JP2009048119A - 描画装置、描画方法及び描画プログラム - Google Patents

描画装置、描画方法及び描画プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能な描画装置を提供する。
【解決手段】所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画装置であり、(a)に示すように、ピットパターンを描画するトラック(例えば、中央のトラック)と隣接する少なくとも1つの隣接トラック(例えば、中央トラックの左側のトラックや、右側のトラック)における潜像相当量に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整する。
【選択図】図4

Description

本発明は、描画装置、描画方法、描画プログラムに関し、特に、光ディスク、パターンドメディア等の原盤を作成するためのワーク回転駆動型の電子ビーム描画に好適な描画装置、描画方法及び描画プログラムに関するものである。
光ディスクや、HDDの記録パターンは、高密度化のために微細化が進み、また、トラック間のピッチも微小化している。このため、トラック間での近接効果の影響によりピットパターンの形状が崩れるという問題が顕在化してきている。
なお、上述した近接効果に対しては、例えば、特許文献1に示すように、以下の3つの対策が挙げられている。
対策1:近接効果の影響によるピットパターンの変形を計算し、該計算した変形を補償するように描画パターンを変形する。
対策2:ピットパターンの変化部分を強調するために長時間露光する。
対策3:露光面積によって粒子線の照射量、即ち、照射時間を変える。
しかしながら、光ディスクやパターンドメディアのように、同列状をなすピットパターンを一度の描画で個々に描画する場合には、上述した対策1を処すことができない。
また、上述した対策3の照射時間の制御については、例えば、Xθ型電子ビーム描画装置では、そもそも基板が連続して回転しているため、滞留時間を変化してピットパターンを描画することができない。このため、例えば、特許文献2には、回転方向に電子ビームを偏向することにより基板と電子ビームとの相対速度を変えることで照射時間の制御を行う技術について提示されている。また、特許文献3には、小さなピットパターンを描画する際に、描画パルス幅を拡張するあるいはトラック方向の偏向により相対速度を遅くする等の技術について提示されている。
また、本発明より先に本出願人により出願された技術文献として、基板面の連続走査状態で、基板の入射電子ビーム量を調整制御し、基板に所定幅のパターン露光を行う技術について開示された文献がある(例えば、特許文献4参照)。
また、厳密に正確なCLV駆動指令パルス列を基準に、送り制御誤差及び、ターンテーブルの同期振れ・非同期振れの影響を同時に補償し、光ディスク原盤上に、高精度な等線速・等トラックピッチスパイラル状の高密度情報トラックを形成するための技術について開示された文献がある(例えば、特許文献5参照)。
特許第2512184号公報 特開2002−6509号公報 特開2003−248983号公報 特開2004−185786号公報 特開2003−36548号公報
なお、Xθ型電子ビーム描画装置は、ピットパターンの描画中に基板が回転および移動し、描画径が変化することになる。また、Xθ型電子ビーム描画装置は、露光量を一定にするために、線速度一定=CLV(Constant Line Velocity)でピットパターンを描画することが多い。このため、回転中心位置から隣接トラックまでの時間が回転毎に異なり、隣接トラックのピットパターンの情報を得ることは簡単ではない。
更に、回転および送りむらが大きくなると、その影響により、隣接トラックのピットパターンがどのように描画されるかは、実際に描画してみないと明らかにならないため、隣接トラック間の近接効果の影響を予め求めることができない。
なお、上記特許文献2、3には、同一トラックにおけるピット・サイズの整形に関する露光量制御について開示されているが、隣接トラック間の近接効果の影響については触れておらず、上述した課題を解決できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能な描画装置、描画方法及び描画プログラムを提供することを目的とするものである。
かかる目的を達成するために、本発明は、以下の特徴を有することとする。
<描画装置>
本発明にかかる描画装置は、
所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画装置であって、
ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整することを特徴とする。
また、本発明にかかる描画装置は、
前記潜像相当量を、前記隣接トラックのピットパターン描画時のパルス信号から求めることを特徴とする。
また、本発明にかかる描画装置は、
前記潜像相当量を、前記基板の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号から求めることを特徴とする。
また、本発明にかかる描画装置は、
前記潜像相当量を、前記基板の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号およびピットパターン描画予定のパルス信号から求めることを特徴とする。
また、本発明にかかる描画装置は、
トラック間ピッチの変動量を基に、前記潜像相当量を補正することを特徴とする。
<描画方法>
また、本発明にかかる描画方法は、
所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画方法であって、
ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整することを特徴とする。
<描画プログラム>
また、本発明にかかる描画プログラムは、
所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画プログラムであって、
ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明によれば、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能となる。
まず、図2、図4を参照しながら、本実施形態の描画装置について説明する。
本実施形態における描画装置は、図2に示すように、所定速度で回転する基板13に対し、電子ビームを照射し、基板13表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画装置である。
なお、本実施形態における描画装置は、図4(a)に示すように、ピットパターンを描画するトラック(例えば、中央のトラック)と隣接する少なくとも1つの隣接トラック(例えば、中央トラックの左側のトラックや、右側のトラック)における潜像相当量に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整する。
これにより、本実施形態における描画装置は、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正し、図4(b)に示すようなピットパターンを形成することが可能となる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態における描画装置について詳細に説明する。
<描画装置の構成>
まず、図1を参照しながら、本実施形態の描画装置について説明する。
本実施形態における描画装置は、図1に示すように、10−5torr以下に真空度が維持された鏡筒1内に、電子ビームを放射する電子銃4、電子銃4からの電子ビーム5を収束する電磁レンズ6、収束された電子ビームを偏向するブランキング電極9、ブランキング電極9で偏向された電子ビームを通過させ、後段への入射電子ビームのON/OFFを行う絞り10、絞り10を通過した入射電子ビームを偏向する偏向器11、偏向された入射電子ビームを収束するフォーカスレンズ7、基板13のフォトレジスト膜の所定位置に収束光の焦点を結ばせる対物レンズ8が、電子銃4と基板13との間に前述の順序で配設されている。
また、フォーマット信号Fbを出力するフォーマッタ26の出力端子が、ブランキングドライバ23に接続され、ブランキングドライバ23から出力されるブランキング信号Faが、ブランキング電極9に入力されるように構成されている。
また、フォーマット信号Fb1を出力するウォブル信号発生器28が、偏向ドライバ24に接続され、偏向ドライバ24から出力されるウォブル信号Fwが、偏向器11に入力されるように構成されている。
また、回転送りパルス発生器25には、スピンドルドライバ22と横送りドライバ21とが接続され、そのスピンドルドライバ22がスピンドルモータ17に接続され、横送りドライバ21が、直動ステージ15を直線移動させるモータ16に接続されている。
また、基板13は、回転ステージ14によって、回転軸を中心に一定線速度となるように回転され、また、基板13は、直動ステージ15によって、半径方向に一定ピッチで移動され、測長器3によって直動ステージ15の移動距離が測定されるように構成されている。
なお、本実施形態における描画装置は、ブランキング電極9に印加されるブランキング信号Faによって、電子ビーム5の絞り10の通過がON/OFF制御され、フォーマット信号Fbの論理値“0”に対応して、論理値が“1”となるブランキング信号Faによって、電子ビーム5が大きく偏向され、電子ビーム5の絞り10の通過が阻止される。
また、フォーマット信号Fbの論理値“1”に対応して、論理値が“0”となるブランキング信号Faによって、電子ビーム5が絞り10を通過して、対物レンズ8によって、基板13表面のフォトレジスト膜の所定位置に焦点を結んで照射される。
この場合、電子ビーム5の基板13での反射ビームを、センサ(図示せず)で受光することにより、基板13の面ぶれが検出されると、フォーカスレンズ7が補正駆動され、基板13への入射電子ビームのフォーカスが制御され、入射電子ビーム径の変動が防止される。
これにより、本実施形態の描画装置は、所定速度で回転する基板13に対し、電子ビーム5を連続照射し、基板13の表面のフォトレジスト膜にピットパターンを形成することが可能となる。
また、トラッキングエラーを検出するために、ピットパターンを変位して形成する場合には、ウォブル信号発生器28からのフォーマット信号Fb1により、偏向ドライバ24から偏向器11に入力されるウォブル信号Fwによって、入射電子ビームが基板13上で偏向されピットパターンが変位して形成されることになる。
<電子ビームの描画方向>
次に、図2を参照しながら、基板13における電子ビームの描画方向について説明する。
本実施形態では、図2に示すように、基板13の横送り方向(基板半径方向)を『X』、回転方向を『Y』と定義する。この場合、本実施形態の描画装置は、基板13を『Y』方向に回転させると共に、基板13を『X』方向に移動させながら電子ビームをオン・オフすることで、基板13上にピットパターンを形成することになる。
なお、図3(a)に示すようなピットパターンを描画しようとした場合に、トラック間のピッチが小さくなると、ピットパターンに隣接トラックの近接効果の影響が及ぶことになり、図3(b)に示すように、隣接トラック間におけるピットパターンの有無により近接効果の影響が発生することになる。なお、図3(b)に示すように、隣接トラック間にピットパターンが存在する箇所において、そのピットパターンに近接効果の影響が発生していることがわかる。
このため、本実施形態における描画装置は、図4(a)に示すように、隣接トラック間にピットパターンが存在する場合に、回転方向(Y方向)と反対方向に電子ビームを偏向走査することで、電子ビームと基板13のレジスト膜との相対移動速度を上げ、ドーズ量を小さくすることにしている。
例えば、図4(a)では、表記パターン『n=1〜3』の数が多い部分ほど相対移動速度が速く、ドーズ量が小さくなることを示しており、表記パターン『1』の部分は、相対移動速度が遅く、ドーズ量が多くなり、表記パターン『3』の部分は、相対移動速度が早く、ドーズ量が小さくなることを示している。これにより、本実施形態における描画装置は、図4(b)に示すように、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能となる。
次に、図5、図6を参照しながら、ピットパターンを描画する際のタイミングおよび相対移動速度について説明する。なお、図5(a)は、図4(a)に示す本実施形態の描画装置により形成するピットパターンを示し、図5(b)は、図3(a)に示す一般的な描画装置により形成するピットパターンを示している。また、図6(a)、(b)は、図5(a)、(b)に示す中央トラックの矢印方向の時間遷移に伴う、相対移動速度変化と電子ビームのON/OFFタイミングと、を示している。なお、図6(a)は、図5(a)のタイミングを示し、図6(b)は、図5(b)のタイミングを示している。
なお、図6では、隣接トラック間にピットパターンが無いとき、および補正をしない場合に、相対移動速度を『Vy』とし、片側のトラックにのみピットパターンがある場合に、相対移動速度を『2Vy』とし、隣接トラック間にピットパターンがある場合に、相対移動速度を『4Vy』として表記している。即ち、図5(a)に示す表記パターン『3』の部分は、図6では、相対移動速度を『4Vy』とし、図5(a)に示す表記パターン『2』の部分は、図6では、相対移動速度を『2Vy』とし、図5(a)に示す表記パターン『1』の部分は、図6では、相対移動速度を『Vy』としている。なお、実際のピットパターンの有無による相対移動速度の比は、諸条件に依存することになるため、予備実験等で補正量を決定することになる。
なお、図6において、ピットパターンのピット長(潜像相当量)は、相対移動速度×時間、即ち、相対移動速度と時間とによって囲まれる面積に相当し、補正時の電子ビームのON時間は、そのピット長(潜像相当量)で決定することになる。なお、図6において、面積内に示す破線は、最小ピット単位の領域を示す。
このように、本実施形態における描画装置は、ピットパターンを描画するトラックと隣接する隣接トラックにおけるピットパターンのピット長(潜像相当量)に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整し、ピットパターン描画時のパルス信号を図6(a)に示すように制御することで、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能となる。これにより、本実施形態における描画装置は、図4(b)に示すように、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正したピットパターンを形成することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、ピットパターンを描画するトラックと隣接する直近の隣接トラックの近接効果の影響のみを考慮することにした。これは、Xθ型電子ビーム描画装置で描画する対象となるピットパターンが、一定のトラックピッチを形成するため、直近の隣接トラックより遠い隣接トラックの近接効果の影響が及び難いためである。
なお、直近の隣接トラックより遠い隣接トラックの近接効果の影響が及ぶ場合には、その近接効果を含めて補正を行うことが好ましい。このため、本実施形態における描画装置は、直近の隣接トラックより遠い隣接トラックの近接効果の影響が及ぶ場合には、ピットパターンを描画するトラックと隣接する複数の隣接トラックにおけるピットパターンのピット長(潜像相当量)に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整するように構築することが好ましいことになる。
なお、本実施形態における描画装置は、回転方向(Y)に並ぶピットパターンに対して補正を行うため、回転基準位置からの時間ではなく、回転角度により描画の有無(ON/OFF)を保持する必要がある。
例として、図7を参照しながら、連続してピットパターンを描画した隣接トラック(n−1,n)間のピットパターンの関係について説明する。
図7に示すように、隣接トラック間のトラックピッチを『Tp』とすると、隣接トラックとの周囲長の差は、『2π*Tp』となる。また、回転中心位置から第0トラック間までの半径を『r0』とすると、トラック間のピット数が『商:A=2π*(r0+Tp*n)』となり、n−1,nトラック間のピット周方向のズレ量は、『剰余:B=2π*(r0+Tp*n)%Pmin』となり、これはズレ量がトラック毎に『Tp%Pmin』拡大することを意味している。
このように、隣接トラックのピットパターンは、トラック毎にピット長よりも小さなズレを生じてしまうため、描画パルスをそのままピットパターンの補正に使用することができない。なおCAVフォーマットなど、回転毎にピットパターン位置をリセットする場合には、それぞれのフォーマット毎にピットパターンの描画状態は異なることになる。
なお、本実施形態の描画装置における描画ピットパターンの補正の例として、3種類の方法について以下に説明する。
<第1の方法:角度分割による描画ピットパターンの補正>
第1の方法は、回転基準位置を基準角として、1周を微小角度に分割し、その分割角度毎に、トリガを発生させ、描画ピットパターンの補正を行う方法である。なお、第1の方法の概念図を図8に示す。図8中のメモリは角度変化の両エッジで動作する。
まず、ピットパターンを描画する角度位置をアドレスとしてメモリから格納データを読出し、隣接トラックの描画状態を把握する。なお、格納データとしては、描画の有無や描画時の相対移動速度が含まれる。なお、メモリから読み出す格納データは、簡易的には前トラックの描画結果だけとなるが、更に前の前々トラックの描画結果を含むようにすることも可能である。また、メモリを前トラック、前々トラック・・・と複数用意しても良いし、ローパスフィルタを用いる等して、近接トラックほど近接効果の影響が大きくなるようにすることで、メモリ量を削減して複数トラックによる近接効果の影響を補正するように構築することも可能である。また、補正量を求める時に、隣接トラックの同一角度位置のみではなく、その前後の角度位置の格納データを用いることも有効である。
なお、本実施形態の描画装置は、メモリから読み出した格納データを基に、隣接トラックの潜像相当量を求め、その潜像相当量に応じて、電子ビームと基板13の表面のレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整する。そして、実際に描画したピットパターンの描画データを、角度位置をアドレスとしてメモリに格納する。なお、格納データは、今回描画した描画状態もしくは、今回の描画状態とその前に描画した描画状態から演算した値となる。
なお、読出しのアドレッシングは、補正処理を行う前に行い、描画後に描画結果を書き出すことになる。なお、補正時は、基板13は、回転方向『Y』に偏向されているので、実際に描画している角度により、上記アドレッシングを行う必要がある。例として、図9に図6に示す描画時の描画位置を、(補正有)/(補正無)で示す。本実施形態における描画装置は、図9に示す描画位置を角度位置に換算してアドレッシングを行うことになる。また、描画データを先読みすることで、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することが可能となる。
<第2の方法:トラック毎の基準クロックとFIFOを利用した描画の補正>
第1の方法では、角度分割数分のメモリが必要になってしまう。このため、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正するためには、最小ピットの数分の1に相当する分割が必要となるので、巨大なメモリ空間が必要になる。
このため、第2の方法では、図10に示すように、1回転分のFIFOを用いて1トラック前の描画データにアクセスすることで、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正する。但し、通常、電子ビーム描画は、線速度が一定となるように行われているため、トラック毎に回転速度が異なり、外周ほど遅くなり、ピットパターンの数が増えることになる。
このため、トラック毎に隣り合うピットパターンを読み出すためには、読み出し側のクロックを、回転速度比分小さくし、描画トラックと同じ回転周期となるように正規化する必要がある。この正規化クロックを用いてFIFOから描画済データを読み出し、該読み出した描画済データを用いて、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正することになる。
なお、隣接トラック間の位相差が最小ピット幅より小さくなるような場合には、基準クロックに対して逓倍した補正用クロックを用いることにより、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを精度良く補正することが可能となる。
<第3の方法:トラック毎の基準クロックと通常のメモリを利用した描画の補正>
第3の方法は、第2の方法で説明したFIFOではなく、それぞれの基準クロックでアドレスを生成し、描画データを読み書きすることで、通常のメモリを使用し、隣接トラック間の近接効果の影響によるピットパターンの形状の乱れを補正する。
このように、本実施形態における描画装置は、隣接トラックのピットパターン描画時のパルス信号から潜像相当量を求め、その求めた潜像相当量に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整することで、簡易な構成で、隣接トラック間の近接効果の影響による描画パターンの乱れを補正することが可能となる。従って、回転変動の小さな系、および、変動の影響の出にくい大きなパターンを描画する際に効果的となる。
また、本実施形態における描画装置は、基板13の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号から潜像相当量を求め、その求めた潜像相当量に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整することで、回転変動が生じている場合でも、隣接トラック間の近接効果の影響による描画パターンの乱れを補正することが可能となる。即ち、図8に示す角度位置『4』〜『5』のように、回転速度変動で周期が変わった場合でも、隣接トラック間の近接効果の影響による描画パターンの乱れを補正することが可能となる。
また、本実施形態における描画装置は、基板13の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号、および、ピットパターン描画予定のパルス信号から潜像相当量を求め、その求めた潜像相当量に応じて、電子ビームとレジスト膜との相対移動速度を変化させ、電子ビームをトラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる電子ビームとレジスト膜との相対移動速度差からピットパターンの形状が変化しないようにピットパターンの描画期間を調整することで、将来描画するピットパターンによる影響も考慮して、隣接トラック間の近接効果の影響による描画パターンの乱れを補正することが可能となる。
また、本実施形態における描画装置は、基板13の移動方向の送りむらより発生するトラック間ピッチの変動量を求め、その求めた変動量に応じて潜像相当量を補正し、相対移動速度を調整することで、トラック間ピッチの変動により増減するトラック間の近接効果の影響による描画パターンの乱れを補正することが可能となる。
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において当業者が上記実施形態の修正や代用を行い、種々の変更を施した形態を構築することは可能である。
例えば、上述した実施形態における描画装置における制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成によって実行することも可能である。
なお、ソフトウェアによる処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させるか、あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータにプログラムをインストールして実行させることが可能である。
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROM(Read Only Memory)に予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体に、一時的、あるいは、永続的に格納(記録)しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、コンピュータに無線転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送したりし、コンピュータでは、転送されてきたプログラムを受信し、内蔵するハードディスク等の記録媒体にインストールすることが可能である。
また、上記実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に実行するように構築することも可能である。また、上記実施形態で説明した描画装置は、複数の装置の論理的集合構成にしたり、各構成の装置が同一筐体内に存在する構成にしたりするように構築することも可能である。
本発明にかかる描画装置、描画方法、描画プログラムは、光ディスク、パターンドメディア等の原盤を作成するためのワーク回転駆動型に適用可能である。
本実施形態の描画装置の構成を示すブロック図である。 基板13における電子ビームの描画方向を説明するための図である。 隣接トラックの近接効果の影響が及ぶ場合を説明するための図である。 本実施形態の描画方法を説明するための図である。 隣接トラック間の近接効果の影響を補正する際の信号モデルを説明するための第1の図である。 隣接トラック間の近接効果の影響を補正する際の信号モデルを説明するための第2の図である。 隣接トラック間の位置関係を示す図である。 角度分割による信号生成を説明するための図である。 補正時の描画位置を説明するための図である。 FIFOを用いた隣接トラックの描画データの取得方法を説明するための図である。
符号の説明
1 鏡筒
3 測長器
4 電子銃
5 電子ビーム
6 電磁レンズ
7 フォーカスレンズ
8 対物レンズ
9 ブランキング電極
10 絞り
11 偏向器
13 基板
14 回転ステージ
15 直動ステージ
16 モータ
17 スピンドルモータ
21 横送りドライバ
22 スピンドルドライバ
23 ブランキングドライバ
24 偏向ドライバ
25 回転送りパルス発生器
26 フォーマッタ
28 ウォブル信号発生器

Claims (7)

  1. 所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画装置であって、
    ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整することを特徴とする描画装置。
  2. 前記潜像相当量を、前記隣接トラックのピットパターン描画時のパルス信号から求めることを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  3. 前記潜像相当量を、前記基板の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号から求めることを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  4. 前記潜像相当量を、前記基板の角度位置に応じたピットパターン描画済のパルス信号およびピットパターン描画予定のパルス信号から求めることを特徴とする請求項1記載の描画装置。
  5. トラック間ピッチの変動量を基に、前記潜像相当量を補正することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の描画装置。
  6. 所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画方法であって、
    ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整することを特徴とする描画方法。
  7. 所定速度で回転する基板に対し、電子ビームを照射し、前記基板表面のレジスト膜にピットパターンを描画する描画プログラムであって、
    ピットパターンを描画するトラックと隣接する少なくとも1つの隣接トラックにおける潜像相当量に応じて、前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度を変化させ、前記電子ビームを前記トラックに沿った方向に偏向させると共に、該偏向により生ずる前記電子ビームと前記レジスト膜との相対移動速度差から前記ピットパターンの形状が変化しないように前記ピットパターンの描画期間を調整する処理を、コンピュータに実行させることを特徴とする描画プログラム。
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