JP3716090B2 - 溝入れ加工用切削インサート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属材などからなる加工物に溝入れを行うための複数の切刃部を備えた板状体からなる溝入れ加工用インサートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記溝入れ加工用切削インサートとして、従来より図4に示すように、板状体21の側面に切刃部22を突出させたもので、切刃23が板状体の21の厚み方向に形成されたインサート20が用いられていた。しかしながら、このインサート20は刃長=切刃部の厚みであり、細溝加工のためには切刃部22を厚くできないので、切刃部22の機械的強度に問題があった。また、ブレーカーには、研磨が必要で、また、その切屑切断能も不十分なものであった。
【0003】
次に、特公平4−29485号は、図5に示す如く、工具本体に当接支持するための拘束側面31を辺の一部とする仮想三角形Tの外側に切刃部32の一部を位置せしめたインサート30を記載している。このインサート30は、切刃33を切刃部32の先端の水平方向に設け切刃33に連続してブレーカ溝34を設けたものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図5に示す前記従来のインサート30は、切刃部32の厚みがインサート30の厚み分と同等であったが形状的に不安定であり、切刃部32の機械的強度は必ずしも大きくなかった。加えて、デザイン上、前記拘束側面31を短くせざるをえず、その結果、インサート拘束時の剛性に劣るためビビリ振動が発生し易いという問題もあった。また、図4のインサート20、図5のインサート30に共通する問題として、両インサートともに、横引き、すなわち水平方向の加工が不可能であった。
【0005】
このような従来技術の問題に鑑み、本発明は、金属材などからなる加工物に溝入れを行うための複数の切刃部を備えた板状体からなる溝入れ加工用インサートにおいて、インサート拘束時の剛性を高くして切削時のビビリを少なくし且つ切刃部の強度を大きくすることを課題とする。また本発明は、上記溝入れ加工用インサートにおいて、主切刃に対して垂直方向のみでなく、水平方向の加工も可能であるようにすることを課題とする。そして、最後に、このような溝入れ加工用インサートであって、安価に製造可能であるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、中央にボルト固定用の貫通孔を備えた略三角形板状体をなし、該三角形の各頂点部位を切り欠いて、工具本体に当接支持するための拘束側面の延長方向に角柱状の切刃部を突出せしめてなる溝入れ加工用切削インサートであって、前記切刃部の厚みを前記板状体と略同一とするとともに、前記切刃部の上下面の少なくともいずれか一方の先端稜縁に主切刃を、前記先端稜縁に略直交する両横の稜縁に副切刃を形成し、さらに前記切刃部のすくい面の切刃近傍領域にブレーカ突起を形成した溝入れ加工用切削インサートの構成を基本とする。このような構成によれば、切刃部の全体が上記拘束側面を辺の一部とする仮想三角形の内側に位置するので、前記切削時のビビリおよび強度の問題を解決するとともに、主切刃に略直交する両横の副切刃により水平方向の加工を可能にし、さらにはすくい面に形成されたブレーカ突起により切屑処理能力にも優れる。
また、切屑処理効果をより高めるために、前記ブレーカ突起は、前記主切刃に垂直な方向へ縦長の半楕円状であることが望ましく、さらには前記副切刃に沿って2列平行に設けられていることが望ましい。
【0009】
【作用】
本発明の溝入れ加工用切削インサートは、工具本体に当接支持するための3個の拘束側面の延長方向に切刃部を突出せしめ、該切刃部を角柱状に形成し、その上下面の少なくともいずれか一方の先端稜縁に主切刃を、前記先端稜縁に略直交する両横の稜縁に副切刃を形成する。したがって、切刃部の厚みを前記板状体と同一あるいは略同一とすることができるので、切刃部の機械的強度が大きい。
【0010】
また、切刃部の全体を上記拘束側面を辺の一部とする仮想三角形の内側に位置させたので、拘束側面の巾を大きくなり、また安定形状となるのでインサート拘束時の剛性が高く切削時のビビリが少ない。
【0011】
加えて、切刃部の先端稜縁に形成された主切刃に略直交する両横の副切刃を使用することにより、工具を横に走らせる水平方向の加工にも対応できる。なお、切刃部のすくい面を平坦面とし、このすくい面の切刃近傍領域にブレーカ突起を設けるようにする場合、切屑処理能力にも優れ、且つプレスブレーカーで安価に製造可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図によって説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の溝入れ加工用切削インサート(以下、インサートと略称する)1の斜視図を示し、同図に示すように上記インサート1は、中央にボルト固定用の貫通孔2を備えた略三角形板状体をなし、該三角形の各頂点部位を切り欠いて、工具本体に当接支持するための拘束側面3の延長方向に角柱状の切刃部4を突出せしめてある。したがって上記インサート1は、切刃部4の全体を上記拘束側面3を辺の一部とする仮想三角形Tの内側に配している。
【0014】
また、上記切刃部4を角柱状に形成するとともに、その上面5あるいは下面6の少なくとも一方の先端稜縁7を主切刃8とした構成であり、その厚みを前記板状体の厚みとほぼ同一としたので切刃部4の機械的強度が大きい。
【0015】
加えて切刃部4は、主切刃8に略直交する両横の稜縁を副切刃9としている。
【0016】
これにより、工具を横に走らせ副切刃9も使用することにより水平方向に加工にも対応できる。さらに、切刃部4のすくい面10は、未研磨の平坦面であり、前記主切刃8の近傍にブレーカ突起11を形成してある。該ブレーカ突起11を含めてすくい面10はプレス成形後に焼成した焼き肌面のままでよく、研磨せずとも、切屑処理能力にも優れたものである。すなわち、ブレーカ突起11は、切屑の流れを安定させるとともに、切屑を螺旋状に曲げ、切屑を細かく切断させる作用を有している。
【0017】
上記ブレーカ突起11としては図1に示すように、小大二山の突起を2列平行に設けたものが、主切刃8による切屑および副切刃9による切屑の両方に対して良好な切屑処理能を有する。この他にも、図2に示すすくい面10の拡大図のように、主切刃8の中央近傍に半楕円状のブレーカ突起11を形成したものであっても良い。
【0018】
図3の平面図は、このインサート1をホルダー12に装着した状態を示すが、同図に示すように拘束側面3を比較的長くとることができるとともに、切削荷重に対しても安定した形状となっている。したがって、インサート1を拘束した時の剛性が高く切削時のビビリが少ないという大きな利点を有する。
【0019】
なお、これらブレーカ突起11の形態は、被削材や加工形態に対応して任意のものとすることができる。
【0020】
なお、図3において、前記ボルト用の貫通孔2には固定用ボルトを作用させず、かわりにクランパー13を、貫通孔2の座繰面2aに作用させた実施形態を示しているが、上記貫通孔2をこのような目的で使用することは何等本発明の目的を逸脱するものではない。
【0021】
【表1】
【0022】
表1に示すような範囲で上記D、B、Wを適宜、調整しておけばよい。
【0023】
また、図3に示すように上記インサート1における前記仮想三角形Tの内接円直径D、切刃部4の突込み(溝深さ)B、主切刃8の最大刃巾(溝巾)Wについて、それらの関係を表1に示す。なお、単位はすべてmmである。
【0024】
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、発明の目的を逸脱しない限り任意の形態とすることができることは言うまでもない。
【0025】
実施例
上記インサート1を用いて溝入れ加工を行い、図1に示すように送り量を変えながらビビリ振動について評価した。加工条件は、
(イ)被削材 SCM435
(ロ)周速 150m/min
(ハ)湿式加工
とした。
【0026】
比較例として図5に示すインサートを用い、同様に評価した。これらの結果を表に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
表2から明らかなように比較例品は送り0.08mm/revからビビリ振動が発生していたのに対して本発明品は送り0.20mm/revでもビビリ振動が発生しなかった。
【0029】
【発明の効果】
叙上のように本発明によれば、工具本体に当接支持するための3個の拘束側面の延長方向に切刃部を突出せしめ、該切刃部を角柱状に形成し、前記切刃部の厚みを前記板状体と略同一とするとともに、その上下面の少なくとも一方の先端稜縁を主切刃、前記先端稜縁に略直交する両横の稜縁を副切刃とし、さらに前記切刃部のすくい面の切刃近傍領域にブレーカ突起を形成した切削インサートの構成において、切刃部の全体を上記拘束側面を辺の一部とする仮想三角形の内側に配したことにより、インサート拘束時の剛性が高くなって切削時のビビリが少なくなり且つ切刃部の強度が大きくなるという効果を奏する。また、主切刃に略直交する両横の副切刃により水平方向の加工を可能にするとともに、すくい面に形成されたブレーカ突起により切屑処理能力にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の溝入れ加工用切削インサートの斜視図である。
【図2】図1のインサートの切刃部のすくい面を拡大して示す平面図である。
【図3】図1のインサートをホルダーに装着した状態を示す平面図である。
【図4】従来の溝入れ加工用切削インサートを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図5】従来の溝入れ加工用切削インサートを示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 溝入れ加工用切削インサート
2 貫通孔
2a 座繰り面
3 拘束側面
4 切刃部
5 上面
6 下面
7 先端稜縁
8 主切刃
9 副切刃
10 すくい面
11 ブレーカ突起
12 ホルダー
13 クランパー
T 仮想三角形
D 仮想三角形の内接円直径
B 切刃部の突込み(溝深さ)
W 主切刃の最大刃巾(溝巾)
Claims (3)
- 中央にボルト固定用の貫通孔を備えた略三角形板状体をなし、該三角形の各頂点部位を切り欠いて、工具本体に当接支持するための拘束側面の延長方向に角柱状の切刃部を突出せしめてなる溝入れ加工用切削インサートであって、前記切刃部の厚みを前記板状体と略同一とするとともに、前記切刃部の上下面の少なくともいずれか一方の先端稜縁に主切刃を、前記先端稜縁に略直交する両横の稜縁に副切刃を形成し、さらに前記切刃部のすくい面の切刃近傍領域にブレーカ突起を形成したことを特徴とする溝入れ加工用切削インサート。
- 前記ブレーカ突起は、前記主切刃に垂直な方向へ縦長の半楕円状であることを特徴とする請求項1記載の溝入れ加工用切削インサート。
- 前記ブレーカ突起は、前記副切刃に沿って2列平行に設けたことを特徴とする請求項2記載の溝入れ加工用切削インサート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35831597A JP3716090B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 溝入れ加工用切削インサート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35831597A JP3716090B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 溝入れ加工用切削インサート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11188508A JPH11188508A (ja) | 1999-07-13 |
JP3716090B2 true JP3716090B2 (ja) | 2005-11-16 |
Family
ID=18458667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35831597A Expired - Lifetime JP3716090B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 溝入れ加工用切削インサート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3716090B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103920894B (zh) * | 2013-12-31 | 2016-08-17 | 厦门金鹭特种合金有限公司 | 一种三头切槽刀片及装配该刀片的刀具 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35831597A patent/JP3716090B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11188508A (ja) | 1999-07-13 |
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