JP2009211790A - クロック信号生成方法、クロック信号生成装置、電子線描画装置、原盤製造方法、及び情報記録媒体製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小パターンの大きさを変えることなく、微小パターンを基板上の任意の位置に描画するためのクロック信号を生成する。
【解決手段】表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるための、第1クロック信号及び第2クロック信号を形成する。そして、第1クロック信号を用いて複数の微小パターンからなるパターン群を形成した後に、第2クロック信号を用いて電子線のブランキングを行う。これにより、第1クロック信号に基づく微小パターン群の形成を開始する位置の調整を行うことが可能となる。
【選択図】図6
【解決手段】表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるための、第1クロック信号及び第2クロック信号を形成する。そして、第1クロック信号を用いて複数の微小パターンからなるパターン群を形成した後に、第2クロック信号を用いて電子線のブランキングを行う。これにより、第1クロック信号に基づく微小パターン群の形成を開始する位置の調整を行うことが可能となる。
【選択図】図6
Description
本発明は、クロック信号生成方法、クロック信号生成装置、電子線描画装置、原盤製造方法、及び情報記録媒体製造方法に係り、更に詳しくは、電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成方法、電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成装置、電子線を用いて基板にパターンを描画する電子線描画装置、前記電子線描画装置を用いて原盤を製造する原盤製造方法、及び前記原盤を用いて情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法に関する。
インターネットの普及び高速化、それに伴う動画配信等の各種サービスの拡大、ハイビジョン画像受信再生機の普及などを背景に、情報機器等が取り扱うデータ量が急速に増大している。近年、これら増大する大量のデータを保存利用する為に、大容量光ディスクあるいは大容量のハードディスクドライブの開発が盛んに行われている。特に、ハードディスクなどの記録媒体は、携帯電話、携帯用音楽記録再生装置、ビデオカメラなどのポータブル機器にも搭載されるなど、その用途が拡大し、最近では、小型大容量の記録媒体であるディスクリートトラックメディアや、パターンドメディアなどが登場するに至っている。
上述の記録媒体の原盤となる基板などへパターンを描画する方法としては、例えば特許文献1に記載されたX−θステージを備えた電子線描画装置を用いた描画方法が考えられる。この種の電子線描画装置を用いた描画方法では、基板上に螺旋状又は同心円状のトラックに沿って任意のパターンを描画形成することができる。
一般に、基板に描画されるドットパターンあるいはラインパターン等の形状は、電子線のドーズ量(C(クーロン)/cm)に依存する。このため、基板へのパターンの描画は、電子線の照射電流を一定にするとともに、基板表面上の電子線のスポットを所定のトラックに沿って等速で移動させながら行うことが最良であると考えられる。
そこで、一例として特許文献1に記載された電子線描画装置を用いて、基板表面に規定されるトラックに沿って電子線の入射位置を等速に移動させながらパターンを描画する方法(CLV駆動方法)においては、基板表面の領域を、基板の回転中心を中心として複数の微小セクタに分割し、このセクタに含まれるトラック上に複数の微小パターンを描画することで、基板表面に複数の微小パターンが組み合わされた最終的なパターンが描画される。
特許文献1に記載の装置を用いて、基板表面の円形領域に、円形領域の半径方向と所定の角度をなす斜め方向(トラックと交差する方向)に配列された微小パターンを形成する場合には、形成する円弧状のパターンの中心角を小さくするか、または、トラック方向の長さを小さくすることが必要となる。しかしながら、微小パターンを小さくするためには、電子線をブランキングさせるためのクロック信号の周波数を高くする必要があるため、信号を生成する回路特性などによる制限を受ける。また、周波数が高くなにつれてパターンを形成する際のデータが増大するという不都合もある。
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、微小パターンの大きさを変えることなく、微小パターンを基板上の任意の位置に描画するためのクロック信号を生成することが可能なクロック信号生成方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、微小パターンの大きさを変えることなく、微小パターンを基板上の任意の位置に描画するためのクロック信号を生成することが可能なクロック信号生成装置を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、微小パターンの大きさを変えることなく、微小パターンを基板上の任意の位置に描画することが可能な電子線描画装置を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、記録媒体に形成されたサーボエリア及びデータエリアに、任意の位置にそれぞれ配置された微小パターンからなるパターン群を形成するための原盤を製造する原盤製造方法を提供することにある。
また、本発明の第5の目的は、各セクタのサーボエリア及びデータエリアに、任意の位置にそれぞれ配置された微小パターンからなるパターン群が形成された情報記録媒体を製造するための情報記録媒体製造方法を提供することにある。
本発明は第1の観点からすると、表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って等速度で相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成方法であって、前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第1位置から、前記同心円トラック上の第2位置まで移動する間に、前記同心円トラックを、第1の角度又は第1の長さに区分したときの個数をN1、前記第1位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR1、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R1/(V・N1)±π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を初期値とし、式±2π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を増減値として第1クロック信号を生成する工程と;前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第2位置から、前記同心円トラック上の第3位置まで移動する間に、前記同心円トラックを、第2の角度又は第2の長さに区分したときの個数をN2、前記第2位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR2、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R2/(V・N2)±π・P/(V・N2 2)を用いて算出される値に基づいて決定される第2クロック信号を生成する工程と;を含むクロック信号生成方法である。
これによれば、表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って相対移動される基板の同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるための、第1クロック信号及び第2クロック信号が形成される。したがって、第1クロック信号を用いて複数の微小パターンからなるパターン群を形成した後に、第2クロック信号を用いてブランキングを行うことで、次の、第1クロック信号に基づく微小パターン群の形成を開始する位置の調整を行うことが可能となる。
また、本発明は第2の観点からすると、表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って等速度で相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成装置であって、前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第1位置から、前記同心円トラック上の第2位置まで移動する間に、前記同心円トラックを、第1の角度又は第1の長さに区分したときの個数をN1、前記第1位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR1、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R1/(V・N1)±π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を初期値とし、式±2π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を増減値として決定される第1クロック信号を出力し、前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第2位置から、前記同心円トラック上の第3位置まで移動する間に、前記同心円トラックを、第2の角度又は第2の長さに区分したときの個数をN2、前記第2位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR2、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R2/(V・N2)±π・P/(V・N2 2)を用いて算出される値に基づいて決定される第2クロック信号を出力するクロック生成装置である。
これによれば、表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って相対移動される基板の同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせる、第1クロック信号及び第2クロック信号が形成される。したがって、第1クロック信号を用いて複数の微小パターンからなるパターン群を形成した後に、第2クロック信号を用いてブランキングを行うことで、次の、第1クロック信号に基づく微小パターン群の形成を開始する位置の調整を行うことが可能となる。
また、本発明は第3の観点からすると、電子線を用いて、所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定された基板表面を、前記同心円トラックに沿って露光することにより、前記同心円トラック上に複数のパターンを形成する電子線描画装置であって、前記基板表面の照射位置に向けて前記電子線を照射する照射装置と;前記照射装置に対して前記基板を相対移動して、前記照射位置を所定の等ピッチ螺旋トラックに沿って等速移動させる移動装置と;前記螺旋トラック上の前記照射位置に向けて照射された前記電子線を偏向して、前記電子線を前記所定の同心円トラック上へ入射させる偏向装置と;本発明のクロック信号生成装置と;前記クロック信号生成装置によって生成された前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号に基づいて前記電子線をブランキングさせるブランキング装置と;を備える電子線描画装置である。
これによれば、表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って相対移動される基板の同心円トラック上に入射する電子線をブランキングするための第1クロック信号及び第2クロック信号とが形成される。そして、この信号に基づいて、基板上に複数のパターンが形成される。したがって、第1クロック信号を用いて複数の微小パターンからなるパターン群を形成した後に、第2クロック信号を用いてブランキングを行うことで、次の第1クロック信号に基づく微小パターン群を任意の位置から描画することが可能となる。
また、本発明は第4の観点からすると、本発明の電子線描画装置によって基板にパターンを描画する工程と;前記基板上に形成されたパターンを現像する工程と;を含む情報記録媒体の原盤製造方法である。
これによれば、記録媒体に形成されたサーボエリア及びデータエリアに、任意の位置にそれぞれ配置された微小パターンからなるパターン群を形成するための原盤を製造することが可能となる。
本発明は第5の観点からすると、本発明の原盤を用いて、記録媒体へパターンを転写することにより情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法である。
これによれば、各セクタのサーボエリア及びデータエリアに、任意の位置にそれぞれ配置された微小パターンからなるパターン群が形成された情報記録媒体を製造することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には本実施形態に係る電子線描画装置100の概略構成が示されている。この電子線描画装置100は、例えば真空度が10−4Pa程度の環境下において、表面にレジスト材がコーティングされた基板Wに電子線を照射して、基板Wの表面に微細パターンを描画する電子線描画装置である。本実施形態にかかる電子線描画装置100は、後述する照射ユニット10に対して基板Wを相対移動して、照射ユニット10の照射位置を図2に示される螺旋トラックSTrに沿って移動させるとともに、照射位置に向かう電子線を偏向させることにより、基板Wの回転中心oを共通の中心とする複数の同心円トラックCTr1〜CTrn上の露光(描画)開始位置SP1〜SPnから、同心円トラックCTr1〜CTrnに沿ってパターンを描画する。また、本実施形態では、基板Wの表面には一例として図3又は図4に着色して示されるように、基板Wの回転中心oを中心とする領域に、中心角がθsのセクタS1〜S4が規定されている。そして、それぞれのセクタS1〜S4は、図3に示されるように、中心角θaの第1領域AL1とそれ以外の第2領域AL2から構成されているか、又は、図4に示されるようにセクタの境界とこの境界から距離L1だけ隔てた点線によって規定される略長方形の第1領域AL1とそれ以外の第2領域AL2とから構成されている。
図1に示されるように、この電子線描画装置100は、電子線を基板Wに照射する照射ユニット10、基板Wが載置される回転テーブル31を備える回転テーブルユニット30、及び回転テーブルユニット30などが収容される直方体状の真空チャンバ40と、パルス信号生成装置21、フォーマット信号生成装置22、偏向信号生成装置23、回転駆動制御装置25、及び送り駆動制御装置26などを含んで構成される制御系と、上記各部を統括的に制御するコントローラ20とを有している。
前記回転テーブルユニット30は、真空チャンバ40内部の底壁面上に配置されている。この回転テーブルユニット30は、基板Wが載置される回転テーブル31、回転テーブル31を鉛直軸回りに所定の回転数で回転する回転機構32、回転機構32をX軸方向に移動可能に支持する移動ステージ34、及び前記移動ステージ34を所定のストロークでX軸方向に駆動するスライドユニット33を備えている。
前記回転テーブル31は、円形板状の部材であり、回転機構32によって鉛直軸回りに回転可能に保持されている。
前記回転機構32は、回転駆動制御装置25から供給される制御信号に基づいて、前記回転テーブル31を所定の回転数で回転させる。
前記移動ステージ34は、前記回転機構32を支持するとともに、スライドユニット33によってX軸方向に移動可能に保持されている。
前記スライドユニット33は、送り駆動制御装置26から供給される制御信号に基づいて、前記移動ステージ34をX軸方向へ所定の速度で移動させる。
また、上述のように構成された回転テーブルユニット30では、回転テーブル31の回転角、及び移動ステージ34の位置が、それぞれ回転角検出器37及び位置検出器38によって検出され、回転角検出器37及び位置検出器38からは、回転テーブル31の回転角及び移動ステージ34の位置に応じたパルス信号が出力されるようになっている。
前記照射ユニット10は、長手方向をZ軸方向とするケーシング11と、該ケーシング11の内部上方から下方に向かって順次配置された、電子銃12、磁界レンズ13、ブランキング電極14、アパーチャ部材15、偏向電極16、及び対物レンズ17を備えている。
前記ケーシング11は、下方が開放された円筒状のケーシングであり、真空チャンバ40の上面に形成された開口に、上方から隙間なく嵌合されている。そして、真空チャンバ40の内部に位置する部分は、その直径が−Z方向に向かって小さくなるテーパー形状となっている。
前記電子銃12は、前記ケーシング11の内部上方に配置されている。この電子銃12は、陰極から熱と電界により取り出した電子を射出する熱電界放射型の電子銃であり、例えば、直径20〜50nm程度の電子線を下方(−Z方向)へ射出する。
前記磁界レンズ13は、電子銃12の下方に配置された環状のレンズであり、電子銃12から下方に射出された電子線に対して集束する方向のパワーを作用させる。
前記ブランキング電極14は、X軸方向に所定間隔隔てて相互に対向するように配置された1組の長方形板状の電極を有し、フォーマット信号生成装置22から供給されるブランカ制御信号Bsigに応じて、磁界レンズ13を通過した電子線を、図中の点線で示されるように+X方向へ偏向する。
前記アパーチャ部材15は、中央に電子線が通過する開口が設けられた板状の部材である。このアパーチャ部材15は、ブランキング電極14を通過した電子線が収束する点近傍に開口が位置するように配置されている。
前記偏向電極16は、アパーチャ部材15の下方に配置されている。この偏向電極16は、X軸方向に相互に対向するように配置された1対の電極と、Y軸方向に相互に対向するように配置された1対の電極とを有し、偏向信号生成装置23から供給される偏向制御信号Dsigに応じて、アパーチャ部材15を通過した電子線をX軸方向又Y軸方向へ偏向する。
前記対物レンズ17は、偏向電極16の下方に配置され、偏向電極16を通過した電子線を、回転テーブル31に載置された基板Wの表面に収束する。
上述のように構成された照射ユニット10では、電子銃12から射出された電子線は、磁界レンズ13を通過することにより集束され、アパーチャ部材15に設けられた開口近傍(以下、クロスオーバポイントという)で一旦交差される。次に、クロスオーバポイントを通過した電子線は、発散しつつアパーチャ部材15を通過することによりその形状が整形される。そして、対物レンズ17によって、回転テーブル31に載置された基板Wの表面上の所定の照射位置に収束される。
以下、説明の便宜上、前記照射位置とは、偏向電極16によって偏向されない電子線が入射する基板W上の位置であり、対物レンズ17をはじめとする照射ユニット10の軸上の位置をいうものとする。そして、基板W上の電子線が実際に入射する位置は入射位置というものとする。本実施形態では、上述の照射位置は、基板Wの回転中心を通りX軸に平行な直線上に位置するように、照射ユニット10と回転テーブル31との相対位置が調整されている。
また、照射ユニット10では、ブランカ制御信号Bsigに基づいてブランキング電極14が制御され、電子線がX軸方向に偏向されることで、アパーチャ部材15で電子線が遮蔽され、基板Wに対する電子線のブランキングが行われるようになっている。また、偏向制御信号Dsigに基づいて偏向電極16が制御され、電子線がX軸方向又はY軸方向に偏向されることにより、基板W上の電子線の照射位置が調整されるようになっている。
図5は、前記パルス信号生成装置21のブロック図である。図5に示されるように、パルス信号生成装置21は、基準クロック生成装置21a、フォーマッタ駆動クロック生成装置21b、偏向クロック生成装置21c、回転指令パルス生成装置21d、及び送り指令パルス生成装置21eを有している。
前記基準クロック生成装置21aは、電子線描画装置100を構成する各装置を制御する際の基準となる所定の周波数の基準クロック信号CLKを生成し出力する。本実施形態では、基準クロック信号CLKは、一例としてば図6に示されるように、その値が周期T毎にハイレベルとなる信号である。
前記偏向クロック生成装置21c、前記回転指令パルス生成装置21d、及び前記送り指令パルス生成装置21eは、基準クロック生成装置21aによって生成された基準クロック信号CLKに基づいて、それぞれ偏向クロック信号Dclk、回転指令パルス信号Tclk、及び送りパルス信号Sclkをそれぞれ生成し出力する。
そして、本実施形態では、前記回転駆動制御装置25が、パルス信号生成装置21からの回転指令パルス信号Tclkと、回転角検出器37からのパルス信号とを比較して、この比較結果に応じて回転機構32を駆動することで、基板Wが所定の回転数で回転し、また、前記送り駆動制御装置26が、パルス信号生成装置21からの送りパルス信号Sclkと、位置検出器38からのパルス信号とを比較して、この比較結果に応じてスライドユニット33を駆動することで、基板WがX軸方向へ所定の速度で移動する。電子線描画装置100では、このように、回転駆動制御装置25と送り駆動制御装置26とが協働することにより、照射ユニット10の照射位置が、図2に示される螺旋トラックSTrに沿って基板W上を等速移動するようになっている。
また、前記偏向信号生成装置23は、パルス信号生成装置21からの偏向クロック信号Dclkに同期して、偏向制御信号Dsigを生成し、偏向電極16へ供給する。図7には、偏向信号生成装置23によって生成される偏向制御信号Dsigが示されている。図7に示されるように、偏向制御信号Dsigは基板Wの全回転角θtotが2π増加するごとに、零となるノコギリ波状の信号である。この信号が偏向電極16に供給されることで、電子線の入射位置は基板Wが1回転する間に、基板WとX軸方向の移動速度と等しい速度でX軸方向へ移動し、ブランキングされない電子線の入射位置は順次同心円トラックCTrn上に位置決めされる。これにより、電子線の入射位置は、各同心円トラックCTrnの描画開始位置SPnから、それぞれの同心円トラックCTrnに沿って、中心oを一周する。
フォーマッタ駆動クロック生成装置21bは、コントローラ20の指示の下、基準クロック信号CLKに基づいてフォーマッタ駆動クロック信号Fclkを生成し、フォーマット信号生成装置22へ供給する。本実施形態では、一例として図8に示されるように、セクタ内の第1領域AL1に第1基準角度Δθを中心角とする微小パターンを最小構成要素とするパターンを描画し、第2領域AL2に同心円トラックCTrnに沿った長さが基準長さΔLの単位トラックに沿った微小パターンを最小構成要素とするパターンを描画する場合と、図9に示されるように、セクタ内の領域のうち、第1領域AL1に同心円トラックにCTrn沿った長さが第1基準長さΔL1の微小パターンを最小構成要素とするパターンを描画し、第2領域AL2に同心円トラックCTrnに沿った長さが第2基準長さΔL2の単位トラックに沿った微小パターンを最小構成要素とするパターンを描画する場合とが考えられる。
基板Wを回転するとともにX軸方向へ送りながら、図2中の露光開始位置SP1から螺旋トラックに沿って電子線の照射位置を等速で移動させて露光を行う場合には、露光開始位置SP1から螺旋トラック上の位置BP’までの間の螺旋トラックSTrの長さLは、次式(1)で示される。ただし、R0は基板Wの回転中心oから露光開始位置SP1までの距離であり、θtotは露光開始位置SP1から位置BP’まで照射位置が移動するまでの基板Wの全回転角度であり、Pは螺旋トラックSTrのピッチである。また、式(1)の2項目の符号は、螺旋トラックSTrに沿って基板Wの内側から外側へ照射位置を移動させる場合には+となり、螺旋トラックSTrに沿って基板Wの外側から内側へ照射位置を移動させる場合には−となる。
L=R0・(θtot) ± P・(θtot)2/(4・π) …(1)
そして、螺旋トラック上を電子線の照射位置が移動する速度をVとすると、電子線の照射位置が基準位置SP1から螺旋トラックSTr上の位置BP’まで移動するのに要する時間Tは次式(2)で示される。
T=L/V
=R0・(θtot)/V ± P・(θtot)2/(4・π・V)…(2)
=R0・(θtot)/V ± P・(θtot)2/(4・π・V)…(2)
中心角がΔθの円弧状のパターンを、セクタ内の領域に同心円トラックCTrn沿って形成する場合には、同心円トラックCTrnのいずれかに沿って電子線の入射位置が移動する間に、所定のタイミングで電子線をブランキングさせる必要がある。
同心円トラックCTrnを、中心角を(基準角度)Δθとする円弧に区分したときの個数をNとすると、基準角度Δθを整数倍した角度(整数倍角)θkは次式(3)で示される。そして式(2)と式(3)から次式(4)を導出することができる。なお、kは0、1、2…と連続する整数である。
θk=Δθ・k=2π・k/N …(3)
T・k=2π・R0・k/(V・N) ± π・P・k2/(V・N2)…(4)
T・k=2π・R0・k/(V・N) ± π・P・k2/(V・N2)…(4)
上記式(4)より、中心角を基準角度Δθとする単位パターンが描画される時間間隔(周期)は、次式(5)で示される。
Δt(k)=t(k+1)−t(k)
=2π・R0/(V・N) ± π・P・(2k+1)/(V・N2)
…(5)
=2π・R0/(V・N) ± π・P・(2k+1)/(V・N2)
…(5)
上記式(5)は、螺旋トラックSTrに沿って照射位置を移動させつつ電子線を偏向させて、同心円トラックCTrに沿った中心角が基準角度Δθとなる単位パターンを形成するための周期は、その初期値が次式(6)で与えられ、増減値が次式(7)で与えられることを意味している。
2π・R0/(V・N) ± π・P/(V・N2)…(6)
±2π・P・(V・N2)…(7)
±2π・P・(V・N2)…(7)
同心円トラックCTrnにおいて、例えば図8に示されるように同心円トラックCTrnに沿った長さがΔLと同一なパターン(同一長パターン)は、あるトラック上における中心角が同一のパターン(同一中心角パターン)に相等する。但し、半径の異なる同心円トラックにおいて同一長パターンを形成しようとすれば、同一長パターンに対応する中心角を同心円トラックの半径に応じで変更しなければならない。その中心角は、外側のトラックでは小さく、内側のトラックでは大きくなる。従って、本実施形態における同心円トラックCTrn上の同一長パターンは、実質、トラック毎に中心角の異なる同一中心角パターンと同じになる。ここで、同一中心角領域を、同心円トラックに沿って中心角が相互に同一のパターンが形成される領域とし、同一長領域を、同心円トラックに沿った長さが相互に同一のパターンが形成される領域と定義する。
すなわち、同一中心角領域及び同一長領域は、それぞれの領域の開始位置に対応する等ピッチスパイラルトラック上の位置と基板Wの回転中心oとの距離R0と、それぞれの領域に形成される最小同一中心角要素あるいは最小同一長要素のトラック当たりの個数情報Nと、トラックピッチ情報Pと、露光線速情報Vを用いて、上記式(6)及び式(7)に基づき演算され、そのデータから生成されるそれぞれの領域を形成するためのフォーマッタ駆動クロック信号に基づいて形成することができることになる。
以降、複数の最小同一中心角パターンを構成要素として構成される領域すなわち同一中心角領域と、複数の最小同一長パターンを構成要素として構成される領域すなわち同一長領域を、合わせて、定型最小構成要素を用いて形成される定型パターン領域とする。同時に、単一の最小同一中心角パターンを構成要素として構成される領域と、単一の最小同一長パターンを構成要素として構成される領域を、合わせて、非定型最小構成要素を用いて形成される非定型パターン領域とする。非定型パターン領域は、後述するセクタ長調整領域、斜めパターンを形成する為の領域に相等する。
このように、定義することにより、例えば図8及び図9に見られる露光パターンは、定型パターン領域と非定型パターン領域の組合せによって構成されていると考えることができる。
個々の定型パターン領域を形成するためのクロック信号については、上記式(6)及び式(7)のN及びR0に、定型パターン領域を構成する定型最小構成要素の長さ(又は中心角)で、同心円トラックCTrn区分したときの数N1、及び定型パターン領域の開始位置に対応する螺旋トラックSTr上の位置と基板Wの回転中心oとの距離R1をそれぞれ代入することで、次式(8)で与えられる初期値、及び次式(9)で与えられる増減値を得ることができる。
2π・R1・/(V・N1) ± π・P/(V・N1 2)…(8)
±2π・P・(V・N1 2)…(9)
±2π・P・(V・N1 2)…(9)
また、個々の非定型パターン領域を形成するためのクロック信号については、上記式(6)のN及びR0に、非定型パターン領域を構成する構成要素の長さ(又は中心角)で、同心円トラックCTrn区分したときの数N2、及び非定型パターン領域の開始位置に対応する螺旋トラックSTr上の位置と基板Wの回転中心oとの距離R2をそれぞれ代入することで、次式(10)で与えられる初期値を得ることができる。
2π・R1・/(V・N1) ± π・P/(V・N1 2)…(10)
《セクタ調整領域について》
基板Wの情報トラックを構成するセクタは、同心円トラックCTrnを同一中心角ごとに分割する領域に形成される。セクタ内は、サーボエリアと同一長領域として形成されるデータエリアを含んで構成されるが、セクタ終端位置(あるいは次セクタの開始位置)が、データエリアを構成する構成単位(データエリアを形成する為のフォーマッタ駆動クロック)に一致することは、特殊な条件下を除いて発生しない。
基板Wの情報トラックを構成するセクタは、同心円トラックCTrnを同一中心角ごとに分割する領域に形成される。セクタ内は、サーボエリアと同一長領域として形成されるデータエリアを含んで構成されるが、セクタ終端位置(あるいは次セクタの開始位置)が、データエリアを構成する構成単位(データエリアを形成する為のフォーマッタ駆動クロック)に一致することは、特殊な条件下を除いて発生しない。
従って、本実施形態では、図10に示されるように、データエリアの終端とセクタ終端の間にセクタ長調整領域SAを設け、本セクタの終端位置と次セクタの開始位置を一致させるようにする。セクタは基板W上の中心角がθsの領域に形成され、サーボエリアに相等する領域A1Aとデータエリアに相等する領域A2A(同一長領域)とセクタ長調整領域SAで構成されている。領域A1Aは、NA個の定型構成要素ΔA1で構成される定型パターン領域1であり、領域A2Aは、NL(N)個(トラックによって異なる値になる)の定型構成要素ΔA2で構成される定型パターン領域2である。上述のように、データエリアとセクタ終端は一致せず、その間にセクタ長調整領域SAを設定している。セクタ長調整領域SAは、単一の構成要素(1クロック周期)として形成され、前述の非定型パターン領域に分類される。
《斜めパターンの露光について》
図11は、斜めに配置されたパターンを構成要素として含むサーボエリアパターン例の模式図である。図11に示されるサーボエリアには、定型最小構成要素ΔAによって構成される定型パターン領域Anと、非定型最小構成要素Δa1、Δa2、…からなる非定型パターン領域Bnの組合せによって斜めパターンが形成されている。各非定型最小構成要素については、対応トラック長がある程度の長さを有しており、生成するクロックの周期を問題とすることなく生成できる。このため、従来の方法における最小中心角あるいは最小同一長を小さくすることによって生ずる問題は発生しない。
図11は、斜めに配置されたパターンを構成要素として含むサーボエリアパターン例の模式図である。図11に示されるサーボエリアには、定型最小構成要素ΔAによって構成される定型パターン領域Anと、非定型最小構成要素Δa1、Δa2、…からなる非定型パターン領域Bnの組合せによって斜めパターンが形成されている。各非定型最小構成要素については、対応トラック長がある程度の長さを有しており、生成するクロックの周期を問題とすることなく生成できる。このため、従来の方法における最小中心角あるいは最小同一長を小さくすることによって生ずる問題は発生しない。
非定型パターン領域生成データは、それぞれの非定型パターン領域の開始位置に対応する等ピッチスパイラルトラックSTr上の位置と基板Wとの距離と、それぞれの非定型パターン領域の中心角あるいは同心円トラックCTrnを非定型最小構成要素の長さで区分したときの個数情報Nと、同心円トラックCTrnのピッチPと、露光線速情報Vを用いて、式(6)及び式(7)から演算される。
以下、図6を参照しつつフォーマッタ駆動クロック信号Fclkの生成方法について説明する。図6は、フォーマッタ駆動クロック生成装置21bにより生成されるフォーマッタ駆動クロック信号Fclkが示されている。図中のクロック信号fclk1及びクロック信号fclk3は、最小同一長要素あるいは最小同一中心角要素から構成されるパターン領域を形成するためのクロック信号であり、式(8)を用いて算出される初期値に、式(9)を用いて算出される増減値を順次加えることにより生成される(第1の規則によるフォーマッタ駆動クロック生成)。クロック信号fclk2は、クロック信号fclk1及びクロック信号fclk3で形成されるクロック列として形成できない(最小同一長要素あるいは最小同一中心角要素から構成出来ない)パターン領域を形成するためのクロック信号であり、式(10)を用いて算出される初期値に基づいて生成される(第2の規則によるフォーマッタ駆動クロック生成)。
第2の規則によるフォーマッタ駆動クロック生成が行われることにより、トラック上に形成されるパターンのトラック方向の位置を任意(最小同一長要素あるいは最小同一中心角要素で設定される位置の中間位置)に移動させることが可能になる。そして、隣接する同心円トラックCTrn間に渡り関連させることにより図11に示されるような、トラックを横断する滑らかな斜めパターン形成等が可能になる。
換言すると、フォーマッタ駆動クロック生成装置21bでは、図6を参酌するとわかるように、定型構成要素を形成するためのクロック信号(fclk1、fclk3)と、非定型構成要素を形成するためのクロック信号(fclk2)とが交互に生成され、結果的に図6に示されるようなフォーマッタ駆動クロック信号Fclkが生成され、このフォーマッタ駆動クロック信号Fclkがフォーマット信号生成装置22へ出力されることとなる。
フォーマット信号生成装置22は、フォーマッタ駆動クロック信号Fclkの立ち上がりに同期して、コントローラ20からの描画情報を含むブランカ制御信号Bsigを生成し、このブランカ制御信号Bsigをブランキング電極14へ供給する。これにより、セクタ内の領域に、定型構成要素からなるパターンと、非定型構成要素からなるパターンとが交互に形成される。
前記コントローラ20は、一例としてCPU、照射ユニット10及び回転テーブルユニット30を制御するためのプログラムやパラメータが格納されたメモリなどを含んで構成された制御用コンピュータである。このコントローラ20は、例えばユーザからの指令に基づいて、上述したように、フォーマッタ駆動クロック生成装置21b、偏向クロック生成装置21c、回転指令パルス生成装置21d及び送り指令パルス生成装置21eに対しては、基板Wに対するパターンの描画を行うため指令等を供給する。また、フォーマット信号生成装置22に対して描画情報等を供給する。
以上説明したように、本実施形態では、基板Wが電子線の照射位置に対して螺旋トラックSTrに沿って相対移動され、照射位置へ向けて照射される電子線を偏向電極16によって偏向するためのフォーマッタ駆動クロック信号Fclkが生成さる。そして、このフォーマッタ駆動クロック信号Fclkに基づいて電子線の偏向が行われる。フォーマッタ駆動クロック信号Fclkは、定型パターン領域を形成するためのクロック信号と非定型パターン領域を形成するためのクロック信号によって生成されているため、一例として図11に示されるディスクリートトラックメディア及びパターンドメディアを構成する情報トラックを、定型パターン領域と非定型パターン領域を用いて形成することが可能となる。
また、フォーマッタ駆動クロック信号Fclkを生成するフォーマッタ駆動クロック生成装置21bとしては図12に示される構成のものを採用することができる。
図12に示されるように、フォーマッタ駆動クロック生成装置21bは、情報トラックを形成する各領域のための、予めコントローラ20によってコントローラ制御データCnt−Dataとして設定される領域生成データを格納する領域生成データ格納部52と、領域生成データ格納部52から出力される周期設定データT−Dataと基準クロック信号CLKとに基づいて、フォーマッタ駆動クロック信号Fclkを生成する周期クロック生成部54と、周期クロック生成部54から出力されるフォーマッタ駆動クロック信号Fclkのクロック数を計数するクロック計数部53と、クロック計数部53から出力されるフォーマッタ駆動クロック計数データFN−Dataと領域生成データ格納部52から出力される各領域毎のクロック数データCN−Dataと基準クロック信号CLKとに基づいて、領域生成制御データRN−Dataを生成する領域生成データ読出し制御部33とを有している。
領域生成データ格納部52には、情報トラックに沿って順次形成しようとする情報トラックを形成するための領域生成データが予め、あるいは順次格納される。領域生成データのうち周期設定データに基づいて、周期クロック生成部54はフォーマッタ駆動クロックFclkを生成する。各領域を構成するフォーマッタ駆動クロックFclkの数に応じ領域生成データ読出し制御部51によって、領域生成データの形成領域に応じた更新が行われ、連続した各領域を露光形成する為のフォーマッタ駆動クロックFclkが生成される。
なお、本実施形態では同心円トラックに沿ってパターンを描画する場合について説明したが、これに限らず、本発明はスパイラルトラックに沿ってパターンを描画する場合にも好適である。
また、本発明はハードディスクメディアへの使用が検討されているディスクリートトラックメディア及びパターンドメディアの製造に好適である。
図13及び図14は、本発明にかかる電子線描画装置を用いて露光形成されるディスクリートトラックメディア及びパターンドメディアの露光パターンの模式図である。図13及び図14にそれぞれ示されるメディアにおいては、サーボエリアには、トラックアドレス、セクタアドレス、及びトラッキング用のバーストパターンが形成され、データエリアには、連続溝あるいは露光域全域においてトラック方向に等ピッチで配置されるドットパターンが形成されている。
また、本発明にかかる電子線描画装置を用いて基板にパターンを描画し、その後基板の現像を行うことで、情報記録媒体を製造するための原盤を製作することができる。そして、この原盤を用いることで、情報記録媒体のセクタ内の領域に、定型最小構成要素が形成された定型パターン領域と、非定型最小構成要素が形成された非定型パターン領域とを形成することが可能となる。
また、本発明の電子線描画装置を用いることで、一回の連続CLV駆動露光動作によって情報記録メディアパターンが描画された原盤を作成することができるので、結果的に短期間で、高精度な情報記録メディアパターンを有する原盤を製造することができる。
以上説明したように、本発明のクロック信号生成方法及びクロック信号生成装置は、電子線を偏向するためのクロック信号を生成するのに適している。また、本発明の電子線描画装置は、基板にパターンを描画するのに適している。また、本発明の原盤製造方法は、情報記録媒体の原盤を製造するのに適している。また、本発明の情報記録媒体製造方法は、情報記録媒体を製造するのに適している。
10…照射ユニット、11…ケーシング、12…電子銃、13…磁界レンズ、14…ブランキング電極、15…アパーチャ部材、16…偏向電極、17…対物レンズ、20…コントローラ、21…パルス信号生成装置、21a…基準クロック生成装置、21b…フォーマッタ駆動クロック生成装置、21c…偏向クロック生成装置、21d…回転指令パルス生成装置、21e…送り指令パルス生成装置、22…フォーマット信号生成装置、23…偏向信号生成装置、25…回転駆動制御装置、26…送り駆動制御装置、30…回転テーブルユニット、31…回転テーブル、32…回転機構、33…スライドユニット、34…移動ステージ、37…回転角検出器、38…位置検出器、40…真空チャンバ、51…領域生成データ読出制御部、52…領域生成データ格納部、53…クロック計数部、54…周期クロック生成部、100…電子線描画装置、W…基板、CLK…基準クロック信号、fclk…クロック信号、Fclk…フォーマッタ駆動クロック信号、Bsig…ブランカ制御信号、Dclk…偏向クロック信号、Dsig…偏向制御信号、Tclk…回転指令パルス信号、Sclk…送りパルス信号、AL1…第1領域、AL2…第2領域、CTr…同心円トラック、STr…螺旋トラック。
Claims (5)
- 表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って等速度で相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成方法であって、
前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第1位置から、前記同心円トラック上の第2位置まで移動する間に、
前記同心円トラックを、第1の角度又は第1の長さに区分したときの個数をN1、前記第1位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR1、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R1/(V・N1)±π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を初期値とし、式±2π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を増減値とする第1クロック信号を生成する工程と;
前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第2位置から、前記同心円トラック上の第3位置まで移動する間に、
前記同心円トラックを、第2の角度又は第2の長さに区分したときの個数をN2、前記第2位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR2、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R2/(V・N2)±π・P/(V・N2 2)を用いて算出される値に基づいて決定される第2クロック信号を生成する工程と;を含むクロック信号生成方法。 - 表面に所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定され、電子線の照射位置に対して前記同心円トラックに対応する螺旋トラックに沿って等速度で相対移動される基板の前記同心円トラック上に入射する電子線をブランキングさせるためのクロック信号を生成するクロック信号生成装置であって、
前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第1位置から、前記同心円トラック上の第2位置まで移動する間に、
前記同心円トラックを、第1の角度又は第1の長さに区分したときの個数をN1、前記第1位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR1、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R1/(V・N1)±π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を初期値とし、式±2π・P/(V・N1 2)を用いて算出される値を増減値として決定される第1クロック信号を出力し、
前記電子線の入射位置が前記同心円トラック上の第2位置から、前記同心円トラック上の第3位置まで移動する間に、
前記同心円トラックを、第2の角度又は第2の長さに区分したときの個数をN2、前記第2位置に対応する前記螺旋トラック上の位置と前記基準点との距離をR2、隣接する前記同心円トラック間の前記ピッチをP、前記照射位置の前記螺旋トラックに対する相対移動速度をVとして、式2π・R2/(V・N2)±π・P/(V・N2 2)を用いて算出される値に基づいて決定される第2クロック信号を出力するクロック信号生成装置。 - 電子線を用いて、所定の基準点を中心とする等ピッチ同心円トラックが規定された基板表面を、前記同心円トラックに沿って露光することにより、前記同心円トラック上に複数のパターンを形成する電子線描画装置であって、
前記基板表面の照射位置に向けて前記電子線を照射する照射装置と;
前記照射装置に対して前記基板を相対移動して、前記照射位置を所定の等ピッチ螺旋トラックに沿って等速移動させる移動装置と;
前記螺旋トラック上の前記照射位置に向けて照射された前記電子線を偏向して、前記電子線を前記所定の同心円トラック上へ入射させる偏向装置と;
請求項2に記載のクロック信号生成装置と;
前記クロック信号生成装置によって生成された前記第1クロック信号及び前記第2クロック信号に基づいて前記電子線をブランキングさせるブランキング装置と;を備える電子線描画装置。 - 請求項3に記載の電子線描画装置によって基板にパターンを描画する工程と;
前記基板上に形成されたパターンを現像する工程と;を含む情報記録媒体の原盤製造方法。 - 請求項4に記載の原盤を用いて、記録媒体へパターンを転写することにより情報記録媒体を製造する情報記録媒体製造方法。
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JP2008056528A JP2009211790A (ja) | 2008-03-06 | 2008-03-06 | クロック信号生成方法、クロック信号生成装置、電子線描画装置、原盤製造方法、及び情報記録媒体製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2009223155A (ja) * | 2008-03-18 | 2009-10-01 | Fujifilm Corp | 電子ビーム描画方法、電子ビーム描画装置、凹凸パターン担持体および磁気ディスク媒体 |
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JP2003317327A (ja) * | 2002-04-22 | 2003-11-07 | Ricoh Co Ltd | フォーマッタ駆動クロック生成方法、フォーマッタ駆動指令パルス列生成方法、光ディスク原盤露光装置及び光記録媒体 |
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