JP2010205326A - 電子線描画装置、ステージ位置偏差算出方法及びパターン描画方法 - Google Patents

電子線描画装置、ステージ位置偏差算出方法及びパターン描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子線を用いて基板上に所望のパターンを精度良く描画することができる電子線描画装置を提供する。
【解決手段】 駆動信号生成装置252からの移動ステージを駆動する信号s52aと同期して、該信号の周波数が所定倍された信号を生成する同期信号生成装置253、該同期信号生成装置253の出力信号s53とリニアエンコーダの出力信号s13に基づいて、移動ステージの位置偏差を算出する位置偏差演算装置254、該位置偏差演算装置254の出力信号s54に基づいて、基板に照射される電子線の照射位置を調整する照射位置調整装置255を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子線描画装置、ステージ位置偏差算出方法及びパターン描画方法に係り、更に詳しくは、電子線を用いて基板にパターンを描画する電子線描画装置、電子線描画装置におけるステージ位置偏差算出方法、及び該ステージ位置偏差算出方法を用いたパターン描画方法に関する。
近年、情報のデジタル化に伴い、光ディスクやハードディスクの大容量化に対する要求が高まっており、CD(Compact Disk)や、DVD(Digital Versatile Disk)などの従来型光ディスクに代わり、例えば波長が400nm程度の紫外光により情報の記録及び再生が行なわれる次世代型の光ディスクや、高密度記録が可能なパターンドメディアの研究開発が盛んに行なわれている。
次世代型光ディスクの原盤(スタンパ)やパターンドメディアの記録媒体等の製造工程では、記録層に形成されるパターンが従来型の光ディスクに比べて微細であることから、例えば、0.05μm以下の極細線描画が可能な電子線描画装置がよく用いられている。この電子線描画装置は、回転する基板に電子線を照射して基板の表面にスパイラル状又は同心円状の微細パターンを描画する、或いは、XYステージによって水平面内を移動する基板に直線上の微細パターンを描画するものである。
そして、この種の電子線描画装置に関しては、基板などに対するパターンの描画精度を向上させる技術が種々提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
本発明は、第1の観点からすると、回転する基板に電子線を照射して、前記基板にパターンを描画する電子線描画装置であって、電子線を射出する電子線源と;前記基板が載置される回転テーブルと;前記回転テーブルを回転させる回転機構と;前記回転テーブル及び前記回転機構を保持する移動ステージと;前記移動ステージを所定方向へ移動させる移動機構と;前記移動ステージを駆動する信号を生成する駆動信号生成装置と;前記移動ステージの移動量に応じた信号を出力する移動ステージ位置検出器と、前記駆動信号生成装置の出力信号と同期して、該信号の周波数が所定倍された信号を生成する同期信号生成装置と;前記同期信号生成装置の出力信号と前記移動ステージ位置検出器の出力信号に基づいて、前記移動ステージの位置偏差を算出する位置偏差演算装置と;を備える電子線描画装置である。
これによれば、電子線を用いて基板上に所望のパターンを精度良く描画することができる。
本発明は、第2の観点からすると、電子線源と、基板を保持して回転する回転テーブルと、該回転テーブルを搭載し直線上を移動する移動ステージと、該移動ステージの移動量を検出する移動ステージ位置検出器とを備える電子線描画装置における前記移動ステージの位置偏差量を算出するステージ位置偏差算出方法であって、前記移動ステージを駆動する信号を生成する工程と;前記移動ステージを駆動する信号に同期して、該信号の周波数が所定倍された同期信号を生成する工程と;前記同期信号と前記移動ステージ位置検出器の出力信号とに基づいて、前記移動ステージの位置偏差量を算出する工程と;を含むステージ位置偏差算出方法である。
これによれば、移動ステージの位置偏差量を精度良く求めることができる。
本発明は、第3の観点からすると、電子線源と、基板を保持して回転する回転テーブルと、該回転テーブルを搭載し直線上を移動する移動ステージと、該移動ステージの移動量を検出する移動ステージ位置検出器とを備える電子線描画装置を用いて、前記基板にパターンを描画するパターン描画方法であって、本発明のステージ位置偏差算出方法によって前記移動ステージの位置偏差量を算出する工程と、前記移動ステージの位置偏差量に基づいて、前記基板に照射される電子線の照射位置を調整する工程と;を含むパターン描画方法である。
これによれば、本発明のステージ位置偏差算出方法によって移動ステージの位置偏差量を算出しているため、結果として、基板上に所望のパターンを精度良く描画することができる。
本発明の一実施形態に係る電子線描画装置200の概略的な構成を説明するための図である。 主制御装置を説明するためのブロック図である。 同期信号生成装置を説明するためのブロック図である。 ステージ位置偏差演算装置を説明するためのブロック図である。 第1のカウンタのカウント値、第2のカウンタのカウント値、及びデジタル−アナログ変換器の出力信号を説明するためのタイミングチャートである。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1には一実施形態に係る電子線描画装置200の概略構成が示されている。この電子線描画装置200は、例えば真空度が10−4Pa程度の環境下において、レジスト材がコーティングされた基板Wに電子線を照射して、基板Wの描画面に微細パターンを描画する電子線描画装置である。
この電子線描画装置200は、照射装置、回転テーブルユニット、移動ユニット、スピンドルモータ駆動装置、移動モータ駆動装置、及び主制御装置250などを備えている。
照射装置は、電子銃201、ブランキング電極202、磁界レンズ203、アパーチャ部材204、走査電極205、対物レンズ206、及び動的焦点補正レンズ207を有している。この照射装置は、ケーシング209内に収容されている。
回転テーブルユニットは、回転テーブル211、スピンドルモータ214、及びロータリーエンコーダ215などを有している。
移動ステージユニットは、移動ステージ221、ボールネジ223、移動モータ225、及びリニアエンコーダ213などを有している。
回転テーブル211、リニアエンコーダ213、スピンドルモータ214、ロータリーエンコーダ215、及び移動ステージ221は、真空チャンバ219内に収容されている。
ケーシング209は、長手方向をZ軸方向し、−Z側が開放された円筒状のケーシングである。そして、ケーシング209は、真空チャンバ219の上面(+Z側の面)に形成された開口に、上方から隙間なく嵌合されている。
回転テーブル211は、その+Z側の面上に基板Wが載置される。
スピンドルモータ214は、回転テーブル211の−Z側に配置され、Z軸に平行な回転軸212を有している。この回転軸212の+Z側の端部は、回転テーブル211の−Z側の面の中央部に固定されている。スピンドルモータ214は、スピンドルモータ駆動装置231によって駆動され、回転軸212を回転させる。この回転軸212の回転に伴って、回転テーブル211が回転する。
ロータリーエンコーダ215は、回転軸212の回転角情報が含まれる信号を出力する。ロータリーエンコーダ215の出力信号は、主制御装置250に供給される。
移動ステージ221は、不図示の支持部材などにより、スピンドルモータ214を保持した状態でX軸方向へ移動可能に支持されている。
移動モータ225は、真空チャンバ219の−X側の外壁面に固定されている。この移動モータ225は、移動モータ駆動装置233によって駆動され、ボールネジ223を回転させる。ボールネジ223は、X軸方向を長手方向とし、+X側端部が移動ステージ221の−X側端部に螺号している。そこで、ボールネジ223を回転させることで、移動ステージ221をX軸方向へ所定の速度で移動させることができる。
リニアエンコーダ213は、移動ステージ221の移動量に比例したパルス数の信号を出力する。リニアエンコーダ213の出力信号(s13)は、主制御装置250に供給される。
電子銃201は、ケーシング209の内部上方に配置されている。この電子銃201は、陰極から熱と電界により取り出した電子を射出する熱電界放射型の電子銃であり、例えば、直径20〜50nm程度の電子線を下方(−Z方向)へ射出する。
ブランキング電極202は、X軸方向に所定間隔隔てて相互に対向するように配置された1組の長方形板状の電極を有している。そして、ブランキング電極202は、印加電圧に応じて電子銃12から下方に射出された電子線をX軸方向に偏向させることで、アパーチャ部材204で電子線を遮蔽し、基板Wに対する電子線のブランキングをすることができるようになっている。
磁界レンズ203は、ブランキング電極202の下方に配置された環状のレンズであり、ブランキング電極202を通過した電子線に対して集束する方向のパワーを作用させる。
アパーチャ部材204は、中央に電子線が通過する開口が設けられた板状の部材である。このアパーチャ部材204は、磁界レンズ203を通過した電子線が収束する点(以下、「クロスオーバポイント」という)近傍に開口が位置するように配置されている。クロスオーバポイントを通過した電子線は、発散しつつアパーチャ部材204を通過することによりそのビーム径が整形される。
走査電極205は、アパーチャ部材204の下方に配置されている。この走査電極205は、X軸方向に相互に対向するように配置された1対の電極を有し、印加電圧に応じて、アパーチャ部材204を通過した電子線をX軸方向に偏向する。これにより、基板W上における電子線の照射位置の調整を行うことができる。
対物レンズ206は、走査電極205の下方に配置され、走査電極205を通過した電子線を、回転テーブル211に載置された基板Wの表面に収束させる。
動的焦点補正レンズ207は、対物レンズ206の下方に配置され、対物レンズ206により基板Wの表面に収束された電子線のビームスポット径の微調整を行う。
主制御装置250は、一例として図2に示されるように、制御装置251、駆動信号生成装置252、同期信号生成装置253、位置偏差演算装置254、照射位置調整装置255を有している。
制御装置251は、一例として、CPU、及び上記各部を制御するプログラムやパラメータなどが格納されたメモリを含む制御用コンピュータである。この制御装置251は、例えばユーザからの指令に基づいて、照射装置、回転テーブルユニット及び移動ステージユニットを統括的に制御する。
駆動信号生成装置252は、制御装置251の指示に基づいて、スピンドルモータ214及び移動モータ225の駆動信号をそれぞれ生成する。ここで生成されたスピンドルモータ214の駆動信号(s52b)は、スピンドルモータ駆動装置231に出力される。また、ここで生成された移動モータ225の駆動信号(s52a)は、移動モータ駆動装置233、同期信号生成装置253、及び位置偏差演算装置254に出力される。
そこで、駆動信号生成装置252は、スピンドルモータ駆動装置231と移動モータ駆動装置233を介して、回転テーブル211と移動ステージ221が、CAV(Constant Linear Velocity)動作、あるいはCLV(Constant Angular Velocity)動作といった協調動作をするような駆動信号を生成することができる。
スピンドルモータ駆動装置231は、駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52b)に応じて、スピンドルモータ214を駆動する。
移動モータ駆動装置233は、駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52a)に応じて、移動モータ225を駆動する。
上述のように構成された電子線照射装置200では、描画開始指令が入力または通知されると、制御装置251は、まず回転テーブルユニット、移動ステージユニットを駆動することにより、基板Wを+X方向へ微小移動させながら、所定の回転数で回転させる。次に、照射装置を駆動することにより、基板Wに描画パターンに基づいて変調された電子線を照射し、基板Wの表面に同心円状又はスパイラル状のパターンを形成する。
同期信号生成装置253は、駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52a)の周波数を所定倍の周波数に変換し、同期信号を生成する。ここでは、同期信号生成装置253は、一例として図3に示されるように、位相検出器253A、ループフィルタ253B、電圧制御発振器(VCO)253C、1/N分周器253Dを有するPLL(フェイズロックドループ)回路を含み、駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52a)をN(整数)倍の高周波に変換し、同期信号としている。ところで、Nの値を大きくすると移動ステージ211の位置変動の検出精度が向上するので適切な値を選定するのが良い。
位相検出器253Aは、駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52a)と1/N分周器253Dの出力信号との位相比較を行ない、位相差成分をパルス状の位相差信号として出力する。
ループフィルタ253Bは、位相検出器253Aの出力信号から交流成分を取り除いて、電圧制御発振器253Cの制御電圧とする。
電圧制御発振器253Cは、ループフィルタ253Bの出力信号の電圧値(アナログ値)に比例した周波数の信号を出力する。電圧制御発振器253Cの出力信号(s53)は、位置偏差演算装置254に供給される。また、電圧制御発振器253Cの出力信号(s53)は、1/N分周器253Dにも供給される。ここでは、一例として、信号s53の周波数は、信号s52aの周波数の10倍としている(図5参照)。
1/N分周器253Dは、電圧制御発振器253Cの出力信号(s53)の周波数を1/Nとし、位相検出器253Aに出力する。
位置偏差演算装置254は、同期信号生成装置253の出力信号(s53)とリニアエンコーダ213の出力信号(s13)と駆動信号生成装置252からの駆動信号(s52a)に基づいて、移動ステージ211の位置偏差を算出する。ここでは、位置偏差演算装置254は、一例として図4に示されるように、第1のカウンタ254A、第2のカウンタ254B、CPU254C、メモリ254D、デジタル−アナログ変換器(DAC)254E、ローパスフィルタ(LPF)254Fを有している。
第1のカウンタ254A及び第2のカウンタ254Bは、同期信号生成装置253の出力信号(s53)の立ち上がりタイミングに同期して、カウント値を+1する。
CPU254Cは、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値を読み出し、基準値としてメモリ254Dに保存する。そして、第2のカウンタ254Bのカウント値をゼロクリアする。
CPU254Cは、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値を読み出し、メモリ254Dに保存されている基準値との差を求める。
CPU254Cは、上記差を第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットする。
CPU254Cは、上記プリセット値をデジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力する。
デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eは、CPU254Cからのプリセット値をアナログ信号に変換し、ローパスフィルタ(LPF)254Fに出力する。
ローパスフィルタ(LPF)254Fは、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eからのアナログ信号に含まれる高周波成分を除去し、照射位置調整装置255に出力する。ローパスフィルタ(LPF)254Fの出力信号が、位置偏差演算装置254の出力信号(s54)となり、移動ステージ221の位置偏差量に対応する信号である。
照射位置調整装置255は、位置偏差演算装置254の出力信号(s54)に応じて、走査電極205への印加電圧を調整する。これにより、基板W上における電子線の照射位置は、移動ステージ221の位置偏差量に応じて調整される。
図5には、第2のカウンタ254Bのカウント値の時間変化、第1のカウンタ254Aのカウント値の時間変化、及びデジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号の時間変化が示されている。
(1)時刻T1では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。
(2)時刻T2では、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値15が読み出され、基準値10との差が求められ、その値5が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値5に対応するアナログ値となる。
(3)時刻T3では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。
(4)時刻T4では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。同時に信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値20が読み出され、基準値10との差が求められ、その値10が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値10に対応するアナログ値となる。
(5)時刻T5では、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値15が読み出され、基準値10との差が求められ、その値5が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値5に対応するアナログ値となる。
(6)時刻T6では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。同時に信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値10が読み出され、基準値10との差が求められ、その値0が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値0に対応するアナログ値となる。
(7)時刻T7では、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値5が読み出され、基準値10との差が求められ、その値−5が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値−5に対応するアナログ値となる。
(8)時刻T8では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。
(9)時刻T9では、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値3が読み出され、基準値10との差が求められ、その値−7が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値−7に対応するアナログ値となる。
(10)時刻T10では、信号s52aの立ち上がりタイミングに同期して、第2のカウンタ254Bのカウント値10が読み出され、基準値としてメモリ254Dに保存された後、第2のカウンタ254Bのカウント値はゼロクリアされる。
(11)時刻T11では、信号s13の立ち上がりタイミングに同期して、第1のカウンタ254Aのカウント値3が読み出され、基準値10との差が求められ、その値−7が第1のカウンタ254Aにプリセット値としてセットされるとともに、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eに出力される。デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号は、デジタル値−7に対応するアナログ値となる。
このように、リニアエンコーダ213の出力信号(s13)の周期が長い場合は、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号のレベルが高くなり、リニアエンコーダ213の出力信号(s13)の周期が短い場合は、デジタル−アナログ変換器(DAC)254Eの出力信号のレベルが低くなっている。すなわち、リニアエンコーダ213の出力信号(s13)の周期が長い場合は、移動ステージ221の位置偏差量が増加し、リニアエンコーダ213の出力信号(s13)の周期が短い場合は、移動ステージ221の位置偏差量が減少する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る電子線描画装置200では、リニアエンコーダ213によって移動ステージ位置検出器が構成され、スピンドルモータ214によって回転機構が構成され、移動モータ225によって移動機構が構成されている。
また、第1のカウンタ254Aによって偏差用カウンタが構成され、第2のカウンタ254Bによって基準用カウンタが構成されている。
さらに、CPU254Cによって差情報取得装置と基準値取得装置が構成されている。そして、デジタル−アナログ変換器254Eとローパスフィルタ254Fによって偏差信号生成装置が構成されている。
そして、位置偏差演算装置254において、本発明のステージ位置偏差算出方法が実施されている。また、照射位置調整装置255において、本発明のパターン描画方法における電子線の照射位置を調整する工程が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る電子線描画装置200によると、基板Wが載置される回転テーブル211、該回転テーブル211を回転させるスピンドルモータ214、回転テーブル211及びスピンドルモータ214を保持する移動ステージ221、該移動ステージ221をX軸方向へ移動させる移動モータ225、回転テーブル211を駆動する信号及び移動ステージ221を駆動する信号をそれぞれ生成する駆動信号生成装置252、移動ステージ221の移動量に応じた信号を出力するリニアエンコーダ213、駆動信号生成装置252からの移動ステージ221を駆動する信号と同期して、該信号の周波数が所定倍された信号を生成する同期信号生成装置253、該同期信号生成装置253の出力信号とリニアエンコーダ213の出力信号に基づいて、移動ステージ221の位置偏差を算出する位置偏差演算装置254、該位置偏差演算装置254の出力信号に基づいて、基板Wに照射される電子線の照射位置を調整する照射位置調整装置255を備えている。
ところで、特許文献1には、回転テーブルの回転角度検出手段からの回転角度信号を利用してトラックピッチ偏差を求め、該トラックピッチ偏差に基づいて露光ビームの照射位置を調整し、ステージ変動の乱れを抑える方法が開示されている。この場合には、回転角度信号に回転モータの振動や偏心に伴う変動成分が含まれるおそれがあるため、精度に限界があった。
また、特許文献2には、移動ステージ制御のサーボ偏差信号で露光ビームを補正し、移動ステージの変動の乱れを抑える方法が開示されている。この場合には、サーボ偏差信号の信号感度がサーボ調整等により変化するため、定量的な補正が困難であった。
また、特許文献3には、レーザ測長器で回転テーブルと露光位置の相対位置を測定し、理想とする相対位置と比較した偏差信号で微小駆動手段を制御して移動機構の変動を補正する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、レーザ干渉計で送りスライダーの微量な送りムラを検出し、それを音響光学光偏向器による記録レーザ光の偏向で送りスライダーの微量な送りムラを光学的に補正する方法が開示されている。これらの場合には、新たな計測手段を装置に搭載する必要があり、装置の大型化及び高コスト化を招いていた。
本実施形態では、同期信号生成装置253の出力信号とリニアエンコーダ213の出力信号に基づいて、移動ステージ221の位置偏差を算出しているため、装置の大型化及び高コスト化を招くことなく、従来よりも移動ステージ221の位置偏差量を精度良く求めることができる。その結果、電子線を用いて基板W上に所望のパターンを精度良く描画することが可能となる。
以上説明したように、本発明の電子線描画装置によれば、電子線を用いて基板上に所望のパターンを精度良く描画するのに適している。また、本発明のステージ位置偏差算出方法によれば、移動ステージの位置偏差量を精度良く求めるのに適している。また、本発明のパターン描画方法によれば、基板上に所望のパターンを精度良く描画するのに適している。
200…電子線描画装置、201…電子銃(電子線源)、211…回転テーブル、213…リニアエンコーダ(移動ステージ位置検出器)、214…スピンドルモータ(回転機構)、221…移動ステージ、225…移動モータ(移動機構)、252…駆動信号生成装置、253…同期信号生成装置、254…位置偏差演算装置、254A…第1のカウンタ(偏差用カウンタ)、254B…第2のカウンタ(基準用カウンタ)、254C…CPU(差情報取得装置、基準値取得装置)、254D…メモリ、254E…デジタル−アナログ変換器(偏差信号生成装置の一部)、254F…ローパスフィルタ(偏差信号生成装置の一部)、255…照射位置調整装置、W…基板。
特開2007−242184号公報 特開平9−138955号公報 特開平10−293928号公報 特開平10−261245号公報

Claims (7)

  1. 回転する基板に電子線を照射して、前記基板にパターンを描画する電子線描画装置であって、
    電子線を射出する電子線源と;
    前記基板が載置される回転テーブルと;
    前記回転テーブルを回転させる回転機構と;
    前記回転テーブル及び前記回転機構を保持する移動ステージと;
    前記移動ステージを所定方向へ移動させる移動機構と;
    前記移動ステージを駆動する信号を生成する駆動信号生成装置と;
    前記移動ステージの移動量に応じた信号を出力する移動ステージ位置検出器と、
    前記駆動信号生成装置の出力信号と同期して、該信号の周波数が所定倍された信号を生成する同期信号生成装置と;
    前記同期信号生成装置の出力信号と前記移動ステージ位置検出器の出力信号に基づいて、前記移動ステージの位置偏差を算出する位置偏差演算装置と;を備える電子線描画装置。
  2. 前記位置偏差演算装置は、
    前記同期信号生成装置の出力信号におけるパルス数を計数する偏差用カウンタと;
    前記移動ステージ位置検出器の出力信号の立ち上がりタイミングに同期して、前記偏差用カウンタのカウント値とその基準値との差を求め、その値を出力するとともに、前記偏差用カウンタのカウント値にセットする差情報取得装置と;
    前記差情報取得装置の出力信号に基づいて、前記移動ステージの位置偏差に対応する信号を生成する偏差信号生成装置と;を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子線描画装置。
  3. 前記位置偏差演算装置は、
    前記同期信号生成装置の出力信号におけるパルス数を計数する基準用カウンタと;
    前記移動ステージを駆動する信号の立ち上がりタイミングに同期して、前記基準用カウンタのカウント値を前記基準値とするとともに、前記基準用カウンタのカウント値をゼロクリアする基準値取得装置と;を更に有することを特徴とする請求項2に記載の電子線描画装置。
  4. 電子線源と、基板を保持して回転する回転テーブルと、該回転テーブルを搭載し直線上を移動する移動ステージと、該移動ステージの移動量を検出する移動ステージ位置検出器とを備える電子線描画装置における前記移動ステージの位置偏差量を算出するステージ位置偏差算出方法であって、
    前記移動ステージを駆動する信号を生成する工程と;
    前記移動ステージを駆動する信号に同期して、該信号の周波数が所定倍された同期信号を生成する工程と;
    前記同期信号と前記移動ステージ位置検出器の出力信号とに基づいて、前記移動ステージの位置偏差量を算出する工程と;を含むステージ位置偏差算出方法。
  5. 前記移動ステージの位置偏差量を算出する工程は、
    前記同期信号におけるパルス数を計数する工程と;
    前記移動ステージ位置検出器の出力信号の立ち上がりタイミングに同期して、前記計数した値とその基準値との差を求める工程と;
    上記差に基づいて、前記移動ステージの位置偏差に対応する信号を生成する工程と;を含むことを特徴とする請求項4に記載のステージ位置偏差算出方法。
  6. 前記差を求める工程に先だって、
    前記移動ステージを駆動する信号の1周期に含まれる前記同期信号におけるパルス数を求め、その値を前記基準値とする工程を、更に含むことを特徴とする請求項5に記載のステージ位置偏差算出方法。
  7. 電子線源と、基板を保持して回転する回転テーブルと、該回転テーブルを搭載し直線上を移動する移動ステージと、該移動ステージの移動量を検出する移動ステージ位置検出器とを備える電子線描画装置を用いて、前記基板にパターンを描画するパターン描画方法であって、
    請求項4〜6のいずれか一項に記載のステージ位置偏差算出方法によって前記移動ステージの位置偏差量を算出する工程と、
    前記移動ステージの位置偏差量に基づいて、前記基板に照射される電子線の照射位置を調整する工程と;を含むパターン描画方法。
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