JP3999579B2 - 電子線記録装置および電子線記録方法 - Google Patents

電子線記録装置および電子線記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクの原盤を製造する技術に関する。より具体的には、本発明は、電子線を使用して高密度光ディスクの原盤を製造する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子線記録装置(Electron Beam Recorder)は、感光剤(レジスト)が塗布された原盤上に、電子線を絞込み、照射させ、任意の信号パターンを露光記録する装置である。信号パターンが露光されたレジスト原盤を現像すると、信号ピット、あるいは記録再生時のトラッキング用の案内溝等の凹凸形状が形成されたディスク原盤を得ることができる。
【0003】
図10は、従来の電子線記録装置900の構成を示す概略図である。電子線記録装置900は、電子線を放出する電子線源901と、電子線源901から放出された電子線を加速する加速電極902と、加速された電子線912を収束させる電子線用レンズ903と、任意の情報信号に応じて電子線912の進行方向を変更する電極904とを有する。任意の情報信号が電圧制御部(図示せず)に与えられると、電圧制御部は電極904に電圧を印加して、電子線を偏向する。電子線記録装置900はさらに、電子線を偏向した場合に、レジスト原盤907への電子線の照射を遮蔽する遮蔽板905と、レジスト原盤907上に電子線を収束させる電子線用レンズ906と、レジストが塗布されたレジスト原盤907と、レジスト原盤907を回転させるターンテーブル908と、回転するターンテーブル908を、レジスト原盤907の径方向にスライドさせるスライダ909とを有する。電子線記録装置900の各構成要素は、真空中に配置されている。電子線記録装置900は、ターンテーブル908を回転させつつ、スライダ909でレジスト原盤907を径方向にスライドさせ、円形のレジスト原盤の内周側から外周側に向かって、あるいは外周側から内周側に向かって、信号パターンをスパイラル状に露光(記録)する。
【0004】
図11は、電子線源901(図10)側から見た、遮蔽板905と電子線との位置関係を示す図である。図には、レジスト原盤907もあわせて示す。電極904(図10)に電圧が印加されていない場合には、電子線は、位置921を通過する。よって、レジスト原盤907に電子線が照射される。レジスト原盤907は、矢印923の向きに回転しているので、電子線が照射されている間は、いわゆるピット等が形成される。電極904(図10)に所定の電圧が印加された場合には、電子線は、記録接線方向の経路920に沿って遮蔽板905により遮られる方向へ移動し、位置922にいたる。これにより、レジスト原盤907には、ピットでない領域、いわゆるスペースが形成される。経路920に沿って、電子線を位置921または922に移動させることにより、レジスト原盤907に所望のパターンが形成される。なお遮蔽板905の端面は、電子線が位置921を通過する際に、電子線に接するように配置されている。
【0005】
図12の(a)〜(c)は、所定の情報信号から、所望のピットパターンを記録する具体例を説明する図である。図12の(a)は、電圧が高レベルのとき、記録マークを形成し、低レベルのときピット間のスペースを形成する信号である。電子線記録装置900(図10)の図示されない電圧制御部は、図12の(a)に示す信号から、図12の(b)に示す変調信号を生成する。電圧制御部が変調信号を電極904(図10)に入力すると、電子線は信号に応じて記録接線方向に曲げられる。具体的には、変調信号が0Vのとき電子線は曲げられることなくレジスト原盤907に照射され、変調信号がマイナス電圧になるにしたがって、電子線は遮蔽板905(図11)側に曲げられる。図12の(b)に示す変調信号が電極904(図10)に入力されると、電子線は、経路920(図11)に沿って位置921と922(図11)の間を往復し、ピットが記録される。図12の(c)は、記録されたピットを示す。
【0006】
なお、通常、記録するピット幅や、案内溝の幅を変更するときは、電子線記録装置900は、ターンテーブル908(図10)の回転線速を変更し、レジスト原盤907(図1)に対する単位面積あたりに照射される電子線のエネルギー量を調整する。電子線の照射量、あるいは電子線の加速電圧等は、高速に変化させることができないからである。ただし、電子線の加速電圧の設定を変更することはできる。電子線の加速電圧を変更することで、レーザ光を用いて露光した場合の、レーザ光の波長を変更するのと同じ効果が得られる。以下の表1は、電子線の加速電圧と換算したレーザ光の波長との関係を示す。表から明らかなように、加速電圧を大きくすれば、換算波長が短くなる。よって、ビームを絞ることができるため、光ディスクを高密度化できる。
【0007】
【表1】
Figure 0003999579
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の電子線記録装置では、ディスクの高密度化を実現するのは困難である。それは、従来の電子線記録装置でパターンを記録すると、図12の(c)に示すようにピットの始端と終端の幅が異なる涙形のピットになり、ピットの始端と終端の形状がそろった均一な形状のピットを得ることができないからである。これでは、光ディスクの高密度化に伴って最小ピット長がより短くなった場合に、読み出し/書き込みエラーが生じるおそれが大きい。
【0009】
均一な形状のピットを形成できない理由は、以下のとおりである。まず電子線記録装置900(図10)では、電子線は遮蔽板905とレジスト原盤907との間を往復するので、経路920(図11)に示す記録接線方向のみを走査することになる。そのため、レジスト原盤の回転方向に対して、ピットの記録開始時においては、電子線は順方向でレジスト原盤907上へ移動し、ピットの記録終了時においては、逆方向でレジスト原盤907上から遮蔽板905上へ移動する。レジスト原盤に対して照射される単位面積あたりの電子線のエネルギー量は、ピットの記録開始時(すなわちピットの始端形成時)は大きく、記録終了時(すなわちピットの終端形成時)は小さい。よって、ピットの始端の幅は広く、終端の幅は狭くなる。
【0010】
本発明の目的は、電子線記録装置を使用した光ディスクの原盤作製工程において、ピットの始端と終端の形状が揃った、均一な形状のピットを形成することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、電子線を遮るための遮蔽板を、レジスト原盤の記録接線方向に並べ、それぞれの遮蔽板の端面が、レジスト原盤に照射されるときの電子線を中心にして、対向するように、かつレジスト原盤に照射されるときの電子線に接するように配置し、電子線を記録方向に対して常に一定方向に走査させることによって、ピットの始端と終端での、レジスト原盤に対する電子線の照射エネルギー量が同じとなるようにした。また、ピット間のミラー部を形成する間に、電子線をレジスト原盤に照射しないようにもとのピット記録開始位置まで戻し、次のピットを形成するときも、前のピットを形成するときと同じ向きに電子線を走査させるようにした。この構成によって、ピットの始端と終端の形状がそろった均一な信号ピットの形成が実現できる。
【0012】
具体的には以下のとおりである。
本発明の電子線記録装置は、電子線を発する電子線源と、所定の情報信号に基づいて電圧を生成する電圧制御部と、電圧制御部が生成した前記電圧に応じて前記電子線を偏向する制御電極と、前記電子線を通過させる通過位置としてのスリットを有する遮蔽板と、レジスト原盤が載置され、レジスト原盤を回転させるターンテーブルとを有する遮蔽板は、遮蔽位置を規定する第1の遮蔽部及び第2の遮蔽位置を有し、通過位置を挟むようにして、第1の遮蔽部と第2の遮蔽部が対向するように配置される。電圧制御部は、制御電極に印加する前記電圧を制御して、遮蔽板を含む平面上での電子線の位置が、前記第1の遮蔽部上の第1の遮蔽位置から前記通過位置へ移動する時の遮蔽板に対する第1の速度と、前記通過位置から第2の遮蔽部上の第2の遮蔽位置へ移動する時の遮蔽板に対する第2の速度とを等しくする。これにより上記目的が達成される。
【0013】
電圧制御部は、ターンテーブルから前記レジスト原盤の回転速度に関する情報を受け取って、前記レジスト原盤の線速度を取得し、前記線速度前記第1の速度から減算して得られる第1の相対速度と、前記線速度前記第2の速度から減算して得られる第2の相対速度とを等しくしてもよい。
【0014】
遮蔽板を含む平面上での電子線の位置を、第1の遮蔽位置から通過位置へ移動させる時の方向と、第2の遮蔽位置から通過位置へ移動させる時の方向とは、同じ方向であってもよい。
【0015】
前記制御電極は、前記電子線を、第1の方向に偏向する第1の電極と、前記電子線を前記第1の方向と垂直な第2の方向に偏向する第2の電極とからなり、電圧制御部は、前記第1の電極および前記第2の電極に印加する各電圧を制御して、第2の遮蔽位置から前記電子線を、遮蔽板上の通過位置を経ることなく、第1の遮蔽位置まで、偏向させて移動させてもよい。
【0016】
前記第1の速度と前記第2の速度は、前記レジスト原盤の記録接線方向と平行であってもよい。
【0018】
遮蔽板は、前記第1の遮蔽部と前記第2の遮蔽部とを接続する第3の遮蔽部をさらに有し、第2の遮蔽位置から前記第1の遮蔽位置まで、前記第3の遮蔽部を介して、前記電子線を偏向させて移動させてもよい。
【0019】
遮蔽板の前記スリットの幅は、前記電子線の直径と等しくてもよい。
また、制御電極は、前記電圧制御部が生成した電圧に応じて、遮蔽板の第1の遮蔽部、第2の遮蔽部、および、通過位置上で、電子線を任意の方向に偏向するようにしてもよい。
【0020】
本発明の電子線記録方法は、電子線を発する電子線源と、所定の情報信号に基づいて電圧を生成する電圧制御部と、電圧制御部が生成した前記電圧に応じて前記電子線を偏向する制御電極と、前記電子線を通過させる通過位置としてのスリットを有する遮蔽板と、レジスト原盤が載置され、該レジスト原盤を回転させるターンテーブルとを有する電子線記録装置において用いられる。遮蔽板は、遮蔽位置を規定する第1の遮蔽部及び第2の遮蔽位置を有し、通過位置を挟むようにして、第1の遮蔽部と第2の遮蔽部が対向するように配置される。すなわち電子線記録方法は、前記電子線を偏向して、前記電子線を、第1の遮蔽位置から前記通過位置へ、第1の速度で移動させるステップと、前記電子線を、前記通過位置を介して前記レジスト原盤に照射するステップと、前記電子線を偏向して、前記電子線を、前記通過位置から、第2の遮蔽部上の第2の遮蔽位置へ、遮蔽板を含む平面上での電子線の位置が第1の遮蔽部上の第1の遮蔽位置から通過位置へ移動する時の遮蔽板に対する第1の速度と等しい第2の速度で移動させるステップとを有する。これにより、上記目的が達成される。
【0021】
前記第2の速度で移動させるステップは、ターンテーブルから前記レジスト原盤の回転速度に関する情報を受け取って、前記レジスト原盤の線速度を取得するステップと、前記線速度前記第2の速度から減算して得られる第2の相対速度を、前記線速度前記第1の速度から減算して得られる第1の相対速度と等しくするステップとをさらに含んでいてもよい。
【0022】
遮蔽板を含む平面上での電子線の位置を、第1の遮蔽位置から通過位置へ移動させる時の方向と、第2の遮蔽位置から通過位置へ移動させる時の方向とは、同じ方向であってもよい。
【0023】
前記制御電極は、前記電子線を、第1の方向に偏向する第1の電極と、前記電子線を前記第1の方向と垂直な第2の方向に偏向する第2の電極とからなり、前記第1の電極および前記第2の電極に印加する各電圧を制御して、第2の遮蔽位置から前記電子線を遮蔽板上の位置を経ることなく、第1の遮蔽位置まで、偏向させて移動させるステップをさらに有していてもよい。
【0024】
前記第1の速度と前記第2の速度は、前記レジスト原盤の記録接線方向と平行であってもよい。
【0025】
電子線記録方法は、電圧制御部が生成した電圧に応じて、遮蔽板の第1の遮蔽部、第2の遮蔽部、および、通過位置上で、電子線を任意の方向に偏向するステップをさらに含んでもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明による電子線記録装置100の構成を示す概略図である。電子線記録装置(Electron Beam Recorder)は、感光剤(レジスト)が塗布された原盤上に、電子線を絞込み、照射させ、任意の信号パターンを露光記録する装置である。信号パターンが露光されたレジスト原盤を現像すると、信号ピット、あるいは記録再生時のトラッキング用の案内溝等の凹凸形状が形成されたディスク原盤を得ることができる。
【0028】
以下、電子線記録装置100の各構成要素を説明する。電子線記録装置100の各構成要素は、従来と同様に、真空中に配置されている。電子線記録装置100は、電子線を放出する電子線源101と、電子線源101から放出された電子線を加速する加速電極102と、加速された電子線112を収束させる電子線用レンズ103とを有する。
【0029】
電子線記録装置100はまた、電圧が印加されて電子線を偏向させる制御電極と、制御電極に印加する電圧を生成する電圧制御部111とを有する。この制御電極は、電圧が印加されて電子線の方向をレジスト原盤108の記録接線方向に偏向する電極104と、電圧が印加されて電子線の方向をレジスト原盤108の記録接線方向と略垂直方向に偏向する電極105とからなる。電圧制御部111は、所望の露光パターンに対応する情報信号を受け取り、電極104および105に印加する電圧を生成する。情報信号は、例えば、露光したいパターンの信号である。また、電圧制御部111は、後述のターンテーブル109の回転速度をも利用して、電子線を照射するレジスト原盤108の位置の接線方向の線速度を計算し、その線速度に応じた照射量等も決定する。この動作の詳細は後述する。
【0030】
電子線記録装置100は、さらに、遮蔽板106と、電子線用レンズ107と、レジストが塗布されたレジスト原盤108と、レジスト原盤108を回転させるターンテーブル109と、スライダ110とを有する。遮蔽板106は、電子線を偏向した場合に、レジスト原盤108への電子線の照射を遮蔽する。電極104および105と、遮蔽板106との距離は、約10cmである。電子線用レンズ107は、レジスト原盤108上に電子線を収束させる。電子線用レンズ107は、静電レンズ、電磁レンズ等が知られており、電子線を収束させる効果が得られるものであればよい。スライダ110は、回転するターンテーブル109を、レジスト原盤108の径方向にスライドさせる。
【0031】
次に、電子線記録装置100の概略的な動作を説明する。電子線源101から放出された電子線は、加速電極102に印加された電圧によってレジスト原盤108に向かって加速される。加速された電子線112は、電子線用レンズ103によって電極104および105の中心で収束される。電極104および105に印加された電圧に応じて、遮蔽板106で遮蔽されなかった電子線113は、電子線用レンズ107によって、レジスト原盤108上に収束される。これにより、レジスト原盤108が露光される。一方、電子線112が遮蔽板106で遮蔽された場合には、レジスト原盤108は露光されない。電子線記録装置100は、ターンテーブル109を回転させつつ、スライダ110でレジスト原盤108を径方向にスライドさせ、円形のレジスト原盤108の内周側から外周側に向かって、あるいは外周側から内周側に向かって、所望の信号パターンをスパイラル状に露光(記録)する。
【0032】
本発明の主な特徴は、遮蔽板106の構成、および、遮蔽板106を利用した電子線の制御動作にある。以下、これらの特徴を説明する。
【0033】
図2は、遮蔽板106の形状を示す図である。遮蔽板106は、各辺が2〜3cm以上の矩形であり、一つの辺に開口部(スリット)20を有する板状体である。スリット20の幅は、約200〜400μmである。図示されるように、電子線113の直径は、スリット20の幅とほぼ同じ大きさである。電子線113は、経路207の矢印で示す反時計回りの1方向に沿って移動し、スリット20を通過した場合に、レジスト原盤108(図1)に照射される。すなわち、スリット20は、電子線がレジスト原盤108へ向けて通過する位置であるといえる。図示されるように、電子線がスリット20を横切る方向の移動量は、約2〜3mm、スリット20と平行な方向の移動量は、約1〜3mmである。電子線の移動は、電極104および105により、電子線の偏向により実現される。
【0034】
図3を参照して、本発明による遮蔽板106を用いて、電子線がレジスト原盤108に照射される様子を説明する。図3は、電子線源101(図1)側から見た、遮蔽板106と電子線との位置関係を示す図である。電子線を遮蔽する遮蔽板106は、レジスト原盤108に照射される電子線の位置302を中心にして、レジスト原盤の記録接線方向に、遮蔽部が対向するように配置される。これらの対向する遮蔽部を接続する部分も、後述のように遮蔽部として機能する。遮蔽板106の端面は、レジスト原盤108に照射されるときの位置302の電子線に接するように調整されている。電子線は、図2にも示した経路27の矢印の方向に移動する。すなわち、電極104に電圧を印加することにより、電子線を、レジスト原盤108の記録接線方向に移動させることができる。また、電極105に電圧を印加することにより、電子線を、レジスト原盤108の記録接線方向と略垂直方向に移動させることができる。
【0035】
以下、電子線がレジスト原盤108に照射され、レジスト原盤108上から退避するための手順を概略的に説明する。まず、位置303では電極104には負電圧が印加されている。この状態から、電極104に印加する電圧を基準電圧(例えば、0V)に変化させると、電子線は位置303から位置302まで移動する。これにより、レジスト原盤108へ電子線が照射され、露光が開始される。露光が終了すると、電極104に印加する電圧を正電圧に変化させる。すると、電子線は位置302から位置304に移動する。一方、電極105に正電圧が印加されると、電子線は、遮蔽板106の右方向へ移動する。そこで、電極104に正電圧を印加した状態で、電極105にも正電圧を印加すると、電子線は、位置304から図の右方向へ移動する。その後は、順次、電極104の印加電圧を負まで変化させ、電極105の印加電圧を基準電圧(例えば、0V)に戻すと、電子線は、位置303に戻る。
【0036】
すなわち、電子線をレジスト原盤108に照射し、レジスト原盤108上から退避させる際には、電極104および電極105に印加する電圧の大きさおよびタイミングの調整が必要になる。これらに関する具体的な制御は、図5を参照して詳述する。なお、電子線の移動速度は、数nsのオーダ(例えば1〜2ns)で、非常に高速である。制御信号が入力される速度が直接影響する。すなわち入力信号の速度により制限を受ける。位置304から位置303への反時計回りの移動速度は十分速いので、数μm程度の間隔のピットを連続して記録できる。
【0037】
電子線を経路207に沿って移動させる際に非常に重要なのが、遮蔽板106からスリット20へ、スリット20から遮蔽板106へ移動する際の、電子線の移動速度である。図4の(a)〜(c)を参照して、詳しく説明する。図4の(a)は、レジスト原盤108と、電子線の速度との関係を示すベクトル図である。いうまでもなく、速度はベクトル量であるので、「2つの速度が等しい」とは、速さと向きの双方が等しいことを表す。まず、図に示すとおり、電子線の移動速度は、露光開始時に、遮蔽板106からスリット20へ移動する際の入射移動速度(VIN)、および、露光終了時に、スリット20から遮蔽板106へ移動する際の退避移動速度(VOUT)の2つが定義できる。これに応じて、回転するレジスト原盤108の線速度(Vd)に対する電子線の相対速度も2つ定義できる。ここでは、露光開始時の相対速度(ΔVIN)と、露光終了時の相対速度(ΔVOUT)である。図からも明らかなように、これらは下記の式1および式2により得ることができる。
【0038】
(式1)
露光開始時の相対速度(ΔVIN)=入射移動速度(VIN)−原盤の線速度(Vd)
(式2)
露光終了時の相対速度(ΔVOUT)=退避移動速度(VOUT)−原盤の線速度(Vd)
【0039】
本発明の主要な特徴は、下記条件1および/または条件2を満たすように、電子線の移動速度を調整することである。すなわち
(条件1)入射移動速度(VIN)=退避移動速度(VOUT
(条件2)露光開始時の相対速度(ΔVIN)=露光終了時の相対速度(ΔVOUT
である。
【0040】
図4の(b)は、上述の条件1に基づいて形成したピットを示す図である。内周側のピットおよび外周側のピットの各々において、始端と終端の形状が揃い、均一な形状を呈していることが理解される。よって、ピットの始端と終端の形状を揃えるという点では、条件1は有用である。
【0041】
ただし図から明からなように、内周側と外周側とではピットの形状は異なっている。これは、いわゆるCAV(Constant Angular Velocity)方式により露光した場合である。CAV方式では、レジスト原盤108の内周と外周とでは、回転速度が異なる。電子線の移動速度と、レジスト原盤108の回転速度(Vd)との差が大きいほど、始端および終端の形状がより丸みを帯びる。
【0042】
ピットの形状がディスク上の位置によって異なると、ディスクのアクセスにおいて問題が生じるおそれがある。よって、条件1は、CLV(Constant Linear Velocity)方式の方が好ましい。CLV方式は、ディスクのどの位置においても、レジスト原盤108の内周と外周とでは、回転速度が同じだからである。
【0043】
一方、図4の(c)は、条件2に基づいて形成したピットを示す図である。条件2の場合も、内周側のピットおよび外周側のピットのいずれもが、始端と終端の形状が揃い、均一な形状を呈している。さらに条件2によれば、レジスト原盤108の位置によることなく、始端と終端の形状が等しいピットを形成できる。条件2を満たす場合は、CAV方式およびCLV方式のいずれにより露光しても、均一な形状のピットを形成できる。なお、条件1および2の両方を満たすように電子線の移動速度を調整することにより、上述のいずれの利点も得ることができる。
【0044】
次に、図5を参照して、電子線を遮蔽板106上で移動させる制御を説明する。この制御は、電圧制御部111(図1)により行われる。図5の(a)は、遮蔽板106における電子線の位置を、X−Y座標を用いて示す図である。上述のように、電子線の位置は、電圧制御部111(図1)が、電極104および電極105(図1)に印加する電圧に応じて決定される。図5の(b)は、電極104(図1)に印加される電圧のタイミングを示すタイミングチャートである。電極104へ印加される電圧は、電子線のY軸方向の動きを制御するので、以下、この電圧を「Y方向制御電圧」と称する。図5の(c)は、電極105(図1)に印加される電圧のタイミングを示すタイミングチャートである。電極105へ印加される電圧は、電子線のX軸方向の動きを制御するので、以下、この電圧を「X方向制御電圧」と称する。
【0045】
図5の(a)に示されるように、時刻t=tで、電子線は初期位置A(0,y)に存在する。このとき、Y方向制御電圧は負、X方向制御電圧は0Vである。ここから、時刻t=tまでにかけて、電子線はスリット内の位置O(0,0)に移動する。すなわちY方向制御電圧は徐々に0Vになる。電子線はX方向に移動しないので、X方向制御電圧は0Vのままである。先に説明したように、電子線の移動速度は、非常に高速であり、制御信号が入力される速度の影響を直接受ける。ここでいう制御信号が、Y方向制御電圧である。より具体的には、図5の(b)において、時間区間t=[t,t]のY方向制御電圧のグラフの傾き(単位時間あたりの電圧変化量)が、電子線の移動速度に比例する。よって、移動速度をより早くしたい場合には、その変化の時間区間を短くすればよいし、遅くしたい場合には、長くすればよい。
【0046】
時間区間t=[t,t]では、電子線はスリット内に存在するので、レジスト原盤108(図3)が露光される。ピットの長さは、このときの線速度とこの時間区間長の積で得られる。時刻t=tにおいてピットの露光が終了すると、時刻t=tまでにかけて、電子線をB(0,−y)の位置まで退避させる。そのため、Y方向制御電圧を0Vから徐々に大きくする。留意すべきは、少なくとも電子線がスリットから抜け出るまで、時間区間t=[t,t]のY方向制御電圧のグラフの傾きと、時間区間t=[t,t]のY方向制御電圧のグラフの傾きとを等しくすることである。
【0047】
これにより、上述の条件1が満足される。なお、条件2を満足するためには、レジスト原盤108(図1)の線速度が必要である。線速度は、電圧制御部111(図1)がターンテーブル109の回転に基づいて、回転速度情報、または、角速度情報を取得して、計算すればよい。例えば、角速度をω、記録位置の回転中心からの距離をrとすると、線速度λは、λ=r・ωにより得られる。
【0048】
電子線がB(0,−y)の位置まで移動すると、次は、電子線を再びA(0,y)の位置まで戻す処理を行う。まず、時間区間t=[t,t]までの間、X方向制御電圧が徐々に大きくなる。これにより、電子線は、図5の(a)のX軸の正方向に移動して、C(x,−y)の位置まで移動する。Y方向制御電圧は、電子線をY=−yの位置に固定しておくため正の所定値のままである。その後、時間区間t=[t,t]までの間、Y方向制御電圧が徐々に小さくされ、時刻t=tにおけるY方向制御電圧の値と同じ、負の値にされる。これにより、時刻t=tにおいて、電子線はD(x,y)まで移動する。X方向制御電圧は、電子線をX=xの位置に固定しておくため正の所定値のままである。最後に、時間区間t=[t,t]までの間、X方向制御電圧が0Vにいたるまで徐々に小さくさる。これにより、時刻t=tにおいて、電子線は再びA(0,y)に戻る。時刻t=tからt=tまでは、数nsである。
【0049】
以上説明したように、電圧制御部111(図1)が、電極104に印加されるY方向制御電圧、および、電極105に印加されるX方向制御電圧を制御することにより、遮蔽板の複数の遮蔽部、および、スリット20上で電子線の移動を任意の方向に制御でき、レジスト原盤108(図1)上に所望のパターンを形成できる。
【0050】
以下、図6〜図9を参照して、電子線記録装置100(図1)により形成できる様々なパターンを説明する。図6〜図9においても、図5の(b)および図5の(c)に記載したような制御電圧の傾きが存在するが、記載の便宜上、それらは明示せず、単に垂直方向への立ち上がり、または、立ち下りのエッジとして簡略化して示す。
【0051】
図6の(a)〜(d)は、連続したピットパターンを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。信号ピットパターンを露光記録するとき、まず、図6の(a)に示す情報信号が入力される。これは、図6の(d)に示す所望のピットパターンに応じた情報である。具体的には、情報信号は、露光するタイミングでハイレベルになり、露光しないタイミング(すなわちスペースを設けるタイミング)でローレベルになる。
【0052】
図6の(a)に示す情報信号から、図6の(b)に示す変調信号と、図6の(c)に示すウォブル信号とが形成される。変調信号は、上述したY方向制御電圧(図5の(b))に対応し、電子線をレジスト原盤の記録接線方向に曲げる電極104(図1)に入力される。図5の(b)を参照して説明したように、変調信号の正、0、負に応じて、電子線の位置が変化する。一方、ウォブル信号は、上述したX方向制御電圧(図5の(c))に対応し、電子線をレジスト原盤108の記録接線方向に対して略垂直方向に曲げる電極105(図1)に入力される。図5の(c)を参照して説明したように、ウォブル信号の正、0、負に応じて、電子線の位置が変化する。
【0053】
図6の(b)に示す変調信号、および、図6の(c)に示すウォブル信号が入力されると、電子線は、反時計回りの環状経路207(図3)に沿って走査される。レジスト原盤108を照射する部分は、ここでは、レジスト原盤108が進む向きに対して同じ向きに走査され、記録ピットの始端、終端でのレジスト原盤108に対する照射エネルギー量が一定に保たれる。また、電子線をレジスト原盤108に照射しない時間に電子線は反時計回りに遮蔽板106上を進み、次のピットを記録するときも同じ走査向きでレジスト原盤に照射される。
【0054】
本発明の発明者は、電子線レジストを約100nmの厚みで塗布したシリコンウェハをレジスト原盤108(図1)として、記録線速が3m/s、および、レジスト原盤108に照射される電子線量が約40μC/mとなる条件で、ランダム信号ピットを記録した。記録後、現像を行い形成されたピット形状を電子顕微鏡を用いて観察し、その結果、ピットの始端、終端でピット幅がほぼ同じ幅となっていることを確認した。
【0055】
続いて図7〜9を参照して、電子線記録装置100(図1)により形成できる別のパターンを説明する。なお、図7〜9には、図6の(a)に相当する信号は省略して記載している。
【0056】
図7の(a)〜(c)は、ウォブル・グルーブを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。ウォブル・グルーブは、正弦波状に左右にグルーブがうねっているパターンである。ウォブル・グルーブは、連続したグルーブとして露光されるので、途中で露光を中断する必要がない。すなわち、電子線は、露光開始時と、露光終了時を除き、図5の(a)で示すY軸方向へ移動することはない。よって、図7の(a)に示す変調信号は、露光開始から終了まで0Vのままである。一方、ウォブルしたパターンを露光するためには、電子線がO(0,0)(図5の(a))の位置に存在するときに、電子線をX軸方向に振動させる必要がある。そのため、図7の(b)に示すウォブル信号は、所望の露光パターンに応じた振動パターンを呈している。なお、露光開始時と、露光終了時には、上述の条件1または条件2を満足するように制御される。
【0057】
図8の(a)〜(c)は、ウォブル・グルーブと、ピットアドレスを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。このパターンは、DVD−RAM等において採用されている、グルーブとアドレスピットを複合して形成されている。よって、制御信号および露光パターンは、図6の(b)、(c)および図7の(a)、(b)を組み合わせて得ることができる。アドレスピットは、グルーブの中心に対して半トラックずつ左右にウォブルして配置される。図ではピットは左右に各1つであるが、複数存在していてもよい。各ウォブルグルーブパターン、および、各ピットアドレスパターンは、それぞれ条件1または条件2を満足するので、各々の終端と始端の幅はほぼ等しい。
【0058】
図9の(a)〜(c)は、ウォブル・グルーブと、ランドプリピットアドレスを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。このパターンは、CD−R/RW等のように、グルーブの途中で、かつ、隣接するグルーブ間のランドに、切り欠き状のアドレスピットを有する。ウォブル・グルーブについては、図7の(a)〜(c)を参照して説明したと同様の制御信号を利用できる。アドレスピット部分については、図9の(b)に示すように、ウォブル信号の電圧をより大きく変化させればよい。
【0059】
以上、本発明の実施の形態を説明した。上述の説明では、レジスト原盤が進む向きに対して同じ向きに電子線を走査したが、逆向きに電子線を走査しても同じ効果が得られる。すなわち、ピットの始端、終端でのピット幅がほぼ等しくなる。なお、レジスト原盤が進む向きに対して同じ向きに電子線を走査した方が、ピットの始端、終端を形成する部分でレジスト原盤に対して電子線が照射される距離が短くなり、より綺麗なピット形状が得られる。
【0060】
また、本明細書では、遮蔽板106(図2)は直線的な端面をもつとして説明した。しかし、電子線とほぼ同じ形を持つ円形の端面を有する遮蔽板でも同様の効果が得られる。また、遮蔽板106上の電子線の移動経路207(図3)は、矩形状であるとして説明したが、三角形状、環状等の他の形状の経路であってもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、電子線をレジスト原盤の記録接線方向に沿って、常に一定向きに走査させることによって、ピットの始端、終端におけるレジスト原盤に対する単位面積あたりの電子線の照射エネルギー量が一定となり、ピットの始端と終端の形状がそろった均一な信号ピットパターンを形成することができる。よって、光ディスクを高密度化した場合、例えば、最小ピット長をより短くし、ピット間間隔を小さくした場合でも、読み取り等のエラーを減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による電子線記録装置の構成を示す概略図である。
【図2】 本発明による遮蔽板の形状を示す図である。
【図3】 電子線源側から見た、遮蔽板と電子線との位置関係を示す図である。
【図4】 (a)は、レジスト原盤と、電子線の速度との関係を示すベクトル図である。(b)は、入射および退避移動速度を等しくした条件で形成したピットを示す図である。(c)は、露光開始時と終了時の相対速度を等しくした条件で形成したピットを示す図である。
【図5】 (a)は、遮蔽板における電子線の位置を、X−Y座標を用いて示す図である。(b)は、電極104(図1)に印加される電圧のタイミングを示すタイミングチャートである。(c)は、電極105(図1)に印加される電圧のタイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】 (a)〜(d)は、連続したピットパターンを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。
【図7】 (a)〜(c)は、ウォブル・グルーブを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。
【図8】 (a)〜(c)は、ウォブル・グルーブと、ピットアドレスを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。
【図9】 (a)〜(c)は、ウォブル・グルーブと、ランドプリピットアドレスを露光する制御信号と、露光されたパターンとを示す図である。
【図10】 従来の電子線記録装置の構成を示す概略図である。
【図11】 電子線源側から見た、遮蔽板と電子線との位置関係を示す図である。
【図12】 (a)〜(c)は、所定の情報信号から、所望のピットパターンを記録する具体例を説明する図である。
【符号の説明】
20 スリット
101 電子線源
102 加速電極
103、107 電子線用レンズ
104 電子線をレジスト原盤の記録接線方向に曲げる電極
105 電子線をレジスト原盤の記録接線方向の略垂直方向に曲げる電極
106 遮蔽板
108 レジスト原盤
109 ターンテーブル
110 スライダ
111 電圧制御部
207 電子線の走査方向
302 レジスト原盤に照射されているときの電子線の位置
303 電極にマイナス電圧が入力されたときの電子線の位置
304 電極にプラス電圧が入力されたときの電子線の位置
306 レジスト原盤の回転方向

Claims (14)

  1. 電子線を発する電子線源と、
    所定の情報信号に基づいて電圧を生成する電圧制御部と、
    電圧制御部が生成した前記電圧に応じて前記電子線を偏向する制御電極と、
    前記電子線を通過させる通過位置としてのスリットを有する遮蔽板と、
    レジスト原盤が載置され、前記レジスト原盤を回転させるターンテーブルとを有する電子線記録装置であって、
    前記遮蔽板は、前記遮蔽位置を規定する第1の遮蔽部及び第2の遮蔽位置を有し、前記通過位置を挟むようにして、前記第1の遮蔽部と前記第2の遮蔽部が対向するように配置されており、
    前記電圧制御部は、前記制御電極に印加する前記電圧を制御して、前記遮蔽板を含む平面上での電子線の位置が前記第1の遮蔽部上の第1の遮蔽位置から前記通過位置へ移動する時の前記遮蔽板に対する第1の速度と、前記通過位置から前記第2の遮蔽部上の第2の遮蔽位置へ移動する時の前記遮蔽板に対する第2の速度と等しくする、ことを特徴とする電子線記録装置。
  2. 電圧制御部は、ターンテーブルから前記レジスト原盤の回転速度に関する情報を受け取って、前記レジスト原盤の線速度を取得し、前記線速度前記第1の速度から減算して得られる第1の相対速度と、前記線速度を前記第2の速度から減算して得られる第2の相対速度と等しくする、ことを特徴とする請求項1に記載の電子線記録装置。
  3. 前記遮蔽板を含む平面上での電子線の位置を、前記第1の遮蔽位置から前記通過位置へ移動させる時の方向と、前記第2の遮蔽位置から前記通過位置へ移動させる時の方向とは、同じ方向である、請求項1または2に記載の電子線記録装置。
  4. 前記制御電極は、前記電子線を、第1の方向に偏向する第1の電極と、前記電子線を前記第1の方向と垂直な第2の方向に偏向する第2の電極とからなり、
    前記電圧制御部は、前記第1の電極および前記第2の電極に印加する各電圧を制御して、前記第2の遮蔽位置から前記電子線を、遮蔽板上の前記通過位置を経ることなく、前記第1の遮蔽位置まで偏向させて移動させる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子線記録装置。
  5. 前記第1の速度と前記第2の速度は、前記レジスト原盤の記録接線方向と平行であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子線記録装置。
  6. 前記遮蔽板は、前記第1の遮蔽部と前記第2の遮蔽部とを接続する第3の遮蔽部をさらに有し、前記第2の遮蔽位置から前記第1の遮蔽位置まで、前記第3の遮蔽部を介して、前記電子線を偏向させて移動させることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子線記録装置。
  7. 遮蔽板の前記スリットの幅は、前記電子線の直径と等しい、ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電子線記録装置。
  8. 前記制御電極は、前記電圧制御部が生成した前記電圧に応じて、前記遮蔽板の前記第1の遮蔽部、前記第2の遮蔽部、および、前記通過位置上で、前記電子線を任意の方向に偏向する、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電子線記録装置。
  9. 電子線を発する電子線源と、
    所定の情報信号に基づいて電圧を生成する電圧制御部と、
    電圧制御部が生成した前記電圧に応じて前記電子線を偏向する制御電極と、
    前記電子線を通過させる通過位置としてのスリットを有する遮蔽板と、
    レジスト原盤が載置され、前記レジスト原盤を回転させるターンテーブルとを有する電子線記録装置における電子線記録方法であって、
    前記遮蔽板は、前記遮蔽位置を規定する第1の遮蔽部及び第2の遮蔽位置を有し、前記通過位置を挟むようにして、前記第1の遮蔽部と前記第2の遮蔽部が対向するように配置されており、
    前記電子線記録方法は、
    前記電子線を偏向して、前記電子線を、第1の遮蔽位置から前記通過位置へ、第1の速度で移動させるステップと、
    前記電子線を、前記通過位置を介して前記レジスト原盤に照射するステップと、
    前記電子線を偏向して、前記電子線を、前記通過位置から、前記第2の遮蔽部上の第2の遮蔽位置へ、前記遮蔽板を含む平面上での電子線の位置が前記第1の遮蔽部上の第1の遮蔽位置から前記通過位置へ移動する時の前記遮蔽板に対する第1の速度と等しい第2の速度で移動させるステップと
    を有する、電子線記録方法。
  10. 前記第2の速度で移動させるステップは、
    ターンテーブルから前記レジスト原盤の回転速度に関する情報を受け取って、前記レジスト原盤の線速度を取得するステップと、
    前記線速度を前記第2の速度から減算して得られる第2の相対速度を、前記線速度を前記第1の速度から減算して得られる第1の相対速度とを等しくするステップと
    をさらに含む、請求項9に記載の電子線記録方法。
  11. 前記遮蔽板を含む平面上での電子線の位置を、前記第1の遮蔽位置から前記通過位置へ移動させる時の方向と、前記第2の遮蔽位置から前記通過位置へ移動させる時の方向とは、同じ方向である、ことを特徴とする請求項9または10に記載の電子線記録方法。
  12. 前記制御電極は、前記電子線を、第1の方向に偏向する第1の電極と、前記電子線を前記第1の方向と垂直な第2の方向に偏向する第2の電極とからなり、
    前記第1の電極および前記第2の電極に印加する各電圧を制御して、前記第2の遮蔽位置から前記電子線を遮蔽板上の前記通過位置を経ることなく、前記第1の遮蔽位置まで偏向させて移動させるステップをさらに有する、ことを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載の電子線記録方法。
  13. 前記第1の速度と前記第2の速度は、前記レジスト原盤の記録接線方向と平行である、ことを特徴とする請求項9ないし12のいずれかに記載の電子線記録方法。
  14. 前記電圧制御部が生成した前記電圧に応じて、前記遮蔽板の前記第1の遮蔽部、前記第2の遮蔽部、および、前記通過位置上で、前記電子線を任意の方向に偏向するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項9ないし13のいずれかに記載の電子線制御方法。
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