相深さDP、すなわち、ポジ型レジスト12bの厚さは、例えば、スピンコート法およびベーク処理の条件を適切変更することにより所望の値に設定できる。
また、グルーブGvの幅および側面角度は、例えば、第1の露光ビームのスポット形状およびパワーを適宜変更することにより所望のものとすることができる。ランドLdにある溝2aの幅および側面角度は、例えば、第2の露光ビームの形状およびパワーを適宜変更することにより所望のものとすることができる。例えば、グルーブGvに対応する第1の露光ビームを、ランドLdに対応する第2の露光ビームより大きくする。
次に、2層レジスト12が上部になるようにして、図示を省略した現像機のターンテーブルに2層レジスト原盤を載置して、ガラス板11を水平面に対して回転させる。そして、2層レジスト12上に現像液を滴下して、2層レジスト12を現像処理する。これにより、図5(a)に示すように、ポジ型レジスト12bでは第1の露光ビームB1および第2の露光ビームB2により照射された部分が現像液により溶け、ネガ型レジスト12aでは第1の露光ビームB1により照射されなかった部分が現像液に溶けて、2層レジスト12に凹凸パターンが形成される。
そして、さらに現像がさらに進むと、図5(b)に示すように、ランドLdに対応するランドパターンLd1と、グルーブGvに対応するグルーブパターンGv1とが、2層レジスト12に形成される。これにより、ランドパターンLd1およびグルーブパターンGv1が形成された2層レジスト12を有するガラス板11が得られる。なお、ランドパターンLd1は、ランドLdの中央部に形成される溝2aに対応する凹パターン13aを有し、グルーブパターンGv1は、グルーブGvの底面の両端部に形成される溝2bに対応する凹パターン13bを有し、ランドパターンLd1にある凹パターン13aの底面と、グルーブパターンGv1の凹パターン13b間にある平面13cとが同一平面内にある。以下では、ランドパターンLd1およびグルーブパターンGv1が形成された2層レジスト12を有するガラス板11をガラス原盤(ガラスマスタ)と称する。
(2)光記録媒体製造用原盤の作製工程
次に、例えば無電界メッキ法により、導電化膜をガラス原盤の凹凸パターン上に形成する。ここで、導電化膜は、例えばニッケル被膜である。そして、導電化膜が形成されたガラス原盤を電鋳装置に取り付け、例えば電気メッキ法により、例えば300±5μm程度の厚さを有するニッケルメッキ層を導電化膜層上に形成する。
次に、例えば無電界メッキ法により、導電化膜をガラス原盤の凹凸パターン上に形成する。ここで、導電化膜は、例えばニッケル被膜である。そして、導電化膜が形成されたガラス原盤を電鋳装置に取り付け、例えば電気メッキ法により、例えば300±5μm程度の厚さを有するニッケルメッキ層を導電化膜層上に形成する。
その後、ニッケルメッキ層付きガラス原盤からニッケルメッキ層を、例えばカッターにより剥離し、そのニッケルメッキ層の凹凸パターン上にある2層レジスト12を、例えばアセトンを用いて洗浄する。これにより、図5(c)に示すように、ランドLdに対応するランドパターンLd2と、グルーブGvに対応するグルーブパターンGv2とを有する光記録媒体製造用原盤(スタンパ)13が得られる。なお、ランドパターンLd2は、ランドLdの中央部に形成される溝2aに対応する凸パターン22aを有し、グルーブパターンGv2は、グルーブGvの底面の両端部に形成される溝2bに対応する凸パターン22bを有し、ランドパターンLd2にある凸パターン22aの突出面(トラック面パターン)と、グルーブパターンGv2の凸パターン22b間にある平面(トラック面パターン)22cとが同一平面内にある。また、2つのトラックフォーマットのトラックピリオドの半分が再生光学系のカットオフ周波数以上になるようにすることが好ましい。
(3)光記録媒体の製造工程
次に、例えば射出成形またはフォトポリマー法(2P法)により、ポリカーボネート(例えば、屈折率1.58)の透明樹脂に対して光記録媒体製造用原盤13の凹凸パターンを転写する。これにより、図5(d)に示すように、ランドLdおよびグルーブGvを有する円盤状のディスク基板2が得られる。
次に、例えば射出成形またはフォトポリマー法(2P法)により、ポリカーボネート(例えば、屈折率1.58)の透明樹脂に対して光記録媒体製造用原盤13の凹凸パターンを転写する。これにより、図5(d)に示すように、ランドLdおよびグルーブGvを有する円盤状のディスク基板2が得られる。
次に、例えばスパッタリングにより、ディスク基板2の凹凸が形成された面上に情報信号部3を形成する。具体的には例えば、スパッタリング法により、窒化シリコン(Si3N4)からなる第1の誘電体層3、テルビウム鉄コバルト(TbFeCo)からなる記録層4、窒化シリコン(Si3N4)からなる第2の誘電体層5、アルミニウム合金(例えばAl−Ti)からなる反射層6をディスク基板2上に順次積層する。
その後、ディスク基板2のほぼ全面を覆うように紫外線硬化樹脂を情報信号部3上に平滑に塗布した後、紫外線を照射して硬化させて、保護層7を形成する。紫外線を出射する光源としては、紫外線ランプ(UVランプ)を使用できる。以上の工程により、一実施形態による光記録媒体1が得られる。
上述した光記録媒体1の製造方法では、偏光ビームスプリッタ43の角度を変えることにより、再合成された第1および第2の露光ビームの光スポットを、2層レジスト12の半径方向に適切な間隔で配置することができる。さらに、ビーム強度が異なるように第1および第2の露光ビームを調整して第1および第2の露光ビームを適切に半径方向に配置し、且つ、第1および第2の露光ビームの露光パワーを適切に選ぶことにより、ランドパターンLd1にある1つの凹パターン13aと、グルーブパターンGv1にある2つの凹パターン13bとが適切な間隔で形成されるように潜像部を形成することができる。
次に、上述した製造方法にて、溝2aの深さDPと、溝2bの深さDNとを種々変化させて複数のサンプルを作製し、それらのトラッキング特性、記録再生特性およびウォブル再生特性を評価した結果について説明する。
なお、サンプルの作製に用いたレーザカッティング装置20では、対物レンズ46の開口数NAを0.9とした。また、音響光学変調器32a,32bの音響光学素子として、酸化テルル(TeO2)を用いた。なお、音響光学変調器32a,32bには、入力端子からの信号を駆動用ドライバ34a,34bを介して供給した。この信号は、グルーブGvを形成する場合は、一定レベルのDC信号とした。
また、変調光学系27a,27bの集光レンズ31a,31b、コリメータレンズ33a,33bはそれぞれ同一のものを用いた。また、集光レンズ31a,31bの焦点距離を各々80mm、コリメートレンズ33a,33bの焦点距離を各々80mm、200mm、拡大レンズ44の焦点距離を50mmに設定した。
まず、溝2aの深さDPと溝2bの深さDNとが同一となるようにしつつ、溝2aの深さDPと溝2bの深さDNとを変化させて複数のサンプルを作製した。表1に、各サンプルの深さ係数xの値とプッシュプル信号量とを示す。なお、表1中の係数xの値を、λ/xnに代入することにより、溝2aの位相深さDPと、溝2bの位相深さDNと、溝2aの位相深さDPおよび溝2bの位相深さDNの和DNPとが得られる。なお、情報信号の記録および/または再生に用いる波長λを650nmとし、レーザ光入射面からランドLdまたはグルーブGvに至るまでの屈折率nを1.58とした。
サンプル1
まず、表面を研磨した円盤状のガラス板11を洗浄し乾燥させた後、このガラス板11の一主面にHMDSをスピンコート法により塗布した。
まず、表面を研磨した円盤状のガラス板11を洗浄し乾燥させた後、このガラス板11の一主面にHMDSをスピンコート法により塗布した。
次に、このガラス板11の一主面に、ネガ型レジスト12aをスピンコート法により塗布した後ベーク処理して、所望とする溝2bの位相深さDN=λ/xn=650/6.0×1.58(nm)と等しい膜厚を有するネガ型レジスト12aを得た。
次に、ネガ型レジスト12a上に、ポジ型レジスト12bをスピンコート法により塗布した後ベーク処理して、所望とする溝2aの位相深さDP=λ/xn=650/6.0×1.58(nm)と等しい膜厚を有するポジ型レジスト12bを得た。これにより、2層レジスト原盤が得られた。
次に、レーザカッティング装置20の回転駆動装置(図示省略)に2層レジスト原盤を載置し、第1および第2の露光ビームにより2層レジスト12を露光して、ランドLdに対応する潜像と、グルーブGvに対応する潜像とをダブルスパイラル状に形成した。なお、この際、第1の露光ビーム(グルーブパターンGv1形成用)のレーザパワーを0.55mj/m程度とし、第2の露光ビーム(ランドパターンLd1形成用)のレーザパワーを0.15mj/m程度とした。また、第2の露光ビームのウォブル振幅を±20nmとした。
次に、図示を省略した現像機のターンテーブルに2層レジスト原盤を載置し、上述のようにして形成された潜像部を溶かした。これにより、ランドLdに対応するランドパターンLd1と、グルーブGvに対応するグルーブパターンGv1とが2層レジスト12に形成されたガラス原盤を得た。
次に、無電界メッキ法によりガラス原盤の凹凸パターン上にニッケル被膜を形成した。そして、ニッケル被膜が形成された光ディスク原盤を電鋳装置に取り付け、電気メッキ法により300±5μm程度の厚さとなるようにニッケルメッキ層をニッケル被膜上に形成した。その後、ニッケルメッキ層付きガラス原盤からニッケルメッキ層を剥離し、そのニッケルメッキ層の凹凸パターン上にある2層レジストを洗浄して、光記録媒体製造用原盤を得た。
次に、射出成形法により、屈折率1.58を有するポリカーボネートに対して光記録媒体製造用原盤13の凹凸パターンを転写した。これにより、ランドLdおよびグルーブGvを有するディスク基板2を得た。このディスク基板2の厚さは1.2mm、トラック周期は1000nm、トラックピッチは500nmであった。
次に、スパッタリング法により、ディスク基板2の凹凸パターン上に、Si3N4からなる第1の誘電体層3、TbFeCoからなる記録層4、Si3N4から第2の誘電体層5、Al−Tiからなる反射層6を順次積層した。そして、反射層6上にディスク基板2の表面をほぼ覆うようにして紫外線硬化樹脂を平滑に塗布し、この紫外線硬化樹脂に対して紫外線を照射して硬化させて保護層7を形成した。以上の工程により、目的とするサンプル1を得た。
サンプル2〜7
表1中の係数xをλ/xnに代入して得られる溝2a,2bの位相深さDP,DNに基づいて、ネガ型レジストの厚さおよびポジ型レジストの厚さを変更する以外はサンプル1と同様にして、サンプル2〜14を作製した。
表1中の係数xをλ/xnに代入して得られる溝2a,2bの位相深さDP,DNに基づいて、ネガ型レジストの厚さおよびポジ型レジストの厚さを変更する以外はサンプル1と同様にして、サンプル2〜14を作製した。
次に、溝2aの深さDPと溝2bの深さDNとが異なるようにしつつ、溝2aの深さDPと溝2bの深さDNとを変化させて複数のサンプルを作製した。表2および表3に、各サンプルの深さ係数xの値とプッシュプル信号量とを示す。なお、表2および表3中の深さ係数xの値を、λ/xnに代入することにより、溝2aの位相深さDPと、溝2bの位相深さDNと、溝2aの深さDPおよび溝2bの深さDNの和DNPとが得られる。なお、情報信号の記録および/または再生に用いる波長λを650nmとし、レーザ光入射面からランドLdまたはグルーブGvに至るまでの屈折率nを1.58とした。
サンプル8〜21
表2および表3中の深さ係数xをλ/xnに代入して得られる溝2a,2bの位相深さDP,DNに基づいて、ネガ型レジストの厚さおよびポジ型レジストの厚さを変更する以外はサンプル1と同様にして、サンプル8〜21を作製した。
表2および表3中の深さ係数xをλ/xnに代入して得られる溝2a,2bの位相深さDP,DNに基づいて、ネガ型レジストの厚さおよびポジ型レジストの厚さを変更する以外はサンプル1と同様にして、サンプル8〜21を作製した。
次に、上述のようにして得られたサンプル1〜21について、(1)トラッキングサーボ特性、(2)記録再生特性、(3)ウォブル再生特性を評価した。なお、評価作業は、波長650nmのレーザ光を、開口数0.52を有する対物レンズにより集光する光ピックアップを備えるMD評価機を用いて行った。
(1)トラッキングサーボ特性
トラッキングサーボ特性の評価により、プッシュプル信号量が14%程度以上である場合には安定なトラッキングサーボを行えることが分かった。この結果より、溝2aの位相深さDPと溝2bの位相深さDNとの和DPNを、λ/20.0n〜λ/3.3nの範囲にすることにより、安定なトラッキング動作を実現できることが分かる。
トラッキングサーボ特性の評価により、プッシュプル信号量が14%程度以上である場合には安定なトラッキングサーボを行えることが分かった。この結果より、溝2aの位相深さDPと溝2bの位相深さDNとの和DPNを、λ/20.0n〜λ/3.3nの範囲にすることにより、安定なトラッキング動作を実現できることが分かる。
(2)記録再生特性
プッシュプル信号14%程度以上を有するサンプル2〜21では、ジッター12%程度の再生を実現できることが分かった。すなわち、良好な記録再生特性を実現できることが分かった。
プッシュプル信号14%程度以上を有するサンプル2〜21では、ジッター12%程度の再生を実現できることが分かった。すなわち、良好な記録再生特性を実現できることが分かった。
(3)ウォブル再生特性
ランドLdにおいては、ウォブル信号の再生が可能であり、良好なウォブル再生特性を得ることができた。
ランドLdにおいては、ウォブル信号の再生が可能であり、良好なウォブル再生特性を得ることができた。
以上により、光記録媒体1では、従来の2倍にトラック密度を高密度化することができるとともに、安定なトラッキングサーボ特性、良好な記録再生特性および良好なウォブル再生特性を実現できることが分かった。
以上説明した一実施形態による光記録媒体1では、図6に示すように、ランドLdおよびグルーブGvが交互に形成され、グルーブGvはその底面の両端部に溝2bを有し、ランドLdはその中央部に溝2aを有し、溝2aの底面と溝2b間にある平面2cとが同一平面内にあるので、ランドLdにある溝2aの底面と、グルーブGvの溝2b間にある平面2cとをトラック面とすることにより、ランドLdおよびグルーブGvそれぞれにおいてフォーカス点を調整しなくてもよい。これにより、フォーカス点の調整によるアクセス時間の増加を低減できる。
また、一実施形態による光記録媒体製造用原盤では、光記録媒体1のランドLd、グルーブGvそれぞれに対応するランドパターンLd2、グルーブパターンGv2を有し、ランドパターンLd2は底面の両端部に溝を有する凹グルーブパターンであり、グルーブパターンは突出面の中央部に溝を有する凹ランドパターンであり、凹ランドパターンの溝間にある平面と、凹グルーブパターンにある溝の底面とが同一平面内にあるので、フォーカス点の調整によるアクセス時間の増加を低減できる光記録媒体1を作製できる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
また、上述の一実施形態では、光磁気効果を利用して情報信号の記録再生を行う光記録媒体およびこの光磁気記録媒体を製造するための光記録媒体製造用原盤に対してこの発明を適用する例について示したが、この発明の対象となる光記録媒体および光記録媒体製造用原盤はこれに限られるものではなく、例えば、追記型の光記録媒体およびこの光記録媒体を製造するための光記録媒体製造用原盤、記録層の相変化を利用して情報信号の記録再生を行う書換可能型の光記録媒体およびこの光記録媒体製を製造するための光記録媒体製造用原盤などに対しても適用可能である。
また、上述の一実施形態では、基板側からレーザ光を情報信号部に照射して情報信号の記録および/または再生が行われる光記録媒体に対してこの発明を適用する例について示したが、光透過性を有する保護層(所謂、光透過層)側からレーザ光を情報信号部照射して情報信号の記録および/または再生が行われる光記録媒体に対してもこの発明を適用することが可能である。
1・・・光記録媒体、2・・・ディスク基板、3・・・第1の誘電体層、4・・・記録層、5・・・第2の誘電体層、6・・・反射層、7・・・保護層、11・・・ガラス板、12・・・2層レジスト、12a・・・ネガ型レジスト、12b・・・ポジ型レジスト
Claims (8)
- 記録トラックに沿ってグルーブが形成され、所定の波長λの光が照射されて記録および/または再生がなされる光記録媒体であって、
上記グルーブとして、凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
上記凹形状のグルーブトラックと凹形状のランドトラックとのトラック面が同一平面内であることを特徴とする光記録媒体。 - 上記凹形状のランドトラックおよび凹形状のグルーブトラックのうち、少なくとも一方が蛇行していることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 上記2つのトラックフォーマットのトラックピリオドの半分が再生光学系のカットオフ周波数以上であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 記録および/または再生に用いられる光の波長をλ、光入射面からランドまたはグルーブに至る間の屈折率をnとしたとき、上記凹形状のグルーブの位相深さと凹形状のランドの位相深さとの和が、λ/20.0n〜λ/3.3nであることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
- 記録トラックに沿ってグルーブが形成され、所定の波長λの光が照射されて記録および/または再生がなされる光記録媒体を製造する際に使用される光記録媒体製造用原盤であって
上記グルーブに対応する凹凸パターンとして、凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとが交互に隣接配置されるように形成されてなり、
上記凹形状のグルーブトラックパターンと凹形状のランドトラックパターンとのトラック面パターンが同一平面内であることを特徴とする光記録媒体製造用原盤。 - 上記凹形状のランドトラックパターンおよび凹形状のグルーブトラックパターンのうち、少なくとも一方が蛇行していることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体製造用原盤。
- 上記2つのトラックフォーマットのトラックピリオドの半分が再生光学系のカットオフ周波数以上であることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体製造用原盤。
- 記録および/または再生に用いられる光の波長をλ、光入射面からランドまたはグルーブに至る間の屈折率をnとしたとき、上記凹形状のグルーブの位相深さと凹形状のランドの位相深さとの和が、λ/20.0n〜λ/3.3nであることを特徴とする請求項5記載の光記録媒体製造用原盤。
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---|---|---|---|---|
JP2008192233A (ja) * | 2007-02-05 | 2008-08-21 | Victor Co Of Japan Ltd | 光記録媒体、及びこの光記録媒体に対する光ピックアップのトラッキング方法 |
-
2004
- 2004-06-24 JP JP2004186267A patent/JP2006012266A/ja active Pending
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