JP4646786B2 - 天井点検口における外枠の取付構造 - Google Patents

天井点検口における外枠の取付構造 Download PDF

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Description

この発明は天井点検口における外枠の取付構造に関するものである。
一般に、この種の天井点検口は、建物の天井に設けられる開口部に取り付けられる矩形状の外枠と、この外枠内に開閉自在に取り付けられる内枠と、この内枠の内方側に配設されるパネル体とで主に構成されている。この天井点検口を取り付けるには、天井に設けられた開口部に、取付金具を用いて外枠を取り付ける方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記取付金具を用いて外枠を取り付ける構造においては、図7に示すように、取付金具aは、直立板部bの頂部を庇状に折曲して頂板部cに形成し、直立板部bの下端と頂板部cの中間に、外枠dの上下嵌合溝e,fに嵌合できる突板状の係止部g,hを設け、庇状の頂板部cの先端部分にハンガーボルトiを上下方向に螺装してなる。
このように構成される取付金具aを用いて外枠dを取り付けるには、外枠aの底板部d1の上面を天井パネルAに添わせて天井開口部Dに嵌め込むと共に、天井パネルAを止めている野縁材B又は野縁材Bに固定した取付用チャンネルCにハンガーボルトiの先端を当接してハンガーボルトiと外枠dの底板部d1とで天井開口部周囲を挟持して外枠dを天井開口部Dに固定し、パネル板jを装着した内枠kを開閉扉として天井点検口を形成することができる。
特開2000−120259号公報(特許請求の範囲、段落番号0016,0023、図2)
しかしながら、特開2000−120259号公報に記載の構造においては、構成部材が多い上、ハンガーボルトによる高さ調整を行って天井及び天井点検口の仕上げ面を合わせるようにしているため、取付後の調整等が面倒であるという問題があった。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、構成部材の削減を図ると共に、取付を容易にし、かつ、強度の向上を図れるようにした天井点検口における外枠の取付構造を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、この発明の天井点検口における外枠の取付構造は、建物の天井に設けられる開口部に吊持具を用いて取り付けられる矩形状の外枠と、この外枠内に開閉自在に取り付けられる内枠と、この内枠の内方側に配設されるパネル体とを具備する天井点検口において、 上記外枠は、この外枠の側壁部に穿設される鉛直方向に延びるスリットと、側壁部の頂部から折曲するフランジ部とを備え、 上記吊持具は、1本の線状ばね部材が曲げ加工されて形成されており、線状ばね部材の両端部に鉤状に形成されて上記天井の下地材上に載置される取付部材の上面に当接係合する吊持部と、この吊持部の基端側から下方に延在する鉛直部と、上記外枠のフランジ部に係合する左右一対の係合肩部と、この係合肩部と上記鉛直部の下端側に連結されると共に、上記吊持部と係合肩部との間に弾発力を促す変形腕部とを備え、 上記吊持具の吊持部及び鉛直部を上記外枠のスリットに挿通させて吊持部を上記取付部材の上面に当接係合させた状態で、上記変形腕部を変形させつつ上記係合肩部を外枠のフランジ部に係合させて、外枠を上記開口部に固定してなる、ことを特徴とする(請求項1)。
この発明において、上記左右一対の変形腕部を、係合肩部に連結する上方部の下端と、鉛直部の下端側に連結する下方部とを連結する連結支点部が、それぞれ上記係合肩部より左右外方の互いに離間する位置に設ける方が好ましい(請求項2)。
また、上記吊持部を、先端に向かって下り傾斜状に形成する方が好ましい(請求項3)。
また、上記鉛直部と変形腕部を連結する下部連結部を、鉛直部側に向かって上り傾斜状に形成する方が好ましい(請求項4)。
また、上記左右の吊持部の高さに差を設ける方が好ましい(請求項5)。
加えて、上記左右の係合肩部を連結する上部連結部の中間部位に、外枠側と反対側に突出する押し代用の折曲部を形成する方が好ましい(請求項6)。
この発明の天井点検口における外枠の取付構造は、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
(1)請求項1記載の発明によれば、外枠は、この外枠の側壁部に穿設される鉛直方向に延びるスリットと、側壁部の頂部から折曲するフランジ部とを備え、この外枠を取り付ける吊持具は、1本の線状ばね部材が曲げ加工されて形成されており、線状ばね部材の両端部に鉤状に形成されて天井の下地材上に載置される取付部材の上面に当接係合する吊持部と、この吊持部の基端側から下方に延在する鉛直部と、外枠のフランジ部に係合する左右一対の係合肩部と、この係合肩部と鉛直部の下端側に連結されると共に、吊持部と係合肩部との間に弾発力を促す変形腕部とを備えるので、吊持具の吊持部及び鉛直部を外枠のスリットに挿通させて吊持部を野縁の上面に当接係合させた状態で、外枠を仮止めすることができる。そして、この仮止め状態で、変形腕部を変形させつつ係合肩部を外枠のフランジ部に係合させて、外枠を開口部に固定することができる。したがって、構成部材の削減が図れると共に、容易かつ確実に外枠を天井の開口部に固定することができる。
また、鉛直部はスリットによって拘束された状態で、変形腕部の変形によって吊持部と係合肩部との間に弾発力を促すことができるので、天井パネルの厚さや野縁の高さに対応して外枠を開口部に固定することができる。
(2)請求項2記載の発明によれば、左右一対の変形腕部を、係合肩部に連結する上方部の下端と、鉛直部の下端側に連結する下方部とを連結する連結支点部が、それぞれ係合肩部より左右外方の互いに離間する位置に設けられるので、上記(1)に加えて、更に変形腕部を変形する際のモーメントを大きくして、変形を容易にすると共に、吊持具に強度をもたせることができる。
(3)請求項3記載の発明によれば、吊持部を、先端に向かって下り傾斜状に形成することにより、吊持部が撓んでも確実に先端部を取付部材の上面に当接係合することができるので、上記(1),(2)に加えて、更に確実に外枠を吊持固定することができる。
(4)請求項4記載の発明によれば、鉛直部と変形腕部を連結する下部連結部を、鉛直部側に向かって上り傾斜状に形成することにより、吊持具を弾性変形して係合肩部を外枠のフランジ部に係合させる際に、吊持具が天井パネルの縁部に干渉するのを回避することができる。したがって、上記(1)〜(3)に加えて、更に確実に外枠を吊持固定することができる。
(5)請求項5記載の発明によれば、左右の吊持部の高さに差を設けることにより、吊持具を弾性変形して係合肩部を外枠のフランジ部に係合させる際に、両鉛直部が交差状に変位して互いに干渉するのを防止することができる。したがって、上記(1)〜(4)に加えて、更に吊持具の変形を容易にすることができると共に、確実に外枠を吊持固定することができる。
(6)請求項6記載の発明によれば、左右の係合肩部を連結する上部連結部の中間部位に、外枠側と反対側に突出する押し代用の折曲部を形成することにより、折曲部を外枠側に押し付けて係合肩部を外枠のフランジ部に簡単に係合させることができる。したがって、上記(1)〜(5)に加えて、更に外枠の取付作業を容易かつ確実にすることができる。
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、この発明に係る外枠の取付構造を適用した天井点検口の取付部の要部を示す平面図(a)、(a)のI−I線に沿う断面図(b)及び(b)のII−II矢視図(c)である。
上記天井点検口は、図1に示すように、建物の天井1に設けられる開口部2に吊持具10を用いて取り付けられる矩形状の外枠3と、この外枠3内に開閉自在に取り付けられる内枠4と、この内枠4の内方側に配設されるパネル体5とを具備している。なお、天井1は、格子状に枠組みされる下地材である野縁1cと、野縁1cによって取り付けられる天井パネル1bとで構成されている。天井1の一部に設けられる開口部2における対向する辺側の野縁1c上に、外枠3の一辺より若干長い寸法のチャンネル状の取付部材1aが載置され、これら取付部材1aに吊持金具10を用いて外枠3が取り付けられている。
この場合、上記外枠3は、図1及び図3に示すように、対向する側壁部6の適宜箇所例えば一辺の側壁部6の左右2箇所に穿設される鉛直方向に延びるスリット7と、側壁部6の頂部から外枠3の内方側に略横L字状に折曲するフランジ部8とを備えている。また、外枠3は、側壁部6の下端から外枠3の内外方向に延在する水平片9を備えている。このように構成される外枠3は、例えばアルミニウム合金製の押出形材にて形成される4本の外枠部材3aを矩形状に組み付け、その隅角部をコーナ金具(図示せず)によって連結してなる。
一方、上記吊持具10は、図1ないし図3に示すように、1本の線状ばね部材が曲げ加工されて形成されており、線状ばね部材の両端部に鉤状に形成されて天井1の野縁1cに載置される上記取付部材1aの上面に当接係合する吊持部11と、この吊持部11の基端側から下方に延在する鉛直部12と、外枠3のフランジ部8に係合する左右一対の係合肩部13と、この係合肩部13と鉛直部12の下端側に連結されると共に、吊持部11と係合肩部13との間に弾発力を促す変形腕部14とを備えている。
また、左右一対の変形腕部14は、係合肩部13に連結する上方部14aの下端と、鉛直部12の下端側に連結する下方部14bとを連結する連結支点部14cが、それぞれ係合肩部13より左右外方の互いに離間する位置に設けられている。このように係合肩部13に連結する上方部14aの下端と、鉛直部12の下端側に連結する下方部14bとを連結する連結支点部14cを、係合肩部13より左右外方の互いに離間する位置に設けることにより、変形腕部14を変形する際のモーメントを大きくして、変形を容易にすると共に、吊持具10に強度をもたせることができる。
また、上記吊持部11は、先端に向かって下り傾斜状、例えば鉛直線に対して25°に形成されており、吊持部11が撓んでも確実に先端部を取付部材1aの上面に当接係合し得るようになっている。
また、上記鉛直部12と変形腕部14を連結する下部連結部15が、鉛直部12側に向かって上り傾斜状、例えば鉛直線に対して45°に形成されており、吊持具10を弾性変形して係合肩部13を外枠3のフランジ部8に係合させる際に、吊持具10が天井パネル1bの縁部に干渉するのを回避できるようになっている。
また、図2(c)に示すように、上記左右の吊持部11は、高さに差αが設けられている。このように左右の吊持部11の高さに差αを設けることにより、吊持具10を弾性変形して係合肩部13を外枠3のフランジ部8に係合させる際に、両鉛直部12が交差状に変位して互いに干渉するのを防止することができるので、吊持具10の変形を容易にすることができると共に、確実に外枠3を吊持固定することができる。
更にまた、上記左右の係合肩部13を連結する上部連結部16の中間部位には、外枠3側と反対側に略へ字状に突出する押し代用の折曲部17が形成されている。このように左右の係合肩部13を連結する上部連結部16の中間部位に、外枠3側と反対側に突出する押し代用の折曲部17を形成することにより、折曲部17を外枠3側に押し付けて係合肩部13を外枠3のフランジ部8に簡単に係合させることができる。したがって、外枠3の取付作業を容易かつ確実にすることができる。
次に、外枠3の取付手順を図4ないし図6を参照して説明する。
まず、図4に示すように、吊持具10の吊持部11及び鉛直部12を、外枠3に設けられたスリット7に挿通させる。
次に、図5に示すように、吊持部11を天井1の野縁1c上に載置された取付部材1aの上面に当接係合させた状態で、外枠3を仮止めする。この際、外枠3の対向する2辺のうちの一方の側壁部6に設けられた2個のスリット7に吊持具10の吊持部11及び鉛直部12を挿通させて、吊持部11を取付部材1aの上面に当接係合した状態で、他方の側壁部6に設けられた2個のスリット7に吊持具10の吊持部11及び鉛直部12を挿通させて、吊持部11を取付部材1aの上面に当接係合させて外枠3を仮止めする。したがって、作業者は、従来の取付金具を用いる場合のように外枠3を水平状態に支えながら作業する必要がなく、簡単に外枠3を仮止めすることができる。
上記のようにして外枠3を仮止めした状態で、図5に示すように、変形腕部14の上方部14aと下方部14bを近接方向に変形させつつ係合肩部13を外枠3のフランジ部8に係合させた後、変形腕部14の上方部14aと下方部14bの近接方向の押圧を解除すると、変形腕部14の弾発力によって外枠3が開口部2に固定される。この際、押し代用の折曲部17を外枠3側に押し付ければ、係合肩部13を外枠3のフランジ部8に簡単に係合させることができる。
また、鉛直部12はスリット7によって拘束された状態で、変形腕部14の変形によって吊持部11と係合肩部13との間に弾発力を促すことができるので、天井パネル1bの厚さや野縁1c及び取付部材1aの高さに対応して外枠3を開口部2に確実に固定することができる。
この発明に係る外枠の取付構造を適用した天井点検口の取付部の要部を示す平面図(a)、(a)のI−I線に沿う断面図(b)及び(b)のII−II矢視図(c)である。 この発明における吊持具の平面図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。 この発明における吊持具と外枠を示す斜視図である。 上記外枠のスリットに上記吊持具を挿通させて開口部に取り付ける状態を示す斜視図である。 上記外枠の仮止め状態を示す斜視図である。 上記外枠の取付状態を示す斜視図である。 従来の天井点検口の取付状態を示す断面図である。
符号の説明
1 天井
1a 取付部材
1b 天井パネル
1c 野縁(天井下地材)
2 開口部
3 外枠
4 内枠
5 パネル体
6 側壁部
7 スリット
8 フランジ部
10 吊持具
11 吊持部
12 鉛直部
13 係合肩部
14 変形腕部
14a 上方部
14b 下方部
14c 連結支点部
15 下部連結部
16 上部連結部
17 押し代用折曲部

Claims (6)

  1. 建物の天井に設けられる開口部に吊持具を用いて取り付けられる矩形状の外枠と、この外枠内に開閉自在に取り付けられる内枠と、この内枠の内方側に配設されるパネル体とを具備する天井点検口において、
    上記外枠は、この外枠の側壁部に穿設される鉛直方向に延びるスリットと、側壁部の頂部から折曲するフランジ部とを備え、
    上記吊持具は、1本の線状ばね部材が曲げ加工されて形成されており、線状ばね部材の両端部に鉤状に形成されて上記天井の下地材上に載置される取付部材の上面に当接係合する吊持部と、この吊持部の基端側から下方に延在する鉛直部と、上記外枠のフランジ部に係合する左右一対の係合肩部と、この係合肩部と上記鉛直部の下端側に連結されると共に、上記吊持部と係合肩部との間に弾発力を促す変形腕部とを備え、
    上記吊持具の吊持部及び鉛直部を上記外枠のスリットに挿通させて吊持部を上記取付部材の上面に当接係合させた状態で、上記変形腕部を変形させつつ上記係合肩部を外枠のフランジ部に係合させて、外枠を上記開口部に固定してなる、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
  2. 請求項1記載の天井点検口における外枠の取付構造において、
    上記左右一対の変形腕部は、係合肩部に連結する上方部の下端と、鉛直部の下端側に連結する下方部とを連結する連結支点部が、それぞれ上記係合肩部より左右外方の互いに離間する位置に設けられている、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
  3. 請求項1又は2記載の天井点検口における外枠の取付構造において、
    上記吊持部は、先端に向かって下り傾斜状に形成されている、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の天井点検口における外枠の取付構造において、
    上記鉛直部と変形腕部を連結する下部連結部が、鉛直部側に向かって上り傾斜状に形成されている、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の天井点検口における外枠の取付構造において、
    上記左右の吊持部は、高さに差が設けられている、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の天井点検口における外枠の取付構造において、
    上記左右の係合肩部を連結する上部連結部の中間部位に、外枠側と反対側に突出する押し代用の折曲部を形成してなる、ことを特徴とする天井点検口における外枠の取付構造。
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