JP2004177783A - 電子ビーム描画方法 - Google Patents

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利裕 宇佐
Kazunori Komatsu
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Abstract

【課題】近接効果の差による所望のパターンの素子集合領域の輪郭部における露光量の低減を補正し、ディスクの全面にパターンを高精度にかつ均一に最適露光量による電子ビーム描画が行えるようにする。
【解決手段】レジストが塗布されたディスク11を載置した回転ステージ41を回転させつつ電子ビームを走査することにより記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターン12の描画を行う際に、所望のパターン12の素子集合領域の半径方向に隣接する外側および/または内側の不使用領域11a,11bにダミーパターン13a,13bを描画する。また素子集合領域の円周方向に隣接するデータ領域11cにデータパターン13cを描画することなどで、近接効果が小さく露光アンダーとなるパターン12の素子集合領域の輪郭部の露光量を増加して全体で均一な最適露光量を得て、ディスク11の全面に高精度に電子ビーム描画を行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気転写用マスター担体などを作製する際に、その凹凸パターンなどを形成するためにディスクに設けたレジストに対して電子ビームによってパターンを描画露光する電子ビーム描画方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、磁性体の微細凹凸パターンにより転写情報を担持した磁気転写用マスター担体と、転写を受ける磁気記録部を有するスレーブ媒体とを密着させた状態で、転写用磁界を印加してマスター担体に担持した情報(例えばサーボ信号)に対応する磁化パターンをスレーブ媒体に転写記録する磁気転写方法が知られている。
【0003】
この磁気転写に使用されるマスター担体の作製方法としては、転写すべき情報に応じたレジストによる凹凸パターンが形成された原盤を基にして作製する、光ディスクスタンパー作製方法を応用した方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記光ディスクスタンパーの作製の際には、レジストが塗布されたディスク(ガラス板等)を回転させながら、データをピットの長短に変換し、これに応じて変調したレーザービームを照射したデータをレジストに書き込むことがなされている。
【0005】
また、磁気転写用マスター担体においても微細パターンの描画は、上記光ディススタンパーの作製と同様に、レジストが塗布されたディスクを回転させながら、転写する情報に応じて変調したレーザービームを照射して形成することが、一般に考えられる。
【0006】
しかしながら、磁気ディスク媒体においては、小型化および高容量化が図られており、記録密度の増大などに対応してビット長またはトラック幅が狭くなると(例えば、ビット長またはトラック幅が0.3μm以下になると)、レーザービームでは描画径の限界に近づき、描画された部分の端部形状が円弧状となって、パターンの矩形状記録要素の形成が困難となる。マスター担体に形成されるパターンを構成する各記録要素の特にその上面形状は、この描画された部分に応じた形状となるものであり、該描画された部分の端部形状が円弧状となるとマスター担体基板の凹凸パターンの凸部上面形状が円弧状等の矩形から大きくはずれた形状となり、スレーブ媒体への所望の磁化パターンの形成が困難となる。
【0007】
一方、半導体分野においては、既にレーザービームより小径のスポットによる露光が可能な電子ビームを利用したパターニングが行われており、この電子ビームを利用することにより、微細パターンの高精度なパターニングが可能となってきている。
【0008】
また、小型軽量の高密度磁気記録媒体として実現化が期待されているパターンドメディアの作製においては、電子ビームによりパターン露光を行うことが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−256644号公報
【0010】
【特許文献2】
特開2001−110050号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような電子ビームの走査によって所望のパターンの描画を行った際に、いわゆる近接効果によって、全体で同様の露光を行っても所望のパターンの形成領域の中央部と輪郭部とでレジストに対する実際の露光程度が異なり、最適露光量に対して輪郭部で露光アンダーとなったり、中央部で露光オーバーとなる問題がある。
【0012】
上記電子ビーム描画における近接効果は、照射された電子ビームの散乱による近接領域への露光影響のことであり、その描画パターンにおける記録要素の粗密によって受ける影響が異なっている。つまり、電子ビームがレジストに入射されると、前方散乱によりレジスト内よりディスクに向けて進むにしたがってビームに広がりが起こる。さらに、ディスクに入射したビームが散乱し、その底部より180゜以上の散乱角をもって跳ね返ってくる後方散乱が生じる。近接効果はこれらの散乱電子によりレジストが感光することにより生じる。
【0013】
そして、上記パターンは、記録信号に対応する微細な記録素子の集合体よりなり、このパターンの素子集合領域の中央部のように記録素子が近接して配置された描画が多い部位では、周囲の描画に伴う多くの散乱電子により近接効果が大きくなり、露光オーバーとなりやすい傾向にある。一方、パターンの素子集合領域の輪郭部では、外側部位には描画が行われないために、例えば輪郭線より約20μmの範囲の散乱電子が少なく、近接効果が小さくなり、露光アンダーとなりやすい傾向にある。これらの現象は、レジスト感度が高くなると顕著となる。
【0014】
上記のような露光オーバーまたは露光アンダーが生じると、描画露光後のレジストを現像したときに、露光範囲と除去されるレジスト範囲とが異なって、パターン形状に誤差が発生し、所望のパターンの形成精度に影響を与える。例えば、ポジタイプのレジストの場合には、露光アンダーの部分は露光範囲に対して除去されるレジスト範囲が狭くなり、反対に露光オーバーの部分は露光範囲に対して除去されるレジスト範囲が広くなる。この点を改善し所望のパターンの全体で均一な最適露光量となって精度のよい電子ビーム描画が実行されることが望まれる。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みて、近接効果の差を補正してディスクの全面にパターンを高精度にかつ均一に最適露光量による電子ビーム描画が行えるようにした電子ビーム描画方法を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子ビーム描画方法は、回転ステージに設置され、レジストが塗布されたディスク上に、前記回転ステージを回転させつつ、電子ビームを走査することにより、記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う電子ビーム描画方法であって、
前記所望のパターンの素子集合領域の半径方向に隣接する外側および内側の少なくとも一方の不使用領域に、ダミーパターンを描画することを特徴とするものである。
【0017】
上記ダミーパターンの描画は、所望のパターンの素子集合領域の輪郭線より約20μmの範囲における輪郭部の近接効果が集合領域内部と同等となる程度の描画面積を有する範囲に行うもので、所望のパターンの読み取りに影響を与えない形態で行う。
【0018】
また本発明の他の電子ビーム描画方法は、前記所望のパターンの素子集合領域の円周方向に隣接するデータ領域に、データパターンを描画することを特徴とするものである。
【0019】
上記データパターンとしては、使用時に消去されるダミーデータ、または、オペレーティング・システム(OS)などのシステムデータ、地図情報などのデータ等を描画する。
【0020】
さらに本発明の他の電子ビーム描画方法は、前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の描画速度を遅くすることを特徴とするものである。
【0021】
上記描画速度を遅くする方法としては、回転ステージの回転速度(角速度)を例えば輪郭線より約20μmの所定範囲の外周側輪郭部および内周側輪郭部で遅くする。これにより、近接効果の小さい領域の露光量を増加して最適露光量とするもので、その増加程度は一定、あるいは輪郭部内の近接効果の低減程度に応じて連続的または段階的に変更して行う。
【0022】
さらにまた本発明の他の電子ビーム描画方法は、前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の電子ビーム強度を大きくすることを特徴とするものである。これにより、近接効果の小さい領域の露光量を増加して最適露光量とする。
【0023】
上記電子ビーム強度の変更としては、ビーム電流を大きくすればよく、例えば、電子ビーム光学系にレンズを追加し、焦点距離を変えることでビーム電流を微小変化させる。
【0024】
前記「所望のパターン」とは、サーボ信号に対応した凹凸パターン等の記録信号の対応する記録要素の集合体であり、この記録要素形状は、通常、矩形状を含む略平行四辺形となり、トラック方向と平行な辺と、トラック方向に交差する垂直または傾斜した辺で囲まれる。
【0025】
なお、本発明の電子ビーム描画方法は、磁気転写用マスター担体、パターンドメディア、光ディスク等の円盤状の媒体の作製過程において必要な同心円状もしくは螺旋状などの回転媒体を前提としたパターニングに適用可能なものであり、磁気転写用マスター担体、パターンドメディア作製時には、同心円状のパターンを描画し、光ディスク作製時には螺旋状のパターンを描画する。
【0026】
【発明の効果】
本発明の電子ビーム描画方法は、レジストが塗布されたディスクを載置した回転ステージを回転させつつ電子ビームを走査することにより記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う際に、前記所望のパターンの素子集合領域の半径方向に隣接する外側および/または内側の不使用領域にダミーパターンを描画するか、前記所望のパターンの素子集合領域の円周方向に隣接するデータ領域にデータパターンを描画するか、前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の描画速度を遅くするか、前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の電子ビーム強度を大きくして描画を行うことにより、所望のパターンの電子ビーム描画における近接効果が小さく露光アンダーとなる輪郭部の露光量を増加して、パターン全体で均一な最適露光量を得て、ディスクの全面に微細パターンを高精度に形成できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の電子ビーム描画方法により描画する磁気転写用マスター担体のパターン例を示す平面図(a)および一つの実施形態の描画パターンを示す一部拡大模式図(b)であり、図2は他の実施形態の描画パターンを示す一部拡大模式図(a)および回転速度の変化特性を示す図(b)であり、図3はさらに他の実施形態を示す電子ビーム装置の概略機構図である。図4は本発明の電子ビーム描画方法を実施する一実施形態の電子ビーム描画装置の要部側面図(a)および上面図(b)である。
【0028】
図1(a)に示すように、一実施形態の磁気転写用マスター担体に形成される微細凹凸形状による所望のパターン12(サーボパターン)は、記録信号に対応する記録要素の集合体で構成され、円盤状のディスク11(円形基盤)に、外周側不使用領域11aおよび内周側不使用領域11bを除く円環状領域に形成される。この所望のパターン12は、転写情報がサーボ信号の場合であり、ディスク11の同心円状トラックに等間隔で、中心部からほぼ放射方向に延びる細幅の領域(素子集合領域)に記録素子が配置形成されてなる。なお、サーボパターン12の場合には、図示のように半径方向に連続した湾曲放射状に形成されるほか、直線放射形状に形成されることもある。
【0029】
上記パターン12の素子集合領域は、一部を拡大した図1(b)に示すように、同心円状のトラックのIDフィールドに記録され、これに続いてデータ領域11cが配置されてなる。そして、この所望のパターン12は、上記のようにサーボ信号を含む転写情報に対応する微細な記録要素(図示せず)の集合体による凹凸パターン等で構成され、この記録要素を電子ビームの走査によって描画する。記録要素の形状は、通常、矩形状を含む略平行四辺形となり、トラック方向と平行な辺と、トラック方向に交差する垂直または傾斜した辺で囲まれる。最終的な磁気転写用マスター担体では記録要素の部分が凸部または凹部に、その他の部分が平坦部(ランド)となる。
【0030】
そして、上記パターン12の記録方式がCAV(角速度一定)方式の場合には、セクターの長さが内外周で変化するのに応じ、そのパターン12の1つの素子集合領域の周方向長さは、外周側トラックで長く内周側トラックで短く形成される。
【0031】
上記パターン12の描画は、表面にレジストが塗布されたディスク11を後述の回転ステージ41(図4参照)に設置して回転させつつ、例えば、外周側のトラックより内周側トラックへ順に、またはその反対方向へ、1トラックまたは複数トラックずつ電子ビームで記録要素を走査しレジストを露光するものである。
【0032】
つまり、図4(b)に示すようにディスク11を一方向Aに回転させつつ、ディスク11の半径方向Yおよび周方向Xに電子ビームを偏向させて、パターン12の記録要素の形状を塗りつぶすように微小径の電子ビームで走査して描画するものである。この走査は、記録要素の最小幅より小さいビーム径の電子ビームを、例えば半径方向Yとほぼ直交する周方向Xへ一定の振幅で高速に往復振動させて振らせるとともに、半径方向Yへ電子ビームを偏向させて送りを行うことで、電子ビームが記録要素の形状を三角波状の軌跡で塗りつぶすように走査して、順次描画を行い、1つのトラックを1周描画した後、次のトラックに移動して同様に描画して、ディスク11の全領域に所望の微細パターン12を描画する。
【0033】
なお、電子ビームのトラック移動は、回転ステージ41を半径方向Yに直線移動させて行う。その移動は1トラックの描画毎に行うか、電子ビームの偏向可能範囲に応じて複数トラックの描画毎に行う。
【0034】
また、前記ディスク11の描画領域における、描画部位の半径方向位置の移動つまりトラック移動に対し、ディスク11の外周側部位でも内周側部位でも全描画域で同一の線速度となるように、前記回転ステージ41の回転速度を外周側描画時には遅く、内周側描画時には速くなるように調整して、電子ビームによる描画を行うのが均一露光を得るためおよび描画位置精度を確保する点で好ましい。
【0035】
上記のようなパターン12の描画において、記録要素が密に配置されている素子集合領域の中央部では前述の近接効果により、散乱電子によって露光量が増大し、パターン12の素子集合領域の輪郭線近傍の20μm程度の輪郭部では、その集合領域より外側には記録要素がないことで外側からの散乱電子の影響がなく近接効果が小さく、その分だけ露光量がパターン内部に比較して少なくなる。本発明ではこのパターン12の素子集合領域の輪郭部の露光量不足を補正するように、次のような各実施形態の電子ビーム描画を行うものである。
【0036】
本発明の一つの実施形態に係る電子ビーム描画方法は、図1(b)に示すように、前記所望のパターン12の素子集合領域の半径方向に内外輪郭部に隣接する不使用領域、すなわち、外周側不使用領域11aおよび内周側不使用領域11bに、外側ダミーパターン13aおよび内側ダミーパターン13bを描画するものである。
【0037】
上記ダミーパターン13a,13bは、所望のパターン12の素子集合領域の外側輪郭部および内側輪郭部の周方向長さに沿ってトラック方向に延びた所定幅の帯状範囲に形成され、そのダミーパターン13a,13bの電子ビーム描画に伴う散乱電子による露光で、所望のパターン12の素子集合領域の内外輪郭線より約20μmの範囲の内外輪郭部における近接効果が集合領域内部と同等となる程度の描画面積を有している。なお、このダミーパターン13a,13bの形成に伴って磁気ディスク媒体へ転写記録された磁化パターンは、所望のパターン12の読み取りに影響を与えない形態に行われる。
【0038】
上記ダミーパターン13a,13bの描画は、必要に応じて、前記所望のパターン12の外周側不使用領域11aおよび内周側不使用領域11bの少なくとも一方に行われる。
【0039】
また、前記近接効果により露光アンダー傾向となる素子集合領域の輪郭部は、所望のパターン12の円周方向の前後輪郭部においても同様であり、これに対応して、図1(b)に示すように、前記所望のパターン12の素子集合領域の円周方向の前後輪郭部に隣接する前後のデータ領域11cに、データパターン13c,13cを描画している。
【0040】
上記データパターン13c,13cは、所望のパターン12の素子集合領域の前側隣接部および後側隣接部に所定周方向長さに形成され、そのデータパターン13c,13cの電子ビーム描画に伴う散乱電子による露光で、所望のパターン12の素子集合領域の前後輪郭線より約20μmの範囲の前後輪郭部における近接効果が集合領域内部と同等となる程度の描画面積を有している。
【0041】
上記データパターン13c,13cとしては、使用時に消去されるダミーデータ、または、オペレーティング・システム(OS)などのシステムデータ、地図情報などのデータを変換した凹凸パターンで、データ領域11cの全体に形成してもよいが、少なくとも前記パターン12に隣接した前部または後部に形成される。
【0042】
ダミーパターン13a,13bおよびデータパターン13c,13cの描画はいずれか一方であってもよいが、図1(b)のように、所望のパターン12の外側を囲むように配置するのが好ましい。
【0043】
上記実施形態の所望のパターン12では、サーボ信号のようにディスクの部分的に素子集合領域が形成される場合について示したが、ディスクの記録領域の全体の所望のパターンが形成される場合、また、光ディスクのように所望のパターンが螺旋状に連続して形成されるものでは、上記ダミーパターン13a,13bは記録領域(素子集合領域)の外周側不使用領域11aおよび内周側不使用領域11bの全周にわたって形成することになり、ダミーパターンの形成は不要となる場合がある。
【0044】
さらに本発明の他の実施形態に係る電子ビーム描画方法は、図2(a)に示すように、前記所望のパターン12の素子集合領域内における、例えば輪郭線より約20μmの範囲の外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの電子ビーム描画速度を遅くするものである。なお、トラック幅が狭い場には、複数のトラックにわたって描画速度を遅くすることになる。
【0045】
上記描画速度を遅くする方法としては、図2(b)に示すように、ディスク11の半径Rに対して、素子集合領域(描画領域)の外径Roおよび内径Riの近傍における回転ステージ41の回転速度(角速度)が遅くなるように調整することにより、前記外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bで描画速度を遅くし、単位面積当たりの露光量を増大する。この回転ステージ41の回転速度は、前述のように、基本的に、ディスク11の全描画域で同一の線速度となるように、外周側描画時には遅く内周側描画時には速くなるように調整しているもので、外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bではこの速度より遅くなるように調整するものである。
【0046】
上記描画速度の低減程度は、近接効果に伴う外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの露光不足分を補ってパターン内部と同等の最適露光量が得られるように設定される。
【0047】
なお、電子ビーム描画速度の低減方式としては、上記回転速度の調整のほか、電子ビームの走査速度を遅くすることによって行うようにしてもよい。また、上記電子ビーム描画速度の低減程度は、外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの内部で一定とするか、あるいは輪郭部12a,12b内の近接効果の程度に応じて連続的または段階的に変更してもよい。
【0048】
さらにまた本発明の他の実施形態の電子ビーム描画方法は、前記所望のパターン12の素子集合領域内における、例えば輪郭線より約20μmの範囲の外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの電子ビーム強度を大きくして、露光量を増大するものである。これにより、近接効果の小さい外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの露光量を増加して最適露光量とする。
【0049】
上記電子ビーム強度の変更としては、ビーム電流を大きくすればよく、例えば、図3に示すような電子ビーム光学系にレンズを追加し、焦点距離を変えることでビーム電流を微小変化させる。つまり、電子銃23の光学系(実際は電子レンズで構成されるが光学レンズに置換して示す)は、出射レンズ24、コンデンサーレンズ25、対物レンズ絞り26、コリメーターレンズ27、対物レンズ28で構成され、例えば対物レンズ28の前方または後方に補助レンズ29を追加することで、焦点距離を変え、ディスク11のレジストに対するエネルギーの収束程度を変更して、外周側輪郭部12aおよび内周側輪郭部12bの露光量をパターン内部の描画時より増加するように調整される。
【0050】
上記のような各実施形態の電子ビーム描画を行うために、図4に示すような電子ビーム描画装置40を使用する。この電子ビーム描画装置40は、ディスク11を支持する回転ステージ41および該ステージ41の中心軸42と一致するように設けられたモータ軸を有するスピンドルモータ44を備えた回転ステージユニット45と、回転ステージユニット45の一部を貫通し、回転ステージ41の一半径方向Yに延びるシャフト46と、回転ステージユニット45をシャフト46に沿って移動させるための直線移動手段49とを備えている。回転ステージユニット45の一部には、上記シャフト46と平行に配された、精密なネジきりが施されたロッド47が螺合され、このロッド47は、パルスモータ48によって正逆回転されるようになっており、このロッド47とパルスモータ48により回転ステージユニット45の直線移動手段49が構成される。
【0051】
さらに、電子ビーム描画装置40は、電子ビームEBを出射する電子銃23(前述の光学系を内蔵している)、電子ビームEBをY方向(ディスク径方向)およびY方向に直交するX方向(周方向)へ偏向させる偏向手段21、22を備えており、電子銃23から出射された電子ビームEBは偏向手段21、22および図示しないレンズ等を経て、ディスク11上に照射される。なお、パターン描画時には、偏向手段21、22を制御して電子ビームEBを、例えば、ディスク11の周方向Xに一定の振幅で微少往復振動させる。
【0052】
そして、スピンドルモータ44の駆動すなわち回転ステージ41の回転速度、パルスモータ48の駆動すなわち直線移動手段49による直線移動、電子ビームEBの変調、偏向手段21および22の制御等は制御手段であるコントローラ50から送出された描画データ信号によって基準クロック信号に基づいて行われる。
【0053】
同心円状のパターン描画のときには、回転ステージ41が1回転する毎に該回転ステージ41を所定距離移動させ、螺旋状のパターン描画のときには、回転ステージ41をほぼ連続的に直線移動させる。
【0054】
前記回転ステージ41に設置するディスク11は、例えばシリコン、ガラスあるいは石英からなり、その表面には予めポジ型電子ビーム描画用レジストが塗設されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子ビーム描画方法により描画する磁気転写用マスター担体のパターン例を示す図および一つの実施形態の描画パターンを示す一部拡大模式図
【図2】他の実施形態の描画パターンを示す一部拡大模式図および回転速度の変化特性を示す図
【図3】さらに他の実施形態を示す電子ビーム装置の概略機構図
【図4】本発明の電子ビーム描画方法を実施する一実施形態の電子ビーム描画装置の要部側面図および上面図
【符号の説明】
11 ディスク
11a 外周側不使用領域
11b 内周側不使用領域
11c データ領域
12 パターン(素子集合領域)
12a 外周側輪郭部
12b 内周側輪郭部
13a,13b ダミーパターン
13c データパターン
EB 電子ビーム
21、22 偏向手段
23 電子銃
29 補助レンズ
40 電子ビーム描画装置
41 回転ステージ
44 スピンドルモータ
45 回転ステージユニット
49 直線移動手段
50 コントローラ

Claims (4)

  1. 回転ステージに設置され、レジストが塗布されたディスク上に、前記回転ステージを回転させつつ、電子ビームを走査することにより、記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う電子ビーム描画方法であって、
    前記所望のパターンの素子集合領域の半径方向に隣接する外側および内側の少なくとも一方の不使用領域に、ダミーパターンを描画することを特徴とする電子ビーム描画方法。
  2. 回転ステージに設置され、レジストが塗布されたディスク上に、前記回転ステージを回転させつつ、電子ビームを走査することにより、記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う電子ビーム描画方法であって、
    前記所望のパターンの素子集合領域の円周方向に隣接するデータ領域に、データパターンを描画することを特徴とする電子ビーム描画方法。
  3. 回転ステージに設置され、レジストが塗布されたディスク上に、前記回転ステージを回転させつつ、電子ビームを走査することにより、記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う電子ビーム描画方法であって、
    前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の描画速度を遅くすることを特徴とする電子ビーム描画方法。
  4. 回転ステージに設置され、レジストが塗布されたディスク上に、前記回転ステージを回転させつつ、電子ビームを走査することにより、記録信号に対応する記録素子の集合体よりなる所望のパターンの描画を行う電子ビーム描画方法であって、
    前記所望のパターンの素子集合領域内の外周側輪郭部および内周側輪郭部の電子ビーム強度を大きくすることを特徴とする電子ビーム描画方法。
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