JP2002006509A - 露光方法及び光ディスク原盤の製造方法 - Google Patents

露光方法及び光ディスク原盤の製造方法

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JP2002006509A
JP2002006509A JP2000192027A JP2000192027A JP2002006509A JP 2002006509 A JP2002006509 A JP 2002006509A JP 2000192027 A JP2000192027 A JP 2000192027A JP 2000192027 A JP2000192027 A JP 2000192027A JP 2002006509 A JP2002006509 A JP 2002006509A
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pattern
charged particle
particle beam
substrate
exposure
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JP2000192027A
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Masaki Yoshizawa
正樹 吉澤
Kaoru Koike
薫 小池
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子線によるパターン描画によって、寸
法精度の良好なパターンを得ることができる露光方法及
び光ディスク原盤の製造方法を提供する。 【解決手段】 所定方向Lに所定速度で移動する基板1
表面に対して電子線5をオン・オフ制御しながら照射す
ることで、基板1表面のレジスト膜3にパターンを描画
する露光方法において、予備実験によって得られた最適
露光量に基づいて、電子線5の照射位置を、この電子線
5で描画するパターン毎に設定された所定速度で、基板
1の移動方向Lに偏向する。電子線5の偏向速度は、電
子線5で描画する各設計寸法のパターン毎に最適露光量
が得られる値に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光方法及び光デ
ィスク原盤の製造方法に関し、特には、記録媒体として
用いられる光ディスクの製造に適する露光方法及び光デ
ィスク原盤の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】情報を記録可能な記録媒体として、光学
的に記録/再生が可能な光ディスクが知られている。こ
の光ディスクの信号記録領域には、多数のピット(穴)
やグルーブ(溝)等の凹凸パターンが記録信号として配
置されている。そして、光ディスクに記録された情報の
読み取りは、これらの凹凸パターンにレーザ光を照射
し、反射された光信号を検出することによって行われ
る。
【0003】このような光ディスクの原盤を製造するに
は、先ず、ガラス基板上に形成したレジスト膜に、レー
ザ光を露光光として照射してパターン描画を行う。この
パターン描画においては、回転させたガラス基板に対し
て、露光光をスポット照射する。この際、露光光の照射
位置を、ガラス基板の回転半径方向に(例えば内周から
外周へ)移動させることで、ガラス基板上に同心円状
(またはスパイラル状)にパターンを描画する。さらに
この際、露光光のON/OFFのタイミングによって、
描画長(パターン長さ)や描画長方向における描画間隔
を制御する。また、露光光は、所定のスポット径に整形
された露光光を対物レンズにて集光し、基板表面に対し
て焦点位置を合わせて照射される。以上のようにして、
ガラス基板上のレジスト膜の必要領域に対してパターン
の描画を行った後、現像処理を行うことによって露光部
分(描画部分)のレジストを除去し、さらに必要に応じ
て反射膜を蒸着することによってガラス基板上に凹凸パ
ターンを有する光ディスク原盤を得る。
【0004】ところで、光ディスクには、さらなる高記
録密度化が要求されており、これを達成するためにはよ
り微細なピットやグルーブを光ディスク原盤に形成する
必要がある。そこで、この微細なピットやグルーブの形
成を可能にするために、上述のパターン露光における露
光光として、レーザ光に換えて荷電粒子線(特には電子
線)を用いることが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電子線
のような荷電粒子線を用いてパターンの描画を行う場
合、現像処理におけるマイクロローディング効果(現像
液が入れ替わり難い込み入ったパターンでは現像が進み
難い現象)だけではなく、レジスト膜内部での荷電粒子
の散乱に起因して、各パターンを設計寸法通りに形成す
るための最適露光量が、そのパターン近傍の領域におけ
る描画面積率やパターンサイズ毎にそれぞれ異なる値に
なる。ところが、描画を行う際には、ガラス基板を一定
方向に回転させることで電子線の照射位置を移動させて
描画を行っているため、各パターンにおける露光量(す
なわち単位面積あたりの電子線の照射時間)は、電子線
の照射位置におけるガラス基板の移動速度(回転速度)
に依存する値に規定される。このため、各パターンを所
望の線幅に形成することが困難であった。
【0006】また、ピットとグルーブのパターン幅(線
幅)が異なる場合、どちらかの線幅に電子線のスポット
径を合わせると、他方を設定通りに仕上げることが困難
になる。この場合、スポット径を変更して2度の描画を
行うことになるが、これによって描画に要する時間が増
大することになる。
【0007】これらの問題を解決する手法として、特開
平11−283282号公報には、電子線の加速電圧を
制御することで後方散乱による影響を軽減する方法や、
電子線のスポット径を制御することでパターンの線幅を
制御する方法等が開示されている。しかしながら、電子
線露光装置においては、高速で回転する基板に対して描
画を行いつつ、電子線の加速電圧やスポット径を速やか
に変更させることは困難であり、現実的な方法ではなか
った。
【0008】そこで本発明は、寸法精度の良好な微細パ
ターンの形成を行うことが可能な露光方法、及びこの露
光方法を行うことで寸法精度の良好なパターンを備え読
み出しや書き込みの不良が少ない光ディスクの製造方法
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るためになされた本発明の第1の露光方法は、所定速度
で移動する基板表面に対して荷電粒子線をオン・オフ制
御しながら照射することで、当該基板表面のレジスト膜
にパターンを描画する際、荷電粒子線の照射位置を、当
該荷電粒子線で描画するパターン毎に設定された所定速
度で、基板の移動方向に偏向することを特徴としてい
る。また本発明の第1の光ディスク原盤の製造方法は、
このような第1の露光方法を行う製造方法である。
【0010】このようような第1の露光方法及び第1の
光ディスク原盤の製造方法では、荷電粒子線で描画する
パターン毎に設定された所定速度で、荷電粒子線の照射
位置が基板の移動方向に偏向されるため、単位面積あた
りの荷電粒子線の照射時間、すなわち露光量を、パター
ン毎に固有の値に設定してパターン描画が行われること
になる。したがって、パターンの描画面積やそのパター
ンが配置される領域における描画面積率が異なることに
よって、パターン毎に所望の線幅を得るための最適露光
量が異なる場合であっても、基板の移動速度を変化させ
ることなく、パターン毎に適切に設定された最適露光量
での露光を行うことができる。
【0011】第2の露光方法は、所定速度で移動する基
板表面に対して荷電粒子線をオン・オフ制御しながら照
射することで、当該基板表面のレジスト膜にパターンを
描画する際、レジスト膜に対する荷電粒子線の焦点位置
を、当該荷電粒子線で描画するパターン毎に設定された
所定値に合わせて補正することを特徴としている。ま
た、本発明の第2の光ディスク原盤の製造方法は、この
ような第2の露光方法を行う製造方法である。
【0012】このようような第2の露光方法及び第2の
光ディスク原盤の製造方法では、荷電粒子線で描画する
パターン毎に荷電粒子線の焦点位置が補正されるため、
パターン毎に荷電粒子線の照射径(すなわち露光径)が
変更されることになる。したがって、パターンの描画面
積やそのパターンが配置される領域における描画面積率
が異なることによって、パターン毎に所望の線幅を得る
ための最適露光径が異なる場合であっても、対物レンズ
による絞りを変えるだけで、パターン毎に適切に設定さ
れた最適露光径での露光を行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。ここでは、光ディスク原盤
(すなわち、光ディスク用のマスタリング原盤)の製造
におけるリソグラフィー工程での荷電粒子線を露光光と
して用いた露光を例にとり、基板上のレジスト膜に対し
てパターン描画を行う場合を説明する。
【0014】各実施形態において説明する露光方法は、
回転機構を備えたステージを有するポイントビーム型電
子線直接描画機を用い、回転保持された基板に対して荷
電粒子線(ここでは電子線)を照射してパターン描画を
行う方法である。すなわち、図1に示すように、本発明
が適用される描画方法は、図中矢印で示す所定方向に回
転させた基板1表面のレジスト膜3に対して、荷電粒子
線として電子線5を照射してパターンを描画する方法で
ある。
【0015】電子線5は、ここでの図示を省略した電子
銃から所定の加速電圧(例えば100kV)で引き出さ
れ、その経路に配置されたコンデンサーレンズによって
所定のスポット径5aに整形され、さらに対物レンズ7
にて所定の焦点位置に絞られた状態で基板1の表面に照
射される。この対物レンズは、電磁または静電の電子光
学レンズであることとする。この際、電子線5のオン・
オフを制御しながら、電子線5の照射位置を基板1の中
心側から外周側に所定速度で移動させ、これによって所
定の周期(回転半径方向の間隔)で連続したスパイラル
状にパターンの描画を行う。ただし、同心円状に描画を
行う場合には、基板1が1回転する毎に、所定の周期に
相当する量だけ電子線5の照射位置を移動させる。ま
た、基板1の回転数(回転速度)は、基板1上の全面に
おいて、電子線5の照射位置における基板1の移動速度
が同一になるように調整される。
【0016】尚、基板1は例えばガラス基板であり、こ
の基板1上のレジスト膜3は例えば化学増幅型ポジレジ
ストFEP102を100nmの膜厚で基板1上に回転
塗布してなる膜であることとする。そして、基板1の回
転数は、このレジスト膜3の露光感度と、電子線5の強
度とに応じた所定値に設定される。
【0017】(第1実施形態)図2は第1実施形態の露
光方法を示すフローチャートであり、図3は第1実施形
態の露光方法のさらに詳細を説明するための断面工程図
である。本第1実施形態においては、光ディスク原盤の
製造にあたり、図4に示すようなレイアウトで基板上に
パターン9,9…を形成するための描画を行う場合を説
明する。ここでは、記憶容量65GBレベルの光ディス
ク用の原盤の製造を目的とし、基板上のレジスト膜に溝
状(ネガ型のレジスト膜である場合には島状)のパター
ン9,9…を形成する。これらのパターン9,9…は、
基板の回転半径方向Rのパターン幅(設計線幅)Wが同
一(W=100nm)で、基板の移動方向Lのパターン
長(設計長さ)がそれぞれに固有の値であり、回転半径
方向Rに例えば200nmの周期Pで設けられることと
する。
【0018】そして、図4を用いて説明したようなレイ
アウトで各パターン9,9…を形成するための露光は、
次のように行う。
【0019】まず、図2に示す第1ステップS1では、
露光を行う際のプロセス条件に基づいて予備実験を行
う。ここでは、各パターン9,9…を形成するための描
画における描画長さ(すなわちパターンの設計長さ)を
因子とし、電子線の偏向方向を基板の回転半径方向Rの
みとし、その他のプロセス条件を実際の製品製造におけ
る露光工程と同一の条件に保って、この露光及びその後
の現像処理によって形成されるパターンの目的線幅を設
計線幅W=100nmとして描画を行う。その後、レジ
スト膜を現像処理することによって露光部(描画部分)
のレジスト膜を除去し、基板上のレジスト膜に溝状の実
験パターンを形成する。
【0020】次に、第2ステップS2では、第1ステッ
プS1で形成された実験パターンの線幅を測定し、測定
された線幅W1と設計線幅W=100nmとの差、及び
予備実験における描画の際の露光量(すなわち電子線の
照射量であり、基板の移動速度に依存する)とから、そ
れぞれの長さのパターンを設計線幅(W=100nm)
通りに形成するための最適露光量を算出する。ここで、
最適露光量とは、単位面積あたりの電子線の照射量であ
ることとし、ここでは各パターンの設計線幅Wが同一で
あるため、単位長さあたりの露光量とする。
【0021】次いで、第3ステップS3では、第2ステ
ップS2で得られた各長さのパターンの最適露光量と、
プロセス条件のうちの基板の回転数(すなわち、基板の
移動速度)とに基づいて、各パターンにおける電子線の
偏向速度をそれぞれ算出する。ここで、電子線の偏向速
度とは、基板の回転方向(移動方向)に対する電子線の
移動速度であり、基板の移動に追従させて電子線をそれ
ぞれの偏向速度で偏向させることによって、各パターン
の描画位置に、各パターンについて算出された最適露光
量で電子線が照射される値として、パターン毎に算出さ
れることとする。
【0022】通常、同一の露光量あれば、長さの短いパ
ターン程、出来上がり線幅が細くなる。このためここで
は、長さの短いパターン程、偏向速度が速く設定される
ことになり、基板に対する電子線の照射位置の移動速度
が遅く設定されることになる。
【0023】その後、第4ステップS4では、実製品と
しての光ディスク原盤を作製するための露光(パターン
の描画)を行う。この際、第3ステップS3で算出され
た各偏向速度で電子線を偏向させながら、各パターンi
の描画を行う。また、電子線の偏向速度以外のプロセス
条件は、予備実験と同様に設定する。そして、次の第5
ステップS5で、最後のパターンであると判断されるま
で、パターンiの描画を行う。
【0024】ここで、図4におけるパターンB(9)及
びパターンA(9)を形成するための描画を例にとり、
第4ステップS4の描画工程をさらに詳しく説明する。
図3に示すように、まず、長さの短い(100nm)パ
ターンAの描画において、図3(1)〜図3(3)に示
すように基板1の移動方向Lに追従させ、第3ステップ
S3で算出された偏向速度で電子線5を偏向させなが
ら、基板1上のレジスト膜3に対して描画を行う。そし
て、パターンAの描画が終了した時点で図3(4)に示
すように、電子線5の照射を停止(OFF)状態にすると
共に、偏向させた電子線5を、偏向前のホームポジショ
ンに戻す。その後、図3(5)に示すように、電子線5
の照射位置に、次のパターンBの描画位置が達した時点
で、電子線5の照射を開始(ON)状態にする。そし
て、図3(6)に示すように、基板1の移動方向Lに追
従させ、第3ステップS3で算出された偏向速度で電子
線5を偏向させる。この際、パターンBが、ここで形成
されるパターン9,9…の中で最も長い(例えば100
0nm)ものである場合、電子線5の偏向速度は0であ
っても良い。
【0025】以上のように、第4ステップS4を繰り返
し、最後のパターンiの描画が終了した後、次の第6ス
テップS6で現像処理を行うことによってレジスト膜の
露光部分を除去し、基板上にそれぞれの長さを有する溝
状のパターンが設けられたレジストパターンを形成す
る。その後、必要に応じてこの基板上にメッキを施し、
これを光ディスク原盤とする。
【0026】以上説明したような露光方法及びこの露光
方法を行う光ディスク原盤の製造方法によれば、電子線
で描画するパターン毎に設定された所定の偏向速度で、
電子線の照射位置が基板の移動方向に偏向されるため、
基板の移動速度(回転速度)を変化させることなく、パ
ターン毎に最適露光量(最適な電子線の照射時間)での
描画を行うことができる。したがって、電子線を露光光
に用いた描画において、マイクロローディング効果やレ
ジスト膜内での電子線の散乱の影響を抑え、異なる長さ
の微細なパターンを、線幅精度良く形成することが可能
になる。この結果、微細パターンの寸法精度の高い光デ
ィスク原盤を得ることができ、これを用いて読み出しや
書き込みの不良が少ない光ディスクを作製することが可
能になる。
【0027】第1実施形態においては、線幅が同一で長
さの異なるパターンを形成する場合を例にとって説明を
行ったが、この実施形態で説明した露光方法は、線幅が
異なるパターンの形成にも適用可能である。
【0028】ただしこの場合、第2ステップS2では、
実験パターンについて測定した線幅W1と設計線幅Wと
の差、及び予備実験における描画の際の露光量(電子線
の照射量)とから、それぞれの設計線幅Wのパターンを
形成するため最適露光量を算出することとする。
【0029】通常、露光量を大きくするほど、パターン
の出来上がり線幅が太くなる。このためここでは、パタ
ーンの設計線幅が太い程、偏向測度が速く設定されるこ
とになる。ただし、各パターンの長さの違いによる最適
露光量の差も考慮して偏向速度を設定する。
【0030】このような方法によれば、線幅の異なる複
数の微細パターンを、寸法精度良く形成することが可能
になる。
【0031】また、本第1実施形態においては、設計寸
法の異なるパターンを寸法精度良く形成することを目的
として露光方法を説明した。しかし、本発明は、基板表
面における各パターン近傍の領域における描画面積率が
異なる場合に、各パターンを寸法精度良く形成すること
を目的とした露光方法としても適用できる。
【0032】この場合、第1ステップS1においては、
パターンの長さと共に描画面積率を因子とした予備実験
を行うこととする。そして、第2ステップS2において
は、予備実験で得られたパターンの寸法精度を測定し、
この値に基づいて各パターンの最適露光量を算出するこ
ととする。
【0033】通常、描画面積率が高いほど、パターンの
出来上がり線幅が太くなるため、最適露光量が小さくな
る。このためここでは、描画面積率が低い程、偏向速度
が速く設定されることになる。ただし、各パターンの線
幅や長さの違いやによる最適露光量の差も考慮して偏向
速度を設定する。
【0034】このような方法によれば、描画面積率の異
なる位置に設けられる複数の微細パターンを、寸法精度
良く形成することが可能になる。
【0035】尚、上述した露光方法においては、電子線
の偏向速度(照射位置における移動速度)は、基板の移
動速度を超えない様に設定されることとする。また、必
要に応じて、他のパターンと比較して設計長さが長い、
または設計幅が狭いパターンに対しては、電子線の偏向
速度が基板の移動方向に対してマイナス側に設定されて
も良い。
【0036】(第2実施形態)図5は第2実施形態の露
光方法を示すフローチャートであり、図6は電子線のプ
ロファイルを示すグラフである。本第2実施形態におい
ては、光ディスク原盤の製造にあたり、図7に示すよう
なレイアウトで基板上にパターンを形成するための描画
を行う場合を説明する。ここでは、記憶容量65GBレ
ベルの光ディスク用の原盤の製造を目的とし、基板上の
レジスト膜に溝状のパターンとしてピット11とグルー
ブ13とを形成する。ピット11は、基板のユーザデー
タ領域17に形成され、基板の回転半径方向Rの線幅
(設計線幅)がWp=100nmであることとする。ま
た、グルーブ13は、基板のアドレス情報領域17に形
成され、基板の回転半径方向Rの線幅(設計線幅)がW
g=80nmであることとする。これらのピット11及
びグルーブ13は、基板の移動方向Lのパターン長(設
計長さ)がそれぞれに固有の値であることとする。
【0037】そして、図7を用いて説明したようなパタ
ーンを形成するための露光は、次のように行う。
【0038】まず、図5に示す第1ステップS11で
は、露光を行う際のプロセス条件に基づいて予備実験を
行う。ここでは、電子線の焦点位置及びパターンの長さ
を因子とし、また所定の線幅(例えば100nm)を目
的線幅とし、その他のプロセス条件を製造工程と同一の
条件に保って複数のパターンの描画を行う。その後、レ
ジスト膜を現像処理することによって露光部(描画部
分)のレジスト膜を除去し、基板上のレジスト膜に溝状
の実験パターンを形成する。
【0039】ここで、焦点位置とは、対物レンズによっ
て絞られた電子線の焦点深度であることとする。そし
て、図6のプロファイルに示すように、焦点位置を移動
することによって、レジスト膜が露光されるしきい値
(すなわち露光感度であり、例えばd1,d2)におけ
る露光径が変化する。例えば露光感度d1で露光される
レジスト膜においては、ジャストフォーカス(基板上に
焦点位置が有る)に絞られた電子線プロファイルaで得
られる露光径(r1)よりも、焦点位置をずらした電子
線プロファイルbで得られる露光径r2が小さくなる。
これに対して、露光感度d2においては、ジャストフォ
ーカスに絞られた電子線プロファイルaで得られる露光
径(r3)よりも、焦点位置をずらした電子線プロファ
イルbで得られる露光径(r4)が大きくなる。尚、露
光感度は、レジスト膜の種類によって異なるため、焦点
位置のずれ量に対する露光径の変化量は、プロセスで用
いるレジスト膜毎に特有の値となる。
【0040】次に、第2ステップS12では、第1ステ
ップS12で形成された各実験パターンの線幅を測定
し、各パターンにおいて測定された線幅が設計線幅(W
p=100nm、Wg=80nm)と一致する焦点位置
をそれぞれ求め、それぞれの長さの各パターン(ピット
及びグルーブ)を形成するための最適焦点位置とする。
【0041】次いで、第3ステップS13では、第2ス
テップS2で得られた各線幅のパターンの最適焦点位置
に基づいて、次に描画を行うパターンiの最適焦点位置
に、電子線の焦点位置を補正する。
【0042】この際、例えば基板上のレジスト膜が、図
6で示した露光感度d1で露光する場合において、次に
描画するパターンiが設計線幅の広いピットであれば、
電子線の焦点位置を対物レンズによってジャストフォー
カスとなる焦点位置に(すなわちプロファイルaとなる
ように)補正する。一方、次に描画するパターンiが設
計線幅の狭いグルーブであれば、電子線の焦点位置を対
物レンズによってジャストフォーカスから所定値だけず
らした焦点位置に(例えばプロファイルbとなるよう
に)補正する。
【0043】その後、第4ステップS14では、第3ス
テップS13のように電子線の焦点位置を補正した状態
で、実際の製品基板に対してパターンの描画を行う。こ
の際、電子線の焦点位置以外のプロセス条件は、予備実
験と同様に設定する。そして、次の第5ステップS5
で、最後のパターンであると判断されるまで、第3ステ
ップS13及び第4ステップS14を繰り返し行う。こ
の際、ピットを形成するための描画は、プロファイルa
を有し露光径r1に絞られた電子線によって行われる。
また、グルーブを形成するための描画は、プロファイル
bを有し露光径r2に絞られた電子線によって行われ
る。
【0044】そして、最後のパターンiの描画が終了し
た後、次の第6ステップS16で現像処理を行うことに
よってレジスト膜の露光部分を除去し、その後、必要に
応じてこの基板上にメッキを施し、これを光ディスク原
盤とする。
【0045】以上説明したような露光方法及びこの露光
方法を行う光ディスク原盤の製造方法によれば、各パタ
ーンの設計線幅に合わせた露光径になるように、焦点位
置が補正された電子線によって各線幅のパターンが描画
される。このため、対物レンズによる絞りを変えるだけ
で、各パターンの設計線幅に適合する露光径での描画を
行うことができる。したがって、電子線を露光光に用い
た描画において、マイクロローディング効果やレジスト
膜内での電子線の散乱の影響を抑え、異なる設計寸法の
微細なパターンを、線幅精度良く形成することが可能に
なる。この結果、微細パターンの寸法精度の高い光ディ
スク原盤を得ることができ、これを用いて読み出しや書
き込みの不良が少ない光ディスクを作製することが可能
になる。
【0046】第2実施形態においては、設計線幅及び長
さが異なるパターンを形成する場合を例にとって説明を
行ったが、この実施形態で説明した露光方法は、線幅が
同一で長さのみが異なるパターンの形成にも適用可能で
ある。ただしこの場合、第1ステップS11の予備実験
における目的線幅は、設計線幅を適用することとする。
【0047】通常、長さが長いパターンほど露光量が大
きく、出来上がり線幅が太くなる。このためここでは、
長いパターンほど露光径が小さくなるように最適焦点位
置が設定されることになる。
【0048】また、本第2実施形態は、設計線幅や長さ
の異なるパターンを寸法精度良く形成することを目的と
して露光方法を説明した。しかし、本発明は、各パター
ン近傍の領域における描画面積率が異なる場合に、各パ
ターンを寸法精度良く形成することを目的とした露光方
法としても適用できる。
【0049】この場合、第1ステップS11において
は、電子線の照射位置やパターンの長さと共に描画面積
率を因子とした予備実験を行うこととする。そして、第
2ステップS12においては、実験パターンの寸法精度
を測定し、この値に基づいて各パターンの最適焦点位置
を算出することとする。
【0050】通常、描画面積率が高いほど、出来上がり
線幅が太くなることから、ここでは描画面積率が高いパ
ターン程、露光径が小さくなるように最適焦点位置が設
定される。
【0051】このような方法によれば、描画面積率の異
なる位置に設けられる複数の微細パターンを、寸法精度
良く形成することが可能になる。
【0052】また、以上説明した第1実施形態と第2実
施形態とは、組み合せて行うことも可能である。組み合
せることによって、マイクロローディング効果やレジス
ト膜内での電子線の散乱の影響による寸法精度の補正量
を大きくすることができ、どちらか一方の実施形態の方
法だけでは補正し切れなかった寸法精度のずれを補正す
ることが可能になる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の露
光方法及び第1の光ディスク原盤の製造方法によれば、
移動する基板表面に対して荷電粒子線をオン・オフ制御
しながら照射することでパターンを描画する際、基板の
移動速度を変更することなく、各設計寸法のパターンに
適する露光量での描画を行うことが可能になる。したが
って、微細パターンの寸法精度の向上を図ることが可能
になる。またこの結果、寸法制度の高い微細パターンを
有する光ディスク原盤を得ることができ、これを用いて
読み出しや書き込みの不良が少ない光ディスクを作製す
ることが可能になる。また、本発明の第2の露光方法及
び第2の光ディスク原盤の製造方法によれば、移動する
基板表面に対して荷電粒子線をオン・オフ制御しながら
照射することでパターンを描画する際、対物レンズによ
る絞りを調整するだけで、各設計寸法のパターンに適す
る露光径に補正された電子線での描画を行うことが可能
になる。したがって、微細パターンの寸法精度の向上を
図ることが可能になる。またこの結果、寸法制度の高い
微細パターンを有する光ディスク原盤を得ることがで
き、これを用いて読み出しや書き込みの不良が少ない光
ディスクを作製することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する光ディスク原盤製造のための
露光を説明する図である。
【図2】第1実施形態の露光方法を示すフローチャート
である。
【図3】第1実施形態の露光方法を説明するための断面
工程図である。
【図4】第1実施形態の露光方法及びその後の現像処理
によって基板上に形成するパターンのレイアウト図であ
る。
【図5】第2実施形態の露光方法を示すフローチャート
である。
【図6】電子線のプロファイルを示す図である。
【図7】第2実施形態の露光方法及びその後の現像処理
によって基板上に形成するパターンのレイアウト図であ
る。
【符号の説明】
1…基板、3…レジスト膜、5…電子線(荷電粒子
線)、9…パターン、11…ピット、13…グルーブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定速度で移動する基板表面に対して荷
    電粒子線をオン・オフ制御しながら照射することで、当
    該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する露光方法
    において、 前記荷電粒子線の照射位置を、当該荷電粒子線で描画す
    るパターン毎に設定された所定速度で、前記基板の移動
    方向に偏向することを特徴とする露光方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光方法において、 前記荷電粒子線の偏向速度は、当該荷電粒子線での描画
    によって得られる各設計寸法のパターン毎に最適露光量
    が得られる値に設定されることを特徴とする露光方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の露光方法において、 前記荷電粒子線の偏向速度は、当該荷電粒子線で描画す
    るパターンの近傍の領域における描画面積率が小さい
    程、速く設定されることを特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 所定速度で移動する基板表面に対して荷
    電粒子線をオン・オフ制御しながら照射することで、当
    該基板表面のレジスト膜にパターンを描画する露光方法
    において、 前記レジスト膜に対する前記荷電粒子線の焦点位置を、
    当該荷電粒子線で描画するパターン毎に設定された所定
    値に合わせて補正することを特徴とする露光方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の露光方法において、 前記荷電粒子線の焦点位置は、当該荷電粒子線での描画
    によって得られる各設計寸法のパターン毎に最適露光径
    が得られる値に設定されることを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の露光方法において、 前記荷電粒子線の焦点位置は、当該荷電粒子線で描画す
    るパターンの近傍の領域における描画面積率が小さい
    程、前記レジスト膜に対する当該荷電粒子線の露光径が
    大きくなるように設定されることを特徴とする露光方
    法。
  7. 【請求項7】 所定速度で移動する基板表面に対して荷
    電粒子線をオン・オフ制御しながら照射することで当該
    基板表面のレジスト膜にパターンを描画する工程と、前
    記描画を行ったレジスト膜に対して現像処理を行う工程
    とを備えた光ディスク原盤の製造方法において、 前記パターンを描画する工程では、前記荷電粒子線の照
    射位置を、当該荷電粒子線で描画するパターン毎に設定
    された所定速度で、前記基板の移動方向に偏向すること
    を特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
  8. 【請求項8】 所定速度で移動する基板表面に対して荷
    電粒子線をオン・オフ制御しながら照射することで当該
    基板表面のレジスト膜にパターンを描画する工程と、前
    記描画を行ったレジスト膜に対して現像処理を行う工程
    とを備えた光ディスク原盤の製造方法において、 前記パターンを描画する工程では、前記レジスト膜に対
    する前記荷電粒子線の焦点位置を、当該荷電粒子線で描
    画するパターン毎に設定された所定値に合わせて補正す
    ることを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
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