JP4646447B2 - 溝入れ用スローアウェイチップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溝入れ用スローアウェイチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7に従来の溝入れ用スローアウェイチップの一例を示す。この溝入れ用スローアウェイチップ21は、概略三角形板状体をなす。そして、着座面をなす上面22と該上面22に対して略平行な下面23と、該下面23と上面22との間に側面24とを備える。
【0003】
上記側面24には上記下面23に対して略垂直な方向に延びる切刃25と該切刃25から後方に連続するブレーカ溝26が形成されている。
【0004】
この溝入れ用スローアウェイチップ21は、概略三角形板状体をなすので、切刃25の下側部分を大きく取ることができ機械的強度が大きい。したがって、切刃25の刃長さを小さいものとすることが可能であり、主に、精密溝入れ加工に用いられる。
【0005】
また、図8に従来の溝入れ用スローアウェイチップの他の例を示す。この溝入れ用スローアウェイチップ31は、全体として角柱状をなし、その長手方向端部稜線に湾曲状の切刃35と該切刃35の後方に連続するブレーカ溝36を備える。ブレーカ溝36は、切刃35の近傍に2個の小突起37と該小突起の後方に2個の大突起38とを備える。
【0006】
このタイプの溝入れ用スローアウェイチップ31は切刃35の幅が大きいので、溝幅が大きく厳密な精度を必要としない溝入れ加工に用いられている。
【0007】
また、このように配置された上記小突起37と大突起38とは、協働して切屑をカールさせる作用を有する。小突起37は大突起38に向けて切屑を方向づけること及び絞りにより切屑の両横端を上方向に反らせ切屑の厚みを大きくすることで切屑がカールしやすくなるようにする作用を有し、大突起38は衝突する切屑をカールさせる作用を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図7に示す溝入れ用スローアウェイチップに備えるブレーカ溝では、送りの非常に小さい精密加工(送りf=0.03〜0.08mm程度)において切屑を確実にカールさせることが難しく、切屑の絡みつきや、かみこみなどの恐れがあった。
【0009】
他方、図8に示す溝入れ用スローアウェイチップでも、送りが小さい加工の場合に切屑を確実にカールさせることが難しく、切屑の絡みつきや、かみこみなどの恐れがあった。
【0010】
このような従来技術の問題に鑑み、本発明の目的は、超精密溝入れ加工や送りの小さい溝入れ加工において切屑を確実にカールさせることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の溝入れ用スローアウェイチップは、概略三角形板状体をなし、着座面をなす上面と該上面に対して略平行な下面と、上記上面および下面との間に側面とを備え、該側面には上記下面に対して略垂直な方向に延びる切刃と該切刃から後方に連続するブレーカ溝が形成されてなる溝入れ用スローアウェイチップであって、上記切刃は上記下面の側が先方となるように上記下面に直交する方向に対して傾斜角α=1°〜2°で傾き、上記ブレーカ溝内には上記切刃に平行に並ぶ2個の小突起と該小突起の後方位置に上記切刃に平行に並ぶ2個の大突起を備えたことを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、チップが概略三角形板状体であるので、切刃の長さを非常に小さくすることが可能である。また、2個の小突起と、2個の大突起を下面に直交する方向に対し1°〜2°傾斜させたことで、チップを1°〜2°の横逃げ角でチップを傾斜してチップをホルダーに取り付けた状態で、これら小突起と大突起が送り方向に直交して並ぶよう配置できる。
【0013】
このように配置された上記小突起と大突起とは、送りが小さい精密加工において、しかも粘い材料を加工する場合でも切屑を確実にカールさせることができる。すなわち、小突起は大突起に向けて切屑を方向づけること及び絞りにより切屑の両横端を上方向に反らせ切屑の厚みを大きくすることで切屑がカールしやすくなるようにする作用を有し、大突起は衝突する切屑を確実にカールさせる作用を有する。
【0014】
次に、請求項2の溝入れ用スローアウェイチップによれば、上記請求項1のチップの構成において、上記小突起が上記ブレーカ溝の下り傾斜面に上記大突起が上記ブレーカ溝の溝底部分に形成されていることを特徴とする。
【0015】
かかる構成によれば、切屑を大きな角度でデフレクトさせることができ、切屑をカールさせる作用を促進できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図により説明する。
【0017】
図1〜図6は本発明に係る溝入れ用スローアウェイチップ(以下、チップと略称する)1の実施形態を示す。これらの図中、2は上面、3は下面、4は側面、5は切刃、6はブレーカ溝、7は小突起、8は大突起を示す。
【0018】
上記チップ1は、平面視で略三角形をした板状体である。そして、着座面をなす上面2と該上面2に対して略平行な下面3(第1横逃げ面)を備える。また、上記上面2と下面3との間に側面4とを備える。さらに、上記上面2側には、この上面2から段落ちした面として、第2横逃げ面10を備える。
【0019】
上記側面4には、上記下面3から略垂直な方向に延びて第2横逃げ面10に連なる直線状の切刃5が形成されている。また、側面4には、該切刃5から後方に連続するブレーカ溝6が形成されている。
【0020】
上記切刃5は、図3に示すように、側面視で下面3の側が先方となるよう上記下面2に直交する方向Eに対して傾斜角α=1°〜2°で傾いている。
【0021】
上記ブレーカ溝6内には上記切刃5に近接し、この切刃5と平行に並ぶ2個の小突起7(方向G)と、該小突起7の後方に切刃5に平行に並ぶ2個の大突起8(方向F)が設けられている。
【0022】
図4は上記小突起7と大突起8の配置に関する一実施形態を示す。
【0023】
同図に示すように、上記大突起8は上記ブレーカ溝6の溝底部61に形成されている。すなわち上記大突起8は、小突起7が形成されているブレーカ溝6の下り傾斜面62に対して角度付の面に形成されている。
【0024】
図5及び図6は、上記チップ1のホルダーHへの装着状態を示す。
【0025】
図5に示すように、上記チップ1は前逃げ面9に5°程度の前逃げ角が生じるようにホルダHに装着される。
【0026】
また図6に示すように、チップ1は切削送り方向Dに対して下面3を上記傾斜角αで傾け、下面3がαの横逃げ角で傾いた状態でホルダHに装着される。これにより、上記切刃5と上記小突起7が並ぶ方向Fおよび上記大突起8が並ぶ方向Gとが切削送り方向Dに対して直交する。
【0027】
上記チップ1は、概略三角形板状体であり、切刃5の下側の肉厚が大きい。したがって、切刃5の長さを非常に小さくすることが可能である。そして、切刃5が直線状であって刃先位置が芯ずれしないので、精密な加工が可能である。
【0028】
また、2個の小突起7と、2個の大突起8を下面3に直交する方向Eに対してα=1°〜2°傾斜させたことで、チップ1を、下面3がαの横逃げ角で傾いた状態でホルダーHに取り付けたときに、これら小突起7と大突起8が送り方向Dに直交して並ぶよう配置できる。
【0029】
このように配置された上記小突起7は大突起8に向けて切屑を方向づけること及び絞りにより切屑の両横端を上方向に反らせ切屑の厚みを大きくすることで切屑がカールしやすくなるようにする作用を有し、大突起8は衝突する切屑を確実にカールさせる作用を有する。特に、送りが小さい精密加工において、しかも粘い材料を加工する場合でも切屑を確実にカールさせることができる。
【0030】
なお、前述のように上記小突起を上記ブレーカ溝6の下り傾斜面62に、大突起8を溝底部61に形成した場合、切屑を大突起8で大きな角度でデフレクトさせることができ、切屑をカールさせる作用を促進できる。
【0031】
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものでなく、発明の本質を逸脱しない限り任意の形態とすることができることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、切刃の長さを非常に小さくすることが可能である。したがって精密な加工が可能であり、しかも、切屑の方向づけ及び絞りにより切屑の両横端を上方向に反らせ切屑の厚みを大きくすることで切屑がカールしやすくなるようにすることができる。特に、送りが小さい精密加工において、しかも粘い材料を加工する場合でも切屑を確実にカールさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溝入れ用スローアウェイチップの斜視図である。
【図2】図1のチップの側面図である。
【図3】図1のチップにおけるブレーカ溝部分の拡大図である。
【図4】図1のチップにおける切刃部分の拡大側面図である。
【図5】図1のチップのホルダーへの装着状態を示す平面図である。
【図6】図5のX矢視図である。
【図7】従来の概略三角形板状をした溝入れ用スローアウェイチップの斜視図である。
【図8】従来の概略角柱状をした溝入れ用スローアウェイチップの斜視図である。
【符号の説明】
1 溝入れ用スローアウェイチップ
2 上面(着座面)
3 下面(第1横逃げ面)
4 側面
5 切刃
6 ブレーカ溝
61 溝底部
62 下り傾斜面
7 小突起
8 大突起
9 前逃げ面
10 第2横逃げ面
Claims (2)
- 概略三角形板状体をなし、着座面をなす上面と該上面に対して略平行な下面と、上記上面および下面との間に側面とを備え、該側面には上記下面に対して略垂直な方向に延びる切刃と該切刃から後方に連続するブレーカ溝が形成されてなる溝入れ用スローアウェイチップであって、
上記切刃は上記下面の側が先方となるように上記下面に直交する方向に対して傾斜角α=1°〜2°で傾き、上記ブレーカ溝内には上記切刃に平行に並ぶ2個の小突起と該小突起の後方位置に上記切刃に平行に並ぶ2個の大突起を備えたことを特徴とする溝入れ用スローアウェイチップ。 - 上記小突起が上記ブレーカ溝の下り傾斜面に、上記大突起が上記ブレーカ溝の溝底部分に形成されていることを特徴とする請求項1記載の溝入れ用スローアウェイチップ。
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