JP2006323978A - 情報記録/再生方法および情報記録/再生装置 - Google Patents

情報記録/再生方法および情報記録/再生装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のヘッドを用いて実記録や実再生の事前準備である複数の動作を行うことにより、動作時間を短縮し、転送速度の向上を達成する。
【解決手段】第1のヘッド3aはメディア判別を行い、第2のヘッド3bは反射率による高反射率メディアか低反射率メディアかの判別を終了した時点で、最適チルト検出フローに基づき最適チルト検出を第1のヘッド3aと並行して行う。すなわち、第1のヘッド3aでメディア判別フローを行いながら、最適チルト検出に最小限必要な情報が得られた時点で第2のヘッド3bで最適チルト検出を行う。このように、記録または再生以前の記録/再生準備動作の一部を、複数のヘッドにて分担し、かつ並行して行うことにより、記録/再生準備動作に要する時間を短縮し、転送速度を向上させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、メディアに対し複数のヘッドを用いて記録および/または再生を行う情報記録/再生方法、および装置に係り、特に記録あるいは再生を行う以前の記録/再生準備動作の技術に関するものである。
近年の情報転送速度の高速化,情報量の増大に伴い、CDやDVDでは高倍速による記録および再生が必須の技術となっている。
CDでは1.2m/s、またDVDでは3.49m/sが統一規格の線速度であり、これを基準の1倍速として、メディアの回転速度を上げることにより高転送速度の再生および記録を実現している。各メディアの最外周付近での線速度の値にして、CDでは50倍速程度、またDVDでは16倍速程度が高倍速競争の限界と考えられている。その理由は回転数が約20000rpmを超えると、回転により生じる振動でメディアが強度的に耐えられず破壊につながる可能性があるためである。
前記回転数限界のため、例えばDVDでは最外周で16倍速が達成できていても、最内周では6倍速程度しか転送速度が得られない。最高16倍速記録と表示された装置であっても、1倍速装置の1/16の時間で同じデータを記録/再生することができるわけではなく、せいぜい1/10の時間にしかならない。例えばDVD2層の約9GBのデータを記録再生する時間を考えると、1倍速で120分、また16倍速では12分となる。12分間を実際体験すると長く感じられ、ユーザとしては、さらに高速記録/再生を期待したい。しかし、これがメディアの回転速度を上げる高速化では限界となっている。
このことは青色レーザを使用して記録容量を単層15〜27GBに増やしたBlu−ray規格、あるいはHD−DVD規格などの次世代光ディスクでも、同様に高速化の限界が予想できる。容量が増加してもユーザがメディア1枚の記録/再生に許容することができる待ち時間は、そう変わるものではない。よって、新しい高速記録および再生の技術が期待されている。
一方、メディアの材質を変更して強度を高め、回転による破壊の限界を上げる工夫も考えられる。現在、メディアの主材質は、透明性が高く安価で扱いやすいポリカーボネート(PC)が一般的であるが、もし今後材質が変更されることがあれば、更なる高速化が進む可能性がある。しかし、メディアのコストが上がることが懸念され、そのことは普及に大きな障害となる上、やはり上限は同様に存在する。このように今後の大容量化を進めることと並行して、高速記録および再生の技術も求められている。
メディアの回転速度を上げる以外の高速記録および再生の技術としては、光ヘッドを複数個同時に使用するマルチヘッド方式がある。
特許文献1には、複数個のヘッドを別々に制御する光ディスク装置について開示されている。すなわち、まず、光ディスク装置内に挿入されたディスク状媒体が再生専用か記録再生用かの判別を行い、それに応じてディスク状媒体を回転させるスピンドルの回転数を制御する。例えば安価で面ブレの大きい再生専用媒体は低速で回転させ、多少のコスト高が許容できる記録/再生用媒体は高速に回転させるというものである。また、記録時には、複数個のヘッドを記録用ヘッドと再生用ヘッドとに分け、記録用ヘッドで記録した直後に再生用ヘッドでベリファイ作業を行い、再生時には、複数個のヘッドを用いて別々のトラックで再生を行い、高速転送を実現するというものである。
特許文献2には、MCAV(回転速度一定,記録密度略一定,ZCLVと同等)のフォーマットメディアに対し、複数のヘッド部を用いることにより内周の情報転送速度の遅さを救済して、均一な転送レートに対応する技術が開示されている。転送速度の遅い内周と、転送速度の速い外周と混ぜ合わせて使用することにより、平均的な情報転送速度にするものである。
この場合、データがメディアの内周と外周にばら撒かれて配置されることになるので、連続性がない特殊なフォーマットとなってしまう不具合がある。また螺旋状のトラックをもちMCAVのメディアに長いデータを記録する際、内周側のヘッドのアクセスはゾーン1,2,3のように連続して外周側に移動していけばよいが、外周側のヘッドのアクセスを考えると、ゾーン12,11,10のようにゾーン切替りごとに内周側にアクセスジャンプすることが必要となり、時間のロスになる上、煩雑である。
現在では半導体技術の進歩により十分なメモリ容量と通信の高速化が達成され、光ディスクに記録可能な情報転送速度を十分に上回るデータの処理速度が得られており、メディア全面に渡る情報転送速度の平均化の必要性はなくなっている。実際にDVDで内周と外周の速度が異なっていても問題ないことでも分かるように、平均化は重要ではなく、少しでも最高情報転送速度をあげることが重要となっている。
特開平4−34728号公報 特開平4−254967号公報
上記のように、従来の技術では、記録あるいは再生時において、複数のヘッドを用い、高速転送を実現することが提案されている。しかし、記録または再生以前の準備動作について複数のヘッドを用いて行うという技術の開示はなかった。
記録または再生をする以前の準備動作は、例えば、メディアの種類を判別することや、それぞれの半径位置における最適なチルト量を事前に検出することなど、様々な動作が挙げられる。
再生時にはヘッドごとに事前に再生信号の品質を高めるイコライザなどの最適特性を学習するなどの事前準備も必要であり、また、記録の前には、一般的にヘッドごとに最適記録条件を求める必要があるが、この条件出し動作の時間は決して短くはない。これらを並列して行えば、各ヘッド間で時間差が小さくなり、効率的な情報の高速転送が実現できる。
そこで本発明は、前記従来の技術に鑑み、複数のヘッドを用いて実記録や実再生の事前準備である複数の動作を行うことにより、動作時間を短縮し、転送速度の向上を達成するようにした情報記録/再生方法および情報記録/再生装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、独立して制御可能な複数のヘッドを選択的に使用してメディアに対する情報の記録および/または再生を行う情報記録/再生方法において、前記情報の記録または再生を行う以前に行われる記録/再生準備工程における複数の処理の少なくとも一部を、前記各ヘッドにて分担させ、かつ並行して行わせることを特徴とし、この方法によって、記録または再生を行う以前に行われる複数の記録/再生準備工程のうち少なくとも一部の動作を、複数のヘッドが分担かつ並行して行うことにより、1つのヘッドで行った場合に比べて、作業時間を短縮することができ、転送速度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の情報記録/再生方法において、前記処理のために各ヘッドから略同一波長の光ビームを出射することを特徴とし、この方法によって、1つの波長に対応した複数種類のメディアに対して複数の記録/再生準備工程を並行して行うことができ、それに要する時間を短縮し転送速度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の情報記録/再生方法において、前記処理のために各ヘッドの少なくとも2つから、波長のそれぞれ異なる光ビームを出射することを特徴とし、この方法によって、対応する波長の異なる複数種類のメディアに対して、1つのヘッドで行った場合に比べて、その動作時間を短縮することができ、実質的な転送速度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載の情報記録/再生方法において、少なくとも1つのヘッドから、波長が異なる複数の光ビームを出射することを特徴とし、この方法によって、異なるヘッドとにおいて、同一波長の光ビームをメディアに照射することができ、準備動作の少なくとも一部を並行または分担して行うことにより、その動作に要する時間を短縮でき、実質的な高速転送を実現することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4いずれか1項記載の情報記録/再生方法において、記録/再生準備工程における処理にて得られた事前情報を、各ヘッドにおける情報の記録および/または再生の条件を決定する情報として共有することを特徴とし、この方法によって、あるヘッドにより得られた事前情報を複数のヘッドと共有することにより、複数のヘッドにおいて、その事前情報をそれぞれ求める必要がなくなり、複数の記録/再生準備工程を簡略化できると共に、転送速度を向上させることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法において、記録/再生準備工程における処理として少なくとも、メディアの種類を判別する処理と、メディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理とを含むことを特徴とし、この方法によって、記録/再生準備工程におけるメディア判別工程と最適チルト検出工程を並行して行うことにより、それらを含めた記録/再生準備工程に要する時間を短縮でき、転送速度を向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法において、記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理と、記録用ビームの最適な記録パワーを求める処理とを含むことを特徴とし、この方法によって、記録/再生準備工程における最適チルト検出工程と最適記録パワー検出工程を並行して行うことにより、それらを含めた記録/再生準備工程に要する時間を短縮でき、転送速度を向上させることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法において、記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理と、記録用ビームの記録パワーを補正するための最適記録パワーを求める処理あるいは最適記録パワーを決定する情報を求める処理とを含むことを特徴とし、この方法によって、最適チルト検出と最適記録パワー検出の少なくとも一部を並行または分担して行うことにより、それらを含めた準備工程に要する時間を短縮でき、実質的な転送速度を向上させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法において、記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディアの種類を判別する処理と、そのメディアへの記録が可能か否かを判別する処理とを含むことを特徴とし、この方法によって、あるヘッドにより検出されたメディアの種類や記録可能か否かの情報を得て、例えば複数のヘッドで共有することにより、他のヘッドでメディア情報を求める必要がなく、その工程を省略できると共に実質的な転送速度を向上させることができ、また、その他の準備動作をスムーズに行うことができる。
請求項10に記載の発明は、請求項5記載の情報記録/再生方法において、事前情報の少なくとも1つは、メディア上の特定の位置に適するチルト補正値であることを特徴とし、この方法によって、複数のヘッドでチルト補正値を求める必要がなくなり、その分、工程を省略できると共に転送速度を向上させることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項5記載の情報記録/再生方法において、事前情報の少なくとも1つは、記録パワーを補正するための最適記録パワーあるいは最適記録パワーを決定するための情報であることを特徴とし、この方法によって、複数のヘッドで最適記録パワーあるいはそれを決定する情報を求める必要がなくなり、その分、工程を省略できると共に転送速度を向上させることができる。
請求項12に記載の発明は、独立して制御可能な複数のヘッドと、該ヘッドを選択的に使用してメディアに対する情報の記録および/または再生を行わせるコントロール手段とを備えた情報記録/再生装置において、前記コントロール手段により、前記情報の記録または再生を行う以前に行われる記録/再生準備工程における複数の処理の少なくとも一部を、前記各ヘッドにて分担させ、かつ並行して行わせるようにヘッド制御を行わせることを特徴とし、この構成によって、記録または再生を行う以前に行われる複数の記録/再生準備工程のうち少なくとも一部の動作を、複数のヘッドが分担かつ並行して行うことにより、1つのヘッドで行った場合に比べて、作業時間を短縮することができ、実質的な転送速度を向上させることができる。
請求項13に記載の発明は、請求項12記載の情報記録/再生装置において、各ヘッドのそれぞれに、前記処理のために出射する光ビームの波長が略同一の光源を設けたことを特徴とし、この構成によって、1つの波長に対応した複数種類のメディアに対して複数の記録/再生準備工程を並行して行うことができ、それに要する時間を短縮し転送速度を向上させることができる。
請求項14に記載の発明は、請求項12記載の情報記録/再生装置において、各ヘッドの少なくとも2つに、前記処理のために出射する光ビームの波長がそれぞれ異なる光源を設けたことを特徴とし、この構成によって、対応する波長の異なる複数種類のメディアに対して、1つのヘッドで行った場合に比べて、その動作時間を短縮することができ、実質的な転送速度を向上させることができる。
請求項15に記載の発明は、請求項12記載の情報記録/再生装置において、ヘッドの少なくとも1つに、出射する光ビームの波長が異なる複数の光源を設けたことを特徴とし、この構成によって、異なるヘッドとにおいて、同一波長の光ビームをメディアに照射することができ、準備動作の少なくとも一部を並行または分担して行うことにより、その動作に要する時間を短縮でき、実質的な高速転送を実現することができる。
請求項16に記載の発明は、請求項12記載の情報記録/再生装置において、記録/再生準備工程における処理にて得られた事前情報を、各ヘッドにおける情報の記録および/または再生の条件を決定する共有情報として記憶する記憶手段を備えたことを特徴とし、この構成によって、あるヘッドにより得られた事前情報を複数のヘッドと共有情報として記憶しておくことにより、複数のヘッドにおいて、その事前情報をそれぞれ求める必要がなくなり、複数の記録/再生準備工程を簡略化できると共に、転送速度を向上させることができる。
請求項17に記載の発明は、請求項16記載の情報記録/再生装置において、事前情報の少なくとも1つは、メディア上の特定の位置に適するチルト補正値であることを特徴とし、この構成によって、複数のヘッドでチルト補正値を求める必要がなくなり、その分、工程を省略できると共に転送速度を向上させることができる。
請求項18に記載の発明は、請求項16記載の情報記録/再生装置において、事前情報の少なくとも1つは、記録パワーを補正するための最適記録パワーあるいは最適記録パワーを決定するための情報であることを特徴とし、この構成によって、複数のヘッドで最適記録パワーあるいはそれを決定する情報を求める必要がなくなり、その分、工程を省略できると共に転送速度を向上させることができる。
請求項19に記載の発明は、請求項12記載の情報記録/再生装置において、コントロール手段が、各ヘッドにおける光源の光強度を制御する光源制御手段と、各ヘッドからの出力信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段から得られるサーボ信号に基づき各ヘッドの動作を制御するサーボ手段と、前記メディアを回転させる回転駆動手段とをコントロールすることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項12または19記載の情報記録/再生装置において、コントロール手段により、請求項6〜9いずれか1項に記載の情報記録/再生方法における処理を実行させることを特徴とし、この構成によって、記録/再生を行う以前の複数の記録/再生準備動作が自動的に複数のヘッドにて分担し、かつ並行して行われるようにコントロールされるため、それらに要する時間を短縮でき、実質的な転送速度を向上させることができる。
本発明によれば、記録または再生を行う以前に行われる複数の記録/再生準備工程のうち少なくとも一部の動作を、複数のヘッドが分担かつ並行して行うことにより、1つのヘッドで行った場合に比べて、作業時間を短縮することができ、転送速度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る情報記録/再生装置の実施形態における主要動作の概略について説明する。
<メディア判別について>
単一光ピックアップ・ヘッドを搭載した情報記録/再生装置のメディア判別例について図1を参照して説明する。図1はメディア判別工程の主要動作を示すフローチャートである。
まず、情報記録/再生装置の電源をONにし(S1)、メディアを挿入する(S2)。なお、あらかじめメディアが情報記録/再生装置に挿入されている場合には、電源をONにする動作のみとなる。次に、スピンドルモータを始動させてメディアを回転させ(S3)、イナーシャ測定やモーメント測定などにより、そのメディアの外形を判別する。ここでは、直径12cmのDVD(Digital Versatile Disc)メディアであるとし、読込み専用のROMや、書込み可能なRやRWメディアを判別する。
次に光源(レーザダイオード、以降LDと記す)から光ビームを出射し(S4)、図示しない光学系を通過してメディア上に照射し、APC(Automatic Power Control)を行う。その後、光ピックアップ・ヘッドを上下(メディアに近付く方向と遠ざかる方向)に移動させ、反射ビーを受光素子にて受光し、光電変換信号のレベルによって反射率を測定し(S5)、高反射率メディアか低反射率メディアかの判別を行う(S6)。この場合、RWメディアは低反射率であり、ROMメディアやRメディアは高反射率である。また、このステップにおいて、片面2層メディアか否かの判別を行ってもよい。
以下、低反射率メディアと高反射率メディアの場合に分けて動作を説明する。
低反射率メディアと判別されたメディアに関しては(S6のYes)、その反射率に対応した設定(ゲインなど)に切り替える(S7)。次に、フォーカスサーボをONにし(S8)、続いてトラッキングサーボをONにする(S9)。その後、そのメディアが既記録であるか、未記録であるかを判定し(S10)、既記録の場合(S10のYes)には、その管理情報を読込み(S11)、未記録の場合(S10のNo)には、ウォブル信号を検出し(S12)、記録に必要なクロックを抽出したり、アドレス情報を読み出したりする。なお、ウォブル信号を読み取ることにより、DVD+RW規格かDVD−RW規格かの判別をすることもできる。以上の一連の動作を終了して待機(アイドル:Idle)状態に入る(S13)。
高反射率メディアの場合(S6のNo)には、その反射率に対応した設定(ゲインなど)に切り替え(S7’)、フォーカスサーボをONにし(S14)、トラッキングエラー信号の振幅を測定する(S15)。その振幅値からROMメディアかRメディアであるかの判別をする(S16)。ROMメディアと判別された場合(S16のYes)には、トラッキングサーボ方式をDPD(Differential Phase Detection)法に切り替え(S17)、トラッキングサーボをONにする(S18)。その後、管理データ(S19)を読込み、その後、待機(アイドル:Idle)状態に入る(S13)。
Rメディアと判別された場合(S16のNo)には、トラッキングサーボ方式をDPP(Differential Push Pull)法に切り替え(S20)、トラッキングサーボをONにする(S21)。その後、そのメディアが既記録か未記録であるかの判定を行い(S22)、既記録の場合(S22のYes)には、その管理情報を読込み(S23)、未記録の場合(S22のNo)には、ウォブル信号を読み取り(S24)、記録に必要なクロックを抽出したり、アドレス情報を読み出したりする。なお、ウォブル信号を読み取ることにより、DVD+R規格かDVD−R規格かの判別をすることもできる。そして、一連の動作を終了して待機(アイドル:Idle)状態に入る(S13)。
以上のような動作を行うことにより、情報記録/再生装置に挿入されたメディアの種類や、既記録または未記録の判別を行う。なお、このような動作は、チルト検出が必要であり、かつ複数のフォーマットのメディアが存在しているDVD世代や青色レーザを用いた世代以降の情報記録システム、すなわち光源の波長として660nm付近や405nm以下を用いた情報記録システムにおいて有効である。
<チルトの検出について>
一般的なメディアにおいては、そのメディア上の位置、特に半径位置によってチルト量が変化する。チルトが発生しているままの状態では、記録または再生に支障を来すおそれがあるため、メディアの半径位置ごとにチルト量を測定しておき、それを補正するための最適なチルト量を求めておくことが必要である。
ここでは、一般的なチルト量の検出例について図2,図3を参照して説明する。
図2は情報記録/再生装置におけるチルト検出機構の一例を、図3は最適なチルトの検出をするためのフローチャートの一例をそれぞれ示している。
図2において、1は光ディスクなどのメディア、2はメディア1を回転駆動するスピンドルモータ、3は、記録/再生時にメディア1に対して光ビームLを集光させる対物レンズ4と、該対物レンズ4をフォーカスおよびトラッキングのために駆動させるアクチュエータ5を搭載した光ピックアップ・ヘッド、6は前記ヘッド3をシーク方向に移動ガイドするシークレールである。
チルトを補正する代表的な方法としては、2つの方法が挙げられる。1つの方法は、シークレール6を傾けることにより、ヘッド3全体を傾ける方法である。この方法によりチルト量を検出した場合には、その検出した情報として絶対的なチルト量が得られる。他の方法は、対物レンズ4のアクチュエータ5によって対物レンズ4を傾ける方法である。この方法でチルト量を検出した場合には、アクチュエータ5の感度からチルト量を算出する。また図示していないが、それらの動作はサーボ機構によって制御される。
次に、それぞれの半径位置における最適なチルト量を検出する動作フローを図3を参照して説明する。
まず、光ピックアップ・ヘッドにおいて、フォーカスサーボをONにし(S25)、あらかじめ規定された半径位置(r=n)において(S26)、任意のチルト量mに対するトラックエラー信号の振幅を測定する(S27)。続いて、チルト量を次に規定してあるチルト量を(m+1)に変化させ、同様にトラックエラー信号(TE)の振幅を測定する(S28)。このような動作を続け、その半径位置(r=n)における最適なチルト量を、トラックエラー信号の振幅より求める(S29)。
次に、半径位置を(r=n+1)に変化させ、同様の動作によりその半径位置における最適なチルト量を求める。このような動作を続け、予め規定されている全半径位置における最適なチルト量を求め(S30)、求められたそれぞれの半径位置における最適なチルト量をデータ・テーブルにする(S31)。テーブルは、例えば装置のCPU(中央演算処理部)からなるコントロール手段の記録部などに格納させる。
実際に記録または再生を行うときには、前記テーブルを参照し、その半径位置における最適なチルト量に制御しながら、記録または再生を行う。
<OPCについて>
OPC(Optimum Power Control)について説明する。
メディアへの記録動作を考えた場合、一般的には記録に先立ち最適記録パワーを求める。これはメディアの記録特性がメーカーや製造ロッドにより異なったり、装置の経時変化や温度変化により光源の出射パワーが異なったり、光ピックアップ・ヘッドごとに光スポット径が異なったりするので、記録の都度、最適な記録条件に再調整する。具体的には、最内周や最外周に予め確保された専用領域に、発光波形(パワーやパルス幅など)を変えて試し記録を行い、その中から最も良い再生信号を見つけ、そのときの記録条件を最適記録条件とするOPC(Optimum Power Control)と呼ばれる技術である。これを行わないと、記録のミスが多くなってしまう。
OPCの動作例を図4を参照して説明する。メディアの種類が判別され、記録可能なメディアであると判定されたメディアに対し記録をする場合、試し記録を行う。図1のような待機状態にある情報記録装置に試し記録の指令が出力されてきた場合、まずOPCエリアへ移動し(S32)、LDの記録パワー(Pw:write power)と消去パワー(Pe:erase power)を、予め定められたテーブル(図示せず)に基づき設定する(S33)。
次に、その設定されたLDパワーで記録を行う。続いて、PwとPeを他のパワーに設定し、記録を行う(S34)。このような動作を続け、テーブルにある全LDパワーにおいて記録を行う(S35)。全てのLDパワーでの記録が完了したら(S35のYes)、再びOPCエリアの記録を開始した場所に戻り(S36)、今度は再生を行う(S37)。このときの再生信号(RF信号)を最適なものとするため、例えば、追記型のRメディアではRF信号のアシンメトリ(asymmetry:非対称性)を測定し(S38)、書き換え型のRWメディアではRF信号のモジュレーション(modulation:変調度)を測定し(S39)、最適な記録パワーを求める(S40)。
次に、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、説明を簡単にするため、複数の光ピックアップ・ヘッドの個数を2つとし、それぞれ第1のヘッド,第2のヘッドとする。ヘッドの個数やその配置の制約はそのシステムによって異なるが、一般的なパーソナルコンピュータなどの装置に搭載可能な大きさであればヘッドの個数は2つか3つ程度が望ましい。
また、本実施形態では、複数の記録/再生準備工程は、メディアの種類を判別するメディア判別工程と、メディア上の位置に対応した最適なチルト量を求める最適チルト検出工程の2つであるとするが、これら以外の工程を含んでいてもよい。
本発明の実施形態1を、既述した図1〜図3および図5,図6を参照して説明する。図5は実施形態1における情報記録/再生動作に係るフローチャート、図6は実施形態1における情報記録/再生装置の機構部の概略構成図である。
図6において、メディア1はスピンドルモータ2にて回転駆動され、第1のヘッド3aと第2のヘッド3bとにより記録/再生用の光ビームがメディア1に出射され、また反射ビームによる光電変換信号を得るようになっている。スピンドルモータ2の回転制御、および第1のヘッド3aと第2のヘッド3bのフォーカシング,トラッキングを含む各種制御は制御部7にて行われる。
図1のメディア判別フローに沿って実施形態1の動作を説明する。
まず、情報記録/再生装置の電源をONにし(S1)、メディア1を挿入する(S2)。なお、あらかじめメディアが情報記録/再生装置に挿入されている場合には、電源をONにする動作のみとなる。次に、スピンドルモータ2によってメディア1を回転させ(S3)、イナーシャ測定やモーメント測定などにより、そのメディア1の外形を判別する。ここでは、直径12cmのDVDメディアであるとし、読込み専用のROMや、書込み可能なRやRWメディアのうちのいずれかであるとする。
次に、第1のヘッド3a内のLDから光ビームを出射し(S4)、図示しない光学系を通過してメディア1上に照射し、APCを行う。LDの波長は、第1のヘッド3a,第2のヘッド3b共に、DVDメディアに対応した660nm程度であるとする。
その後、対物レンズを上下(メディアに近付く方向と遠ざかる方向)させ、受光素子で検出される和信号のレベルによって反射率を測定し(S5)、高反射率メディアか低反射率メディアかの判別を行う(S6)。この場合、RWメディアは低反射率であり、ROMメディアやRメディアは高反射率である。ここで片面2層メディアか否かの判別を行ってもよい。次に、低反射率のメディア,高反射率のメディアに対応したゲインに切替え(S7,S7’)、フォーカスサーボをONにする(S8,S14)。
ここで、図5に示すように、第2のヘッド3bのLDから光ビームを出射し(S41)、図示しない光学系を通してメディア上に集光し、メディアに対応したゲインに切替え(S42)、フォーカスサーボをONにして、記録層にフォーカスさせる(S25)。
その後、第1のヘッド3aは、図1のメディア判別フローにおけるメディア判別動作を引き続き行う。また第2のヘッド3bは、反射率による高反射率メディアか低反射率メディアかの判別を終了した時点で、図3の最適チルト検出フローに基づき最適チルト検出を第1のヘッド3aと並行して行う。すなわち、第1のヘッド3aでメディア判別フローを行いながら、最適チルト検出に最小限必要な情報が得られた時点で第2のヘッド3bで最適チルト検出を行う。
このように、実施形態1では、従来における単一のヘッドでは順に行っていたユーザ情報の記録または再生以前の記録/再生準備動作の一部の動作を、複数のヘッドを用いて並行して行うことにより、その記録/再生準備動作に要する時間を短縮することができ、転送速度を向上させることができる。また、それぞれの発光波長が略同一である光源を有した複数のヘッドを有しているので、1つの波長に対応した複数種類のメディアに対して複数の記録/再生準備工程を並行して行うことができ、それらに要する時間を短縮し転送速度を向上させることができる。
また、複数のヘッドにて得られた記録/再生事前情報を、各部をコントロールするコントロール手段である制御部7の記憶部などに記憶させておくことにより、情報の共有化ができるため、1つの記録/再生準備工程を1つのヘッドが行えばよく、他のヘッドがその工程を行う必要がない。そのため、その記録/再生準備動作に要する時間を省略することができ、その分、高速転送が可能となる。また、記録または再生以前に行われる記録/再生準備工程が、メディア判別工程と最適チルト検出工程を含んでいるため、それらを並行して行うことにより、その動作時間を短縮でき、転送速度を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態2を説明する。図7は本発明の実施形態2における情報記録/再生の動作に係るフローチャートである。
図7の状態では、複数のヘッドのうちの任意のヘッドによりメディア判別が行われ(S43)、記録または再生開始の指示を待つ待機(アイドル)状態であるとする(S44)。任意のヘッドとは、第1のヘッド3aや第2のヘッド3bでもよいし、他のヘッドであってもよい。本実施形態においては、第1のヘッド3aと第2のヘッド3bを使用するとして説明する。
そして、第1のヘッド3aに記録開始指示が出力されると(S45)、第1のヘッド3aは図4の最適記録パワー検出フローに基づき、試し記録(OPC)を行う(S46)。一方、第2のヘッド3bは、アイドル状態(S44)から図3の最適チルト検出フローに基づき、半径位置ごとの最適チルトを検出する(S47)。
なお、実施形態2ではアイドル状態(S44)から即座に最適チルト検出フロー(S47)に進むように説明したが、これに限らず、例えば外部装置から最適チルト検出開始の指示を受けてから動作を開始するようにしてもよい。また、最適チルト検出と最適記録パワーは2つのヘッドを用いて並行して行われるが、両動作の開始タイミングがずれてしまっても問題ない。
その後、第1のヘッド3aは最適記録パワー検出フローに基づき最適記録パワーを検出し、第2のヘッド3bは最適チルト検出フローに基づき最適チルト量を検出するようにして、両動作を並行して行う。
ところで、前記動作を完了すると、最適記録パワーまたはそれを決定する情報とチルト補正値などの事前情報が得られる。実際に記録または再生が行われるときには、これらの事前情報によって記録パワーやチルトなどを補正することになる。各ヘッドの特性を考えた場合、それらにばらつきがあることが考えられる。十分に各種特性が管理されヘッドごとの特性が均一である場合には、他のヘッドでも同じ事前情報を用いてユーザ情報の記録または再生すればよく、同じ装置内に複数のヘッドがある場合、温度も経時変化も同じ条件であるため、特性劣化も大きな差とならない。
しかし、例えば図8に示すように、LDのI−L特性(電流−出射パワー)は個体間でのばらつきがある。本例ではLD1は第1のヘッド3aのLD、LD2は第1のヘッド3bのLDであるとすると、第1のヘッド3aにより求められた最適記録パワーに対応する電流と同じ駆動電流で第2のヘッド3bを発光させても、同じ出射パワーとはならない。そのため、LDごとにOPCを行わなければならないが、本実施形態では事前情報として、例えば微分効率(I−L特性の傾き)を用いて電流を補正することにより、複数のヘッドにおいて事前情報を共有することができる。
なお、出射パワーを補正しても、実際にはメディア表面での盤面パワーが記録品質を左右する。また、ここではヘッドごとの光学系の効率は等しいと仮定し、盤面パワーと出射パワーの関係は比例関係にあるとしているが、光学系の効率が異なる場合には、それに応じて出射パワーを補正することが望ましい。
最適チルト検出工程において、図2のシークレール6を傾けることによってチルト検出および補正を行う場合には、ヘッド3a,3b間で大きな特性の差が生じないので、絶対チルト量を複数のヘッド3a,3bにて共有すればよい。しかし、対物レンズ4のアクチュエータ5により対物レンズ4を傾けてチルトを検出または補正する場合には、前記LDのI−L特性のようにアクチュエータ感度にヘッド間の個体差があるため、これを事前情報として用いることにより複数のヘッドにおいて事前情報を共有することができる。
このように、実施形態2では、複数のヘッドで事前情報を共有することができるので、1つの記録/再生準備工程を1つのヘッドが行えばよく、他のヘッドがその工程を行う必要がないため、その準備動作に要する時間を省略することができるため高速転送が可能となる。また、OPC動作を考えた場合、試し記録領域が設けられていることが一般的であるが、その使用領域を低減することができる。
また、1つのヘッドが検出する事前情報がメディア上の特定の位置に適するチルト補正値であるため、それを共有することにより他のヘッドで最適チルトを検出する必要がなくなり、その動作時間を省略でき、高速転送が実現する。
また、1つのヘッドが検出した事前情報が最適記録パワー、もしくはそれを決定する情報であることにより、他のヘッドで最適記録パワー、もしくはそれを決定する情報を検出する必要がなく、その動作時間を省略できるため、高速転送が実現する。また複数の準備工程が、最適チルト検出工程と最適記録パワー検出工程を含んでいるので、それらの工程を並行して行うことにより動作時間を短縮でき、高速転送を達成することができる。
本発明の実施形態3について、既述した図6と図9を参照して説明する。図9は実施形態3における制御部の構成を示すブロック図である。
図6において、スピンドルモータ2によってメディア1が回転駆動される。この回転方法は角速度一定のCAV、線速度一定のCLV、それらを組み合わせたZCAV,ZCLVなどがある。
メディア1は、あらかじめ情報が刻まれているROMタイプでも、記録可能なR,RWメディアでもよい。記録可能なメディアでは回転制御やアドレス位置の特定が可能であるように案内溝が刻まれている。もちろん、この記録可能なメディアは未記録であっても記録済みであってもよく、これらの案内溝,情報列は、メディア上に同心円状もしくはスパイラル状に並んで形成されており、これをトラックという。
前記メディア上の特定位置に、任意の情報を再生したり、記録したりするのは、ヘッド3a,3bにより行われる。ヘッド3a,3bには、光源(LD)と該光源から出射された光ビームをメディア1の特定の位置に集光させる照明光学系と、その反射光を検出する検出光学系とが含まれる。
図2に示すように、光ビームの集光は対物レンズ4により行われ、この対物レンズ4を垂直方向に動かすことによりメディア1との距離を調整するフォーカシング動作が行われ、また水平に動かすことによりメディア半径方向の微小な調整を行い所望のトラック上に集光点を移動させるトラッキング動作が行われる。またメディア半径方向の大きな移動に対しては、ヘッド本体を移動させるシークモータ,シークレール6などからなるシーク機構を具備しており、これらによって行う。本実施形態では、複数のヘッド3a,3bと、それに対応した複数のシーク機構が設置され、同時に動作可能にしている。
図6では、第1のヘッド3aと第2のヘッド3bとの2つを例示しているが、さらに複数のヘッドを搭載していてもよい。その場合、図9に示す各ヘッドに対応する制御系も、ヘッドの数だけ必要となる。また、図6では、ヘッド3a,3bの配置はスピンドルモータ2を挟んで対向する位置に示しているが、これに限らない。それぞれのヘッドとスピンドルモータは、制御系からの信号により動作を行う。
本実施形態において、ヘッドの数に応じた並列処理が可能であるので、高速性の観点ではヘッドは多いほどよい。しかし、ヘッドおよびシーク機構の大きさと、メディア内周側における装置内スペースによって設置可能なヘッドの数は限られてしまう。全てのヘッドが最内周から最外周までアクセス可能であることが望ましい。これはアクセスできない領域を持つヘッドがあると、高転送速度の効果を発揮できる記録データ量に大きな制約が出るからである。ヘッドの数やその配置の制約はシステムで異なるが、一般的なパーソナルコンピュータなどの装置に内蔵される大きさであるならば、ヘッドの数は2つか3つが望ましい。
図6に示す機構の構成は、再生装置あるいは記録装置であっても、光源のパワーが変わる程度で基本的には変わらない。図9に示す制御部は、再生装置と記録装置とにおいて再生専用部分と記録専用部分があるが、ここでは再生および記録の両方が可能な構成を示している。
図9において、外部装置からの指示信号を情報処理手段10またはコントロール手段11が受け、装置内の各手段の動作をコントロール手段11が制御する。コントロール手段11からの指示でスピンドル制御手段12がスピンドルモータ2に制御信号を送りスピンドルモータ2を回転駆動させる。詳細には発振器などの固定周波数信号を基に、各速度一定に回転を制御してもよいし、半径位置に応じて回転を変え線速度一定に制御してもよい。また、メディアからの再生信号や案内溝の蛇行から得られるウォブル信号などをもとに、線速度一定で回転を制御するようにしてもよい。
第1のヘッド3aと第2のヘッド3bに、それぞれ信号系が設けられているが、両ヘッド3a,3bに係る構成は同じである。
すなわち、再生時は比較的弱い強度で安定した再生光で光源を発光させるべく、光源駆動手段13が信号を出力する。メディアからの反射光のうち、フォーカシングおよびトラッキングなどの位置情報を有する信号成分をサーボ機構14で検出し、その位置情報を参照しながら目標位置に集光点が定まるように対物レンズやシーク機構を制御する。
案内溝の蛇行成分であるウォブル信号も、このサーボ機構14で検出する。CDやDVDなどでは、この案内溝の蛇行にFM変調やPM変調が施されているので、搬送波成分の検出手段や、復調手段をサーボ機構14内に搭載することにより、回転情報だけでなく、アドレス情報も検出することができる。
回転情報は、スピンドルモータ2の回転を制御するのに使用されるだけでなく、PLL(Phase locked loop)などで安定な信号とすることにより、基準クロック信号として記録情報処理手段15などにも使用される。またアドレス情報はコントロール手段11に送られて、現在位置の管理に使用され、アクセス位置を変更する際にはコントロール手段11からサーボ機構に信号が送られ、対物レンズやシーク機構を移動させる。また、反射光のうち、メディアに記録された、または刻まれた情報の再生信号成分は再生情報処理手段16にて処理された後、再生信号処理手段17から再生信号として出力される。
再生情報処理手段16には、ノイズや符号間干渉を除去するフィルタ手段やイコライザ手段や2値化手段が含まれる。このイコライザ手段は再生信号の品質を向上させるように、自動学習型であるとよい。具体的には既知の情報が記録されている領域を再生し、再生情報の誤りが少なくなるイコライザ特性に収束させる動作が自動学習型の例である。
もちろん、ADコンバータで量子化してもよい。この場合は、量子化後にPRML(Partial Response Maximum Likelihood)などの最尤復号を行うのが一般的である。また再生信号からメディアの回転情報を検出することができるので、これをスピンドルモータ2の回転制御信号に使用することもできる。検出された再生信号は、再生情報処理手段16に送られ、エラー訂正やメディアフォーマットに従って付加されたアドレスなどの情報を検出後除去され、また情報の並び替えや復調が行われて、情報処理手段10に送られる。ここで検出されたアドレス情報によって、再生位置を目標位置へ移動することもできる。
第2のヘッド3bも前記と同様の動作が行われる。
記録の場合には、外部装置からメディアに記録しようとするユーザデータを情報処理手段10が受け、複数のヘッドで記録するのに必要な処理を行う。例えば、情報を分割し、第1のヘッド3a用と第2のヘッド3b用とに割り振るなどの作業である。処理を施されたデータは記録情報処理手段15に送られ、メディアフォーマットに従ってアドレスなどの情報や、エラー訂正情報などを付加し、また情報の並び替えやメディアに記録する情報列への変調を行い、光源駆動手段13に送る。この変調には例えば、EFMやEFM+、(1,7)RLLや(2,7)RLLなどがある。
光源駆動手段13では、情報列に従って、メディア上に形成される記録マークが、正確に形成できるように光源の強度を変調する。この変調は、マルチパルス化(複数の強度の異なるパルスに変換する)や、マークの大きさに応じた強度変化をさす。
なお、情報処理手段10と外部装置とのやり取りに関しては、前記説明の一部の機能を外部装置側に具備させるようにしてもよい。搭載されたメモリ容量で対処できるときだけ、情報の分割を装置内で行えばよい。この場合は外部装置からは、あたかも単一ヘッドで記録しているように見える。逆に再生の場合、メモリで対応可能な総情報量の範囲では第1のヘッド3a,第2のヘッド3bにおけるそれぞれの情報は、つなぎ合わせるなどの処理を施して外部装置に送るが、メモリで対応できない場合に限っては、外部装置に指示信号を出力し、つなぎ合わせを実行させるようにしてもよい。
このように、実施形態3では、記録または再生を行う以前の準備動作を行う時間を短縮でき、高転送速度を達成することができる。
次に、本発明の他の実施形態として、発光波長の異なるLDを2つ以上備えた単一光ピックアップ・ヘッドを搭載した記録/再生装置について説明する。
図10は本発明に係る発光波長の異なるLDを2つ以上備えた実施形態の動作に係るフローチャートである。
<メディア判別について>
本実施形態における基本的なメディア判別の動作フローは、図1に示した動作フローと同様である。本例では、装置に挿入されるメディアは直径12cmのDVDメディアであるとし、読込専用のROM,書込可能なRやRWメディアのうちの1つであるとする。また、第1のLDの発光波長はCDに対応した780nm程度であるとし、第2のLDの発光波長はDVDに対応した660nm程度であるとする。
対応する波長の異なる複数種類のメディアの情報を再生、あるいは複数種類のメディアに情報を記録する場合、まず、図1のメディア判別フローに沿って電源をONにし、メディアを挿入する。
次に、図10に示すように、スピンドルを回転させる(S50)。発光波長が780nmである第1のLDを発光させ(S51)、図1に示す動作フローに沿ってメディア判別を行う(S52)。ここで、フォーカスサーボをONにしたとき(S53)、挿入されたメディアがDVDメディアであるので、第1のLDの発光では、その基板の厚さの違いなどによりフォーカスサーボを引き込むことできない(S54のNo)。
その場合には、発光波長が780nm程度である第1のLDをOFFにし(S55)、発光波長が660nm程度である第2のLDをONする(S56)。そして、前記と同様の手順によりメディア判別を行う(S57)。第2のLDでフォーカスサーボをONにしたときは(S58)、発光波長がDVDメディアに対応した660nm程度であるので、フォーカスサーボを引き込むことができ(S59)、図1に示すフローに沿ってメディア判別を行うことができる。
なお、ここでは挿入されたメディアがDVDメディアであるとしたが、それがCDメディアである場合には、第1のLDによってフォーカスサーボを引き込むことができ、メディア判別を行うことができる。また、発光波長が405nm程度の青色レーザに対応した、例えばBlu−rayメディアやHD−DVDメディアである場合には、第3のLDを設け、前記と同様の手順により、該第3のLDを動作させてメディア判別を行うようにする。
なお、以上のようなメディア判別は、チルト検出が必要であり、かつ光源の波長としては660nm付近や405nm以下のものを用いた記録/再生装置において効果が高い。
<チルトの検出について>
本実施形態においても、既述したようにメディアの半径位置ごとにチルト量を測定しておき、それを補正するための最適なチルト量を求める。なお、チルトによりトラッキングエラー信号(TE信号)の振幅や再生信号(RF信号)の振幅が変化するため、前記メディア判別においても、その動作以前に最適なチルト量を求めておくのがよい。
しかし、実際には最内周でのチルト量は小さいことが多く、その領域でメディア判別するとほとんど問題ない。本実施形態では最内周でメディア判別する。
図11は本実施形態における最適なチルトの検出をするためのフローチャートであり、まず、図2に示した光ピックアップ・ヘッド3において、フォーカスサーボをONにし(S60)、メディアの半径位置ナンバー(n=0)に対応した半径位置(r=rn)を入力して、ヘッドをその半径位置に移動させる。次に、その半径位置における、チルト量ナンバー(m=0)に対応したチルト量t=tmを入力し(S63,S64)、TE信号の振幅を測定する(S65)。
続いて、チルト量ナンバーを(m+1)にし、次に規定してあるチルト量(t=tm+1)に変化させ、同様にTE信号の振幅を測定する。このような動作を続け(S66,S67)、その半径位置(r=rn)における最適なチルト量をTE信号の振幅より求める。
なお、TE信号の振幅が最大になるときが最適なチルト量であるとするのが一般的である。また、RF信号を検出できる場合には、RF信号の振幅が最大になるチルト量であってもよい。
次に、半径位置ナンバーを(n=n+1)にし、次に規定してある半径位置(r=rn+1)にヘッドを移動させ、同様の動作を行うことにより、その半径位置における最適なチルト量を求める。このような動作を続け(S68,S69)、予め規定されている全半径位置における最適なチルト量を求め、求められたそれぞれの半径位置における最適なチルト量をデータ・テーブルに保存する。該テーブルは、装置の各部をコントロールするCPUなどのコントロール手段の中に具備させることが考えられる。
実際に記録または再生を行うときには、そのテーブルを参照し、その半径位置における最適なチルト量に制御しながら、記録または再生を行う。
OPCについては、図4に説明した動作フローと同様に行う。
また、本実施形態において、複数のヘッドの個数を2つとし、それぞれ第1のヘッド,第2のヘッドとする。ヘッドの個数やその配置の制約は、装置によって異なるが、既述したように、例えば一般的なパーソナルコンピュータに内蔵できる大きさならば、ヘッドの個数は2つか3つ程度が望ましい。
また、各ヘッドには複数のLDを搭載しているものとし、各ヘッド内のLDは、1つずつ発光させるものとする。つまり、1つのヘッド内の複数のLDは同時に発光させない。また、各ヘッドに搭載されている複数のLDの種類や数は、基本的に各ヘッド間で同一であるが、これに限らない。異なる発光波長のLDを搭載していてもよいし、1つのLDをのみ搭載していてもよい。実施形態4においては、それぞれのヘッドが2つ乃至3つの光源を有しているものとして説明する。
また、異なる発光波長とは、対応するメディアのフォーマットが異なることを意味している。例えば、CDメディアに対応するLDの発光波長は780nm付近、DVDフォーマットのメディアに対しては660nm付近、Blu−rayやHD−DVDなどに対応する、所謂青色LD光源を用いた記録/再生装置では405nm付近であるとしている。そのため、LDの個体間におけるばらつきについては、同一波長であるものとしている。また、本実施形態では、前記以外のフォーマットのメディアに関しても適用され、例えば、青色LD光源よりも短い発光波長の光源を用いた装置であってもよい。
また、複数の記録/再生準備工程としては、メディアの種類やそのメディアが記録可能か否かの状態を判別するメディア判別工程,メディア上の位置に対応した最適なチルト量を求める最適チルト検出工程,記録パワーを補正するための最適記録パワー、あるいはそれを決定する情報を求める最適記録パワー検出工程のうちのいずれか、または複数の工程を適宜組合わせても用いられる。また、これら以外の工程を含んでいてもよい。
各ヘッドにおいて発光波長の異なるLDを2つ以上備えた実施形態4を、図12の実施形態4における情報記録/再生動作に係るフローチャートを参照して説明する。本例では、挿入されるメディアは直径12cmのDVDメディアであるとし、また、読込専用のROM、あるいは書込可能なRやRWメディアのうちのいずれかであるとする。
まず、図1のメディア判別フローに沿って、情報記録/再生装置の電源をONにし(S70)、メディアを挿入する(S71)。予めメディアが情報記録/再生装置に挿入されている場合には、電源をONにする動作のみとなる。次に図6に示したスピンドルモータ2によってメディア1を回転させ、イナーシャ測定やモーメント測定などにより、そのメディアの外形を判別する。
次に、図6,図12に示すように、第1のヘッド3aおよび第2のヘッド3b内のLDから光ビームを出射し(S73)、ヘッド内部の光学系を通過してメディア1上に照射し、それぞれAPCを行う。ここで、各ヘッド3a,3bにおいてLDの波長は異なり、第1のヘッド3aではDVDメディアに対応した660nm程度、また、第2のヘッド3bではCDメディアに対応した780nm程度であるとする。
その後、それぞれのヘッド3a,3b内部の対物レンズを垂直方向(メディアに近付く方向と遠ざかる方向)に移動させ、受光素子で検出される和信号のレベルによって反射率を測定し(S74)、高反射率メディアか低反射率メディアかの判別を行う。この場合、RWメディアは低反射率であり(S74のYes)、ROMメディアやRメディアは高反射率(S74のNo)である。また、ここで片面2層メディアか否かの判別を行ってもよい。
次に、低反射率のメディア、高反射率のメディアに対応したゲインに切り替え(S75)、フォーカスサーボをONにする(S76)。ここで、DVDメディアに対応した第1のヘッド3aでは、問題なくフォーカスサーボをかけることができるが、CDメディアに対応した第2のヘッド3bでは、フォーカスサーボをかけることができないことがある。これは、基板の厚さが異なるためであり、この時点で挿入されたメディアがDVDメディアであると判定される。
しかし、対応するメディアの種類が異なってもフォーカスサーボをかけられることがある。これは、例えば基板表面にフォーカスされる等の場合である。その場合、フォーカスサーボがONの状態であるので、図1に示した動作フローにおける次のステップに進むことになる。なお、図12中では、フォーカスサーボをかけた時点(S76)で、引き込みが失敗したと記載してある(S77)。
引き込みがなされた場合、次のステップでは、低反射率メディアの場合には、トラッキングサーボをONにする(S78)。しかし、前述のように基板表面などにフォーカスされている場合には、記録面からのTE信号を検出することができないので、トラッキングサーボをかけることができない。
一方、高反射率メディアである場合には、まず、TE信号の振幅を測定する(S79)。しかし、こちらも同様にTE信号が検出できないので、TE信号の振幅を正しく検出することができず、トラッキングサーボをかけることができない。
いずれの場合についても、CDメディアに対応した第2のヘッド3bでは、挿入されたDVDメディアに対してトラッキングサーボをかけることができない。一方、DVDメディアに対応した第1のヘッド3aでは問題なくトラッキングサーボをかけることができるので、挿入されたメディアがDVDメディアであると判定される。
その後、ステップS80において、図1にて説明した動作フロー(S10〜S13,S16〜S22)と同様に、ROMメディア,Rメディア,RWメディアのいずれであるかの判別や、記録可能か否かの判別を行い、待機(Idle)状態になる(S81)。
なお、近年1つのメディアで複数のフォーマットの情報記録面を有するハイブリッド・ディスクが発表されている。例えば、CDとDVDの記録面をもっている場合や、CD−ROMとCD−Rの記録面をもつ場合などである。このようなメディアは複数の判別アルゴリズムで認識される。このような場合には、例えば、コントロール手段により早く判別された方を選択したり、記録容量が大きい方を選択したりすることが考えられる。また、ユーザのニーズに合わせて選択できるように構成することも考えられる。
メディア判別された後は、そのメディア情報をコントロール手段の記録部に格納させるようにすればよい。最適チルト検出やOPCなどを行うときや、実際にユーザデータを記録または再生するときなどは、他のヘッドがその情報を参照できたり、またはコントロール手段から指令を送るなどして、挿入されたメディアに対応する発光波長のLDをONするなどすればよい。
また、メディアから情報を読み出すときやメディアに情報を記録するとき、前記メディア判別結果を用いる。その使用法としては、例えばメディア判別結果を基に各種信号のゲインを切り換える。あるいは演算方法や演算式の切り換えをする。あるいは再生信号処理におけるフィルタ特性を変化させる。あるいは回転速度を変える。あるいはLDのON/OFFを制御するなど様々な動作に使用することができる。
以上のように、異なる波長のLDを有した複数のヘッドを用いて同時にメディア判別を行った場合、少なくとも1つのヘッドにより多種のメディア判別をすることができるので、1つのヘッドを用いて順次判別する方式に比べ、その動作時間を短縮することができる。また、メディア判別結果を複数のヘッドで共有することにより、他のヘッドが同じ工程を行う必要がなく、動作を簡略化することができる。また、1つのヘッドが検出する事前情報がメディアの種類や、記録可能か否かの状態を表すメディア情報であることにより、その情報を共有化することにより、他のヘッドでメディア判別をする必要がなくなり、動作時間を省略できることになり、実質的な高速転送が可能になる。
本発明の実施形態5を図13を参照して説明する。図13は実施形態5における情報記録/再生動作に係るフローチャートである。実施形態5では、第1のヘッド3aに1つのLD(第1のLD)を設け、第2のヘッド3bに第1のLDと第2のLDとを設けている。ここで両ヘッド3a,3bにおける第1のLDの発光波長は同じにする。
図13において、まず、図1のメディア判別フローと同様に電源をONにし、メディアを挿入する。次に、スピンドルを回転させ(S82)、第1のヘッド3aの第1のLDと第2のヘッド3bの第2のLDを発光させ(S83)、図1に示す動作フローに沿ってメディア判別を行う(S84)。ここでは、フォーカスサーボをONにして、フォーカスサーボを引き込むことができれば(S85のYes)、図1に示す動作フローに沿ってメディア判別を行うことができる。
一方、挿入されたメディアに対応しない波長を発光させた第2のヘッド3bにおける第2のLDは、メディアの種類を判別することができない。すなわち、フォーカスサーボをONにしても、フォーカスサーボを引き込むことができない(S86のNo)。そこで、メディアの種類を判別できなかった第2のLDをOFFにする(S87)。その後、第1のヘッド35aにおける第1のLDと同様の発光波長を有する、第2のヘッド3bにおける第1のLDを発光させ(S88)、図11の最適チルト検出フローに沿ってメディアの半径位置に応じた最適なチルト量を検出する。ここで検出された半径位置に対応する最適なチルト情報は、図11の動作フローのようにデータ・テーブルに保存され、他のヘッドにおいて記録または再生を行うときに使用される。
このように実施形態5では、並行動作させていた複数のヘッド3a,3bのうち1つのヘッドによりメディア判別を行い、別のヘッドにより最適チルト検出を行う。両ヘッド3a,3bの判別役割が決定するのは、フォーカスサーボの引き込みができるか否かによって決定される。つまり、フォーカスサーボの引き込みが可能なヘッドによって引き続きメディア判別を行い、フォーカスサーボの引き込みができないヘッドによって、そのフォーカス引き込みが可能なLDの発光波長に合わせたLDを発光させることにより、最適チルト検出を行う。
なお、実施形態5における他の詳細動作に関しては、図1,図11で説明した動作フローと同様であるので、その説明は省略する。
このように、従来における単一のヘッドでは順に行っていたユーザ情報の記録または再生以前の準備動作の少なくとも一部を、異なる発光波長のLDを有する少なくとも2つ以上のヘッドを用いて並行または分担して行うことにより、その準備動作に要する時間を短縮することができ、実質的な転送速度の向上が達成できる。特に、複数のヘッドのうち1つ以上のヘッドが異なる発光波長の光源を有し、それを用いることによって複数の準備動作の少なくとも一部を並行または分担して行うため、その準備動作に要する時間を短縮でき、実質的な高速転送が可能となる。
また、その準備工程がメディア判別工程と最適チルト検出工程を含んでいるので、両者の動作に要する総合的な時間を短縮することができる。
また、挿入されたメディアの情報やメディアの半径位置に対応した最適なチルト情報を共有することができるため、1つの準備動作を1つのヘッドが行えばよく、他のヘッドがその動作を行う必要がない。そのため、その準備動作で得られる情報を他のヘッドで検出する必要がなく、動作時間の短縮を図ることができる。
ここで、第1のヘッド3aが最適記録パワー検出フローに基づき最適記録パワーを検出し、第2のヘッド3bが最適チルト検出フローに基づき最適チルト量を検出することができ、このとき、両動作は並行して行われる。これにより、最適記録パワーまたはそれを決定する情報とチルト補正値などの事前情報が得られることになる。実際に記録または再生が行われるときには、これらの事前情報によって記録パワーやチルトなどを補正する。
例えば図8にて説明したように、LDのI−L特性(電流−出射パワー)は個体間でのばらつきがあり、第1のLDで求めた最適記録パワーに対応する電流と同じ駆動電流で第2のLDを発光させても、同じ出射パワーとはならない。そのため、LDごとにOPCを行わなければならないが、事前情報として、例えば微分効率(I−L特性の傾き)を用いて電流を補正することにより、複数のヘッドと事前情報を共有することができる。
なお、ここでは出射パワーを補正するとしているが、実際にはメディア表面での盤面パワーが記録品質を左右する。また、ここではヘッドごとの光学系の効率は等しいと仮定しており、盤面パワーと出射パワーの関係は比例関係である。光学系の効率が異なる場合には、それに応じて出射パワーを補正する。
最適チルト検出工程では、図2に示したようにシークレール6を傾けることによってチルト検出および補正を行う場合には、ヘッド3a,3b間で大きな特性の差が生じないため、絶対チルト量を複数のヘッド3a,3b間で共有すればよい。一方、対物レンズ4のアクチュエータにより対物レンズ4を傾けてチルトを検出または補正する場合には、前記LDのI−L特性のようにアクチュエータ感度にヘッド間の個体差がある。この場合、そのアクチュエータ感度と検出したチルト量から絶対チルト量を求めるようにしてもよいし、検出したアクチュエータ感度を、チルトを補正するためのチルト補正値としてもよい。このようにして、複数のヘッドと事前情報を共有することができる。
このように、複数のヘッドを用いて複数の準備動作の少なくとも一部の動作を並行または分担して行うことができるため、その準備動作に要する時間を短縮することができ、実質的な高速転送が可能となる。
また、複数のヘッドのうち少なくとも1つ以上のヘッドが異なる発光波長のLDを有していることにより、該ヘッドと他のヘッドにおいて同一波長の光ビームを同時にメディアに照射させることができ、複数の準備動作の少なくとも一部の動作を並行または分担して行うことができるため、その準備動作に要する時間を短縮でき、実質的な高速転送が可能である。
また、複数のヘッドで事前情報を共有することができるため、1つの準備工程を1つのヘッドが行えばよく、他のヘッドがその工程を行う必要がないので、その準備動作に要する時間を省略でき、実質的な高速転送が可能となる。
また、OPC動作を考えた場合、一般的には試し記録領域が特定の場所に設けられているが、1つのヘッドで試し記録をすればよいので、その使用領域を低減することができる。
また、前記準備工程が最適チルト検出工程と最適記録パワー検出工程を含んでいるので、両者の動作に要する総合的な時間を短縮することができる。
図14は本発明の情報記録/再生装置の実施形態6におけるヘッドの要部を示す構成図である。図14において、スピンドルモータによってメディア1が回転駆動される。回転駆動方法としては、線速度一定のCLV、それらを組み合わせたZCAV、およびZCLVなどがある。
メディア1上の特定位置に任意の情報を再生したり、記録したりするのは、ヘッド3により行われる。ヘッド3には、図14に示すように、光源と、光源から出射された光をメディアの特定の位置に集光させる照明光学系と、その反射光を検出する検出光学系とが含まれる。本実施形態では、1つのヘッドに異なる波長の光源(LDまたはホログラムユニット)を複数個搭載しており、例えば複数のヘッド3a,3bでは、それぞれ内部構成は同一である。
実施形態6の構成は、CD,DVDや青色レーザを光源としたBlu−rayやHD−DVDに対応した、所謂3世代対応の情報記録再生装置における光学系を示す概略図である。なお、ここでは説明に必要な最低限の構成を示し、それぞれの光源の発光波長は、780nm,660nm,405nm付近としている。
ダイクロイックプリズムは、光の波長帯によって光を透過したり反射したりする光学部品であって、図14において、第1のダイクロイックプリズム21は、青色や赤色波長帯域の光は透過し赤外波長帯域の光は反射させ、また第2のダイクロイックプリズム22は、青色波長帯域の光は透過し赤色波長帯域の光は反射させる機能を有する。また、CD,DVD系では、各々光源と受光素子を持ち合わせた第1,第2のホログラムユニット23,24により、光ビームの出射および反射光を受光する。
青色レーザの光学系について説明すると、光源(青色ダイオード)25から出射された光ビームは、コリメートレンズ26により平行光に変換され、ビームスプリッタ27と両ダイクロイックプリズム21,22を透過した後、1/4波長板28により円偏光とされ、対物レンズ29によりメディア1上にビームスポットとして集光される。
メディア1からの反射光は、出射時の光路を逆行し、対物レンズ29を通って、再び、平行光とされ、1/4波長板28にて往路と直交した直線偏光となり、両ダイクロイックプリズム21,22を透過してビームスプリッタ27に到達する。反射光は、ビームスプリッタ27により反射され、検出用レンズ30により集光されて受光素子31に入射する。なお、光ビームを出射する光源と受光素子が一体化されたホログラムユニット23,24を用いる場合、出射系と検出系で光路を分離する必要がなく、ビームスプリッタを省略することができる。
受光素子31は、トラックにより発生するプッシュプルパターンを受光してTE信号を得たり、フォーカスエラー信号(FE信号)を得たりするため、多分割されている。また、再生信号(RF信号)やウォブル信号(WBL信号)などを生成することができる。
また、DVD系では、第2のホログラムユニット24内の光源から出射された光ビームは、第2のカップリングレンズ32により平行光へと変換され、第2のダイクロイックプリズム22により対物レンズ29方向へと反射される。その後、第1のダイクロイックプリズム21を透過し、1/4波長板28により円偏光とされ、対物レンズ29によりメディア1上に集光される。メディア1からの反射光は、出射時の光路を逆行し、第2のダイクロイックプリズム22により第2のカップリングレンズ32方向へと反射され、第2のカップリングレンズ32により集束された後、第2のホログラムユニット24内の受光素子にて受光される。
また、CD系では、第1のホログラムユニット23内の光源から出射された光ビームは、第1のカップリングレンズ33により平行光へと変換され、第1のダイクロイックプリズム21により対物レンズ29方向へと反射された後、1/4波長板28により円偏光とされ、対物レンズ29によりメディア1上にビームスポットとして集光される。メディア1からの反射光は、出射時の光路を逆行し、第1のダイクロイックプリズム21により第1のカップリングレンズ33の方向へと反射され、第1のカップリングレンズ33により集束された後、第1のホログラムユニット23内の受光素子にて受光される。
メディア1上への集光は対物レンズ29により行われ、対物レンズ29を垂直方向に動かすことによりメディア1との距離を調整するフォーカシング動作、および対物レンズ29を水平方向に動かすことによりメディア半径方向の微小な調整を行い、所望のトラック上にビームスポットを移動させるトラッキング動作を行う。
また、メディア半径方向の大きな移動に対しては、ヘッドを移動させるためのシーク機構を備えており、本実施形態では、ヘッドおよびシーク機構が複数個搭載され、同時に動作する。しかし、複数のヘッドでシーク機構を共有するような構成にしてもよい。
実施形態6のヘッドを設置することができる図6に示す構成では、説明を簡単にするため、第1のヘッド3aと第2のヘッド3bとの2つを記載しているが、さらに複数のヘッドを搭載していてもよい。その場合、図9に示すような制御部も、その分だけ必要となる。
実施形態6のヘッドの構成に限らず、複数のヘッドの場合、その中の1つのヘッドが単一のLDを搭載していてもよいし、各ヘッドの内部構成が異なっていても、本発明に係る動作を行うことができる構成であればよい。また、光源と受光素子をそれぞれ配置した構成であってもよいし、両者を一体化したホログラムユニットであってもよい。
なお、前記各実施形態における構成は適宜組合わせて実施することが可能である。
本発明は、複数の光ピックアップ・ヘッドを用いて情報を記録/再生を行う情報記録/再生装置などに適用され、特に記録/再生準備動作の動作時間を短縮し、転送速度の向上を実現することが要求される情報記録/再生装置に実施して有効である。
本発明の実施形態におけるメディア判別工程の主要動作を示すフローチャート 本実施形態である情報記録/再生装置におけるチルト検出機構の一例の概略構成図 本実施形態におけるチルト検出に係るフローチャート 本実施形態におけるOPCに係るフローチャート 本実施形態における情報記録/再生動作に係るフローチャート 本実施形態における情報記録/再生装置の機構部の概略構成図 本実施形態における情報記録/再生動作に係るフローチャート 本実施形態に係るレーザダイオードのI−L特性(電流−出射パワー)の説明図 本実施形態における制御部の構成を示すブロック図 本発明に係る発光波長の異なるLDを2つ以上備えた実施形態の動作に係るフローチャート 発光波長の異なるLDを2つ以上備えた本実施形態における最適なチルトの検出をするためのフローチャート 本実施形態における情報記録/再生動作に係るフローチャート 本実施形態における情報記録/再生動作に係るフローチャート 本実施形態におけるヘッドの要部を示す構成図
符号の説明
1 メディア
2 スピンドルモータ
3a,3b 光ピックアップ・ヘッド
4 対物レンズ
5 アクチュエータ
6 シークレール
7 制御部
10 情報処理部
11 コントロール手段
12 スピンドル制御手段
13 光源駆動手段
14 サーボ機構
15 記録情報処理手段
16 再生情報処理手段
17 再生信号処理手段

Claims (20)

  1. 独立して制御可能な複数のヘッドを選択的に使用して光ビームを出射させ、メディアに対する情報の記録および/または再生を行う情報記録/再生方法において、
    前記情報の記録または再生を行う以前に行われる記録/再生準備工程における複数の処理の少なくとも一部を、前記各ヘッドにて分担させ、かつ並行して行わせることを特徴とする情報記録/再生方法。
  2. 前記処理のために前記各ヘッドから略同一波長の光ビームを出射することを特徴とする請求項1記載の情報記録/再生方法。
  3. 前記処理のために前記各ヘッドの少なくとも2つから、波長のそれぞれ異なる光ビームを出射することを特徴とする請求項1記載の情報記録/再生方法。
  4. 少なくとも1つの前記ヘッドから、波長が異なる複数の光ビームを出射することを特徴とする請求項1記載の情報記録/再生方法。
  5. 前記記録/再生準備工程における処理にて得られた事前情報を、前記各ヘッドにおける情報の記録および/または再生の条件を決定する情報として共有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の情報記録/再生方法。
  6. 前記記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディアの種類を判別する処理と、メディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理とを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法。
  7. 前記記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理と、記録用ビームの最適な記録パワーを求める処理とを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法。
  8. 前記記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディア上の特定の位置に対応した最適なチルト量を求める処理と、記録用ビームの記録パワーを補正するための最適記録パワーを求める処理あるいは最適記録パワーを決定する情報を求める処理とを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法。
  9. 前記記録/再生準備工程における処理として、少なくともメディアの種類を判別する処理と、そのメディアへの記録が可能か否かを判別する処理とを含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の情報記録/再生方法。
  10. 前記事前情報の少なくとも1つは、メディア上の特定の位置に適するチルト補正値であることを特徴とする請求項5記載の情報記録/再生方法。
  11. 前記事前情報の少なくとも1つは、記録パワーを補正するための最適記録パワーあるいは最適記録パワーを決定するための情報であることを特徴とする請求項5記載の情報記録/再生方法。
  12. 独立して制御可能な複数のヘッドと、該ヘッドを選択的に使用してメディアに対する情報の記録および/または再生を行わせるコントロール手段とを備えた情報記録/再生装置において、
    前記コントロール手段により、前記情報の記録または再生を行う以前に行われる記録/再生準備工程における複数の処理の少なくとも一部を、前記各ヘッドにて分担させ、かつ並行して行わせるようにヘッド制御を行わせることを特徴とする情報記録/再生装置。
  13. 前記各ヘッドのそれぞれに、前記処理のために出射する光ビームの波長が略同一の光源を設けたことを特徴とする請求項12記載の情報記録/再生装置。
  14. 前記各ヘッドの少なくとも2つに、前記処理のために出射する光ビームの波長がそれぞれ異なる光源を設けたことを特徴とする請求項12記載の情報記録/再生装置。
  15. 前記ヘッドの少なくとも1つに、出射する光ビームの波長が異なる複数の光源を設けたことを特徴とする請求項12記載の情報記録/再生装置。
  16. 前記記録/再生準備工程における処理にて得られた事前情報を、前記各ヘッドにおける情報の記録および/または再生の条件を決定する共有情報として記憶する記憶手段を備えたことを特徴とする請求項12記載の情報記録/再生装置。
  17. 前記事前情報の少なくとも1つは、メディア上の特定の位置に適するチルト補正値であることを特徴とする請求項16記載の情報記録/再生装置。
  18. 前記事前情報の少なくとも1つは、記録パワーを補正するための最適記録パワーあるいは最適記録パワーを決定するための情報であることを特徴とする請求項16記載の情報記録/再生装置。
  19. 前記コントロール手段が、各ヘッドにおける光源の光強度を制御する光源制御手段と、各ヘッドからの出力信号を処理する信号処理手段と、該信号処理手段から得られるサーボ信号に基づき各ヘッドの動作を制御するサーボ手段と、前記メディアを回転させる回転駆動手段とをコントロールすることを特徴とする請求項12記載の情報記録/再生装置。
  20. 前記コントロール手段により、請求項6〜9いずれか1項に記載の情報記録/再生方法における処理を実行させることを特徴とする請求項12または19記載の情報記録/再生装置。
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