JP2003233932A - 光情報記録媒体、光ディスク装置および原盤の作製方法 - Google Patents

光情報記録媒体、光ディスク装置および原盤の作製方法

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JP2003233932A
JP2003233932A JP2002030802A JP2002030802A JP2003233932A JP 2003233932 A JP2003233932 A JP 2003233932A JP 2002030802 A JP2002030802 A JP 2002030802A JP 2002030802 A JP2002030802 A JP 2002030802A JP 2003233932 A JP2003233932 A JP 2003233932A
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Yasuhide Fujiwara
康秀 藤原
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Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラッキング特性の安定化を図るとともに、
高密度記録化を図ることができるようにする。 【解決手段】 円盤形状の基板に、基板表面2aから深
さd1凹んだピット部5と、トラック方向でピット部5
の両側にそれぞれ設けられて基板表面2aからピット部
5の深さd1よりも小さく設定された深さd2凹んだグ
ルーブ部6とを具備するセル3を、トラック方向に沿っ
てスパイラル状に連続するように設け、このセルによっ
て3値以上のデジタルデータを記録するようにした。こ
れにより、基板の全体からプッシュプル信号を得ること
が可能になり、単一のセル3で多値情報を記録すること
が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報記録媒体、
光ディスク装置および原盤の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、CD,CD−ROM,D
VD−ROM等のように、原盤に形成された凹凸のピッ
トをスタンパを介して基板に転写することにより、2値
のデジタルデータが凹凸のピットとして記録されたRO
Mディスクがある。ROMディスクには、基板が製造さ
れた時点でデジタルデータが記録される。
【0003】ROMディスクは、スタンパによってイン
ジェクション成型されるため、例えば、予め情報が記録
されている記録媒体を配布用として作製する場合に、無
機・有機記録膜への穴形成(追記型ディスク)・結晶状態
の違い(相変化ディスク)・磁化方向の違い(光磁気ディ
スク)等の他の記録媒体と比較して、安価に製造するこ
とができ、低コストでの大量生産に適している。
【0004】ところで、製造時に、予めデータが記録さ
れた光ディスクとしては、原盤の一部の領域に凹凸ピッ
トを形成することによって情報データを記録した領域を
再生専用領域とし、残りの領域を記録再生領域としたパ
ーシャルROMディスクが提案されている。パーシャル
ROMディスクは、単一の記録媒体でありながら、予め
情報データが記録された再生専用領域と情報の追記が可
能な追記領域とを併せ持つため、例えば、オペレーティ
ングシステムやゲーム等のソフトを供給する記録媒体と
して広く用いられている。
【0005】パーシャルROMディスクも、ROMディ
スクと同様に、凹凸ピットを有するスタンパによってイ
ンジェクション成型されるので、低コストでの大量生産
に適している。
【0006】ROMディスクやパーシャルROMディス
クに記録されたデータは、トラック上にレーザビームを
照射して、その反射光の強度差や磁気カー効果による偏
光方向の差等を検出することにより得られる再生信号
を、例えば、一定しきい値で処理することで検出される
2値のデータに基づいて再生される。
【0007】ところで、記録再生領域だけを有するラン
ド/グルーブ記録方式のCD−R(Compact Disc Record
able)やCD−RW(Compact Disc ReWritable)等を再生
するドライブが、パーシャルROMが普及する前から広
く普及している。このため、パーシャルROMには、ラ
ンド/グルーブ記録方式のCD−RやCD−RW等を再
生するドライブによっても再生できるような互換性が望
まれる。
【0008】また、近年では、例えば、高画素な画像デ
ータや音声データ等のように、記録する情報データ量が
増大している。これに伴って、上述した記録媒体の大容
量化、つまり、高密度記録化が望まれている。
【0009】従来、例えば、特開2000−20774
7公報に開示されているように、ピットの前、後エッジ
の位置を独立に変化させることにより多値情報を得る方
法や、特開平8−77599号公報に開示されているよ
うに、ピットの深さを複数段階にすることによって多値
情報を得る方法、あるいは、特開平6−124450号
公報に開示されているように、ピットの大きさや深さを
複数段階にすることによって多値情報を得る方法等によ
って、ROMディスクの高密度記録化を図るようにして
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うに、特開2000−207747公報に開示されてい
る技術では、ピットの前、後ろエッジの位置を独立に、
多段階に変化させて多値記録を行うため、前後独立に位
置を設定することから1つのピットで多くの値をとるこ
とが可能になるが、逆に再生装置側では非常に精密な同
期、位置合わせが必要になる。このために、情報基板側
のスタンパ作製から成形による形状転写において正確な
形状、位置合わせが必要となるので、量産性に劣る。
【0011】また、実用上、スタンパ作製時における溝
又はピットの深さ方向の複数段階の寸法を正確に再現性
よく作製するのは困難であるため、上述したように、特
開平8−77599号公報に開示されている技術では、
深さ方向を複数段階に設定してRF信号のレベルによっ
て信号を読み取る場合に多値のレベルの数を増やすこと
が困難である。
【0012】さらに、大きさと深さを複数段階に設定し
てRF信号のレベルの差をとる場合に十分なレベル差を
得るためには、深さをλ/4n近傍にする必要がある
が、この領域ではほとんどプッシュプル信号は得られな
い。また、プッシュプル信号を得るためにはλ/8n近
傍の深さにすると最大になるが、この領域ではRF信号
のレベルが小さすぎて、記録された情報を良好に再生す
ることが困難である。
【0013】この対策として、深さをこの中間のλ/6
nにすることも考えられるが、この場合でも、幅の変動
によってプッシュプル信号が変動してしまうため再生品
質が低下する。
【0014】加えて、例えば、DVD−ROMに記録さ
れた情報を再生する際には、レーザビームの波長を短く
し(780nm→650nm)、集光するための対物レン
ズの開口数NAを大きくして(0.45→0.6)集光スポ
ットを小さくすることで(1.2μm→0.8μm)、CD
−ROMよりも微小なピット(0.6μm→0.3μm)の
再生を可能にするようにしている。これによりDVD−
ROMはCD−ROMよりも大容量の情報を記録するこ
とができるが、記憶容量は集光スポットによって制限さ
れてしまう。
【0015】本発明は、高密度記録化を図ることができ
る光情報記録媒体、光ディスク装置および原盤の作製方
法を得ることを目的とする。
【0016】本発明は、高密度記録化を図るとともに、
再生に際してのトラッキング特性の安定化を図ることが
できる光情報記録媒体、光ディスク装置および原盤の作
製方法を得ることを目的とする。
【0017】本発明は、高密度記録化を図るとともに、
再生された情報の信頼性の向上を図ることができる光情
報記録媒体、光ディスク装置および原盤の作製方法を得
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の光
情報記録媒体は、基板上に予め形成されたセルによって
3値以上のデジタルデータが記録されている既記録領域
を有する光情報記録媒体において、前記セルは、前記セ
ル中心に設けられて前記基板表面から深さd1凹んだピ
ット部とトラック方向で前記ピット部の両側にそれぞれ
設けられて前記基板表面から前記ピット部の深さd1よ
りも小さく設定された深さd2凹んだグルーブ部とを具
備して、トラック方向に沿ってスパイラル状に連続する
ように設けられている。
【0019】したがって、セル全体が連続して基板表面
から凹んでいるため基板全体からプッシュプル信号を得
ることが可能になり、各セルに凹凸が形成されているた
め、単一のセルで多値情報を記録することが可能にな
る。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
情報記録媒体において、前記基板の半径方向におけるセ
ルのピッチをP、前記基板の半径方向における前記ピッ
ト部の半値幅をw1、前記基板の半径方向における前記
グルーブ部の半値幅をw2とした場合、半値幅w1と半
値幅w2との関係は、w2≦w1≦P/2の範囲内に設
定されている。
【0021】ここで、光ディスクの作製に際して、公知
の技術であるフォトレジストを用いて原盤を形成する場
合、フォトレジストを露光することによりセルを形成す
る。本発明によれば、ピット部の深さd1がグルーブ部
の深さd2よりも深いため、露光に際しては、ピット部
を露光するビーム強度を、グルーブ部を露光するビーム
強度よりも強くする必要がある。同一のビーム径で、ビ
ーム強度を強くすることにより、ピット部の半径方向
(幅方向)の半値幅はグルーブ部の幅方向の半値幅より大
きくなる。
【0022】したがって、半値幅w1と半値幅w2との
関係をw2≦w1≦P/2の範囲内に設定することによ
り、原盤の作製に際しては、ビーム径を一定にしてビー
ム強度を調整することで、ピット部とグルーブ部とを形
成することができる。
【0023】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の光情報記録媒体において、前記既記録領域に設け
られて、トラック方向で前記セルに連続し、全体の深さ
がd1に設定された第一の凹部とトラック方向で前記第
一の凹部に連続し全体の深さがd2に設定された第二の
凹部とによって形成される正規化領域を具備する。
【0024】一般的に、光情報記録媒体に記録された情
報の再生に際しては、公知の技術によって正規化が行わ
れる。
【0025】したがって、深さd1の第一の凹部と深さ
d2の第二の凹部とによって形成される正規化領域を設
けることにより、正規化領域の再生信号に基づいて、第
一の凹部のRF信号が極小値、第二の凹部のRF信号が
極大値とされて、RF信号の正規化が行われる。
【0026】請求項4記載の発明は、請求項1、2また
は3記載の光情報記録媒体において、前記既記録領域と
は異なる位置に設けられて、トラック方向に沿ってスパ
イラル状に連続して前記基板表面から前記グルーブ部の
深さd2と同等の深さd3凹んだプリグルーブ部を有
し、情報の追記が可能な追記領域を具備する。
【0027】したがって、既記録領域ではセル全体が連
続して基板表面から凹んでいるため既記録領域全体から
プッシュプル信号を得ることが可能になり、追記領域で
はプリグルーブ部が連続して基板表面から凹んでいるた
め追記領域全体からプッシュプル信号を得ることが可能
になる。また、既記録領域では、各セルに凹凸が形成さ
れているため、単一のセルで多値情報を記録することが
可能になる。
【0028】請求項5記載の発明は、請求項4記載の光
情報記録媒体において、前記基板の半径方向における前
記プリグルーブ部の半値幅をw3とした場合、半値幅w
1と半値幅w2と半値幅w3との関係は、w2≦w3≦
w1≦P/2の範囲内に設定されている。
【0029】ここで、光情報記録媒体の作製に際して、
公知の技術であるフォトレジストを用いて原盤を形成す
る場合、フォトレジストを露光することによりセルを形
成する。本発明によれば、ピット部の深さd1がグルー
ブ部の深さd2よりも深いため、露光に際しては、ピッ
ト部を露光するビーム強度を、グルーブ部を露光するビ
ーム強度よりも強くする必要がある。同一のビーム径
で、ビーム強度を強くすることにより、ピット部の半径
方向(幅方向)の半値幅はグルーブ部の幅方向の半値幅よ
り大きくなる。
【0030】したがって、半値幅w1と半値幅w2と半
値幅w3との関係をw2≦w3≦w1≦P/2の範囲内
に設定することにより、原盤の作製に際しては、ビーム
径を一定にしてビーム強度を調整することで、ピット部
とグルーブ部とを形成することができる。また、半値幅
w1と半値幅w2と半値幅w3との関係をw2≦w3≦
w1≦P/2の範囲内に設定することにより、光情報記
録媒体に記録された情報の再生に際して、既記録領域と
追記領域とから同等のプッシュプル信号を得ることが可
能になる。
【0031】請求項6記載の発明の光ディスク装置は、
請求項3、4または5記載の光情報記録媒体に対して照
射するレーザ光を発する発光素子と、前記光情報記録媒
体を回転駆動する回転駆動手段と、前記発光素子から発
せられて前記光情報記録媒体から反射されたレーザ光を
受光する受光光学系と、前記回転駆動手段により回転駆
動される前記光情報記録媒体から反射されて前記受光光
学系が受光したレーザ光量に基づいて再生信号を取得す
る再生信号取得手段と、前記再生信号取得手段が取得し
た再生信号のうち正規化領域の再生信号に基づいて、前
記光情報記録媒体に形成された第一の凹部のRF信号を
極小値、第二の凹部のRF信号を極大値として、既記録
領域のRF信号の正規化を行う正規化手段と、を具備す
る。
【0032】したがって、回転駆動手段によって回転駆
動される光情報記録媒体から反射されて受光光学系によ
って受光されたレーザ光量に基づいて、再生信号取得手
段によって再生信号が取得され、取得された再生信号の
うち正規化領域の再生信号に基づいて、光情報記録媒体
に形成された第一の凹部のRF信号を極小値、第二の凹
部のRF信号を極大値として、正規化手段によって既記
録領域のRF信号の正規化が行われる。
【0033】ところで、一般的に、光情報記録媒体に記
録された情報の再生に際しては、再生を目的とした情報
を再生した再生信号のRF信号から取得される極大値、
極小値に基づいて正規化が行われる。
【0034】本発明では、極大値、極小値を取ることが
予め判っている正規化領域の再生信号から取得される極
大値、極小値に基づいて正規化を行うことにより再生エ
ラーの発生を効果的に抑制することが可能になる。
【0035】請求項7記載の発明の光ディスク装置は、
請求項4または5記載の光情報記録媒体に対して照射す
るレーザ光を発する発光素子と、前記光情報記録媒体を
回転駆動する回転駆動手段と、前記回転駆動手段により
回転駆動される前記光情報記録媒体に対して前記プリグ
ルーブ部に前記基板表面からの深さd3の第三の凹部を
形成する最大パワーから前記プリグルーブ部に前記基板
表面からの深さがd3よりも大きい深さd4の第四の凹
部を形成する最小パワーの間で前記発光素子の出力パワ
ーを変動させるパワー変動手段と、前記記録パワー変動
手段により前記プリグルーブ部に対して照射する出力パ
ワーを変動させることにより追記領域に3値以上のデジ
タルデータを記録する記録手段と、を具備する。
【0036】したがって、回転駆動手段によって回転駆
動される光情報記録媒体のプリグルーブ部に対して照射
される出力パワーが、記録パワー変動手段によって変動
されて、記録手段によってプリグルーブ部に3値以上の
デジタルデータが記録される。
【0037】請求項8記載の発明は、請求項7記載の光
ディスク装置において、前記記録手段によるデジタルデ
ータの記録に際して、このデジタルデータとは別に、前
記第三の凹部と前記第四の凹部とによって形成される正
規化データを記録する正規化データ記録手段と、前記発
光素子から発せられて前記光情報記録媒体から反射され
たレーザ光を受光する受光光学系と、前記回転駆動手段
により回転駆動される前記光情報記録媒体から反射され
て前記受光光学系が受光したレーザ光量に基づいて再生
信号を取得する再生信号取得手段と、前記再生信号取得
手段が取得した再生信号のうち正規化領域の再生信号に
基づいて、前記光情報記録媒体に形成された第一の凹部
のRF信号を極小値、第二の凹部のRF信号を極大値と
して、前記既記録領域のRF信号の正規化を行い、前記
追記正規化領域の再生信号に基づいて、前記第三の凹部
のRF信号を極小値、前記第四の凹部のRF信号を極大
値として、前記追記正規化領域のRF信号の正規化を行
う正規化手段と、を具備する。
【0038】したがって、回転駆動手段によって回転駆
動される光情報記録媒体から反射されて受光光学系によ
って受光されたレーザ光量に基づいて、再生信号取得手
段によって再生信号が取得され、取得された再生信号の
うち正規化領域の再生信号に基づいて、第一の凹部のR
F信号を極小値、第二の凹部のRF信号を極大値とし
て、正規化手段によって既記録領域のRF信号の正規化
が行われ、プリグルーブ部の再生信号に基づいて、第三
の凹部のRF信号を極小値、第四の凹部のRF信号を極
大値として、プリグルーブ部のRF信号の正規化が行わ
れる。
【0039】ここで、例えば、プリグルーブをトラック
方向に一定長で分割する各仮想セルにおける第三の凹部
と第四の凹部との面積比率を調整することで、3値以上
のデジタルデータを記録した光情報記録媒体の再生に際
して、既記録領域および追記領域に、3値以上のデジタ
ルデータが記録されている場合にも、再生エラーの発生
を抑制することが可能になる。
【0040】請求項9記載の発明の原盤の作製方法は、
フォトリソグラフィプロセスを用いる請求項3、4また
は5記載の光情報記録媒体の原盤の作製方法であって、
基板に対して第二の凹部の深さと同じ厚さでレジスト膜
を形成し、このレジスト膜との合計の厚さが第一の凹部
の深さと同じになるように別のレジスト膜を形成する工
程と、レジスト膜が形成された前記基板に対して、前記
第一の凹部となる部分に対して時間t1だけレーザ光を
照射する工程と、レジスト膜が形成された前記基板に対
して、前記第二の凹部となる部分に対して時間t1より
短い時間t2だけレーザ光を照射する工程と、レーザ光
が照射された前記基板をエッチングする工程と、を含
む。
【0041】したがって、レーザ光の照射時間を調整し
て、グルーブ部を形成したい部分に対して時間t1より
短い時間t2だけレーザ光を照射することで、この基板
をエッチングするとピット部とグルーブ部とを有する原
盤が作製される。これによって、レーザ光の集光径を調
整することなく、照射時間の調整によってピット部とグ
ルーブ部とを有する原盤を作製することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施の形態につい
て図1ないし図12を参照して説明する。本実施の形態
は、光情報記録媒体として、出荷時に予め情報が記録さ
れているROMディスクへの適用例を示す。
【0043】図1は、本発明の第一の実施の形態のRO
Mディスクを示す斜視図である。本実施の形態のROM
ディスク1は、円盤形状の基板2と、基板2の一面側に
順次積層された反射層と保護層(いずれも図示せず)とを
有している。以降、基板2の反射膜が積層される側の面
を「基板表面」とし、符号2aを付して説明する。
【0044】公知の技術であるため説明を省略するが、
反射層は、例えば、スパッタリング法を用いて、金属材
料を基板表面2aに成膜することにより形成されてい
る。反射層を形成する材料としては、例えば、Ag等が
ある。
【0045】また、同様に、公知の技術であるため説明
を省略するが、保護層は、反射層を外部からの衝撃等か
ら保護するために設けられ、例えば、紫外線硬化型のイ
ンクをシルクスクリーン印刷等によって反射層上に積層
することによって形成されている。
【0046】図2はROMディスク1の基板の一部を拡
大して示す平面図、図3はそのa−a断面図である。基
板表面2aには、一定面積を有する複数のセル3が設け
られている。各セル3は、基板表面2aで、スパイラル
状に連続するように形成されている。連続するセル3に
よって形成されるセル列4は、基板の半径方向において
所定のトラックピッチPを維持するように設けられてい
る。
【0047】各セル3は、セル3の中心に形成されたピ
ット部5と、トラック方向に沿ってピット部5の両側に
形成されたグルーブ部6とによって形成されている。本
実施の形態では、略円周方向となるセル列4の長さ方向
を「トラック方向」とする。ピット部5は、基板表面2
aから深さd1凹んだ位置に形成されている。グルーブ
部6は、基板表面2aから深さd2凹んだ位置に形成さ
れている。本実施の形態では、ピット部5の深さd1と
グルーブ部6の深さd2とが、以下に示す(1)式の範囲
内に設定されるように、セル3が形成されている。 d1>d2 ・・・(1)
【0048】d1、d2を(1)式の範囲内に設定するこ
とにより、ピット部5は、図4に示すように、グルーブ
部6より(d1−d2)凹んでいる。これにより、各セル
3内にはピット部5とグルーブ部6とによって凹凸が形
成されている。また、セル3(セル列4)全体が基板表面
2aから凹んでいる。
【0049】ピット部5の半径方向(幅方向)の半値幅
は、w1に設定されている。グルーブ部6の幅方向の半
値幅は、w2に設定されている。w1とw2との関係
は、以下に示す(2)式の範囲内に設定されている。 w2≦w1≦P/2 ・・・(2)
【0050】また、図4に示すように、ピット部5のト
ラック方向(長さ)の半値幅は、L1に設定されている。
【0051】ROMディスク1は、基板表面2a全域に
亘ってセル3が形成されているため、本実施の形態で
は、基板表面2a全域が既記録領域とされる。ROMデ
ィスク1に記録された情報は、記録再生装置(図5参照)
等によって再生することができる。
【0052】次に、光ディスク装置としての記録再生装
置の構成の概略および動作について図5を参照して説明
する。図5は、記録再生装置を示す模式図である。記録
再生装置10は、半導体レーザ12を備える光ピックア
ップ13と、この光ピックアップ13を駆動制御する信
号処理系14と、光ピックアップ13のトラッキング及
びフォーカシング調整を実行するピックアップ制御系1
5とを基本ブロックとして構成されている。記録再生装
置10は、光ピックアップ13、信号処理系14、ピッ
クアップ制御系15等の記録再生装置10が備える各部
を駆動制御する図示しないマイコンを備えている。本実
施の形態の記録再生装置10は、プッシュプル法による
トラッキング制御及びナイフエッジ法によるフォーカシ
ング制御を行う。
【0053】光ピックアップ13では、半導体レーザ1
2から出射したレーザビームを、コリメートレンズ16
で平行光束化し、偏光ビームスプリッタ17、1/4波
長板18を介して対物レンズ19によりROMディスク
1上に集光する。
【0054】ROMディスク1上に集光したレーザビー
ム(集光ビーム)は、ROMディスク1の反射層で反射さ
れる。
【0055】光ピックアップ13では、ROMディスク
1からの反射光を、対物レンズ19及び1/4波長板1
8を介して偏光ビームスプリッタ17で直角に進路を偏
向して、集光レンズ20で集光して、ナイフエッジ22
により反射される一部を除いて、第1の受光部21に受
光させる。
【0056】ROMディスク1からの反射光のうち、偏
光ビームスプリッタ17で直角に進路偏向されて集光レ
ンズ20で集光される反射光の一部は、第1の受光部2
1の直前に配置されたナイフエッジ22によって反射さ
れる。
【0057】ナイフエッジ22を反射した光を受光する
位置には、トラッキング制御用の第2の受光部23が配
置されている。
【0058】本実施の形態では、第1および第2の受光
部21,23として、2分割フォトダイオードが用いら
れている。
【0059】加えて、光ピックアップ13には、光ピッ
クアップ13の対物レンズ19をフォーカシング方向に
変位させるフォーカシングコイル24と、光ピックアッ
プ13の対物レンズ19をトラッキング方向に変位させ
るトラッキングコイル25とが設けられている。
【0060】信号処理系14には、マイコンに統括制御
されて半導体レーザ12を駆動するLDパワー供給部2
6が設けられている。LDパワー供給部26は、マイコ
ンからの制御信号に基づいて、半導体レーザ12を駆動
し、ROMディスクに対してレーザ光を照射する。
【0061】信号処理系14には、入力側に第1の受光
部21の出力が入力される再生信号用の増幅器29が設
けられている。増幅器29の出力は、復調回路30を介
して再生信号としてマイコンに向けて出力される。
【0062】また、信号処理系14には、第1の受光部
21の出力信号を入力するフォーカシング制御用の第1
の誤差増幅器31と、第2の受光部23の出力信号を入
力するトラッキング制御用の第2の誤差増幅器32とが
配置されている。ここで、第1の誤差増幅器31はフォ
ーカシング誤差が生じた場合にその分の誤差信号を出力
し、第2の誤差増幅器32はトラッキング誤差が生じた
場合にその分の誤差信号を出力する。
【0063】ピックアップ制御系15は、フォーカシン
グ駆動回路33によって、フォーカシング誤差に応じて
第1の誤差増幅器31から出力されるフォーカシング誤
差信号に基づいてフォーカシングコイル24を駆動す
る。
【0064】また、ピックアップ制御系15には、トラ
ッキング誤差に応じて第2の誤差増幅器32から出力さ
れるトラッキング誤差信号に基づいてトラッキングコイ
ル25を駆動するトラッキング駆動回路34が設けられ
ている。
【0065】公知の技術であるため図示および詳細な説
明を省略するが、再生装置は、駆動源を含む図示しない
回転機構及び送り機構を備える。回転機構は、マイコン
からの命令に基づいてROMディスク1を回転駆動する
機構であり、送り機構はマイコンからの命令に基づいて
ROMディスク1をその回転軸に対して垂直方向に移動
させ、これによって半導体レーザ12からROMディス
クへのレーザビームの集光位置をROMディスク1の半
径方向に移動させる機構である。
【0066】本実施の形態の光ピックアップ13では小
型でパワーの制御が容易である半導体レーザ12を用い
たが、光ピックアップ13はこれに限るものではなく、
半導体レーザ12によるレーザの他、電子線、X線、紫
外線、可視光線、赤外線、マイクロ波等、各種のものを
用いることが可能である。
【0067】次に、ROMディスク1の基板表面2aに
形成されるセル3におけるピット部5およびグルーブ部
6の半値幅の設定の原理について説明する。ROMディ
スク1に記録された情報の再生に際しては、安定したト
ラッキング特性を確保することが重要である。安定した
トラッキング特性を確保するための方法の一つとして、
プッシュプル信号の検出がある。
【0068】ここで、幅方向の半値幅w、長さ方向の半
値幅L、深さdに設定された溝が形成された基板表面に
ROMディスクと同様に反射層を積層した光ディスク
(図示せず)を作製し、深さdを変化させることで、深さ
dに対するプッシュプル信号の変化について幅方向の半
値幅w毎に調べた。その結果を図6に示す。
【0069】再生に際しては、波長λの光を用い、集束
ビーム径をDに設定した状態で再生した。なお、基板の
屈折率はnに設定されている。図6から判るように、プ
ッシュプル信号のレベルは、λ/8n近傍を極大値とし
て対称な関係になり、極大値をとる深さd=λ/8n近
傍を中心として、λ/8n近傍から等半値幅小さいλ/
12n近傍と、λ/8n近傍から等半値幅大きいλ/5
n近傍とでは、同程度のプッシュプル信号レベルである
ことが判る。
【0070】なお、極大値は、溝の形状によって変動す
るが、通常は、λ/7.5n近傍が極大値となることが
判っている。
【0071】反射光量は溝が深い程低くなるため、例え
ば、プッシュプル信号レベルの極大値がλ/7.5nと
した場合には、ピット部5の深さd1をλ/5nに設定
し、グルーブ部6の溝の深さd2をλ/12nに設定し
て、単一のセル3中にλ/12nとλ/5nとによる凹
凸を形成することで、プッシュプル信号レベルを変動さ
せることなく、単一のセル3における反射光量を変化さ
せることができる。これによって、各セル3が多値情報
を記録することができる。
【0072】また、図6から判るように、溝の幅wの違
いによるプッシュプル信号レベルの格差は、極大値に近
づくほど大きくなる。このため、溝の幅wの変動による
プッシュプル信号レベルの変動の影響を小さくするため
に、d1,d2は、プッシュプル信号レベルの極大値を
とるd(=λ/7.5)から遠ざかる方が望ましい。つま
り、d1はλ/7.5よりも極力大きく、d2はλ/7.
5よりも極力小さく設定することが望ましい。本実施の
形態では、d1=λ/5n〜λ/4n、d2=λ/12
n〜λ/16nに設定する。これにより、幅方向の半値
幅wが変動した場合のプッシュプル信号の変動量を抑制
して、再生に際して支障のないプッシュプル信号を確保
することができる。
【0073】続いて、ピット部5およびグルーブ部6の
最適な深さd1、d2について調べた。まず、深さdを
一定とし溝の長さ方向の寸法Lを変化させることで溝の
面積(w×L)を変化させ、ピット部の面積(w×L)に対
するプッシュプル信号の変化について各深さd毎に調べ
た。まず、最適な深さd1を得るために、溝の深さdを
λ/5n近傍で複数に変化させ、ピット部の面積(w×
L)に対するプッシュプル信号の変化について各深さd
毎に調べた。その結果を図7に示す。図7から判るよう
に、dをλ/4.7nに固定した状態では、ピット部の
面積(w×L)を変化させてもプッシュプル信号はあまり
変化しないことが判る。これに対し、dをλ/4n、λ
/5.5nに設定した場合、ピット部の面積(w×L)に
よって、プッシュプル信号が変化する。これにより、本
実施の形態のROMディスク1では、ピット部5の深さ
d1をλ/4.7に設定する。
【0074】同様に、最適な深さd2を得るために、溝
の深さdをλ/12n近傍で複数に変化させ、各深さd
毎に溝の面積(w×L)に対するプッシュプル信号の変化
について調べた。特に図示しないが、その結果、dをλ
/14.1nに固定した状態では、溝の面積(w×L)を
変化させてもプッシュプル信号は変化しない。これによ
り、本実施の形態のROMディスク1では、グルーブ部
6の深さd2をλ/14.1nに設定する。
【0075】ところで、ROMディスク1に記録された
情報の再生に際しては、RF信号のレベルが基準値を満
たしていなくてはならない。そこで、単一のセル3にお
けるピット部5の面積(w1×L1)に対するRF信号の
レベルの変化について調べた。このとき、セル3の長さ
方向の寸法をD/2、ピット部5の深さd1をλ/4.
7、グルーブ部6の深さd2をλ/14.1nに設定
し、グルーブ部6の幅方向の半値幅w2を3/Dに設定
した。なお、Dは、集束ビーム径である。そして、ピッ
ト部5の幅方向の半値幅w1を0〜D/2の範囲で変化
させ、L1を0〜D/2の範囲で変化させることによ
り、セル3におけるピット部5の面積比率を変動させ、
そのときのRF信号のレベルの変化を調べた。その結果
を図8に示す。
【0076】図8から判るように、RF信号のレベル
は、セル3におけるピット部5の面積比率が小さい程高
い。
【0077】ここで、図9は、ピット部5の幅w1およ
び長さL1と記録レベルとの関係を示している。図9か
らも判るように、ピット部5の幅の半値幅w1および長
さL1は、記録レベルに応じて異なる。このため、ピッ
ト部5の幅の半値幅w1および長さL1は、記録レベル
に応じて適宜選択される。
【0078】上述のように、ピット部5およびグルーブ
部6の各寸法が設定されたセル3が基板表面2a全域に
亘って連続して形成されたROMディスク1によれば、
セル3全体(セル列4)が連続して基板表面2aより凹ん
でいるため、基板表面2aとセル3(セル列4)の凹凸に
起因する反射光量の違いによって、ROMディスク1全
域に亘ってプッシュプル信号を検出することができる。
これにより、安定したトラッキング特性を得ることがで
きる。
【0079】また、本実施の形態のROMディスク1に
よれば、各セル3内に凹凸が形成されているため、単一
のセル3によって多値データを記録することができる。
【0080】これによって、安定したトラッキング特性
を確保し、多値記録を実現することができる。
【0081】次に、ROMディスク1の作製方法につい
て説明する。ROMディスク1の作製に際しては、ま
ず、記録すべき情報に従って記録するレベルを変化させ
た原盤(図示せず)を作製する。原盤の作製に際しては、
まず、中間層を挟んで上下2層のレジスト層(いずれも
図示せず)が形成されたガラス原盤201を作製する工
程を経る。ガラス原盤201の上のレジスト層の厚みは
d2相当に形成され、下のレジスト層の厚みは、上下レ
ジストの合計の厚みがd1相当になるように形成されて
いる。
【0082】次に、図10に示す露光装置200を用い
て、セル列が形成されるように光量を調整したレーザ光
でガラス原盤201を露光する工程と、上のレジスト層
を感光させた後、現像して除去する工程とを経る。次
に、中間層を除去し、露光装置200を用いて、記録す
べき情報が形成されるように下のレジスト層を感光させ
た後、現像して除去する工程を経る。これにより、原盤
が作製される。
【0083】図10は、露光装置200を示す模式図で
ある。露光装置200はガラス原盤201を回転させる
モータ等の回転手段202と、回転手段202によって
回転されるガラス原盤201に照射するレーザ光を発す
るレーザ光源203とを備えている。レーザ光源203
から発せられたレーザ光は、光量変調素子217によっ
て変調された後、ビーム整形素子205、ピックアップ
206等を介して、ガラス原盤201に照射される。光
量変調素子217は、変調パルス発生回路204で生成
されて光量変調ドライバ216を介して入力される変調
信号iに基づいて、レーザ光を変調させる。
【0084】変調パルス発生回路204は、ディレイ回
路208,209、NOR回路210、信号切替素子2
11を備えている。ディレイ回路208は、変調信号発
生器207から発せられる変調信号jが入力される。デ
ィレイ回路208,209は、露光装置200が備える
CPU215によって駆動制御され、変調信号発生器2
07から発せられた変調信号jをそれぞれt3ずつディ
レイさせた信号h,kを発生させる。ディレイ回路20
9から発生された信号kと、変調信号発生器207から
発せられる変調信号jとが入力されるNOR回路210
は、信号切替素子211に対して信号gを出力する。信
号切替素子211は、グルーブ用電圧発生素子212、
ピット用電圧発生素子213および電圧発生器214か
ら発生された電圧と、ディレイ回路208から出力され
た信号hと、NOR回路210を介して入力された信号
gとに基づいて、ガラス原盤201に記録する情報の変
調信号を発生させる。
【0085】ここで、図11は、変調パルス発生回路2
04で変調信号を発生させる際に各部から出力されるパ
ルス信号のタイミングチャートである。図11からも判
るように、信号h,kは、変調信号発生器207から発
せられる変調信号jに対してそれぞれt3ずつディレイ
されており、信号j,h,kに応じて生成される信号g
と、ディレイ信号hとに基づいて変調信号iが生成され
る。
【0086】これにより、形成される原盤には、一定値
以上の強さで感光された部分に深さd1の凹みが形成さ
れ、一定値よりも弱く感光された部分に深さd2の凹み
が形成される。
【0087】ところで、上下のレジスト層を露光するビ
ーム径を一定にした場合、原盤に形成される2種の凹み
の幅は、強く感光された部分は広く、弱く感光された部
分は狭くなる。
【0088】本実施の形態では、ピット部5を照射する
集束ビームの照射時間をt1、グルーブ部6を照射する
集束ビームの照射時間をt2に設定し、t1,t2が
(3)式の範囲内となるように調整することで、ビーム径
を一定にしたままピット部5とグルーブ部6とを作製す
ることができる。 t1>t2 ・・・(3)
【0089】変調信号i,h,kのいずれか2つの信号
がローレベルとなるタイミングでは、図11に示すよう
に、非照射時間t3がする。単一のセルの照射時間中で
あるにも拘わらず、照射電圧がゼロとなる。また、図1
1からも判るように、照射電圧がゼロとなるタイミング
は、変調信号発生器207から発せられた変調信号jを
ディレイ回路208,209によってディレイさせる時
間t3を調整することにより、調整することができる。
このように、照射時間t1での集束ビームの照射と照射
時間t2での集束ビームの照射との間に、集束ビーム強
度を0とした非照射時間t3を設けることにより、微小
なピット部5を良好に作製することができる。
【0090】例えば、単一のセル3を形成するために要
する合計の照射時間をtcとすると、t1,t2,t3
の関係は、以下に示す(4)式の関係となる(図12参
照)。 t2=(tc−2×t3−t1)/2 ・・・(4)
【0091】上述のように、t1,t2が調整された集
束ビームによって、ピット部5は強度の強い集束ビーム
によって露光され、グルーブ部6は強度の弱い集束ビー
ムによって露光される。これにより、集束ビーム径を一
定にしたまま照射時間を調整することで、深さd1、幅
w1のピット部5と、深さd2、幅w2のグルーブ部6
とを有するセル3を形成することができる。本実施の形
態では、集束ビーム径を一定にすることで、集束ビーム
の径を変える手段を設ける必要がないので、露光装置の
簡素化を図ることができる。
【0092】なお、ピット部5の照射時間t1は、記録
する情報によって可変し、グルーブ部6の照射時間t2
は、ピット部5の照射時間t1に応じて変更しながら露
光する。
【0093】本実施の形態では、集束ビーム径を一定に
したまま照射時間を調整することで原盤にセル3を形成
したが、これに限るものではなく、集束ビームのビーム
径を変えることによって原盤に形成されるセル3におけ
るピット部5およびグルーブ部6の幅を変更するように
してもよい。
【0094】これにより、ROMディスク1の基板2と
同じ形状の図示しない原盤が作製され、作製された原盤
から型となるスタンパを作製し、スタンパからPC等に
よって基板2を成形する。この基板2は、原盤と同じセ
ル3が形成されているため、この基板表面2aに反射
膜、および、必要に応じて保護膜を積層することにより
ROMディスク1が作製される。
【0095】次に、本発明の第二の実施の形態について
図13ないし図16を参照して説明する。なお、第一の
実施の形態と同一部分は同一符号で示し、説明も省略す
る。
【0096】図13は、本発明の第二の実施の形態のR
OMディスクの一部を拡大して示す平面図である。本実
施の形態のROMディスク1’のセル列4には、再生専
用に情報が記録されたセル3Cによって構成される再生
専用領域50と、ピット部5のみによって形成される第
一の凹部としてのセル3A、または、グルーブ部6のみ
によって形成される第二の凹部としてのセル3Bによっ
て構成される正規化領域51とが設けられている。セル
列4においては、複数の正規化領域51が規則的に出現
するように設けられている。また、ROMディスク1’
のセル列4は、後述する記録再生装置100(図14参
照)での再生に際して、アドレス情報がセル列のウォブ
リング周波数の変化として再生されるようにトラック方
向にウォブリングしている。
【0097】次に、ROMディスク1’に記録された情
報を再生する記録再生装置について図14を参照して説
明する。光ディスク装置としての記録再生装置100
は、ROMディスク1’を回転させる回転駆動手段とし
てのモータ111と、レーザ光を出射する発光素子とし
ての半導体レーザ112とを備えている。
【0098】半導体レーザ112には、LD駆動回路1
13が接続されている。LD駆動回路113は、多値レ
ベル変換部114、記録パルス生成部115によって生
成された信号に基づいて、半導体レーザ112を駆動制
御する。
【0099】半導体レーザ112から出射されたレーザ
光は、コリメートレンズ116で平行光束化され、偏光
ビームスプリッタ117、1/4波長板(図示せず)を介
して、対物レンズ118によりROMディスク1’上に
集光される。
【0100】対物レンズ118は、対物レンズをフォー
カシング方向に変位させるフォーカシングコイルや、対
物レンズをトラッキング方向に変位させるトラッキング
コイル等を備えるサーボ手段119によって、フォーカ
シング方向およびトラッキング方向に変位自在とされて
いる。
【0101】ROMディスク1’上に集光されたレーザ
光(集光ビーム)は、ROMディスク1’の反射層で反射
される。
【0102】ROMディスク1’からの反射光は、対物
レンズ118および1/4波長板を介して、偏光ビーム
スプリッタ117に入射される。偏光ビームスプリッタ
117に対物レンズ118側から入射されるレーザ光
は、1/4波長板を往復で2度通過しているため、図5
中紙面上下方向から左右方向に直角に進路が偏向され
て、集光レンズ120に入射される。集光レンズ120
に入射されたレーザ光は、集光されて受光部121に入
射される。受光部121としては、例えば、2分割フォ
トダイオードを用いることが可能である。ここに、コリ
メートレンズ116、偏光ビームスプリッタ117、1
/4波長板、対物レンズ118、集光レンズ120およ
び受光部121によって受光光学系が実現されている。
【0103】受光部121に入射されたレーザ光は、再
生信号として演算増幅器122に出力される。ここに、
受光部121によって再生信号取得手段が実現されてい
る。演算増幅器122は、入力された再生信号に基づい
て、RF信号やプッシュプル信号等を生成する。生成し
たRF信号はRFアンプ123に出力され、プッシュプ
ル信号はサーボ回路124およびアドレス検出部125
へ出力される。
【0104】サーボ回路124は、演算増幅器122か
ら出力されたプッシュプル信号に基づいて、フォーカシ
ング誤差信号やトラッキング誤差信号を取得し、各誤差
信号に応じてフォーカシングコイルやトラッキングコイ
ル等のサーボ手段119を駆動する。
【0105】RFアンプ123は、演算増幅器122か
ら出力されたRF信号を増幅して、デジタルデータ変換
手段126のA/D変換部127およびセル同期生成部
128に出力する。
【0106】アドレス検出部125は、演算増幅器12
2から出力されたプッシュプル信号に基づいて、ウォブ
ル信号を再生し、アドレス情報・ウォブル同期情報をセ
ル同期生成部128に出力する。本実施の形態のROM
ディスク1’では、セル列のウォブリング周波数の変化
としてアドレス情報が記録されているため、セル列のウ
ォブリング周波数の変化によりアドレス情報が取得され
る。
【0107】記録/再生に際しては、取得されたウォブ
リング周波数よりも十分に高い周波数が用いられる。
【0108】なお、決められた位置にアドレスピットが
記録され、アドレスピット以外の部分に情報が記録され
ている光情報記録媒体もある。
【0109】デジタルデータ変換手段126は、セル毎
に出力されるセル同期信号をセル同期生成部128で生
成して、このセル同期信号と増幅されたRF信号とに基
づいて、A/D変換部127でアナログデータをデジタ
ルデータに変換して、正規化手段129へ出力する。
【0110】また、デジタルデータ変換手段126は、
正規化領域のデータであることを示すセクター同期信号
をセル同期生成部128で生成し、セル同期信号とあわ
せて正規化手段129へ出力する。
【0111】正規化手段129は、以下に説明する正規
化を行い、正規化後の正規化レベルデータを多値判定手
段130に出力する。多値レベル判定手段130は、正
規化手段129で正規化された正規化レベルデータの多
値判定を行う。詳細は後述するが、正規化手段129
は、後述するLmin,Lmaxを書き換え自在に記憶
する記憶装置131に記憶されたLmin,Lmaxに
基づいて、正規化を行う。本実施の形態では、複数の正
規化領域51が規則的に出現するように設けられている
ため、Lmin,Lmaxは正規化領域51からの再生
信号に基づいて規則的に取得され、記憶装置131で
は、最新のLmin,Lmaxに更新して記憶される。
【0112】次に、正規化手段129で行う正規化およ
び多値レベル判定手段130で行う多値判定について図
15を参照して詳細に説明する。
【0113】まず、正規化手段129で行う正規化につ
いて説明する。正規化手段129は、デジタルデータ変
換手段126から出力されたデジタルデータ、セル同期
信号およびセクター同期信号に基づいて、正規化領域5
1のRF信号のデジタルデータから、ピット部5のみに
よって形成されるセル3AのRF信号のレベルLmin
と、正規化領域51のグルーブ部6のみによって形成さ
れるセル3BのRF信号のレベルLmaxと、を取得す
る。
【0114】取得したLmin,LmaxおよびLxに
基づいて、再生専用領域50のRF信号のデジタルデー
タに対して、以下に示す(5)式の演算を行うことによ
り、再生信号のRF信号の正規化を行い、セル毎に正規
化レベルLnを取得する。ここで、Lxは、(記録レベ
ルの最多値−1)として表わされる。本実施の形態で
は、8値記録を行うため、Lxは7となる。 Ln=(Ln−Lmin)/(Lmax−Lmin)×Lx …(5)
【0115】例えば、デジタルデータ変換手段126か
ら図15に示すようなデジタルデータが出力された場
合、LmaxはセルNo.2,4における1.3Vのデ
ジタルデータであり、LminはセルNo.1,3にお
ける0.2Vのデジタルデータである。このLmin,
Lmaxを用いて、例えば、セルNo.5の0.53Vの
デジタルデータを正規化すると、以下に示す(5)’式と
なる。Ln(No.5)=(0.53−0.2)/(1.3−0.
2)×7=2.1…(5)’ところで、記憶装置131に
は、正規化領域51からの再生信号に基づいて規則的に
取得されるLmin,Lmaxのうち、常に最新のLm
in,Lmaxが記憶されているため、或る再生専用領
域50からの再生信号は、この直前に再生された正規化
領域51からの再生信号に基づいて、正規化が行われ
る。
【0116】次に、多値レベル判定手段130で行う多
値判定について説明する。多値レベル判定手段130
は、正規化手段129から出力された正規化レベルデー
タが、「0,1,2,3,4,5,6,7」のいずれの
セルレベルデータであるかを判定する。本実施の形態で
の多値レベル判定手段130は、正規化レベルデータの
小数点以下第一位を四捨五入して得られる整数をセルレ
ベルデータとして取得する。
【0117】例えば、正規化手段129から図16に示
すような正規化レベルデータが出力された場合、セルN
o.5の2.1のセルレベルデータは“2”と判定され、
セルNo.9の5.9のセルレベルデータは“6”と判定
される。
【0118】次に、多値判定されたデジタルデータか
ら、実際に再生する再生信号を取得する方法について説
明する。本実施の形態のように、8値のデータを記録す
る場合、各セルは3ビットで表わされ、再生されるデジ
タルデータは8ビット(1バイト)毎に取り込まれる。例
えば、図16に示すように、正規化されたセルレベルが
「1,2,6,5,3,4,7,1」である場合、3ビ
ットで表わされる各セルのデジタルデータが8ビット毎
に取り込まれると、実際に再生されるデジタルデータは
「0b,57,39」となる。
【0119】このように、正規化領域52の再生信号に
基づいて、再生専用領域50に記録された情報の正規化
を行うことにより、例えば、ROMディスク1’の面内
均一性にばらつきが生じた場合にも、これをキャンセル
できるため、原因による再生エラーの発生を抑制するこ
とができる。
【0120】ところで、本実施の形態のROMディスク
1’では、セル列4において複数の正規化領域51が規
則的に出現するように混在して設けられているため、R
OMディスク1’に記録された情報の再生に際しては、
再生専用領域50からの再生信号と、正規化領域51か
らの再生信号とが交互に出現し、記録再生装置100
は、上述したように、或る再生専用領域50からの再生
信号を、この直前に再生された正規化領域51からの再
生信号に基づいて正規化を行うため、正規化に際して基
準となるLmin,Lmaxが規則的に更新されて、正
規化される再生専用領域50からの再生信号を、この再
生専用領域50に近い正規化領域51にから取得される
Lmin,Lmaxを基準として正規化することができ
るので、例えば、ユーザーの情報以外の制御情報がアド
レスの先頭部分に記録されていることが一般的な従来の
光情報記録媒体と比較して、より効果的に再生エラーの
発生を抑制することができる。
【0121】次に、本発明の第三の実施の形態について
図17ないし図19を参照して説明する。本実施の形態
は、光情報記録媒体としてパーシャルROMディスクへ
の適用例を示す。
【0122】図17は、本発明の第三の実施の形態のパ
ーシャルROMディスクを示す斜視図である。本実施の
形態のパーシャルROMディスク60は、円盤形状を有
しており、点線61より内周側に設けられた既記録領域
としてのROM部62と、点線61より外周側に設けら
れた追記領域としてのRAM部63とを備えている。R
OM部62には、セル3が形成されている。これによ
り、パーシャルROMディスク60の出荷時には、RO
M部62に予め情報が記録されている。
【0123】特に図示しないが、パーシャルROMディ
スク60の基板表面2aには、記録層、反射層、保護層
(いずれも図示せず)が順次積層されている。
【0124】記録層は、相変化型材料等をスパッタリン
グ法等を用いて基板表面2aに成膜することにより形成
されている。相変化材料は、結晶状態と非結晶状態とに
可逆的に変化する性質を有しており、加熱後徐冷すると
結晶状態になり、急冷すると非結晶状態となる。記録層
の基板2側および反射層側には、RAM部63における
記録特性を調整あるいは向上させる誘電体層を設けても
よい。記録層を形成する相変化材料としては、Ag−I
n−Sb−Te系の相変化材料がある。
【0125】RAM部63には、公知の記録再生装置を
用いて、任意の情報を追記することが可能である。RA
M部63では、情報が追記されることによって、情報が
追記された記録領域と、情報が記録されていない未記録
領域(ともに図示せず)とが形成される。
【0126】保護層は、反射層(および記録層)を外部か
らの衝撃等から保護するために設けられる。保護層は、
例えば、紫外線硬化型のインクをシルクスクリーン印刷
等によって反射層上に積層することによって形成されて
いる。
【0127】図18はパーシャルROMディスク60の
基板の一部を拡大して示す平面図、図19はそのb−b
断面図である。ROM部62には、上述のROMディス
ク1と同様に、トラック方向に連続する複数のセル3に
よって形成するセル列4が、半径方向に所定のトラック
ピッチPを維持した状態でスパイラル状に形成されてい
る。
【0128】RAM部63には、トラック方向に連続す
る溝(以降、プリグルーブとする)部64が半径方向に所
定のトラックピッチP’を維持した状態でスパイラル状
に形成されている。プリグルーブ部64は、基板表面2
aから深さd3凹んだ位置に形成されている。プリグル
ーブ部64の深さd3は、グルーブ部6の深さd2と略
同一寸法に設定されている。
【0129】プリグルーブ部64の幅方向の半値幅は、
w3に設定されている。本実施の形態では、w3=D/
3に設定されている。
【0130】このようなパーシャルROMディスク60
のプリグルーブ部64に対しては、記録再生装置100
によって、情報を追記することが可能である。また、パ
ーシャルROMディスク60のROM部62およびRA
M部63に記録された情報は、記録再生装置100によ
って再生することが可能である。
【0131】ここで、パーシャルROMディスク60の
プリグルーブ部64に対して、情報の追記および再生が
可能な記録再生装置100について説明する。記録再生
装置100は、図14と同様のハード構成を備えてお
り、記録に際しては、再生時とは逆に、多値レベル変換
部114によって16進数の元の記録データからセルレ
ベルデータを生成し、記録パルス生成部115によって
セルレベルデータに基づいて所定の記録パターンが形成
されるような光量変調信号を生成する。光量変調信号
は、半導体レーザ112によって出力されるレーザ光
を、基板表面からの深さをプリグルーブ部64の深さと
同じd3とする最小記録パワーから、基板表面からの深
さを深さd3よりも深いd4とする最大記録パワーまで
の間で調整する。LD駆動回路113は、生成された光
量変調信号に基づいて、半導体レーザ112を駆動制御
することにより情報の記録を行う。ここに、パワー変動
手段および記録手段としての機能が実現される。図18
では、生成された記録信号に基づいて、プリグルーブ部
64に情報が追記された状態を示している。
【0132】次に、パーシャルROMディスク60の作
製について説明する。パーシャルROMディスク60の
作製に際しては、まず、記録すべき情報に従って記録す
るレベルを変化させた原盤(図示せず)を作製する。この
原盤は、第一の実施の形態と同様のガラス原盤に対し
て、集束ビームによってパーシャルROMディスク60
のパターンで露光することにより形成されている。
【0133】ここで、プリグルーブ部64の露光に際し
ては、グルーブ部6を露光する場合と同様の強度に設定
された集束ビームによって露光する。
【0134】これにより形成された原盤のROM部62
には、一定値以上の強さで感光された部分に深さd1の
凹みが形成され、一定値よりも弱く感光された部分に深
さd2の凹みが形成され、RAM部63には一定値より
も弱く感光されて深さd3の凹みが形成されている。
【0135】この原盤から型となるスタンパを作製し、
スタンパからPC等によって基板2を成形した。この基
板表面2aに、記録層、反射層および保護層を順次積層
することによりパーシャルROMディスク60が作製さ
れる。
【0136】本実施の形態のパーシャルROMディスク
60のROM部62は、第一の実施の形態のROMディ
スク1と同様の構成を有するため、例えば、図14に示
す記録再生装置10と同様の構成を有し、多値記録可能
な記録媒体を再生できる再生機能を有する再生装置で再
生でき、多値記録可能な記録媒体を記録できる記録機能
を有する記録装置で同様に記録可能になる。
【0137】次に、本発明の第四の実施の形態について
図20を参照して説明する。本実施の形態は、パーシャ
ルROMディスク60に対する情報の追記が可能な記録
再生装置10への適用例を示す。
【0138】本実施の形態のパーシャルROMディスク
60の原盤の作製に際しては、ガラス原盤のROM部6
2を露光する際に、第二の実施の形態と同様に、ピット
部5のみによって形成されるセル3Aと、グルーブ部6
のみによって形成されるセル3Bとが連続した正規化領
域51を定期的に挿入しながら露光する。原盤作製から
パーシャルROMディスク60の作製までは第一の実施
の形態と同様である。
【0139】パーシャルROMディスク60は、ROM
部62とRAM部63とを備えている。ROM部62に
は、再生専用に情報が記録されたセル3Cによって構成
される再生専用領域50と、ピット部5のみによって形
成されるセル3A、または、グルーブ部6のみによって
形成されるセル3Bによって構成される正規化領域51
とが設けられている。セル列4においては、複数の正規
化領域51が規則的に出現するように混在して設けられ
ている。RAM部63には、プリグルーブ部64が形成
されている。
【0140】次に、パーシャルROMディスク60に対
して記録再生を行う記録再生装置100の構成の概略お
よび動作について説明する。本実施の形態の記録再生装
置100のハード構成は、図14に示す記録再生装置1
0と同様であり、記録または再生に際しての処理が異な
る。
【0141】まず、情報の記録について説明する。本実
施の形態の記録再生装置100では、情報の記録に際し
て、まず、多値レベル変換部114が、上述した第三の
実施の形態と同様に、16進数のデジタルデータからセ
ルレベルデータを取得する。
【0142】続いて、多値レベル変換部114によっ
て、取得したセルレベルデータに対して、「0,7,
0,7」のセルレベルデータで構成される正規化セルレ
ベルデータを、所定のセル数毎に挿入したデジタルデー
タを生成する。
【0143】記録パルス生成部115は、多値レベル変
換部114によって生成されたデジタルデータに基づい
て、所定の記録パターンが形成されるような光量変調信
号を生成し、LD駆動回路113によって半導体レーザ
112を駆動制御することにより情報の記録を行う。こ
れにより、記録再生装置100で情報が追記されたプリ
グルーブ部には、図20に示すように、ROM部62の
正規化領域51と同様に、情報に応じた記録レベルの記
録ビット64Cによって構成される追記領域65と、記
録レベル0の記録ビット64Aと記録レベル7の記録ビ
ット64Bとがトラック方向に連続する追記正規化領域
66とが形成される。なお、記録パルス生成部115に
よって生成されて記録ビット64Aを形成する光量変調
信号を最大記録パワーとし、記録パルス生成部115に
よって生成されて記録ビット64Bを形成する光量変調
信号を最小記録パワーとする。ここに、パワー変動手
段、記録手段および正規化データ記録手段としての機能
が実現される。
【0144】次に、情報の再生について説明する。本実
施の形態の記録再生装置100では、情報の再生に際し
て、デジタルデータ変換手段126が、セル同期生成部
128によって、正規化領域51のデータであることを
示すセクター同期信号と追記正規化領域66のデータで
あることを示すセクター同期信号とを生成する。
【0145】正規化手段129は、デジタルデータ変換
手段126から出力されたデジタルデータ、セル同期信
号およびセクター同期信号に基づいて、正規化領域51
のRF信号のデジタルデータから、ピット部5のみによ
って形成されるセル3AのRF信号のレベルLmin
と、正規化領域51のグルーブ部6のみによって形成さ
れるセル3BのRF信号のレベルLmaxと、を取得す
る。また、正規化手段129は、デジタルデータ変換手
段126から出力されたデジタルデータ、セル同期信号
およびセクター同期信号に基づいて、追記正規化領域6
6のRF信号のデジタルデータから、記録レベル0の記
録ビット64AのRF信号のレベルlminと、記録レ
ベル7の記録ビット64BのRF信号のレベルlmax
と、を取得する。
【0146】そして、取得したLmin,Lmaxおよ
びLxに基づいて、再生専用領域50のRF信号のデジ
タルデータに対して、(5)式に示す演算を行うことによ
り、再生信号のRF信号の正規化を行い、セル毎に正規
化レベルLnを取得する。
【0147】また、取得したlmin,lmaxおよび
lxに基づいて、追記正規化領域66のRF信号のデジ
タルデータに対して、以下に示す(6)式の演算を行うこ
とにより、再生信号のRF信号の正規化を行い、セル毎
に正規化レベルlnを取得する。ここで、lxは、(記
録レベルの最多値−1)として表わされる。本実施の形
態では、8値記録を行うため、lxは7となる。 ln=(ln−lmin)/(lmax−lmin)×7 ・・・(6)
【0148】これにより、例えば、記録時のレーザパワ
ーの変動等に起因して、プリグルーブ部64に記録され
た情報にバラツキがあった場合にもこれをキャンセルで
きるため、ROM部62と同様に、再生エラーの発生を
抑制することができる。
【0149】また、本実施の形態の記憶装置131に
は、正規化領域51からの再生信号に基づいて規則的に
取得される最新のLmin,Lmaxに加えて、追記正
規化領域66からの再生信号に基づいて規則的に取得さ
れる最新のlmin,lmaxが、それぞれ読み取る毎
に更新して記憶される。
【0150】このように、正規化領域52の再生信号に
基づいて、再生専用領域50に記録された情報の正規化
を行うことにより、例えば、パーシャルROMディスク
60のROM部62において面内均一性にばらつきが生
じた場合にも、ROM部62からの反射光量のバラツキ
をキャンセルすることができるため、面内均一性のばら
つきを原因とする再生エラーの発生を抑制することがで
きる。
【0151】また、追記正規化領域66からの再生信号
に基づいて、追記正規化領域66に記録された情報の正
規化を行うことにより、例えば、パーシャルROMディ
スク60のRAM部63において記録品質にばらつき等
が生じている場合にも、RAM部63からの反射光量の
バラツキをキャンセルすることができるため、記録品質
のばらつき等を原因とする再生エラーの発生を抑制する
ことができる。
【0152】これによって、パーシャルROMディスク
60に記憶された情報の再生に際して、パーシャルRO
Mディスク60全体からの再生品質の向上を図ることが
できる。
【0153】加えて、本実施の形態のパーシャルROM
ディスク60では、ROM部62において複数の正規化
領域51が規則的に出現するように混在して設けられて
おり、RAM部63において複数の追記正規化領域66
が規則的に出現するように混在して設けられているた
め、パーシャルROMディスク60に記録された情報の
再生に際しては、ROM部62では再生専用領域50か
らの再生信号と正規化領域51からの再生信号とが交互
に出現し、RAM部63では追記領域65からの再生信
号と追記正規化領域66からの再生信号とが交互に出現
する。このため、正規化に際して基準となるLmin,
Lmax,lmin,lmaxを規則的に適宜更新する
ことができる。
【0154】記録再生装置100は、上述したように、
或る再生専用領域50または追記領域65からの再生信
号を、この直前に再生された正規化領域51または追記
正規化領域66からの再生信号に基づいて正規化を行う
ため、Lmin,Lmax,lmin,lmaxを規則
的に適宜更新することにより、例えば、ユーザーの情報
以外の制御情報がアドレスの先頭部分に記録されている
ことが一般的な従来の光情報記録媒体と比較して、より
効果的に再生エラーの発生を抑制することができる。
【0155】
【実施例】次に、本発明の第一の実施例について説明す
る。本実例は、セル3の長さをD/2、ピット部の深さ
d1をλ/4.5n〜λ/5n、グルーブ部の深さd2
をλ/12n〜λ/16n,グルーブ部6の幅をD/3
に設定したROMディスク1を、記録再生装置10によ
って再生波長λ=650nm、集光ビーム径0.8μm
の集光ビームで再生した。
【0156】特に図示しないが、本実施例のROMディ
スク1によれば、プッシュプル信号で安定にトラッキン
グできて、1つのセルで8値記録でき、従来のDVDの
約2倍の容量を記憶することが実現できた。
【0157】次に、本発明の第二の実施例について説明
する。本実施例のROMディスク1は、第一の実施例の
ROMディスク1と同様の構成を有し、セル列4の一部
に、情報とは別に、ピット部5のみによって形成される
セル3A、または、グルーブ部6のみによって形成され
るセル3Bによって構成される複数の正規化領域51が
規則的に出現するように混在して形成されている。
【0158】本実施例のROMディスク1を記録再生装
置100によって再生する際には、セル3BのRF信号
のレベルをLmax、セル3AのRF信号のレベルをL
minとして、(3)式にしたがって、レベルLnを正規
化した。
【0159】特に図示しないが、本実施例のROMディ
スク1によれば、ROMディスク1の面内にばらつきが
生じている場合にも、RF信号のノイズがキャンセルさ
れ、ノイズを原因とする再生エラーの発生が低減され
た。
【0160】次に、本発明の第三の実施例について説明
する。本実施例のパーシャルROMディスク60の基板
2は、第一の実施例のROMディスク1と同様のセル3
を有するROM部62と、ROM部62におけるグルー
ブ部6の深さd2と同等の深さd3、幅方向の半値幅w
3がD/3に設定されたプリグルーブ部64を有するR
AM部63を有している。
【0161】この基板表面2aに、Ag−In−Sb−
Te系の相変化材料によって形成される記録層と、Ag
によって形成される反射層、および、保護層を順次積層
することによりパーシャルROMディスク60を形成し
た。
【0162】このパーシャルROMディスク60を、追
記領域のみによって形成される光情報記録媒体(図示せ
ず)に対して記録再生を行う記録再生装置10で再生し
た。
【0163】特に図示しないが、本実施例のパーシャル
ROMディスク60によれば、ROM部62からのプッ
シュプル信号とRAM部63からのプッシュプル信号と
の間に15%程度の変動が発生したが、問題なく再生す
ることができた。
【0164】また、本実施例のパーシャルROMディス
ク60は、追記領域のみによって形成される光情報記録
媒体(図示せず)に対して記録再生を行う記録再生装置
(図5参照)によってRAM部63に情報を追記した場合
にも、ROM部62およびRAM部63を良好に再生す
ることができた。
【0165】次に、本発明の第四の実施例について説明
する。本実施例のパーシャルROMディスク60の基板
2は、第三の実施例と同様の構成を有し、プリグルーブ
部64の幅方向の半値幅w3がD/2.5に設定されて
いる。本実施例のパーシャルROMディスク60は、R
OM部62を露光する集束ビーム径と、RAM部63を
露光する集束ビーム径とを変えて原盤を作製した。
【0166】このパーシャルROMディスク60を、追
記領域のみによって形成される光情報記録媒体(図示せ
ず)に対して記録再生を行う記録再生装置10で再生し
た。
【0167】特に図示しないが、本実施例のパーシャル
ROMディスク60によれば、ROM部62とRAM部
63とのプッシュプル信号の変動が解消された。
【0168】また、ROM部62を露光する集束ビーム
径と、RAM部63を露光する集束ビーム径とを変えて
原盤を作製することにより、第三の実施例のパーシャル
ROMディスク60よりも、幅広の溝を安定して形成す
ることができた。
【0169】次に、本発明の第五の実施例について説明
する。本実施例のパーシャルROMディスク60は、第
四の実施例と同様の構成を有している。このパーシャル
ROMディスク60のRAM部63に対して、記録再生
装置10を用いて、情報に応じた記録レベルの記録ビッ
ト64Cによって構成される追記領域65と、記録レベ
ル0の記録ビット64Aと記録レベル7の記録ビット6
4Bとがトラック方向に連続する追記正規化領域66と
を形成した後、ROM部62およびRAM部63に記録
された情報を再生した。
【0170】特に図示しないが、本実施例のパーシャル
ROMディスク60によれば、記録および再生ともに全
く問題を生じなかった。また、第四の実施例のパーシャ
ルROMディスク60と比較して、再生エラーの発生率
を大幅に低減することができた。
【0171】
【発明の効果】請求項1記載の発明の光情報記録媒体に
よれば、各セルに凹凸を形成することにより単一のセル
で多値情報を記録することを可能にして高密度記録化を
図るとともに、セル全体が連続して基板表面から凹んで
いるため基板全体からプッシュプル信号を得ることが可
能になるので、トラッキング特性の安定化を図ることが
できる。
【0172】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の光情報記録媒体において、半値幅w1と半値幅w2
との関係をw2≦w1≦P/2の範囲内に設定すること
により、このような光情報記録媒体の基板の元となる原
盤の作製に際しては、集束ビームのビーム径を一定にし
てビーム強度を調整することで、ピット部とグルーブ部
とを形成することが可能になるので、集束ビームのビー
ム径を変える手段や手間を不要とし、露光装置の簡素化
を図り原盤作製の容易化を図ることができる。
【0173】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の光情報記録媒体において、深さd1の第一
の凹部と深さd2の第二の凹部とによって形成される正
規化領域を設けることにより、正規化領域の再生信号に
基づいて、第一の凹部のRF信号を極小値、第二の凹部
のRF信号を極大値として、RF信号の正規化が行われ
るので、再生エラーの発生を抑制することができる。
【0174】請求項4記載の発明によれば、請求項1、
2または3記載の光情報記録媒体において、既記録領域
ではセル全体が連続して基板表面から凹んでいるため既
記録領域全体からプッシュプル信号を得ることが可能に
なり、追記領域ではプリグルーブ部が連続して基板表面
から凹んでいるため追記領域全体からプッシュプル信号
を得ることが可能になるので、基板全体に亘ってトラッ
キング特性の安定化を図ることができる。また、既記録
領域では、各セルに凹凸が形成されているため、単一の
セルで多値情報を記録することが可能になり、高密度記
録化を図ることができる。
【0175】請求項5記載の発明によれば、請求項4記
載の光情報記録媒体において、半値幅w1と半値幅w2
と半値幅w3との関係をw2≦w3≦w1≦P/2の範
囲内に設定することにより、原盤の作製に際しては、集
束ビームのビーム径を一定にしてビーム強度を調整する
ことで、ピット部とグルーブ部とを形成することが可能
になるので、集束ビームのビーム径を変える手段や手間
を不要とし、露光装置の簡素化を図り原盤作製の容易化
を図ることができる。また、半値幅w1と半値幅w2と
半値幅w3との関係をw2≦w3≦w1≦P/2の範囲
内に設定することにより、光情報記録媒体に記録された
情報の再生に際して、既記録領域と追記領域とから同等
のプッシュプル信号を得ることが可能になるので、基板
全体に亘ってトラッキング特性の安定化を図ることがで
きる。
【0176】請求項6記載の発明の光ディスク装置によ
れば、回転駆動される光情報記録媒体から反射されて受
光光学系によって受光されたレーザ光量に基づいて再生
信号が取得され、取得された再生信号のうち正規化領域
の再生信号に基づいて、光情報記録媒体に形成された第
一の凹部のRF信号を極小値、第二の凹部のRF信号を
極大値として、既記録領域のRF信号の正規化を行うこ
とにより、情報が高密度記録された光情報記録媒体の再
生に際しての再生エラーの発生を効果的に抑制すること
が可能になるので、情報の高密度記録化を図るととも
に、再生された情報の信頼性の向上を図ることができ
る。
【0177】請求項7記載の発明の光ディスク装置によ
れば、回転駆動される光情報記録媒体のプリグルーブ部
に対して照射する出力パワーを変動させることでプリグ
ルーブ部に3値以上のデジタルデータを記録することに
より、プリグルーブ部における情報の高密度記録化を図
ることが可能になるので、プリグルーブ部を備える光情
報記録媒体であっても、光情報記録媒体全体の高密度記
録化を図ることができる。
【0178】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の光ディスク装置において、回転駆動される光情報記
録媒体から反射されて受光光学系によって受光されたレ
ーザ光量に基づいて再生信号が取得され、取得された再
生信号のうち正規化領域の再生信号に基づいて、第一の
凹部のRF信号を極小値、第二の凹部のRF信号を極大
値として既記録領域のRF信号の正規化を行い、プリグ
ルーブ部の再生信号に基づいて、第三の凹部のRF信号
を極小値、第四の凹部のRF信号を極大値として、プリ
グルーブ部のRF信号の正規化を行うことで、例えば、
プリグルーブをトラック方向に一定長で分割する各仮想
セルにおける第三の凹部と第四の凹部との面積比率を調
整することで3値以上のデジタルデータを記録した光情
報記録媒体の再生に際しても、再生エラーの発生を抑制
することが可能になるので、情報の高密度記録化を図る
とともに、再生された情報の信頼性の向上を図ることが
できる。
【0179】請求項9記載の発明の原盤の作製方法によ
れば、レーザ光の照射時間を調整して、グルーブ部を形
成したい部分に対して時間t1より短い時間t2だけレ
ーザ光を照射することで、レーザ光の集光径を調整する
ことなく、レーザ光の集光径を調整する機構を不要とし
て、制御の容易化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態のROMディスクを
示す斜視図である。
【図2】ROMディスク1の基板の一部を拡大して示す
平面図である。
【図3】そのa−a断面図である。
【図4】セルを概略的に説明する平面図である。
【図5】記録再生装置を示す模式図である。
【図6】溝の深さに対するプッシュプル信号の変化につ
いて示す相関図である。
【図7】ピット部の面積に対するプッシュプル信号の変
化について示す相関図である。
【図8】セルにおけるピット部の面積比率に対するRF
信号のレベルの変化について示す相関図である。
【図9】ピット部の幅および長さと記録レベルとの関係
を示す相関図である。
【図10】露光装置を示す模式図である。
【図11】変調パルス発生回路で変調信号を発生させる
際に各部から出力されるパルス信号のタイミングチャー
トである。
【図12】セルの露光について示す説明図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態のROMディスク
の一部を拡大して示す平面図である。
【図14】記録再生装置を示す模式図である。
【図15】正規化および多値判定について説明する模式
図である。
【図16】再生情報の取得について説明する模式図であ
る。
【図17】本発明の第三の実施の形態のパーシャルRO
Mディスクを示す斜視図である。
【図18】パーシャルROMディスクの基板の一部を拡
大して示す平面図である。
【図19】そのb−b断面図である。
【図20】本発明の第四の実施の形態のパーシャルRO
Mディスクの基板の一部を拡大して示す平面図である。
【符号の説明】
1 光情報記録媒体 2a 既記録領域 3 セル 3A 第一の凹部 3B 第二の凹部 5 ピット部 6 グルーブ部 51 正規化領域 60 光情報記録媒体 62 既記録領域 63 追記領域 64 プリグルーブ部 66 追記正規化領域 100 光ディスク装置 111 回転駆動手段 112 発光素子 121 再生信号取得手段 129 正規化手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/007 G11B 7/007 7/125 7/125 C 7/26 501 7/26 501 Fターム(参考) 5D029 JB11 KB02 KB03 WA20 WA26 WB11 WB17 WC09 WD01 WD10 WD11 WD12 5D090 AA01 BB01 BB02 BB03 BB04 CC01 CC04 CC12 CC14 DD01 DD05 EE02 EE17 FF13 GG11 GG33 GG38 HH01 KK03 5D119 AA22 AA23 BA01 EC09 HA45 5D121 BB01 BB22 BB23 BB26 BB33 5D789 AA22 AA23 BA01 EC09 HA45

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に予め形成されたセルによって3
    値以上のデジタルデータが記録されている既記録領域を
    有する光情報記録媒体において、 前記セルは、前記セル中心に設けられて前記基板表面か
    ら深さd1凹んだピット部とトラック方向で前記ピット
    部の両側にそれぞれ設けられて前記基板表面から前記ピ
    ット部の深さd1よりも小さく設定された深さd2凹ん
    だグルーブ部とを具備して、トラック方向に沿ってスパ
    イラル状に連続するように設けられていることを特徴と
    する光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記基板の半径方向におけるセルのピッ
    チをP、前記基板の半径方向における前記ピット部の半
    値幅をw1、前記基板の半径方向における前記グルーブ
    部の半値幅をw2とした場合、半値幅w1と半値幅w2
    との関係は、 w2≦w1≦P/2 の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1記
    載の光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記既記録領域に設けられて、トラック
    方向で前記セルに連続し、全体の深さがd1に設定され
    た第一の凹部とトラック方向で前記第一の凹部に連続し
    全体の深さがd2に設定された第二の凹部とによって形
    成される正規化領域を具備することを特徴とする請求項
    1または2記載の光情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記既記録領域とは異なる位置に設けら
    れて、トラック方向に沿ってスパイラル状に連続して前
    記基板表面から前記グルーブ部の深さd2と同等の深さ
    d3凹んだプリグルーブ部を有し、情報の追記が可能な
    追記領域を具備する請求項1、2または3記載の光情報
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記基板の半径方向における前記プリグ
    ルーブ部の半値幅をw3とした場合、半値幅w1と半値
    幅w2と半値幅w3との関係は、 w2≦w3≦w1≦P/2 の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項4記
    載の光情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項3、4または5記載の光情報記録
    媒体に対して照射するレーザ光を発する発光素子と、 前記光情報記録媒体を回転駆動する回転駆動手段と、 前記発光素子から発せられて前記光情報記録媒体から反
    射されたレーザ光を受光する受光光学系と、 前記回転駆動手段により回転駆動される前記光情報記録
    媒体から反射されて前記受光光学系が受光したレーザ光
    量に基づいて再生信号を取得する再生信号取得手段と、 前記再生信号取得手段が取得した再生信号のうち正規化
    領域の再生信号に基づいて、前記光情報記録媒体に形成
    された第一の凹部のRF信号を極小値、第二の凹部のR
    F信号を極大値として、既記録領域のRF信号の正規化
    を行う正規化手段と、を具備する光ディスク装置。
  7. 【請求項7】 請求項4または5記載の光情報記録媒体
    に対して照射するレーザ光を発する発光素子と、 前記光情報記録媒体を回転駆動する回転駆動手段と、 前記回転駆動手段により回転駆動される前記光情報記録
    媒体に対して前記プリグルーブ部に前記基板表面からの
    深さd3の第三の凹部を形成する最大パワーから前記プ
    リグルーブ部に前記基板表面からの深さがd3よりも大
    きい深さd4の第四の凹部を形成する最小パワーの間で
    前記発光素子の出力パワーを変動させるパワー変動手段
    と、 前記記録パワー変動手段により前記プリグルーブ部に対
    して照射する出力パワーを変動させることにより追記領
    域に3値以上のデジタルデータを記録する記録手段と、
    を具備する光ディスク装置。
  8. 【請求項8】 前記記録手段によるデジタルデータの記
    録に際して、このデジタルデータとは別に、前記第三の
    凹部と前記第四の凹部とによって形成される正規化デー
    タを記録する正規化データ記録手段と、 前記発光素子から発せられて前記光情報記録媒体から反
    射されたレーザ光を受光する受光光学系と、 前記回転駆動手段により回転駆動される前記光情報記録
    媒体から反射されて前記受光光学系が受光したレーザ光
    量に基づいて再生信号を取得する再生信号取得手段と、 前記再生信号取得手段が取得した再生信号のうち正規化
    領域の再生信号に基づいて、前記光情報記録媒体に形成
    された第一の凹部のRF信号を極小値、第二の凹部のR
    F信号を極大値として、前記既記録領域のRF信号の正
    規化を行い、前記追記正規化領域の再生信号に基づい
    て、前記第三の凹部のRF信号を極小値、前記第四の凹
    部のRF信号を極大値として、前記追記正規化領域のR
    F信号の正規化を行う正規化手段と、を具備する請求項
    7記載の光ディスク装置。
  9. 【請求項9】 フォトリソグラフィプロセスを用いて請
    求項3、4または5記載の光情報記録媒体の原盤の作製
    方法であって、 基板に対して第二の凹部の深さと同じ厚さでレジスト膜
    を形成し、このレジスト膜との合計の厚さが第一の凹部
    の深さと同じになるように別のレジスト膜を形成する工
    程と、 レジスト膜が形成された前記基板に対して、前記第一の
    凹部となる部分に対して時間t1だけレーザ光を照射す
    る工程と、 レジスト膜が形成された前記基板に対して、前記第二の
    凹部となる部分に対して時間t1より短い時間t2だけ
    レーザ光を照射する工程と、 レーザ光が照射された前記基板をエッチングする工程
    と、を含む原盤の作製方法。
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