JP2001202663A - 光学記録媒体作製用原盤の製造方法、光学記録媒体、および光学記録媒体作製用原盤製造装置 - Google Patents

光学記録媒体作製用原盤の製造方法、光学記録媒体、および光学記録媒体作製用原盤製造装置

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JP2001202663A
JP2001202663A JP2000011973A JP2000011973A JP2001202663A JP 2001202663 A JP2001202663 A JP 2001202663A JP 2000011973 A JP2000011973 A JP 2000011973A JP 2000011973 A JP2000011973 A JP 2000011973A JP 2001202663 A JP2001202663 A JP 2001202663A
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groove
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JP2000011973A
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Shin Masuhara
慎 増原
Seiji Kobayashi
誠司 小林
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Sony Corp
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学記録媒体の記録情報の高密度化を図る。 【解決手段】 グルーブの凹凸パターンを1本の電子線
で描画することにより形成する際、電子線をグルーブの
両側の壁間において高速ウォブリングさせて露光するも
のとし、この高速ウォブリングの周波数fhは、光学記
録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒体の再生波
長をλ、対物レンズの開口数をN.A.としたときに得
られる再生光学系の検出限界空間長Lco=(λ/2
N.A.)に対し、記録線速度をvとしたときに、fh
≧(2v/Lco)であるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学記録媒体作製
用原盤の製造方法、光学記録媒体、および光学記録媒体
作製用原盤製造装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、光学記録媒体の高密度記録化への
要求は一層高まって来ており、現時点で次世代光学記録
媒体における開発ターゲットとなっている面密度は、D
VD(Digital Versatile Disc)の15倍にあたる50
〔Gbit/in2 〕以上である。このような超高密度
記録の光学記録媒体を実現するために、光学記録媒体作
製用原盤を作製する際の、微細凹凸パターンの描画方
法、及び描画される微細凹凸パターンを決定する記録信
号方式の双方に、CD(コンパクトディスク)からDV
Dへ至る現行方式の見直しが必要とされており、種々の
新しい提案がなされている。
【0003】光学記録媒体作製用原盤に、微細凹凸パタ
ーンを描画する方法について以下に説明する。
【0004】光学記録媒体の一例である光ディスク10
0においては、図15に示すように、光学的に透明なプ
ラスチック製のディスク基板101の一方の主面、すな
わち信号記録面102側に、連続溝状のグルーブやピッ
ト列が、トラック毎に所定のトラックピッチPでスパイ
ラル状に形成されている。図16に信号記録面102に
形成されたグルーブ103の拡大斜視図を示し、図17
に信号記録面102に形成されたピット104の拡大斜
視図を示す。
【0005】記録可能な相変化型、あるいは光磁気型等
のいわゆるライタブル光ディスクは、グルーブを設けた
面上に、相変化膜あるいは磁性膜、光反射膜、および保
護膜が形成された構成を有している。また、再生専用の
光ディスク(Read Only Disc) に関しては、ピットの列
を設けた面上に、光反射層および保護層が形成された構
成を有している。
【0006】これらの光ディスクから信号再生を行う場
合には、光ディスクを回転させながら、基板の信号記録
面102側とは反対側の面側から、光学ピックアップか
らのレーザー光を照射し、反射光を読み取って信号再生
を行う。また、記録可能な光ディスクにおいては、光学
ピックアップからのレーザー光により記録層に情報が書
き込まれたり、反射光によって記録層に書き込みをした
情報の読み取りがなされる。
【0007】さらに、記録または再生用のレーザー光が
常に所望のトラック上に照射されるように、例えばグル
ーブからの反射光を検出してトラッキングを行ってい
る。再生専用の光ディスクでは、再生面への照射光に対
して、ピット列を設けた信号記録面からの反射・回折光
を検出することにより、情報の読み取りおよびトラッキ
ングを行っている。
【0008】上述したように、光ディスク基板に形成さ
れる微細凹凸のパターンは、情報記録媒体としての性能
を左右するものであるので、基板を構成する際、高精度
に形成することが必要である。ここで、従来知られてい
る光学記録媒体作製用原盤およびこれから転写作製され
る光学記録媒体の基板の作製方法について説明する。
【0009】光ディスクのグルーブ103やピット10
4といった微細凹凸を形成するには、例えばガラス製の
支持体上にフォトレジスト層を形成し、これを露光、現
像するフォトリソグラフィーが一般的に適用されてい
る。
【0010】先ず、図18に示すように、表面を平坦に
研磨し洗浄されたガラスの支持体110を用意し、次
に、図19に示すように支持体110上に、感光させる
ことによりアルカリ可溶性となるフォトレジスト111
を、スピンコート法によって、例えば100〔nm〕の
厚さに塗布する。次に、図20に示すように、フォトレ
ジスト111が塗布された支持体110を所定に回転数
で回転させ、記録信号に応じた強度変調を行った記録レ
ーザー光Lを対物レンズ112でフォトレジスト111
上に集光し、所定のパターンに露光する。このとき、支
持体110と対物レンズ112との相対的な位置関係を
支持体110の半径方向に移動させることにより、スパ
イラル状の潜像を形成することができる。
【0011】次に、露光されたフォトレジスト111を
現像することにより、感光した領域を溶解し、グルーブ
103やピット104などの微細凹凸構造を形成するこ
とができる。図21に、例えばグルーブ103を形成し
たときの支持体の一部の拡大斜視図を示す。ここで、支
持体110と反対側の面から見たときの微細凹凸の凹部
をグルーブと称し、凸部をランド113と称する。
【0012】上述のようにして、図22に示す支持体1
10上に所望の微細凹凸パターンのフォトレジスト層が
形成された光ディスク作製用原盤117が作製される。
続いて、図23に示すように光ディスク作製用原盤11
7上に、例えばNiメッキ層を施し、これを剥離してス
タンパー115を作製する。このスタンパー115を金
型として例えばポリカーボネート等の射出成形によって
微細凹凸パターンの転写が行われ、光ディスク用の基板
120が作製される。再生専用の光ディスクを作製する
際には、この基板120上に反射膜や保護膜を形成し、
記録可能な光ディスクを作製する際には、記録膜や反射
膜、保護膜を形成し、目的とする光学記録媒体を作製す
ることができる。
【0013】最近の光学記録媒体の超高密度記録化の要
請により、例えばCDと同様のEFM(Eight To Fourt
een Modulation)信号を用いて記録を行うことにより最
短ピット長を0.15〔μm〕以下程度に形成すること
ができる。このような微小ピットを形成するにあたっ
て、露光スポットは可能な限りピットと等しい大きさに
なるように集光することが必要である。
【0014】レーザー光を集光する場合、露光スポット
の直径φは、光の波長λと対物レンズの開口数N.A.
に依存し、φ=(λ/N.A.)と表される。これによ
り、露光スポットの直径φを小さくするためには、
(1)λを短くする、(2)N.A.を大きくする、の
2つの手段を用いれば良いが、現状においては、これら
(1)および(2)のいずれもほぼ限界に達しており、
さらなる高密度記録化を実現することが困難になってき
ている。
【0015】(1)の光の波長に関して、現在において
は、遠紫外線領域の250〔nm〕近辺までの短波長化
が検討されているが、さらに短波長化を図る場合、室温
連続発振する光源自体を用意することが困難である。ま
た、(2)のN.A.については、既に理論上限界の
1.0に近づいたところで使用されており、事実上、向
上の余地が残されていない。
【0016】上述したことから、将来の高密度記録の光
学記録媒体の記録用途に充分に小さいスポット径を容易
に得る方法として、レーザー光に替わって電子線でレジ
ストを感光するという技術提案がなされている。既に半
導体の次世代リソグラフィ技術としては開発が進められ
ており、光ディスクへの応用に関しても、露光以外の従
来マスタリングプロセスは、ほぼそのままに利用するこ
とができるので、近い将来において電子線でレジストの
感光を行うことが本流の技術となる可能性が高い。
【0017】以下に、従来提案されている光ディスク用
の電子線描画装置200について図24を参照して説明
する。
【0018】図24に示した電子線描画装置200は、
図面中における上部の電子ビーム発生・集束部201
と、下部の機構部202とにより構成されており、装置
全体が、設置場所の外部振動を除去する除振台220上
に載置されている。なお、図24に示した電子線描画装
置200においては、電子ビームのオン・オフ、集束ビ
ームサイズの調整、電子ビームの偏向(ウォブリング)
等を制御するビーム関連の制御と、機構系の制御とを行
うコンピューター制御装置は記載を省略してあるものと
する。
【0019】電子ビーム発生・集束部201は、電子銃
211、コンデンサーレンズ212、ブランキング電極
(ビーム変調部)213、アパーチャー214、ビーム
偏向電極215、フォーカス調整用レンズ216、およ
び対物レンズ217により構成されている。例えばLa
6 等の熱電子線銃から放出され、陽極により数kV〜
100kVで加速された電子が静電レンズであるコンデ
ンサーレンズ212により集束され、ブランキング電極
213を介してアパーチャー214に達する。アパーチ
ャー214で絞られた電子ビームは、ビーム偏向電極2
15を通過したのち、静電または電磁型レンズであるフ
ォーカス調整用レンズ216、対物レンズ217により
電子線用レジストが塗布されたガラス製の支持体110
上に、サブミクロンのスポットサイズに集束され、スポ
ットを照射する。
【0020】アパーチャー214の上部のブランキング
電極213は、照射電子ビームをオン・オフさせる機能
を有する。実際にはブランキング電極間に電圧を印加し
たとき、電子ビームは大きく偏向され、アパーチャー2
14から外れてオフ状態となる。ビーム偏向電極215
も電圧を印加して電子ビームを偏向するが、これは照射
ビームはオン状態のまま、レジスト面上で電子ビーム
を、nmからμmオーダーで偏向する、すなわちウォブ
リングさせるためのものである。対物レンズ217は、
レジスト面上に照射される電子ビームを集束させ、数n
mから数μmサイズのスポットに絞り込む。
【0021】次に、機構部202は、ガラス製の支持体
110を上部にチャッキングするようなスピンドル21
8が、スライド219上に配置された構成を有してい
る。スピンドル218は高精度に回転数を制御されてな
るもので、その回転数は、光学式ロータリーエンコーダ
ーを用いたサーボ機構により、一回転あたり10-7以下
の回転ジッターで制御されるようになされている。ま
た、スライド219は、リニアモーター型エアスライド
で、送りスピードはスライドに装着したレーザースケー
ル(図示せず)により測長機構により精密に制御され
て、数nmの送り精度で光ディスク作製用の原盤すなわ
ち支持体110の半径方向に駆動するようになされてい
る。支持体110を回転させながら、記録スポットを半
径方向に一回転あたり等距離ずつ移動することにより、
グルーブあるいはピットの潜像を一定のトラックピッチ
で、スパイラル状、あるいは同心円状に形成する。
【0022】電子ビームの伝播中に、他電子、他分子と
衝突すると、電子ビームが散乱され、広がりを持ったり
してエネルギー損失を被るので、電子線描画装置200
における電子ビームを伝播させる領域は、通常高真空状
態に保持される。すなわち、電子ビーム発生・集束部2
01は電子線近傍において10-6〔Pa〕以下程度の超
高真空、対物レンズ217近傍、および機構部202は
10-3〔Pa〕以下程度の真空度に保持される。
【0023】上述したような電子線描画装置で、実際に
高密度記録の光ディスクのマスタリングを実施した例が
パイオニア社から発表されている(JAPANESE JOURNAL O
F APPLIED PHYSICS/1998年4 月/Vol.37 No.4B/P.2137-2
143/論文名"High Deneity Mastering Using Electron B
eam"/ 著者 Yoshiaki Kojimaら)。これによると、現行
DVDに対して、面密度で約6.4倍(CD片面に30
GB容量=21Gbit/in2 相当)のパターン描画
に既に成功している。これはDVDに同じEFM信号を
用いており、このとき、最短ピット長=0.16μm、
トラックピッチ=0.29μmとなっている。なお、電
子ビームのスポット径半値幅は、80nmであった。
【0024】一方、記録信号方式に関して、CDやDV
Dに代表される従来の再生専用ディスク(ROMディス
ク)では、光学的に検出可能なピットやマークを媒体に
形成することにより情報を記録していた。これらのピッ
トまたはマークを光学的手段により検出することにより
情報の再生を行っており、それらが光ピックアップによ
り、電気信号として読み出された波形が判定回路によ
り、1または0の、2値情報に変換される。即ち、光ピ
ックアップからは「アイパターン」と呼ばれるアナログ
の波形が得られるが、これを所定の敷居値と比較するこ
とにより、2値の情報として複号し、元のディジタル情
報に復元している。しかし最近は、ピックアップからの
波形を多段階に複号することにより、さらに記録密度を
向上する多値記録が提案されており、この中には従来の
ピット列パターンと全く異なる新しい概念のものが含ま
れる。
【0025】その中の一つに、ベースバンドグルーブウ
ォブル記録(以下、GBRと記する)方式と呼ばれる記
録方式がある。このGBR方式とは、図25に示すよう
に、グルーブの両側の壁、すなわち図25においては、
グルーブ壁Aとグルーブ壁Bとが、それぞれアナログ的
に変化する波形として形成されるものである。そしてG
BR方式で記録された光ディスク媒体は、図26に示す
ように、グルーブ壁Aの形状が壁面Aの記録信号とな
り、グルーブ壁Bの形状が壁面Bの記録信号となること
によって、3値以上の多値のディジタル情報が記録され
ていることとなり、このディジタル情報は、隣接データ
間の符号間干渉と、直流成分が抑圧されたアナログ波形
として記録される。このアナログ波形は、媒体上にスパ
イラル状あるいは同心円状に記録されたグルーブ壁の変
位として記録されている。すなわち、光学記録媒体作製
用の原盤を露光する際に、線方向に断続的なピットでは
なく、連続するグルーブを描きながら、そのグルーブを
アナログ的記録信号に応じてウォブリングする。グルー
ブのウォブリングによって情報を記録し、再生時に主に
プッシュプル信号からそれを検出する方式は、ミニディ
スク用、主に記録可能光ディスクのアドレス用途で広く
利用されている。しかし、GBR方式では、従来知られ
ている光ディスクよりも遙かに高い記録密度を実現する
ことが目的としている。
【0026】このようなGBR方式によれば、記録信号
の直流成分の変動によるエラー発生と、符号間干渉によ
るエラーの発生という2つの問題の解決が図られてお
り、なおかつ有効な周波数領域全体を使って高密度の記
録が可能である。さらに、グルーブ左右の壁を、独立す
る記録信号によって、個別にウォブリングすることによ
って、通常のウォブリングと比較して同一トラックピッ
チで2倍の情報量を有することを可能としている。以上
のことから、GBR方式は、従来のピットによる記録よ
りもはるかに高い記録密度を実現することを可能にす
る。
【0027】上述したGBR方式により記録された光デ
ィスク媒体を信号再生するには、2つの方法がある。先
ず、第1の再生方法は、グルーブもしくはマークの壁面
の位置がアナログ的に変位することにより、所定の周波
数帯域に制限された多値情報が記録されたディスク媒体
に光学的手段によりレーザー光線を集光させて、再生用
光スポットとして照射し、再生用光スポットが光ディス
ク媒体により反射または回折されたレーザー光線を電気
信号として検出することにより、光ディスク媒体上に記
録されたディジタル情報を読み出す光ディスクの再生方
法であって、タンジェンシャルプッシュプル信号を検出
する検出ステップと、このタンジェンシャルプッシュプ
ル信号を積分する積分ステップと、タンジェンシャルプ
ッシュプル信号の周波数特性を補正するイコライザース
テップと、直交振幅変調複号手段,または、QAM(Qau
dratue Amplitude Modulation )複号手段とを含んでい
る。
【0028】第2の再生方法においては、タンジェンシ
ャルプッシュプル手段の代わりに、光ディスク媒体によ
り反射または回折されたレーザー光線の偏光状態の変化
を検出する偏光検出手段により、再生が実現される。
【0029】上記第1および第2のいずれの方法を用い
る光ディスク再生装置によっても、上述した2つの問題
を解決し、なおかつ有効な周波数領域全体を使って、高
密度の記録再生が可能である。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、電子
ビームは、従来のレーザー光による光スポットと比較し
て充分に微細化することができるので、これにより光学
記録媒体の作製を行うと、飛躍的な高密度記録化が可能
になる。すなわち、電子ビームをGBR記録方式に適用
することによって、さらなる微細なパターンの形成が可
能になると考えられる。
【0031】しかしながら、電子ビームで描画を行う
と、従来のレーザー光と同等の露光方法では実用上充分
な露光を行うことができないという問題があるのであ
る。
【0032】図25および図26に示して説明したGB
R記録方式においては、グルーブの両側の壁を形成する
とき、レーザー光のスポットを、所望のパターンにそれ
ぞれ独立して個別にウォブリングして形成する。すなわ
ち図27に示すように、第1のレーザー光301と第2
のレーザー光302とを、対物レンズを介して、フォト
レジストを塗布した支持体110上に照射して、2つの
露光スポットS1 、S2 を互いに一部が重なるように留
意しながら、半径方向に適当な距離をおいて設置し、図
28に示すように、それぞれ独立な記録信号でウォブリ
ングしながらフォトレジストを露光することによって、
所望の形状のグルーブを形成することができる。すなわ
ち、図28においては、露光スポットS1 を、図中、破
線で示す軌道で走査しフォトレジストを露光してグルー
ブ壁面Aを形成し、露光スポットS2 を、図中、一点鎖
線で示す軌道で走査しフォトレジストを露光してグルー
ブ壁面Bを形成するものとする。このとき、2つの露光
スポットS1 、S2 の間隔は、離れすぎると形成された
グルーブの中間に未露光部分が発生してしまい、逆に接
近しすぎると、スポットウォブリング時に隣接ビームが
互いに影響を及ぼし合って、記録信号を正確に反映しな
くなってしまうので、これらを適切な間隔に保って走査
することが必要である。
【0033】ここで、上述した2ビームレーザー露光法
を用いて、GBRフォーマットを描画する場合のパター
ン微細化限界について図29を用いて考察する。
【0034】1ビームレーザーで描くグルーブ幅の最小
値をW、ウォブリングする振幅を2ビームレーザーの場
合共に±ΔWとする。2ビームレーザーでそれぞれ独立
にウォブリングするとき、2ビームスポットが最も接近
する場合に、スポットが半径方向に交差してしまうと、
所望の振幅が得られなくなるので、ビーム間隔は少なく
とも2ΔW必要である(2つの露光スポットが完全に重
なった状態)。このとき、ウォブリングを与えない状態
で2ビームで描くグルーブ幅Wdは、Wd=W+2ΔW
(式1)となり、この値がグルーブ幅の平均値となる。
【0035】GBRフォーマットの場合、図30に示す
ように、隣り合うトラック露光同士のピッチP(トラッ
クはウォブリングにより蛇行するが、その平均間隔とす
る)の1/2がWdであることが要求されている。すな
わち、Wd=P/2(式2)となる。
【0036】現実的なトラック間隔Pの値を、以下に見
積もる。レーザー露光をする場合において、波長λ=2
66〔nm〕、対物レンズのN.A.=0.90が、現
在最も微細なパターンを描画できる記録光学系である
が、これによって形成されるグルーブ幅の最小値はW
は、実験によりW=200〔nm〕であった。上述のよ
うに、これらの値が現在のレーザー露光におけるほぼ限
界の値と考えられている。
【0037】また、GBRフォーマットにおいて、ウォ
ブリングする振幅ΔWは、トラックピッチPの10%程
度であることが妥当であるとされており、例えば、30
〔Gbit/in2 〕の面密度は、P=500〔n
m〕、ΔW=50〔nm〕により実現可能であると見積
もられている。よって、ΔW=0.1×P(式3)とし
て、W=200〔nm〕を代入し、上記(式1)、(式
2)、(式3)により、Pについて解くと、P=666
〔nm〕となった。実際に実験を行えば、ウォブルリン
グする振幅ΔWの最適値に、多少の増減があり得るが、
ΔW=50〔nm〕と少なく見積もっても、P=600
〔nm〕であり、これより小さい値の実現性は、ほとん
ど無い。
【0038】以上の考察により、2ビームレーザー露光
法により、形成可能であるGBRフォーマットの、隣り
合うトラックのピッチPは、600〔nm〕が限界であ
ると考えられ、これよりも狭いピッチのパターンを描画
するにあたっては、レーザービームでは実現することが
できない。しかし、電子線を用いることにより、隣り合
うトラックのピッチPは、600〔nm〕という微細な
ピッチが作製可能になる。
【0039】さて、電子線描画装置においても、従来用
いられているレーザービームと同様に、2ビームを用い
て描画することが可能であれば、これをもってGBR方
式に対応することができる。しかし、電子線描画方式の
マルチビーム化は、技術的に極めて困難である。この理
由を説明する。
【0040】すなわち、図24に示したような構成の電
子線描画装置200の場合、仮にビーム発生源が複数あ
ったとしても、それらは、同一電子光学系を通過するた
め、独立に変調(ブランキング動作)、偏向することが
出来ない。そこで、ビーム発生源すなわちこの場合に
は、電子銃211から対物レンズ217に至るまで、全
く独立の電子光学系にすると、電子線描画装置200が
大規模化、複雑化してしまう。
【0041】それを解決するため、電子ビーム発生源か
ら対物レンズ217までを、1カラムあたり全長2.5
〔mm〕として、それをアレー状に複数配置するアレー
型マイクロカラム描画方式が提案されていが、電子の加
速電圧が1〔kV〕以下にしか印加出来ないために、電
子のレジスト入射後の散乱量が大きく、実効的にビーム
が絞れないという問題がある。そのほかにも、複数のビ
ームを用いた場合、ビーム形状の均一性、マスタリング
用の原盤、すなわち、支持体110上での配置精度な
ど、実用上の問題が大きく、従来の複数のレーザー光の
取扱いと比較すると、技術的に相当な困難があると予想
される。
【0042】上述したことから、50〔Gbit/in
2 〕以上の、超高面密度の光学記録媒体を実現するため
に、複数のビーム以外の方法でGBR方式のパターンを
形成することを可能にする電子線を用いた光学記録媒体
の露光装置の新しい描画方法が必要とされている。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明の光学記録媒体作
製用原盤の製造方法は、支持体上に、感光剤層を形成す
る工程と、感光剤層上を、電子線により描画する工程
と、その後現像処理を行い感光剤層上に、少なくともグ
ルーブの微細凹凸パターンを形成する工程とを有するも
のであり、グルーブの両側の壁を形成する際に、感光剤
を露光して描画に用いる電子線を1本のみとして、電子
線をグルーブの両側の壁間において高速ウォブリングさ
せて感光剤を露光するものとし、電子線の高速ウォブリ
ングの周波数fhは、光学記録媒体作製用原盤から作製
される光学記録媒体の再生波長をλ、対物レンズの開口
数をN.A.としたときに得られる再生光学系の検出限
界空間長Lco=(λ/2N.A.)に対し、記録線速
度をvとしたときに、fh≧(2v/Lco)とする。
【0044】本発明の光学記録媒体は、基板上に、グル
ーブの微細凹凸パターンが形成されてなるものとし、こ
のグルーブのトラックピッチは、600〔nm〕以下と
する。
【0045】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造装
置は、電子ビーム発生・集束部と、機構部とにより構成
されるものとし、電子ビーム発生・集束部は、少なくと
も、電子銃と、コンデンサーレンズと、ブランキング電
極とアパーチャーと、ビーム偏向電極と、フォーカス調
整用レンズと、対物レンズとにより構成されてなるもの
とし、機構部は、感光剤層を形成した支持体を載置する
スピンドルと、支持体を、電子線照射部との相対位置を
移動可能とするスライドにより構成されてなるものと
し、ビーム偏向電極には、電子線をウォブリングさせる
ための高速ウォブリング周波数信号発生手段が設けられ
てなり、この電子線の高速ウォブリングの周波数fh
は、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒
体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.A.とし
たときに得られる再生光学系の検出限界空間長Lco=
(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvとしたとき
に、fh≧(2v/Lco)であるものとする。
【0046】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方
法は、支持体上に、感光剤層を形成する工程と、感光剤
層上を、電子線により描画する描画工程と、描画工程
後、現像処理を行い、感光剤層上に、少なくとも2種類
の幅の異なる微細凹凸パターンを形成する工程とを有す
るものであり、グルーブの両側の壁部を形成する際に、
上記感光剤を露光して描画に用いる電子線を1本のみと
して、電子線のビーム径を微細凹凸パターンのうち、最
も幅の狭い微細凹凸パターンの幅と一致させるようにし
て、最も幅の狭い微細凹凸パターンよりも幅広の微細凹
凸パターンの描画については、電子線を、グルーブの両
側の壁間において高速ウォブリングさせて上記感光剤を
露光するものとし、電子線の高速ウォブリングの周波数
fh2 は、電子線ビーム径半値幅をφ、記録線速度をv
2 としたとき、fh2 ≧(v2 /φ)であるとする。
【0047】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方
法においては、グルーブの両側の壁を形成する際に1本
の電子線を用いてグルーブの両側の壁間において高速ウ
ォブリングさせて感光剤を露光するものとしたので、従
来のGBR方式と電子線描画を組み合わせた露光を行う
ことが可能となり、従来の光学記録媒体作製用原盤に比
して、高密度記録化が図られた。また、さらには、この
電子線の高速ウォブリングの周波数fhを、光学記録媒
体作製用原盤から作製される光学記録媒体の再生波長を
λ、対物レンズの開口数をN.A.としたときに得られ
る再生光学系の検出限界空間長Lco=(λ/2N.
A.)に対し、記録線速度をvとしたときに、fh≧
(2v/Lco)と規定したので、最終的に得られる光
学記録媒体の信号再生を良好に行うことのできる光学記
録媒体作製用原盤が提供された。
【0048】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造装
置においては、グルーブの両側の壁を形成する際に、電
子銃から1本の電子線を発射させ、これをグルーブの両
側の壁間において高速ウォブリングさせて感光剤を露光
する構成としたので、従来のGBR方式と電子線描画を
組み合わせた露光が可能になる。
【0049】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造装置においては、電子線の高速ウォブリングの周波
数fhを、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学
記録媒体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.
A.としたときに得られる再生光学系の検出限界空間長
Lco=(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvと
したときに、fh≧(2v/Lco)と規定する、高速
ウォブリング周波数信号発生手段を設けた構成としたの
で、最終的に得られる光学記録媒体作製用原盤を転写し
て得られる光学記録媒体の信号再生を良好に行われるよ
うにすることができる。
【0050】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法において、電子線の高速ウォブリングの周波数
fh2 を、電子線ビーム径半値幅をφ、記録線速度をv
2 としたとき、特にfh2 ≧(v2 /φ)の関係が成立
するように規定することにより、形成するグルーブの壁
面全てに渡って電子線の露光スポットの一部あるいは全
部が通過するようになされ、壁の表面形状の滑らかなグ
ルーブの形成がなされる。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明の光学記録媒体作製用原盤
の製造方法についての一実施の形態について概説する。
【0052】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方
法は、例えば表面を研磨したガラスの支持体上に、例え
ば電子線照射することにより、現像液に可溶性となる感
光剤層を形成する工程と、この感光剤層上の所定の領域
を、電子線により描画する工程と、描画工程後、現像処
理を行い、感光剤層上に、少なくともグルーブの凹凸パ
ターンを形成する工程とを有するものである。そして、
グルーブの両側の壁を形成する際に、感光剤を露光して
描画に用いる電子線を1本のみとして、電子線をグルー
ブの両側の壁間において高速ウォブリングさせて感光剤
を露光するものとし、電子線の高速ウォブリングの周波
数fhは、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学
記録媒体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.
A.としたときに得られる再生光学系の検出限界空間長
Lco=(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvと
したときに、fh≧(2v/Lco)とする。
【0053】本発明の光学記録媒体は、上記本発明の光
学記録媒体作製用原盤により転写作製した例えばニッケ
ル金属製のスタンパーにより転写作製することができる
ものであるが、これは、例えばポリカーボネート等の再
生光に対して透明なプラスチックよりなる基板上に、少
なくともグルーブの凹凸パターンが形成されてなるもの
であり、このグルーブの両側の壁は、それぞれ独立した
形状にウォブルしているもので、このグルーブのトラッ
クピッチは、特に、600〔nm〕以下にしたものであ
る。
【0054】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造装
置は、電子ビーム発生・集束部と、機構部とにより構成
されるものとし、電子ビーム発生・集束部は、少なくと
も、電子銃と、コンデンサーレンズと、ブランキング電
極とアパーチャーと、ビーム偏向電極と、フォーカス調
整用レンズと、対物レンズとにより構成されてなるもの
とし、機構部は、感光剤層を形成した支持体を載置する
スピンドルと、支持体を、電子線照射部との相対位置を
移動可能とするエアスライドにより構成されてなるもの
とし、ビーム偏向電極には、電子線をウォブリングさせ
るための高速ウォブリング周波数信号発生手段が設けら
れてなり、この電子線の高速ウォブリングの周波数fh
は、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒
体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.A.とし
たときに得られる再生光学系の検出限界空間長Lco=
(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvとしたとき
に、fh≧(2v/Lco)であるものとする。
【0055】以下に本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法について、本発明方法を実現するための光学記
録媒体作製用原盤の製造装置とともに、それぞれ図を参
照してその一例について説明する。なお本発明の光学記
録媒体作製用原盤の製造装置、本発明の光学記録媒体作
製用原盤、および本発明の光学記録媒体作製用原盤によ
り作製することができる本発明の光学記録媒体は、以下
に示す例に限定されるものではない。
【0056】先ず、図1に示すように、表面を平坦に研
磨し洗浄されたガラスの支持体10を用意し、次に、図
2に示すように支持体11上に、電子線照射により現像
液に対して可溶性となる感光剤層11を、スピンコート
法によって所定の厚さに形成する。
【0057】次に、図3に示すように、感光剤層11が
形成された支持体10を、所定に回転数で回転させ、記
録信号に応じた強度変調を行った一本の電子線Bを、対
物レンズ12で、感光剤層11上に集光し、所定のパタ
ーンに露光する。このとき、支持体10と対物レンズ1
2との相対的な位置関係を支持体10の半径方向に移動
させることにより、所望のスパイラル状の潜像を形成す
る。
【0058】次に、露光された感光剤層11を現像する
ことにより、感光した領域を溶解し、支持体10上に、
図4に示すような形状のグルーブGを形成する。本発明
の光学記録媒体用原盤の作製方法は、特に、ベースバン
ドグルーブウォブル記録(以下、GBRと記する)方式
と呼ばれる記録方式に適用する光学記録媒体を作製する
ための光学記録媒体用原盤に適用するものする。このG
BR方式は、図4に示すように、グルーブGの両側の
壁、すなわち図4においては、グルーブ壁Cとグルーブ
壁Dとを、それぞれアナログ的に変化する波形として形
成するものとする。
【0059】そしてGBR方式で記録された光学記録媒
体は、図5に示すように、グルーブ壁Cの形状が壁面C
の記録信号となり、グルーブ壁Dの形状が壁面Dの記録
信号とすることによって、3値以上の多値のディジタル
情報が記録されていることとなり、このディジタル情報
は、隣接データ間の符号間干渉と、直流成分が抑圧され
たアナログ波形として記録する。このアナログ波形は、
媒体上にスパイラル状あるいは同心円状に記録されたグ
ルーブ壁の変位として記録する。
【0060】なお、図4および図5において示したグル
ーブの両側の壁は、それぞれ独立したウォブル形状を有
しているが、本発明はこの図4および図5に示した形状
のグルーブ壁に限定されるものではなく、両側の壁の形
状が共通するウォブル形状を有するもの、片側が直線形
状を有するもの等、各種形状のグルーブについて適用す
るとができる。
【0061】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方
法においては、すなわち、光学記録媒体作製用の原盤を
電子線Bで露光する際に、図6に示すように、数百MH
zの超高速ウォブリングが可能な電子線の特徴を利用し
て、1本の電子線Bを、GBR記録信号よりも高い周波
数で高速ウォブリングさせる。これは、従来において
は、図28を示して説明したように、2本のレーザー露
光ビームが通過すべき軌道を、交互に推移し、グルーブ
Gの両側の壁、すなわち、グルーブ壁面Cおよびグルー
ブ壁面Dを、それぞれ所望の位置変化量で同時に露光す
るものである。
【0062】上述のようにして、露光を行った後、現像
処理を施して、支持体10上に所望の微細凹凸パターン
が形成された光学記録媒体作製用原盤が作製される。続
いて、この光学記録媒体作製用原盤上に、例えばNiメ
ッキ層を施し、これを剥離してスタンパーを作製する。
このスタンパーを金型として例えばポリカーボネート等
の射出成形によって微細凹凸パターンの転写が行われ、
光学記録媒体用の基板が作製される。再生専用の光ディ
スクを作製する際には、この基板上に反射膜や保護膜を
形成し、記録可能な光ディスクを作製する際には、記録
膜や反射膜、保護膜を形成し、目的とする光学記録媒体
を作製することができる。この光学記録媒体は、1本の
電子線を用いて、GBR記録信号よりも高い周波数で、
グルーブの両側の壁C,D間を露光する高速ウォブリン
グにより形成したので、従来の光学記録媒体よりもさら
なる高密度記録化が実現され、グルーブのトラックピッ
チPは、600〔nm〕以下に形成することができるこ
とが確かめられた。
【0063】次に、1本の電子線を用いてGBRパター
ンの描画を行う際に用いる電子線描画装置20について
図を参照して説明するとともに、電子線Bを支持体上へ
高速ウォブリングにより描画する際の記録信号の様式、
および高速ウォブリングに必要とされる周波数fhにつ
いて説明する。
【0064】図7に示した本発明の電子線描画装置20
は、図面中における上部の電子ビーム発生・集束部31
と、下部の機構部32とにより構成されており、電子線
描画装置20全体が、設置場所の外部振動を除去する除
振台33上に載置されている。なお、図7に示した電子
線描画装置20においては、電子ビームBのオン・オ
フ、集束ビームサイズの調整、電子ビームの偏向(ウォ
ブリング)等を制御するビーム関連の制御と、機構系の
制御とを行うコンピューター制御装置は記載を省略して
あるものとする。
【0065】電子ビーム発生・集束部31は、電子銃2
1、コンデンサーレンズ22、ブランキング電極(ビー
ム変調部)23、アパーチャー24、ビーム偏向電極2
5、フォーカス調整用レンズ26、および対物レンズ2
7により構成されている。
【0066】例えばLaB6 等の熱電子線銃21から放
出され、陽極により数kV〜100kVで加速された電
子が静電レンズであるコンデンサーレンズ22により集
束され、ブランキング電極23を介してアパーチャー2
4に達する。
【0067】アパーチャー24で絞られた電子ビームB
は、ビーム偏向電極25に達するが、このビーム偏向電
極25には、高速ウォブリング周波数信号発生手段40
が接続されてなり、ここから、電子ビームBが高速ウォ
ブリングをするために必要とされる周波数fhを与える
ための信号が発生するようになされている。この周波数
fhについては後述する。
【0068】ビーム偏向電極25を通過したのち、電子
ビームBは静電または電磁型レンズであるフォーカス調
整用レンズ26、対物レンズ27により電子線用レジス
トが塗布されたガラス製の支持体10上に集束されてス
ポットを照射するようになされており、支持体10上
で、図6を示して説明したような描画を行う。
【0069】ここで、アパーチャー24の上部のブラン
キング電極23は、照射電子ビームBをオン・オフさせ
る機能を有する。実際にはブランキング電極間に電圧を
印加したとき、電子ビームBは大きく偏向され、アパー
チャー24から外れてオフ状態となる。対物レンズ27
は、支持体10上の感光剤層上に照射される電子ビーム
Bを集束させ、微小なスポットに絞り込む。
【0070】図7中の機構部32は、支持体10を上部
にチャッキングするようなスピンドル28が、スライド
29上に配置された構成を有している。スピンドル28
は、高精度に回転数を制御されてなり、その回転数は、
光学式ロータリーエンコーダーを用いたサーボ機構によ
り、一回転あたり10-7以下の回転ジッターで制御され
るようになされている。
【0071】また、スライド29は、リニアモーター型
エアスライドで、送りスピードはスライドに装着したレ
ーザースケール(図示せず)により測長機構により精密
に制御されて、数nmの送り精度で光ディスク作製用の
原盤すなわち支持体10の半径方向に駆動するようにな
されている。支持体10を回転させながら、記録スポッ
トを半径方向に一回転あたり等距離ずつ移動することに
より、グルーブあるいはピットの潜像を一定のトラック
ピッチで、スパイラル状、あるいは同心円状に形成する
ことができる。
【0072】電子ビームの伝播中に、他電子、他分子と
衝突すると、電子ビームが散乱され、広がりを持ったり
してエネルギー損失を被るので、電子線描画装置20に
おける電子ビームを伝播させる領域は、通常高真空状態
に保持される。すなわち、電子ビーム発生・集束部31
は電子線近傍において10-6〔Pa〕以下程度の超高真
空、対物レンズ27近傍、および機構部32は10
-3〔Pa〕以下程度の真空度に保持される。
【0073】次に、上述した1本の電子ビームでGBR
パターンの描画を行う場合の、記録信号の様式につい
て、図8A、図8Bを用いて説明する。
【0074】図8Aに示されているように、高速ウォブ
リング用の正弦波Sig−HFW=Esin(2π・f
h・t)(E:振幅、fh:周波数)を、形成するグル
ーブGの両側の壁へ与える2つのGBR記録信号、すな
わち図8A中、Sig−GAおよびSig−GBで、正
電圧側と負電圧側とにそれぞれ重畳した合成信号を、図
8Bに示すSig−Sとする。但し、Sig−GAの振
幅中心電圧を+Eとし、Sig−GBの振幅中心電圧を
−Eとする。
【0075】次に、高速ウォブリング用の記録信号すな
わちSig−Sの生成プロセスについて、図9を参照し
て説明する。先ず、減算回路により、Sig−GAとS
ig−GBの差信号、即ち時刻tにおけるSig−Sの
エンベロープ振幅ΔSig−Gを得る。次に、積算回路
により、上記ΔSig−Gと高速ウォブリング信号Si
g−HFWのsin成分であるsin(2π・fh・
t)との積Sig−S2 を得る。また同時に、Sig−
GAとSig−GBの平均化を行い、Sig−OFTを
生成する。これは、その時刻tにおけるSig−Sエン
ベロープの、原点からのオフセット量を表している。上
記Sig−S2 とSig−OFTとの加算により、最終
的に偏向器駆動回路へ入力する信号Sig−Sが生成さ
れる。
【0076】なお、上述のような記録方式にした結果、
従来のようなレーザー光による2ビーム露光時において
問題とされる2ビームスポット間隔が開きすぎてしまう
ことに起因する2ビーム間の未露光部分の発生、および
隣接ビームの相互干渉の問題が生じない点において、本
発明方法は優れている。
【0077】また、GBR記録信号は、パターン記録時
および再生時の双方で発生する符号間干渉、すなわち隣
接するグルーブの壁の信号を読み取ったりすることを予
め除去することを特徴としているが、レーザー露光法で
は2ビームの間隔調整のナノメートルオーダーでの正確
な再現が非常に困難で、その結果符号間干渉を完全に除
去することがほぼ不可能であった。これに対して、本発
明の1本の電子線を用いた露光方法においては、描画に
おける再現性が非常に優れているために、GBR方式の
長所である符号間干渉の除去を実現することができるの
である。
【0078】次に、上述した本発明の光学記録媒体作製
用原盤のグルーブの露光について、図6を示して説明し
た電子線による高速ウォブリングを行う際に、必要とさ
れる周波数fhについて検討する。
【0079】この周波数fhは、グルーブ自体に与えら
れているウォブリングの周波数、すなわちGBR記録信
号のウォブリング周波数よりも充分に高い値でなければ
ならない。そこでまず、GBR記録信号fgについて考
察すると、そのウォブリング周波数は最大でも再生時の
光学的検出限界を越えることがない。すなわち、GBR
記録信号のウォブリング周波数が、信号再生時の光学的
検出限界を越えてしまうと、読み出し光のスポットが、
隣接する信号にまで被さってしまい、正確な信号の再生
ができないからである。
【0080】ここで、再生時の光学的検出限界(MTF
(Modelation Transfer Fanction ))カットオフ)は、
再生光のスポットの径をφ(再生波長=λ、対物レンズ
の開口数=N.A.のとき、φ=λ/N.A.)とする
と、空間長Lco=φ/2で与えられる。現実的に考え
られるφについて考察すると、λ=400〔nm〕、
N.A.=0.85としたときの、φ=470〔nm〕
が、φの最小値であるので、これより空間長Lco=2
35〔nm〕が導かれる。
【0081】空間長Lcoを記録信号周波数に換算する
際に、記録線速度に比例することを考慮しなくてはなら
ないが、電子線描画っそうちの記録線速度の最大値は5
〔m/s〕程度の見積もりなので、この数字から計算す
ると、記録信号周波数の最大値fg(max)=21
〔MHz〕となる。
【0082】ここで、サンプリングの定理により、一般
的に知られているように、再生時に必要なサンプリング
周波数は、記録信号周波数の最低2倍あれば良い。すな
わち、パターン描画時には、記録信号周波数の最大値f
g(max)の2倍の周波数で高速ウォブリングを行
い、グルーブ壁の位置を記録していけばよい。これよ
り、電子線の高速ウォブリングの周波数fhは、光学記
録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒体の再生波
長をλ、対物レンズの開口数をN.A.としたときに得
られる再生光学系の検出限界空間長Lco=(λ/2
N.A.)に対し、記録線速度をvとしたときに、fh
≧(2v/Lco)であればよい。
【0083】上述したことから、記録信号周波数の最大
値fg(max)を、21〔MHz〕とした場合には、
電子線描画を行う際の高速ウォブリング周波数fhは、
42〔MHz〕以上あればよいことになる。
【0084】但し、上述の最低限度程度の周波数に、高
速ウォブリング周波数fhに設定した場合には、これで
電子線露光を行って形成したグルーブの両側の壁が、滑
らかに形成されず、その表面がギザギザの形状に荒れた
状態になるおそれがある。グルーブの両側の壁に形成さ
れたギザギザの形状は、現在において、光学的信号検出
限界を越える程度に細かくなされているので、最終的に
作製した光学記録媒体の信号再生において、特に問題と
はなってはいないが、光学記録媒体作製用原盤を用いて
作製された光学記録媒体を、将来において、現在よりも
より小さい再生光スポット径で信号検出を行うような場
合に問題となったりするおそれがある。
【0085】また、グルーブの両側の壁の形状が荒れて
いると、グルーブ表面に形成される反射膜や記録膜等が
良好な状態で成膜することが困難になり、信号再生の際
にノイズの発生原因となることも考えられる。上述した
ことから、グルーブの両側の壁の形状は、滑らかに形成
することが望ましい。以下、図を参照して説明する。
【0086】グルーブの両側の壁の表面形状を滑らかに
するためには、図10に示すように、電子線による高速
ウォブリングにおける空間長周期Lh、すなわち、グル
ーブの片側壁面上にある露光スポットが、高速ウォブリ
ングによって他の一方のグルーブの壁面を露光し、再び
元のグルーブの壁面に戻って来るまでの一周期でスポッ
トが接線方向に移動する距離Lhが、経験的に電子線の
ビーム径の半値幅φ以下であればよいことがわかる。
【0087】すなわち、電子線の記録線速度をv2
し、電子線の高速ウォブリングの周波数をfh2 とし、
電子線ビームの径の半値幅をφとしたとき、電子線によ
る高速ウォブリングにおける空間長周期Lh=(v2
fh2 )≦φとすることが必要であり、このようにする
ことによって、高速ウォブリングの際、電子線の露光ス
ポットの一部あるいは全部がグルーブの壁面全てに渡っ
て通過し、充分な露光強度で露光が必要な範囲を塗りつ
ぶすように露光がなされ、図11に示すように、グルー
ブの壁の表面形状が滑らかに形成される。
【0088】他方において、図12に示すように、電子
線による高速ウォブリングにおける空間長周期Lh、す
なわち、グルーブの片側壁面上にある露光スポットが、
高速ウォブリングによって他の一方のグルーブの壁面を
露光し、再び元のグルーブの壁面に戻って来るまでの一
周期でスポットが接線方向に移動する距離Lhが、電子
線のビーム径の半値幅φよりも大きいと、高速ウォブリ
ングの際、電子線の露光スポットがグルーブの壁面全て
を通過することができず、露光が必要な範囲を充分に露
光することができないので、図13に示すように、グル
ーブの壁の表面形状がギザギザ状になってしまう。
【0089】ここで、例を挙げて説明する。例えば、記
録波長をλ=351〔nm〕とし、対物レンズの開口数
N.A.=0.90のとき、φ=240〔nm〕である
が、実際に実験を行った結果、Lh=200〔nm〕以
下では滑らかな表面の壁のグルーブが形成され、Lh=
250〔nm〕以上とすると、グルーブの両側の壁の表
面にぎざぎざがついて荒れることが確かめられた。電子
線ビーム径の半値幅φは、現在において最小50〔n
m〕程度まで小さくすることが可能であるが、電子線に
よる高速ウォブリングにおける空間長周期Lh=50
〔nm〕に設定すると、記録線速度が5〔m/s〕とし
たときに、高速ウォブリング周波数fh=100〔MH
z〕となる。以上のことから、高速ウォブリング周波数
fhは、100〔MHz〕以上に設定しておくことが望
ましい。
【0090】上述した本発明の光学記録媒体光学記録媒
体作製用原盤の製造方法、および光学記録媒体作製用原
盤製造装置の例においては、GBR方式を適用して、電
子線照射により露光をする場合について説明したが、本
発明は上述した例に限定されるものではない。すなわ
ち、露光により形成するグルーブの両側の壁が、独立の
ウォブリング(蛇行)する光学記録媒体であれば、他の
フォーマットを有する光学記録媒体についても同様に適
用できる。
【0091】また、主に記録可能な光ディスクのアドレ
ス信号用途として考えられるが、例えば、ランド/グル
ーブ記録フォーマットのアドレス挿入方法として、提案
されている「片側ウォブル方式」では、グルーブの両側
の壁のうち、片側のみにウォブリングで信号を記録し、
それを、ランドとグルーブで共有するようになってい
る。この「片側ウォブル方式」においては、片側の壁が
直線形状となっているので、上記において、図8Aに示
して説明した記録信号Sig−Sの片側(例えばSig
−GB)は、直流(DC)にする。
【0092】また、直線形状のグルーブ、あるいはグル
ーブの両側の壁が同調してウォブリングされるグルーブ
を描画する際にも、露光スポット径よりも太い幅を形成
する場合には、上述した高速ウォブリングの手法は有用
である。
【0093】例えば、図14に示すように、記録可能な
光ディスクのアドレスフォーマットで、グルーブを中断
して、アドレスピットが挿入されている構成を有する場
合、一般的にピット幅とグルーブ幅の最適値は異なりこ
れらの大きさを区別して形成しなければならない。これ
を、1本の電子線で描画する場合、従来のレーザー露光
では入力信号電圧値をグルーブ部分とピット部分とで、
それぞれ独立に調整して、それぞれの露光強度を最適に
制御することが必要とされてきたが、電子線を用いて高
速ウォブリングにより露光を行う場合には、図14に示
すように、グルーブあるいはピットのうち、幅の細い方
(通常はピット)の幅に電子線のスポット径を合わせる
ように調整し、幅の太い方(通常はグルーブ)の部分
は、上述した高速ウォブリングにより露光することとす
る。この場合、電子線の高速ウォブリングの周波数fh
2 を、電子線のビーム径の半値幅をφ、記録線速度をv
2 としたとき、fh2 ≧(v2 /φ)になるように調整
して、幅全体を描画軌跡で塗りつぶすようにして露光す
るものとし、幅の細い方は、直線状に描画することによ
って露光することによって、グルーブおよびピットの双
方を所望の幅に形成し、かつ高速ウォブリングによって
露光形成したグルーブの壁の表面形状を滑らかに形成す
ることができる。よって、異なる幅の露光を1本の電子
線の走査により行うことができ、また、電子線のウォブ
リングの周波数を制御することにより、最終的に得られ
る光学記録媒体作製用原盤から、転写して作製できる光
学記録媒体の、信号再生を良好な状態で行うことが可能
になった。
【0094】
【発明の効果】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造
方法においては、グルーブの両側の壁を形成する際に1
本の電子線を用いてグルーブの両側の壁間において高速
ウォブリングさせて感光剤を露光するものとしたので、
従来、2本のレーザービームにより露光を行っていた場
合の、露光毎のビーム間隔再現性の不安定を回避するこ
とができ、また、2つの露光スポット間の相互干渉によ
る正しいグルーブ壁位置からのずれの発生等の問題が生
じることを回避することができ、GBR方式の特徴であ
るパターン記録および再生時の符号間干渉除去を効果的
に実現することができ、最終的得られる光学記録媒体作
製用原盤の高密度記録化を図ることができた。
【0095】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法においては、電子線の高速ウォブリングの周波
数fhを、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学
記録媒体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.
A.としたときに得られる再生光学系の検出限界空間長
Lco=(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvと
したときに、fh≧(2v/Lco)と規定したので、
最終的に得られる光学記録媒体の信号再生を良好に行う
ことのできる光学記録媒体作製用原盤を提供することが
できた。
【0096】本発明の光学記録媒体においては、従来の
光学記録媒体よりも微細なトラックピッチのグルーブを
有する構成としたので、従来の光学記録媒体よりも高密
度記録化が図られ、大容量の光学記録媒体を実現でき
た。
【0097】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造装
置においては、グルーブの両側の壁を形成する際に、電
子銃から1本の電子線を発射させ、これをグルーブの両
側の壁間において高速ウォブリングさせて感光剤を露光
する構成としたので、従来のGBR方式と電子線描画を
組み合わせた露光が可能になり、微細なグルーブパター
ンの形成ができるようになり、光学記録媒体作製用原盤
の高密度記録化を図ることができた。
【0098】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造装置においては、電子線の高速ウォブリングの周波
数fhを、光学記録媒体作製用原盤から作製される光学
記録媒体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.
A.としたときに得られる再生光学系の検出限界空間長
Lco=(λ/2N.A.)に対し、記録線速度をvと
したときに、fh≧(2v/Lco)と規定する、高速
ウォブリング周波数信号発生手段を設けた構成としたの
で、最終的に得られる光学記録媒体作製用原盤を転写し
て得られる光学記録媒体の信号再生を良好に行うことが
できるようになった。
【0099】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法の他の一の発明においては、記録可能な光ディ
スクのアドレスフォーマットで、グルーブを中断して、
アドレスピットが挿入されている構成を有する場合に、
グルーブあるいはピットのうち、幅の細い方(通常はピ
ット)の幅に電子線のスポット径を合わせるように調整
し、幅の太い方(通常はグルーブ)の部分は、上述した
高速ウォブリングにより露光することとし、電子線の高
速ウォブリングの周波数fh2 を、電子線のビーム径の
半値幅をφ、記録線速度をv2 としたとき、fh2
(v2 /φ)になるように調整してグルーブの幅全体
を、電子線描画軌跡で塗りつぶすようにして露光するも
のとし、幅の細い方は、直線状に描画することによって
露光したので、グルーブおよびピットの双方を、所望の
幅に露光することができた。これにより、異なる幅の露
光を1本の電子線の走査により行うことができ、また、
電子線のウォブリングの周波数を制御することにより、
最終的に得られる光学記録媒体作製用原盤から、転写し
て作製できる光学記録媒体の、信号再生を良好な状態で
行うことが可能になった。
【0100】また、本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法において、電子線の高速ウォブリングの周波数
fh2 を、電子線ビーム径半値幅をφ、記録線速度をv
2 としたとき、特にfh2 ≧(v2 /φ)の関係が成立
するように規定することにより、形成するグルーブの壁
面全てに渡って電子線の露光スポットの一部あるいは全
部が通過するようになされ、壁の表面形状の滑らかなグ
ルーブの形成がなされた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法の
一例の工程図を示す。
【図2】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法の
一例の工程図を示す。
【図3】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法の
一例の工程図を示す。
【図4】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法に
おいて形成することができるグルーブの概略平面図を示
す。
【図5】GBR方式により形成したグルーブの両側の壁
による記録信号の模式図を示す。
【図6】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法に
おける電子線描画のスポットの軌道の概略平面図を示
す。
【図7】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造装置で
ある電子線描画装置の概略図を示す。
【図8】A 本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方
法における電子ビームの高速ウォブリング用の正弦波と
グルーブの両側の壁に与えられるGBR記録信号の概略
状態図を示す。B 本発明の光学記録媒体作製用原盤の
製造方法における高速ウォブリング用の合成信号の概略
状態図を示す。
【図9】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法に
おける電子ビームの高速ウォブリング用記録信号の生成
プロセス図を示す。
【図10】高速ウォブリングによる空間長周期Lhと電
子線ビーム径の半値幅φとの関係と、露光スポットの移
動状態の概略図を示す。
【図11】グルーブ壁の表面形状の概略図を示す。
【図12】高速ウォブリングによる空間長周期Lhと電
子線ビーム径の半値幅φとの関係と、露光スポットの移
動状態の概略図を示す。
【図13】グルーブ壁の表面形状の概略図を示す。
【図14】本発明の光学記録媒体作製用原盤の製造方法
における、電子ビームの高速ウォブリングにより形成す
ることのできるグルーブとピットの状態図を示す。
【図15】従来構造の光ディスクの概略斜視図を示す。
【図16】光ディスクの信号記録面の拡大図であってグ
ルーブの概略斜視図を示す。
【図17】光ディスクの信号記録面の拡大図であってピ
ットの概略斜視図を示す。
【図18】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図19】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図20】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図21】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図22】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図23】従来の光ディスク作製用原盤および光ディス
ク用基板の作製工程図を示す。
【図24】電子線描画装置の一例の概略構成図を示す。
【図25】GBR方式による光学記録媒体のグルーブの
概略図を示す。
【図26】GBR方式による光学記録媒体のグルーブの
両側の壁による記録信号の模式図を示す。
【図27】2つのレーザー露光スポットを適用してフォ
トレジストの露光を行うときの概略状態図を示す。
【図28】2ビームによるGBRフォーマットのレーザ
ー露光を行うときの、それぞれの露光ースポットの走査
軌道とそれぞれにおいて形成されるグルーブ壁面の概略
図を示す。
【図29】2つのビームスポットによりレーザー露光を
行った際のスポット間の距離の状態図を示す。
【図30】GBRフォーマットにおける平均トラック間
隔と平均グルーブ幅Wdの関係の概略図を示す。
【符号の説明】
10 支持体、11 フォトレジスト、12 対物レン
ズ、20 電子線描画装置、21 電子銃、22 コン
デンサーレンズ、23 ブランキング電極、24 アパ
ーチャー、25 ビーム偏向電極、26 フォーカス調
整用レンズ、27 対物レンズ、28 スピンドル、2
9 スライド、31 電子ビーム発生・集束部、32
機構部、33 除振台、40 高速ウォブリング周波数
信号発生手段、100 光ディスク、101 基板、1
02 信号記録面、103 グルーブ、104 ピッ
ト、110 支持体、111 フォトレジスト、112
対物レンズ、113 ランド、115 Niメッキ
層、117 光ディスク作製用原盤、120 ディスク
基板、200 電子線描画装置、201 電子ビーム発
生・集束部、202 機構部、211 電子銃、212
コンデンサーレンズ、213 ブランキング電極、2
14 アパーチャー、215 ビーム偏向手段、216
フォーカス調整用レンズ、217 対物レンズ、21
8 スピンドル、219 エアスライド、220 除振
台、301 第1のレーザー光、302第2のレーザー
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月21日(2000.2.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D029 WA02 WB11 WC01 WD10 5D118 AA06 BA01 BB09 BC08 CB02 5D119 AA22 BA01 BB09 DA01 FA02 JA02 JA12 JA43 5D121 BB01 BB21 BB38

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、感光剤層を形成する工程
    と、 該感光剤層上を、電子線により描画する描画工程と、 該描画工程後、現像処理を行い、上記感光剤層上に、少
    なくともグルーブの凹凸パターンを形成する工程とを有
    する光学記録媒体作製用原盤の製造方法において、 上記グルーブの両側の壁を形成する際に、上記感光剤を
    露光して描画に用いる電子線を1本のみとし、該電子線
    を、グルーブの両側の壁間において高速ウォブリングさ
    せて上記感光剤を露光するものとし、 該電子線の高速ウォブリングの周波数fhは、 上記光学記録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒
    体の再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.A.とし
    たときに得られる再生光学系の検出限界空間長Lco=
    (λ/2N.A.)に対し、 記録線速度をvとしたときに、fh≧(2v/Lco)
    であることを特徴とする光学記録媒体作製用原盤の製造
    方法。
  2. 【請求項2】上記グルーブの両側の壁は、それぞれ独立
    した形状にウォブル(蛇行形状に形成すること、以下単
    にウォブルという)していることを特徴とする請求項1
    に記載の光学記録媒体作製用原盤の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に、グルーブの凹凸パターンが形
    成されてなる光学記録媒体であって、 上記グルーブの両側の壁は、それぞれ独立した形状にウ
    ォブルしているものとし、 上記グルーブのトラックピッチが、600〔nm〕以下
    であることを特徴とする光学記録媒体。
  4. 【請求項4】 電子ビーム発生・集束部と、機構部とに
    より構成されるものとし、電子ビーム発生・集束部は、
    少なくとも、電子銃と、コンデンサーレンズと、ブラン
    キング電極とアパーチャーと、ビーム偏向電極と、フォ
    ーカス調整用レンズと、対物レンズとにより構成されて
    成り、 上記機構部は、感光剤層を形成した支持体を載置するス
    ピンドルと、上記支持体を、電子線照射部との相対位置
    を移動可能とするスライドとにより構成されてなるもの
    とし、 上記ビーム偏向電極には、電子線をウォブリングさせる
    ための高速ウォブリング周波数信号発生手段が設けられ
    てなり、該電子線の高速ウォブリングの周波数fhは、
    光学記録媒体作製用原盤から作製される光学記録媒体の
    再生波長をλ、対物レンズの開口数をN.A.としたと
    きに得られる再生光学系の検出限界空間長Lco=(λ
    /2N.A.)に対し、記録線速度をvとしたときに、
    fh≧(2v/Lco)であることを特徴とする光学記
    録媒体作製用原盤の製造装置。
  5. 【請求項5】 支持体上に、感光剤層を形成する工程
    と、 該感光剤層上を、電子線により描画する描画工程と、 該描画工程後、現像処理を行い、上記感光剤層上に、少
    なくとも2種類の幅の異なる微細凹凸パターンを形成す
    る工程とを有する光学記録媒体作製用原盤の製造方法に
    おいて、 上記感光剤を露光して描画に用いる電子線を1本のみと
    して、 該電子線のビーム径を上記微細凹凸パターンのうち、最
    も幅の狭い微細凹凸パターンの幅と一致させるように
    し、 該最も幅の狭い微細凹凸パターンよりも幅広の微細凹凸
    パターンの描画については、 該電子線を、上記微細凹凸パターン両側の壁間において
    高速ウォブリングさせて上記感光剤を露光するものと
    し、 該電子線の高速ウォブリングの周波数fh2 は、 電子線ビーム径半値幅をφ、記録線速度をv2 としたと
    き、 fh2 ≧(v2 /φ)であることを特徴とする光学記録
    媒体作製用原盤の製造方法。
  6. 【請求項6】 fh2 ≧100〔MHz〕であることを
    特徴とする請求項4に記載の光学記録媒体作製用原盤の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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