【発明の詳細な説明】
ワークを切削加工するための
カッティングインサート
本発明は、請求項1〜請求項3の上位概念部に記載の形式の、ワークを切削加
工するためのカッティングインサートに関する。
国際公開第89/01375号パンフレットに開示された、ワークを切削加工
するためのカッティングインサートは、カッティングインサート長手方向軸線に
対して直交する横方向に配置された前側のカッティングエッジ(正面切刃)と、
真ん中の凹面状のチップ(切り屑)成形凹所(Spanformmulde)とを備えており
、このチップ成形凹所は側方ですくい面保護ランド(
の場合、すくい面保護ランドの、チップ成形凹所に隣接したフランクは、カッテ
ィングエッジに対して直角な方向で、つまりチップ排出方向で、まず互いに収束
するように先細りになっているので、チップ形成凹所の底面は相応して先細りに
なる。このフランクは続いて再び互いに離れる方向で拡開している。この公知の
カッティングインサートはこのために、チップ成形凹所に隣接した、凸面状に成
形された側方フランクを有している。すくい面保護ランドは正面切刃に隣接して
平らに、かつ0°のすくい角で形成されており、この平らな範囲に続いて凸面状
の構造を有している。この構造は上記国際公開第89/01375号パンフレッ
トでは横方向の切欠きと呼称される。しかしこのようなカッティングインサート
の実際の使用においては、チップ案内とチップ横断面変形が不十分であるので、
カッティング時にスムーズなチップ排出を実現するためにはチップの全幅にわた
る所望の圧縮が小さすぎることが判っている。同じく、チップが前記横方向の切
欠きを無接触に滑り抜け、チップブレークのために必要となる曲げ上げを受けな
くなるか、または不十分にしか受けなくなる、という危険も生じる。
ドイツ連邦共和国実用新案第9214563.9号明細書に記載のカッティン
グインサートは、真っ直ぐなカッティングエッジを有しており、このカッティン
グエッジの両端部は前側のすくい面縁部分(すくい面保護ランド)に移行してい
る。この場合、前記すくい面縁部分の間にはチップ成形凹所が配置されている。
このすくい面縁部分は一貫して負であることが望ましい。それに対して、チップ
成形凹所の、カッティングエッジに隣接した側のすくい角は、一貫して正である
。すくい面縁部分のこのような構成に基づき、チップ排出方向で見た凹所の幅は
、側方ですくい面保護ランドによって仕切られる、平面図で見てほぼ円形のチッ
プ成形凹所に基づき、差し当たり比較的大きく形成さ
れる。このような構造に基づき、チップ成形凹所の幅はチップ成形凹所の端部で
しか先細りにならない。しかし上記ドイツ連邦共和国実用新案第9214563
.9号明細書において設定された課題、つまりチップ幅の確実でかつ十分な減小
ならびに比較的短いチップ形成を行う切削を可能にする、という課題は、極めて
不十分にしか解決されない。なぜならば、チップ成形凹所内での材料堆積の危険
ならびにチップ成形凹所に配置されたリブが、使用時のカッティングインサート
の切削特性を悪化させているからである。さらに、このようなカッティングイン
サートは、狭く制限された送り範囲においてしか使用可能でない。
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3643802号明細書に開示されたカッテ
ィングインサートでは、カッティングエッジの範囲に位置する側壁に、カッティ
ングエッジから側壁の上縁部にまで延びる各1つのすくい面が配置されている。
この場合、送り方向で見て、すくい面の、カッティングエッジに隣接した前側の
部分と、隣接した後側の部分とが、互いに角度を成して配置されており、これら
のすくい面部分はすくい面保護ランドとして真ん中のチップ成形凹所を仕切って
いる。このすくい面保護ランドから降下するフランクは平らに形成されていて、
カッティングエッジに対する正面図で見て斜めに位置するように配置されており
、さらに直線状のすくい面底部に続いている。このす
くい面底部は、同じくチップ排出方向で見て凹面状に湾曲させられているが、し
かしカッティングエッジに対して平行に直線状に延びている。この公知のカッテ
ィングインサートも極めて不十分な切刃安定性、チップ案内およびチップ横断面
変形しか示さない。特に設定された課題、つまり比較的短いチップをワークから
引き離す、という課題は、全く解決されないか、または不十分にしか解決されな
い。
欧州特許出願公開第0257002号明細書または米国特許第4776733
号明細書に開示されているカッティングインサートは、前側の逃げ面に、有利に
は円筒セグメント状のプロチュバランス、つまりこぶ
削り時に、逃げ面が正の角度で配置されていると同時にチップ成形凹所がカッテ
ィングエッジにまで突入している状態において生じる、降下された範囲が補償さ
れるようになるので、切削加工されたワークに平らな溝底面を形成することがで
きる。さらに、この公知のカッティングインサートは側方のすくい面保護ランド
を有しており、この側方のすくい面保護ランドはカッティングエッジからチップ
排出方向で見てまず小幅になり、次いで後続の範囲ではじめてほぼ一定の幅を有
し、それから凹面状に形成されたチップ成形凹所の端部にまで再び拡幅している
。このような工具も、不十分な切刃安定性しか示さず、また小さな切削直径では
切削加工されたワークに相変わらず凹凸状の溝底面を生ぜしめる。
本発明の請求の範囲の請求項3の上位概念部に記載の形式のカッティングイン
サートは、たとえばドイツ連邦共和国特許第2404302号明細書に基づき公
知である。この公知のカッティングインサートには、小さな送りのときに十分な
チップコントロールが与えられていないという欠点がある。これに加えて、チッ
プは実際には正面切刃の全幅にわたって流出し、このことは加工された溝のフラ
ンクに損傷を招く恐れがある。さらに、正面切刃に設けられた比較的シャープな
稜角の凹部も、切刃の破砕または破断の危険をもたらす。
さらに、欧州特許第0416900号明細書に基づき、凹面状のカッティング
エッジを備えたカッティングインサートが公知である。このカッティングエッジ
には、側方の範囲では凸面状に湾曲させられたチップ変向面が続き、また真ん中
の範囲ではすくい面に設けられた切込みが続いている。しかし、この公知のカッ
ティングインサートのすくい面の、長手方向および横方向でカッティングエッジ
から、すくい面における変向先端部にまでの連続的な曲率変化は、固い材料のカ
ッティング時に、排出されるチップとすくい面との面接触を阻止するため、つま
り熱摩耗作用や固着摩耗作用を永続的に減少させるためには不十分である。さら
に、既にすくい面の連続的な曲率変化の理由だけでも、チップの側方案内や、チ
ップブレークのために必要となる、変向先端部の「グリップ性(Griffigkeit)
」が不十分となる。
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のカッティングインサートを改良して、プ
ロセス確実な短いチップの形成が保証され、ワーク材料の種々異なる塑性変形能
力において、できるだけ広幅の送り範囲内で、形成されるチップがカッティング
幅よりも小幅となるようにチップが調整され、これによりワーク溝縁の高い表面
品質が達成され、かつ溝内でのチップのひっかかりが回避され、しかも不都合な
材料固着またはすくい面における沈積が高い可使時間の点でも回避され、ひいて
はカッティング時に振動の少ないチップ排出およびチップブレークが保証され得
るようなカッティングインサートを提供することである。
この課題は、請求項1、請求項2または請求項3の特徴部に記載の本発明によ
るカッティングインサートにより解決される。
請求項1に記載のカッティングインサートは、各すくい面保護ランドに続いて
、チップ成形凹所に向けられかつチップ成形凹所に突入した、突起状に隆起した
チップ成形エレメントが設けられており、該チップ成形エレメントが、カッティ
ングインサート長手方向軸線に対して鏡像対称的に互いに向かい合って位置して
いて、さらに前記チップ成形エレメントが、チップ成形凹所の底面を飛躍的に、
有利には不連続的に、チップ排出方向で先細りにしていることを特徴としている
。
これに対して択一的に請求項2に記載のカッティングインサートは、チップ排
出方向で見て各すくい面保護ランドに続いてカッティングエッジから遠い方の範
囲に、カッティングエッジおよびチップ成形凹所に向かって少なくとも部分的に
球状に形成された側方フランクを有する、隆起したチップ成形エレメントが設け
られており、このチップ成形エレメントが、すくい面保護ランドを高さ方向でも
幅方向でも越えて延びており、さらに前記チップ成形エレメントが、カッティン
グインサート長手方向軸線に対して鏡像対称的に互いに向かい合って位置するよ
うに配置されていて、前記チップ成形エレメントが、チップ成形凹所にまで突入
しており、さらに前記チップ成形エレメントが、チップ成形凹所によって規定さ
れるチップ排出幅を、カッティングエッジ近傍の範囲におけるチップ排出幅に比
べて減少させていることを特徴としている。
両カッティングインサートにとって共通して得られる効果は、排出されるチッ
プが、すくい面保護ランドと真ん中のチップ成形凹所とによって行われる塑性変
形後に、それぞれ突起状の隆起したチップ成形エレメントによって横断面におい
ても、この横断面に対して
直角に配置された平面の方向においても、一層の圧縮を受けるので、形成された
排出チップがカッティング幅よりも著しく小幅に形成されて、短いチップの形で
ブレークすることである。門状にチップ成形凹所に突入しているが、しかし高さ
方向では隣接のすくい面保護ランドを越えていない、突起状のチップ成形エレメ
ントに基づき、チップ成形凹所底面の端部における固着または沈積は有効に阻止
される。カッティングインサートのすくい面に対して直角なチップ曲げ上げは、
請求項2に記載のチップ成形エレメント、つまりそれぞれ手前に位置するすくい
面保護ランドを越えている上縁部を有するチップ成形エレメントが使用されると
、側方の範囲においてますます増幅される。このチップ成形エレメントはいずれ
の場合でも、前側のカッティングエッジに面した側でも、側方の逃げ面とはそれ
ぞれ反対の側でも、またその間に位置する移行範囲においても、少なくとも部分
的に球凸面状のフランクを有するように形成されている。このようなフランクは
カッティングインサートのすくい面に対してほぼ直角な方向におけるチップの飛
躍的な著しい曲げ上げを生ぜしめる。さらにチップ成形エレメントは、チップ成
形凹所の底面を門状に先細りにするように形成されていると有利である。
上記課題はさらに請求項3に記載のカッティングインサートによって解決され
る。この場合、すくい面縁
部分とチップ成形凹所との間には、正面切刃からそれぞれ0.1mmよりも大き
い間隔またはカッティング幅の3%よりも大きい間隔を置いて段部が配置されて
いる。このようなカッティングインサートは次のような利点を有している:
―ワークにおけるばり形成または小突起形成が回避される、
―カッティング幅に対してチップ幅が減じられる、
―ワークフランクの高い表面品質が得られる、
―強靭なワーク材料において連続的なチップブレークが行われる、
―切刃安定性における損失が生じない、
―可変の正面切刃横断面、特にカッティングエッジの可変の傾斜角度において、
溝内での良好なチップ案内および連続的なチップブレークが行われる、
―溝フランクの良好な平坦性を得るために、可変の正面切刃横断面を用いた切削
加工時に、できるだけ小さな横方向力しか形成されない。
ほぼ扁平に形成された側方のすくい面縁部分は、真ん中の凹面状のチップ成形
凹所よりも小さなすくい角値で位置していて、カッティングインサート長手方向
軸線に対して直交する横方向で見て、球凸面状の段部を形成してチップ成形凹所
に移行している。高さ方向で段付けされた段部面は、排出されるチップがすくい
面に対して受ける接触の著しい減少を生ぜしめ、これ
によって、このときに生じる摩擦力はかなり減じられる。これによって、カッテ
ィング時における低い主切削力、横方向力および送り力とが得られる。比較的小
さな主切削力および送り力は僅かなばり形成もしくは小突起形成を可能にし、比
較的低い横方向力に基づき、カッティングされたワークすくい面の良好な平坦性
が得られる。
請求項3に記載のカッティングインサートのさらに別の有利な構成は、請求項
4〜請求項19に記載されている。
すなわち、前記段部は上側の水平な上面またはカッティングインサート載置面
に対して最大17°の角度で外方に向かって傾けられた上面と、チップ成形凹所
に向けられた内面とを有していると有利である。前記段部は既に述べたように、
この段部を取り囲むすくい面範囲から隆起している。この場合、最大隆起部は0
.2〜1.5mmの段部高さを有している。
本発明のさらに別の有利な構成では、前記段部の、チップ成形凹所に面した内
面が、やはり平らにかつカッティングインサート載置面に対して相対的に内方に
向かって最大40°の角度で傾けられている。前記段部の上側の上面と内面とは
、丸く面取りされた1つの共通の縁部を有している。この縁部はカッティングイ
ンサート長手方向軸線に対してほぼ平行に延びている。この縁部の半径は3mm
よりも小さく、有利には0
.3〜1.0mmであり、かつ/またはカッティング幅の10〜30%である。
カッティングインサートのすくい面に対する平面図で見て前記段部はほぼレン
ズ形、楕円形または縦長円形に形成されている。側方のすくい面縁部分(縁ラン
ド)の幅は、カッティングインサート長手方向軸線に対して直角に正面切刃にお
いてカッティング幅の40%よりも小さく、有利には25〜35%であり、前記
段部の範囲において30〜70%だけ減少する。カッティングインサート長手方
向軸線の方向で測定した、前記段部の長さは、カッティングインサート長手方向
軸線に対して直角に測定した前記段部の幅よりも大きく形成されており、この場
合、それぞれ最大の長さは有利には、最大幅の長さの1.3〜1.7倍である。
本発明のさらに別の有利な構成では、前記段部の最大幅がカッティング幅の15
〜35%、有利にはカッティング幅の20〜30%である。
正面切刃はカッティングインサート長手方向軸線に対して直角に延びているか
、または傾けられて延びており、この場合、傾斜角度はカッティング幅、すなわ
ちカッティングインサートの幅に応じて最大18°であり、種々異なる傾斜角度
、つまり最大4mmのカッティング幅では最大9°、最大3mmのカッティング
幅では最大12°および最大2mmのカッティング幅では16〜18°が有利と
なる。
長手方向軸線の方向で見てカッティングエッジから正面切刃中央部に向かって
それぞれ減少する(本発明による段部の配置に基づく)長さを有するすくい面縁
部分は、カッティングエッジから遠い方の範囲でそれぞれ、副カッティングエッ
ジにそれぞれ隣接した側方のガイドウェブを形成して保護ランドとして上昇して
いてよい。このガイドウェブの、カッティングインサートの端面に面した前側の
縁部(この縁部を介してガイドウェブは前側のすくい面縁部分に移行する)は、
各段部の高さのほぼ真ん中に位置しており、この場合、上昇フランクのこの前側
の縁部は、カッティングインサート長手方向軸線の方向で見て前記段部の真ん中
の1/3の部分に位置していてよい。このガイドウェブは、所定の範囲で平らに
かつ/または球凸面状に形成されている上昇面を有しており、このことは、この
場所で排出されるチップの摩擦を一層減少させる。
すくい面縁部分は正面切刃に対して直角な方向もしくはカッティングインサー
ト長手方向軸線に対して平行な方向で、チップ成形凹所のすくい角よりも著しく
小さなすくい角で配置されている。すくい面縁部分のすくい角は−10°〜+1
0°、有利には−5°〜+8°である。チップ成形凹所のすくい角は最大30°
、有利には12〜23°であってよい。前記段部が長手方向軸線の方向で傾けら
れている角度は、−10°〜+10°、有利には−5°〜+5°である。各ガイ
ドウェブの幅はカッティング幅の10〜20%であってよい。凹所深さ、すなわ
ち凹所の最も深い点に対するカッティングエッジ平面の鉛直方向の間隔は、0.
25〜2mm、有利には0.3〜1.2mmである。カッティングインサート長
手方向軸線の方向における凹所の曲率半径は1.2〜12mm、有利には1.8
〜8mmである。
本発明によるカッティングインサートは、1つの共通のシャンクを有するよう
に形成されていてよい。その場合、このシャンクの端部には各正面切刃と、これ
に続く前記チップ排出面とが続いている。
請求項2または請求項3に記載のカッティングインサートのさらに別の有利な
構成では、チップ成形エレメントが各1つの上縁部を有しており、この上縁部は
側方の平らな逃げ面に隣接していて、すくい面保護ランド幅にほぼ相当する幅に
わたって部分的に真っ直ぐにかつ/または凸面状に湾曲させられて延びているの
で、カッティングエッジに対する前記上縁部の間隔はカッティングインサート長
手方向軸線の方向で増大する。前記上縁部がカッティングインサート長手方向軸
線と共に形成する接線方向角は、90〜75°に設定されると有利である。この
角度は前で述べた凸面状の湾曲に応じてすくい面保護ランド幅の端部にまで少な
くとも10°だけ減少し、つまり80〜65°の値にまで(出発角度に応じて)
減少する。
請求項2〜請求項21に記載のカッティングインサートまたは請求項1に記載
のカッティングインサートでは、チップ成形エレメントの上縁部がカッティング
インサート長手方向軸線と共に形成する接線方向角が、隣接したすくい面保護ラ
ンドの幅の間隔で測定して65〜80°であり、しかも上縁部が進行するにつれ
て、ほぼすくい面保護ランド幅の1+1/2倍の間隔で逃げ面から見て測定して
35〜75°にまで減少する。つまり言い換えれば、前記上縁部は、前側のカッ
ティングエッジに面した範囲で、請求項2に記載の構成では極めて僅かな湾曲し
か有していない。この湾曲は次いで、凸面状の、より大きな湾曲に移行して5〜
30°の接線方向角を形成する。
チップ成形エレメントの、チップ成形凹所に面した内側フランクはチップ排出
方向で見て互いに収束する方向で延びていると有利である。この場合、互いに収
束するフランクはこの部分範囲では僅かに湾曲させられているか、または平らで
あってもよく、上縁部はカッティングエッジ長手方向軸線と共に、5〜30°の
接線方向角を形成している。このような構成により、チップ成形凹所底面は、チ
ップ成形エレメントによるまず飛躍的な先細りの後に、これに続くカッティング
エッジから遠い方の範囲で連続的にさらに先細りにされる。上縁部の前記接線方
向角の差は40〜70°であると有利である。
本発明のさらに別の有利な構成では、カッティングエッジに面した側方フラン
クならびにチップ成形凹所に面した側方フランク、つまり側面図で見てチップ成
形エレメントの前面および内面が、30〜70°、有利には40〜60°の範囲
の上昇角を形成している。この上昇角に対応して、チップは側方フランクもしく
はこれに続く範囲で持ち上げられて、チップ幅にわたって見て衝撃的に塑性変形
によって圧縮される。隣接する各すくい面底面に対して球面状に突出したチップ
成形エレメントにより、チップが、塑性変形を受けることなしに単に徐々に持ち
上げられて、乱雑なチップの形成の危険が生じることは阻止される。
排出されるチップの塑性変形の所望の作用は、前面の上昇角が、側方の逃げ面
に隣接した範囲から、チップ成形凹所に隣接した内面に向かって増大していると
、一層増幅される。本発明のさらに別の有利な構成では、カッティングインサー
トが、>0.1mmの曲率半径を有する、少なくとも部分的に球凸面状の前面お
よび内面を有している。
本発明のさらに別の有利な構成では、チップ成形エレメントの上縁部および/
またはこれに続く平らな頂面が、すくい面保護ランドに対する境界を形成する正
面切刃に対して、0.15〜1.5mm、有利には0.3〜0.8mmの高さを
有している。
チップ成形凹所の、カッティングエッジに面した側
は、10〜30°、有利には17〜23°の正のチップ成形角を形成している。
側方のすくい面保護ランドは、カッティングエッジ近傍の範囲で、有利には5〜
15°の負のすくい角を有している。これによって、高いカッティングコーナ安
定性が保証される。排出されるチップの塑性変形の最適化は、チップ成形凹所と
、側方のすくい面保護ランドとの間の最大すくい角差が27°よりも大きく形成
されていると得られる。
正面切刃に対して直角に測定した、チップ成形前面の基部曲線は、有利には0
.35〜3.5mm,さらに有利には0.7〜1.8mmである。
本発明のさらに別の有利な構成では、すくい面保護ランドのすくい角が、有利
には0.3〜2mm、特に0.4〜1.4mmの長さ(チップ排出方向で見て)
のカッティングエッジ近傍の範囲でまず負に形成されており、これに続く有利に
は0.1〜1mmの長さの範囲では有利には1〜5°または0°で形成されてお
り、さらにこれに続いて再び負に形成されている。これに対して択一的に、請求
項1に記載の構成では、負のチップ成形角を有するチップ成形エレメントが続い
ている。
すくい面保護ランドは0.1〜2.0mmの幅を有しており、この場合、すく
い面保護ランドは正面切刃で、カッティング幅の6〜30%の幅、特にコーナ半
径の1〜3倍を有している。本発明のさらに別の有利
な構成では、すくい面保護ランドが正面切刃に対して直角にカッティングエッジ
から遠い方の範囲に向かって減少する幅を有している。この幅は逓減していると
有利である。減少するすくい面保護ランド幅はチップ成形凹所の正のすくい角と
相まって、チップ横断面の理想的な前成形を生ぜしめ、この場合、側方のチップ
縁は「曲げ上げられる」。これにより、チップ排出方向で見て配置されたチップ
成形エレメントによる効果と同様に、カッティング幅に対してチップ幅が減少す
る。本発明のさらに別の有利な構成では、すくい面保護ランドの幅が、カッティ
ングエッジにおけるすくい面保護ランドの幅に対して相対的に15〜50%にま
で減少する。本発明のさらに別の有利な構成では、側方のすくい面保護ランドが
、カッティングエッジから遠い方の範囲、特に正のすくい角を有する範囲で、2
/10〜3/10mmのチップ排出距離にわたって一定の幅を有している。
付加的に、正面切刃とチップ成形凹所との間には、有利には0.03〜0.4
mmの幅を有するランドが配置されていてよい。
側方の逃げ面および/または前側の逃げ面は、5〜10°の正の逃げ角で配置
されている。凹所深さ、つまり凹所の最も深い地点に対するカッティングエッジ
平面の鉛直な間隔は、0.05〜1.5mm、有利には0.1〜0.5mmであ
り、かつ/または凹所は1
〜8mmの曲率半径を有している。
前記カッティングインサートは、旋削(Stechdrehen)、有利には浅旋削(Ein
stechen)または深旋削(T
強靭な鋼材料または非鉄材料または高合金の鋼材料または非鉄材料の加工のため
に使用される。
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
第1図は、本発明によるカッティングインサートの平面図であり、
第2図は、第1図のI―I線に沿った本発明によるカッティングインサートの
断面図であり、
第3図は、第1図に示したカッティングインサートのカッティングエッジを正
面から見た平面図であり、
第4図は、第1図のII―II線に沿った断面図であり、
第5図は、第1図〜第4図に示したカッティングインサートの斜視図であり、
第6図は、別の実施例によるカッティングインサートを示す斜視図であり、
第7図は、第6図に示したカッティングインサートの長手方向中心軸線に沿っ
た縦断面図であり、
第8図は、カッティングインサート長手方向軸線に対して直角に延びる正面切
刃を備えた、本発明による
カッティングインサートの斜視図であり、
第9図は、斜めの正面切刃横断面を有するカッティングインサートの斜視図で
あり、
第10図は、第8図または第9図に示したカッティングインサートの平面図で
あり、
第11図は、第8図〜第10図に示したカッティングインサートの正面図であ
り、
第12図は、第11図のV―V線に沿った縦断面図であり、
第13図は、第10図のVI―VI線に沿ったカッティングインサートの縦断
面図であり、
第14図は、第10図に示したカッティングインサートをVII―VII線に
沿って断面した横断面図であり、
第15図は、第10図に示したカッティングインサートをVIII―VIII
線に沿って断面した横断面図である。
第1図〜第5図に示したカッティングインサートはシャンク10と、このシャ
ンクの前端部に続いて設けられたカッティングヘッド11とから成っている。こ
のカッティングヘッド11は前側の逃げ面12と側方の逃げ面13,14とを有
している。これらの逃げ面は全体的または部分的に(第5図参照)、正の逃げ角
で配置されていてよい。すくい面は前側でカッティングエッジもしくは正面切刃
15と、サイドエッジ16
,17とによって仕切られている。正面切刃15には、0.03〜0.4mmの
一定の幅を有するランド18が続いている。カッティングコーナ19,20に向
かって、側方のすくい面保護ランド21が隣接しており、このすくい面保護ラン
ド21の幅はチップ排出方向、つまりシャンク10に向かってまず先細りになっ
ていて、後続の範囲22で一定になっている。これにより、正面切刃15から離
れる方向において、減少するすくい面保護ランド幅が生ぜしめられる。前記範囲
21,22の真ん中には、凹面状に成形されたチップ成形凹所23が設けられて
いる。このチップ成形凹所23の、カッティングインサートの長手方向で見た曲
率半径は、カッティングインサートの長手方向に対して直角の方向で見た曲率半
径、つまりカッティングエッジ15に対して平行な方向で見た曲率半径とは異な
っていてよい。すくい面保護ランド21はそれぞれ負のチップ成形角で配置され
ており、それに対して範囲22におけるすくい面保護ランドは0°のすくい角ま
たは1〜5°の軽度に正の角度を有していてよい。後方ではそれぞれ両側にチッ
プ成形エレメント24が続いている。このチップ成形エレメント24は両側で逃
げ面13,14に整合している。チップ成形エレメント24の、チップ成形凹所
23に面した側は、すくい面保護ランド21,22を大きく越えて、チップ成形
凹所23に大きく突入するように張り出している。両
側のチップ成形エレメント24はカッティングインサート長手方向軸線25に対
して対称的に配置されていて、その間に位置する範囲に、排出されるチップのた
めの小幅の門形の通過部を形成している。チップ成形エレメント24は各1つの
頂面241を有している。この頂面241は上縁部242によって仕切られる。
この上縁部242には、チップ成形凹所23の曲率に応じた基部曲線243が対
応している。上縁部242と基部曲線243との間に位置する側方フランクは複
数の範囲に分割することができる。これらの範囲はチップ排出方向で見て角度α
1,α2,α3によって表示されている。すくい面保護ランド範囲22の幅にほ
ぼ相当する長さに沿って、上縁部242は少しだけ湾曲させられており、この場
合、角度α1は90〜75°から最大10°だけ減少して、80〜65°にまで
減少する。この範囲244は、チップ排出方向で見てすくい面保護ランド範囲2
2の背後で側方のチップ範囲を変形させる、前記側方フランクの前面を規定して
いる。この第1の範囲に続いて、比較的大きな曲率の第2の範囲245が設けら
れている。この第2の範囲245の最終点は角度α2によって規定されている。
角度α2はこの範囲において約75〜35°にまで減少する。第2の範囲245
に続いて大きな曲率の第3の範囲246が設けられており、この第2の範囲24
6は直線状の上縁部分247への移行範囲として形成
されている。この上縁部分247は5〜30°の角度α3で傾けられている。角
度α3の大きさによって、排出されるチップのための別の先細り範囲が生ぜしめ
られる。背後の範囲では、上縁部242が再び鋭く湾曲させられていて、最終的
に各逃げ面13または14にまで直線状に続いている。第2図に示した、第1図
のI―I線に沿った断面図からは、前面244の形成する上昇角βが認められる
。この上昇角βは30〜70°、有利には40〜60°であり、この実施例では
50°が選択されている。しかしチップ成形エレメント24は、一貫して平らな
側方フランク244〜248を有していない。それどころかこれらのフランクは
チップ成形平面に対して直角の方向で少なくとも部分的に球面状に、つまり凸面
状に形成されている。単に基部曲線243に隣接した範囲においてだけ、前記フ
ランクは凹面状に湾曲させられている。前面244から内面247にまで、上昇
角βは増大しており、このことは第4図に示した断面図から判る。この場合、上
昇角βは約55°である。カッティングエッジ15に対する上縁部242の高さ
h1は、0.3〜0.8mmの範囲にある。カッティングエッジ15から、前面
244の範囲における基部曲線243までの間隔aは、0.7〜1.8mmであ
る。チップ成形凹所の正のチップ成形角に対する、すくい面保護ランド21の負
のすくい角の差δは、27°よりも大きく設定される
と有利である。
さらに第3図から判るように、面245〜247はチップ排出方向で互いに収
束するように延びており、これによりチップ成形凹所23の底面はさらに狭めら
れる。前側のカッティングエッジ15は図示の実施例では真っ直ぐに形成されて
いて、側方ですくい面保護ランド21によって仕切られる。このすくい面保護ラ
ンド21の幅は正面切刃においてそれぞれカッティング幅の6〜30%であり、
角隅半径の1〜3倍である。正面切刃15から離れる方向で、つまりチップ排出
方向で減少するランド幅ならびにチップ成形凹所の正のすくい角に基づき、チッ
プ横断面の変形が行われ、この場合、チップ縁は側方で曲げ上げられる。これに
より、既に前側の範囲においてチップ幅はカッティング幅に比べて減少する。門
正面の角度α1,α2は、前成形されたチップ下面に対応する。チップ成形エレメ
ント24によってチップは引き続き圧縮を受け、この場合、チップはワーク溝内
で最適に案内される。溝底部へチップ自由端部が当接した後に、渦巻き状チップ
の形成が開始する。この場合、付加的な曲げ力および曲げモーメントが作用し、
この曲げ力および曲げモーメントは、チップ成形エレメント24によって形成さ
れた門内面(内面247参照)の間にチップを押し込み、しかも材料の延性およ
び選択された送りに基づき生ぜしめられるチップ厚さによって可能となる程度
に押し込む。チップ横断面に前成形されたエンボス成形部は門内面(内面247
)によって増幅され、それと同時にチップ幅がさらに減じられ、チップ案内が改
善される。内側で角度α2で配置された門正面により、チップ横断面変形のメカ
ニズムが容易にされる。この場合、チップ滞留もしくは材料固着を有効に回避す
ることができる。本発明によるカッティングインサートによって得られるエンボ
ス成形部状のチップ横断面は、プロセス確実なチップブレークのために著しく役
立つ。側方のすくい面保護ランド21,22の表面は、横断面で見て正面切刃1
5に対して平行に直線状に形成されている。
第6図および第7図に示した実施例は、すくい面保護ランド範囲22に続くチ
ップ成形エレメント24が、すくい面保護ランド範囲22の高さにほぼ一致する
か、もしくは同じ平面に位置するような小さな高さを有している点で、第1図〜
第5図に示した実施例とは異なっている。対応する構成部分は同じ符号を備えて
いる。頂部範囲241はこの場合では正の角度をとっている(第7図参照)。
第8図〜第15図に示したカッティングインサートは、シャンク10と、この
シャンクの前端部に続くカッティングヘッド11とを有している。このカッティ
ングヘッド11は前側の逃げ面12と側方の逃げ面13,14とを有している。
これらの逃げ面は全体的ま
たは部分的に正の逃げ角で配置されていてよい。すくい面は前側でカッティング
エッジもしくは正面切刃15と、サイドエッジ16,17とによって仕切られる
。正面切刃15はカッティングコーナ19,20を介してサイドエッジ16,1
7に移行している。第11図には、カッティングインサート長手方向軸線25に
対して直角に延びる正面切刃15の他に、斜めに延びる別の正面切刃15′,1
5′′,15′′′が例示されている。これらの正面切刃は前面の研削加工によ
って形成することができる。各傾斜角、つまり線15と15′もしくは15′′
または15′′′との間の角度は、カッティング幅に応じて最大18°のオーダ
にある。カッティングインサートは特に第12図から判るように、凹面状のチッ
プ成形凹所31を有している。このチップ成形凹所31は正面切刃15〜15′
,15′′または15′′′のほぼ真ん中に配置されていて、これらの正面切刃
を中断している。カッティングインサート長手方向軸線に対して直角な前記チッ
プ成形凹所の半径は、0.5〜6mm、有利には0.6〜3mmである。チップ
成形凹所31の側方では、すくい面縁部分32,33がほぼ側方ランド状に設け
られている。このすくい面縁部分の長さは、カッティングインサート長手方向軸
線25に対して平行な方向で中央に向かって減少している。すくい面縁部分32
,33とチップ成形凹所31との間には、それぞれ正
面切刃15,15′,15′′または15′′′から間隔を置いて段部34が設
けられている。この段部34は長手方向中心軸線に対して軸対称的でかつ鏡像対
称的に配置されている。平面図で見てこの段部34は、レンズ状に形成されてい
る。この段部34は隆起したチップ成形エレメントを成しており、このチップ成
形エレメントの内側の間隔C(第11図参照)は、カッティング幅Sの10〜2
0%である。段部34はカッティングエッジから間隔Aを置いて位置しており、
この間隔Aは少なくとも0.1mm、有利には0.2mmであり、かつ/または
カッティング幅Sの3%よりも大きく、さらに有利にはカッティング幅Sの5%
よりも大きく形成されている。この間隔Aは斜めに面取りされた正面切刃15′
,15′′または15′′′において、短い方の側での最小間隔として測定され
る。段部34は、上側の水平な上面またはカッティングインサート長手方向軸線
20に対して直角な方向で測定して最大17°の角度λで傾けられた上面341
と、逆向きに傾けられた別の内面342とから形成されている。上面341と内
面342とは、丸く面取りされた縁部343を形成するように互いに接している
。この縁部343の半径は、<3mmである。カッティングインサート長手方向
軸線20に対して直角な方向での内面342の傾斜角は、20〜40°、有利に
は25〜35°である。段部34の長さL1は有利に
はカッティング幅Sの20〜40%、さらに有利には30〜35%に設定される
。長手方向に延びる縁部343の間隔Bは、切刃凹部として形成されたチップ成
形凹所31の幅Dよりも5〜30%、有利には10〜20%だけ大きく形成され
ている。
すくい面縁部分32,33のすくい角γ1は、第12図から判るように−10
〜+10°、有利には−5〜+8°である。カッティングインサート長手方向軸
線25の方向で測定した、段部34の上面341および内面343の傾斜角もほ
ぼ同じ範囲内にあり、この場合、この傾斜角は有利には−5〜+5°であると望
ましい。
第14図に示した、段部の上面341および内面342の、長手方向に延びる
縁部343の半径R1は、0.3〜3mm、有利には0.4〜1mmであり、か
つ/またはカッティング幅の10〜30%である。図面からは、内面342の傾
斜角φが認められる。この傾斜角φは最大40°であってよい。すくい面縁部分
32,33は有利には同じく段部への移行範囲において凸面状に、特に0.3〜
3mm、有利には0.5〜2mmの曲率半径R5で形成されている。
すくい面縁範囲32,33に続いて、しかもチップ排出方向で見て段部24の
ほぼ真ん中で、サイドエッジ16,17に隣接するようにガイドウェブ35が設
けられている。このガイドウェブ35の、第14図に
示した上昇角βは20〜40°、有利には25〜35°である。上昇フランクに
続いて、このガイドウェブは、カッティングインサート載設面および/またはす
くい面縁部分に対してほぼ平行に位置する範囲に、0.4〜4mm、有利には0
.6〜1mmの曲率半径R3を形成して移行している。
第15図から判るように、側方のガイドウェブ35はその内側の傾斜面ですく
い面中央に向かって降下しており、この場合、ガイドウェブ35は凸面状に延び
ていて、凹面状の半径R2を介して段部34の上面341に移行しているか、ま
たは直接に、丸く面取りされた縁部343に移行している。この上面は最大10
°の正または負の角度で傾けられていてよい。内面342は、0.15〜1.5
mm、有利には0.2〜0.6mmの、同じく凹面状の小さな凹所半径R6を介
して、真ん中のチップ成形凹所に移行している。凹面状の凹所半径は、正面切刃
を起点として、ほぼ断面VII―VIIおよびVIII―VIIIの高さにまで
20〜100%だけ増大し、かつ/またはその後に20〜100%だけ減少して
いる。切刃高さもしくはガイドウェブ35に対する上面341の間隔T1は、0
.03〜0.5mm、有利には0.05〜0.2mmである。断面線VIII―
VIIIの高さで測定した凹所の深さT2は、切刃に対して0.25〜2mm、
有利には0.3〜1.2mmである。
第11図に示した、切刃凹所の深さT3は、0.08〜0.6mm、有利には
0.1〜0.3mmである。1.2〜12mm、有利には1.8〜8mmの半径
R4を形成して(第13図参照)長手方向で凹面状に形成されたチップ成形凹所
は、側方では段部34によって、チップ排出方向で見てその背後に位置する範囲
ではガイドウェブ35の側方フランクによって、さらに突起状のチップ成形エレ
メント24によってそれぞれ仕切られている。チップ成形エレメント24の各1
つの頂面241は上縁部242によって仕切られる。この上縁部の輪郭はチップ
成形凹所31の曲率に応じて下側の基部曲線243に対応しており、この基部曲
線243はチップ成形凹所31への接続部を成している。上縁部242と基部曲
線243との間に位置する側方フランク244は、複数の範囲に分割され得る。
これらの範囲はチップ排出方向で角度値α1,α2によって表されている。この場
合、角度α1は90〜75°から最大10°だけ減少して80〜65°にまで減
少し、さらに約75〜35°にまで変化する。突起状のチップ成形エレメントの
各側方フランク244は、球凸面状に形成されていて、チップ成形凹所27を先
細りにしており、その結果、排出されるチップの幅は一層減じられ、チップ案内
は改善される。反対の側の側方フランク244および段部34は、カッティング
インサート長手方向軸線25の方向で見てほぼ互い
に整合する範囲に位置している。これによって、突起状のチップ成形エレメント
24の寸法設定のために前記データからの対応する寸法が得られる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年3月21日
【補正内容】
第8図〜第15図に示したカッティングインサートは、シャンク10と、この
シャンクの前端部に続くカッティングヘッド11とを有している。このカッティ
ングヘッド11は前側の逃げ面12と側方の逃げ面13,14とを有している。
これらの逃げ面は全体的または部分的に正の逃げ角で配置されていてよい。すく
い面は前側でカッティングエッジもしくは正面切刃15と、サイドエッジ16,
17とによって仕切られる。正面切刃15はカッティングコーナ19,20を介
してサイドエッジ16,17に移行している。第10図には、カッティングイン
サート長手方向軸線25に対して直角に延びる正面切刃15の他に、斜めに延び
る別の正面切刃15′,15′′,15′′′が例示されている。これらの正面
切刃は前面の研削加工によって形成することができる。各傾斜角、つまり線15
と15′もしくは15′′または15′′′との間の角度は、カッティング幅に
応じて最大18°のオーダにある。カッティングインサートは特に第11図から
判るように、凹面状のチップ成形凹所31を有している。このチップ成形凹所3
1は正面切刃15〜15′,15′′または15′′′のほぼ真ん中に配置され
ていて、これらの正面切刃を中断している。カッティングインサート長手方向軸
線に対して直角な前記チップ成形凹所の半径は、0.5〜6mm、有利には0.
6〜3mmである。チップ成形凹所31の側方では、
すくい面縁部分32,33がほぼ側方ランド状に設けられている。このすくい面
縁部分の長さは、カッティングインサート長手方向軸線25に対して平行な方向
で中央に向かって減少している。すくい面縁部分32,33とチップ成形凹所3
1との間には、それぞれ正面切刃15,15′,15′′または15′′′から
間隔を置いて段部34が設けられている。この段部34は長手方向中心軸線に対
して軸対称的でかつ鏡像対称的に配置されている。平面図で見てこの段部34は
、レンズ状に形成されている。この段部34は隆起したチップ成形エレメントを
成しており、このチップ成形エレメントの内側の間隔C(第10図参照)は、カ
ッティング幅Sの10〜20%である。段部34はカッティングエッジから間隔
Aを置いて位置しており、この間隔Aは少なくとも0.1mm、有利には0.2
mmであり、かつ/またはカッティング幅Sの3%よりも大きく、さらに有利に
はカッティング幅Sの5%よりも大きく形成されている。この間隔Aは斜めに面
取りされた正面切刃15′,15′′または15′′′において、短い方の側で
の最小間隔として測定される。段部34は、上側の水平な上面またはカッティン
グインサート長手方向軸線20に対して直角な方向で測定して最大17°の角度
λで傾けられた上面341と、逆向きに傾けられた別の内面342とから形成さ
れている。上面341と内面342とは、丸く面取り
された縁部343を形成するように互いに接している。この縁部343の半径は
、<3mmである。カッティングインサート長手方向軸線20に対して直角な方
向での内面342の傾斜角は、20〜40°、有利には25〜35°である。段
部34の長さL1は有利にはカッティング幅Sの20〜40%、さらに有利には
30〜35%に設定される。長手方向に延びる縁部343の間隔Bは、切刃凹部
として形成されたチップ成形凹所31の幅Dよりも5〜30%、有利には10〜
20%だけ大きく形成されている。
すくい面縁部分32,33のすくい角γ1は、第12図から判るように−10
〜+10°、有利には−5〜+8°である。カッティングインサート長手方向軸
線25の方向で測定した、段部34の上面341および内面343の傾斜角もほ
ぼ同じ範囲内にあり、この場合、この傾斜角は有利には−5〜+5°であると望
ましい。
第14図に示した、段部の上面341および内面342の、長手方向に延びる
縁部343の半径R1は、0.3〜3mm、有利には0.4〜1mmであり、か
つ/またはカッティング幅の10〜30%である。図面からは、内面342の傾
斜角φが認められる。この傾斜角φは最大40°であってよい。すくい面縁部分
32,33は有利には同じく段部への移行範囲において凸面状に、特に0.3〜
3mm、有利には0.5〜
2mmの曲率半径R5で形成されている。
すくい面縁範囲32,33に続いて、しかもチップ排出方向で見て段部24の
ほぼ真ん中で、サイドエッジ16,17に隣接するようにガイドウェブ35が設
けられている。このガイドウェブ35の、第13図に示した上昇角βは20〜4
0°、有利には25〜35°である。上昇フランクに続いて、このガイドウェブ
は、カッティングインサート載設面および/またはすくい面縁部分に対してほぼ
平行に位置する範囲に、0.4〜4mm、有利には0.6〜1mmの曲率半径R3
を形成して移行している。
第15図から判るように、側方のガイドウェブ35はその内側の傾斜面ですく
い面中央に向かって降下しており、この場合、ガイドウェブ35は凸面状に延び
ていて、凹面状の半径R2を介して段部34の上面341に移行しているか、ま
たは直接に、丸く面取りされた縁部343に移行している。この上面は最大10
°の正または負の角度で傾けられていてよい。内面342は、0.15〜1.5
mm、有利には0.2〜0.6mmの、同じく凹面状の小さな凹所半径R6を介
して、真ん中のチップ成形凹所に移行している。凹面状の凹所半径は、正面切刃
を起点として、ほぼ断面VII―VIIおよびVIII―VIIIの高さにまで
20〜100%だけ増大し、かつ/またはその後に20〜100%だけ減少して
いる。切刃高さもしくはガ
イドウェブ35に対する上面341の間隔T1は、0.03〜0.5mm、有利
には0.05〜0.2mmである。断面線VIII―VIIIの高さで測定した
凹所の深さT2は、切刃に対して0.25〜2mm、有利には0.3〜1.2m
mである。
第11図に示した、切刃凹所の深さT3は、0.08〜0.6mm、有利には
0.1〜0.3mmである。1.2〜12mm、有利には1.8〜8mmの半径
R4を形成して(第12図参照)長手方向で凹面状に形成されたチップ成形凹所
は、側方では段部34によって、チップ排出方向で見てその背後に位置する範囲
ではガイドウェブ35の側方フランクによって、さらに突起状のチップ成形エレ
メント24によってそれぞれ仕切られている。チップ成形エレメント24の各1
つの頂面241は上縁部242によって仕切られる。この上縁部の輪郭はチップ
成形凹所27の曲率に応じて下側の基部曲線243に対応しており、この基部曲
線243はチップ成形凹所31への接続部を成している。上縁部242と基部曲
線243との間に位置する側方フランク244は、複数の範囲に分割され得る。
これらの範囲はチップ排出方向で角度値α1,α2によって表されている。この場
合、角度α1は90〜75°から最大10°だけ減少して80〜65°にまで減
少し、さらに約75〜35°にまで変化する。突起状のチップ成形エレメントの
各側方フランク244は
、球凸面状に形成されていて、チップ成形凹所27を先細りにしており、その結
果、排出されるチップの幅は一層減じられ、チップ案内は改善される。反対の側
の側方フランク244および段部34は、カッティングインサート長手方向軸線
25の方向で見てほぼ互いに整合する範囲に位置している。これによって、突起
状のチップ成形エレメント24の寸法設定のために前記データからの対応する寸
法が得られる。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年10月1日
【補正内容】
明細書
ワークを切削加工するための
カッティングインサート
本発明は、請求項1〜請求項3の上位概念部に記載の形式の、ワークを切削加
工するためのカッティングインサートに関する。
国際公開第89/01375号パンフレットに開示された、ワークを切削加工
するためのカッティングインサートは、カッティングインサート長手方向軸線に
対して直交する横方向に配置された前側のカッティングエッジ(正面切刃)と、
真ん中の凹面状のチップ(切り屑)成形凹所(Spanformmulde)とを備えており
、このチップ成形凹所は側方ですくい面保護ランド(
の場合、すくい面保護ランドの、チップ成形凹所に隣接したフランクは、カッテ
ィングエッジに対して直角な方向で、つまりチップ排出方向で、まず互いに収束
するように先細りになっているので、チップ形成凹所の底面は相応して先細りに
なる。このフランクは続いて再び互いに離れる方向で拡開している。この公知の
カッティングインサートはこのために、チップ成形凹所に隣接した、凸面状に成
形された側方フランクを有している。すくい面保護ランドは正面切刃に隣接して
平らに、かつ0°のすくい角で形成されており、この平らな範囲に続いて凸面状
の構造を有している。この構造は上記国際公開第89/01375号パンフレッ
トでは横方向の切欠きと呼称される。しかしこのようなカッティングインサート
の実際の使用においては、チップ案内とチップ横断面変形が不十分であるので、
カッティング時にスムーズなチップ排出を実現するためにはチップの全幅にわた
る所望の圧縮が小さすぎることが判っている。同じく、チップが前記横方向の切
欠きを無接触に滑り抜け、チップブレークのために必要となる曲げ上げを受けな
くなるか、または不十分にしか受けなくなる、という危険も生じる。
欧州特許出願公開第0568512号明細書に記載の、ワークを切削加工する
ためのカッティングインサートは、カッティングインサート長手方向軸線に対し
て直交する横方向に配置された前側のカッティングエッジ(正面切刃)と、真ん
中の凹面状のチップ成形凹所とを有している。このチップ成形凹所は側方ですく
い面保護ランドによって仕切られる。各すくい面保護ランドに続いて、チップ成
形凹所に向けられかつチップ成形凹所に突入する、隆起したリブ状のチップ成形
エレメントが設けられている。このチップ成形エレメントは、カッティングイン
サート長手方向軸線に対して鏡像対称的に互いに向かい合って位置している。こ
のチップ成形エレメントはチップ成形凹所の底面を所
定の範囲にわたってチップ排出方向に先細りにしており、これに続く範囲でリブ
状のチップ成形エレメントに移行している。このチップ成形エレメントは、互い
に平行に配置されている。付加的にカッティングエッジから間隔を置いて、もし
くはランドに続いて、凹所状の多数の凹部が設けられている。この凹部はカッテ
ィングインサート長手方向軸線に対して平行に細長い延びを有している。この凹
所の側方では、中央部の凹部よりも短い長さを有する、それぞれ別の凹部が設け
られている。
ドイツ連邦共和国実用新案第9214563.9号明細書に記載のカッティン
グインサートは、真っ直ぐなカッティングエッジを有しており、このカッティン
グエッジの両端部は前側のすくい面縁部分(すくい面保護ランド)に移行してい
る。
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のカッティングインサートを改良して、プ
ロセス確実な短いチップの形成が保証され、ワーク材料の種々異なる塑性変形能
力において、できるだけ広幅の送り範囲内で、形成されるチップがカッティング
幅よりも小幅となるようにチップが調整され、これによりワーク溝縁の高い表面
品質が達成され、かつ溝内でのチップのひっかかりが回避され、しかも不都合な
材料固着またはすくい面における沈積が高い可使時間の点でも回避され、ひいて
はカッティング時に振動の少ないチップ排出およびチップブレークが保証され得
るようなカッティングインサートを提供することである。
この課題は、請求項1、請求項2または請求項3の特徴部に記載の本発明によ
るカッティングインサートにより解決される。
請求項1に記載のカッティングインサートは、隆起したチップ成形エレメント
がチップ成形凹所に突起状に突入して、該チップ成形凹所を飛躍的に、有利には
不連続的にチップ排出方向に先細りにしており、しかもチップ成形エレメントの
上縁部がカッティングインサート長手方向軸線と共に形成する接線方向角が、隣
接したすくい面保護ランドの幅の間隔で測定して比較的大きな出発値から、すく
い面保護ランド幅の約1+1/2倍の間隔で測定して35〜75°にまで減少し
、最後に直線状の縁部に移行している。この縁部はカ
ッティングインサート長手方向軸線に対して5〜30°の角度で傾けられている
。
これに対して択一的に請求項2に記載のカッティングインサートは、チップ成
形エレメントが隆起されていて、球面状の側面を有しており、チップ成形エレメ
ントがすくい面保護ランドを高さ方向でも幅方向でも越えて延びており、カッテ
ィングインサート長手方向軸線に対して鏡像対称的に互いに向かい合って位置す
るように配置されており、チップ成形エレメントが、チップ成形凹所にまで突入
しており、チップ成形凹所によって規定されたチップ排出幅をカッティングエッ
ジ近傍の範囲で最小にしており、チップ成形エレメントが各1つの上縁部を有し
ており、該上縁部が、側方の平らな逃げ面に隣接していて、すくい面保護ランド
幅にほぼ相当する幅に沿って部分的に直線状にかつ/または凸面状に湾曲させら
れて延びており、カッティングエッジに対する上縁部の間隔が、カッティングイ
ンサート長手方向軸線の方向に向かって増大していることを特徴としている。
両カッティングインサートにとって共通して得られる効果は、排出されるチッ
プが、すくい面保護ランドと真ん中のチップ成形凹所とによって行われる塑性変
形後に、それぞれ突起状の隆起したチップ成形エレメントによって横断面におい
ても、この横断面に対して直角に配置された平面の方向においても、一層の圧縮
を受けるので、形成された排出チップがカッティング幅よりも著しく小幅に形成
されて、短いチップの形でブレークすることである。門状にチップ成形凹所に突
入しているが、しかし高さ方向では隣接のすくい面保護ランドを越えていない、
突起状のチップ成形エレメントに基づき、チップ成形凹所底面の端部における固
着または沈積は有効に阻止される。カッティングインサートのすくい面に対して
直角なチップ曲げ上げは、請求項2に記載のチップ成形エレメント、つまりそれ
ぞれ手前に位置するすくい面保護ランドを越えている上縁部を有するチップ成形
エレメントが使用されると、側方の範囲においてますます増幅される。このチッ
プ成形エレメントはいずれの場合でも、前側のカッティングエッジに面した側で
も、側方の逃げ面とはそれぞれ反対の側でも、またその間に位置する移行範囲に
おいても、少なくとも部分的に球凸面状のフランクを有するように形成されてい
る。このようなフランクはカッティングインサートのすくい面に対してほぼ直角
な方向におけるチップの飛躍的な著しい曲げ上げを生ぜしめる。さらにチップ成
形エレメントは、チップ成形凹所の底面を門状に先細りにするように形成されて
いると有利である。
【図10】
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年12月11日
【補正内容】
請求の範囲
1.ワークを切削加工するためのカッティングインサートであって、カッティ
ングインサート長手方向軸線(25)に対して直交する横方向に配置された前側
のカッティングエッジ(15,15,15,15)(正面切刃)と、真ん中の凹
面状のチップ成形凹所(23,27)とが設けられており、該チップ成形凹所(
23,27)が、側方ですくい面保護ランド(21,22,32,33)によっ
て仕切られており、各すくい面保護ランド(21,22,32,33)に続いて
、チップ成形凹所(23,27)に向けられかつ該チップ成形凹所に突入した、
隆起したチップ成形エレメント(24)が設けられており、該チップ成形エレメ
ント(24)が、カッティングインサート長手方向軸線(25)に対して鏡像対
称的に互いに向かい合って位置していて、チップ成形凹所の底面をチップ排出方
向で先細りにしている形式のものにおいて、隆起したチップ成形エレメント(2
4)が、チップ成形凹所(23,27)に突起状に突入していて、該チップ成形
凹所を飛躍的に、有利には不連続的にチップ排出方向に先細りにしており、チッ
プ成形エレメント(24)の上縁部(242)がカッティングインサート長手方
向軸線(25)と共に形成する接線方向角が、隣接するすくい面保護ランド(2
2,32,33)の幅の間
隔で測定して、比較的大きな出発値(α1)から、すくい面保護ランド幅の約1
+1/2倍の間隔で測定して35〜75°の角度(α2)にまで減少していて、
最終的に直線状の縁部に移行しており、該縁部が、カッティングインサート長手
方向軸線(25)に対して5〜30°の角度(α3)で傾けられていることを特
徴とする、ワークを切削加工するためのカッティングインサート。
2.チップ成形エレメント(24)が球面状の側面(244〜249)を有し
ており、チップ成形エレメント(24)がすくい面保護ランド(22)を高さ方
向でも幅方向でも越えて延びており、チップ成形エレメント(24)が、各1つ
の上縁部(242)を有しており、該上縁部(242)が、側方の平らな逃げ面
(13,14)に隣接していて、すくい面保護ランド幅にほぼ一致する幅にわた
って部分的に直線状にかつ/または凸面状に湾曲させられて延びており、カッテ
ィングエッジ(15)に対する前記上縁部(242)の間隔が、カッティングイ
ンサート長手方向軸線(25)の方向に向かって増大している、請求項1記載の
カッティングインサート。
3.すくい面保護ランド(32,33)とチップ成形凹所(31,27)との
間にそれぞれ、カッティングインサート長手方向軸線に対して直角に配置されて
いるか、またはカッティングインサート長手方向軸線
に対して傾斜角を成して配置されている正面切刃(15)から0.1mmよりも
大きい間隔(A)またはカッティング幅(S)の3%よりも大きい間隔(A)を
置いて、段部(34)が配置されている、請求項1または2記載のカッティング
インサート。
4.前記段部(34)が、水平方向の上面(341)またはカッティングイン
サート載置面に対して最大17°の角度でカッティングインサート長手方向軸線
(25)に対して直角な方向に傾けられた上面(341)と、チップ成形凹所(
31)に向けられた内面(342)とを有しており、しかも前記段部(34)が
、有利には0.2〜1.5mmの段部高さ(h2)を有している、請求項3記載
のカッティングインサート。
5.前記内面(342)が平らに形成されていて、カッティングインサート長
手方向軸線(25)に対して直角な方向で20〜40°、有利には25〜35°
の角度(φ)でカッティングインサート載置面に対して相対的に傾けられている
、請求項4記載のカッティングインサート。
6.前記上面(341)と前記内面(342)とが、丸く面取りされた共通の
縁部(343)を有しており、該縁部(343)の曲率半径が<3mm、有利に
は0.3〜1.0mmであり、かつ/またはカッティング幅の10〜30%であ
り、さらに前記縁部(34
3)が、カッティングインサート長手方向軸線(25)に対してほぼ平行に延び
ている、請求項4または5記載のカッティングインサート。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),JP,US
(72)発明者 ギュンター ルーター
ドイツ連邦共和国 D−45768 マール
グリューナー ヴィンケル 16
(72)発明者 ベルント クニッケンベルク
ドイツ連邦共和国 D−45355 エッセン
アム ユングボルン 25