JP2008234831A - 書き替え型記録媒体 - Google Patents

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亮介 山本
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Abstract

【課題】光ディスクの基本的な規格を判別するだけでなく、同一規格の書き替え型光ディスクに対して、その記録膜の特性に基づく種類を自動判別することを可能とした光ディスク装置に適用される前記光ディスクとしての記録媒体を提供する。
【解決手段】本発明に係る書き換え型記録媒体は、単層L−H媒体の初期化状態、2層H−L媒体のL0層の初期化状態、及び2層L−H媒体のL0層の未初期化状態の光反射率が、単層H−L媒体の初期化状態の光反射率と重複しないように形成されている。
【選択図】 図17

Description

この発明は、光ディスクに対して情報の記録再生を行なう光ディスク装置、その制御方法及び書き替え型記録媒体に関する。
周知のように、近年では、情報の高密度記録技術が促進されており、片面1層に4.7GB(Giga Byte)の記録容量を有する光ディスクが実用化されている。
この種の光ディスクには、例えば、再生専用のDVD−ROM(Digital Versatile Disk−Read Only Memory)、書き替え可能なDVD−RAM(Random Access Memory)、DVD−RW(Rewritable)、+RW、追記可能なDVD−R(Recordable)等のように、種々の規格のものが存在する。
そして、数種類の規格の光ディスクを選択的に装着して記録再生を行なうことが可能な光ディスク装置では、光ディスクの光反射率が規格によって異なることを利用して、装着された光ディスクの規格を自動的に判別し、その判別結果に基づいて各部の調整や設定を変更する機能が備えられている。
ところで、現在の書き替え型光ディスクは、同一規格のものであっても、使用される記録膜の特性によって、さらに複数の種類に細分化されてきている。
具体的に言えば、光反射率が高く、その反射光を光電変換した結果がH(High)レベルとなる特性の記録膜を、光反射率が低く、その反射光を光電変換した結果がL(Low)レベルとなる特性に反転させてデータを記録していくタイプの光ディスク(以下、L−H媒体という)と、光反射率が低く、その反射光を光電変換した結果がLレベルとなる特性の記録膜を、光反射率が高く、その反射光を光電変換した結果がHレベルとなる特性に反転させてデータを記録していくタイプの光ディスク(以下、H−L媒体という)とに分化されている。
このため、光ディスク装置としては、単に、DVD−RAM、DVD−RW、+RW等の基本的な規格を判別するだけでなく、同一規格の書き替え型光ディスクに対して、L−H媒体かH−L媒体かも自動的に判別して、各部の調整や設定を変更する機能を持つことが肝要になる。
特許文献1には、装着された光ディスクにフォーカスサーチを施し、その結果得られたフォーカスエラー信号に基づいて光ディスクの光反射率を測定することにより、CD(Comapct Disk)−ROMまたはCD−RとCD−RWとの判別を行ない、判別結果に応じて再生・記録用の各回路を切り替えるようにした構成が開示されている。
特開2001−266367号公報
上記特許文献1には、同一規格の書き替え型光ディスクに対して、さらに、使用されている記録膜の特性に起因するタイプ(L−H媒体かH−L媒体か)を自動判別することについては何ら記載されていない。
そこで、この発明は上記事情を考慮してなされたもので、光ディスクの基本的な規格を判別するだけでなく、同一規格の書き替え型光ディスクに対して、その記録膜の特性に基づく種類を自動判別することを可能とした光ディスク装置に適用される光ディスクとしての記録媒体を提供することを目的とする。
この発明に係る記録媒体は、記録膜の光記録前後の光学的特性がそれぞれ異なり、再生用光ビームの反射光量に対応する再生信号レベルが前記光記録前後で変化し、最内周部に記録膜の結晶部と非結晶部により情報が記録されたBCA(Burst Cutting Area)をそれぞれ有し、共に単層記録膜を有する単層L−H媒体及び単層H−L媒体、及び共に2層記録膜を有する2層L−H媒体及び2層H−L媒体を含む書き換え型記録媒体であって、前記2層L−H媒体のL0層の初期化状態と前記2層H−L媒体のL0層の未初期化状態の光反射率範囲が重複しないように形成されている。
単層L−H媒体及び単層H−L媒体、及び2層L−H媒体及び2層H−L媒体を含む光ディスクの基本的な規格を判別するだけでなく、同一規格の書き替え型光ディスクに対して、その記録膜の特性に基づく種類を自動判別することが可能となる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、単層書き替え型光ディスク11における情報記録領域の構造を示している。この光ディスク11には、その内周側から外周側に向けて、BCA(Burst Cutting Area)12、システムリードインエリア(System Lead−in Area)13、コネクションエリア(Connection Area)14、データリードインエリア(Data Lead−in Area)15、データエリア(Data Area)16、データリードアウトエリア(Data Lead−out Area)17が形成されている。
そして、データリードインエリア15、データエリア16、データリードアウトエリア17では、情報記録層の凹凸によって情報記録トラックを形成するランド・グルーブ方式が採用されている。また、記録された情報は、最内周のBCA12から外周側に向けて読み出される。
この光ディスク11のBCA12には、図2に示すように、バーコードによって情報が書き込まれている。このバーコードによって書き込まれた情報には、図3に示すように、規格書のブックバージョン(Book Version)や著作権保護の情報が含まれている。
BCA12にバーコードで情報を書き込むためには、光ディスク11全体の記録膜を初期化した後に、レーザートリミングによって記録膜及び反射膜を除去する手法と、記録膜の初期化状態と未初期化状態との光反射率の違いを利用する手法との2通りがある。
図4は、上記システムリードインエリア13、コネクションエリア14、データリードインエリア15のデータ構造を示している。システムリードインエリア13には、内周側から外周側に向けて、イニシャルゾーン(Initial Zone)13a、バッファゾーン(Buffer Zone)13b、コントロールデータゾーン(Control Data Zone)13c、バッファゾーン13dの4つのゾーンが構成されている。
コネクションエリア14は、コネクションゾーン(Conection Zone)14aのみで構成されている。データリードインエリア15には、内周側から外周側に向けて、ガードトラックゾーン(Guard Track Zone)15a、ディスクテストゾーン(Disk Test Zone)15b、ドライブテストゾーン(Drive Test Zone)15c、ガードトラックゾーン15d、ディスクIDゾーン(Disk Identification Zone)15e、DMA1&DMA2 15fの6つのゾーンが構成されている。
次に本発明の一実施形態が適用される情報記録再生装置について説明する。図5は情報記録再生装置の構成を示すブロック図である。
401は情報記録媒体(光ディスク)であり、402は光ヘッド、403は光ヘッドをディスクの半径方向へ移動制御するヘッド送り機構である。記録信号は、ホスト装置(図示され図)からデータ入出力インターフェース422を介してECCエンコーディング回路408に入力される。記録信号はECCブロック化され、変調回路407に供給される。ここで例えば8/16変調された情報は、記録・再生・消去・制御波形発生回路406に入力され、記録用信号となる。この記録用信号は、レーザー駆動回路405に供給されて光ヘッド402のレーザービームの強弱を制御する。
再生時には、光ヘッド402で読取られた再生信号は、アンプ413で増幅されて2値化回路412に入力され2値化される。2値化信号は、PLL回路411、復調回路410に入力される。復調回路410では、16/8復調を行なう。復調信号は、エラー訂正回路409においてECCブロック単位でエラー訂正される。このとき半導体メモリ419も利用される。アンプ413、2値化回路、PLL回路411、復調回路は再生回路(再生信号処理回路)430を構成する。再生回路430は例えばPRML(Partial Response and Maximum Likelihood)信号処理を行って再生信号30から情報を抽出する。再生回路430は、ディスク上のBCA12、システムリードインエリア13等の各エリアに応じて、アンプ430のゲインあるいはPRML信号処理の処理パラメータを、制御部420からの指示に基づいて変更し、再生信号30から適切に情報を抽出する。
PLL回路411のクロックは、媒体回転速度検出回路414に入力される。媒体回転速度検出回路414で検出された回転速度情報は、スピンドルモータ制御部415に入力される。スピンドルモータ制御部415は、モータ404の回転を制御し、光ディスク11の所望の回転速度が得られるように回転テーブル421を回転駆動する。
送りモータ駆動回路416は、ヘッド移動機構403の送りモータを制御し、光ヘッド402とディスク401との相対位置を制御するためのものである。フォーカス・トラッキングエラー検出回路417は、光ヘッド信号からフォーカスエラー、トラッキングエラーなどを検出し、対物レンズアクチュエータ駆動機構418にその制御信号を与える。これにより、光ヘッド402のフォーカス、トラッキングが修正される。制御部420は全体のブロックを制御すると共に本装置に装着された光ディスクを判別し、記録時には、ディスクに記録される管理情報の生成などを行ない、また再生時には管理情報を読取り再生位置などの認識を行なう。
ここで、書き替え型の光ディスク11にあっては、例えば、記録再生された情報の信頼性を重視する、書き替え回数を重視する、記録速度を重視する等のように、その目的用途に応じて多種類の記録膜が開発されている。そして、光ディスク11が、前述したL−H媒体であるかH−L媒体であるかは、使用されている記録膜の特性に依存する。
現状の光ディスク装置では、書き替え型の光ディスク11における再生信号特性が厳密に規定されているために、目的用途別に記録膜の種類を変えた光ディスク11が混在する状況に対処すること、つまり、L−H媒体とH−L媒体とのいずれの光ディスク11に対しても適応的に記録再生を行なうことは不可能である。
図6は、上記した光ディスク装置18において、装着された光ディスク11がL−H媒体であるかH−L媒体であるかを自動判別し、その光ディスク11に適応した記録再生処理を実現するための、つまり、L−H媒体とH−L媒体との混在使用を可能とするための動作を示すフローチャートである。
まず、上記した回転テーブル421に光ディスク11が装着されることにより、動作が開始されると(ステップS1)、制御部420は、ステップS2で、光ディスク11を回転駆動させ、ステップS3で、光ヘッド402を光ディスク11の最内周部に移動させ、ステップS4で、光ヘッド402内のレーザーダイオードを発光させる。
そして、制御部420は、ステップS5で、光ディスク11の表面反射位置を見つけ、光ヘッド402内の対物レンズをフォーカス方向に移動させて合焦点位置を検索する、いわゆるフォーカスサーチを実行する。このフォーカスサーチ時に、制御部420は、ステップS6で、再生信号のレベルから光反射率の測定を行なうことにより、書き替え型の光ディスク11が装着されていることを認識する。
その後、制御部420は、ステップS7で、光ヘッド402を光ディスク11の径方向に移動させてBCA12を検出し、ステップS8で、光ディスク11がL−H媒体であるかH−L媒体であるかを判別する。この判別は、詳細は後述するが、BCA12での記録膜の反射率の違いによる再生信号レベルの違いと、BCA12に記録されたバーコード情報(Book Version)の読み取り結果とに基づいて行なわれる。
次に、制御部420は、ステップS9で、先のステップS8で判別した光ディスク11の記録再生に適応するように各部の調整や設定を変更し、ステップS10で、エンベロープ検出によりシステムリードインエリア13を検出し、ステップS11で、コネクションエリア14を通過し、ステップS12で、データリードインエリア15を検出した後、ステップS13で、データエリア16に対する記録再生を実行して、動作を終了(ステップS14)する。
以上の動作では、BCA12を検出した後、直ちに光ディスク11がL−H媒体であるかH−L媒体であるかの判別を行なっているため、特にリードインエリアを再生する回路部の起動時間の短縮化を図ることができるという利点を有する。
ここで、BCA12からの再生信号レベルに基づいて、L−H媒体とH−L媒体との判別を行なう手法は、BCA12でのバーコード情報の書き込み形態に依存するため、2通りが存在する。
図7(a)は、ディスク基板39の全面に記録膜40を形成するという初期化処理を行なった後、記録膜40を部分的に除去することによってバーコード情報が書き込まれている形態を示している。
この場合、H−L媒体の記録膜40の光反射率は、L−H媒体の記録膜40の光反射率よりも高く、つまり、H−L媒体の記録膜40からの再生信号レベルの方が、L−H媒体の記録膜40からの再生信号レベルよりも高くなっている。また、図7(b)は、このような形態でL−H媒体及びH−L媒体のBCA12に書き込まれたバーコード情報の再生信号レベルを示している。
すなわち、記録膜40の無い部分は、光反射率がほぼ0%であるため、反射光の強度、つまり、再生信号の最低レベルはほぼ0となっている。そして、記録膜40の有る部分からの再生信号の最大レベルSmaxは記録膜40の光反射率特性に相当することになり、精度よくL−H媒体とH−L媒体との光反射率の違いを評価することができる。
具体的に言えば、H−L媒体の再生信号の最大レベルSmax(H−L)の下限と、L−H媒体の再生信号の最大レベルSmax(L−H)の上限との間に、判別基準レベルを設けて再生信号の最大レベルSmaxを比較することにより、L−H媒体とH−L媒体との識別を行なっている。
そして、このように再生信号レベルからの判別を行なった後、その判別結果とBCA12から読み取った規格書のBook Version情報とを照合することにより、判別結果の信頼性をさらに向上させている。
次に、記録膜の初期化及び未初期化の違いでバーコード情報を書き込む形態について説明する。この形態では、図8(a)に示すように、ディスク基板41の全面に未初期化状態の記録膜42を形成し、この記録膜42を部分的に初期化することによってバーコード情報を書き込んでいる。図8(a)において、記録膜42の斜線で示す部分が初期化された部分である。
この場合、BCA12の記録膜42は、そのほとんどが未初期化状態となっている。このため、BCA12の再生信号としては、未初期化状態で得られるレベルの方が、初期化状態で得られるレベルよりも圧倒的に多いものとなる。
すなわち、図8(b)に示すように、L−H媒体の場合、未初期化部分では反射率が高く、その再生信号がHレベルとなり、初期化部分では反射率が低く、その再生信号がLレベルとなっている。このため、Hレベルの再生信号が得られる割合の方が、Lレベルの再生信号が得られる割合よりも非常に多くなって、L−H媒体であると判別することができる。
逆に、図8(c)に示すように、H−L媒体の場合、未初期化部分では反射率が低く、その再生信号がLレベルとなり、初期化部分では反射率が高く、その再生信号がHレベルとなっている。このため、Lレベルの再生信号が得られる割合の方が、Hレベルの再生信号が得られる割合よりも非常に多くなり、H−L媒体であると判別することができる。
なお、記録膜42の全体を初期化状態にする時に、部分的に未初期化状態で残すことによってバーコード情報が書き込まれる形態であっても、上記同様に再生信号レベルからL−H媒体とH−L媒体とを判別することが可能である。
ただし、この場合には、Hレベルの再生信号が得られる割合が、Lレベルの再生信号が得られる割合よりも多くなった場合にH−L媒体であり、Lレベルの再生信号が得られる割合が、Hレベルの再生信号が得られる割合よりも多くなった場合にL−H媒体であるというように、判別結果が上記と逆になる。
そして、このように再生信号レベルからの判別を行なった場合も、その判別結果とBCA12から読み取った規格書のBook Version情報とを照合することにより、判別結果の信頼性をさらに向上させることができる。
図9は、以上に述べた光ディスク11の判別動作、特に、図6に示したステップS7〜S9の部分の動作を詳細に説明するためのフローチャートを示している。まず、動作が開始され(ステップS15)、ステップS16で、BCA12が検出されると、制御部420は、ステップS17で、再生信号レベルを評価し、ステップS18で、L−H媒体かH−L媒体かを判別する。
そして、L−H媒体であると判断された場合、制御部420は、ステップS19で、BCA12からの再生信号を処理する再生回路430内のアンプ413のゲインを、L−H媒体に適応した値に切り替える。
その後、制御部420は、ステップS20で、BCA12からバーコード情報であるBook Version情報を読み取って再生し、ステップS21で、このBook Version情報と先にステップS18で判別した結果とを照らし合わせ、ステップS22で、両者が一致しているか否かを判別する。
ここで、一致していないと判断された場合(NOの場合)、制御部420は、ステップS17の処理に戻され、一致していると判断された場合(YESの場合)、ステップS23で、記録または再生のための上記信号処理部をL−H媒体に適応した状態に設定して、動作を終了(ステップS24)する。
一方、上記ステップS18でH−L媒体であると判断された場合、制御部420は、ステップ25で、BCA12からの再生信号を増幅するアンプ413ゲインを、H−L媒体に適応した値に切り替える。
その後、制御部420は、ステップS26で、BCA12からバーコード情報であるBook Version情報を読み取って再生し、ステップS27で、このBook Version情報と先にステップS18で判別した結果とを照らし合わせ、ステップS28で、両者が一致しているか否かを判別する。
ここで、一致していないと判断された場合(NOの場合)、制御部420は、ステップS17の処理に戻され、一致していると判断された場合(YESの場合)、ステップS29で、記録または再生のための上記信号処理部をH−L媒体に適応した状態に設定して、動作を終了(ステップS24)する。
上記のように、BCA12からの再生信号レベルを用いてL−H媒体とH−L媒体との判別を行なうために、図10に示すように、L−H媒体はその初期化状態での光反射率を4〜10%に設定し、H−L媒体はその初期化状態での光反射率を12〜40%に設定している。
これは、両媒体の初期化状態(L−H媒体のLレベルとH−L媒体のHレベル)での光反射率の範囲が重複しない、つまり、H−L媒体の初期化状態であるHレベルの光反射率が、L−H媒体の初期化状態であるLレベルの光反射率の上限より高いことが必要であるからである。
現状における光反射率測定による判別手段でも利用されているように、書き替え型の光ディスク11に用いられる相変化膜の反射率は、一般的に40%よりも低いため、再生信号のコントラストが良好であるためには、Lレベルの光反射率はできる限り低い(0%に近い)方がよい。
一方、L−H媒体では、初期化状態では全てのエリアから得られる再生信号がLレベルになっており、アドレス情報を再生することを考慮すると、Lレベルの光反射率は再生可能なレベルに留める必要性がある。
このためには、再生回路のゲインの電気雑音を考慮すると、5%以上の光反射率が一般的に望ましく、これ以下の光反射率の再生信号を検出する場合は、回路部品の改良が必要になり、現状での実現は困難となる。
しかしながら、信号検出が容易なようにLレベルの光反射率を高めていくと、再生信号レベルは増大するが、全体の信号レベルも一様に増大し、これに対する雑音も増大するためSN比が低下する。このため、光反射率は、8%以下程度に抑えることが望ましい。以上の説明から、図10に示すようにL−H媒体の初期化状態での光反射率を4〜10%に定めることが、良好な信号特性を得る媒体を製造するために必要である。
また、H−L媒体でも信号特性を良好にするためには、初期化状態(Hレベル)の光反射率として15%程度が必要であることがわかってきているが、それ以下でも製造は可能である。
しかしながら、単層のL−H媒体とH−L媒体との混在使用を可能とするために、H−L媒体のHレベルの光反射率が、L−H媒体のLレベルの上限光反射率である10%より高いことが必要であるため、図10に示すように12%以上であると規定する。
また、H−L媒体のHレベルの上限光反射率については、一般的な相変化材の光反射率の上限の40%程度が入ればよいので、図10に示すように40%と規定しておく。以上のように、単層書き替え型光ディスク11の初期化状態の光反射率を定めることにより、良好な再生信号品質を保持して、H−L媒体とL−H媒体とを正確に判別することができる。
以上は単層書き替え型光ディスクのみを取り扱った場合のディスク判別法であったが、次に2層書き替え型光ディスクを含めた場合のディスク判別法について述べる。
2層書き替え型光ディスクでは、記録面として読み取り面に近い層(L0層)と遠い層(L1層)が存在し、情報の再生及び記録は、レーザー光をどちらかの記録面に焦点を合わせることにより行なう。単層媒体と同様に記録膜特性はH−L及びL−Hが考えられる。L1層の見かけの反射率(光ヘッド側で観測される反射光強度と入射光強度の比)はL0層の反射・吸収を考慮すると実際の反射率(記録膜からの直接の反射光強度と記録膜への直接の入射光強度の比)の1/4程度以下になる。相変化膜の一般的な反射率は高くても40%程度であるので、L1層の見かけの反射率は高くても10%程度となる。また、記録膜上のアドレス情報の検出、トラッキング、フォーカシングを行うには記録膜の反射率は少なくとも5%程度以上は必要であることが検出回路上の問題として知られているため、L1層の初期化状態の見かけの反射率は5%程度以上が必要となる。
L−H媒体の場合では、L1層の初期化状態(Lレベル)の見かけの反射率を低くても5%程度に、記録状態(Hレベル)の反射率が高くても10%前後になることになる。H−L媒体の場合も、初期化状態(Hレベル)の見かけの反射率は高くても10%前後になるが、SN比向上のために記録状態(Lレベル)の反射率をできるだけ0%に近くすることができる。どちらの記録膜特性においても、L1層の情報を読むためにはL0層での光透過性を十分に確保する必要性があるため、L0層の初期化状態の反射率はできるだけ低い方がよいが、L1層と同様にL0層もアドレス部検出等のため初期化状態の反射率を5%程度は確保する必要がある。従って、L−H媒体では記録状態(Hレベル)の反射率を高くしすぎると層間クロストークが大きくなり、L1層の読み取りに支障が出る。一方、H−L媒体では、SN比を大きくするため記録状態(Lレベル)の反射率を0%に近くすることが可能である。
一方、1層目にL−H、2層目にH−L特性といった異なる記録膜を用いて2層媒体を作成することもできるが、層間での記録情報へのアクセス時に再生回路の切り替えが必要となるためL0層からL1層への高速なアクセスが不可能となり、現実的ではない。従って、本発明の実施形態では2層とも同一記録膜特性を持つ媒体を対象とする。
この2層L−H及びH−L媒体と前述の単層L−H及びH−L媒体の4種類の媒体の混在使用を、単層媒体のみの場合と同様にBCA領域での再生信号強度評価による判別法を用いて行なう。この判別法では、BCA領域のバーコード情報の書き込み手法により大きく二つに分類できる。一つは、バーコードをBCA領域の記録膜をレーザートリミングなどの手法を用いて除去することにより書き込む手法であり、もう一つは記録膜の初期化と未初期化状態の反射率の違いを利用してバーコードを記録する手法である。それぞれの場合のBCA領域の再生信号特性とそれを用いた媒体判別法について以下に詳述する。ここで、2層媒体のBCA領域での反射率を評価するのはDVD−ROMなどの再生専用媒体と同様にL0層の信号強度を評価することから行なうこととする。これは、L1層からの信号はL0層や中間層などを通過した後の信号であるので環境に影響を受けやすく、L0層の信号の方が安定していると考えられるからである。
媒体全体の記録膜初期化後にBCA領域の記録膜を除去してバーコードを書き込む場合は、記録膜の初期化状態の反射率に対応する再生信号強度から判別を行なう。図11に示すように、予め単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)の下限反射率と、単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)の上限反射率の間の差に対応する再生信号強度差を基に、再生信号強度に関する基準値が設定される。再生信号強度の最大値は単層H−L媒体では該基準値より大きくなり、単層L−H媒体は小さくなることから、媒体判別を行なうことができる。
前述したように2層L−H及びH−L媒体は、L0層の初期化状態の反射率は単層L−H媒体と同様で5〜7%程度であるため、再生信号強度の最大値はいずれも基準値よりも小さくなり、単層H−L媒体と区別することができる。この記録膜の反射率の違いによる再生信号強度の違いを用いた媒体判別のフローチャートを図12に示す。判別動作が開始されると(ステップS30)、制御部420は先ずBCA領域を検出し(ステップS31)、再生信号強度の最大値を検出する(ステップS32)。基準値よりも小さい場合(ステップS33でNOの場合)、単層L−H媒体または2層L−HまたはH−L媒体と判別する(ステップS34)。これに基づいてBCA再生回路430のアンプゲイン等の調整を行ない(ステップS35)、BCA領域のバーコード情報中のBook version情報の正確な再生を行なう(ステップS36)。ここで、読み出したBook version情報が単層L−H媒体であるかを確認する(ステップS37)。そうであれば、単層L−H媒体であると判別し(ステップS38)、単層L−H媒体用再生回路を起動、すなわち再生回路430の処理パラメータ等を単層L−H媒体用に設定する(ステップS39)。
Book version情報が単層L−H媒体でなければ(ステップS37でNOの場合)、次にBook version情報が2層H−L媒体であるかを確認する(ステップS40)。そうであれば(YESの場合)、2層H−L媒体であると判別し(ステップS41)、2層H−L媒体用再生回路を起動、すなわち再生回路430の処理パラメータ等を2層H−L媒体用に設定する(ステップS42)。もし2層H−L媒体でもないと判断されれば(ステップS40でNOの場合)、Book version情報が2層L−H媒体であるかを確認する(ステップS43)。そうであれば(YESの場合)、2層L−H媒体であると判別し(ステップS44)、2層L−H媒体用再生回路を起動、すなわち再生回路430の処理パラメータ等を2層L−H媒体用に設定する(ステップS45)。そうでなければ(ステップS43でNOの場合)、もう一度再生信号強度評価(ステップS32)に戻る。
一方、最初の信号強度評価(ステップS32)で、基準値よりも最大再生信号強度が大きいと評価されれば(ステップS33でYESの場合)、単層H−L媒体と評価する(ステップS46)。次にBCA再生回路430のアンプゲインを調整し(ステップS47)、BCA領域のバーコード情報中のBook versionの読み出し再生を行なう(ステップS48)。ここで、Book version情報が単層H−L媒体であるかを確認し(ステップ49)、再生信号強度評価の結果と一致すれば単層H−L媒体であると判別し(ステップ50)、単層H−L媒体用再生回路を起動、すなわち再生回路430の処理パラメータ等を単層H−L媒体用に設定する(ステップS50)。もし一致しなければ(ステップS49でNOの場合)、もう一度再生信号強度評価(ステップS32)に戻る。以上の判別過程で、何度も再生信号強度の再評価に戻るループに入る場合は、媒体判別エラー信号を出し、ディスク取出しが可能な状態になるようにしておけばよい。また、実際にはこれら全ての記録膜を必ず取り扱う必要性はないため、どれかのステップを省略した判別法でも構わない。
次に、記録膜の初期化と未初期化状態の反射率の違いでバーコードを記録する場合について以下に述べる。単層のみの判別法で述べた場合と同様に、再生信号強度評価に単層H−L媒体と単層L−H媒体の間の重複しない反射率に相当する信号強度レベルに基準値(基準値1)を設けて媒体判別を可能にすることができる。また、2層L−H媒体及びH−L媒体の判別は2層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)と2層H−L媒体の未初期化状態(Lレベル)の信号強度を基準値(基準値2)を設けて比較すれば、判別可能である。
ここで、再生信号特性は、BCA領域のバーコードの作成法に依存し、バーコードのバーを初期化状態にするか、未初期化状態にするかで異なる。これは予めどちらにするかを定めておけば問題はない。ただし、2層H−L媒体では、未初期化状態は反射率が検出感度以下であるため、バーコード部を初期状態にその他を未初期化状態にすると、BCA領域のほとんど全ての領域は反射率が低すぎて検出が不可能である。このため2層H−L媒体では、バーコードのバー以外は反射率の高い初期化状態で、バー部を反射率の低い未初期化状態で作成する必要がある。従って、2層H→L媒体では、BCA領域のバーコード情報のバーを未初期化状態で書き込む必要があるので、再生信号特性は一意的に決まる。一方、2層L−H媒体では、L0層の反射率は初期化状態では約5%程度、未初期化状態では約7%前後になる。従って2層L−H媒体では、バーコード情報のバーは初期化状態、未初期化状態のどちらで書き込んでもよい。
図13に単層及び2層書き替え型媒体のBCA領域のバーコードを初期化状態で作成した信号特性について示した。図13(a)はこの場合の記録膜状態の模式図を示す。ここで、記録膜中の斜線部がバーコード情報のバー部である。図13(b)〜13(e)は再生信号強度を基準値1及び基準値2と比較しながら示した。基準値1は前述の実施形態と同一値である。図13(b)は単層L−H媒体の場合であり、バーコード情報のバーはL信号である。再生信号強度を基準値1と比較すると、バーの信号強度は基準値より小さくなり、バー以外の信号強度は基準値1より大きい。図13(c)は、単層H−L媒体の場合で、バーコード情報のバーはH信号である。この場合は、バーの信号強度は基準値より大きくなり、バー以外の信号強度は基準値1より小さい。
図13(d)は2層L−H媒体のL0層で、バーコード信号のバー部はL信号である。単層の場合と異なり、この場合はバーの信号もバー以外の信号も基準値1より小さくなる。図13(e)は2層H−L媒体のL0層の場合で、バーコード信号のバー部はH信号である。この場合も2層L−H媒体と同様に、バー及びバー以外の信号の強度は基準値1より小さくなる。2層L−H媒体とH−L媒体の信号特性の違いは、L信号の強度の違いである。検出限界値に基準値2を設けて比較すると、2層L−H媒体のL信号(初期化状態の信号)は、前述したようにアドレス部読み取り、フォーカシング、トラッキングを行うために、反射率として5%程度は必要である。従って、2層L−H媒体のL信号は基準値2より大きくする必要がある。一方、2層H→L媒体は、SN比をできるだけ良くするため、未初期化状態(Lレベル)の反射率は、0〜2%程度になり基準値2より小さくなる。従って、基準値2との比較から2層L−H媒体と2層H−L媒体の判別を行なうことができる。
図14は単層及び2層書き替え型媒体のBCA領域におけるバーコードのバーを未初期化状態で形成した場合の信号特性を示す。図14(a)はこの場合の記録膜状態の模式図である。ここで、記録膜中の斜線部がバーコードのバー部である。図14(b)〜14(e)は再生信号強度を上記の基準値1及び基準値2と比較しながら示す。図14(b)は単層L−H媒体の場合であり、バーコード情報のバー部はH信号である。再生信号強度を基準値1と比較すると、バー部の信号強度は基準値1より大きく、バー以外の信号強度は基準値1より小さくなる。図14(c)は、単層H−L媒体の場合で、バーコード情報のバー部はL信号である。この場合は、バーの信号強度は基準値1より小さくなり、バー以外の信号強度は基準値1より大きい。
図14(d)は2層L−H媒体のL0層で、バー部の信号はH信号である。単層の場合と異なり、この場合はバー部の信号もバー部以外の信号も基準値1より小さくなる。また、バー以外の信号は前述した信号検出条件に基づいて、基準値2より大きくなる。図14(e)は2層H−L媒体のL0層の場合で、バー部はL信号で再生される。バー及びバー以外の信号の強度は共に基準値1より小さくなる。また、バー部の信号強度は基準値2より小さくなる。
以下に単層媒体のBCA領域のバーコード作成法に応じた判別方法を詳述する。この方法は図5に示したような光ディスク装置に適用され、制御部220のような制御部により実行される。図15は単層及び2層媒体のBCA領域におけるバーコードのバーを初期化状態で書き込んだ場合の判別フローチャートを示す。判別動作が開始されると(ステップS50)、制御部420は単層媒体のみの場合と同様に、まずBCA領域を検出し(ステップS51)、前述した図7または図8の方法で再生信号強度を評価する(ステップS52)。BCA領域のバー以外からの信号強度が基準値より小さければ(ステップS53でNOの場合)、単層H−L媒体または2層媒体と認識する(ステップS54)。次にバーコードのバー部の再生強度について評価する(ステップS55)。基準値1よりもバー部の再生強度が大きければ、単層H−L媒体と判別する(ステップS57)。この判別結果に基づき、BCAの再生回路430のアンプゲインを調整し(ステップS58)、バーコード情報に含まれるBook versionの再生を行なう(ステップS59)。この時、Book versionが信号強度評価から判別した単層H−L媒体に一致するか確認する(ステップS60)。一致すれば単層H−L媒体用再生回路を前述したように起動する(ステップS61)。不一致であれば、最初の再生信号強度評価に戻る。また、バーコードのバー部の再生強度の評価時(ステップS56)に、基準値1よりも小さければ2層媒体と認識する(ステップS62)。この後、同様にBCAの再生回路430のアンプゲインを調整(ステップS63)した後、L信号強度を基準値2と比較する(ステップS64)。L信号が基準値2より大きければ(またはL信号が検出できれば)、2層L−H媒体と認識し(ステップS66)、バーコード情報に含まれるBook Versionの再生を行なう(ステップS67)。読み出したBook version が2層L−H媒体のものかの確認を行ない(ステップS68)、そうであれば前述したように2層H−L媒体用再生回路を起動する(ステップS69)。また、基準値2よりL信号が小さければ(またはL信号が検出不可能ならば)、2層H−L媒体と認識し(ステップS70)、バーコード情報に含まれるBook version情報の再生を行なう(ステップS71)。読み出したBook versionが2層H−L媒体のものかの確認を行ない(ステップS72)、そうであれば前述したように2層L−H媒体用再生回路を起動する(ステップS73)。一方、最初の再生信号強度評価時(ステップS53)に、BCA領域のバー以外の領域からの信号強度が基準値より大きければ、単層L−H媒体であると判別する(ステップS74)。このように、最内周部のBCAでの再生信号において、基準値1より高いレベルの再生信号が得られる割合が、基準値1より低いレベルの再生信号が得られる割合より大きい場合、装着された光ディスクは単層L−Hと判断される。この結果に基づき、BCAの再生回路430のアンプゲインを調整し(ステップS75)、バーコード情報に含まれるBook Versionの再生読み出しを行なう(ステップS76)。このBook Versionが単層L→H媒体であるかを確認し(ステップS77)、そうであるなら前述のように単層L→H媒体用回路を起動する(ステップS78)。以上の判別過程で、Book Versionと信号強度からの判別結果が一致しなければ、再生信号強度による反射率評価に戻る。また、判別ステップにおいて何度もループが繰り返される場合はディスク認識エラーの信号を出し、ディスク取出しが可能な状態になるようにする。
図16は、単層媒体のBCA領域のバーコードを未初期化状態で書き込んだ場合の判別フローチャートを示す。この場合も基本的には上述の判別ステップと同じであるが、単層H−L媒体と単層L−H媒体の信号特性が逆転するために単層に関する判別結果が図15とは逆になっている。従って詳細な動作説明は省略する。
この本実施形態によれば、単層L−H、単層H−L、2層H−L、2層L−Hの4種の書き替え型媒体の混在使用下での情報記録を可能にすることにより、記録目的用途に応じた記録膜を持つ媒体の選択の幅を広げることができる。又、BCA領域での媒体判別からLead−in領域に入る前に情報再生・記録回路を切り替えることができるため、System Lead−in 領域に書かれた記録速度情報の読み出し時間を早めることができる。従って、Data領域に移る前に規定速度で情報記録を行うように設定でき、情報記録回路(スピンドルモータ駆動回路415等)の起動の高速化を図ることができる。
上記の判別方法では、まず単層H−L媒体と単層L−H媒体の再生信号強度の大小を判別するために、基準値1を設ける必要がある。図17は単層及び2層書き替え型媒体の記録膜の反射率範囲を示す図である。第1段階の信号強度評価に用いる基準値1を設定するには、単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)と単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)の反射率が重複しない媒体を用いることが必要である。この場合、前述したように単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)の反射率は12〜40%の範囲内、単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)の反射率を4〜10%の範囲内と規定される。同様に、2層H−LのL0層の初期化状態(Hレベル)及び2層L→H媒体のL0層の未初期化状態(Hレベル)の反射率が、単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)と重複しなければよい。従って、図17に示すように2層H−LのL0層の初期化状態(Hレベル)及び2層L−H媒体のL0層の未初期化状態(Hレベル)の反射率を、単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)と同じく4〜10%の範囲内と規定すると、上記の媒体判別法をBCA領域において精度よく実行できる。この場合、基準値1の範囲は、10%より大きく12%より小さい反射率範囲に対応する再生信号強度範囲である。
再生信号品質の良好な2層媒体のL0層の初期化状態の反射率は5〜7%程度であることは前述した通りであるから、この反射率規定により再生信号品質を保証することができる。また、Book version情報のみで判別する方法も可能ではあるが、このように反射率を規定した媒体を用いることにより、反射率に対応した再生信号強度で媒体を判別できるため、アンプゲイン調整を事前に行なうことができる。従って、再生されたBook version情報の読み出しエラーはほぼ考えなくてよく、精度の高い読み出しが可能となる。この読み出したBook version情報と信号強度評価の結果を比較できるため非常に高精度な媒体判別を最終的に行なうことができる。また、この判別法では、フォーカスサーチ時のようなレンズの上下作動を含まず、電気信号の処理のみで終わるので、非常に高速に判別ができる。
一方、2層L−Hと2層H−L媒体の判別のための基準値2は両者のL信号を比較するための基準値である。従って、この基準値を設けるためには、2層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)と2層L−H媒体の未初期化状態(Lレベル)の反射率が重複しないことが必要である。L−H媒体ではアドレス検出、フォーカシング及びトラッキングを行うために、初期化状態であるL信号を必ず検出できなければならないが、H−L媒体はその必要はなくSN比向上のためLレベルでの反射率はできるだけ0%に近いほどよく、少なくとも2%以下である。従って、図17に示すように2層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)の反射率を4〜10%の範囲内、2層H−L媒体の未初期化状態(Lレベル)の反射率を0〜2%の範囲内と規定することにより、基準値1の範囲は10%より大きく12%より小さい範囲内の反射率に対応する再生信号強度範囲として設けることができる。従って、基準値2を用いて2層L−Hと2層H−L媒体を判別する判別装置を提供できる。実際には検出限界の信号強度レベルが基準値2の値に相当する。ここで、2層L−H媒体の初期化状態の反射率の上限を10%としたのは、未初期化状態がHレベルであり、基準値1を設けるために4〜10%と規定したため、LレベルはHレベルより反射率が大きくなることはないためである。
これまでは、BCA領域の作製法を一定にした上での媒体比較を行ってきた。しかし、BCA領域でのバーコード作製の定義としては信号特性でも定義でき、この再生信号特性の方を一定にするという条件下でも上述の基準値及び媒体記録膜の反射率規定を用いることにより媒体判別を行なうことができる。例えば、現行DVDでは一般的にバーコードのバー部がL信号になるように作製されている。従って、再生信号特性を、バー部をL信号、バー部以外をH信号とする場合の判別スキームについて以下説明する。
まず、記録膜を除去してバーコードを書き込む場合は、全てバー部がL信号、バー部以外がH信号となっているので、前述した図12のスキームを用いれば判別を行なうことができる。一方、記録膜の初期化・未初期化でバーコードを書き込む場合は、再生信号特性をそろえるため、単層と2層共にバーコード部をH−L媒体では未初期化状態で書き込み、L→H媒体では初期化状態で書き込むことになる。
バーコード情報のバーをL信号と定めた媒体の判別スキームを図18に示す。この場合も上記基準値1と2が用いられる。制御部42は判別動作を開始し(ステップS110)、BCAを検出(ステップS111)後、再生信号強度評価(ステップS112)を行なう。再生信号のH信号をまず評価し、前述の基準値1より低い場合(ステップS113でNOの場合)、2層と判別する(ステップS114)。アンプゲイン回路を調整した後(ステップS115)、L信号の信号強度評価を行なう(ステップS116)。L信号が前述の基準値2より大きい場合は2層L→H媒体と認識する(ステップS118)。その後更に、アンプゲイン回路の調整をした後(ステップS119)、BCA領域のバーコード情報に含まれるBook versionを再生し(ステップS120)、2層L−H媒体であるか確認する(ステップS121)。信号強度評価とBook versionが一致していれば前述したように2層L−H媒体用の再生記録回路を起動する(ステップS122)。L信号の強度評価時に基準値2より小さければ(または検出できなければ)、2層H−L媒体と認識する(ステップS123)。同様にアンプゲインの調整を行なった後(ステップS124)、バーコード情報に含まれるBook versionの再生を行い(ステップS125)、2層H−L媒体であるか確認する(ステップS126)。信号強度評価とBook versionが一致していれば前述したように2層H−L媒体用の再生記録回路を起動する(ステップS127)。両者とも、評価結果が不一致ならば最初の信号強度評価に戻る。一方、H信号評価時に基準値1より大きい場合は、単層媒体と認識し(ステップS128)、アンプゲイン回路の調整をした後に(ステップS129)、バーコード情報のBook versionの再生読み出しを行なう(ステップS130)。最初に単層L−H媒体であるか確認をし(ステップS131)、そうであれば単層L−H媒体用再生記録回路を起動する(ステップS132)。そうでなければ、単層H−L媒体であるかを確認し(ステップS133)、一致すれば単層H−L媒体用再生記録回路を起動する(ステップS134)。この場合も信号強度評価とBook versionが一致しなければ、最初の信号強度評価に戻る。
以上のように(1)単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)の反射率と、単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)、2層L−H媒体のL0層の未初期化状態(Hレベル)及び2層H−L媒体のL0層の初期化状態(Hレベル)の反射率を重複しないように設定し、また(2)2層H−L媒体のL0層の未初期化状態(Lレベル)の反射率を検出限界値以下に設定することにより、これらの書き替え型光ディスクの同一規格内における4種類の媒体の混在使用を可能にすることができる。また、図17に示すように、単層H−L媒体の初期化状態(Hレベル)の反射率を12〜40%、単層L−H媒体の初期化状態(Lレベル)、2層L−H媒体のL0層の未初期化状態(Hレベル)及び2層H−L媒体のL0層の初期化状態(Hレベル)を4〜10%に規定することにより、信号品質が良好な範囲で、上記の反射率の重複を避ける条件を満たした判別装置を作成することができる。上記の媒体判別法及び判別装置では記録膜特性及び層数の異なる4種類の書き替え型光ディスクの全てを判別するスキームを述べたが、必ずしも4種類全てを判別する装置である必要はなく、選択する媒体種の数が少なくてよい場合は不要な媒体種の判別ステップを行なう必要性はない。
なお、この発明は上記した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を種々変形して具体化することができる。また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良いものである。
この発明の実施の形態を示すもので、単層書き替え型光ディスクにおける情報記録領域の構造を説明するために示す図。 同光ディスクにおけるBCAにバーコードによって情報が書き込まれていることを説明するために示す図。 同光ディスクにおけるBCAにバーコードによって書き込まれた情報の詳細を説明するために示す図。 同光ディスクにおけるシステムリードインエリア、コネクションエリア及びデータリードインエリアのデータ構造を説明するために示す図。 同光ディスクに対して情報の記録再生を行なう光ディスク装置を説明するために示すブロック構成図。 同光ディスク装置における光ディスクを自動判別して記録再生処理を行なう動作を説明するために示すフローチャート。 同光ディスクにおけるBCAでのバーコード情報の書き込み形態の一例と同光ディスク装置における再生信号との関係を説明するために示す図。 同光ディスクにおけるBCAでのバーコード情報の書き込み形態の他の例と同光ディスク装置における再生信号との関係を説明するために示す図。 同光ディスク装置における光ディスクを自動判別して記録再生処理を行なう動作の要部を詳細に説明するために示すフローチャート。 同光ディスクの種類に応じた初期化状態での光反射率の設定状態を説明するために示す図。 単層及び2層書き替え型媒体の膜を除去したバーコード記録の場合のBCA領域の再生信号特性を示す図。 BCA領域のバーコード情報が記録膜の除去で書き込まれている場合の単層及び2層媒体の媒体判別と再生記録回路切り替えのフローチャート。 書き替え型媒体の記録膜の初期化状態でバーコードを書き込んだBCA領域の再生信号特性を示す図。 書き替え型媒体の記録膜の未初期化状態でバーコードを書き込んだBCA領域の再生信号特性を示す図。 BCA領域のバーコード情報が初期化状態で書き込まれている場合の単層及び2層媒体の媒体判別と再生記録回路切り替えのフローチャート。 BCA領域のバーコード情報が未初期化状態で書き込まれている場合の単層及び2層媒体の媒体判別と再生記録回路切り替えのフローチャート。 単層及び2層書き替え型媒体の記録膜の反射率範囲を示す図。 BCA領域のバーコード情報の信号特性がL信号と定められた場合の単層及び2層媒体の媒体判別と再生記録回路切り替えのフローチャート。
符号の説明
11…光ディスク、12…BCA、13…システムリードインエリア、14…コネクションエリア、15…データリードインエリア、16…データエリア、17…データリードアウトエリア、39…ディスク基板、40…記録膜、41…ディスク基板、42…記録膜。

Claims (4)

  1. 記録膜の光記録前後の光学的特性がそれぞれ異なり、再生用光ビームの反射光量に対応する再生信号レベルが前記光記録前後で変化し、最内周部に記録膜の結晶部と非結晶部により情報が記録されたBCA(Burst Cutting Area)をそれぞれ有し、共に単層記録膜を有する単層L−H媒体及び単層H−L媒体、及び共に2層記録膜を有する2層L−H媒体及び2層H−L媒体を含む書き換え型記録媒体であって、
    前記2層L−H媒体のL0層の初期化状態と前記2層H−L媒体のL0層の未初期化状態の光反射率範囲が重複しないように形成されていることを特徴とする書き替え型記録媒体。
  2. 前記2層L−H媒体のL0層の初期化状態光反射率が4〜10%の範囲内に、前記2層H−L媒体のL0層の未初期化状態光反射率が2%以下に設定されていることを特徴とする請求項1記載の書き替え型記録媒体。
  3. 前記単層L−H媒体の初期化状態、前記2層H−L媒体のL0層の初期化状態、及び前記2層L−H媒体のL0層の未初期化状態の光反射率が、前記単層H−L媒体の初期化状態の光反射率と重複しないように形成されていることを特徴とする請求項1記載の書き替え型記録媒体。
  4. 前記単層L−H媒体の初期化状態光反射率、前記2層H−L媒体のL0層の初期化状態光反射率、前記2層L−H媒体のL0層の未初期化状態光反射率が4〜10%の範囲内に、前記単層H−L媒体の初期化状態光反射率が12〜40%の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項3記載の書き替え型記録媒体。
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